JP3931025B2 - 自己バイアス調整回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内部回路の前段に設けられ、入力信号のバイアスを調整する自己バイアス調整回路に関し、特に、内部回路に適切な信号を供給する自己バイアス調整回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自己バイアス調整回路として、たとえば、文献「Design Considerations for Very-High-Speed Si-Bipolar IC’s Operating up to 50Gb/s」、H.-M.Rein著(IEEE Journal of Solid-State Circuits,vol.31,no.8,pp.1076-1090,August 1996)に開示された自己バイアス調整回路が知られている。図6は、この従来の自己バイアス調整回路を含む集積回路の概略構成を示す図である。この集積回路82は、他の集積回路81の出力回路84からの信号電流I80を、信号伝送線路86を介して入力する入力端子87と、集積回路82の電源の高電位側82aと入力端子87との間に設けた終端抵抗88(抵抗値RS80)と、内部回路89とを備えている。
【0003】
集積回路81の電源の低電位側81bと集積回路82の電源の低電位側82bとの間には、電位差VGAP80が生じる。集積回路81の出力回路84は、信号電流源85を有し、信号電流源85から信号伝送線路86に信号電流I80を出力する。終端抵抗88は自己バイアス調整回路91を構成する。集積回路81の電源電圧と集積回路82の電源電圧は等しい。すなわち、式(1)が成り立つ。
(VCC81−VEE81)=(VCC82−VEE82) ・・・(1)
【0004】
ただし、VCC81は、集積回路81の電源の高電位側81aの電圧であり、VEE81は、集積回路81の電源の低電位側81bの電圧であり、VCC82は、集積回路82の電源の高電位側82aの電圧であり、VEE82は、集積回路82の電源の低電位側82bの電圧である。内部回路89は、単相出力のものであってもよいし、差動出力のものであってもよい。出力回路84の出力インピーダンスは信号伝送線路86のインピーダンスに等しい。また、終端抵抗88のインピーダンスは信号伝送線路86のインピーダンスに等しい。内部回路89は、数KΩ以上の高入力インピーダンスを有する。
【0005】
出力回路84から出力される信号電流I80は、信号伝送線路86,入力端子87および終端抵抗88を介して集積回路82の電源の高電位側82aに流れる。電位差VGAP80が0ボルトであるとすると、入力端子87および90における直流電圧VDC80は式(2)で表すことができる。また、入力端子87および90における信号振幅(信号電圧の振幅)VAC80は式(3)で表すことができる。
【0006】
VDC80=VCC82−(I80×RS80)/2 ・・・(2)
VAC80=I80×RS80 ・・・(3)
式(2)および式(3)で表される信号電圧に対応して内部回路89のバイアス設計を行うことによって、内部回路89を正常に動作させることができる。このように、インピーダンス整合の機能と終端の機能とを兼ね備えた終端抵抗88による簡単な回路で自己バイアス調整回路を構成することができる。
【0007】
ここで、集積回路81と集積回路82は、必ずしも同一基板上あるいは同一筐体内に実装されるとは限らない。また、集積回路81と集積回路82が同一の基板上に実装されている場合であっても、基板上でパターンを引き回すために、パターン抵抗による電圧降下が生じる場合がある。これらの理由から、電位差VGAP80が0ボルトにならない場合がある。この場合、電圧VEE82を基準とすると、直流電圧VDC80および信号振幅VAC80は、式(4)および式(5)でそれぞれ表すことができる。
【0008】
式(4)式から、入力端子87および90における直流電圧VDC80は、内部回路89が正常に動作することが可能な設計値からVGAP80ボルトだけずれる。また式(5)式から、入力端子87および90における信号振幅VAC80は、設計値から(−2×VGAP80)ボルトだけずれる。
【0009】
このような、電位差VGAP80による信号電圧のずれを回避する従来の自己バイアス調整回路として、入力信号を伝達する信号線路上にコンデンサを挿入し、そのコンデンサを信号成分が透過したあと、その信号成分に、式(2)に示した直流電圧を重畳するものがある。この自己バイアス調整回路では、信号線路上に挿入したコンデンサによって、電位差VGAP80の影響を抑えている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の自己バイアス調整回路(Design Considerations for Very-High-Speed Si-Bipolar IC’s Operating up to 50Gb/s」)によれば、電位差VGAP80の影響を抑える機能を持たないため、内部回路89の入力端子90におけるバイアス電圧および信号振幅のずれが発生し、内部回路89が適切に動作しない場合があり、また、信号振幅が劣化するという問題点があった。
【0011】
また、前述したコンデンサを有する従来の自己バイアス調整回路によれば、入力信号を伝達する信号線路上にコンデンサを挿入するため、入力信号が広帯域の周波数成分を有する場合、入力信号の低周波成分が減衰し、入力信号が劣化するという問題点があった。また、広帯域な信号成分を通過させることができるように、コンデンサの容量値を大きく設定すると(たとえば、1nF以上)、コンデンサが大型化するため、集積回路内部にコンデンサを形成することが困難となり、集積回路外部にコンデンサを設けなければならず、周辺機器が大型化し、また、コストが上昇するという問題点があった。
