JP3930753B2 - ディスク記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDやDVD等の光学ディスクを使用し、光ピックアップにより再生または記録と再生を行なうディスク記録再生装置に関し、上記ディスク記録再生装置における光ピックアップの対物レンズ保護用のシャッター機構を備えたディスク記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般に汎用されているディスク記録再生装置としては、例えば、図5〜図7に示すものがある。このようなディスク記録再生装置には、図6に示すように、光ピックアップ10の移動を案内するガイドシャフト5と、光ピックアップ10の送り機構2と、ディスクを搭載して回転させるターンテーブル3と、光ピックアップ10の位置検出スイッチ(図示せず)が設けられている。光ピックアップ10は、光学系装置および対物レンズ15ならびにその駆動機構を備えたアクチュエータ部(図示せず)を配置する光学ベース7、その周囲を覆う光学系保護カバー8で構成されており、該光学系保護カバー8には対物レンズ15の窓部81が設けられている。
【0003】
上記光ピックアップ10の光学ベース7は、直線ギア23を備えた送り機構2のラック部4と一体に固定されており、ラック部4はガイドシャフト5に摺動して移動するように設けられている。送り機構2は駆動用モーターの回転によってシャーシ1と水平に回転するギヤ20、21,22、およびギヤ22の軸に設けられた図示されないギヤ24を備えており、ギヤ24とラック部4の直線ギア23とが噛み合うように構成され、駆動用モーターにより各ギヤが回転しこれに伴って光ピックアップ10がガイドシャフト5に沿って平行移動する構造となっている。
【0004】
また図5に示すように、光ピックアップ10と、送り機構2のギヤ部分およびラック部4に塵や埃等の侵入するのを防ぎ保護するためにメカ部分を覆う保護カバー6が設けられており、該保護カバー6には、対物レンズ15の移動する軌跡にあわせた長穴61が設けられている。
【0005】
ディスク記録再生装置は、ディスクの記録再生開始時には光ピックアップの位置を検出し、すなわち光ピックアップがディスクの内周位置(ターンテーブル側)にあることを確認したのち、ディスクの情報を読み込み記録再生を開始する構成になっている。ディスク内情報の記録再生終了時には、光ピックアップを再びターンテーブル側に移動し位置検出が可能な状態となる。
【0006】
このような記録再生装置においては、光ピックアップ10の光学系保護カバー8には、図6、図7に示すように、対物レンズ15用の窓部81が設けられている。また図5に示すように、光ピックアップおよび送り機構部分へ外部から塵や埃の侵入を防ぐための保護カバー6が装着されており、該保護カバー6には光ピックアップの移動に伴って対物レンズ15によるディスク内の情報を読み込むための長穴61が設けてある。このために塵や埃の多い環境下では、記録再生時以外に上記のレンズ用の窓部から埃や塵等が侵入して対物レンズに付着し、記録再生に支障をきたすことがある。
【0007】
対物レンズへの埃や塵の侵入を防止する方法として、例えば、特開平6−259797号には、対物レンズの保護レバー(シャッター)を回動自在に取付けた軸ピンに弾性部材を取付け、その自由端側が保護レバーに設けられたストッパーに当接してスナップ動作するようにした対物レンズ保護装置が示されている。
また、図8〜図10に示すような構造の対物レンズを覆うシャッター機構が知られている。図8はシャッター機構を有するディスク記録再生装置の斜視図(シャッターが開放された状態を示す)、図9は上面図(シャッターが閉鎖された状態を示す)、図10はシャッター部の部分拡大図(シャッターが閉鎖された状態を示す)をそれぞれ示す。
【0008】
図8〜図10に示されるシャッター機構は、光ピックアップ10における光学ベース7に設置されており、常に光ピックアップ10と共に移動する構造となっている。すなわち、図8〜図10に示すシャッター機構は、光ピックアップ10の光学ベース7に設けられた軸受(図示せず)に、回転軸31を装着しシャッター30が回動可能に設けられており、シャッター30の回転軸側の一端は軸に沿って脚部32が形成され、該脚部下端部にはシャッター30の回動を規制するストッパー33が、該脚部の上部にはスプリング懸止部35がそれぞれ設けられており、脚部上部に設けられたスプリング懸止部35と光学系保護カバー8に設けられたスプリング懸止部82との間にスプリング16が懸架されてシャッター30の回動方向を付勢するように構成されている。
