JP3929580B2 - エレベータ群管理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数台のかごが設置されているエレベータの各かごの運行を全体的に制御するエレベータ群管理装置及び方法に係り、特にエレベータの交通流に関する情報を用いて、各かごの到着予測時間の期待値や乗り場呼びの発生確率を演算し、その結果に基づいて新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当てるエレベータ群管理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベータ群管理制御は、複数台のかごを備えたエレベータの各かごの効率的な運行を図ることにより、エレベータの設置された建造物全体のサービスを向上させることを目的としている。そのため、乗客が乗り場においてエレベータを呼ぶための乗り場呼びボタンが押された際に、エレベータの複数台のかごの中から、建造物全体のサービスの向上を考慮して、新たに発生した乗り場呼びに応答するかごを決定する呼びかご割当を行っている。この呼びかご割当の際、割当かごの違いによるサービスの評価を行うために、各エレベータがどのくらいの時間で各階に到着できるかを予測することが必要である。乗客がエレベータのかごに乗車後行き先を指定するために、かご内の行き先ボタンを押す操作をかご呼びと言うが、かごの到着予測時間の予測において、かご呼びの予測が可能であれば、その予測精度が大きく向上する。例えば、特開昭60−106774号公報開示の発明では、かご呼びの発生需要情報を蓄積し、そのデータに基づいて、未応答の乗り場呼びと新発生の乗り場呼びに派生して発生するかご呼びを予測し、かごの到着予測時間の演算に利用している。
また、乗客の移動の様子を表す交通流に関する情報の利用はエレベータ群管理において有効である。例えば、特開平7−309546号公報開示の発明では、ニューラルネットワークを用いて交通流を推定し、その推定結果を用いて、乗客の呼びとは関係なくエレベータの回送や待機を行う運転パターンの変更を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエレベータ群管理装置は以上のように構成されているので、特開昭60−106774号公報開示の発明では、かご呼びの予測において、過去の個別のかご呼び毎にデータを蓄積し、個別のかご呼び毎に予測を行っているが、かご呼びはエレベータ運行等の影響を受けて、同じ交通流が発生していても異なったパターンで発生する不安定なデータであり、その予測結果も不安定になる傾向にあるなどの課題があった。
【0004】
また、特開平7−309546号公報開示の発明では、ニューラルネットワークを用いて交通流の推定を行っているが、その結果を運転パターンの変更のみに使用しており、乗り場呼びに対するかごの割当には利用していないため、交通流の情報を完全に利用していないという課題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、交通流に基づいて、安定したかご呼びの発生確率を演算でき、かつ効率的なかごの割当ができ、交通流の変化に対応したエレベータの運行が可能となるエレベータ群管理装置を得ることを目的とする。
【0006】
また、この発明は、過去の実績を考慮してかご呼び及び乗り場呼びを予測する事ができ、より精度の高い交通流の変化に対応したかごの割当が可能となるエレベータ群管理装置を得ることを目的とする。
【0007】
さらに、この発明は、乗り場での混雑度を考慮してかご呼び及び乗り場呼びを予測する事が可能となり、より正確に交通流の変化に対応したかごの割当が可能となるエレベータ群管理装置を得ることを目的とする。
【0008】
さらに、この発明は、行き先階別に指定された乗り場呼び情報を考慮してかご呼びを予測する事が可能となり、より正確に交通流の変化へ対応したかごの割当が可能となるエレベータ群管理装置を得ることを目的とする。
【0009】
さらに、交通流の推定結果を利用して将来の乗り場呼びを考慮したかごの割当が可能になり、交通流の変化と将来のサービスに対応したエレベータ群の運行が可能となるエレベータ群管理装置を得ることを目的とする。
【0010】
さらに、この発明は、精度の高い交通流の推定を行うことのできるエレベータ群管理装置を得ることを目的とする。
【0013】
この発明に係るエレベータ群管理装置は、過去の所定時間内におけるかご呼びの累計値を演算するかご呼び演算部と、該かご呼び演算部によって演算された過去のかご呼びの累計値に基づいて、かご呼び発生確率演算部で演算されたかご呼び発生確率の予測値の補正を行うかご呼び発生確率補正部を更に備え、かご到着予測時間演算部が、該かご呼び発生確率補正部により補正されたかご呼び発生確率に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めるものである。
【0014】
この発明に係るエレベータ群管理装置は、各階のエレベータ乗り場の混雑度を測定する乗り場混雑度測定装置と、該乗り場混雑度測定装置の出力より各階のエレベータ乗り場の混雑度を検出する乗り場混雑度検出部と、該乗り場混雑度検出部によって検出された前記エレベータ乗り場の混雑度に基づいて、かご呼び発生確率演算部で演算されたかご呼び発生確率の補正を行う乗り場混雑度利用かご呼び発生確率補正部とを更に備え、かご到着予測時間演算部が、該乗り場混雑度利用かご呼び発生確率補正部により補正されたかご呼び発生確率に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めるものである。
【0015】
この発明に係るエレベータ群管理装置は、エレベータ乗り場において行き先階を指定してかごを呼ぶ行き先階別乗り場呼び装置と、該行き先階別乗り場呼び装置によって登録された行き先階の指定された乗り場呼びに基づいて、かご呼び発生確率演算部により演算されたかご呼び発生確率の補正を行う行き先階指定乗り場呼び利用かご呼び発生確率補正部とを更に備え、かご到着予測時間演算部が、該行き先階指定乗り場呼び利用かご呼び発生確率補正部により補正されたかご呼び発生確率に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めるものである。
【0017】
この発明に係るエレベータ群管理装置は、過去の所定時間内における乗り場呼びの累計値を演算する乗り場呼び演算部と、該乗り場呼び演算部によって演算された過去の乗り場呼びの累計値に基づいて、乗り場呼び発生確率演算部で演算された乗り場呼び発生確率の補正を行う乗り場呼び発生確率補正部とを更に備え、予測評価制御かご割当部が、かご到着予測時間演算部で演算されたかごの到着時間の期待値と、前記乗り場呼び発生確率補正部で補正された乗り場呼び発生確率とに基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当てるものである。
【0018】
この発明に係るエレベータ群管理装置は、各階のエレベータ乗り場の混雑度を測定する乗り場混雑度測定装置と、該乗り場混雑度測定装置の出力より各階のエレベータ乗り場の混雑度を検出する乗り場混雑度検出部と、該乗り場混雑度検出部によって検出された前記エレベータ乗り場の混雑度に基づいて、乗り場呼び発生確率演算部で演算された乗り場呼び発生確率の補正を行う乗り場混雑度利用乗り場呼び発生確率補正部とを更に備え、予測評価制御かご割当部が、かご到着予測時間演算部で演算されたかごの到着時間の期待値と、前記乗り場混雑度利用乗り場呼び発生確率補正部で補正された乗り場呼び発生確率とに基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当てるものである。