【0012】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、機器の大型化およびコストの上昇を抑えつつ、内部回路を適切に動作させ、信号振幅の劣化を低減することが可能な自己バイアス調整回路を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる自己バイアス調整回路にあっては、内部回路の前段に設けられ、入力信号のバイアスを調整する自己バイアス調整回路において、前記入力信号のバイアス電圧を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記バイアス電圧を所定値に補正する補正電圧を前記入力信号に重畳し、該重畳した信号を前記内部回路に出力する重畳手段と、を具備し、前記重畳手段は、前記入力信号を入力する入力端子と前記内部回路の入力端子との間に設けた第1の抵抗と、前記第1の抵抗に並列接続した容量と、前記第1の抵抗の内部回路側端子に、前記検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する直流電流出力手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、検出手段が、入力信号のバイアス電圧を検出し、重畳手段が、検出手段の検出結果に基づいて、バイアス電圧を所定値に補正する補正電圧を入力信号に重畳し、該重畳した信号を内部回路に出力する。また、重畳手段が、入力信号を入力する入端子と内部回路の入力端子との間に第1の抵抗、および第1の抵抗と並列に容量を有し、直流電流出力手段が、第1の抵抗の内部回路側端子に、検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する。これにより、大型のコンデンサを用いることなく、電源の低電位側の電位差の影響を抑えることができる。
【0015】
つぎの発明にかかる自己バイアス調整回路にあっては、内部回路の前段に設けられ、入力信号のバイアスを調整する自己バイアス調整回路において、前記入力信号のバイアス電圧を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記入力信号を駆動する低電位側の電源電圧と前記内部回路を駆動する低電位側の電源電圧との電位差に応ずる前記バイアス電圧への補正電圧を前記入力信号に重畳し、該重畳した信号を前記内部回路に出力する重畳手段と、を具備することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、検出手段が、入力信号のバイアス電圧を検出し、重畳手段が、検出手段の検出結果に基づいて、入力信号を駆動する低電位側の電源電圧と前記内部回路を駆動する低電位側の電源電圧との電位差に応ずるバイアス電圧への補正電圧を入力信号に重畳し、該重畳した信号を内部回路に出力する。これにより、大型のコンデンサを用いることなく、電源の低電位側の電位差の影響を抑えることができる。
【0017】
つぎの発明にかかる自己バイアス調整回路にあっては、前記重畳手段が、前記入力信号を入力する入力端子と前記内部回路の入力端子との間に設けた第1の抵抗と、前記第1の抵抗に並列接続した容量と、前記第1の抵抗の内部回路側端子に、前記検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する直流電流出力手段と、を有することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、重畳手段が、入力信号を入力する入力端子と内部回路の入力端子との間に第1の抵抗、および第1の抵抗と並列に容量を有し、直流電流出力手段が、第1の抵抗の内部回路側端子に、検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する。これにより、大型のコンデンサを用いることなく、電源の低電位側の電位差の影響を抑えることができる。
【0019】
つぎの発明にかかる自己バイアス調整回路にあっては、前記直流電流出力手段が、電源の低電位側または電源の高電位側を一端に接続した第2の抵抗および第3の抵抗と、前記第2の抵抗の他端をエミッタに接続し、前記第1の抵抗の内部回路側端子をコレクタに接続した第1のトランジスタと、前記第3の抵抗の他端をエミッタに接続し、前記第1のトランジスタのベースをベースおよびコレクタに接続した第2のトランジスタと、前記第2のトランジスタのコレクタと前記検出手段との間に設けた第4の抵抗と、を有することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、直流電流出力手段が、電源の低電位側または電源の高電位側を一端に接続した第2の抵抗および第3の抵抗と、第2の抵抗の他端をエミッタに接続し、第1の抵抗の内部回路側端子をコレクタに接続した第1のトランジスタと、第3の抵抗の他端をエミッタに接続し、第1のトランジスタのベースをベースおよびコレクタに接続した第2のトランジスタと、第2のトランジスタのコレクタと前記検出手段との間に設けた第4の抵抗とを有する。これにより、検出結果に応じた直流電流を出力することができる。
【0021】
つぎの発明にかかる自己バイアス調整回路にあっては、前記入力信号は、正相入力信号および逆相入力信号を含み、前記検出手段が、前記正相入力信号を入力する正相入力端子と前記逆相入力信号を入力する逆相入力端子との間に直列に設けた複数の終端抵抗を有し、該複数の終端抵抗によって入力信号を終端するとともに、該複数の終端抵抗によって分圧した分圧電圧を検出結果として出力することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、検出手段が、正相入力信号を入力する正相入力端子と逆相入力信号を入力する逆相入力端子との間に直列に設けた複数の終端抵抗を有し、該複数の終端抵抗によって入力信号を終端するとともに、該複数の終端抵抗によって分圧した分圧電圧を検出結果として出力する。これにより、簡単な回路によって検出手段を構成することができる。
