JP3931799B2 - マイクロレンズの製造方法及び液晶装置の製造方法 - Google Patents

マイクロレンズの製造方法及び液晶装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロレンズの製造方法及び液晶装置の製造方法の技術分野に属し、特に投影型あるいは透過型の液晶装置の製造方法及び前記液晶装置の一方の面に用いられるマイクロレンズの製造方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来の薄膜トランジスタ駆動によるアクティブマトリクス駆動方式等の液晶装置においては、縦横に夫々配列された多数の走査線及びデータ線並びにこれらの各交点に対応して多数の画素電極がTFTアレイ基板上に設けられている。従って、このような液晶装置においては、走査線及びデータ線の位置関係などにより規制されて、表示を行う個々の画素の画素電極を大きく形成することができず、液晶装置の表示画面中の画素領域の占める割合、いわゆる開口率が小さくなる傾向にある。
【0003】
また、電圧非印加時に透過、印加時に非透過となる、いわゆるノーマリーホワイトモードにより表示を行う場合、表示コントラスト及び色再現性を向上させるためには、画素電極とデータ線との間の光漏れを防止する必要がある。そのために、 TFT及びデータ線が設けられたアクティブマトリクス基板に対向する対向基板上であって、当該TFT及びデータ線に向き合う部分に、金属などからなる遮光層を増設し、表示に寄与しない光を吸収また反射させるようにしている。
【0004】
しかし、この遮光層は、対向基板の貼り合わせ精度を考慮してマージンを含んだ大きさで形成する必要があり、そのために開口率はより一層小さくなり、表示画面が暗くなるという問題があった。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、液晶装置を構成する2枚の基板のうち光源側に位置する基板の液晶層との対向面に、各画素の夫々に対応する位置に複数のマイクロレンズをマトリクス状に配列して形成したり、或いは液晶装置の光源側に別の透明板を設け、その透明板の片面の各画素の夫々に対応する位置に複数のマイクロレンズをマトリクス状に配列したりして、光源から照射される光を各マイクロレンズで画素領域に夫々集光し、それによって表示画面を明るくする方法が提案され、例えば特開昭60−165621〜165624号公報等に掲載されている。
【0006】
また、前記マイクロレンズは、一般に感光性材料を熱変形させることにより製造するが、感光性材料自体が光吸収性であり光の利用効率が低下するという問題があった。また、光吸収により温度が上昇するとレンズ自体が軟化して高エネルギーの光に対して使用できないという問題もあった。更に、光の利用効率からすると、個々のマイクロレンズがお互いに連結してアレイを構成し、マイクロレンズアレイ全体に入射する光を全てマイクロレンズに集光できるようにすることが望ましいが、従来の熱変形法では、マイクロレンズを互いに連結してマイクロレンズアレイを作成することが困難であった。
【0007】
そこで、熱変形工程に加えて、エッチングにより凸面形状のアレイ配置を彫り移すことにより、所望の屈折面形状及びそのアレイ配列状態を基板に製造する方法が提案され、例えば特開平6−194502号公報等に掲載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のエッチングを用いた製造方法によれば、マイクロレンズアレイの中央部よりも、周辺部の方がエッチングによる除去量が多くなり、その結果、レンズとの凸状部の高さ、または直径等が中央部と周辺部とで異なるこになり、レンズ特性にばらつきを生じるという問題点があった。
【0009】
従って、液晶装置の表示領域の周辺部と中央部とで、輝度、コントラストがばらつくという問題があった。
【0010】
そこで、マイクロレンズを用いることなく、各画素の開口率を従来よりも高くすることが考えられるが、この対策は、データ線あるいは走査線のパターンの幅、更にはTFTの面積等によりある程度の制限があり、前記問題を解決するには至らなかった。
【0011】
本発明は上述した問題点に鑑みなされたものであり、エッチング工程を経て製造されたマイクロレンズを備える場合でも、レンズ特性にばらつきがなく、表示領域全体に亘って均一な輝度とコントラストを得ることのできる液晶装置及び当該液晶装置を備えた電子機器を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、マイクロレンズの製造方法において、下地基板上にアライメントマークを形成する工程と、前記下地基板をエッチング処理してマイクロレンズを形成する工程と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明は、第1基板及び第2基板のいずれかに含まれる下地基板にマイクロレンズが形成されてなるマイクロレンズの製造方法において、前記下地基板上に、前記第1基板及び前記第2基板を貼りあわせるためのアライメントマークを形成する工程と、前記下地基板をエッチング処理して前記マイクロレンズを形成する工程と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明は、マイクロレンズの製造方法において、フォトリソグラフィ工程、フォトエッチング工程を施して、下地基板上にアライメントマークを形成する工程と、前記下地基板上にフォトレジストを形成する工程と、前記フォトレジストをパターニングして、選択的に前記フォトレジストを残存させる工程と、当該フォトレジストが残存した前記下地基板をエッチング処理してマイクロレンズを形成する工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明は、マイクロレンズの製造方法において、フォトリソグラフィ工程、フォトエッチング工程を施して、下地基板上にアライメントマークを形成する工程と、前記下地基板上にフォトレジストを形成する工程と、前記フォトレジストをパターニングして、選択的に前記フォトレジストを残存させる工程と、前記選択的に残存した前記フォトレジストを加熱して、熱変形により当該フォトレジストの表面形状を滑らかにする工程と、当該フォトレジストが形成された前記下地基板を、エッチング処理して、当該フォトレジストを除去しながら前記下地基板にマイクロレンズを形成する工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明は、本発明に記載のマイクロレンズの製造方法において、前記フォトレジストをパターニングして、選択的に前記フォトレジストを残存させる工程において、前記フォトレジストを、前記アライメントマークを覆うように残存させることを特徴とする。