【0019】
この発明に係るエレベータ群管理装置は、交通流推定部が、エレベータの設置された建造物において発生する交通流パターンと、該交通流パターンから発生する各階の交通量との関係を表す交通流データマップを格納した交通流データベースと、交通量検出部で得られる各階の交通量からその時に発生している交通流に合致する交通流データマップを検索し、該交通流データマップに対応する交通流パターンを出力する交通流パターン検索部とを備えたものである。
【0020】
この発明に係るエレベータ群管理装置は、交通流パターン検索部が、ニューラルネットワークを用いて交通流データマップの検索を行うニューラルネットワーク利用交通流パターン検索部を備えたものである。
【0021】
この発明に係るエレベータ群管理装置は、交通流推定部が、エレベータの設置された建造物において発生する交通量の入力を受け、該交通量を発生させるようなOD情報の推定値を出力するOD推定部と、所定時間に発生する交通量の総和である交通総量を交通量から演算する交通総量演算部とを備えたものである。
【0022】
この発明に係るエレベータ群管理装置は、OD推定部が、ニューラルネットワークを用いたニューラルネットワーク利用OD推定部を備えたものである。
【0023】
この発明に係るエレベータ群管理装置は、交通流推定部が、エレベータの設置された建造物において発生する交通量の入力を受け、前記建造物の各階床間の乗客の移動量を行列表現した階間交通流行列を出力するニューラルネットワークを用いたニューラルネットワーク利用交通流推定部を備えたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図2及び図3は、この発明のエレベータ群管理装置及び方法のかご割当の動作原理を説明するための図である。このエレベータは2機のかごを有するものとする。図2及び図3おいて、白抜きの三角形は新規に発生した乗り場呼び、白抜きの逆三角形は予測される乗り場呼び、白抜きの円は予測されるかご呼び、斜線を施した三角形は応答するかごを既に割り当てた乗り場呼び、斜線を施した円はかごに登録済みのかご呼びを表す。また、両図の左側のかごを1号機、右側のかごを2号機とする。
【0026】
図2に示した例では、1号機はこの後6階,7階に停止することが確定しており、2号機は4階,12階に停止することが確定している。このような状態において、10階に新規の乗り場呼びが発生し、その呼びに対して割り当てるかごを決定するのが、エレベータ群管理における呼びかご割当機能である。この際、建造物の全階におけるサービス、つまり建造物全体としての待ち時間を小さくするように割当かごを決定する。そのため、各かごが各階へどのくらいの時間で到着できるかを表す到着予測時間の演算が重要になる。例えば、図2の例では、新規の10階の乗り場呼びにかごを割り当てる場合、1号機と2号機の10階への到着予測時間の演算が必要となる。距離だけを見ると、1号機の方が10階に近いが、1号機は10階までの停止回数が多いため、2号機の10階への到着予測時間の方が短くなる。しかし実際には、1号機の6階の乗り場呼びと2号機の4階での乗り場呼びに関して発生するかご呼びが10階以下に発生するか否かで到着予測時間は変わってくる。そこで、到着予測時間の演算にはかご呼びの予測が重要となる。
【0027】
このかご呼びの予測を行うために、まず、出発階と行き先階の関係を表すOD(Origin Destination)情報を用いて、乗客の出発階と到着階の間の人数比を求める。次に、この人数比に基づいて、ある階で発生した乗り場呼びに関連して発生するかご呼びの発生階の予測を行う。このようにして得られた、各乗り場呼びに対する到着予測時間を変数として含む評価関数を立てて、その評価関数が最小、あるいは最大となるように割当かごを選ぶ。また、OD情報を用いることにより、乗り場呼びの発生の予測を行うことも可能となる。この結果、予測された乗り場呼びに対する到着予測時間も考慮して評価関数を作成することにより、将来のサービスの予測値を考慮したかご割当が可能となる。
【0028】
例えば、図3に示した例について考えてみる。図3の例で、10階に発生した乗り場呼びに応答するために、1号機と2号機の10階への到着予測時間を考える。1号機も2号機も同じ階床数だけ途中停止するため、それぞれの停止にかかる時間が同じと仮定すると、新規発生した10階の乗り場呼びに対しては現在4階にいる1号機の方が、わずかではあるが、早く応答可能である。しかし、9階に乗り場呼びと1号機におけるかご呼びが発生すると予測されているので、10階で発生している乗り場呼びには2号機を割り当て、1号機は9階に予測される乗り場呼びに備えておくことにより、1機が9の乗り場呼びとかご呼びに同時に応答することが可能となり、建造物全体のサービスを向上させる可能性が高まる。
【0029】
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ群管理装置の構成を示すブロック図である。図において、11 〜1N はエレベータの乗客が乗る各かご(1号機〜N号機)に設けられた各かごの制御装置、2は各階のエレベータ乗り場に設けられた乗り場呼びの入出力を行う乗り場制御装置、3はこの実施の形態1のエレベータ群管理装置である。
【0030】
また、31は乗り場制御装置2や各かごの制御装置11 〜1N から、乗り場呼び、乗車/降車の人数、乗車中の人数、かご呼び、エレベータの走行状態、扉の状態などエレベータの状態を検出するエレベータ状態検出部、32はエレベータ状態検出部31で検出した乗り場呼びや乗車/降車の人数から、建造物内の各階で乗車する乗客数及び降車する乗客数を表す交通量を検出する交通量検出部、33は交通量検出部32で検出した交通量の特徴に基づいて、OD情報と交通量の情報を含むエレベータの交通流を推定する交通流推定部、34は交通流推定部33で推定された交通流中のOD情報を用いてエレベータの各かごについて各乗り場呼びごとに各階へのかご呼びの発生確率を演算するかご呼び発生確率演算部、35はかご呼び発生確率演算部34で演算されたかご呼び発生確率とエレベータの状態とから各かごの各階への到着予測時間の期待値を演算するかご到着予測時間演算部、36はかご到着予測時間演算部35で演算された各かごのかご到着予測時間の期待値から乗り場呼びへの割当かごを決定する予測評価制御かご割当部である。
【0031】