【0023】
つぎの発明にかかる自己バイアス調整回路にあっては、前記入力信号が、正相入力信号および逆相入力信号を含み、前記重畳手段が、前記正相入力信号を入力する正相入力端子と前記内部回路の正相入力端子との間に設けた第1の抵抗と、前記第1の抵抗に並列接続した第1の容量と、前記第1の抵抗の内部回路側端子に、前記検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する第1の直流電流出力手段と、前記逆相入力信号を入力する逆相入力端子と前記内部回路の逆相入力端子との間に設けた第2の抵抗と、前記第2の抵抗に並列接続した第2の容量と、前記第2の抵抗の内部回路側端子に、前記検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する第2の直流電流出力手段と、を有することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、重畳手段が、正相入力信号を入力する正相入力端子と内部回路の正相入力端子との間に設けた第1の抵抗と、第1の抵抗に並列接続した第1の容量と、第1の抵抗の内部回路側端子に、検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する第1の直流電流出力手段と、逆相入力信号を入力する逆相入力端子と内部回路の逆相入力端子との間に設けた第2の抵抗と、第2の抵抗に並列接続した第2の容量と、第2の抵抗の内部回路側端子に、検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する第2の直流電流出力手段と、を有する。これにより、大型のコンデンサを用いることなく、電源の低電位側の電位差の影響を抑えることができる。
【0025】
つぎの発明にかかる自己バイアス調整回路にあっては、前記第1の直流電流出力手段および前記第2の直流電流出力手段が、一体に設けられ、電源の低電位側または電源の高電位側を一端に接続した第3の抵抗,第4の抵抗および第5の抵抗と、前記第3の抵抗の他端をエミッタに接続し、前記第1の抵抗の内部回路側端子をコレクタに接続した第1のトランジスタと、前記第4の抵抗の他端をエミッタに接続し、前記第2の抵抗の内部回路側端子をコレクタに接続した第2のトランジスタと、前記第5の抵抗の他端をエミッタに接続し、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのベースをベースおよびコレクタに接続した第3のトランジスタと、前記第3のトランジスタのコレクタと前記検出手段との間に設けた第6の抵抗と、を有することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、第1の直流電流出力手段および第2の直流電流出力手段が、電源の低電位側または電源の高電位側を一端に接続した第3の抵抗,第4の抵抗および第5の抵抗と、第3の抵抗の他端をエミッタに接続し、第1の抵抗の内部回路側端子をコレクタに接続した第1のトランジスタと、第4の抵抗の他端をエミッタに接続し、第2の抵抗の内部回路側端子をコレクタに接続した第2のトランジスタと、第5の抵抗の他端をエミッタに接続し、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタのベースをベースおよびコレクタに接続した第3のトランジスタと、第3のトランジスタのコレクタと検出手段との間に設けた第6の抵抗と、を有する。これにより、検出結果に応じた直流電流を出力することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により、この発明が限定されるものではない。
【0028】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1にかかる集積回路の概略構成を示す図である。この集積回路2は、他の集積回路1の出力回路4からの信号電流I1を、信号伝送線路6を介して入力する入力端子7と、集積回路2の電源の高電位側2aと入力端子7との間に設けた終端抵抗8(抵抗値RS1)と、内部回路9と、入力端子7を介して入力された入力信号のバイアス電圧を検出する検出回路11aと、集積回路2の入力端子7と内部回路9の入力端子10との間に設けられ、検出回路11aの検出結果に基づいて、バイアス電圧を所定値に補正する補正電圧を入力信号に重畳する重畳回路11bとを備えている。
【0029】
集積回路1の電源の低電位側1bと集積回路2の電源の低電位側2bとの間には、電位差VGAP1が生じる。集積回路1の出力回路4は、信号電流源5を有し、信号電流源5から信号伝送線路6に信号電流I1を出力する。終端抵抗8,検出回路11aおよび重畳回路11bは、自己バイアス調整回路11を構成する。集積回路1の電源電圧と集積回路2の電源電圧は等しい。すなわち、式(6)が成り立つ。
(VCC1−VEE1)=(VCC2−VEE2) ・・・(6)
【0030】
ただし、VCC1は、集積回路1の電源の高電位側1aの電圧であり、VEE1は、集積回路1の電源の低電位側1bの電圧であり、VCC2は、集積回路2の電源の高電位側2aの電圧であり、VEE2は、集積回路2の電源の低電位側2bの電圧である。内部回路9は、単相出力のものであってもよいし、差動出力のものであってもよい。出力回路4の出力インピーダンスは信号伝送線路6のインピーダンスに等しい。また、終端抵抗8のインピーダンスは信号伝送線路6のインピーダンスに等しい。内部回路9は、数KΩ以上の高入力インピーダンスを有する。
