JP3931358B2 - 硬化性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は改質された硬化性組成物に関し、特に著しく優れた機械物性を有する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子内に1つ以上の加水分解性ケイ素基を有する有機重合体は、硬化物がゴム弾性を有するという特徴を生かし被覆組成物・密封組成物などの用途に用いられているが、特に接着剤等のような用途には硬化物の強度、特にせん断接着強度が不充分であり、実用上問題がある。
【0003】
これらの欠点を解決するために、加水分解性ケイ素基含有有機重合体にアミノ基含有アルコキシシランまたはこのシランをエポキシ基含有アルコキシシランやメタクリル基含有アルコキシシランと反応させて得た変性体を添加してなる組成物が提案されている(特公昭62−35421)。しかしアミノ基含有アルコキシシランの添加の場合、分子中の第1級アミノ基が硬化物の耐水性を損なうという問題があり、変性体添加の場合は硬化体のモジュラス変化が大きく硬化体が脆くなるなどの問題があった。
【0004】
さらに、従来から接着が難しいとされるポリ塩化ビニルやフッ素鋼板などの被着体に対しては充分な接着力を得られないという問題があった。
【0005】
また、アミノ基含有アルコキシシランと(メタ)アクリル酸エステルを同時に使用する方法(特開平6−16921)、またはそれを反応させて得られた付加物を使用する方法(特開平6−88017)、によって接着性を改善する手法が知られているが、これらの方法もまたポリ塩化ビニルやフッ素鋼板などの被着体に対しては充分な接着力を得られないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のような欠点を解決し、その硬化物が著しく優れた機械物性と接着強度を有する硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加水分解により架橋可能な加水分解性ケイ素基を分子内に1つ以上有する有機重合体(A)、および、加水分解性基ケイ素基を有するアミン化合物(B−1)と、式1で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物から選ばれる1種以上の化合物(B−2)を反応させることによって得られるケイ素化合物(B)を含有する硬化性組成物であって、前記有機重合体(A)100重量部に対し、前記ケイ素化合物(B)を0.1〜40重量部含有することを特徴とする硬化性組成物である。
【0008】
【化2】
【0009】
【0010】
式1中、mは1、Q1は水素原子またはメチル基、Q0は結合手または炭素数1〜40の直鎖状または分岐鎖状の2価の置換または非置換の炭化水素基、Tはテトラヒドロフルフリル基、フェノキシ基および環状アセタール結合から選ばれる1種以上の置換基または結合部を含有する炭素数1〜40の有機基である。
【0011】
本発明における加水分解により架橋可能な加水分解性ケイ素基を分子内に1つ以上有する有機重合体(A)としては、ポリエーテル、ポリエステルおよびポリカーボネートから選ばれる有機重合体から誘導される有機重合体が挙げられる。また(メタ)アクリル酸エステル、ビニルアルキルエーテル、イソブチレン、ブタジエン、クロロプレン等のジエン類、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、エチレンまたはプロピレン等の重合性モノマーと加水分解性ケイ素基含有重合性モノマーを共重合して得られる加水分解性ケイ素基含有ビニル系重合体等が挙げられる。
【0012】
特にポリエーテル、ポリエステルおよびポリカーボネートから選ばれる有機重合体から誘導される有機重合体であることが好ましく、なかでも特にポリエーテルから誘導される加水分解性ケイ素基含有ポリエーテルが好ましい。
【0013】
ポリエーテルは、触媒の存在下、活性水素を含有する開始剤にアルキレンオキシドを開環重合反応させて得られる。アルキレンオキシドとしてはプロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、スチレンオキシド、アリルグリシジルエーテル等がある。またオキセタン、テトラヒドロフラン等も使用できる。
【0014】
開始剤としては、多価アルコール、多価カルボン酸、多価アミン等の多価活性水素化合物、末端不飽和基含有モノオール、不飽和フェノール、不飽和カルボン酸等の不飽和基含有活性水素化合物が挙げられる。
【0015】
触媒としてはナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属やそれらアルカリ金属の水酸化物などのアルカリ金属化合物、複合金属シアン化物錯体、金属ポルフィリン錯体を使用できる。
【0016】
加水分解性ケイ素基含有ポリエーテルは、水酸基含有ポリエーテルから誘導されることが特に好ましい。
【0017】
本発明において加水分解により架橋可能な加水分解性ケイ素基(以下単に加水分解性ケイ素基ともいう)とは、シラノール基やアルコキシシリル基のように、湿分や硬化触媒等により縮合反応を起こし有機重合体の架橋によって高分子量化を促進しうるものであり、好ましくは式3により表される。
【0018】
【化3】
【0019】
式3中、R1 は炭素数1〜20の置換または非置換の1価の炭化水素基、Xは水酸基または加水分解性基、aは1〜3の整数である。
【0020】
