JP3930067B2 - パターン照合装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空間周波数特性に基づいてN次元のパターン〔例えば、音声(1次元)、指紋(2次元)、立体(3次元)〕の照合を行うパターン照合装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータ室や重要機械室への入退室管理、コンピュータ端末や銀行の金融端末へのアクセス管理などの個人認識を必要とする分野において、これまでの暗証番号やIDカードに代わって、音声照合装置や指紋照合装置が採用されつつある。
【0003】
図18は、「1993年電子情報通信学会秋期大会」で報告された豊田晴義らによる「位相変調型液晶空間光変調器を用いた指紋認識システム(文献1)」に示された実験システムを示す図である。同図において、1はCRT、2−1,2−2は位相変調型液晶空間光変調器、3はレンズ、4−1,4−2はフーリエレンズ、5−1〜5−3はハーフミラー、6は全反射ミラー、7はフォトダイオード、Lはレーザ光である。
【0004】
このシステムでは、先ず、登録したい指の指紋(登録指紋)をCCDカメラ(図示せず)で撮して記憶する。そして、照合する指の指紋(照合指紋)をCCDカメラで撮し、登録指紋の画像と照合指紋の画像を左右に並置して1つの入力画像とし(図19(a)参照)、この入力画像をCRT1の画面上に映し出す。このCRT1の画面上に映し出された入力画像は、位相変調型液晶空間光変調器2−1,フーリエ変換レンズ4−1を通過すると、干渉し合って縦縞模様を作る。
【0005】
これによって、第1回目の光フーリエ変換(空間周波数の分離)が行われ、図19(a)に示された入力画像は同図(b)に示されるようなフーリエ像となる。このフーリエ像では中心部に空間周波数の低周波成分が現れる。そして、このフーリエ像が、位相変調型液晶空間光変調器2−2,フーリエ変換レンズ4−2を通過し、第2回目の光フーリエ変換が行われる。これにより、図19(b)に示されたフーリエ像は、同図(c)に示されるようなフーリエ像となる。このフーリエ像では、空間周波数の低周波成分が中心部に現れ、高周波数成分が左右に分かれた形現れる。
【0006】
ここで、登録指紋と照合指紋が一致する場合には、左右の相関成分エリアS1,S2の光強度が強くなる。フォトダイオード7は、左右の相関成分エリアS1,S2のうち例えば左側の相関成分エリアS1にその受光面が位置するように、設けられている。これにより、フォトダイオード7の検出する相関成分エリアS1の光強度がしきい値より強ければ、すなわち相関ピークが出現していれば、登録指紋と照合指紋とが一致していると判断することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の指紋照合方法によると、相関成分エリアS1全体の光強度をフォトダイオード7で検出するものとしているため、すなわち相関成分エリアS1内の光強度の平均値を検出するものとしているため、相関成分エリアS1を構成する画素中に存在する光強度の低い画素の影響を受けてS/N比が悪化し、照合精度が悪化する。また、登録指紋の採取時と照合指紋の採取時の照度の違いによっても、照合精度が悪化する。すなわち、登録指紋の採取時と照合指紋の採取時の照度差が大きいと、本人の指紋でも同一と認識することができない。
【0008】
また、登録指紋に対して照合指紋の位置がずれると相関ピークの出現する位置もずれるが、従来の指紋照合方法では、相関ピークを捉えるのにフォトダイオード7を用いているので、これに対応することができない虞れがあった。すなわち、S/N比を良くするためにフォトダイオードの面積を狭くすると相関ピークの位置ずれに対応できず、また、この位置ずれに対応させるためにフォトダイオードの面積を広くするとS/N比が悪化することになり、双方を両立できないという問題があった。
【0009】
なお、フォトダイオード7に代えてCCD素子を用い、その受光面積を広くすれば、上述した照合精度の悪化や照合指紋の位置ずれに対処することは可能であるが、フォトダイオードに比べてCCDは極めて高価であり、装置全体が大幅なコストアップとなる。
【0010】
また、従来の指紋照合方法では、位相変調型液晶空間光変調器やフーリエ変換レンズを必要とし、これらを組み合わせて光学系を製作することは精度的にも難しく、またこれらの素子はそれ自体高価なものであるため、システムとして高価にならざるを得ない。
【0011】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、照合精度が高く、照合パターンのずれにも対応でき、且つ安価なパターン照合装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、第1発明(請求項1に係る発明)は、登録パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換を施して登録フーリエN次元パターンデータを作成し、照合パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換を施して照合フーリエN次元パターンデータを作成し、登録フーリエN次元パターンデータと照合フーリエN次元パターンデータとを合成し、これによって得られる合成フーリエN次元パターンデータに対して全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行ったうえN次元離散的フーリエ変換を施し、このN次元離散的フーリエ変換の施された合成フーリエN次元パターンデータに出現する相関成分エリアのN次元パターンデータを構成する個々のデータから相関成分の強度の高い上位n個を抽出し、その上位n個のデータの相関成分の強度に基づいて登録パターンと照合パターンとの照合を行うようにしたものである。
【0013】
第2発明(請求項2に係る発明)は、第1発明における「合成フーリエN次元パターンデータに対して全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行ったうえN次元離散的フーリエ変換を施す」のに代えて、「合成フーリエN次元パターンデータに対して全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行ったうえN次元離散的逆フーリエ変換を施す」ようにしたものである。