【0031】
出力回路4から出力される信号電流I1は、信号伝送線路6,入力端子7および終端抵抗8を介して集積回路2の電源の高電位側2aに流れる。電位差VGAP1が0ボルトであるとすると、入力端子7における直流電圧VDC1は式(7)で表すことができる。また、入力端子7における信号振幅VAC1は式(8)で表すことができる。
VDC1=VCC2−(I1×RS1)/2 ・・・(7)
VAC1=I1×RS1 ・・・(8)
【0032】
式(7)および式(8)で表される信号電圧に対応して内部回路9のバイアス設計を行う。しかし、前述した従来の集積回路と同様に、電位差VGAP1が0ボルトにならない場合がある。この場合、電圧VEE2を基準とすると、直流電圧VDC1および信号振幅VAC1は、式(9)および式(10)でそれぞれ表すことができる。
VDC1=VCC2−(I1×RS1)/2+VGAP1 ・・・(9)
VAC1=(I1×RS1)−2VGAP1 ・・・(10)
【0033】
検出回路11aは、高入力インピーダンスを有し、入力端子7における入力信号のバイアス電圧を検出する。重畳回路11bは、検出回路11aの検出結果に基づいて、バイアス電圧を所定値に補正する補正電圧を入力信号に重畳する。すなわち、電位差VGAP1の逆符号の値(−VGAP1)ボルトの電圧を入力信号に重畳する。これにより、電位差VGAP1が発生しても、入力信号のバイアス電圧を補正し、式(7)を満足するバイアス電圧を有する信号を内部回路9に出力することができ、内部回路9を適切に動作させることができる。
【0034】
また、重畳回路11bは、電圧を入力信号に重畳する際に、入力端子7における入力信号のバイアス電圧を変動させないように、高入力インピーダンスに設定する。ただし、重畳回路11bは、通過帯域の劣化を防止するために、高周波成分に対しては低入力インピーダンスに設定する。集積回路2の入力インピーダンスは、終端抵抗8の抵抗値RS1によって定まり、信号伝送線路6に対するインピーダンス整合がとれ、入力端子7において低反射特性が得られる。これにより、高周波の信号成分を有する信号に対しても自己バイアス調整回路11を適用することが可能となる。
【0035】
図2は、図1に示した検出回路11aおよび重畳回路11bの概略構成を示す図である。検出回路11aは、入力端子7と電源の低電位側2bとの間に直列に設けた抵抗22,23(抵抗値R1,R2)を備える。また、重畳回路11bは、集積回路2の入力端子7と内部回路9の入力端子10との間に設けた抵抗21(抵抗値RP)と、抵抗21に並列接続したコンデンサ24と、抵抗21の内部回路側端子に、検出回路11aの検出結果に応じた直流電流を出力する直流電流出力回路25とを備える。
【0036】
検出回路11aは、抵抗22,23によって分圧した分圧電圧を検出結果として重畳回路11bの直流電流出力回路25に出力する。直流電流出力回路25は、検出回路11aの検出結果に応じた直流電流を出力する。抵抗21,22および23の抵抗値は、数KΩ程度であり、コンデンサ24の容量値は、数百nF程度である。直流電流出力回路25は、数KΩ程度の高入力インピーダンスを有する。
【0037】
図3は、図2に示した直流電流出力回路25の概略構成を示す図である。直流電流出力回路25は、電源の高電位側2aを一端に接続した抵抗31,32(抵抗値R3,R4)と、抵抗31の他端をエミッタに接続し、内部回路9の入力端子10をコレクタに接続したPNP型トランジスタ33と、抵抗32の他端をエミッタに接続し、PNP型トランジスタ33のベースをベースおよびコレクタに接続したPNP型トランジスタ34と、PNP型トランジスタ34のコレクタと検出回路11aとの間に設けた抵抗30(抵抗値R5)とを備える。PNP型トランジスタ33および34は、サイズが同一であり、カレントミラー回路を構成する。
【0038】
以上の構成において、実施の形態1の動作について説明する。実施の形態1の動作では、まず、検出回路11aが入力信号のバイアス電圧を検出する。すなわち、分割抵抗22,23によって分圧電圧VCを生成し、分圧電圧VCを検出結果として直流電流出力回路25の電流制御端子(抵抗30の一端)に出力する。電圧VCは、式(11)で表される。
VC=((VCC2−(I1×RS1)/2)+VGAP1)×(R2/(R1+R2)) ・・・(11)
電圧VCは電位差VGAP1の増加にともなって増加する。
【0039】
直流電流出力回路25の出力電流IPは、電流制御端子の電圧VCによって制御される。PNP型トランジスタ33,34のベース・エミッタ間電圧をVBE1とすると、電流IPは、式(12)で表される。
IP=(VCC2−VC−VBE1)/(R4+R5) ・・・(12)
電流IPは、電圧VCが低下するに従って上昇し、電圧VCが上昇するに従って低下する。電流IPは、集積回路1の出力回路4からの信号電流I1の1/10以下の値になるように設定する。これにより、集積回路2の入力端子7における信号電圧レベルの変動を無視することができる。さらに、電流IPは、内部回路9の引き込み電流の10倍以上の値になるように設定する。これにより、内部回路9の入力端子10における信号電圧レベル変動を無視することができる。
【0040】
直流電流出力回路25から出力された電流IPは、抵抗21を流れる。これにより、入力端子7に発生した信号電圧に対し、式(13)で表される直流電圧VPが重畳される。
VP=RP×IP ・・・(13)
直流電流出力回路25は、電圧VCの変化にともなって電流IPを変化させ、直流電圧VPを変化させる。VP=(−VGAP1)になるように直流電流出力回路25を設定することによって、入力信号のバイアス電圧を補正することができ、VGAP1が0ボルトの場合の信号電圧に対応してバイアス設計した内部回路9を適切に動作させることができる。
