JP3930620B2 - 測距モジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定物までの距離測定を行う測距モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体位置検出器(Position Sensitive Detector;PSD)は、ホトダイオードを応用した入射スポット光の受光位置を検出するセンサである。
【0003】
図8は従来のPSDの基本構造を示す断面図である。このPSD142は、n型半導体基板403上にp型半導体層402を有し、n型半導体基板403のp型半導体層402の形成面と反対の面にn+型半導体層404を有し、p型半導体層402上に、所定距離Cだけ離して電極142b,142cが設けられている。n型半導体基板403には、n+型半導体層404及び電極142b,142cを介して所定のバイアス電圧が印加されている。p型半導体層402の受光面の一方の電極142cから所定距離X離れた位置に光hνが入射すると、PSD内部で発生した光電流は、受光面上の電極間距離C間の抵抗R及び光入射位置までの抵抗Rxに応じて分割され、両電極142b,142cから電流IA,IBとして取出される。取出された光電流の比は、およそ光の入射位置と、電極142b,142cそれぞれとの距離の逆数の比となる。また、電流IA、IBの和は、入射光の光量に比例している。したがって、各電流の比から光の入射位置を算出する事が出来る。PSDは、この位置検出特性を利用して光により物体との距離を検出する測距センサーに広く利用されている。
【0004】
図9は、上記従来のPSDを用いた測距センサーの基本原理を説明するための図である。発光素子141aから投射された光は、投光レンズ143を介して、被測定物体145の表面に到達して反射され、反射光の一部が受光レンズ144を介してPSD142の受光面142aの受光位置SPに入射される。このとき、受光レンズ144と受光面142aの距離をf、受光レンズ144と投光レンズ143の光軸の距離(基線長)をB、受光位置SPの受光レンズ144の光軸中心からの距離X1とすると、物体145表面と受光レンズ144の距離Lは、以下の式1で表わされる。
【0005】
L=Bf/X1…(式1)
前述したように、PSD142の両電極142b,142cからの出力IA,IBより、光の入射位置SP、すなわちX1を求めることができ、式1から被測定物体145までの距離Lを求める事ができる。
【0006】
しかしながら、この種の装置では近距離側の測定距離に限界があった。すなわち、図9より明らかなように、被測定物145とPSD142の距離が近い、つまりLが短い場合は、X1が大きくなり、Lが所定距離LC以下になると、反射光は受光面142aの領域からそれてしまうので検出できなくなる。所定距離LCは、以下の式2で表わされる。
【0007】
C=Bf/(C−X0)…(式2)
ここで、X0は受光レンズ144の光軸とPSD142の発光素子141a側の電極142Cとの間の距離である。
【0008】
したがって、被測定物が至近距離にある場合には電流出力が得られず、正確な距離計測ができなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、近距離の測距を可能にする技術は、特開昭62−235518号及び特公平7−38048号等に記載されている。前者の測距装置は、前述のLCより近い近接領域の検出を行うPSDを遠距離用PSDに隣接させて配置したものである。後者は、遠距離用発光素子LEDと近距離用発光素子LEDの2種類の発光素子を基線長方向の異なる位置に配置して、それぞれを選択的に発光させ、PSDの出力をそれぞれに応じて補正する事により、近距離側の測定を可能としたものである。
【0010】
しかしながら、前者の測距装置では、PSDの設置スペースやコストの面からPSDの受光面積長さが制限されるので、近距離側を測定する事は困難である。また、近距離の測定物からの反射スポット光の光量が強すぎてPSDの出力が飽和して正確な測距が行えないという問題があった。これを克服するためにLEDの出力を低下させると、遠距離側の測距が出来なくなってしまう。
【0011】
また、いずれの装置においても、近距離側の距離制限が短縮するだけであり、約20cm以内の至近距離から距離ほぼゼロまでに被測定物体がある場合は、測距不能であり、被測定物の存在自体を認識する事が出来なかった。