【0017】
本発明は、第1基板及び第2基板を備え、前記第1基板及び前記第2基板のいずれかに前記下地基板が含まれる液晶装置の製造方法において、本発明に記載のマイクロレンズの製造方法を用いて前記下地基板にマイクロレンズを形成することを特徴とする。
【0018】
本発明は、第1基板及び第2基板を備え、前記第1基板及び前記第2基板のいずれかに下地基板が含まれる液晶装置の製造方法であって、前記下地基板上に、前記第1基板と前記第2基板とを貼りあわせるためのアライメントマークを形成する工程と、前記アライメントマークが形成された前記下地基板をエッチング処理してマイクロレンズを形成する工程と、前記マイクロレンズが形成された前記第1基板及び前記第2基板のいずれか一方と他方とを互いに貼りあわせる工程と、を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明は、第1基板及び第2基板を備え、前記第1基板及び前記第2基板のいずれかに下地基板及びカバーガラスが含まれる液晶装置の製造方法であって、前記下地基板上に、アライメントマークを形成する工程と、前記アライメントマークが形成された前記下地基板をエッチング処理してマイクロレンズを形成する工程と、前記マイクロレンズの形成された前記下地基板を、接着剤を介して前記カバーガラスに貼りあわせる工程と、前記マイクロレンズが形成された前記第1基板及び前記第2基板のいずれか一方と他方とを互いに貼りあわせる工程と、を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明に記載の液晶装置は、前記課題を解決するために、一対の第1基板及び第2基板と、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶と、前記第1基板上にマトリクス状に設けられた複数の画素電極と、前記複数の画素電極により規定される表示領域の周囲に沿って、前記第1基板または第2基板のいずれかに形成された第1遮光層と、前記各画素電極に対応して形成されたマイクロレンズとを備え、前記マイクロレンズは、前記表示領域及び前記第1遮光層が形成された領域に形成されてなることを特徴とする。
【0021】
本発明に記載の液晶装置によれば、前記各画素電極が設けられる各画素に対応してマイクロレンズを設け、各画素の開口領域に光を集光するので、輝度の低下が防止される。特に、開口領域外に入射するような光をも、前記開口領域側に集光させるため、高輝度の液晶装置が提供されることになる。
【0022】
しかも、前記マイクロレンズは、前記開口領域だけでなく、前記第1基板または第2基板のいずれかにおいて、前記複数の画素電極により規定される表示領域の周囲に沿って第1遮光層が形成された領域にも形成されてなるので、前記複数のマイクロレンズのうち、表示領域周辺部側のマイクロレンズは、前記第1遮光層が形成された領域に位置することになる。従って、表示領域周辺部側のマイクロレンズにより集光された光は第1遮光層により遮光され、前記開口領域に対する集光には寄与しないことになる。この表示領域周辺部側のマイクロレンズは、表示領域中央部側のマイクロレンズに比べて、エッチング処理の際に彫り移される量が多くなり、レンズ特性が異なるものである。従って、このようにレンズ特性の異なるマイクロレンズは、前記開口領域に対する集光に寄与せず、レンズ特性の均一なマイクロレンズのみによって、前記開口領域に対する集光が行われるので、均一な輝度とコントラストが得られる。
【0023】
本発明に記載の液晶装置は、前記課題を解決するために、本発明に記載の液晶装置において、前記第1基板上に設けられた複数のデータ線と、該複数のデータ線に交差して前記第1基板上に設けられた複数の走査線と、前記第1基板上にて各データ線及び走査線並びに前記画素電極に接続された薄膜トランジスタと、該複数の薄膜トランジスタの少なくともチャネル形成用領域及び前記複数の走査線並びに複数のデータ線に、平面的に見て重なる位置で、前記第1基板または第2基板のいずれかに設けられ、各画素の開口領域を規定する第2遮光層とを備えたことを特徴とする。
【0024】
本発明に記載の液晶装置によれば、第1基板上に設けられた複数の薄膜トランジスタの少なくともチャネル形成用領域と、同じく第1基板上に設けられた複数の走査線並びに複数のデータ線は、第1基板または第2基板のいずれかに設けられた第2遮光層により、これらが液晶に対向する側から夫々覆われる。従って、第1基板側から光が入射した場合であっても、前記薄膜トランジスタのチャネル形成用領域に対する当該光の入射を確実に防止し、リーク電流の発生を抑える。
【0025】
また、前記遮光層で前記チャネル形成用領域及び走査線並びにデータ線を覆うことにより、各画素の開口領域が規定されることになるが、液晶の非配向部が生じ易い前記画素電極の周縁部は、走査線及びデータ線を覆う前記第2遮光層により覆われることになり、前記非配向部が原因となる前記開口領域内における輝度のむら、あるいはコントラストむらを確実に防止する。従って、上述したマイクロレンズにより均一な輝度とコントラストが得られると共に、リーク電流の発生が抑えられ、高品位の画像を得ることができる。
【0026】
本発明に記載の液晶装置は、前記課題を解決するために、本発明に記載の液晶装置において、前記マイクロレンズは、前記夫々の集光部が、凸状に形成された集光連結部により連結されていることを特徴とする。
【0027】
本発明に記載の液晶装置によれば、前記マイクロレンズは、いわゆるマイクロレンズアレイを形成し、各マイクロレンズの夫々の集光部は、凸状に形成された集光連結部により連結されている。従って、前記開口領域に入射する光だけでなく、前記開口領域外に入射する光をも、前記開口領域に集光させるので、光の利用効率を極めて高くすることができる。
【0028】
本発明に記載の液晶装置は、前記課題を解決するために、本発明に記載の液晶装置において、前記第2の基板は、透明な下地基板と、該下地基板上に取り付けられ前記液晶と接する透明なカバー部材とを含み、前記マイクロレンズは、前記下地基板の前記カバー部材との対向側に形成され、前記第1遮光層は、前記カバー部材の前記液晶との接触側に形成されることを特徴とする。
【0029】