図4はエレベータ群管理装置3の交通流推定部33の具体的構成を示すブロック図である。図において、331は交通量検出部32から入力される入力交通量データで、各階毎の上昇方向及び下降方向に分けた方向別の乗車、降車人数などをその要素として含む。332はエレベータの設置された建造物において発生する交通流パターンと該交通流パターンから発生する各階の交通量との関係を表す交通流データマップを格納した交通流データベースである。交通流データベース332に格納される交通流パターンとは、単位時間当たりに発生する交通総量と、図5に示すような乗客の出発階と到着階の間の移動の割合を表すOD行列とを組み合わせたものである。この交通流データベース332は、エレベータを設置する建造物において発生する交通流パターンを考慮して予めシミュレーションによって作成しておく。333は交通流データベース332に格納された交通流データマップ中から、与えられた入力交通量データ331に合致する交通流データマップを検索し、それに対応する交通流パターンを出力する交通流パターン検索部、334は交通流データベース332に格納されている各交通流データマップのうち、エレベータが設置されている建造物で実際に発生している交通流に関する交通流データマップのみを検索するように交通流パターン検索部333を構築する交通流パターン検索部構築部であり、この交通流パターン検索部構築部334により交通流パターン検索部333の構築をエレベータ設置後も定期的に行うことによって、建造物の交通流の経時変化に対応することが可能になる。335は交通流パターン検索部333から出力される出力交通流パターンで、かご呼び発生確率演算部34に入力される。
【0032】
図6は交通流パターン検索部333の具体的構成を示すブロック図である。図において、3331はニューラルネットワークを用いて入力交通量データ331に合致する交通流パターンを検索するニューラルネットワーク利用交通流パターン検索部である。図7はニューラルネットワーク利用交通流パターン検索部3331に用いられるニューラルネットワークの具体的構成を示す図である。このニューラルネットワークの入力層の各ニューロンへの入力信号は入力交通量データ331の各要素、出力層の各ニューロンからの出力信号は各交通流パターンに対応する。このニューラルネットワークはその時に入力される入力交通量データ331に対応する交通流パターンを出力する出力層ニューロンのみが1を出力し、他の出力層ニューロンは0を出力するように学習する。
【0033】
交通流パターン検索部333が、図6に示すように、ニューラルネットワーク利用交通流パターン検索部3331によって構成されている場合、交通流パターン検索部構築部334はニューラルネットワーク利用交通流パターン検索部3331の学習のために、交通流データベース332に各交通流データマップとして格納されている交通量データと交通流パターンとをニューラルネットワークの入出力データの一例として、ニューラルネットワーク利用交通流パターン検索部3331に提示して学習を行わせる。
【0034】
次に動作について説明する。
エレベータ群管理装置3は、乗り場制御装置2及び各かごの制御装置11 ないし1N からそれぞれ乗り場呼び及びかご呼びの入力を受ける。また、エレベータ状態検出部31で、乗車/降車の人数、乗車中の人数、エレベータの走行状態、扉の状態などエレベータの状態を検出して交通量検出部32に入力する。交通量検出部32では、入力されたエレベータの走行状態を示すデータから、このエレベータの設置された建造物内に発生している交通量を検出して交通流推定部33に入力する。交通流推定部33では、入力された入力交通量データ331に基づいて、交通流パターン検索部333が、この入力交通量データ331に合致する交通流データマップを交通流データベース332から検索し、それに対応する出力交通流パターン335をかご呼び発生確率演算部34に出力する。この際、上述したように、交通流パターン検索部構築部334がニューラルネットワーク利用交通流パターン検索部3331に検索した交通流パターンの学習を行わせる。
【0035】
図8はエレベータ群管理装置3におけるかごの割当手順を示すフローチャートである。まず、この図8のフローチャートを参照しながら、かご割当手順の概略を全体的に説明する。かご呼び発生確率演算部34では入力された交通流パターンから建造物の各階に発生するかご呼び発生確率を乗り場呼びごとに演算して求め(ステップST1)、かご到着予測時間演算部35に出力する。かご到着予測時間演算部35では、かご呼び発生確率演算部34から入力されたかご呼び発生確率とエレベータ状態検出部31から入力されたエレベータ状態とから各かごの各階への到着予測時間の期待値を演算し(ステップST2)、予測評価制御かご割当部36に入力する。予測評価制御かご割当部36では、入力された到着予測時間の期待値に基づいて、まずかご割当評価値を演算し(ステップST3)、次にこの評価値に基づいて乗り場呼びに応答するかごを割当る(ステップST4)。
【0036】
次に図8のフローチャートに示したかご割当手順の各手順につき手順ごとに詳細に説明する。
まず、図8のステップST1のかご呼び発生確率の演算方法について述べる。このステップでは、交通流推定部33で推定された交通流パターンのOD情報を用いて、かご呼びの発生確率を演算する。M階の乗り場呼びに応答した結果乗車した客が発生させるN階へのかご呼びを行うかご呼び発生確率は、次の(1),(2)式で表される。
・乗り場呼びが上昇方向の場合。
【数1】
Figure 0003929580
・乗り場呼びが下降方向の場合。
【数2】
Figure 0003929580
ここで、CageCallP(m,n)はm階に発生した乗り場呼びに応答した結果発生するn階へのかご呼びの発生確率、OD(m,n)は、m階からn階への異動の乗客比率を表すOD行列のm行n列の要素、MaxFは最上階床、MinFは最下階床を表している。例えば、図5のようなOD行列が得られた場合、図2の例において、1号機の6階の乗り場呼びに応答した結果発生する11階のかご呼びの発生確率は次の(3)式のように得られる。
【数3】
Figure 0003929580
【0037】
図9は、かご呼び発生確率演算部34が前記(1),(2)式を用いてかご呼び発生確率を演算する手順を示すフローチャートである。以下、この図9のフローチャートを参照しながらかご呼び発生確率の演算手順を説明する。
【0038】
かご呼び発生確率演算部34は、まず登録済みの乗り場呼び階の中から階数mを設定し(ステップST11)、次にかご呼び階の階数nを最下階に設定する(ステップST12)。
【0039】
続いて、かご呼び発生確率演算部34は、m階で発生している乗り場呼びの方向を判定し(ステップST13)、乗り場呼びの方向が上昇方向の場合には(1)式に従って、下降方向の場合には(2)式に従って、かご呼び発生確率を演算する(ステップST14,ST15)。
【0040】
次に、階数nを1だけ増加させ(ステップST16)、増加させた階数nが最上階を示しているか否かを判定する(ステップST17)。階数nが最上階を示していない場合には、ステップST13に戻り、乗り場呼びの方向判断(ステップST13)とかご呼び発生確率の演算(ステップST14,ST15)を繰り返して、階数nを更に1だけ増加させる(ステップST16)。
【0041】
階数nが最上階を示している場合には、乗り場呼びの発生する全ての階の階数mについて、かご呼び発生確率を演算したかどうかを判定し(ステップST18)、演算していない階が残っている場合には、階数mを演算していない乗り場呼び階に設定して(ステップST19)、ステップST12に戻り、新たな乗り場呼び階に対して最下階から最上階までのかご呼び発生確率演算の手順を繰り返す。乗り場呼びの発生する全ての階の階数mについて演算が終了している場合には、かご呼び発生確率の演算を終了する。
【0042】