【0014】
第1発明(第2発明)では、照合パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換が施されて照合フーリエN次元パターンデータが作成され、この照合フーリエN次元パターンデータと同様の処理を施して作成されている登録パターンの登録フーリエN次元パターンデータとが合成され、この合成フーリエN次元パターンデータに対して全ての振幅を1とする振幅抑制処理が行われたうえN次元離散的フーリエ変換(N次元離散的逆フーリエ変換)が施され、このN次元離散的フーリエ変換(N次元離散的逆フーリエ変換)の施された合成フーリエN次元パターンデータに出現する相関成分エリアのN次元パターンデータを構成する個々のデータから相関成分の強度の高い上位n個が抽出され、その上位n個のデータの相関成分の強度に基づいて、登録パターンと照合パターンとの照合が行われる。
【0015】
第3発明(請求項3に係る発明)は、登録パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換を施してから全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行うことにより登録フーリエN次元パターンデータを作成し、照合パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換を施してから全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行うことにより照合フーリエN次元パターンデータを作成し、登録フーリエN次元パターンデータと照合フーリエN次元パターンデータとを合成し、これによって得られる合成フーリエN次元パターンデータに対してN次元離散的フーリエ変換を施し、このN次元離散的フーリエ変換の施された合成フーリエN次元パターンデータに出現する相関成分エリアのN次元パターンデータを構成する個々のデータから相関成分の強度の高い上位n個を抽出し、その上位n個のデータの相関成分の強度に基づいて登録パターンと照合パターンとの照合を行うようにしたものである。
【0016】
第4発明(請求項4に係る発明)は、第3発明における「合成フーリエN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換を施す」のに代えて、「合成フーリエN次元パターンデータにN次元離散的逆フーリエ変換を施す」ようにしたものである。
【0017】
第3発明(第4発明)では、照合パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換が施されてから全ての振幅を1とする振幅抑制処理が行われることにより照合フーリエN次元パターンデータが作成され、この照合フーリエN次元パターンデータと同様の処理を施して作成されている登録パターンの登録フーリエN次元パターンデータとが合成され、この合成フーリエN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換(N次元離散的逆フーリエ変換)が施され、このN次元離散的フーリエ変換(N次元離散的逆フーリエ変換)の施された合成フーリエN次元パターンデータに出現する相関成分エリアのN次元パターンデータを構成する個々のデータから相関成分の強度の高い上位n個が抽出され、その上位n個のデータの相関成分の強度に基づいて、登録パターンと照合パターンとの照合が行われる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態に基づき詳細に説明する。
【0019】
〔実施の形態1:指紋照合装置(2次元パターンの照合)〕
図2はこの発明の一実施の形態を示す指紋照合装置のブロック構成図である。同図において10は操作部、20はコントロール部であり、操作部10にはテンキー10−1,ディスプレイ(LCD)10−2と共に指紋センサ10−3が設けられている。指紋センサ10−3は光源10−31,プリズム10−32,CCDカメラ10−33を備えてなる。コントロール部20は、CPUを有してなる制御部20−1と、ROM20−2と、RAM20−3と、ハードディスク(HD)20−4と、フレームメモリ(FM)20−5と、外部接続部(I/F)20−6と、フーリエ変換部(FFT)20−7とを備えてなり、ROM20−2には登録プログラムと照合プログラムが格納されている。
【0020】
〔指紋の登録〕
この指紋照合装置において利用者の指紋は次のようにして登録される。すなわち、運用する前に、利用者は、テンキー10−1を用いて自己に割り当てられたIDナンバを入力のうえ(図3に示すステップ301)、指紋センサ10−3のプリズム10−32上に指を置く。プリズム10−32には光源10−31から光が照射されており、プリズム10−32の面に接触しない指紋の凹部(谷線部)では、光源10−31からの光は全反射し、CCDカメラ10−33に至る。逆にプリズム10−32の面に接触する指紋の凸部(隆線部)では全反射条件がくずれ、光源10−31からの光は散乱する。これにより、指紋の谷線部は明るく、隆線部は暗い、コントラストのある指紋の紋様が採取される。この採取された指紋(登録指紋)の紋様は、A/D変換により、320×400画素,256階調の濃淡画像(画像データ:2次元パターンデータ)として、コントロール部20へ与えられる。
【0021】
制御部20−1は、この操作部10より与えられる登録指紋の画像データをフレームメモリ20−5を介して取り込み(ステップ302)、この取り込んだ登録指紋の画像データに対し縮小処理を行う(ステップ303)。この縮小処理は、320×400画素,256階調の原画像データに対し、そのx方向(横方向)については左右の端を32画素づつ除いて4画素ピッチで間引くことにより、そのy方向(縦方向)については上下の端を8画素づつ除いて3画素ピッチで間引くことにより行う。これにより、登録指紋の画像データが、64×128画素,256階調の画像データに縮小される(図5参照)。
【0022】