本発明に記載の液晶装置によれば、前記マイクロレンズは、従来のように感光性材料の熱変形のみによって作られるのではなく、その後のエッチング処理により、前記第2の基板を構成する透明な下地基板に形成されるので、光吸収性が極めて低く、従来のように感光性材料によって形成される場合に比べて光の利用効率を十分に高めることができる。また、前記下地基板は温度上昇による軟化等が発生せず、高エネルギーの光に対する使用が可能である。前記第1遮光層は、前記透明な下地基板に取り付けられるカバー部材に形成されるので、上述したようなレンズ特性の異なるマトリクス端部のマイクロレンズを確実に覆うことができ、レンズ特性の等しいマイクロレンズのみによる開口領域に対する集光を可能とする。更に、前記第1遮光層についても前記カバー部材に取り付けられるので、遮光層とマイクロレンズの集光部との位置合わせを精度良く行うことができ、光洩れのない高輝度の液晶装置を提供する。
【0030】
本発明に記載の液晶装置は、前記課題を解決するために、本発明に記載の液晶装置において、前記遮光層は、前記第1基板の前記液晶との対向側の面に形成されることを特徴とする。
【0031】
本発明に記載の液晶装置によれば、前記遮光層は、前記第1基板の前記液晶との対向側の面に形成されるので、複数の画素電極複数の画素電極により規定される表示領域を精度良く規定することができ、液晶装置を遮光性のケースに入れる際に位置ずれが生じた場合でも、当該ずれを許容して、前記ケースの開口における適切な位置に前記表示領域を設定することができる。
【0032】
本発明に記載の電子機器は、本発明に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする。
【0033】
本発明に記載の電子機器によれば、本発明に記載の液晶装置を備えたので、光洩れがなく、コントラストむらのない高輝度の表示を行うことのできる液晶装置により、高品位な表示を行うことができる。
【0034】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0036】
(液晶装置の構成)
先ず、液晶装置の全体構成を図1から図3に基づいて説明する。図1は、液晶装置の実施の形態におけるTFTアレイ基板上に設けられた各種配線、周辺回路等の構成を示すブロック図であり、図2は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図であり、図3は、対向基板を含めて示す図2のH−H’断面図である。
【0037】
図1において、液晶装置200は、例えば石英基板、ハードガラス等からなるTFTアレイ基板1を備えている。TFTアレイ基板1上には、マトリクス状に設けられた複数の画素電極11と、X方向に複数配列されており夫々がY方向に沿って伸びるデータ線35と、Y方向に複数配列されており夫々がX方向に沿って伸びる走査線31と、各データ線35と画素電極11との間に夫々介在すると共に該間における導通状態及び非導通状態を、走査線31を介して夫々供給される走査信号に応じて夫々制御するスイッチング素子の一例としての複数のTFT30とが形成されている。またTFTアレイ基板1上には、蓄積容量のための配線である容量線31’(蓄電容量電極)が、走査線31と平行に形成されている。なお、容量線31’は、走査線31と平行に形成する構成だけでなく、前段の走査線下を利用して蓄積容量を形成するように構成しても良い。画素電極11と容量線31’との間には容量が形成されるが、図1には、この容量を省略して図示してある。
【0038】
TFTアレイ基板1上には更に、複数のデータ線35に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して夫々供給するプリチャージ回路201と、画像信号をサンプリングして複数のデータ線35に夫々供給するサンプリング回路301と、データ線駆動回路101と、走査線駆動回路104とを形成されている。なお、これらの回路は、 TFTアレイ基板1上に必ず設けられている必要はなく、 TFTアレイ基板1とは別の基板等に設けるように構成しても良い。
【0039】
また、プリチャージ回路201とサンプリング回路301は、本発明に必須の要件ではないが、これらの回路を設けると、輝度むら、コントラストむらを無くすのに有利である。
【0040】
走査線駆動回路104は、外部制御回路から供給される電源、基準クロック等に基づいて、所定タイミングで走査線31に走査信号をパルス的に印加する。
【0041】
データ線駆動回路101は、外部制御回路から供給される電源、基準クロック等に基づいて、走査線駆動回路104が走査信号を印加するタイミングに合わせて、6つの画像信号線304に画像信号VID1〜VID6が供給される際に、6つの画像信号線304の夫々とデータ線の導通を図るべく、データ線35毎にサンプリング回路駆動信号をサンプリング回路301にサンプリング回路駆動信号線306を介して供給する。
【0042】
プリチャージ回路201は、TFT202を各データ線35毎に備えており、プリチャージ信号線204がTFT202のソース電極に接続されており、プリチャージ回路駆動信号線206がTFT202のゲート電極に接続されている。そして、プリチャージ信号線204を介して、外部電源からプリチャージ信号を書き込むために必要な所定電圧の電源が供給され、プリチャージ回路駆動信号線206を介して、各データ線35について画像信号に先行するタイミングでプリチャージ信号を書き込むように、外部制御回路からプリチャージ回路駆動信号が供給される。プリチャージ回路201は、好ましくは中間階調レベルの画素データに相当するプリチャージ信号(画像補充信号)を供給する。
【0043】
サンプリング回路301は、TFT302を各データ線35毎に備えており、画像信号VID1〜VID6の供給が行われる画像信号線304が、TFT302のソース電極に接続されており、サンプリング回路駆動信号線306がTFT302のゲート電極に接続されている。そして、画像信号線304を介して、例えば6相展開された6つのパラレルな画像信号VID1〜VID6が入力されると、これらの画像信号VID1〜VID6をサンプリングする。また、サンプリング回路駆動信号線306を介して、データ線駆動回路101からサンプリング回路駆動信号が入力されると、6つの画像信号線304夫々についてサンプリングされた画像信号VID1〜VID6を、6つの隣接するデータ線35毎に順次印加する。即ち、データ線駆動回路101とサンプリング回路301とは、画像信号線304から入力された6つのパラレルな画像信号VID1〜VID6を6相展開して、データ線35に供給するように構成されている。
【0044】
尚、画像信号の相展開数には制約がないが、ビデオ表示させる場合には、RGB各々に画像信号線が必要なことから、3の倍数で構成すると外部制御回路が比較的容易に構成できる。また、少なくとも画像信号の相展開数分だけ画像信号線304が必要なことは言うまでもない。また、このような相展開を行う構成も、本発明に必須の要件ではないが、ドットクロックが速い場合には、画像信号の駆動トランジスタの負荷を軽減できるという利点がある。
【0045】