次に、かご到着予測時間演算部35の行う、各かごの各階への到着予測時間の期待値の演算方法について述べる。到着予測時間は、移動時間と停止時間の和からなる。この際、各かごが停止する階が重要となる。割り当て済みの乗り場呼び階と登録済みのかご呼び階については、どのかごが停車するかが確定しているが、割り当て前の乗り場呼びについては、割当かごを仮決定して到着予測時間を求め、未応答の乗り場呼びに対するかご呼びについては、かご呼び発生確率を用いて確率的な期待値を求める。
【0043】
まず、確定しているかご呼び及び乗り場呼びと、未応答の乗り場呼びに対してかごs号機を仮割当したときのp階にいるかごq号機がr階にupd方向(updは上昇又は下降)で到着するのにかかる到着予測時間の期待値ArrivalTime1(q,r,s,upd)は次の(4)式のように計算できる。
【数4】
Figure 0003929580
【0044】
ここで、StopF(q,r,s,upd,i)は下記のように、新規発生の乗り場呼びに対する仮割当かごがs号機であるときに、かごq号機がupd方向のr階に到着するまでに停止する階床を表す行列STOP_FLOOR(q,r,s,upd)の要素である。行列STOP_FLOOR(q,r,s,upd)は次の(5)式で表現される。
【数5】
Figure 0003929580
また、move(oF、dF)はoF階からdF階へかごが移動するためにかかる時間、StopTime(f)は、f階に停止している時間を表し、maxS(q,r,s,upd)は、新規発生の乗り場呼びに対する仮割当かごをs号機としたときのかごq号機がupd方向のr階に到着するまでの間の途中停止確定階床数である。
【0045】
次に、(1),(2)式によって得られたかご呼び発生確率の予測値を用いて、新規発生の乗り場呼びについて発生するかご呼びを考慮した到着予測時間の期待値ArrivalTime2(q,r,s,upd)は、例えば次の(6)式のように演算できる。
【数6】
Figure 0003929580
ここで、ArrivalTime2(q,r,s,upd)は、仮割当かごをs号機としたときに、p階にいるかごq号機がupd方向のr階に到着するのにかかる到着予測時間の期待値、HstopF(q,s,upd,i)は、新規発生の乗り場呼びに対する仮割当かごをs号機としたときのq号機のupd方向のi番目の乗り場呼び停止階、StopTimeP(f)は、f階にかご呼び停止した際の到着予測時間の増分の期待値を表す。
【0046】
図10は、かご到着予測時間演算部35が前記(4),(5),(6)式を用いてかご到着予測時間の期待値を演算する手順を示すフローチャートである。次に、この図10のフローチャートを参照しながらかご到着予測時間演算部35のかご到着予測時間の期待値演算手順を詳細に説明する。
【0047】
かご到着予測時間演算部35は、まず、仮割当かごs号機と演算対象かごq号機をそれぞれ1号機であると初期設定し(ステップST21,ST22)、行き先階の階数rを最下階に初期設定する(ステップST23)。
【0048】
次に、設定したかご番号q,s及び階数rについて、(4),(5),(6)式に従って、到着予測時間の期待値ArrivalTime2(q,r,s,upd)をupd=UPの場合(上昇方向での到着)について演算し(ステップST24)、さらに、upd=DOWNの場合(下降方向での到着)について演算する(ステップST25)。
【0049】
続いて、この到着予測時間の期待値ArrivalTime2(q,r,s,upd)の演算を全ての行き先階について行ったか否か調べ(ステップST26)、最上階まで行っていない場合には、行き先階の階数rを1だけ増加させ(ステップST27)、再度到着予測時間の期待値ArrivalTime2(q,r,s,upd)を演算する(ステップST24,ST25)。最上階まで演算済みの場合には、全てのかごについて到着予測時間の期待値ArrivalTime2(q,r,s,upd)の演算を行ったか否かを調べ(ステップST28)、全てのかごにつき演算していない場合には、かご番号qを1だけ増加させ(ステップST29)、再度全ての行き先階につき到着予測時間の期待値ArrivalTime2(q,r,s,upd)を演算する(ステップST23,ST24,ST25)。全てのかごにつき演算し終わっている場合には、全てのかごにつき仮割当を行ったか否かを判断する(ステップST30)。ここで、max_carは設置されているかごの台数である。全てのかごにつき仮割当を行っていない場合には、仮割当のかご番号sを1だけ増加させ(ステップST31)、再度全てのかごにつき、全ての行き先階に関して到着予測時間の期待値ArrivalTime2(q,r,s,upd)を演算する(ステップST22,ST23,ST24,ST25)。全てのかごにつき仮割当を終わっている場合には、到着予測時間の期待値の演算を終了する。以上のように、かご到着予測時間演算部35では、仮割当かごsを全てのかごに変更しながら、各かごqについて全階床に対して到着予測時間の期待値ArrivalTime2(q,r,s,upd)の演算を行う。
【0050】
次に、予測評価制御かご割当部36で行う、新規発生乗り場呼びへのかご割当方法の一例について述べる。ここでは、各乗り場呼びに対する待ち時間の和を最小化するように割当かごを決定する場合について述べる。図11はこの予測評価制御かご割当部36のかごの割当決定手順を示すフローチャートである。
【0051】
予測評価制御かご割当部36は、まず、仮割当かごのかご番号sを1として初期設定を行う(ステップST41)。次に、割り当て決定のための評価関数である割当評価値Hyouka(s)の演算を行う(ステップST42)。続いて、全てのかごにつき仮割当を行って割当評価値Hyouka(s)を演算したか否かを調べ(ステップST43)、全てのかごにつき演算が終了していない場合には、仮割当かごのかご番号sを1だけ増加させ(ステップST44)、再度割当評価値Hyouka(s)を演算する(ステップST42)。全てのかごにつき仮割当を行い、割当評価値Hyouka(s)の演算が終了している場合には、次の割当かごの決定ステップ(図8のフローチャートのステップST4)に進む。
【0052】
予測評価制御かご割当部36は、次に、割当評価値Hyouka(s)が最小となる仮割当かごxを検索し(ステップST45)、かごxを新規発生した乗り場呼びに対する仮割当かごとして決定して(ステップST46)かご割当手順を終了する。
【0053】
ここで、割当評価値Hyouka(s)の一例について述べる。たとえば、乗り場呼び発生階に対する全ての待ち時間を最小とするようにかごの割当を決めたい場合には、割当評価値Hyouka(s)を次の(7)式のように設定する。
【数7】
Figure 0003929580
ここで、HStopは乗り場呼びの集合であり、F(t)は乗り場呼びの発生階、UPD(t)は乗り場呼びtの方向、Q(t)は乗り場呼びtに既に割り当てられた、もしくは仮割当されたかごを表す。また、Wtは割当評価値Hyouka(s)を求める際の各乗り場呼びに対する優先度を決める荷重係数である。全ての仮割当かごsについて割当評価値Hyouka(s)を演算し、最小の割当評価値Hyouka(s)を決めることにより、建造物全体の待ち時間を最小化するようにかごの割り当てを行うことが可能となる。
【0054】
以上のように、この実施の形態1によれば、交通流の推定結果を利用して安定したかご発生確率の演算ができ、効率的なかごの割当が可能になり、交通流の変化に対応したエレベータの運行が可能となるという効果が得られる。