そして、制御部20−1は、この縮小した登録指紋の画像データ(図1(a)参照)をフーリエ変換部20−7へ送り、この登録指紋の画像データに2次元離散的フーリエ変換(DFT)を施す(ステップ304)。これにより、図1(a)に示された登録指紋の画像データは、同図(b)に示されるようなフーリエ画像データ(登録フーリエ画像データ)となる。制御部20−1は、このフーリエ画像データを登録指紋の原画像データとして、ハードディスク20−4内にIDナンバと対応させてファイル化する(ステップ305)。
【0023】
なお、2次元離散的フーリエ変換については、例えば「コンピュータ画像処理入門、日本工業技術センター編、総研出版(株)発行、P.44〜45(文献2)」等に説明されている。
【0024】
〔指紋の照合〕
この指紋照合装置において利用者の指紋の照合は次のようにして行われる。すなわち、運用中、利用者は、テンキー10−1を用いて自己に割り当てられたIDナンバを入力のうえ(図4に示すステップ401)、指紋センサ10−3のプリズム10−32上に指を置く。これにより、指紋の登録の場合と同様にして、採取された指紋(照合指紋)の紋様が、320×400画素,256階調の濃淡画像(画像データ:2次元パターンデータ)として、コントロール部20へ与えられる。
【0025】
制御部20−1は、テンキー10−1を介してIDナンバが与えられると、ハードディスク20−4内にファイル化されている登録指紋から、そのIDナンバに対応する登録指紋のフーリエ画像データを読み出す(ステップ402)。
また、制御部20−1は、操作部10より与えられる照合指紋の画像データをフレームメモリ20−5を介して取り込み(ステップ403)、この取り込んだ照合指紋の画像データに対してステップ303で行ったと同様の縮小処理を行う(ステップ404)。これにより、照合指紋の画像データが、64×128画素,256階調の画像データに縮小される。
【0026】
そして、制御部20−1は、この縮小した照合指紋の画像データ(図1(e)参照)をフーリエ変換部20−7へ送り、この照合指紋の画像データに2次元離散的フーリエ変換(DFT)を施す(ステップ405)。これにより、図1(e)に示された照合指紋の画像データは、同図(f)に示されるようなフーリエ画像データ(照合フーリエ画像データ)となる。
【0027】
次に、制御部20−1は、ステップ405で得た照合指紋のフーリエ画像データとステップ402で読み出した登録指紋のフーリエ画像データとを合成し(ステップ406)、合成フーリエ画像データを得る。
【0028】
ここで、合成フーリエ画像データは、照合指紋のフーリエ画像データをA・ejθとし、登録指紋のフーリエ画像データをB・ejφとした場合、A・B・ej(θ-φ) で表される。但し、A,B,θ,φとも周波数(フーリエ)空間(u,v)の関数とする。
【0029】
そして、A・B・ej(θ-φ)は、
A・B・ej(θ-φ)=A・B・cos(θ−φ)+j・A・B・sin(θ−φ) ・・・(1)
として表され、A・ejθ=α1 +jβ1 、B・ejφ=α2 +jβ2 とすると、A=(α1 2+β1 21/2,B=(α2 2+β2 21/2,θ=tan-1(β1 /α1 ),φ=tan-1(β2 /α2 )となる。この(1)式を計算することにより合成フーリエ画像データを得る。
【0030】
なお、A・B・ej(θ-φ)=A・B・ejθ・e-jφ=A・ejθ・B・e-jφ=(α1 +jβ1 )・(α2 −jβ2 )=(α1 ・α2 +β1 ・β2 )+j(α2 ・β1 −α1 ・β2 )として、合成フーリエ画像データを求めるようにしてもよい。
【0031】
そして、制御部20−1は、このようにして合成フーリエ画像データを得た後、振幅抑制処理を行う(ステップ407)。この実施の形態では、振幅抑制処理として、log処理を行う。すなわち、前述した合成フーリエ画像データの演算式であるA・B・ej(θ-φ)のlogをとり、log(A・B)・ej(θ-φ) とすることにより、振幅であるA・Bをlog(A・B)に抑制する(A・B>log(A・B))。
【0032】
図1(d)に振幅抑制処理後の合成フーリエ画像データを示す。振幅抑制処理を施した合成フーリエ画像データでは登録指紋の採取時と照合指紋の採取時の照度差による影響が小さくなる。すなわち、振幅抑制処理を行うことにより、各画素のスペクトラム強度が抑圧され、飛び抜けた値がなくなり、より多くの情報が有効となる。また、振幅抑制処理を行うことにより、指紋情報の内、個人情報である特徴点(端点,分岐点)や隆線の特徴(渦,分岐)がより強調され、一般的指紋情報である隆線全体の流れ・方向が抑えられる。
【0033】
なお、この実施の形態では、振幅抑制処理としてlog処理を行うものとしているが、振幅抑制で全ての振幅を1にすることにより、すなわち位相のみにすることにより、log処理や√処理等に比べ、計算量を減らすことができるという利点とデータが少なくなるという利点がある。
【0034】
ステップ407で振幅抑制処理を行った後、制御部20−1は、その振幅抑制処理を行った合成フーリエ画像データをフーリエ変換部20−7へ送り、第2回目の2次元離散的フーリエ変換(DFT)を施す(ステップ408)。これにより、図1(d)に示された合成フーリエ画像データは、同図(h)に示されるような合成フーリエ画像データとなる。
【0035】
そして、制御部20−1は、ステップ408で得られた合成フーリエ画像データを取り込み、この合成フーリエ画像データより所定の相関成分エリアの各画素の相関成分の強度(振幅)をスキャンし、各画素の相関成分の強度のヒストグラムを求め、このヒストグラムより相関成分の強度の高い上位n画素(この実施の形態では、8画素)を抽出し、この抽出したn画素の相関成分の強度(相関ピーク)の平均を相関値(スコア)として求める(ステップ409)。ここで、上記相関成分エリアは、図1(h)に示される合成フーリエ画像データに対し、白い点線で囲んだ領域S0として定められている。この相関成分エリアS0の一部における各画素の相関成分の強度の数値例を図6に示す。この図において、○で囲んだ値が、上位8画素の相関成分の強度である。
【0036】
そして、制御部20−1は、ステップ409で得た相関値を予め定められているしきい値と比較し(ステップ410)、相関値がしきい値以上であれば、登録指紋と照合指紋とが一致したと判断し(ステップ411)、その旨の表示を行うと共に電気錠用の出力を送出する。相関値がしきい値以下であれば、登録指紋と照合指紋とが一致しないと判断し(ステップ412)、その旨の表示を行ったうえ、ステップ401へ戻る。