本実施の形態では特に、プリチャージ回路201及びサンプリング回路301は、図1中斜線領域で示すように且つ図2及び図3に示すように、対向基板2に形成された遮光性の周辺見切り53に対向する位置においてTFTアレイ基板1上に設けられており、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104は、液晶層50に面しないTFTアレイ基板1の狭く細長い周辺部分上に設けられている。
【0046】
図2及び図3において、TFTアレイ基板1の上には、複数の画素電極11により規定される表示領域(即ち、実際に液晶層50の配向状態変化により画像が表示される液晶装置の領域)の周囲において両基板を貼り合わせて液晶層50を包囲するシール部材の一例としての光硬化性樹脂からなるシール材52が、表示領域に沿って設けられている。そして、対向基板2上における表示領域とシール材52との間には、遮光性の周辺見切り53が設けられている。
【0047】
周辺見切り53は、後に表示領域に対応して開口が開けられた遮光性のケースにTFTアレイ基板1が入れられた場合に、当該表示領域が製造誤差等により当該ケースの開口の縁に隠れてしまわないように、あるいは単に表示領域を規定するために、例えばTFTアレイ基板1のケースに対する数百μm程度のずれを許容するように、表示領域の周囲に500μm以上の幅を持つ帯状の遮光性材料から形成されたものである。このような遮光性の周辺見切り53は、例えば、Cr(クロム)やNi(ニッケル)やAl(アルミニウム)などの金属材料を用いたスパッタリング、フォトリソグラフィ及びエッチングにより対向基板2に形成される。或いは、カーボンやTi(チタン)をフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどの材料から形成される。
【0048】
シール材52の外側の領域には、表示領域の下辺に沿ってデータ線駆動回路101及び実装端子102が設けられており、表示領域の左右の2辺に沿って走査線駆動回路104が表示領域の両側に設けられている。そして、シール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板2が当該シール材52によりTFTアレイ基板1に固着されている。
【0049】
プリチャージ回路201及びサンプリング回路301は、基本的に交流駆動の回路である。このため、シール材52により包囲され両基板間に挟持された液晶層50に面するTFTアレイ基板1部分にこれらのプリチャージ回路201及びサンプリング回路301を設けても、直流電圧印加による液晶層50の劣化という問題は生じない。これに対して、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104は、液晶層50に面することのないTFTアレイ基板1の周辺部分に設けられている。従って、液晶層50に、特に直流駆動されるデータ線駆動回路101や走査線駆動回路104からの直流電圧成分が、漏れ込んで印加されることを未然に防止できる。
【0050】
そして、このように周辺見切り53下に、プリチャージ回路201及びサンプリング回路301を設けた場合は、走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101をTFTアレイ基板1の周辺部分に余裕を持って形成することができ、特定の仕様に沿うようにこれらの周辺回路を設計することが容易になるという利点がある。また、言わばデッドスペースである周辺見切り53下に、プリチャージ回路201やサンプリング回路301を設けることで、液晶装置200における有効表示面積の減少を招くこともなく、同時に、特に周辺見切り53は遮光性であるので、表示領域を介して入射される光に対する遮光をプリチャージ回路201やサンプリング回路301を構成するTFT202及び302に施す必要がないという利点もある。加えて、シール材52に面するTFTアレイ基板1部分にプリチャージ回路201やサンプリング回路301を形成する訳ではないので、これらの回路を構成するTFT202及び302をシール材52に混入されたスペーサにより破壊する恐れはない。更に、これらの回路を構成するTFT202及び302に対して、別途遮光層を設ける必要も無いので、このような遮光層がシール材52の光硬化の妨げになる事態も未然に防げる。即ち、両基板のシール材52に対向する位置には、遮光層を設ける必要はないので、シール材52を光硬化させる工程で両基板側から光を十分に照射でき、良好に光硬化を行える。このため、基板の変形等が懸念される熱硬化性樹脂をシール材52として使用しなくて済み有利である。
【0051】
一方、対向基板2において、以上のような周辺見切り53によって囲まれ、画素電極11がマトリクス状に設けられたTFTアレイ基板1の表示領域に対応する領域には、周辺見切り53と同時に同一材料により図2に示すように遮光層23が設けてもよい。
【0052】
この遮光層23は、前述の周辺見切り53と同様に、CrやNiやAlなどの金属材料を用いたスパッタリング、フォトリソグラフィ及びエッチングにより形成され、あるいカーボンやTiをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどの材料から形成される。遮光層23は、このような材料で形成されると共に、TFT30のポリシリコン層32を覆う位置に設けられ、 ポリシリコン層32当該に対する遮光を行って、リーク電流の発生を防止している。また、遮光層23は、コントラストの向上、色材の混色防止などの機能を有する。つまり、液晶層50は、画素電極11に対する電圧の印加により配向状態が変化する性質を有するが、画像電極11の表面に接する全ての液晶層50が一様に等しい配向状態となるのではなく、画素電極11の周縁側ほど所望の配向状態に至らない、いわゆる非配向領域が存在する。そこで、このような非配向部を遮光層23で覆うことにより、コントラストを均一化させ、混色を防止するのである。
【0053】
本実施形態における遮光層23は、以上のような機能を確実に発揮させるために、図4に斜線で示すような形状としている。図4はTFTアレイ基板1の表示領域の一部を拡大した平面図であり、理解を容易にするために、対向基板2に形成された遮光層23を重ねて記載してある。
【0054】
図4に示すように、TFTアレイ基板1上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極11が設けられており、画素電極11の縦横の境界に夫々沿ってデータ線35、走査線31及び容量線31’が設けられている。そして、遮光層23は、図4に示すように、対向基板2の側から見て、金属等により形成された遮光性のデータ線35やポリシリコン等からなる走査線31、更には走査線31と同一工程で形成される容量線31’を覆う位置に設けられている。また、対向基板2とTFTアレイ基板1との貼り合わせの際にずれが生じた場合でも、確実にTFT30に対する遮光を行い、かつ非配光部を確実に覆うために、マージンを持った大きさを有して構成されている。