加水分解性ケイ素基含有ポリエーテルは、水酸基含有ポリエーテルから誘導される場合、通常、有機基を介して式3で表される加水分解性ケイ素基が導入される。よって、本発明における有機重合体(A)は式4で表される基を有することが好ましい。
【0021】
【化4】
【0022】
式4中、R0 は2価の有機基、R1 、X、aは上記に同じ。
【0023】
ここで、式4中のR0 は2価の有機基であり、炭素数8以下の炭化水素基が好ましい。式3、式4中、R1 は炭素数1〜20の置換または非置換の1価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数8以下のアルキル基、フェニル基またはフルオロアルキル基である。特に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基またはフェニル基である。
【0024】
式3、式4中のXは水酸基または加水分解性基であり、加水分解性基としてはたとえばハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミド基、アミノ基、アミノオキシ基、ケトキシメート基またはヒドリド基である。これらのうち炭素原子を有する加水分解性基の炭素数は6以下、特には4以下が好ましい。好ましいXは炭素数4以下のアルコキシ基、特にはメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基である。式3、式4中のaは2または3が好ましい。
【0025】
本発明における有機重合体(A)の製造方法としては、たとえば、下記の(イ)〜(ヘ)を例示するがこれらに限定されない。なお、(イ)〜(ニ)は、加水分解性ケイ素基含有ポリエーテルの製造例であり、(ホ)〜(ヘ)は加水分解性ケイ素基含有ビニル系重合体の製造例である。
【0026】
(イ)イソシアネート基と加水分解性ケイ素基を有する有機ケイ素化合物を水酸基含有ポリエーテルと反応させる方法。
【0027】
具体的な有機ケイ素化合物としては、化5の化合物を示しうる。
【0028】
【化5】
【0029】
(ロ)式HSiXa R1 3-a(式中R1 、X、aは前記に同じ)で表される水素化ケイ素化合物と、末端に不飽和基を導入したポリエーテルとを反応させる方法。
【0030】
ここで不飽和基を導入する方法としては、水酸基含有ポリエーテルのOHをOM(Mはアルカリ金属)とした後、塩化アリル等の不飽和基含有ハロゲン化炭化水素と反応させる方法、または不飽和基および水酸基と反応しうる官能基を有する化合物を水酸基含有ポリエーテルと反応させて、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合等を介して不飽和基を導入する方法がある。また末端水酸基含有ポリエーテルの製造においてアルキレンオキシドを重合する際に、アリルグリシジルエーテル等の不飽和基含有アルキレンオキシドを共重合させることにより側鎖に不飽和基を導入する方法や、開始剤として末端不飽和基含有モノオールを用いて製造した水酸基含有ポリエーテルも使用することにより末端に不飽和基を導入する方法もある。
【0031】
(ハ)水酸基含有ポリエーテルの末端にトリレンジイソシアネート等のポリイソシアネートを反応させてイソシアネート基末端とした後、該イソシアネート基に式5で表されるケイ素化合物のW基を反応させる方法。
【0032】
【化6】
【0033】
式5中、R1 、X、aは前記に同じであり、R2 は炭素数1〜20の2価の炭化水素基であり、Wは水酸基、カルボキシル基、メルカプト基およびアミノ基(1級または2級)から選ばれる活性水素含有基である。
【0034】
(ニ)末端に不飽和基を導入したポリエーテルの不飽和基と、Wがメルカプト基である式5で表されるケイ素化合物のメルカプト基を反応させる方法。
【0035】
(ホ)加水分解性ケイ素基を有する重合性モノマーまたはそのオリゴマーと他の重合性モノマーまたはそのオリゴマーとを共重合させる方法。
【0036】
重合性モノマーとは、たとえば式6で表される化合物の単独または2種以上の混合物である。
【0037】
【化7】
【0038】
式6中、R3 は水素原子、ハロゲン原子または1価の炭化水素基であり、R4 、R5 は1価の有機基である。R3 は水素原子または1価の炭化水素基であることが好ましく、R4 、R5 は水素原子、ハロゲン原子、1価の炭化水素基、フェニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、グリシドキシカルボニル基、シアノ基、アルケニル基、アシルオキシ基、アミド基およびピリジル基から選ばれる基であることが好ましい。
【0039】
重合性モノマーの具体例としては、スチレンやα−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸、それらのエステルまたは(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル、2,4−ジシアノブテン−1等のシアノ基含有モノマー、酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、イソプレン、ブタジエン等のジエン系モノマー、イソブチレン等のオレフィンおよびその他不飽和エステル類、ハロゲン化オレフィン、ビニルエーテル等がある。
【0040】
また加水分解性ケイ素基を有する重合性モノマーとしては式7で表される化合物が用いられる。
【0041】
【化8】
【0042】
式7中、R6 は炭素数1〜20の置換または非置換の1価の炭化水素基であり、Yは水酸基、またはハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミド基、アミノ基、アミノキシ基、ケトキシメート基等の加水分解性基であり、R7 は重合性不飽和基を有する有機残基であり、nは0〜2の整数である。