【0055】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2によるエレベータ群管理装置は、基本的構成は図1に示した実施の形態1の構成と同一であり、交通流推定部の構成のみが実施の形態1の交通流推定部33の構成と異なる。したがって、実施の形態2については、交通流推定部の構成及び動作についてのみ説明し、その他の構成部分については説明を加えない。
【0056】
図12は実施の形態2の交通流推定部の具体的構成を示すブロック図である。図において、入力交通量データ331は実施の形態1の入力交通量データ331と同一である。37は実施の形態2の交通流推定部、371は入力交通量データ331に基づいて所定時間内に発生する乗客の移動量の総量、すなわち交通総量を入力交通量データ331から演算する交通総量演算部、372は交通総量演算部371で演算された交通総量、373は交通量−OD行列データマップを格納した交通量−OD行列データベースであり、交通量−OD行列データマップはあるOD行列を決定したときにそのOD行列に対応して発生する各階の交通量とOD行列との関係をさまざまな交通総量について表したものである。交通量−OD行列データベース373は、エレベータを設置する建造物において発生する交通量を考慮して予めシミュレーションによって作成しておく。374は交通量−OD行列データベース373に格納された交通量−OD行列データマップ中から、与えられた入力交通量データ331を発生させるようなOD行列の推定値を求めて出力するOD推定部、375はOD推定部374から出力される出力OD行列で、かご呼び発生確率演算部34に入力される。376は交通量−OD行列データベース373に蓄積されている交通量データとOD行列との関係に従ってOD行列の推定を行うようにOD推定部374を構築するOD推定部構築部で、交通量−OD行列データベース373に格納されている各交通量−OD行列データマップのうち、エレベータが設置されている建造物で実際に発生しているOD行列に関する交通量−OD行列データマップの関係をOD推定部374の入出力データの一例としてOD推定部374に学習させる。OD推定部374の学習をOD推定部構築部376によりエレベータ設置後も定期的に行わせることによって、建造物の交通流の経時変化に対応することが可能になる。
【0057】
図13はOD推定部374の具体的構成を示すブロック図である。図において、3741はニューラルネットワークを用いて入力交通量データ331を発生させるOD行列の各要素の値を推定するニューラルネットワーク利用OD推定部である。図14はニューラルネットワーク利用OD推定部3741に用いられるニューラルネットワークの具体的構成を示す図である。このニューラルネットワークの入力層の各ニューロンへの入力信号は入力交通量データ331の各要素、出力層の各ニューロンからの出力信号はOD行列の各要素に対応する。このニューラルネットワークはその時に入力される入力交通量データ331を発生させるOD行列の各要素の値を出力層ニューロンから出力する。
【0058】
次に動作について説明する。
交通流推定部37は、交通量検出部32から入力交通量データ331の入力を受けると、交通総量演算部371で交通総量372を演算してかご呼び発生確率演算部34に出力するとともに、OD推定部374で、交通量−OD行列データベース373に格納された交通量−OD行列データマップ中から、入力交通量データ331を発生させるようなOD行列の推定値を求めて出力OD行列375としてかご呼び発生確率演算部34に出力する。この際、OD推定部構築部376はニューラルネットワーク利用OD推定部3741のニューラルネットワークにOD推定部374の入出力データを交通量−OD行列データマップの関係の一例として学習させる。
【0059】
以上のように、この実施の形態2によれば、交通量−OD行列データベース373を利用して精度の高い交通流の推定ができ、この精度の高い交通流の推定結果を利用したかごの割当が可能となって、交通流の変化に対応したエレベータの運行が可能となる効果が得られる。
【0060】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3によるエレベータ群管理装置は、基本的構成は図1に示した実施の形態1の構成と同一であり、交通流推定部の構成のみが実施の形態1の交通流推定部33の構成と異なる。したがって、実施の形態3については、交通流推定部の構成及び動作についてのみ説明し、その他の構成部分については説明を加えない。
【0061】
図15は実施の形態3の交通流推定部の具体的構成を示すブロック図である。図において、入力交通量データ331及び交通流データベース332はそれぞれ実施の形態1の入力交通量データ331及び交通流データベース332と同一である。38は実施の形態3の交通流推定部、381は交通流データベース332の交通流データマップの交通量データと交通流パターンとの関係に従って、入力交通量データ331に合致した階間交通流行列を推定して出力するニューラルネットワーク利用交通流推定部、382はニューラルネットワーク利用交通流推定部381から出力される階間交通流行列で、階間交通流行列382は各階床間を移動する乗客数を行列表現した一種のOD行列であり、その各要素が単なる各階間を移動する乗客数の比ではなく、乗客数そのものを表している。この階間交通流行列382はOD列と交通総量とから簡単に求めることが可能であり、逆に階間交通流行列382からOD行列と交通総量を求めることも可能である。383はニューラルネットワーク利用交通流推定部381が交通流データベース332に蓄積されている交通流データマップの関係に従って、階間交通流行列382の推定を行って、推定した階間交通流行列382を出力した事実を記憶するように、ニューラルネットワーク利用交通流推定部381に学習させる交通流推定部構築部である。
【0062】
図16はニューラルネットワーク利用交通流推定部381に用いられるニューラルネットワークの具体的構成を示す図である。このニューラルネットワークの入力層の各ニューロンの入力は入力交通量データ331の各要素に対応し、出力層の各ニューロンの出力は階間交通流行列382の各要素に対応する。
【0063】
次に動作について説明する。
交通流推定部38は、交通量検出部32から入力交通量データ331の入力を受けると、ニューラルネットワーク利用交通流推定部381で、交通流データベース332に格納された交通流データマップ中から、入力交通量データ331に合致した階間交通流行列382を推定してかご呼び発生確率演算部34に出力する。この際、交通流推定部構築部383は、交通流データベース332に蓄積されている各交通流データマップのうち、エレベータが設置されている建造物で実際に発生しているデータマップを選択し、このデータマップの交通流パターンから階間交通流行列382を作成して、ニューラルネットワーク利用交通流推定部381のニューラルネットワークの出力層の教師データとして与える。このニューラルネットワーク利用交通流推定部381の学習を建造物設置後も定期的に行うことによって、建造物の交通流の経時変化に対応することが可能になる。
【0064】
以上のように、この実施の形態3によれば、交通流推定部38が階間交通流行列382を推定して出力することによって、精度の高い交通流の推定結果を利用したかごの割当が可能になり、交通流の変化に対応したエレベータの運行が可能となるという効果が得られる。
【0065】
実施の形態4.