【0055】
従って、各走査線とデータ線により区画され、薄膜トランジスタと画素電極とからなる画素の開口領域は、以上のようにある程度のマージンを持った大きさの遮光層23により規定されることになるので、画面中の画素領域の占める割合、いわゆる開口率が小さくなり、表示画面が暗くなる傾向にある。
【0056】
そこで、本実施形態においては、光源側に位置する対向基板2の表面の、各画素の夫々に対応する位置に、複数のマイクロレンズ62をマトリクス状に配列して形成することにより、光源から照射される光を各マイクロレンズ62で画素領域に夫々集光し、それによって表示画面を明るくするように構成している。
【0057】
本実施形態においては、マイクロレンズ62の形成されている位置は、図3の丸印Aで示す部分の拡大図である図5に示すように、対向基板2の下地基板2aのTFTアレイ基板側の表面である。本実施形態においては、図5の丸印Bの部分の拡大図である図6に示すように、この下地基板2aの前記表面側に、カバーガラス2bを取り付けており、前記遮光層23はこのカバーガラス2bのTFTアレイ基板1側の表面に形成される。
【0058】
また、マイクロレンズ62は、図6及び対向基板2をTFTアレイ基板1側から見た平面図である図7に示すように、その直径は遮光層23により規定される開口領域の幅よりも大きく形成されており、開口領域においてできるだけ非集光領域が形成されないように構成されている。
【0059】
また、本実施形態においては、各画素領域に一対一に対応してマイクロレンズ62が設けられており、各画素の実効的な開口率を高くして、液晶装置の輝度を高くするように構成されている。
【0060】
ここで、対向基板2の製造工程を、図8に基づいて説明する。
【0061】
(対向基板の製造工程)
まず、厚さ1.0〜1.1mmのネオセラムあるいは石英基板等により形成された下地基板2a上に、スパッタリング法等によりクロムあるいはクロム合金等の金属膜を約1000〜2000オングストローム程度の厚さに形成した後、フォトリソグラフィ工程、フォトエッチング工程を施すことにより、TFTアレイ基板1との貼り合わせのためのアライメントマーク60を形成する(図8(1))。
【0062】
次に、前記アライメントマーク60が形成された下地基板2aの表面にプライマーを塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてのポジ型のフォトレジストを厚さ約7.3μm程度塗布し、プリベークを行って厚さ約7μmのレジスト膜を得る(図8(2))。
【0063】
次に、縦横約15μm程度の長方形形状の遮光部がマトリクス状に配列され、各遮光部の周囲に約2μm程度の光透過性の枠部が形成されたマスクを、前記レジスト膜に密着して重ね、紫外線露光を行い、その後通常のフォトレジストの現像法に従って現像を行い、リンスする(図8(3))。
【0064】
次に、以上のような光パターニングによりパターニングされた感光性材料の膜を熱変形温度以上の約150℃に加熱してポストベークを行う。その結果、各長方形状の膜は滑らかな凸面となり、基板からの高さは約7μmとなった(図8(4))。
【0065】
そして、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングにより異方性エッチング工程を行う。この時の選択比は、感光性材料の膜:下地基板2a=1:1とした。その結果、下地基板2aに前記滑らかな凸面のアレイ形状が彫り移されて、所望のマイクロレンズアレイが得られる(図8(5))。
【0066】
このようにして形成されるマイクロレンズアレイは図9に示すような形状を有しており、夫々のマイクロレンズは互いに連結部64により連結されている。この連結部64は、マイクロレンズ62の凸状部に比べると基板からの高さは低いが、マイクロレンズ62と同様に凸形状を有しており、この連結部64の働きにより、光の利用効率が向上し、マイクロレンズアレイ全体に入射する光をほぼ全てマイクロレンズで集光することができる。
【0067】
次に、マイクロレンズアレイが形成された下地基板2aの表面上にアクリル樹脂等の接着剤63を塗布して下地基板2aとカバーガラス2bとを貼りあわせる。その後、カバーガラス2b上にスパッタリング法等によりクロムあるいはクロム合金等の金属膜を約1000〜2000オングストローム程度の厚さに形成した後、フォトリソグラフィ工程、フォトエッチング工程を施すことにより、上述した遮光層23を形成する(図8(6))。
【0068】
最後に、カバーガラス2bの表面にスパッタリング法等によりITO膜を、約1000〜2000オングストローム程度の厚さに形成した後、パターンニングを行って、透明な共通電極21を形成する(図8(7))。
【0069】
以上のような工程により、各画素に対応した微細なマイクロレンズを形成することができ、各画素の実効的な開口率を上昇させて、高輝度の液晶装置を提供することができる。
【0070】
また、本実施形態のマイクロレンズ62単に感光性材料を熱変形させるだけでなく、当該変形後にエッチング処理を行うことによりネオセラム等の下地基板2aに形成しているので、光吸収性が極めて少なく、光の利用効率を従来よりも高くすることができる。
【0071】
また、マイクロレンズ62は、ネオセラム等の下地基板2aに形成しているので、感光性材料のみで形成する場合に比べて、光吸収による温度上昇、更には温度上昇による軟化等が生じないため、高エネルギーの光に対しても使用可能である。
【0072】
(マイクロレンズの構成)
しかしながら、図8(5)に示した異方性エッチング工程においては、中央部と外周部とで、マイクロレンズ62の凸状部の基板からの高さが異なるという問題があった。
【0073】
つまり、中央部の下地基板2aは、上述のように凸状に成形されたレジストに沿ってエッチングされるため、個々の凸状部が周囲の凸状部の影響を受けながら彫り写されることになる。これに対し、最外周部であるL1,Lmにおいては、図8(5)に示すように、隣接する凸状部が片側にしか存在しない。従って、外側の凸状部ほど、中央部の凸状部に比べて深く彫られることになる。即ち、最外周部L1,Lmの凸状部は、中央部の凸状部よりも基板からの高さが低くなる。そして、その最外周部L1,Lmに隣接する凸状部の基板からの高さは、最外周部L1,Lmの凸状部のそれよりも高いが、中央部に比べると低くなる。
【0074】