【0012】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、至近距離の被測定物までの距離をも測定可能な測距モジュールを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る測距モジュールは、ハウジング内に配置され受光面上の入射光位置に応じて2つの電流を出力するPSDと、ハウジングに設けられ被測定物に光を照射する第1発光素子と、ハウジングに設けられ第1発光素子から被測定物に照射される光よりも低い指向性の光を被測定物に照射する第2発光素子と、PSDの受光面に対向するとともに第1及び第2発光素子から出射され被測定物で反射された光を受光面に導く位置に設けられたレンズと、第1及び第2発光素子を異なる時刻に発光させるとともに、少なくとも第1発光素子発光時にPSDから出力される電流の和及び第2発光素子発光時にPSDから出力される電流の和に基づいて所定距離よりも近い被測定物までの距離が求められる信号を出力する制御回路とを備え、制御回路は、第 1 発光素子点灯時のPSDの出力電流の和信号(PSDΣ)、及び、第2発光素子点灯時のPSDの和信号(近接Σ)から発光素子非点灯時のリファレンス電圧を引いた信号を記憶し、n回の測定において得られたこれらの平均値をそれぞれPSDΣ 、近接Σ とした場合、距離に対応する距離に対応する和Q=(近接Σ +PSDΣ )、比S=(PSDΣ /近接Σ )又は比S’=(近接Σ /PSDΣ )を演算することを特徴とする。
【0014】
本測距モジュールによれば、制御回路は、所定距離よりも近い位置に被測定物がある場合、すなわち、PSD受光面からスポットが一部はみ出してしまう場合には、第1発光素子発光時のPSDの出力電流の和、及び第2発光素子発光時のPSDの出力電流の和に基づいて被測定物までの距離が求められる信号を出力する。
【0015】
また、所定距離よりも遠い位置に被測定物があることによって、第1発光素子から出射され被測定物で反射された光がPSD受光面にスポットとして入射するときには、制御回路は第1発光素子発光時のPSDの出力電流の和及び差に基づいて所定距離以上にある被測定物までの距離が求められる信号を出力することが好ましい。なお、この場合においても、制御回路は、上記所定距離よりも近い位置に被測定物がある場合と同様に、第1発光素子発光時のPSDの出力電流の和、及び第2発光素子発光時のPSDの出力電流の和に基づいて、所定距離以上にある被測定物までの距離が求められる信号を出力してもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に係る測距モジュールについて説明する。同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、実施の形態に係る測距モジュールを示す。本モジュールは、ハウジングHs内に配置された半導体位置検出器(PSD)1を備える。PSD1は、n型Siからなる半導体基板1cと、半導体基板1cの長手方向に沿って半導体基板1cの表面に形成されたp型Siからなる高抵抗基幹導電層1fと、基幹導電層1fから半導体基板1cの幅方向に沿い基幹導電層1fを横切って延びたp型Siからなる複数の低抵抗分枝導電層1eと、半導体基板1cの表面の基幹導電層1fを覆うとともに分枝導電層1eを含む受光領域に光が入射可能なように半導体基板1cの長手方向に沿って延びた2つの開口を有する遮光膜1dと、半導体基板1cの裏面に高濃度n型Siからなるコンタクト層1bを介して形成された裏面電極1aと、基幹導電層1fの両端部に形成された一対の位置信号電極1B,1Cとを備える。
【0018】
本モジュールは、PSD1の長手方向に直交する線分に平行に隣接し、ハウジングHs内に配置された遠距離測定用発光ダイオード(第1発光素子)2A,2Cと、その近傍に配置された第1発光素子2A,2Cの出力モニター用のホトダイオード(受光素子)2Bと、第1発光素子2A,2Cから出力された光の通過経路上に配置されて通過光を平行光束とするようにハウジングHsに固定された投光レンズ5と、PSD1の受光面に対向する位置に設けられハウジングHsに固定された受光レンズ4及び外乱光をカットする光学フィルタ6とを備える。また、受光レンズ4と投光レンズ5の光軸は平行であり、PSD1と第1発光素子2A,2Cの表面がこれらの光軸と垂直である。
【0019】