図17はこの発明の実施の形態4によるエレベータ群管理装置の構成を示すブロック図である。図1に示した実施の形態1の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0066】
図17において、3aはこの実施の形態4のエレベータ群管理装置、39は交通流推定部33により推定された交通流に基づいて、各階において発生する乗り場呼びの発生確率を演算する乗り場呼び発生確率演算部、35aは乗り場呼び発生確率演算部39により演算された乗り場呼び発生確率とかご呼び発生確率演算部34により演算されたかご呼び発生確率とエレベータの状態とに基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めるかご到着予測時間演算部、36aはかご到着予測時間演算部35aで演算されたかごの到着時間の期待値と、乗り場呼び発生確率演算部39で演算された乗り場呼び発生確率とに基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当てる予測評価制御かご割当部である。
【0067】
次に動作について説明する。
この実施の形態4の動作は、かごの割当手順を除くほか、交通量の検出及び交通流の推定並びにかご呼び発生確率の演算の各手順は実施の形態1から実施の形態3の各手順と同一であるのでその説明を省略する。
【0068】
図18はこの実施の形態4のかごの割当手順を示すフローチャートである。まず、この図18のフローチャートを参照しながら、かご割当手順の概略を全体的に説明する。ステップST51におけるかご呼び発生確率演算部34のかご呼び発生確率の演算演算手順は実施の形態1の演算手順と同一である。この実施の形態4においては、同時に、交通流推定部33で推定した交通流に基づいて乗り場呼び発生確率演算部39が各階において発生する乗り場呼びの発生確率を演算し(ステップST52)、かご到着予測時間演算部35a及び予測評価制御かご割当部36aに入力する。かご到着予測時間演算部35aでは、かご呼び発生確率演算部34から入力されたかご呼び発生確率と、乗り場呼び発生確率演算部39から入力された乗り場呼び発生確率と、エレベータ状態検出部31から入力されたエレベータ状態とから各かごの各階への到着予測時間の期待値を演算し(ステップST53)、予測評価制御かご割当部36aに入力する。予測評価制御かご割当部36aでは、入力された乗り場呼び発生確率と到着予測時間の期待値とに基づいて、まずかご割当評価値を演算し(ステップST54)、次にこの評価値に基づいて乗り場呼びに応答するかごを割り当てる(ステップST55)。
【0069】
次に図18のフローチャートに示したかご割当手順の各手順につき手順毎に詳細に説明する。
まず、図18のステップST52の乗り場呼び発生確率演算部39で行う乗り場呼び発生確率の演算方法について述べる。このステップでは、交通流推定部33で推定された交通流の情報のうち、OD情報を用いて、乗り場呼びの発生確率を演算する。
【0070】
x階に発生する乗り場呼びの発生確率は次の(8),(9)式によって求められる。
・上方向の乗り場呼び発生確率
【数8】
Figure 0003929580
・下方向の乗り場呼び発生確率
【数9】
Figure 0003929580
ここで、HallCallP(x、upd)はx階でupd方向に乗り場呼びが発生する確率であり、GetOnRate(i、upd)はi階でupd方向の乗り場呼び1つにかごが応答したときに乗車する人数の期待値である。
【0071】
図19は乗り場呼び発生確率演算部39が前記(8),(9)式を用いて乗り場呼び発生確率を演算する手順を示すフローチャートである。以下、この図19のフローチャートを用いて乗り場呼び発生確率の演算手順を説明する。
【0072】
乗り場呼び発生確率演算部39は、まず、乗り場呼び階の階数xを最下階に設定して乗り場呼び階の初期設定を行い(ステップST61)、次に(8)式に従ってx階における上方向の乗り場呼びの発生確率を演算し(ステップST62)、続いて(9)式に従ってx階における下方向の乗り場呼びの発生確率を演算する(ステップST63)。
【0073】
さらに、今回乗り場呼び発生確率を演算したx階が最上階であるかどうかを判断し(ステップST64)、最上階でない場合には、階数xの値を1だけ増加させて(ステップST65)増加させた階における上方向及び下方向の乗り場呼び発生確率を演算する(ステップST62,ST63)。X階が最上階であった場合には、乗り場呼び発生確率の演算を終了する。
【0074】
次に、かご到着予測時間演算部35aの行うかご到着予測時間の演算動作について説明する。
このかご到着予測時間の演算は、基本的には図10のフローチャートに示した実施の形態1のかご到着予測時間の演算動作と同一である。しかし、この実施の形態4においては、乗り場呼び発生確率演算部39により乗り場呼びの発生確率HallCallP(x,upd)が求められているので、(6)式の代わりに次の(10)式を用いて、新規発生の乗り場呼びについて派生するかご呼び、及び乗り場呼びを考慮した到着予測時間の期待値ArrivalTime2(q,r,s,upd)を求める。
【数10】
Figure 0003929580
(10)式中の各記号の意味は上述の各式につき説明したものと同一である。
【0075】
次に、予測評価制御かご割当部36aの行うかご割当評価値の演算(ステップST54)及び割当かごの決定(ステップST55)手順について説明する。これらの手順は基本的には図11に示した実施の形態1の割当かごの決定手順と同一であるが、割当評価値Hyouka(s)の演算式として、(7)式ではなく、次の(11)式を用いる。
【数11】
Figure 0003929580
ここで、Wpは評価値を求める際の予測した乗り場呼びに対する優先度を決める荷重係数であり、min(ArrivalTime2(i,j,s,upd))は、仮割当かごsの時に、j階にupd方向で最短で到着するかごiの到着予測時間を表す。全ての仮割当かごsについて割当評価値Hyouka(s)を演算し、最小の割当評価値Hyouka(s)を決めることにより、建造物全体の待ち時間を最小化するようにかごの割当を行うことが可能となる。
【0076】
以上のように、この実施の形態4によれば、交通流の推定結果を利用して将来の乗り場呼びを考慮したかごの割当が可能になり、交通流の変化と将来のサービスに対応したエレベータの運行が可能となるという効果が得られる。