【0043】
式7で表される化合物としては具体的には化9の化合物等が例示される。
【0044】
【化9】
【0045】
(ヘ)加水分解性ケイ素基を含有する連鎖移動剤の存在下で重合性モノマーを重合させる方法。
【0046】
加水分解性ケイ素基を含有する連鎖移動剤としては具体的には化10の化合物等が例示される。
【0047】
【化10】
【0048】
有機重合体(A)の分子量は1000以上であることが好ましい。1000〜50000であることがより好ましく、特には5000〜30000、さらには8000〜30000が好ましい。
【0049】
本発明において加水分解性ケイ素基を有するアミン化合物(B−1)と、式1で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物から選ばれる1種以上の化合物(B−2)を反応させることによって得られるケイ素化合物(B)を使用する。
【0050】
【化11】
【0051】
式1中、mは1、Q1は水素原子またはメチル基、Q0は結合手または、炭素数1〜40の直鎖状または分岐鎖状の2価の置換または非置換の炭化水素基、Tはテトラヒドロフルフリル基、フェノキシ基および環状アセタール結合から選ばれる1種以上の置換基または結合部を有する炭素数1〜40の有機基である。
【0052】
アミン化合物(B−1)は、式3で表される加水分解性ケイ素基を有することが好ましく、特にアルコキシシリル基を有することが好ましい。アルコキシシリル基としてはトリアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、モノアルコキシシリル基などがある。
【0053】
アミン化合物(B−1)は加水分解性ケイ素基を1分子中に1個有する化合物であることが好ましい。
アミン化合物(B−1)としては、アミノ基としては第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する化合物であることが好ましく、第1級アミノ基を有する化合物であることが特に好ましい。
アミン化合物(B−1)は分子量1000未満の化合物であることが好ましい。
アミン化合物(B−1)は、式2で表される化合物であることが特に好ましい。
【0054】
【化12】
【0055】
式2中、X0 は水酸基または加水分解性基、Q2 は炭素数1〜20の置換または非置換の1価の炭化水素基、Q3 は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基、pは1〜3の整数、qは0〜3の整数である。
【0056】
アミン化合物(B−1)としては具体的には3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N,N’−ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。アミン化合物(B−1)は1種を単独で使用してもよく、2種以上の混合物であってもよい。
【0057】
Q 1 は水素原子であることが好ましい。本発明において環状アセタール結合とは化13で表される構造をいう。
【0058】
【化13】
【0059】
化13において、Z1 〜Z8 は結合手、水素原子、または炭素数1〜20の置換または非置換の1価の炭化水素基を示す。Z1 〜Z8 はそれぞれ、異なっていても同一でもよい。
【0060】
(B−2)の具体例を次に挙げる。
テトラヒドロフルフリル基含有(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物としてはたとえば日本化薬製のカヤラッドTC−110S(化14、nの平均値は1))が挙げられる。
【0061】
フェノキシ基含有(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物としてはたとえばポリオキシアルキレングリコールモノフェニルエーテルモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。特にポリオキシエチレングリコールモノフェニルエーテルモノ(メタ)アクリレートが好ましく、日本化薬製のカヤラッドR−564(化157、nの平均値は2.3)などが挙げられる。
【0063】
環状アセタール結合含有(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物としては、日本化薬製のカヤラッドR−644(化17、nの平均値は1)、カヤラッドR−604(化18)などが挙げられる。
【0064】
さらにグリセロールモノフェニルエーテルモノ(メタ)アクリレート(日本化薬製のカヤラッドR−128(化19))など、2種以上の置換基を含むものでもよい。
【0065】
【化14】
【0066】
【化15】
【0067】
【化16】
【0068】
【化17】
【0069】
【化18】
【0070】
【化19】
【0071】
アミン化合物(B−1)と化合物(B−2)は混合することにより容易に反応する。非水条件下でアミン化合物(B−1)を室温〜180℃で撹拌しながら、化合物(B−2)を滴下することが特に好ましい。アミン化合物(B−1)と化合物(B−2)は、各々2種以上反応に用いてもよい。
【0072】
アミン化合物(B−1)と化合物(B−2)の使用量はモル比で100:1〜1:100が好ましく、5:1〜1:5が特に好ましい。
【0073】
