JP3929782B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁基体の表面に配設された配線導体に無電解ニッケルめっき層等の無電解めっき層が被着されて成る配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、MPU等の半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージに用いられる配線基板として、例えばガラス−エポキシ樹脂等の電気絶縁材料から成る複数の絶縁層を積層して成る絶縁基体の各絶縁層間および表面に銅箔から成る配線導体を配設して成る配線基板が知られている。この配線基板においては、銅箔から成る配線導体が酸化腐食するのを防止するとともに配線導体と半導体素子や外部電気回路基板との電気的接続を良好かつ強固なものとする目的で配線導体の露出する表面にニッケルめっき層を下地として、その上に金めっき層が電解めっき法や無電解めっき法により被着されている。
【0003】
ところで、銅箔から成る配線導体の表面にニッケルめっき層を無電解めっき法により被着させる場合、配線導体の表面に触媒としてパラジウムを予め付着させ、このパラジウム触媒を核として配線導体の表面に無電解ニッケルめっき層を被着させる方法が採用されている。なお、配線導体の表面にパラジウム触媒を被着させるには、銅箔から成る配線導体が被着された配線基板をパラジウム活性液と呼ばれるパラジウム触媒を被着させるための溶液中に30〜90秒浸漬し、配線導体の表面にパラジウム触媒を選択的に付着させる方法が採用されている。そして、配線導体の表面にパラジウム触媒を付着させた後は、配線基板をシアン化カリウム等の水溶液中に浸漬してキレート処理し、しかる後、これを純水を用いて洗浄し配線基板の配線導体以外の表面に付着したパラジウム残渣を洗い流していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような配線基板においては、パラジウム触媒が付着した配線基板の表面をシアン化カリウム等の水溶液中に浸漬してキレート処理するために、配線導体の表面に付着したパラジウム触媒が脱落しない様に極めて置換力の高いパラジウム活性液を使用していることから、配線導体の表面にパラジウム触媒が過度に析出してしまい、その結果、無電解ニッケルめっき層を被着させた後にパラジウム触媒と配線導体とが両者の界面で剥離して、無電解ニッケルめっき層に膨れや剥がれが生じて配線導体が断線してしまうという問題点を有していた。
【0005】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、配線導体の表面にパラジウム触媒を過度に析出させることなく、無電解ニッケルめっき層を被着させた後に、パラジウム触媒と配線導体との界面で剥離を起こし無電解めっき層の剥離および膨れが発生することのない配線基板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板の製造方法は、絶縁基体の表面に配線導体が配設された配線基板を準備する工程と、配線基板を銅イオンを100〜400ppm、パラジウムを220〜260ppmの濃度で添加したパラジウム活性液中に浸漬して配線導体の表面にパラジウム触媒を付着させる工程と、配線基板をシアン化カリウム水溶液中に浸漬して絶縁基体の表面のパラジウム残渣を除去する工程と、配線基板を無電解ニッケルめっき液中に浸漬してパラジウム触媒が被着された配線導体の表面に無電解ニッケルめっき層を被着させる工程とを順次行なうことを特徴とするものである。
【0007】
本発明の配線基板の製造方法によれば、配線基板を銅イオンを100〜400ppmの濃度で添加したパラジウム活性液中に浸漬して配線導体の表面にパラジウム触媒を付着させることから、銅イオンがパラジウム触媒の活性度を低下させ、配線導体にパラジウム触媒が付着することを抑制して配線導体表面へのパラジウム触媒の過度の析出を防止することができる。その結果、配線導体に無電解めっき層をパラジウム触媒を介して強固に接続することが可能となり、無電解めっき層の剥離および膨れが発生することのない接続信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板の製造方法を、詳細に説明する。