本モジュールは、投光レンズ5を出射し被測定物に照射される光よりも指向性が低い拡散光を出射する発光ダイオード(第2発光素子)3Aと、その近傍に配置された第2発光素子3Aの出力モニター用のホトダイオード(受光素子)3Bとを備えている。ここで、第1発光素子2A,2Cは小径のスポット光を、第2発光素子3Aは広角度(例えば±40°)の拡散光を被測定物にそれぞれ投影するが、それぞれの素子は別種のものでなくてもよい。また、本実施の形態では、第1発光素子を2個用いた例で説明している。これは、第1発光素子がスポット光の為、目的とする被測定物が人の場合、大人や子供の違いによって投光スポット光が反射して戻ってくる領域が異なる為、必要に応じて第1発光素子が複数個必要になる場合があるためで、もちろん第1発光素子は1個であってもかわなない。
【0020】
本モジュールは、発光素子2A,2C,3Aを順次異なる時間に発光させてその発光タイミングを制御し、また、その強度を制御し、受光素子2B,3Bの出力をモニターし、入力されるPSD1の位置信号電極1B,1Cから出力される2つの電流IA及びIBに応じてコンピュータ42で被測定物までの距離を演算することができる信号を出力するアナログ制御回路11を備える。
【0021】
図2は、本装置による距離測定について説明するための説明図である。まず、遠距離側の距離測定について説明する。遠距離側の距離測定は、三角測量方式による。つまり、第1発光素子2A又は2Cから出射した光は、投光レンズ5により小径のスポット光に集光されて、被測定物15に照射される。このスポット光の径は、投光レンズ5から70cmの距離で約4cmである。被測定物15に照射された光は、表面で一般に乱反射され、その一部が集光レンズ4及び干渉フィルタ6を経由して、PSD1の受光面1Aに到達して、光電流を発生させ、PSD1の両電極1B、1Cからその位置に応じた電流IA及びIBが出力される。このとき、前述したように、受光レンズ4と受光面1Aの距離をf、基線長をB、受光位置の受光レンズ4の光軸中心からの距離をx1とすると、被測定物15表面と受光レンズ4の距離Lは、再掲する以下の式で表される。
【0022】
L=Bf/x1
また、電極1B,1C間距離をCとすると、(IB−IA)/(IA+IB)=2x1/C−1であるから、制御回路11は両電極の電流出力IA,IBからIB−IA及びIA+IBを演算し、コンピュータ42が演算結果に基づいて上式から受光面上の入射位置x1を演算し、上式に基づいて距離Lを演算して距離データを出力する。
【0023】
しかし、この三角測量方式では、至近距離に被測定物体15”が存在するときはx1が大きくなり、第1発光素子2A,2Cから受光面1Aに入射するスポットがはみ出してしまう。距離測定の限界となる位置が被測定物15’の位置はLcは、本実施の形態では約20cmである。
【0024】
発光素子2A,2C,3AとPSD1を用いた距離Lc以内の至近距離の測定について説明する。以下、至近距離に被測定物15”が存在する場合を例に説明する。第2発光素子3Aは、広角度(例えば±40°)で光を照射している。したがって、被測定物15”の広い範囲に光が照射されている。被測定物15”への第2発光素子3Aの投射光の反射光には、前述の第1発光素子2Aからの投射光の反射光に比べて受光レンズ4への入射角(いいかえれば、受光レンズ4の光軸となす角度)が小さい成分が含まれるため、その一部がPSD1の受光面1Aに入射する。このとき、受光面1Aの比較的広い位置に光が入射するため、受光素子1の両電極1B、1Cから発生する電流IA、IBから一義的に受光位置x1を求めることは困難になるが、その和IA+IBは、受光面に入射した光の光量の総和に応じたものとなる。被測定物15が近距離にあるほど、その反射特性が同一の場合は、受光面1Aに入射する光量が多くなるので、出力電流の和も大きくなる。
【0025】
一方、発光素子3Aは、広角度で光を照射しているので、被測定物が遠距離にある場合には、その反射光のうち、受光レンズ4を経て、受光面1Aに入射する光量は微弱なものとなり、出力電流の和も小さくなる。さらに、被測定物が所定の距離内に存在しない場合は、第2発光素子3Aの光が被測定物に到達するまでに拡散してしまうので、反射光を検出することはできなくなる。これらの場合には、出力電流の総和IA+IBも発生しないか、微弱なものとなる。したがって、測定対象となる被測定物の反射特性をもとにして、被測定物が距離Lcにある時の反射光によって発生する電流強度以下の値をしきい値として、それ以上の電流を検出したときに物体が存在すると判定するように設定することにより、距離Lc以内の至近距離にある物体の存否を確実に判定することができる。