【0009】
シャッター30の他端は円弧状に形成され、該円弧には断面形状がコ字型のガイド部34が形成されている。光学系保護カバー8の外縁部には、シャッター30の回動を案内する案内部83が回転軸31を同心として扇形状に形成され、前記案内部の一端にはシャッターの回動停止位置を規制するストッパー部84が設けられている。 シャッター30の他端に形成したガイド部34はコ字型の溝部が案内部83を挟むような形で摺動可能に係合しており、シャッター30は前記案内部の扇形に沿って回動し、前記案内部83に設けられたストッパー部84に前記ガイド部34が当接することによって対物レンズ15を開放状態に維持する構成になっている。
【0010】
このシャッター機構の実際の作動は、ディスクの記録再生を開始する前には、光ピックアップ10がディスクの最内周側、すなわち、ターンテーブル3側に在る状態となっている。この状態では、シャッター30は対物レンズ15を閉鎖する位置で停止している。すなわち、脚部32の下部に設けられたストッパー33が、ディスク記録再生装置のシャーシ1に設けられたストッパー11に当接するとシャッター30の脚部32に設けられたスプリング懸止部35と保護カバー8の側端部に設けられたスプリング懸止部82との間に懸架されたスプリング16は、その付勢力に反してスプリング懸止部35側に引っ張られ、その結果、シャッター30は時計方向に回動して対物レンズ15を閉鎖する位置で停止状態を保つことになる(図9、図10)。
【0011】
ついで、ディスクの有無を確認後、記録再生が行なわれるが、ディスクに記録された情報を読み取るために、光ピックアップ10の送り機構2の駆動により光ピックアップ10が移動することに伴ってシャッター30の脚部32に設けられたストッパー33が、ディスク記録再生装置のシャーシ1に設けられたストッパー11より外れ、スプリング16の付勢によってシャッター30が開放状態となって記録再生が可能となる。
【0012】
ディスク内の情報の読込み(記録)、再生が終了すると、上記の記録再生開始と逆の経路をたどり光ピックアップ10がターンテーブル3側(すなわちディスクの最内周側)に送られてシャッター30が対物レンズ15を閉じ、その状態を維持しディスクの記録再生が終了する。 したがって、記録再生状態以外では、光ピックアップの対物レンズは常にシャッターにより塵や埃等から遮断されているので塵や埃等の多い環境下でも問題なく使用が可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構造に構成されたシャッター機構では、光ピックアップ10の光学系保護カバー8の外縁部に扇形状の案内部83を設け、該案内部に沿ってシャッターが回転移動する機構となっているので、光ピックアップ自体の外形寸法が大きくなっている。すなわち、図9に示すように、ターンテーブル3の中心からシャッター30の円弧に形成されたガイド部34の外形までの寸法(L)が、ターンテーブル3の中心から保護カバー6の光学系部分の内壁までの寸法(L0)より大きく(L>L0)なり、ディスク記録再生装置の保護カバーの形状、大きさの変更が必要となる。これに伴って、ディスク記録再生装置を設置するキットの大きさや形状等の設計変更が必要となる等の不都合があった。
【0014】
本発明は、シャッター機構を備えた従来のディスク記録再生装置における上記の問題点を解決し、ディスク記録再生装置における保護カバーの大きさや形状の変更を必要としないコンパクトに構成されたシャッター機構を備えたディスク記録再生装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、(1)光ピックアップを用いたディスク記録再生装置において、ディスク記録再生装置の光学ベース7に形成した軸受に回動可能に装着したシャッター9と、前記シャッター9のシャッター回転軸91を同心軸とする円弧状の案内溝86を形成した光学系保護カバー8とを備え、光ピックアップの移動に伴って前記シャッターが前記案内溝に沿って回動し、対物レンズ15を開閉するように構成したシャッター機構を有することを特徴とするディスク記録再生装置に関する。
【0016】