【0037】
ここで、相関値と比較されるしきい値は、サンプルとして20〜50歳代の男女10人の人指し指の指紋を各10回入力して得た合計100指をそれぞれ登録と照合に用いて1万回の照合を行い、この照合結果から求めている。本人対本人、本人対他人、それぞれの相関値の相対度数分布図を図7に示す。X軸は本人対本人の組合せにおける相関値の平均値μと標準偏差σで表した相関度を示し、Y軸は相対度数を示している。他人排他率が100%となる所の相関値をしきい値として用いる。なお、他人排他率は100%でなくても良く、目的に合わせて任意の率に定めれば良い。
【0038】
図8に振幅抑制処理を行わなかった場合の本人対本人、本人対他人、それぞれの相関値の相対度数分布図を示す。この実施の形態では、ステップ407で振幅抑制処理を行っているので、合成フーリエ画像データにおける登録指紋の採取時と照合指紋の採取時の照度差による影響が小さくなり、また指紋情報の内、個人情報である特徴点(端点,分岐点)や隆線の特徴(渦,分岐)がより強調され、照合精度が格段にアップする。すなわち、図8では他人排他率100%のときの本人認識率が6.6%であるが、図7では他人排他率100%のときの本人認識率は93.1%となる。
【0039】
以上説明したように、この実施の形態による指紋照合装置によると、照合指紋の画像データに2次元離散的フーリエ変換が施されて照合フーリエ画像データが作成され、この照合フーリエ画像データと同様の処理を施して作成されている登録指紋の登録フーリエ画像データとが合成され、この合成フーリエ画像データに対して振幅抑制処理が行われたうえ2次元離散的フーリエ変換が施され、この2次元離散的フーリエ変換の施された合成フーリエ画像データに出現する相関成分エリアS0よりその相関成分の強度の高い上位n画素が抽出され、この抽出されたn画素の相関成分の強度の平均が相関値としてしきい値と比較され、登録指紋と照合指紋との照合が行われるものとなり、相関成分エリアS0を構成する画素中の相関成分の強度の低いものを除去して指紋照合が行われるため、また振幅抑制処理を行うことによって照度補正がなされるため、従来の光フーリエ変換を行う方法に比して、照合精度が飛躍的に向上するものとなる。
【0040】
また、入力される画像データに対して画像処理を加えるだけでよく、位相変調型液晶空間光変調器やフーリエ変換レンズを必要としないので、低価格化を促進することができる。また、画像処理技術によって相関成分エリアS0は自在に設定可能であり、相関成分エリアS0を広くして、照合指紋の位置ずれにも簡単に対応することができる。
【0041】
また、この実施の形態による指紋照合装置によれば、入力される画像データに対して2次元離散的フーリエ変換を施して相関値を求める方式であるので、同じ画像処理技術でも端点や分岐点などの特徴点を抽出する方式に比して、その処理が簡単となり、指紋照合スピードがアップする。
【0042】
また、この実施の形態によれば、照合指紋の画像データと登録指紋の画像データとが別個に2次元離散的フーリエ変換されるので、登録指紋の画像データが加工されて再生しにくく、すなわち登録指紋の画像データの復元が困難となり、悪用されることを未然に防止することが可能となる。
【0043】
なお、この実施の形態においては、相関成分エリアS0の各画素から相関成分の強度の高い上位n画素を抽出しその平均を相関値としたが、その上位n画素の相関成分の強度の加算値を相関値としてもよい
【0044】
また、この実施の形態では、2次元離散的フーリエ変換をフーリエ変換部20−7において行うものとしたが、CPU20−1内で行うものとしてもよい。また、この実施の形態では、登録指紋の画像データに対しステップ303で縮小処理を行うようにしたが、登録指紋のフーリエ画像データを読み出した後の段階(ステップ402と403との間)で縮小処理を行うようにしてもよい。また、登録指紋や照合指紋の画像データに対しては必ずしも縮小処理を行わなくてもよく、入力画像データをそのまま用いてフーリエ画像データを作成するようにしてもよい。縮小処理を行うようにすれば、その分、入力画像データの処理に際して用いる画像メモリの容量を少なくすることができる。
【0045】
また、この実施の形態では、図4に示したステップ408にて2次元離散的フーリエ変換を行うようにしたが、2次元離散的フーリエ変換ではなく2次元離散的逆フーリエ変換を行うようにしてもよい。すなわち、振幅抑制処理の施された合成フーリエ画像データに対して2次元離散的フーリエ変換を行うのに代えて、2次元離散的逆フーリエ変換を行うようにしてもよい。2次元離散的フーリエ変換と2次元離散的逆フーリエ変換とは、定量的にみて照合精度は変わらない。2次元離散的逆フーリエ変換については、先の文献2に説明されている。
【0046】
また、この実施の形態では、合成後のフーリエ画像データに対して振幅抑制処理を施して2次元離散的フーリエ変換を行うようにしたが(ステップ407,408)、合成前の登録指紋および照合指紋のフーリエ画像データにそれぞれ振幅抑制処理を行った後に合成するようにしてもよい。すなわち、図9(a)に示すように、図3のステップ304と305との間に振幅抑制処理を行うステップ306を設け、図9(b)に示すように、図4のステップ406と407とを入れ替えるようにしてもよい。
【0047】
このようにした場合、ステップ306の振幅抑制処理によって、図1(c)に示すような振幅抑制処理の施された登録指紋のフーリエ画像データ(登録フーリエ画像データ)が得られ、ステップ406と407との入れ替えによって、図1(g)に示すような振幅抑制処理の施された照合指紋のフーリエ画像データ(照合フーリエ画像データ)が得られる。そして、それぞれ振幅抑制処理の施された登録指紋および照合指紋のフーリエ画像データが合成され、図1(d)に示されるような合成フーリエ画像データが得られる。
【0048】
この時の合成フーリエ画像データの振幅の抑制率は、合成フーリエ画像データとしてから振幅抑制処理を行う場合(図4)に対して小さい。したがって、合成フーリエ画像データとしてから振幅抑制処理を行う(図4)方が、振幅抑制処理を行ってから合成フーリエ画像データとする方法(図9)に比べて、その照合精度がアップする。なお、振幅抑制処理を行ってから合成フーリエ画像データとする場合(図9)にも、合成フーリエ画像データに対して2次元離散的フーリエ変換ではなく、2次元離散的逆フーリエ変換を行うようにしてもよい。