【0077】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5によるエレベータ群管理装置は、過去の所定時間内における乗客移動発生の実績を用いて、かご呼び発生予測及び乗り場呼び発生予測の補正を行う。この実施の形態5は、例えばオフィス建造物における昼食時などのように、所定時間に所定数の交通が発生するような場合に有効である。例えば、交通流推定部が、各階から1階へ1時間当たり1000人が向かう昼食時型交通流パターンを12時から12時半までの時間に推定した場合を考える。この時に、例えばある階では、この時間帯のうち前半に多くの乗客が発生し、後半にはあまり乗客が発生しないような場合や日によって乗客が多く発生する時間が上記の時間帯の中で前後するような場合には、交通流パターンが細かく用意されていればよいが、あまり多くの交通流パターンを用意できない場合、平均化された交通流しか推定できない。この実施の形態5は、このような問題点を解決するために、過去の乗客移動量発生実績を見ながら、既に多くの乗客の移動量が発生した場合にはその後はあまり発生しないと予測し、まだあまり多くの乗客の移動量が発生していない場合にはその後多くの乗客の移動量が発生すると考え、平均化して推定されたOD行列から予測されたかご呼びや乗り場呼びの補正を行うものである。
【0078】
図20はこの実施の形態5によるエレベータ群管理装置の構成を示すブロック図である。図20において、図17に示した実施の形態4の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0079】
図20において、3bはこの実施の形態5のエレベータ群管理装置、40は各階に発生した乗り場呼びに関連したかご呼びの過去所定時間の累計値を行き先階毎に演算するかご呼び演算部、41はかご呼び演算部40によって得られた過去のかご呼びの累計値を用いて、かご呼び発生確率演算部34で得られたかご呼び発生確率の予測値の補正を行うかご呼び発生確率補正部、42は各階に発生した乗り場呼びの過去所定時間の累計値を演算する乗り場呼び演算部、43は乗り場呼び演算部42によって得られた過去の乗り場呼びの累計値を用いて、乗り場呼び発生確率演算部39で得られた乗り場呼び発生確率の補正を行う乗り場呼び発生確率補正部である。
【0080】
次に動作について説明する。
この実施の形態5の動作は、過去のかご呼び及び乗り場呼びの累計値に基づいてかご呼び発生確率及び乗り場呼び発生確率の予測値を補正する手順を除くほか、交通量の検出及び交通流の推定並びにかご呼び発生確率及び乗り場呼び発生確率の演算の各手順は実施の形態4の各手順と同一であるのでその説明を省略する。
【0081】
図21はこの実施の形態5のかごの割当手順を示すフローチャートであり、この図21のフローチャートを参照しながら、かご割当手順を説明する。
かご呼び発生確率演算部34は、実施の形態1,4と同様にして、かご呼び発生確率の予測値を演算してかご呼び発生確率補正部41に出力する(ステップST71)。
【0082】
同時に、かご呼び演算部40では、過去所定時間に発生したかご呼びの累積回数を関連する乗り場呼び及び行き先階毎に求めて、かご呼び発生確率補正部41に出力する(ステップST72)。累積する時間は、交通流推定部33で推定した交通流の継続している時間であり、交通流が変化した時点でリセットする。この値は次の(12)式のように得られる。
CageCallNum(oF,dF) ・・・(12)
ここで、CageCallNumはかご呼びの累積回数、oFはかご呼びが発生する直前に停止した乗り場呼び階、dFはかご呼び階である。
【0083】
かご呼び発生確率補正部41では、かご呼び発生確率演算部34から入力されるかご呼び発生確率の予測値とかご呼び演算部40から入力されるかご呼びの累積回数とを比較し、次の(13)式に従って、かご呼び発生確率の補正を行う(ステップST73)。
【数12】
Figure 0003929580
ここで、TotalNumCはOD行列から予測したかご呼びの比率と実際の比率が同じになると考えられる時までに発生するかご呼びの総数であり、HoseiCageCallP(m,n)は補正されたかご呼び発生確率である。
【0084】
また、交通流推定部33で推定した交通流に基づいて乗り場呼び発生確率演算部39が各階において発生する乗り場呼びの発生確率を演算し(ステップST74)、乗り場呼び発生確率補正部43に出力する。同時に、乗り場呼び演算部42では、過去の所定時間内に発生した乗り場呼びの累積回数を乗り場呼び階ごと、上下方向別に求め(ステップST75)、乗り場呼び発生確率補正部43に出力する。過去所定時間内の乗り場呼びの累積方法は、かご呼び累積回数と同様に、推定された交通流の継続している時間単位に累積し、交通流が変化した時点でリセットする。この乗り場呼びの累積回数は次の(14)式に従って得られる。
HallCallNum(oF,upd) ・・・(14)
ここで、HallCallNumは乗り場呼びの累積回数、oFは乗り場呼び発生階、updは乗り場呼びの方向である。
【0085】
次に、乗り場呼び発生確率補正部43では、乗り場呼び演算部42によって演算された過去の乗り場呼びの累計値と乗り場呼び発生確率演算部39で演算された乗り場呼び発生確率とを比較し、次の(15)式に従って、乗り場呼び発生確率の補正を行う(ステップST76)。
【数13】
Figure 0003929580
ここで、TotalNumHはOD行列から予測した乗り場呼びの比率と実際の比率が同じになると考えられる時までに発生する乗り場呼びの総数である。HoseiHallCallP(m,n)は補正された乗り場呼び発生確率である。
【0086】
かご到着予測時間演算部35aでは、かご呼び発生確率補正部41から入力された補正されたかご呼び発生確率と、乗り場呼び発生確率補正部43から入力された補正された乗り場呼び発生確率と、エレベータ状態検出部31から入力されたエレベータ状態とから各かごの各階への到着予測時間の期待値を演算し(ステップST77)、予測評価制御かご割当部36aに入力する。予測評価制御かご割当部36aでは、乗り場呼び発生確率補正部43から入力された補正された乗り場呼び発生確率と、かご到着予測時間演算部35aから入力された到着予測時間の期待値とに基づいて、まずかご割当評価値を演算し(ステップST78)、次にこの評価値に基づいて乗り場呼びに応答するかごを割り当てる(ステップST79)。ステップST77及びステップST78の演算動作は、これらの演算の基礎に用いるかご呼び発生確率CageCallP(m,n)及び乗り場呼び発生確率HallCallP(x,upd)の代わりに、補正されたかご呼び発生確率HoseiCageCallP(m,n)及び補正された乗り場呼び発生確率HoiseHallCallP(x,upd)をそれぞれ用いて演算するほかは、実施の形態4の各演算動作と同一である。
【0087】
以上のように、この実施の形態5によれば、補正されたかご呼び発生確率HoseiCageCallP(m,n)をかご呼び発生確率CageCallP(m,n)の代わりに、補正された乗り場呼び発生確率HoiseHallCallP(x,upd)を乗り場呼び発生確率HallCallP(x,upd)の代わりに用いて、(10)式及び(11)式を用いて到着予測時間の期待値ArrivalTime2(q,r,s,upd)及び割当評価値Hyouka(s)を求めることにより、過去の実績を考慮してかご呼び及び乗り場呼びを予測する事が可能となり、より細かい交通流の変化への対応したかごの割当が可能となるという効果が得られる。
【0088】
実施の形態6.