まず、ガラス−エポキシ樹脂から成る絶縁基体の表面に銅箔から成る配線導体が被着形成されて成る配線基板を準備する。
【0009】
絶縁基体は、ガラス繊維を縦横に編んで形成されたガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させて板状としたもの、あるいはこれを複数積層して積層体としたものであり、その上面には銅箔が予め被着されている。そして、この銅箔を従来周知のフォトリソグラフィー技術を採用して所定のパターンにエッチングすることにより配線導体が形成される。
【0010】
次に、この配線基板を塩化アンモニウム系酢酸パラジウムを含有し、パラジウムの濃度が220〜260ppmのパラジウム活性液中に30〜90秒間浸漬して、配線導体の表面にパラジウム触媒を付着させる。これにより配線導体の表面に付着したパラジウム触媒が核となって配線導体の表面に、後述する無電解ニッケルめっき層等の無電解めっき層が析出可能となる。
【0011】
なお、パラジウム活性液はパラジウム濃度が220ppm未満では、配線導体の表面に均一な無電解めっき層を析出させるのに必要な量のパラジウム触媒を付着させることが困難となる傾向にあり、他方、260ppmを超えると、絶縁基体の表面に過剰なパラジウム触媒が付着して不要な無電解めっき層が被着されやすくなる傾向にある。従って、パラジウム活性液のパラジウム濃度は220〜260ppmの範囲が好ましい。
【0012】
また、配線基板をパラジウム活性液中に浸漬する時間が30秒未満では、配線導体の表面に均一な無電解めっき層を析出させるのに必要な量のパラジウム触媒を付着させることが困難となる傾向にあり、他方、90秒を超えると、絶縁基体の表面に過剰なパラジウム触媒が付着して不要な無電解めっき層が被着されやすくなる傾向にある。従って、配線基板をパラジウム活性液中に浸漬する時間は、30〜90秒間であることが好ましい。
【0013】
さらに、パラジウム活性液の温度が30℃未満では、配線導体の表面に均一な無電解めっき層を析出させるのに必要な量のパラジウム触媒を付着させることが困難となる傾向にあり、他方、34℃を超えると絶縁基体の表面に過剰なパラジウム触媒が付着して不要な無電解めっき層が被着されやすくなる傾向にある。従って、配線基板を浸漬するパラジウム活性液の温度は、30〜34℃の範囲であることが好ましい。
【0014】
なお、本発明においては、このパラジウム活性液に銅イオンを100〜400ppm添加することが重要である。
【0015】
本発明の配線基板の製造方法によれば、配線基板を銅イオンを100〜400ppmの濃度で添加したパラジウム活性液中に浸漬して配線導体の表面にパラジウム触媒を付着させることから、銅イオンがパラジウム触媒の活性度を低下させ、配線導体にパラジウム触媒が付着することを抑制して、配線導体表面へのパラジウム触媒の過度の析出を防止することができる。その結果、配線導体に無電解めっき層をパラジウム触媒を介して強固に接続することが可能となり、無電解めっき層の剥離および膨れが発生することのない接続信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0016】
なお、パラジウム活性液中の銅イオン濃度が100ppm未満の場合、パラジウム触媒の活性度が十分に低下せず、配線導体の表面にパラジウム触媒が過度に付着してパラジウム触媒と配線導体とが両者の界面で剥離し易くなる傾向があり、400ppmを超えると、パラジウム触媒の活性度が低下しすぎて、配線導体の表面に必要な量のパラジウム触媒を付着させることが困難となる傾向がある。従って、パラジウム活性液中の銅濃度を100〜400ppmとすることが好ましい。
【0017】