【0049】
参考として図10に照合指紋が他人である場合の指紋照合過程の各画像を図1と対応して示す。図1は照合指紋が本人である場合の指紋照合過程の各画像であり、照合指紋が本人である場合には相関成分エリアS0に相関成分の強度の高い部分が生じるが、照合指紋が他人である場合には生じない。
【0050】
なお、この実施の形態では、指紋照合を行う場合を例として説明したが、声紋照合を行う場合にも同様にして適用することができ、指紋,声紋に拘らず画像データとして取り扱うことのできる各種の2次元パターンの照合に用いることができる。
【0051】
また、この実施の形態では、2次元パターンを画像として得るものとしたが、必ずしも画像として得るようにしなくてもよい。例えば、振動検出器を各場所に2次元的に配置し、この2次元的に配置された振動検出器により得られる2次元パターン(地震波)を照合パターンとし、予め登録されているパターンと照合するようにしてもよい。また、各部位に流量計測器を2次元的に配置し、この2次元的に配置された流量計測器により得られる2次元パターン(流量分布)を照合パターンとし、予め登録されているパターンと照合するようにしてもよい。
【0052】
〔実施の形態2:音声照合装置(1次元パターンの照合)〕
図12はこの発明の他の実施の形態を示す音声照合装置のブロック構成図である。同図において100は操作部、200はコントロール部であり、操作部100にはテンキー100−1,ディスプレイ(LCD)100−2と共にマイク100−3が設けられている。コントロール部200は、CPUを有してなる制御部200−1と、ROM200−2と、RAM200−3と、ハードディスク(HD)200−4と、A/D変換器200−5と、外部接続部(I/F)200−6と、フーリエ変換部(FFT)200−7とを備えてなり、ROM200−2には登録プログラムと照合プログラムが格納されている。
【0053】
〔音声の登録〕
この音声照合装置において利用者の音声は次のようにして登録される。すなわち、運用する前に、利用者は、テンキー10−1を用いて自己に割り当てられたIDナンバを入力のうえ(図13に示すステップ131)、マイク100−3を介して予め定められた言葉を発声する。この登録音声はマイク100−3によって電気信号の波形に変換され、音声信号データ(1次元パターンデータ)として、コントロール部200へ与えられる。
【0054】
制御部200−1は、この操作部100より与えられる登録音声の音声信号データをA/D変換器200−5を介して取り込む(ステップ132)。そして、制御部200−1は、この登録音声の音声信号データ(図11(a)参照)をフーリエ変換部200−7へ送り、この登録音声の音声信号データに1次元離散的フーリエ変換(DFT)を施す(ステップ133)。これにより、図11(a)に示された登録音声の音声信号データは、同図(b)に示されるようなフーリエ音声信号データ(登録フーリエ音声信号データ)となる。制御部200−1は、このフーリエ音声信号データを登録音声の原音声信号データとして、ハードディスク200−4内にIDナンバと対応させてファイル化する(ステップ134)。
【0055】
〔音声の照合〕
この音声照合装置において利用者の音声の照合は次のようにして行われる。すなわち、運用中、利用者は、テンキー100−1を用いて自己に割り当てられたIDナンバを入力のうえ(図14に示すステップ141)、マイク100−3を介して登録時と同じ言葉を発声する。この照合音声はマイク100−3によって電気信号の波形に変換され、登録音声の場合と同様、音声信号データ(1次元パターンデータ)として、コントロール部200へ与えられる。
【0056】
制御部200−1は、テンキー100−1を介してIDナンバが与えられると、ハードディスク200−4内にファイル化されている登録音声から、そのIDナンバに対応する登録音声のフーリエ音声信号データ(原音声信号データ)を読み出す(ステップ142)。
【0057】
また、制御部200−1は、操作部101より与えられる照合音声の音声信号データをA/D変換器200−5を介して取り込む(ステップ143)。そして、制御部200−1は、この照合音声の音声信号データ(図1(e)参照)をフーリエ変換部200−7へ送り、この照合音声の音声信号データに1次元離散的フーリエ変換(DFT)を施す(ステップ144)。これにより、図1(e)に示された照合音声の音声信号データは、同図(f)に示されるようなフーリエ音声信号データ(照合フーリエ音声信号データ)となる。
【0058】
次に、制御部200−1は、ステップ144で得た照合音声のフーリエ音声信号データとステップ142で読み出した登録音声のフーリエ音声信号データとを合成し(ステップ145)、合成フーリエ音声信号データを得る。
【0059】
ここで、合成フーリエ音声信号データは、照合音声のフーリエ音声信号データをA・ejθとし、登録音声のフーリエ音声信号データをB・ejφとした場合、A・B・ej(θ-φ) で表される。但し、A,B,θ,φとも周波数(フーリエ)空間(u,v)の関数とする。
【0060】
そして、A・B・ej(θ-φ)は、
A・B・ej(θ-φ)=A・B・cos(θ−φ)+j・A・B・sin(θ−φ) ・・・(1)
として表され、A・ejθ=α1 +jβ1 、B・ejφ=α2 +jβ2 とすると、A=(α1 2+β1 21/2,B=(α2 2+β2 21/2,θ=tan-1(β1 /α1 ),φ=tan-1(β2 /α2 )となる。この(1)式を計算することにより合成フーリエ音声信号データを得る。
【0061】
なお、A・B・ej(θ-φ)=A・B・ejθ・e-jφ=A・ejθ・B・e-jφ=(α1 +jβ1 )・(α2 −jβ2 )=(α1 ・α2 +β1 ・β2 )+j(α2 ・β1 −α1 ・β2 )として、合成フーリエ音声信号データを求めるようにしてもよい。
【0062】
そして、制御部200−1は、このようにして合成フーリエ音声信号データを得た後、振幅抑制処理を行う(ステップ146)。この実施の形態では、振幅抑制処理として、log処理を行う。すなわち、前述した合成フーリエ音声信号データの演算式であるA・B・ej(θ-φ)のlogをとり、log(A・B)・ej(θ-φ) とすることにより、振幅であるA・Bをlog(A・B)に抑制する(A・B>log(A・B))。