(2)シャッター機構は、光学ベース7に形成した軸受に回動可能に装着したシャッター9の一端にシャッター回転軸91に沿って脚部94を設け、該脚部にストッパー92とスプリング懸止部93とを設け、該シャッターの他端を光学系保護カバー8に形成した案内溝86の縁部に摺動可能に係合させて、光ピックアップ10の移動に伴って前記脚部に設けたスプリング懸止部93と光学ベース7に設けたスプリング懸止部87との間に懸架したスプリング16を付勢し、前記シャッターを前記案内溝に沿って回転させ、対物レンズ15を開閉するように構成したことを特徴とする上記(1)記載のディスク記録再生装置に関し、(3)シャッター9の他端部は、断面形状がL字型の案内部に形成されていることを特徴とする上記(2)記載のディスク記録再生装置に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面により詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明に係るシャッター機構を備えたディスク記録再生装置の一例を示す。図1、図3は斜視図を示し、図2は上面図を示す。図1、図2はシャッターが対物レンズを開放した状態を、図3はシャッターが対物レンズを閉鎖した状態を示す。図4は、本発明のシャッター機構部の部分拡大図を示す。
【0018】
本発明のディスク記録再生装置は、光ピックアップを用いたディスク記録再生装置において、ディスク記録再生装置の光学ベースに、シャッター回転軸91を設け、該回転軸にシャッターを回動可能に装着し、光ピックアップの移動に伴ってシャッター9が光ピックアップ10の光学系保護カバー8に設けられたシャッター回転軸91を同心軸とした円弧状の案内溝86に沿って回動し、対物レンズ部15を開閉するように構成されたシャッター機構を有することを特徴とするものである。
【0019】
本発明におけるシャッター機構は、光ピックアップの光学ベース7に設けられた回転軸91に、シャッター9が回動可能に装着されて光ピックアップに設置されており、シャッターの回転軸側の一端は軸に沿って脚部94が形成され、該脚部下端部にシャッター9の回動を規制するストッパー92が、該脚部の上部にはスプリング懸架部93がそれぞれ設けられている。シャッター9の他端部は円弧状に形成され、該円弧には断面形状がL字型の案内部95が形成されており、光学系保護カバー8の前記案内部95に対応する位置には、シャッター回転軸91を同心軸とする円弧状の案内溝86が形成されており、シャッター9は前記断面形状L字型の案内部95が、案内溝86の縁部下面に摺動可能に係合して前記円弧状の溝に沿って移動するように構成されている。また前記脚部94と光学ベース7にはそれぞれスプリング懸止部93、87が設けられ、スプリング懸止部93と87との間にはスプリング16が懸架されており、シャッター9は光ピックアップ10の移動に伴ってスプリングの付勢により対物レンズ部を開閉する構成となっている。
【0020】
本発明のシャッター機構の作動は、ディスクの記録再生を開始する前には、光ピックアップ10がディスクの最内周側、すなわち、ターンテーブル3側に在る状態となっている。この状態では、シャッター脚部94の下部に設けられたストッパー92がディスク記録再生装置のシャーシ1に設けられたストッパー11に当接しており、シャッター9の脚部94に設けられたスプリング懸止部93と光学ベース7に設けられたスプリング懸止部87との間に懸架されたスプリング16は、その付勢力に反してスプリング懸止部93側に引っ張られ、その結果、シャッターは時計方向に回動して対物レンズ15を閉鎖する位置で停止状態を保って図3に示すように対物レンズを覆う。
【0021】
ついで、ディスクの有無を確認後、記録再生が行なわれるが、ディスクに記録された情報を読み取るために、光ピックアップ10の送り機構2により光ピックアップ10が移動することに伴ってシャッター脚部94に設けられたストッパー92が、ディスク記録再生装置のシャーシ1に設けられたストッパー11より外れ、スプリング16の付勢によってシャッター9が開放状態なって記録再生が可能となる。(図1、図2および図4)
【0022】
記録再生が終了すると、上記と逆の経路、すなわち光ピックアップ10はシャフト5に摺動して平行に移動してターンテーブル側に送られ、シャッター脚部のストッパー92をシャーシに設けられたストッパー11に当接してシャッター9が対物レンズ15を覆う。したがって、光ピックアップ10の対物レンズ15は、記録再生状態以外では常にシャッターにより塵や埃から遮断された状態に保持される。
【0023】
本発明におけるシャッター機構は、シャッター本体の円弧の先端に形成された断面形状がL字型の案内部95は、光学系保護カバー8に設けられたシャッターの回転軸を同心軸とする円弧状の案内溝86に前記断面形状L字型の案内部95が挿入され、L字型の案内部95が保護カバー案内溝の縁部下面に係合、摺動して移動するように構成されているのでシャッターが上(ディスク側)に浮き上がることを防止する構造となっている。
【0024】