組成物の硬化体に伸びが必要とされる場合には、ケイ素化合物(B)が加水分解性ケイ素基を1分子中に1個有する化合物であることが好ましい。このような化合物を得るためには、アミン化合物(B−1)と化合物(B−2)が約1:1で反応することが好ましい。
【0074】
よって、化合物(B−2)は(メタ)アクリロイルオキシ基を1〜2個有することが好ましい。化合物(B−2)が(メタ)アクリロイルオキシ基を3個を超えて有する場合は、アミン化合物(B−1)と化合物(B−2)の使用量は1:1〜1:2であることが好ましい。ただし、組成物の硬化体に伸びが特に必要とされない場合はこの限りではない。
【0075】
有機重合体(A)に対するケイ素化合物(B)の使用割合は、重量比で(A)/(B)=100/0.1〜100/40の範囲である。
【0076】
本発明の硬化性組成物には、さらに充填剤、可塑剤、硬化触媒、その他の添加剤などが必要に応じて添加できる。
【0077】
(充填剤)
充填剤としては公知の充填剤が使用できる。充填剤の使用量は有機重合体(A)100重量部に対して0〜1000重量部、特に50〜250重量部が好ましい。充填剤の具体例としては以下のものが挙げられる。これらの充填剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0078】
炭酸カルシウム、フュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末等の粉体状充填剤、石綿、ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤。
【0079】
(可塑剤)
可塑剤としては、公知の可塑剤が使用できる。可塑剤の使用量は有機重合体(A)100重量部に対して0〜100重量部が好ましい。可塑剤の具体例としては以下のものが挙げられる。
【0080】
フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類。アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル。ペンタエリスリトールエステルなどのアルコールエステル類。リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類。エポキシ化大豆油、4,5−エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤。塩素化パラフィン。2塩基酸と2価アルコールとのポリエステル類などのポリエステル系可塑剤、ポリオキシプロピレングリコールやその誘導体等のポリエーテル類、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン等のポリスチレンのオリゴマー類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水添ポリブテン、エポキシ化ポリブタジエン等のオリゴマー類等の高分子可塑剤。
【0081】
(硬化触媒)
本発明における硬化性組成物を硬化させるにあたっては加水分解性シリル基の硬化反応を促進する硬化触媒を使用してもよい。具体例としては下記の化合物が挙げられる。それらの1種または2種以上が使用される。硬化触媒は有機重合体(A)100重量部に対して0〜10重量部使用することが好ましい。
【0082】
アルキルチタン酸塩、有機ケイ素チタン酸塩、ビスマストリス(2−エチルヘキソエート)等の金属塩、リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸等の酸性化合物、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン等の脂肪族ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン類、ピペリジン、ピペラジン等の複素環式アミン類、m−フェニレンジアミン等の芳香族アミン類、、アルカノールアミン類、ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート等のようなアミン塩、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン等のアミン化合物。
【0083】
ジオクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートおよび化20のカルボン酸型有機錫化合物およびこれらのカルボン酸型有機錫化合物と上記のアミン類との混合物。
【0084】
化21の含硫黄型有機錫化合物。
【0085】
(n-C4H9)2SnO、(n-C8H17)2SnO 等の有機錫オキシド、およびこれらの有機錫オキシドとエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル等のエステル化合物との反応生成物。
【0086】
化22のキレート錫化合物等およびこれらの錫化合物とアルコキシシランとの反応生成物(ただし、acacはアセチルアセトナト配位子)。
【0087】
化23の錫化合物。
【0088】
【化20】
【0089】
【化21】
【0090】
【化22】
【0091】
【化23】
【0092】
本発明の硬化性組成物は、室温で湿分存在下で硬化し、特に弾性シーラント用、接着剤用として使用できる。硬化性組成物は接着強度に優れ、特にフッ素鋼板に対する接着性に優れる。よって、外壁材、サッシ等フッ素系塗料またはフッ素系コーティング剤が塗布された建材用の接着剤やシーリング剤として適する。
【0093】
【実施例】