また、パラジウム活性液中に銅イオンを100〜400ppmの濃度で添加する方法は、パラジウム活性液を準備した処理槽に銅めっき処理を施したダミーの両面銅めっき処理板をいれ、そのダミーの両面銅めっき処理板表面の銅にパラジウム活性処理を3〜5分間施すことにより、パラジウム活性液中にダミーの両面銅めっき処理板表面の銅を銅イオンとして溶出させる方法が採用される。そして、この処理を繰り返しながら、パラジウム濃度が220〜260ppmで、銅イオン濃度が100〜400ppmの範囲になるようにパラジウム活性液を調整する。
【0018】
なお、配線導体の表面にパラジウム触媒を付着させる前に、配線基板を、例えば過硫酸アンモニア(濃度5〜10%)から成るソフトエッチング液中に浸漬して配線導体の表面から酸化皮膜を除去し、配線導体の表面が活性な金属銅となるようにソフトエッチングしておくことが好ましい。このようなソフトエッチングにより清浄なめっき下地が形成され、配線導体とパラジウム触媒との密着性を良好とすることができる。
【0019】
また、過硫酸アンモニアから成るソフトエッチング液は、その濃度が5%未満の場合、配線導体をソフトエッチングする際に、配線導体の表面に酸化皮膜が残留しやすくなる傾向にあり、他方、10%を超えると、オーバーエッチングとなり配線導体が所望のパターン寸法から逸脱しやすい傾向にある。従って、配線導体をソフトエッチングする場合、過硫酸アンモニアから成るソフトエッチング液の濃度を5〜10%の範囲とすることが好ましい。
【0020】
さらに、配線基板を過硫酸アンモニアから成るソフトエッチング液中に浸漬する時間が2分未満では、配線導体の表面に酸化皮膜が残留しやすくなる傾向にあり、他方、4分を超えると、オーバーエッチングとなり配線導体が所望のパターン寸法から逸脱しやすい傾向にある。従って、配線基板を過硫酸アンモニアから成るソフトエッチング液中に浸漬する時間は2〜4分間の範囲が好ましい。
【0021】
そして最後に、ソフトエッチングが終了した配線基板を純水で洗浄して、配線基板に付着したソフトエッチング液を除去する。なお、配線基板の純水での洗浄は、配線基板を複数の純水槽に順次浸漬したり、純水のシャワーで洗浄したりする方法が採用される。
【0022】
次に、パラジウム触媒が付着した配線基板を水洗して、付着したパラジウム活性液を除去する。なおこの場合、水洗するための純水槽中に周波数が20〜30KHzで出力が500〜700Wの超音波を印加しながら洗浄することが好ましい。そして、水洗の終わった配線基板を濃度が5〜15%のシアン化カリウム水溶液中に30〜60秒間浸漬して、絶縁基体の表面の微小な凹部内に入り込んだパラジウムの残渣を除去する。このとき、パラジウムはシアン化カリウム水溶液中に溶解しやすいので、絶縁基体の表面の微小な凹部に入り込んだパラジウムの残渣はシアン化カリウム溶液中に溶解して略完全に除去される。なお、配線導体の表面に付着したパラジウム触媒もその一部が除去されるが、絶縁基体の表面の微小な凹部に入り込んだパラジウムの残渣は極めて微量なので、これを除去するのに必要な時間だけ、配線基板をシアン化カリウム水溶液中に浸漬したとしても、配線導体の表面に付着したパラジウム触媒はその殆どが配線導体の表面に残ったままとなる。そして、このように、絶縁基体の表面の微小な凹部に入り込んだパラジウムの残渣が略完全に除去されるので、配線基板を無電解めっき液中に浸漬して配線導体の表面に無電解めっき層を被着させたとしても、絶縁基体の表面に不要な無電解めっき層が被着されることはない。
【0023】
なお、シアン化カリウム水溶液の濃度が5%未満の場合、絶縁基体表面の微小な凹部に入り込んだパラジウムの残渣を略完全に取り除くことが困難となる傾向にあり、他方、15%を超えると、配線導体の表面に付着されたパラジウム触媒が過剰に除去されてしまう危険性が大きくなる。従って、シアン化カリウム水溶液の濃度は、5〜15%の範囲が好ましい。
【0024】
また、配線基板をシアン化カリウム水溶液に浸漬する時間が30秒未満であると、絶縁基体の表面の微小な凹部に入り込んだパラジウムの残渣を十分に除去することが困難となる傾向にあり、他方、60秒を超えると、配線導体の表面に付着されたパラジウム触媒が過剰に除去されてしまう危険性が大きくなる。従って、シアン化カリウム水溶液への配線基板の浸漬時間は30〜60秒間の範囲が好ましい。
【0025】