【0041】
また、高抵抗値を有する抵抗21を信号線路上に挿入すると、信号周波数成分の通過帯域に劣化が生じるので、通過帯域を向上させるために、高周波成分に対して低インピーダンスになるように、コンデンサ24の容量値を設定する。これにより、高周波信号成分に対して低インピーダンスを実現し、高周波信号成分を劣化させずに、直流電圧成分だけを抵抗21を介して入力信号に重畳することができる。
【0042】
前述したように、実施の形態1によれば、高入力インピーダンスを有する検出回路11aと低周波成分に対して高入力インピーダンスを有する重畳回路11bとを用いることによって、集積回路2の入力端子7における入力信号のバイアス電圧の変動を防ぎ、また、簡単な終端構成を実現することができる。また、検出回路11aが、入力信号のバイアス電圧を検出し、重畳回路11bが、検出回路11aの検出結果に基づいて、電位差VGAP1と逆符号の(−VGAP1)ボルトの直流電圧を入力信号に重畳するため、電位差VGAP1による内部回路9の動作不良および信号振幅の劣化を防ぐことができる。さらに、大容量のコンデンサを信号線路に挿入する必要がないため、周辺回路の増大を抑え、集積回路内部において、高周波から低周波に至るまで広帯域な信号周波数成分に対し、信号振幅を劣化させずに入力信号のバイアス電圧を補正することができる。
【0043】
なお、前述した実施の形態1では、終端抵抗8の一端を電源の高電位側2aに接続した例を挙げたが、集積回路2の終端条件に応じて終端抵抗8の一端を電源の低電位側2bまたは任意のバイアス電圧端子に接続してもよく、同様の効果を得ることができる。また、PNP型トランジスタを用い、カレントミラー電流源の抵抗31,32の一端を電源の高電位側2aに接続し,抵抗23の一端を電源の低電位側2bに接続した例を挙げたが、集積回路2の内部回路構成に応じて、PNP型トランジスタに代えてNPN型トランジスタを用い、カレントミラー電流源の抵抗31,32の一端を電源の低電位側2bに接続し、抵抗23の一端を電源の高電位側2aに接続してもよく、同様の効果を得ることができる。
【0044】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2にかかる集積回路の概略構成を示す図である。この集積回路42は、差動信号を取り扱う他の集積回路41の差動出力回路44からの正相信号を、正相信号伝送線路46aを介して入力する正相入力端子47aと、差動出力回路44の逆相信号を、逆相信号伝送線路46bを介して入力する逆相入力端子47bと、正相入力端子47aと逆相入力端子47bとの間に直列に設けた終端抵抗48a,48b(抵抗値RSP,RSN)と、差動内部回路49と、集積回路42の正相入力端子47aおよび逆相入力端子47bと差動内部回路49の正相入力端子50aおよび逆相入力端子50bとの間に設けられ、バイアス電圧を所定値に補正する補正電圧を正相入力信号および逆相入力信号にそれぞれ重畳する重畳回路51bとを備えている。
【0045】
集積回路41の電源の低電位側41bと集積回路42の電源の低電位側42bとの間には、電位差VGAP40が生じる。集積回路41の差動出力回路44は、差動信号を取り扱い、正相信号伝送線路46aに正相信号を出力し、逆相信号伝送線路46bに逆相信号を出力する。終端抵抗48a,48bは、入力信号のバイアス電圧を検出する検出回路51aを構成する。検出回路51aおよび重畳回路51bは、自己バイアス調整回路51を構成する。
【0046】
集積回路41の電源電圧と集積回路42の電源電圧は等しい。すなわち、式(14)が成り立つ。
(VCC41−VEE41)=(VCC42−VEE42)・・・(14)
ただし、VCC41は、集積回路41の電源の高電位側41aの電圧であり、VEE41は、集積回路41の電源の低電位側41bの電圧であり、VCC42は、集積回路42の電源の高電位側42aの電圧であり、VEE42は、集積回路42の電源の低電位側42bの電圧である。
【0047】
重畳回路51bは、集積回路42の正相入力端子47aと差動内部回路49の正相入力端子50aとの間に設けた抵抗61a(抵抗値RPP)と、抵抗61aに並列接続したコンデンサ64aと、抵抗61aの内部回路側端子に、検出回路51aの検出結果に応じた直流電流IPPを出力する直流電流出力回路65aと、集積回路42の逆相入力端子47bと差動内部回路49の逆相入力端子50bとの間に設けた抵抗61b(抵抗値RPN)と、抵抗61bに並列接続したコンデンサ64bと、抵抗61bの内部回路側端子に、検出回路51aの検出結果に応じた直流電流IPNを出力する直流電流出力回路65bとを備え、検出回路51aの検出結果に基づいて、バイアス電圧を所定値に補正する補正電圧を正相入力信号および逆相入力信号にそれぞれ重畳する。
【0048】
終端抵抗48aの抵抗値は、正相信号伝送線路46aのインピーダンス値に等しい。また、終端抵抗48bの抵抗値は、逆相信号伝送線路46bのインピーダンス値に等しい。抵抗61a,61bは、数KΩ程度の抵抗値を有する。コンデンサ64a,64bは、数百nF程度の容量値を有する。直流電流出力回路65a,65bは、数KΩ程度の高入力インピーダンスを有する。内部回路9は、高入力インピーダンスを有する。これにより、集積回路42の正相入力端子47aおよび逆相入力端子47bの入力インピーダンスは、終端抵抗48aおよび48bによって定まり、正相信号伝送線路46aおよび逆相信号伝送線路46bに対してインピーダンス整合がとれる。
【0049】