【0063】
図11(d)に振幅抑制処理後の合成フーリエ音声信号データを示す。振幅抑制処理を施した合成フーリエ音声信号データでは登録音声の入力時と照合音声の入力時の音声の強度差による影響が小さくなる。すなわち、振幅抑制処理を行うことにより、音声信号データを構成する個々のデータ(音素)のスペクトラム強度が抑圧され、飛び抜けた値がなくなり、より多くの情報が有効となる。また、振幅抑制処理を行うことにより、音声情報の内、個人認識に必要な情報である特徴的な部分がより強調され、共通にみられる音声情報が抑えられる。
【0064】
なお、この実施の形態では、振幅抑制処理としてlog処理を行うものとしているが、振幅抑制で全ての振幅を1にすることにより、すなわち位相のみにすることにより、log処理や√処理等に比べ、計算量を減らすことができるという利点とデータが少なくなるという利点がある。
【0065】
ステップ146で振幅抑制処理を行った後、制御部200−1は、その振幅抑制処理を行った合成フーリエ音声信号データをフーリエ変換部200−7へ送り、第2回目の1次元離散的フーリエ変換(DFT)を施す(ステップ147)。これにより、図11(d)に示された合成フーリエ音声信号データは、同図(h)に示されるような合成フーリエ音声信号データとなる。
【0066】
そして、制御部200−1は、ステップ147で得られた合成フーリエ音声信号データを取り込み、この合成フーリエ音声信号データより所定の相関成分エリアの各音素の相関成分の強度(振幅)をスキャンし、各音素の相関成分の強度のヒストグラムを求め、このヒストグラムより相関成分の強度の高い上位n音素(この実施の形態では、4音素)を抽出し、この抽出したn音素の相関成分の強度(相関ピーク)の平均を相関値(スコア)として求める(ステップ148)。
【0067】
ここで、上記相関成分エリアは、図11(h)に示される合成フーリエ音声信号データに対し、領域Saとして定められている。この相関成分エリアSaの一部における各音素の相関成分の強度の数値例を図15に示す。この図において、○で囲んだ値が、上位4音素の相関成分の強度である。
【0068】
そして、制御部200−1は、ステップ148で得た相関値を予め定められているしきい値と比較し(ステップ149)、相関値がしきい値以上であれば、登録音声と照合音声とが一致したと判断し(ステップ150)、その旨の表示を行うと共に電気錠用の出力を送出する。相関値がしきい値以下であれば、登録音声と照合音声とが一致しないと判断し(ステップ151)、その旨の表示を行ったうえ、ステップ141へ戻る。
【0069】
ここで、相関値と比較されるしきい値は、サンプルとして20〜50歳代の男女10人の同じ言葉の発声を各10回入力して得た合計100音声をそれぞれ登録と照合に用いて1万回の照合を行い、この照合結果から求めている。他人排他率が100%となる所の相関値をしきい値として用いる。なお、他人排他率は100%でなくても良く、目的に合わせて任意の率に定めれば良い。
【0070】
この実施の形態では、ステップ146で振幅抑制処理を行っているので、合成フーリエ音声信号データにおける登録音声の入力時と照合音声の入力時の音声の強度差による影響が小さくなり、また音声情報の内、個人認識に必要な情報である特徴的な部分がより強調され、照合精度が格段にアップする。
【0071】
以上説明したように、この実施の形態による音声照合装置によると、照合音声の音声信号データに1次元離散的フーリエ変換が施されて照合フーリエ音声信号データが作成され、この照合フーリエ音声信号データと同様の処理を施して作成されている登録音声の登録フーリエ音声信号データとが合成され、この合成フーリエ音声信号データに対して振幅抑制処理が行われたうえ1次元離散的フーリエ変換が施され、この1次元離散的フーリエ変換の施された合成フーリエ音声信号データに出現する相関成分エリアSaよりその相関成分の強度の高い上位n音素が抽出され、この抽出されたn音素の相関成分の強度の平均が相関値としてしきい値と比較され、登録音声と照合音声との照合が行われるものとなり、相関成分エリアSaを構成する音素中の相関成分の強度の低いものを除去して音声照合が行われるため、また振幅抑制処理を行うことによって音声の強度補正がなされるため、照合精度が飛躍的に向上するものとなる。
【0072】
また、入力される音声信号データに対して音声信号処理を加えるだけでよく、低価格化を促進することができる。また、音声信号処理技術によって相関成分エリアSaは自在に設定可能であり、相関成分エリアSaを広くして、照合音声の時間ずれにも簡単に対応することができる。また、この実施の形態による音声照合装置によれば、入力される音声信号データに対して1次元離散的フーリエ変換を施して相関値を求める方式であるので、同じ音声処理技術でも特徴的な部分を抽出する方式に比して、その処理が簡単となり、音声照合スピードがアップする。また、この実施の形態によれば、照合音声の音声信号データと登録音声の音声信号データとが別個に1次元離散的フーリエ変換されるので、登録音声の音声信号データが加工されて再生しにくく、すなわち登録音声の音声信号データの復元が困難となり、悪用されることを未然に防止することが可能となる。
【0073】
なお、この実施の形態においては、相関成分エリアSaの各音素から相関成分の強度の高い上位n音素を抽出しその平均を相関値としたが、その上位n音素の相関成分の強度の加算値を相関値としてもよい
【0074】
また、この実施の形態では、1次元離散的フーリエ変換をフーリエ変換部200−7において行うものとしたが、CPU200−1内で行うものとしてもよい。また、この実施の形態では、図14に示したステップ147にて1次元離散的フーリエ変換を行うようにしたが、1次元離散的フーリエ変換ではなく1次元離散的逆フーリエ変換を行うようにしてもよい。すなわち、振幅抑制処理の施された合成フーリエ音声信号データに対して1次元離散的フーリエ変換を行うのに代えて、1次元離散的逆フーリエ変換を行うようにしてもよい。1次元離散的フーリエ変換と1次元離散的逆フーリエ変換とは、定量的にみて照合精度は変わらない。
【0075】