また、シアン化カリウム水溶液の温度が15℃未満では、絶縁基体の表面の微小な凹部に入り込んだパラジウムの残渣を良好に除去することが困難となる傾向にあり、他方、40℃を超えると、絶縁基体の表面が侵されて変質し耐薬品性や耐熱性等が劣化する危険性が大きなものとなる。従って、シアン化カリウム水溶液の温度は15〜40℃の範囲が好ましい。
【0026】
次に、絶縁基体の表面の微小な凹部に入り込んだパラジウムの残渣が除去された配線基板を純水で洗浄して、配線基板の表面に付着したシアン化カリウム溶液を除去する。このとき、シアン化カリウム溶液の除去が不十分であると、無電解めっき液中にシアンが混入してしまい、このシアンによりめっきの反応性が損なわれる危険性が大きくなるので、配線基板を十分に洗浄することが重要である。
【0027】
このような洗浄は、例えば、大きさが100〜200リットルの純水槽に毎秒0.1〜0.2リットルの純水を供給しながらオーバーフローさせ、この純水槽に配線基板を0.5〜4分間浸漬することが好ましい。浸漬する時間が短すぎる場合、配線基板の表面に付着したシアン化カリウムを十分に除去することができなくなる危険性が大きく、他方、長すぎる場合には、配線基板の製造に長時間を要し、生産の効率が悪化する。
【0028】
次に、表面に付着したシアン化カリウムが除去された配線基板を、例えば無電解ニッケルめっき液中に浸漬して配線導体の表面に厚みが5〜15μmの無電解ニッケルめっき層を被着させる。このとき、配線導体の表面にはパラジウム触媒が適度に付着されているのでこの配線導体の表面にめっきと下地銅の界面に剥離や膨れの無い無電解ニッケルめっき層が良好に被着される。他方、絶縁基体の表面の微小な凹部内に入り込んだパラジウムの残渣は略完全に除去されているので、この絶縁基体の表面には不要な無電解ニッケルめっき層が被着されることはない。
【0029】
なお、無電解ニッケルめっき液としては、例えば次亜リン酸系の還元剤を用いたリン系無電解ニッケルめっき液(リン含有率7〜9%、温度80〜90℃)を用いればよく、この無電解めっき液中に配線基板を40〜70分間浸漬すれば、配線導体の表面に厚みが5〜15μmの無電解ニッケルめっき層が被着される。
【0030】
そして、最後にこの無電解ニッケルめっき層が配線導体の表面に被着された配線基板を純水で洗浄した後に、例えば無電解パラジウムめっき液中に浸漬して配線導体表面の無電解ニッケルめっき層上に厚みが0.2〜1.5μm程度の無電解パラジウムめっき層を被着させ、これを純水で洗浄した後に、さらに無電解金めっき液中に浸漬して無電解パラジウムめっき層上に厚みが0.4〜1.5μm程度の無電解金めっき層を被着させることにより配線基板が完成する。このとき、絶縁基体の表面の微小な凹所内に入り込んだパラジウム残渣は略完全に除去されているので、無電解パラジウムめっき層や無電解金めっき層は配線導体上のみに被着され、絶縁基体の表面には不要な無電解パラジウムめっき層や無電解金めっき層が被着されることはない。従って、本発明の配線基板の製造方法によれば、配線導体間に電気的な短絡や電気的絶縁不良のない配線基板を得ることができる。
【0031】
なお、無電解パラジウムめっき液としては、例えばパラジウム濃度2g/リットルで置換/還元タイプの無電解パラジウムめっき液を用いればよく、この無電解パラジウムめっき液中に20〜150分間浸漬すれば、配線導体の表面のニッケルめっき層上に厚みが0.2〜1.5μm程度の無電解パラジウムめっき層が被着される。
【0032】
また、無電解金めっき液としては、例えば金濃度2g/リットルで還元剤が亜硫酸から成る無電解金めっき液を用いればよく、この無電解金めっき液中に40〜150分間浸漬すれば、配線導体の表面のパラジウムめっき層上に厚みが0.4〜1.5μm程度の無電解金めっき層が被着される。
【0033】
かくして、本発明の配線基板の製造方法によれば、配線基板を銅イオンを100〜400ppmの濃度で添加したパラジウム活性液中に浸漬して配線導体の表面にパラジウム触媒を付着させたことから、配線導体上にパラジウム触媒を過剰に析出させることなく、無電解ニッケルめっき層を被着させた後に、パラジウム触媒と配線導体との界面が剥離を起こし、無電解ニッケルめっき層の剥離および膨れが発生することのない配線基板の製造方法となる。