このように、マイクロレンズの高さは、最外周部に近い程、中央部に比べて徐々にテーパー状に低くなり、その結果、中央部と外周部とでは、マイクロレンズの特性が異なり、液晶装置として動作させた場合には、輝度、コントラストに差を生じるという問題があった。
【0075】
そこで、本実施形態は、このような問題を解決するために、マイクロレンズアレイの形成領域を、図5及び図6に示すように周辺見切り53の置かれた領域にまで拡げ、これらのマイクロレンズアレイをダミーのマイクロレンズとするように構成した。
【0076】
本実施形態では、表示領域において、例えば1水平走査方向の画素電極1024個に対応して、1024個のマイクロレンズアレイが必要な場合、1024個のマイクロレンズに加えて、約20個を対向基板2の周辺見切り53の置かれた領域にダミーマイクロレンズ(ダミーレンズ)として形成した。尚、ダミーレンズは20個にかぎられるものでない。従って、表示領域に対して集光を行うマイクロレンズには、外周部から十分に離れたマイクロレンズのみを使用することができる。つまり、上述したようなエッチング工程時に生じる特性の異なる外周部のマイクロレンズは、図5及び図6に示すように周辺見切り53により覆われることになり、表示領域に対する集光には寄与しない。このように、特性の揃ったマイクロレンズのみを使用して表示領域における各画素への集光を行うことができ、輝度差、またはコントラスト差のない良好な液晶装置、液晶装置を提供することができる。
【0077】
しかも、上述したように、本実施形態におけるマイクロレンズ62は、光の利用効率を十分に高くすることができるので、輝度差、またはコントラスト差がないだけでなく、従来に比べて高輝度の液晶装置とすることができる。
【0078】
更に、図9に示すように、夫々のマイクロレンズ62は集光機能を有する連結部64により連結されたマイクロレンズアレイとなっているため、従来においては遮光される部分に照射される光をも開口領域に集光することができるので、実効的な開口率を従来よりも著しく高めることができる。
【0079】
そして、この集光は、上述したように、レンズ特性の揃ったマイクロレンズにより行われるため、表示領域の全域において均一に行われ、高輝度でありながら、むらのない、高品位の表示が可能である。尚、周辺見切りは、対向基板2側に設けられているが、TFT基板1側に設けて、ダミーマイクロレンズを覆うように形成しても良い。
【0080】
(他の実施形態)
尚、本発明の液晶装置に用いる液晶層50の一例としては、ネマティック液晶を挙げることができる。また、液晶を高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、配向膜及び偏光フィルム、偏光板等が不要となり、光利用効率が高まることによる液晶装置の高輝度化や低消費電力化の利点が得られる。更にまた、液晶装置においては、液晶層50に対し垂直な電界(縦電界)を印加するように対向基板2の側に共通電極21を設けているが、液晶層50に平行な電界(横電界)を印加するように一対の横電界発生用の電極から画素電極11を夫々構成する(即ち、対向基板2の側には縦電界発生用の電極を設けることなく、TFTアレイ基板1の側に横電界発生用の電極を設ける)ことも可能である。このように横電界を用いると、縦電界を用いた場合よりも視野角を広げる上で有利である。その他、各種の液晶材料(液晶相)、動作モード、液晶配列、駆動方法等に本実施の形態を適用することが可能である。
【0081】
以上のように、画素電極11に電圧が印加されると、液晶層50におけるこの画素電極11と共通電極21とに挟まれた部分における液晶の配向状態が変化し、ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。この際、本実施の形態では特に、液晶層50の非配向部を、遮光層23により確実に防止して、ノーマリーホワイトモード使用時における、電圧印加時における光の抜けを確実に防止することができる。しかも、この遮光層23を、対向基板2とTFTアレイ基板1との貼り合わせの際のずれを考慮して、所定のマージンをもった大きさ及び形状としているため、従来よりもより一層確実に光の抜けを防止することができる。そして、遮光層23をこのような大きさ及び形状とした場合でも、上述したマイクロレンズ62により実効的な開口率を上昇させ、更に上述したように各マイクロレンズの特性は揃っているた、表示領域には、高輝度でむらのない高品質の画像が表示される。
【0082】
また、上述の説明においては、周辺見切り53及び遮光層23は対向基板2側に設けた例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、周辺見切り53及び遮光層23をTFTアレイ基板1側に設けるように構成しても良い。このように構成すれば、周辺見切り53及び遮光層23の、各画素の開口領域及び表示領域に対する位置精度を向上させることができ、上述したような位置ずれを考慮したマージンをとる必要がないので、周辺見切り53及び遮光層23を小さく形成することが可能となり、実際の開口率を上昇させることができる。
【0083】
以上説明した実施の形態では、プリチャージ回路201及びサンプリング回路301を設けるようにしたが、これらに代えて又は加えて周辺見きり53下に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路を設けてもよい。このように検査回路を周辺見切り53下に設ければ、走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101をTFTアレイ基板1の周辺部分に余裕を持って形成することができ、液晶装置における有効表示面積の減少を招くことなく、同時に、特に周辺見切り53は遮光性であるので、表示領域を介して入射される光に対する遮光を検査回路を構成するTFTに施す必要も無い。更に、プリチャージ回路201及びサンプリング回路301に代えて又は加えて周辺見きり53下に、当該液晶装置を動作させるための、例えば画質の向上、消費電力の低減、コストの低減等の観点からTFT等を用いた各種の周辺回路のうち、交流電圧駆動されるタイプの回路を設けてもよい。このように周辺回路を設ければ、液晶装置における有効表示面積の減少を招くことなく、同時に、特に周辺見切り53は遮光性であるので、表示領域を介して入射される光に対する遮光を周辺回路を構成するTFTに施す必要も無い。そして、周辺回路は交流電圧駆動されるので、直流電圧印加による液晶層50の劣化という問題は生じない。
【0084】