【0026】
しかしながら、被測定物が至近距離にある場合には総和IA+IBは距離の2乗に反比例して増加するので、制御回路11内の増幅器において出力が飽和し、距離Lc以内の至近距離にある物体の存否を確実に判定することができるものの、距離自体の測定は正確には行うことができない。そこで、制御回路11内における増幅器の増幅率又は発光素子2A,2C,3Aへの供給電流量を制御し、PSD1にてモニタされる受光強度が大きい場合にはコンピュータ42からの信号によってこれらを低下させる。しかし、これらを低下させると、PSD1における受光光量だけでは至近距離における正確な距離測定はできなくなり、また、被測定物の反射率によっても受光光量が大きく変化する。
【0027】
例えば、モジュールから1mの位置における被測定物からの総入射光量の違いは、白紙(反射率90%):黒幕(反射率4%)=22:1であり、10cmの位置における被測定物からの総入射光量の違いは、白紙(反射率90%):黒幕(反射率4%)=100:1である。
【0028】
そこで、本発明に係る測距モジュールにおいては、PSD受光面上からスポットがはみ出した場合においても発光素子2A,2C,3Aから出力され受光面に入射した光を用いることにより至近距離の距離測定を行うこととした。
【0029】
図3は、測距モジュールの制御回路11及びコンピュータ42を含むシステム構成図であり、図4は、この装置の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【0030】
タイミング発生回路21は、外部から供給されるパルスクロック信号CLKを分周することにより、3つの発光素子2A、2C、3Aのそれぞれの発光を制御するドライブパルス信号LED1〜3を生成する。本実施の形態では、図4に示されるように、CLK信号パルス16個ごとに発光素子2A,2C、3Aのそれぞれのパルス信号を切り換えて出力している。また、タイミング発生回路21は、各発光素子信号のパルスの立ち上がり前にサンプルホールド制御用のS/H_A信号(図中ではA)をパルス出力し、各発光素子信号のパルス信号の終了前に同じくサンプルホールド制御用のS/H_B信号(図中ではB)をパルス出力し、各発光素子信号終了後の所定時間後にサンプルホールド終了を示すVALID信号をサンプルホールド回路30〜33に出力している。また、信号LED1に対応したパルス信号をSYNC信号として外部に出力している。
【0031】
このドライブパルス信号LED1〜3によりドライブ回路22は、発光素子2A,2C,3Aを時分割的にパルス点灯させる。各発光素子から発せられた光は、被測定物15によって反射されて、遮光膜1dの開口によって規定されるPSD1の各領域PSD1D,1Eに入射し、光電流を生成する。それぞれのPSDで発生した光電流は、その2つの電極から分流されて出力されるが、それぞれのPSD1D,1Eが並列接続されているので、対応する電極の出力電流の合成電流が後続の回路に送られる。これらの合成後の光電流は、外乱光によるノイズを含むパルス電流である。
【0032】
このノイズを含むパルス電流は、DCフィードバックや容量結合を用いて(図示していない)外乱光によるノイズ成分を除去された後、電流−電圧変換器24,25により電圧信号に変換されて、利得調整可能な増幅器26、27で出力飽和がしないように増幅され、加算回路28、減算回路29にそれぞれ転送される。
【0033】
こうして得られた加算出力信号と減算出力信号は、後続のサンプルホールド回路30〜33に送られる。それぞれのサンプルホールド回路のうち回路30、32では、発光素子のタイミング回路21から送られてきたサンプルホールド制御信号S/H_Aに基づいて発光素子発光直前の信号レベルが、回路31、33では、サンプルホールド制御信号S/H_Bに基づいて発光素子発光時の信号レベルがそれぞれ保持される。
【0034】
こうしてサンプルホールドされた信号レベルは、VALID信号がオンになると次段の減算回路34、35に送られて、発光素子発光時と発光素子発光直前との信号レベルの差がとられることにより、ノイズが除去された加算信号出力Σout( IA+IBに相当)と、減算信号出力Δout(IB−IAに相当)が得られ、コンピュータ42ではこれらの信号を基にして距離検出を行うことが可能である。