また、この実施の形態では、合成後のフーリエ音声信号データに対して振幅抑制処理を施して1次元離散的フーリエ変換を行うようにしたが(ステップ146,147)、合成前の登録音声および照合音声のフーリエ音声信号データにそれぞれ振幅抑制処理を行った後に合成するようにしてもよい。すなわち、図16(a)に示すように、図13のステップ133と134との間に振幅抑制処理を行うステップ135を設け、図16(b)に示すように、図14のステップ145と146とを入れ替えるようにしてもよい。
【0076】
このようにした場合、ステップ135の振幅抑制処理によって、図11(c)に示すような振幅抑制処理の施された登録音声のフーリエ音声信号データ(登録フーリエ音声信号データ)が得られ、ステップ145と146との入れ替えによって、図11(g)に示すような振幅抑制処理の施された照合音声のフーリエ音声信号データ(照合フーリエ音声信号データ)が得られる。そして、それぞれ振幅抑制処理の施された登録音声および照合音声のフーリエ音声信号データが合成され、図11(d)に示されるような合成フーリエ音声信号データが得られる。
【0077】
この時の合成フーリエ音声信号データの振幅の抑制率は、合成フーリエ音声信号データとしてから振幅抑制処理を行う場合(図14)に対して小さい。したがって、合成フーリエ音声信号データとしてから振幅抑制処理を行う(図14)方が、振幅抑制処理を行ってから合成フーリエ音声信号データとする方法(図16)に比べて、その照合精度がアップする。なお、振幅抑制処理を行ってから合成フーリエ音声信号データとする場合(図16)にも、合成フーリエ音声信号データに対して2次元離散的フーリエ変換ではなく、2次元離散的逆フーリエ変換を行うようにしてもよい。
【0078】
参考として図17に照合音声が他人である場合の音声照合過程の各音声信号を図11と対応して示す。図11は照合音声が本人である場合の音声照合過程の各音声信号であり、照合音声が本人である場合には相関成分エリアSaに相関成分の強度の高い部分が生じるが、照合音声が他人である場合には生じない。
【0079】
なお、上述した実施の形態2では1次元パターンの照合について、前述した実施の形態2では2次元パターンの照合について説明したが、N次元のパターンの照合についても同様にして行うことが可能である。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように本発明によれば、N次元離散的フーリエ変換(N次元離散的逆フーリエ変換)の施された合成フーリエN次元パターンデータに出現する相関成分エリアのN次元パターンデータを構成する個々のデータから相関成分の強度の高い上位n個が抽出され、その上位n個のデータの相関成分の強度に基づいて登録パターンと照合パターンとの照合が行われるものとなり、また全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行うことによって照度補正や音声の強度補正等の補正が行われるものとなり、照合精度を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0081】
また、相関成分エリアは自在に設定可能であり、相関成分エリアを広くして、照合パターンのずれにも簡単に対応することが可能となる。すなわち、S/N比と照合パターンのずれの問題を両立させることができる。
また、照合パターンのN次元パターンデータと登録パターンのN次元パターンデータとが別個にN次元離散的フーリエ変換されるので、登録パターンのN次元パターンデータが加工されて再生しにくく、すなわち登録パターンのN次元パターンデータの復元が困難となり、悪用されることを未然に防止することが可能となる。
【0082】
特に、第1発明(第2発明)では、合成フーリエN次元パターンデータに対して全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行うものとしているので、全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行ってから合成フーリエN次元パターンデータを得る第3発明(第4発明)に対し、さらに照合精度をアップすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る指紋照合装置における指紋照合過程を説明する図である。
【図2】 この指紋照合装置のブロック構成図である。
【図3】 この指紋照合装置における指紋登録動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】 この指紋照合装置における指紋照合動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】 画像データに対する縮小処理を説明するための図である。
【図6】 相関成分エリアの一部における各画素の相関成分の強度の数値例を示す図である。
【図7】 実験結果から求められた本人対本人、本人対他人、それぞれの相関値の相対度数分布図である。
【図8】 振幅抑制処理を行わなかった場合の本人対本人、本人対他人、それぞれの相関値の相対度数分布図である。
【図9】 図2に示す指紋照合装置の指紋登録動作および指紋照合動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図10】 照合指紋が他人である場合の指紋照合過程の各画像を図1と対応して示す図である。
【図11】 本発明に係る音声照合装置における音声照合過程を説明する図である。
【図12】 この音声照合装置のブロック構成図である。
【図13】 この音声照合装置における音声登録動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】 この音声照合装置における音声照合動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】 相関成分エリアの一部における各音素の相関成分の強度の数値例を示す図である。
【図16】 図12に示す音声照合装置の音声登録動作および音声照合動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図17】 照合音声が他人である場合の音声照合過程の各音声信号を図11と対応して示す図である。
【図18】 従来の位相変調型液晶空間光変調器を用いた指紋認識システムの実験システムを示す図である。