【0034】
なお、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更は可能であり、例えば上述の実施例では、配線導体の表面に被着させる無電解ニッケルめっき層としてリン系の無電解ニッケルめっき層を用いたが、配線導体の表面に被着させる無電解ニッケルめっき層としては、ボロン系の無電解ニッケルめっき層を用いてもよい。さらに、上述の実施例では、無電解ニッケルめっき層の上に無電解パラジウムめっき層および無電解金めっき層を順次被着させたが、無電解ニッケルめっき層の上に無電解金めっき層のみを被着させてもよい。
【0035】
【実施例】
本発明の配線基板の接続信頼性を評価するために、以下に説明するような配線基板を作成し、配線基板の外観検査を行ない剥れや膨れの状態を評価した。
【0036】
先ず、絶縁基体の表面に配線導体が配設された配線基板を過硫酸アンモニア(濃度8%)から成るソフトエッチング液中に3分間浸漬し、配線導体の表面の酸化被膜を除去し、水洗の後、パラジウム濃度が240ppmで銅イオン濃度が表1に示すパラジウム活性液(32℃)に60秒間浸漬して、配線導体の表面にパラジウム触媒を付着させた。次に、超音波洗浄で配線基板を水洗した後、液温が30℃のシアン化カリウム水溶液中(濃度10%)に60秒間浸漬し、絶縁基体の表面の微小な凹部内に入込んだパラジウムの残査を除去した。さらに、水洗後、次亜リン系の還元剤を添加したリン系無電解ニッケルめっき液中(リン含有率8%,温度80℃)に浸漬して配線導体の表面に無電解ニッケル層を被着して配線基板を得た。得られた配線基板の外観検査を行ない、無電解ニッケル層の剥離や膨れの有無の結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
Figure 0003929782
【0038】
表1に記載したように、銅イオン濃度が低下するにつれて無電解ニッケル層の厚みが厚くなるが、銅イオン濃度が50ppm、80ppmの場合、パラジウム触媒が過度に析出し、その後パラジウム触媒の表面に被着させた無電解ニッケル層に膨れや剥がれが発生した。また、銅イオン濃度が440ppmを超えると、配線導体の表面にパラジウム触媒が析出せず、配線導体の表面に無電解ニッケルを被着させることができなかった。それに対して、本発明の請求範囲内である銅イオン濃度が100〜400ppmの範囲内では、配線導体の表面にパラジウム触媒が過度に析出することがなく、パラジウム触媒の表面に無電解ニッケルめっき層を被着させた後に、無電解ニッケルめっき層に剥離や膨れの発生は確認できなかった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の配線基板の製造方法によれば、配線基板を銅イオンを100〜400ppm、パラジウムを220〜260ppmの濃度で添加したパラジウム活性液中に浸漬して配線導体の表面にパラジウム触媒を付着させることから、銅イオンがパラジウム触媒の活性度を低下させ、配線導体にパラジウム触媒が付着することを抑制して、配線導体表面へのパラジウム触媒の過度の析出を防止することができる。その結果、配線導体に無電解ニッケルめっき層をパラジウム触媒を介して強固に接続することが可能となり、無電解ニッケルめっき層の剥離および膨れが発生することのない信頼性に優れた配線基板を提供することができる。

Claims (1)

  1. 絶縁基体の表面に配線導体が配設された配線基板を準備する工程と、前記配線基板を銅イオンを100〜400ppm、パラジウムを220〜260ppmの濃度で添加したパラジウム活性液中に浸漬して前記配線導体の表面にパラジウム触媒を付着させる工程と、前記配線基板をシアン化カリウム水溶液中に浸漬して前記絶縁基体の表面のパラジウム残渣を除去する工程と、前記配線基板を無電解ニッケルめっき液中に浸漬して前記パラジウム触媒が被着された配線導体の表面に無電解ニッケルめっき層を被着させる工程とを順次行なうことを特徴とする配線基板の製造方法。
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