以下実施例(例1〜4、例7〜8、例11〜12)および比較例(例5〜6、例9〜10、例13〜16)を挙げて本発明を説明する。
【0094】
[製造例1]
グリセリンを開始剤として亜鉛ヘキサシアノコバルテート触媒にてプロピレンオキシドを重合させて得られた分子量は17000のポリオキシプロピレントリオールの末端水酸基をアリルオキシ基に変換した後、精製した。メチルジメトキシシランを白金触媒の存在下に反応させてアリル基をメチルジメトキシシリルプロピル基に変換し、ポリエーテルP1を得た。
【0095】
[製造例2]
撹拌機、温度調節器、温度計、コンデンサを備えた500mLフラスコに、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(111g、0.5mol)を加え、非水条件下で水酸基およびテトラヒドロフルフリル基含有モノアクリレート(カヤラッドTC−110S、日本化薬製、142g、0.5mol)を室温で滴下し、さらに4時間反応させ化合物P2を得た。
【0096】
[製造例3]
製造例2と同様のフラスコに、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(111g、0.5mol)を加え、非水条件下でフェノキシ基含有モノアクリレート(カヤラッドR−564、日本化薬製、124.5g、0.5mol)を室温で滴下し、さらに3時間反応させ化合物P3を得た。
【0097】
[製造例4]
製造例2と同様のフラスコに、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(111g、0.5mol)を加え、非水条件下で水酸基含有モノアクリレート(ブレンマーAE−350、日本油脂製、57.5g、0.5mol)を室温で滴下し、さらに2時間反応させ化合物P4を得た。
【0098】
[製造例5]
製造例2と同様のフラスコに、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(111g、0.5mol)を加え、非水条件下で環状アセタール含有モノアクリレート(カヤラッドR−644、日本化薬製、185g、0.5mol)を室温で滴下し、さらに4時間反応させ化合物P5を得た。
【0099】
[製造例6]
撹拌機、温度調節器、温度計、コンデンサを備えた1000mlフラスコに、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(222g,1mol)を加え、非水条件下で環状アセタール含有ジアクリレート(カヤラッドR−604、日本化薬製、166g、0.5mol)を室温で滴下し、さらに5時間反応させ化合物P6を得た。
【0100】
[製造例7]
製造例2と同様のフラスコに、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(111g、0.5mol)を加え、非水条件下でフェノキシ基および水酸基含有モノアクリレート(カヤラッドR−128H、日本化薬製、111g、0.5mol)を室温で滴下し、さらに3時間反応させ化合物P7を得た。
【0101】
[製造例8]
製造例2と同様のフラスコに、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(111g、0.5mol)を加え、非水条件下でオクチルアクリレート(50g、0.5mol)を室温で滴下し、さらに2時間反応させ化合物P8を得た。
【0102】
[例1〜12]
ポリエーテルP1の100重量部(以下、部とする)に対し、炭酸カルシウム150部、可塑剤50部、チキソ性付与剤3部、化合物P2〜P9のうち表に示す化合物を表に示す部、ビニルトリメトキシシラン5部、Sn系硬化触媒2部を加えよく混合した後、湿分下硬化養生させ、JIS A5758に準拠してアルミニウム板対アルミニウム板の引張接着性を評価した。さらにこれを20℃で7日イオン交換水に浸けた後同様に試験を行い耐水接着性を評価した。
【0103】
同様にフッ素鋼板対フッ素鋼板の引張接着性を評価した。これらの結果を表1〜3に示す。なお、化合物P9はN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランである。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】
【発明の効果】
本発明の硬化性組成物は、著しく高い機械強度を発現し、特に優れた接着強度を有する硬化性組成物を与えるという効果を有する。
Claims (1)
- 加水分解により架橋可能な加水分解性ケイ素基を分子内に1つ以上有する有機重合体(A)、および、加水分解性基ケイ素基を有するアミン化合物(B−1)と、式1で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物から選ばれる1種以上の化合物(B−2)を反応させることによって得られるケイ素化合物(B)を含有する硬化性組成物であって、前記有機重合体(A)100重量部に対し、前記ケイ素化合物(B)を0.1〜40重量部含有することを特徴とする硬化性組成物。
[化1]
[CH2=CQ1−COO−Q0]mT・・・式1
式1中、mは1、Q1は水素原子またはメチル基、Q0は結合手または、炭素数1〜40の直鎖状または分岐鎖状の2価の置換または非置換の炭化水素基、Tはテトラヒドロフルフリル基、フェノキシ基および環状アセタール結合から選ばれる1種以上の置換基または結合部を含有する炭素数1〜40の有機基である。
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