また上記光学系保護カバー8に設けられた円弧状の案内溝86は、シャッターの回転軌跡が対物レンズを干渉しない状態で、しかもレンズ用窓部の近傍に設けられているので、シャッターの円弧の先端に形成された案内部が光学系保護カバーの外形より送り機構側に大きくはみ出ることがなくコンパクトである。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明のシャッター機構は、シャッターの円弧の先端に形成された案内部が光学系保護カバーの外形より大きくはみ出すことがないコンパクトな構造であるので、メカ部分を覆う保護カバーの形状の変更や設計変更を行なう必要がなく、ディスク記録再生装置を設置するキットの大きさや形状等の設計変更も必要とすることなく設置することができる。
また上記のように構成したので、記録再生作動以外では光ピックアップの対物レンズは常にシャッターで覆われているので、塵や埃等が対物レンズに付着することがないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャッター機構を備えたディスク記録再生装置の保護カバーを取り除いた状態の斜視図(シャッター開放状態)
【図2】本発明のシャッター機構を備えたディスク記録再生装置の保護カバーを取り除いた状態の上面図(シャッター開放状態)
【図3】本発明のシャッター機構を備えたディスク記録再生装置の保護カバーを取り除いた状態の斜視図(シャッター閉鎖状態)
【図4】本発明のシャッター機構を説明するための部分拡大斜視図。
【図5】保護カバーを装着した状態の従来品のディスク記録再生装置の斜視図。
【図6】シャッター機構を有しない従来品のディスク記録再生装置の斜視図(保護カバーを取り除いた状態)。
【図7】シャッター機構を有しないディスク記録再生装置の上面図(保護カバーを取り除いた状態)。
【図8】従来のシャッター機構を備えたディスク記録再生装置の保護カバーを取り除いた状態の斜視図(シャッター開放状態)。
【図9】従来のシャッター機構を備えたディスク記録再生装置の保護カバーを取り除いた状態の上面図(シャッター閉鎖状態)。
【図10】従来のシャッター機構を説明するための部分拡大斜視図。
【符号の説明】
1……シャーシ
11…シャーシに設けられたストッパー
15…対物レンズ
16…スプリング
2……送り機構
20、21、22……ギヤ、23……直線ギヤ
3……ターンテーブル
4……ラック部
5……シャフト
6……保護カバー、61…長穴
7……光学ベース
8……光学系保護カバー、81…レンズ窓部、82…スプリング懸止部、
83…扇形状案内部、84…ストッパー部、86…案内溝、87…スプリング懸止部、
9……シャッター
91…回転軸、92…ストッパー、94…シャッター脚部、
93…スプリング懸止部、95…シャッター案内部
10…光ピックアップ
30…シャッター、31…回転軸、32…シャッター脚部、
33…突起、 34…断面形状コ字型案内部、
35…スプリング懸止部
Claims (3)
- 光ピックアップを用いたディスク記録再生装置において、ディスク記録再生装置の光学ベース7に形成した軸受に回動可能に装着したシャッター9と、前記シャッター9のシャッター回転軸91を同心軸とする円弧状の案内溝86を形成した光学系保護カバー8とを備え、光ピックアップの移動に伴って前記シャッターが前記案内溝に沿って回動し、対物レンズ15を開閉するように構成したシャッター機構を有することを特徴とするディスク記録再生装置。
- シャッター機構は、光学ベース7に形成した軸受に回動可能に装着したシャッター9の一端にシャッター回転軸91に沿って脚部94を設け、該脚部にストッパー92とスプリング懸止部93とを設け、該シャッターの他端を光学系保護カバー8に形成した案内溝86の縁部に摺動可能に係合させて、光ピックアップ10の移動に伴って前記脚部に設けたスプリング懸止部93と光学ベース7に設けたスプリング懸止部87との間に懸架したスプリング16を付勢し、前記シャッターを前記案内溝に沿って回動させ、対物レンズ15を開閉するように構成したことを特徴とする請求項1記載のディスク記録再生装置。
- シャッター9の他端部は、断面形状がL字型の案内部に形成されていることを特徴とする請求項2記載のディスク記録再生装置。
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- 2002-03-27 JP JP2002088187A patent/JP3930753B2/ja not_active Expired - Fee Related
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