また、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板1の上に設ける代わりに、例えばTAB(テープオートメイテッドボンディング基板)上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板1の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、サンプリング回路201、プリチャージ回路301及び検査回路のうちのいずれか一つのみを周辺見切り53下に形成し、残りをTFTアレイ基板1上の周辺部分等に形成しても、デッドスペースの有効利用の効果は多少なりとも得られる。
【0085】
更にまた、以上の実施の形態において、特開平9−127497号公報、特公平3−52611号公報、特開平3−125123号公報、特開平8−171101号公報等に開示されているように、TFTアレイ基板1上においてTFT30に対向する位置(即ち、TFT30の下側)にも、例えば高融点金属からなる遮光層を設けてもよい。このようにTFT30の下側にも遮光層を設ければ、TFTアレイ基板1の側からの戻り光等がTFT30に入射するのを未然に防ぐことができる。上記の実施例はTFTについて記載したが、本発明のマイクロレンズを搭載する液晶装置は、TFTの場合に限られるものではなく、パッシブ型の液晶装置にも適用可能である。
【0086】
(電子機器)
次に、以上詳細に説明した液晶装置を含む液晶装置200を備えた電子機器の実施の形態について図10から図13を参照して説明する。
【0087】
先ず図10に、このように液晶装置200を備えた電子機器の概略構成を示す。
【0088】
図10において、電子機器は、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、前述の走査線駆動回路104及びデータ線駆動回路101を含む駆動回路1004、前述のように周辺見切り下にプリチャージ回路及びサンプリング回路が設けられた液晶装置10、クロック発生回路1008並びに電源回路1010を備えて構成されている。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、光ディスク装置などのメモリ、同調回路等を含み、クロック発生回路1008からのクロックに基づいて、所定フォーマットのビデオ信号などの表示情報を表示情報処理回路1002に出力する。表示情報処理回路1002は、増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成されており、クロックに基いて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロックCLKと共に駆動回路1004に出力する。駆動回路1004は、走査信号駆動回路104及び画像信号駆動回路101によって前述の駆動方法により液晶装置10を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定電源を供給する。尚、液晶装置10を構成するTFTアレイ基板の上に、駆動回路1004を搭載してもよく、これに加えて表示情報処理回路1002を搭載してもよい。
【0089】
このように構成された電子機器の具体例としては、図11に示す液晶プロジェクタ、図12に示すマルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)及びエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、あるいは携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置などを挙げることができる。
【0090】
次に図11から図13に基づいて、このように構成された電子機器の具体例について説明する。
【0091】
図11において、電子機器の一例たる液晶プロジェクタ1100は、投射型の液晶プロジェクタであり、光源1110と、ダイクロイックミラー1113,1114と、反射ミラー1115,1116,1117と、入射レンズ1118,リレーレンズ1119,出射レンズ1120と、液晶ライトバルブ1122,1123,1124と、クロスダイクロイックプリズム1125と、投写レンズ1126とを備えて構成されている。液晶ライトバルブ1122,1123,1124は、上述した駆動回路1004がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置10を含む液晶表示モジュールを3個用意し、夫々液晶ライトバルブとして用いたものである。また、光源1110はメタルハライド等のランプ1111とランプ1111の光を反射するリフレクタ1112とからなる。
【0092】
以上のように構成される液晶プロジェクタ1100においては、青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー1113は、光源1110からの白色光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー1117で反射されて、赤色光用液晶ライトバルブ1122に入射される。一方、ダイクロイックミラー1113で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー1114によって反射され、緑色光用液晶ライトバルブ1123に入射される。また、青色光は第2のダイクロイックミラー1114も透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ1118、リレーレンズ1119、出射レンズ1120を含むリレーレンズ系からなる導光手段1121が設けられ、これを介して青色光が青色光用液晶ライトバルブ1124に入射される。各ライトバルブにより変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム1125に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1126によってスクリーン1127上に投射され、画像が拡大されて表示される。
【0093】
以上のような液晶プロジェクタにおいて使用される液晶装置10は、上述したように、ネオセラムあるいは石英等の基板に形成されるので、従来のように光吸収による温度上昇、更に温度上昇による軟化という現象を生じさせず、高効率のランプを使用することができる。従って、従来よりも高輝度の液晶プロジェクタを提供することができる。
【0094】
図12において、電子機器の他の例たるラップトップ型のパーソナルコンピュータ1200は、上述した液晶装置10がトップカバーケース内に備えられた液晶表示ディスプレイ1206と、CPU、メモリ、モデム等を収容すると共にキーボード1202が組み込まれた本体部1204とを有する。