高周波の周波数成分を有する信号においても、集積回路42の正相入力端子47a,逆相入力端子47bにおいて、それぞれ低反射特性が得られ、抵抗61a,61bおよびコンデンサ64a,64bを付加することによる高周波信号成分の劣化はない。集積回路41からの信号電流IDは、正相入力端子47a,終端抵抗48aおよび48bを介し、逆相入力端子47bに流れ込む状態と、逆相入力端子47bから引き込む状態をつくり出し、式(15)で表される差動信号電圧VDを発生させる。
VD=ID×(RSP+RSN) ・・・(15)
抵抗61a,61bおよびコンデンサ64a,64bを付加することによる差動信号電圧VDの劣化はない。
【0050】
図5は、図4に示した直流電流出力回路65a,65bの概略構成を示す図である。直流電流出力回路65a,65bは、一体に設けられ、電源の高電位側42aを一端に接続した抵抗72,73,74(抵抗値R11,R12,R13)と、抵抗72の他端をエミッタに接続し、差動内部回路49の正相入力端子50aをコレクタに接続したPNP型トランジスタ75と、抵抗74の他端をエミッタに接続し、差動内部回路49の逆相入力端子50bをコレクタに接続したPNP型トランジスタ77と、抵抗73の他端をエミッタに接続し、PNP型トランジスタ75および77のベースをベースおよびコレクタに接続したPNP型トランジスタ76と、PNP型トランジスタ76のコレクタと検出回路48との間に設けた抵抗71(抵抗値R10)とを備える。
【0051】
PNP型トランジスタ75,76および77は、サイズが同一であり、カレントミラー回路を構成する。抵抗72,73,74の抵抗値R11,R12,R13は、全て等しく、R11=R12=R13の関係が成り立つ。
【0052】
以上の構成において、実施の形態2の動作について説明する。実施の形態2の動作では、まず、検出回路51aが入力信号のバイアス電圧を検出する。すなわち、分割抵抗48a,48bによって、集積回路42の正相入力端子47aと逆相入力端子47bとのオフセット電圧であるコモンモード電圧VCMを生成し、コモンモード電圧VCMを検出結果として直流電圧出力回路65a,65bの電流制御端子(抵抗71の一端)に出力する。
【0053】
直流電流出力回路65aの出力電流IPPおよび直流電流出力回路65bの出力電流IPNは、コモンモード電圧VCMによって制御される。PNP型トランジスタ75〜77のベース・エミッタ間電圧をVBE2とすると、電流IPPおよび電流IPNは、式(16)で表される。
IPP=IPN=(VCC2−VCM−VBE2)/(R10+R12)・・・(16)
電流IPP,IPNは、コモンモード電圧VCMが低下するに従って上昇し、コモンモード電圧VCMが上昇するに従って低下する。電流IPP,IPNは、集積回路41の差動出力回路44からの信号電流IDの1/10以下の値になるように設定する。これにより、集積回路42の入力端子47a,47bにおける信号電圧レベルの変動を無視することができる。さらに、電流IPP,IPNは、差動内部回路49の引き込み電流の10倍以上の値になるように設定する。これにより、差動内部回路49の入力端子50a,50bにおける信号電圧レベル変動を無視することができる。
【0054】
直流電流出力回路65a,65bからそれぞれ出力された電流IPP,IPNは、抵抗61a,61bをそれぞれ流れる。これにより、入力端子47a,47bに発生した信号電圧に対し、式(17),式(18)で表される直流電圧VPP,VPNがそれぞれ重畳される。
VPP=RPP×IPP ・・・(17)
VPN=RPN×IPN ・・・(18)
【0055】
電位差VGAP40が発生すると、コモンモード電圧VCMにVGAP40ボルトの電圧が加算され、電位差VGAP40が増えるに従ってコモンモード電圧VCMが大きくなる。直流電流出力回路65a,65bは、コモンモード電圧VCMの変化にともなって電流IPP,IPNをそれぞれ変化させ、直流電圧VPP,VPNをそれぞれ変化させる。VPP=VPN=(−VGAP40)になるように直流電流出力回路65a,65bをそれぞれ設定することによって、入力信号のバイアス電圧を補正することができ、VGAP40が0ボルトの場合の信号電圧に対応してバイアス設計した差動内部回路49を適切に動作させることができる。
【0056】
また、高抵抗値を有する抵抗61a,61bを信号線路上に挿入すると、信号周波数成分の通過帯域に劣化が生じるので、通過帯域を向上させるために、高周波成分に対して低インピーダンスになるように、コンデンサ64a,64bの容量値を設定する。これにより、高周波信号成分に対して低インピーダンスを実現し、高周波信号成分を劣化させずに、直流電圧成分だけを抵抗61a,61bを介して入力信号に重畳することができる。
【0057】
前述したように、実施の形態2によれば、信号線路上に高抵抗値を有する抵抗61a,61bを設けるため、集積回路42の入力インピーダンスは終端抵抗48a,48bによって定まり、簡単な終端構成を実現することができる。また、集積回路42における正相入力端子47aと逆相入力端子47bとのコモンモード電圧VCMを検出し、コモンモード電圧VCMを用いて、直流電圧VPP,VPNがそれぞれ(−VGAP)ボルトになるように、直流電圧出力回路65a,65bの出力電流IPP,IPNをそれぞれ制御し、集積回路42の入力信号に直流電圧VPP,VPNを重畳する。
【0058】
これにより、電位差VGAP40による差動内部回路49の動作不良および信号振幅の劣化を防ぐことができる。さらに、大容量のコンデンサを信号線路に挿入する必要がないため、周辺回路の増大を抑え、集積回路内部において、高周波から低周波に至るまで広帯域な信号周波数成分に対し、信号振幅を劣化させずに入力信号のバイアス電圧を補正することができる。
【0059】