【図19】 このシステムにおける指紋照合過程を説明するための図である。
【符号の説明】
10…操作部、20…コントロール部、10−1…テンキー、10−2…ディスプレイ(LCD)、10−3…指紋センサ、10−31…光源、10−32,プリズム、10−33…CCDカメラ、20−1…制御部、20−2…ROM、20−3…RAM、20−4…ハードディスク(HD)、20−5…フレームメモリ(FM)、20−6…外部接続部(I/F)、20−7…フーリエ変換部(FFT)、100…操作部、200…コントロール部、100−1…テンキー、100−2…ディスプレイ(LCD)、100−3…マイク、200−1…制御部、200−2…ROM、200−3…RAM、200−4…ハードディスク(HD)、200−5…A/D変換器、200−6…外部接続部(I/F)、200−7…フーリエ変換部(FFT)。

Claims (4)

  1. 登録パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換を施して登録フーリエN次元パターンデータを作成する登録フーリエパターンデータ作成手段と、
    照合パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換を施して照合フーリエN次元パターンデータを作成する照合フーリエパターンデータ作成手段と、
    前記登録フーリエN次元パターンデータと前記照合フーリエN次元パターンデータとを合成し、これによって得られる合成フーリエN次元パターンデータに対して全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行ったうえN次元離散的フーリエ変換を施すパターン処理手段と、
    このパターン処理手段によってN次元離散的フーリエ変換の施された合成フーリエN次元パターンデータに出現する相関成分エリアのN次元パターンデータを構成する個々のデータから相関成分の強度の高い上位n個を抽出し、その上位n個のデータの相関成分の強度に基づいて前記登録パターンと前記照合パターンとの照合を行うパターン照合手段と
    を備えたことを特徴とするパターン照合装置。
  2. 登録パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換を施して登録フーリエN次元パターンデータを作成する登録フーリエパターンデータ作成手段と、
    照合パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換を施して照合フーリエN次元パターンデータを作成する照合フーリエパターンデータ作成手段と、
    前記登録フーリエN次元パターンデータと前記照合フーリエN次元パターンデータとを合成し、これによって得られる合成フーリエN次元パターンデータに対して全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行ったうえN次元離散的逆フーリエ変換を施すパターン処理手段と、
    このパターン処理手段によってN次元離散的逆フーリエ変換の施された合成フーリエN次元パターンデータに出現する相関成分エリアのN次元パターンデータを構成する個々のデータから相関成分の強度の高い上位n個を抽出し、その上位n個のデータの相関成分の強度に基づいて前記登録パターンと前記照合パターンとの照合を行うパターン照合手段と
    を備えたことを特徴とするパターン照合装置。
  3. 登録パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換を施してから全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行うことにより登録フーリエN次元パターンデータを作成する登録フーリエパターンデータ作成手段と、
    照合パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換を施してから全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行うことにより照合フーリエN次元パターンデータを作成する照合フーリエパターンデータ作成手段と、
    前記登録フーリエN次元パターンデータと前記照合フーリエN次元パターンデータとを合成し、これによって得られる合成フーリエN次元パターンデータに対してN次元離散的フーリエ変換を施すパターン処理手段と、
    このパターン処理手段によってN次元離散的フーリエ変換の施された合成フーリエN次元パターンデータに出現する相関成分エリアのN次元パターンデータを構成する個々のデータから相関成分の強度の高い上位n個を抽出し、その上位n個のデータの相関成分の強度に基づいて前記登録パターンと前記照合パターンとの照合を行うパターン照合手段と
    を備えたことを特徴とするパターン照合装置。
  4. 登録パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換を施してから全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行うことにより登録フーリエN次元パターンデータを作成する登録フーリエパターンデータ作成手段と、
    照合パターンのN次元パターンデータにN次元離散的フーリエ変換を施してから全ての振幅を1とする振幅抑制処理を行うことにより照合フーリエN次元パターンデータを作成する照合フーリエパターンデータ作成手段と、
    前記登録フーリエN次元パターンデータと前記照合フーリエN次元パターンデータとを合成し、これによって得られる合成フーリエN次元パターンデータに対してN次元離散的逆フーリエ変換を施すパターン処理手段と、
    このパターン処理手段によってN次元離散的逆フーリエ変換の施された合成フーリエN次元パターンデータに出現する相関成分エリアのN次元パターンデータを構成する個々のデータから相関成分の強度の高い上位n個を抽出し、その上位n個のデータの相関成分の強度に基づいて前記登録パターンと前記照合パターンとの照合を行うパターン照合手段と
    を備えたことを特徴とするパターン照合装置。
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