【0035】
一方、モニター素子2B、3Bの出力は、電流−電圧変換器38で電圧信号に変換された後、増幅器39を介してサンプルホールド回路40によりサンプルホールドされた後、一定値の信号LEDmonとして出力される。Vref信号は発光素子非点灯時の基準信号である。両者の差が所定レベル以下であれば、発光素子が点灯していないとみなせるので、エラー出力を生成することにより、誤作動を防止することができる。
【0036】
上記のようにして得られた出力信号をそのまま処理してもよいし、デジタル信号に変換して処理してもよい。また、1周期ごとの出力を直接処理しても複数周期の出力をもとにして演算処理してもよい。
【0037】
コンピュータ42は、デジタル出力(gain X,Y)をデコーダ41に出力する。デコーダ41から出力されたアナログ制御信号は、PSD1の出力の増幅率を制御する増幅器26,27,36,37及び発光素子に供給される駆動電流の供給電流を制御する切換器23に入力され、それぞれの出力飽和が生じないようにされる。
【0038】
すなわち、反射率の異なる被測定物に対して、ダイナミックレンジが飽和してしまうのを防ぐために、コンピュータ42は、それぞれの発光素子2A,2C,3Aの発光時の制御回路11の出力を1回測定して記憶し、出力飽和が起こらないように共通のダイナミックレンジを決定し、デコーダ41の指定するゲイン切換の増幅率を固定する(例えば5V定電源を用いる場合、0.1V〜4Vにコントロールする)。ゲイン切換の増幅率が決まり、ダイナミックレンジが決まったら、n回の測距を行い、第1発光素子2A又は2C点灯時のPSD1の差信号(PSDΔ=IB−IA)、第1発光素子2A又は2C点灯時のPSD1の和信号(PSDΣ=IA+IB)、第2発光素子3A点灯時のPSD1の和信号(近接Σ)から発光素子非点灯時の基準信号分のリファレンス電圧1Vを引いた信号出力をコンピュータ42に記憶し、n回の平均値を求めn回平均値を元に測距演算を行う。なお、この得られたn回の平均値の出力結果をそれぞれPSDΔ+、PSDΣ+、近接Σ+とし、これら及びPSDΔ+/PSDΣ+の距離依存性を図5に示す。
【0039】
この様にする事で、反射率の異なる被測定物であっても、出力信号が飽和してしまい測距不能という事態を避ける事ができ、PSDの測距演算により無限遠からPSDの受光面に入射するスポット光が欠けを生じない範囲で近距離(約20cm)まで測距する事が可能となる。
【0040】
本発明においては、上記に加え、PSDの受光面に入射するスポット光が欠けを生じる距離から距離ほぼ零の範囲においても測距が出来るように以下の工夫を行った。すなわち、コンピュータ42は、以下の演算を行う。
【0041】
近接Σ+に、PSDの和信号PSDΣ+を加算する。すなわち、近接Σ++PSDΣ+=Qを演算する。PSDの受光面に入射するスポット光が欠けを生じる距離を示す時のQの値をaとする。
【0042】
Q≦aの時は、従来からの用いられる上記のPSDの測距演算により、無限遠からPSDの受光面に入射するスポット光が欠けを生じる距離までの測距を行う。
【0043】
Q>aの時は、Q=近接Σ++PSDΣ+を元に測距を行う。この式により得られる結果のグラフを図6に示す。このグラフから判るように、この式によって得られる結果は、左上がりの傾向を示し、このグラフを利用すれば、PSDの受光面に入射するスポット光が欠けを生じる距離(約20cm)から距離ほぼ零の範囲において測距する事が可能となる。第2発光素子3A点灯時のPSD1の出力は、被測定物がモジュールに近づくに従い距離の2乗に反比例して受光強度が増え、第1発光素子2A,2C点灯時のPSD1の出力はPSD受光面に当たるスポット光が欠ける前まで被測定物がモジュールに近づくに従い増える。しかしながら、PSDの受光面に当たるスポット光が欠け始めると被測定物がモジュールに近づくに従い、受光強度が減少していく。このPSD受光強度の減少率が第2発光素子3A点灯時のPSD1の出力の増加率に比べ小さいためにこの式のグラフは、左上がりの傾向を示すグラフとなる。従って、本式を用いる事により、PSDの受光面に入射するスポット光が欠けを生じる距離から距離ほぼ零の範囲において測距する事が可能となる。
【0044】