なお、前述した実施の形態2においては、PNP型トランジスタを用い、カレントミラー電流源の抵抗72,73および74の一端を電源の高電位側42aに接続した例を挙げたが、集積回路42の内部回路構成に応じて、PNP型トランジスタに代えてNPN型トランジスタを用い、カレントミラー電流源の抵抗72,73および74の一端を電源の低電位側42bに接続してもよく、同様の効果を得ることができる。また、前述した実施の形態1,2では、自己バイアス調整回路を集積回路に適用する場合を例に挙げて説明したが、集積回路に限らず、ディスクリートな回路に適用してもよく、この場合も同様の効果を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、検出手段が、入力信号のバイアス電圧を検出し、重畳手段が、検出手段の検出結果に基づいて、バイアス電圧を所定値に補正する補正電圧を入力信号に重畳し、該重畳した信号を内部回路に出力する。また、重畳手段が、入力信号を入力する入端子と内部回路の入力端子との間に第1の抵抗、および第1の抵抗と並列に容量を有し、直流電流出力手段が、第1の抵抗の内部回路側端子に、検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する。これにより、大型のコンデンサを用いることなく、電源の低電位側の電位差の影響を抑えることができるため、機器の大型化およびコストの上昇を抑えつつ、内部回路を適切に動作させ、信号振幅の劣化を低減することができる、という効果を奏する。
【0061】
つぎの発明によれば、検出手段が、入力信号のバイアス電圧を検出し、重畳手段が、検出手段の検出結果に基づいて、入力信号を駆動する低電位側の電源電圧と内部回路を駆動する低電位側の電源電圧との電位差に応ずるバイアス電圧への補正電圧を入力信号に重畳し、該重畳した信号を内部回路に出力する。これにより、大型のコンデンサを用いることなく、電源の低電位側の電位差の影響を抑えることができるため、機器の大型化およびコストの上昇を抑えつつ、内部回路を適切に動作させ、信号振幅の劣化を低減することができる、という効果を奏する。
【0062】
つぎの発明によれば、重畳手段が、入力信号を入力する入力端子と内部回路の入力端子との間に第1の抵抗、および第1の抵抗と並列に容量を有し、直流電流出力手段が、第1の抵抗の内部回路側端子に、検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する。これにより、大型のコンデンサを用いることなく、電源の低電位側の電位差の影響を抑えることができるため、機器の大型化およびコストの上昇を抑えつつ、内部回路を適切に動作させ、信号振幅の劣化を低減することができる、という効果を奏する。
【0063】
つぎの発明によれば、直流電流出力手段が、電源の低電位側または電源の高電位側を一端に接続した第2の抵抗および第3の抵抗と、第2の抵抗の他端をエミッタに接続し、第1の抵抗の内部回路側端子をコレクタに接続した第1のトランジスタと、第3の抵抗の他端をエミッタに接続し、第1のトランジスタのベースをベースおよびコレクタに接続した第2のトランジスタと、第2のトランジスタのコレクタと前記検出手段との間に設けた第4の抵抗とを有するため、検出結果に応じた直流電流を出力することができる、という効果を奏する。
【0064】
つぎの発明によれば、検出手段が、正相入力信号を入力する正相入力端子と逆相入力信号を入力する逆相入力端子との間に直列に設けた複数の終端抵抗を有し、該複数の終端抵抗によって入力信号を終端するとともに、該複数の終端抵抗によって分圧した分圧電圧を検出結果として出力する。これにより、簡単な回路によって検出手段を構成することができるため、コストを低減することができる、という効果を奏する。
【0065】
つぎの発明によれば、重畳手段が、正相入力信号を入力する正相入力端子と内部回路の正相入力端子との間に設けた第1の抵抗と、第1の抵抗に並列接続した第1の容量と、第1の抵抗の内部回路側端子に、検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する第1の直流電流出力手段と、逆相入力信号を入力する逆相入力端子と内部回路の逆相入力端子との間に設けた第2の抵抗と、第2の抵抗に並列接続した第2の容量と、第2の抵抗の内部回路側端子に、検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する第2の直流電流出力手段と、を有する。これにより、大型のコンデンサを用いることなく、電源の低電位側の電位差の影響を抑えることができるため、機器の大型化およびコストの上昇を抑えつつ、内部回路を適切に動作させ、信号振幅の劣化を低減することができる、という効果を奏する。
【0066】
つぎの発明によれば、第1の直流電流出力手段および第2の直流電流出力手段が、電源の低電位側または電源の高電位側を一端に接続した第3の抵抗,第4の抵抗および第5の抵抗と、第3の抵抗の他端をエミッタに接続し、第1の抵抗の内部回路側端子をコレクタに接続した第1のトランジスタと、第4の抵抗の他端をエミッタに接続し、第2の抵抗の内部回路側端子をコレクタに接続した第2のトランジスタと、第5の抵抗の他端をエミッタに接続し、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタのベースをベースおよびコレクタに接続した第3のトランジスタと、第3のトランジスタのコレクタと検出手段との間に設けた第6の抵抗と、を有するため、検出結果に応じた直流電流を出力することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1にかかる集積回路の概略構成を示す図である。
【図2】 図1に示した検出回路および重畳回路の概略構成を示す図である。
【図3】 図2に示した直流電流出力回路の概略構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2にかかる集積回路の概略構成を示す図である。