【0095】
また、図13に示すように、液晶装置用基板1304を構成する2枚の透明基板1304a,1304bの一方に、金属の導電膜が形成されたポリイミドテーブ1322にICチップ1324を実装したTCP(Tape Carrier Package)1320を接続して、電子機器用の一部品である液晶装置として生産、販売、使用することもできる。
【0096】
以上、図11から図13を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダー型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、携帯電話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が図10に示した電子機器の例として挙げられる。
【0097】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本発明は上述の各種の液晶装置の駆動に適用されるものに限らず、エレクトロルミネッセンス、プラズマディスブレ一装置にも適用可能である。
【0098】
以上説明したように、本実施の形態によれば、マイクロレンズを用いることにより、各画素の実効的な開口率を上昇させることができるだけでなく、周辺見切りの下にダミーマイクロレンズを設ける構成としたため、表示領域におけるレンズ特性を揃えることができ、高輝度で、且つ輝度むら、コントラストむらのない、高品位の画像表示が可能な液晶装置200を備えた各種の電子機器を実現できる。
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、第1基板上に各画素の開口領域に個々に対応したマイクロレンズを設けると共に、当該マイクロレンズを設ける範囲を、表示領域の周辺に沿って設けられる周辺見切りの下の領域にまで拡げ、周辺見切りの下のマイクロレンズをダミーのマイクロレンズとしたので、表示領域に用いるマイクロレンズのレンズ特性を揃えることができ、高輝度で且つ輝度むら、コントラストむらのない液晶装置及びこの液晶装置により高品位の画像表示が可能な電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 液晶装置の実施の形態におけるTFTアレイ基板上に形成された各種配線、周辺回路等のブロック図である。
【図2】 図1の液晶装置の全体構成を示す平面図である。
【図3】 図1の液晶装置の全体構成を示す断面図である。
【図4】 図1の液晶装置に備えられる液晶装置の遮光層の形状を示す平面図である。
【図5】 図3の丸印Aで示す部分の拡大図であり、実施の形態におけるマイクロレンズの設けられた位置を説明する断面図である。
【図6】 図5の丸印Bで示す部分の拡大図であり、実施の形態における液晶装置の対向基板の詳細な構成を示す断面図である。
【図7】 図1の液晶装置に備えられる液晶装置における、マイクロレンズの配置構成を示す平面図である。
【図8】 図1の液晶装置に備えられる液晶装置における、対向基板の製造工程を示す工程図である。
【図9】 図8に示す工程により製造されるマイクロレンズの形態を示す斜視図である。
【図10】 本発明による電子機器の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図11】 電子機器の一例としての液晶プロジェクタを示す断面図である。
【図12】 電子機器の他の例としてのパーソナルコンピュータを示す正面図である。
【図13】 電子機器の一例としてのTCPを用いた液晶装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…TFTアレイ基板
2…対向基板
2a…下地基板
2b…カバーガラス
10…液晶装置
11…画素電極
21…共通電極
23…遮光層
30…TFT
31…走査線(ゲート電極)
35…データ線(ソース電極)
50…液晶層
52…シール材
53…周辺見切り
62…マイクロレンズ
63…接着剤
64…連結部
101…データ線駆動回路
102…実装端子
104…走査線駆動回路
200…液晶装置
201…プリチャージ回路
301…サンプリング回路

Claims (4)

  1. マイクロレンズの製造方法において、
    フォトリソグラフィ工程、フォトエッチング工程を施して、下地基板上にアライメントマークを形成する工程と、
    前記下地基板上にフォトレジストを形成する工程と、
    前記フォトレジストをパターニングして、選択的に前記フォトレジストを残存させる工程と、
    当該フォトレジストが残存した前記下地基板をエッチング処理してマイクロレンズを形成する工程と、を備え、
    前記フォトレジストをパターニングして、選択的に前記フォトレジストを残存させる工程において、前記フォトレジストを、前記アライメントマークを覆うように残存させることを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
  2. マイクロレンズの製造方法において、
    フォトリソグラフィ工程、フォトエッチング工程を施して、下地基板上にアライメントマークを形成する工程と、
    前記下地基板上にフォトレジストを形成する工程と、
    前記フォトレジストをパターニングして、選択的に前記フォトレジストを残存させる工程と、
    前記選択的に残存した前記フォトレジストを加熱して、熱変形により当該フォトレジストの表面形状を滑らかにする工程と、
    当該フォトレジストが形成された前記下地基板を、エッチング処理して、当該フォトレジストを除去しながら前記下地基板にマイクロレンズを形成する工程と、を備え、
    前記フォトレジストをパターニングして、選択的に前記フォトレジストを残存させる工程において、前記フォトレジストを、前記アライメントマークを覆うように残存させることを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
  3. 第1基板及び第2基板を備え、前記第1基板及び前記第2基板のいずれかに前記下地基板が含まれる液晶装置の製造方法において、
    請求項1または2に記載のマイクロレンズの製造方法を用いて前記下地基板にマイクロレンズを形成することを特徴とする液晶装置の製造方法。
  4. 前記アライメントマークは、前記下地基板のマイクロレンズが設けられた領域の外側に設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載のマイクロレンズの製造方法。
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