また、PSDΣ+=近接Σ+となる時の測距データをbとすると、PSDΣ+>近接Σ+の時、被測定物は距離bより離れており、PSDΣ+=近接Σ+の時、被測定物は距離bにあり、PSDΣ+<近接Σ+の時、被測定物は距離bよりも近くにあることが、図6のグラフから明らかである。そこで、コンピュータ42は、PSDΣ+と近接Σ+との大小を比較することによって、被測定物の存在位置に応じた信号を出力することができる。
【0045】
さらに、距離a又はbよりも被測定物が測距モジュール側にあると判別された場合には、コンピュータ42はS=PSDΣ+/近接Σ+,S’=近接Σ+/PSDΣ+を演算し、図7に示す被測定物の距離と出力比S又はS’との関係を示すグラフを用いて、距離a又はb以下の距離にある被測定物の距離を算出し、被測定物の距離データを出力する。
【0046】
なお、上記の演算を行う上で注意すべき点が2つある。1つは、PSDに入射するスポット光はある大きさの径を持っているため、理想的にはPSDの和出力と差出力の比が、0≦PSD△/PSDΣ<1の関係となる。ところが、極端な場合、0≦PSD△/PSDΣ≦0.5となってしまう場合がある。
【0047】
このような場合、上記所定距離以上の距離測定において一般的にPSD△の出力をK倍増幅するように増幅率を設定することにより演算を行い易くする。
【0048】
また、A/D変換器にPSD出力が入力した際、PSD△出力がA/D変換器のノイズレベル程度だった場合、PSD△出力がA/D変換器のノイズレベルに隠れてしまい分解能が低下してしまう。このような場合もPSD△出力がK倍増幅されていれば、PSD△出力のA/D変換器内での分解能を上げることができる。
【0049】
もう1つ注意しなければならない点がある。PSD出力及び近接Σ+の出力が、全体として飽和してしまわないように増幅率を設定していても、被測定物の反射率や第2発光素子(3A)の広角度の取り方やアセンブリの仕方により近接Σ+の出力がPSDからの出力に対して大きくなったり小さくなったりしてしまう事がある。しかし、本法を適用する場合、近接Σ+の出力とPSDΣ+の出力とが1Vの時ほぼ同じ位置出力が得られるように、近接Σ+の出力の増幅率設定がされていないと、QやS’の結果が左上がりの結果を得る事が出来ない(Sは右上がりの結果となる)。近接Σ+の出力をN倍増幅し、近接Σ+の出力とPSDΣ+の出力とが1Vの時ほぼ同じ位置出力となるように調整し、QやS’の結果が左上がりとなるようにする(Sは右上がりの結果となる)。
【0050】
上記のように距離ほぼ零まで測距が可能になったが、PSDからの出力が、スポット欠けのために出力しなかった領域まで出力するようになったため、至近距離なのか無限遠なのか判別がつかず誤動作の可能性がある。これを回避するために、無限遠の判定レベルを任意に設定し(例えば、PSDΣ+=近接Σ+となる時の値をbとし、bを基準に無限遠の判定レベルを1/5bとか1/10bとかに設定する)、この判定レベルよりもPSDΣ+および近接Σ+の値が共に小さくなった時、被測定物が無限遠にあると判定する。
【0051】
以上のように、本測距モジュールは、ハウジングHs内に配置され受光面上の入射光位置に応じて2つの電流を出力するPSD1と、ハウジングHsに設けられ被測定物15に光を照射する第1発光素子2Aと、ハウジングHsに設けられ第1発光素子2Aから被測定物15に照射される光よりも低い指向性の光を被測定物15に照射する第2発光素子3Aと、PSD1の受光面1Aに対向するとともに第1及び第2発光素子2A,3Aから出射され被測定物15で反射された光を受光面1Aに導く位置に設けられたレンズ4と、第1及び第2発光素子2A,3Aを異なる時刻に発光させるとともに、第1発光素子発光時にPSDから出力される電流の和及び差に基づいて所定距離以上にある被測定物までの距離が求められ、和及び第2発光素子発光時にPSDから出力される電流の和に基づいて所定距離よりも近い被測定物までの距離が求められる信号を出力する制御回路11とを備える。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、第1及び第2発光素子を用いることにより、至近距離の被測定物までの距離をも測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】測距モジュールの構成を示す構成図。
【図2】測距モジュールの測定原理を説明する図。
【図3】測距モジュールを含む測距装置のシステム構成図。
【図4】図3のシステム内におけるタイミングチャート。