【図5】 図4に示した直流電流出力回路の概略構成を示す図である。
【図6】 従来の自己バイアス調整回路を含む集積回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
1,2,41,42 集積回路、1a,2a,41a,42a 電源の高電位側、1b,2b,41b,42b 電源の低電位側、4 出力回路、5 信号電流源、6,46a,46b 信号伝送線路、7,10,47a,47b,50a,50b 入力端子、8,48a,48b 終端抵抗、9 内部回路、11,51 自己バイアス調整回路、11a,51a 検出回路、11b,51b 重畳回路、21〜23,30〜32,61a,61b,71〜74 抵抗、24,64a,64b コンデンサ、25,65a,65b 直流電流出力回路、33,34,75〜77 PNPトランジスタ、44 差動出力回路、49 差動内部回路。
Claims (7)
- 内部回路の前段に設けられ、入力信号のバイアスを調整する自己バイアス調整回路において、
前記入力信号のバイアス電圧を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記バイアス電圧を所定値に補正する補正電圧を前記入力信号に重畳し、該重畳した信号を前記内部回路に出力する重畳手段と、
を具備し、
前記重畳手段は、
前記入力信号を入力する入力端子と前記内部回路の入力端子との間に設けた第1の抵抗と、
前記第1の抵抗に並列接続した容量と、
前記第1の抵抗の内部回路側端子に、前記検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する直流電流出力手段と、
を有することを特徴とする自己バイアス調整回路。 - 内部回路の前段に設けられ、入力信号のバイアスを調整する自己バイアス調整回路において、
前記入力信号のバイアス電圧を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記入力信号を駆動する低電位側の電源電圧と前記内部回路を駆動する低電位側の電源電圧との電位差に応ずる前記バイアス電圧への補正電圧を前記入力信号に重畳し、該重畳した信号を前記内部回路に出力する重畳手段と、
を具備することを特徴とする自己バイアス調整回路。 - 前記重畳手段は、
前記入力信号を入力する入力端子と前記内部回路の入力端子との間に設けた第1の抵抗と、
前記第1の抵抗に並列接続した容量と、
前記第1の抵抗の内部回路側端子に、前記検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する直流電流出力手段と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の自己バイアス調整回路。 - 前記直流電流出力手段は、
電源の低電位側または電源の高電位側を一端に接続した第2の抵抗および第3の抵抗と、
前記第2の抵抗の他端をエミッタに接続し、前記第1の抵抗の内部回路側端子をコレクタに接続した第1のトランジスタと、
前記第3の抵抗の他端をエミッタに接続し、前記第1のトランジスタのベースをベースおよびコレクタに接続した第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタのコレクタと前記検出手段との間に設けた第4の抵抗と、
を有することを特徴とする請求項1または3に記載の自己バイアス調整回路。 - 前記入力信号は、正相入力信号および逆相入力信号を含み、
前記検出手段は、前記正相入力信号を入力する正相入力端子と前記逆相入力信号を入力する逆相入力端子との間に直列に設けた複数の終端抵抗を有し、該複数の終端抵抗によって入力信号を終端するとともに、該複数の終端抵抗によって分圧した分圧電圧を検出結果として出力することを特徴とする請求項1に記載の自己バイアス調整回路。 - 前記入力信号は、正相入力信号および逆相入力信号を含み、
前記重畳手段は、
前記正相入力信号を入力する正相入力端子と前記内部回路の正相入力端子との間に設けた第1の抵抗と、
前記第1の抵抗に並列接続した第1の容量と、
前記第1の抵抗の内部回路側端子に、前記検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する第1の直流電流出力手段と、
前記逆相入力信号を入力する逆相入力端子と前記内部回路の逆相入力端子との間に設けた第2の抵抗と、
前記第2の抵抗に並列接続した第2の容量と、
前記第2の抵抗の内部回路側端子に、前記検出手段の検出結果に応じた直流電流を出力する第2の直流電流出力手段と、
を有することを特徴とする請求項1または5に記載の自己バイアス調整回路。 - 前記第1の直流電流出力手段および前記第2の直流電流出力手段は、
一体に設けられ、
電源の低電位側または電源の高電位側を一端に接続した第3の抵抗,第4の抵抗および第5の抵抗と、
前記第3の抵抗の他端をエミッタに接続し、前記第1の抵抗の内部回路側端子をコレクタに接続した第1のトランジスタと、
前記第4の抵抗の他端をエミッタに接続し、前記第2の抵抗の内部回路側端子をコレクタに接続した第2のトランジスタと、
前記第5の抵抗の他端をエミッタに接続し、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのベースをベースおよびコレクタに接続した第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタのコレクタと前記検出手段との間に設けた第6の抵抗と、
を有することを特徴とする請求項6に記載の自己バイアス調整回路。
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