【図5】距離(cm)と出力(V)との関係を示すグラフ。
【図6】距離(cm)と出力(V)との関係を示すグラフ。
【図7】距離(cm)と出力(V)との関係を示すグラフ。
【図8】従来のPSDを示す断面図。
【図9】PSDの測定原理を説明する図。
【符号の説明】
HS…ハウジング、1…PSD1、15…被測定物、2A…第1発光素子、3A…第2発光素子、4…レンズ、11…制御回路。

Claims (3)

  1. ハウジング内に配置され受光面上の入射光位置に応じて2つの電流を出力するPSDと、
    前記ハウジングに設けられ被測定物に光を照射する第1発光素子と、
    前記ハウジングに設けられ前記第1発光素子から前記被測定物に照射される光よりも低い指向性の光を前記被測定物に照射する第2発光素子と、
    前記PSDの前記受光面に対向するとともに前記第1及び第2発光素子から出射され前記被測定物で反射された光を前記受光面に導く位置に設けられたレンズと、
    前記第1及び第2発光素子を異なる時刻に発光させるとともに、少なくとも前記第1発光素子発光時に前記PSDから出力される電流の和及び前記第2発光素子発光時に前記PSDから出力される電流の和に基づいて所定距離よりも近い被測定物までの距離が求められる信号を出力する制御回路とを備え
    前記制御回路は、前記第 1 発光素子点灯時の前記PSDの出力電流の和信号(PSDΣ)、及び、前記第2発光素子点灯時の前記PSDの和信号(近接Σ)から前記発光素子非点灯時のリファレンス電圧を引いた信号を記憶し、n回の測定において得られたこれらの平均値をそれぞれPSDΣ 、近接Σ とした場合、距離に対応する和Q=(近接Σ +PSDΣ )を演算することを特徴とする測距モジュール。
  2. ハウジング内に配置され受光面上の入射光位置に応じて2つの電流を出力するPSDと、
    前記ハウジングに設けられ被測定物に光を照射する第1発光素子と、
    前記ハウジングに設けられ前記第1発光素子から前記被測定物に照射される光よりも低い指向性の光を前記被測定物に照射する第2発光素子と、
    前記PSDの前記受光面に対向するとともに前記第1及び第2発光素子から出射され前記被測定物で反射された光を前記受光面に導く位置に設けられたレンズと、
    前記第1及び第2発光素子を異なる時刻に発光させるとともに、少なくとも前記第1発光素子発光時に前記PSDから出力される電流の和及び前記第2発光素子発光時に前記PSDから出力される電流の和に基づいて所定距離よりも近い被測定物までの距離が求められる信号を出力する制御回路とを備え
    前記制御回路は、前記第 1 発光素子点灯時の前記PSDの出力電流の和信号(PSDΣ)、及び、前記第2発光素子点灯時の前記PSDの和信号(近接Σ)から前記発光素子非点灯時のリファレンス電圧を引いた信号を記憶し、n回の測定において得られたこれらの平均値をそれぞれPSDΣ 、近接Σ とした場合、距離に対応する比S=(PSDΣ /近接Σ )を演算することを特徴とする測距モジュール。
  3. ハウジング内に配置され受光面上の入射光位置に応じて2つの電流を出力するPSDと、
    前記ハウジングに設けられ被測定物に光を照射する第1発光素子と、
    前記ハウジングに設けられ前記第1発光素子から前記被測定物に照射される光よりも低い指向性の光を前記被測定物に照射する第2発光素子と、
    前記PSDの前記受光面に対向するとともに前記第1及び第2発光素子から出射され前記被測定物で反射された光を前記受光面に導く位置に設けられたレンズと、
    前記第1及び第2発光素子を異なる時刻に発光させるとともに、少なくとも前記第1発光素子発光時に前記PSDから出力される電流の和及び前記第2発光素子発光時に前記PSDから出力される電流の和に基づいて所定距離よりも近い被測定物までの距離が求められる信号を出力する制御回路とを備え
    前記制御回路は、前記第 1 発光素子点灯時の前記PSDの出力電流の和信号(PSDΣ)、及び、前記第2発光素子点灯時の前記PSDの和信号(近接Σ)から前記発光素子非点灯時のリファレンス電圧を引いた信号を記憶し、n回の測定において得られたこれらの 平均値をそれぞれPSDΣ 、近接Σ とした場合、距離に対応する比S’=(近接Σ /PSDΣ )を演算することを特徴とする測距モジュール。
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