図22はこの発明の実施の形態6によるエレベータ群管理装置の構成を示すブロック図である。図22において、図17に示した実施の形態4の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0089】
図22において、3cはこの実施の形態6のエレベータ群管理装置、4はエレベータ群管理装置3cの設置された建物の各階のエレベータ乗り場の混雑度(エレベータ待ち客の多少)を測定する乗り場混雑度測定装置、44は乗り場混雑度測定装置4の出力から各階のエレベータ乗り場の混雑度を検出する乗り場混雑度検出部、45は乗り場混雑度検出部44によって検出されたエレベータ乗り場の混雑度に基づいて、かご呼び発生確率演算部34で演算されたかご呼び発生確率の補正を行う乗り場混雑度利用かご呼び発生確率補正部、46は乗り場混雑度検出部44によって検出されたエレベータ乗り場の混雑度に基づいて、乗り場呼び発生確率演算部39で演算された乗り場呼び発生確率の補正を行う乗り場混雑度利用乗り場呼び発生確率補正部である。
【0090】
次に動作について説明する。
この実施の形態6の動作は、乗り場混雑度検出部44によって検出されたエレベータ乗り場の混雑度に基づいて、かご呼び発生確率演算部34で演算されたかご呼び発生確率と、乗り場呼び発生確率演算部39で演算された乗り場呼び発生確率の補正を行う手順を除くほか、交通量の検出及び交通流の推定並びにかご呼び発生確率及び乗り場呼び発生確率の演算の各手順は実施の形態4の各手順と同一であるのでその説明を省略する。
【0091】
図23はこの実施の形態6のかごの割当手順を示すフローチャートであり、この図23のフローチャートを参照しながら、かご割当手順を説明する。
かご呼び発生確率演算部34は、実施の形態1,4,5と同様にして、かご呼び発生確率の予測値を演算して乗り場混雑度利用かご呼び発生確率補正部45に出力する(ステップST81)。
【0092】
また、乗り場呼び発生確率演算部39は、実施の形態4,5と同様にして、各階において発生する乗り場呼びの発生確率を演算し(ステップST82)、乗り場混雑度利用乗り場呼び発生確率補正部46に出力する。
【0093】
次に、乗り場混雑度測定装置4は、監視用テレビ画像情報等の情報を用いて、各階のエレベータ乗り場の乗客の人数に関する情報を得、エレベータ群管理装置3cの乗り場混雑度検出部44に出力する。乗り場混雑度検出部44では、各階ごとの乗り場混雑度データを作成して、乗り場混雑度利用かご呼び発生確率補正部45と乗り場混雑度利用乗り場呼び発生確率補正部46に出力する(ステップST83)。
【0094】
この乗り場混雑度データは次の(16)式のように与えられる。
HALL_JAM={HallJam(minF),HallJam(minF+1),e,HallJam(maxF)} ・・・(16)
ここで、HALL_JAMは乗り場混雑度データ、HallJam(f)は、f階における乗り場混雑度を示している。HallJam(f)は混雑の度合いに対して単調増加する値を取り、例えば、
HallJam(f)=f階での待ち客数 ・・・(17)
とすることができる。
【0095】
次に乗り場混雑度利用かご呼び発生確率補正部45では、乗り場混雑度検出部44から入力された各階ごとの乗り場混雑度データに基づいて、かご呼び発生確率演算部34から入力されたかご呼び発生確率を乗り場混雑度に応じて補正する(ステップST84)。つまり、ある乗り場呼びに対する乗り場混雑度が大きい場合には、その乗り場呼びに対して発生するかご呼びの数は1個よりも大きくなる可能性が高い。しかし上述の(1),(2)式においては一つの乗り場呼びに対して発生するかご呼びの個数は全て等しいと考えている。そこで、次の(18)式に基づいてかご呼び発生確率の補正を行う。
HoseiCageCallP(m,n)=HallJam(m)・CageCallP(m,n) ・・・(18)
ここで、HoiseiCageCallP(m,n)はm階の乗り場呼びに対して発生するn階へのかご呼びの補正後の発生確率である。
【0096】
次に乗り場混雑度利用乗り場呼び発生確率補正部46では、各階ごとの乗り場混雑度データに基づいて、乗り場呼び発生確率演算部39から入力された乗り場呼び発生確率を乗り場混雑度に応じて補正する(ステップST85)。以下、図24のフローチャートを参照しながら、上記補正手順を詳細に説明する。
【0097】
乗り場混雑度利用乗り場呼び発生確率補正部46では、まず、乗り場呼び発生確率の補正を行う階の階数xを最下階の値に設定して初期設定する(ステップST91)。
【0098】
次に、乗り場呼び発生確率の補正を行う階xの乗客の有無を、乗り場混雑度検出部44ら入力された乗り場混雑度に基づいて判定し(ステップST92)、乗客がいない場合には、ステップST98に進む。乗客がいる場合は、ステップST93に進み、乗り場混雑度の補正を行う階xの乗り場呼びの有無を判定する。乗り場呼びが発生していない場合には、ステップST94において、下記の(19),(20)式に従って乗り場呼び発生確率の補正を行い、ステップST98に進む。
【数14】
Figure 0003929580
HoseiHallCallP(i,upd)=(1−HoseiHallCallPara1)・HallCallP(i,upd) ・・・(20)
ここでの補正は、乗客が乗り場にいるにもかかわらず乗り場呼びが発生していないことから、近いうちにその階で発生することを予期して行う補正である。(19),(20)式において、HoseiHallCallPara1は、乗り場呼び補正を行う際のパラメータで、1より小さい正の値をとる。
【0099】
乗り場呼びが発生している場合には、ステップST95に進み、補正対象の階xが混雑しているかどうかを、乗り場混雑度から判定する。補正を行う階xが混雑していない場合にはステップST98に進み、混雑している場合には、ステップST96において補正を行う階xに割当られているかごが混雑しているかどうかを判定する。かごが混雑していない場合にはステップST98に進み、混雑している場合には、次の(20),(21)式に従って乗り場呼びの補正を行う。HoseiHallCallP(x,upd)=HoseiHallCallPara2・getonLeaveP(x,upd)・
HallCallP(x,upd) ・・・(21)
HoiseiHallCallP(i,upd)=−(1−HoseiHallCallPara2・(getonLeaveP(x,UP)・
HallCallP(x,UP)+getonLeaveP(x,DOWN・HallCallP(x,DOWN))))・HallCallP(i,upd) ・・・(22)
ここでの補正は、かご、乗り場ともに混雑している場合には積み残しが発生することを想定し、その後乗り場呼びが発生する確率が高くなることを想定して、乗り場呼び発生確率の補正を行うものである。この乗り場呼び発生確率の補正を行った後ステップST98に進む。(21),(22)式において、HoseiHallCallPara2は、乗り場呼び補正を行う際のパラメータで、1より小さい正の値をとる。getonLeaveP(x,UP)は積み残し発生確率で、例えば次の(23)式のように表される。
【数15】
Figure 0003929580
ここで、MaxRideNumはかご定員、carはx階でupd方向に割当られたかごの番号であり、RideNum(car)はかごcarに乗車している人数、JamParaはHallJam(x,upd)から乗り場での待ち人数を推定するためのパラメータである。
【0100】
ステップST98においては、全ての階について乗り場呼びの補正を行ったかどうかを判定し、補正が終わっていない場合には、ステップST99において、補正を行う階の階数xを1だけ増加させ、階数xの再設定を行い、ステップST92に戻って新たに設定した階の乗り場呼び補正を行う。全ての階について補正が終わっている場合には、補正プロセスを終了する。
【0101】
かご到着予測時間演算部35aでは、乗り場混雑度利用かご呼び発生確率補正部45から入力された補正されたかご呼び発生確率と、乗り場混雑度利用乗り場呼び発生確率補正部46から入力された補正された乗り場呼び発生確率と、エレベータ状態検出部31から入力されたエレベータ状態とから各かごの各階への到着予測時間の期待値を演算し(ステップST86)、予測評価制御かご割当部36aに入力する。予測評価制御かご割当部36aでは、乗り場混雑度利用乗り場呼び発生確率補正部46から入力された補正された乗り場呼び発生確率と、かご到着予測時間演算部35aから入力された到着予測時間の期待値とに基づいて、まずかご割当評価値を演算し(ステップST87)、次にこの評価値に基づいて乗り場呼びに応答するかごを割り当てる(ステップST88)。ステップST86及びステップST87の演算動作は、これらの演算の基礎に用いるかご呼び発生確率CageCallP(m,n)及び乗り場呼び発生確率HallCallP(x,upd)の代わりに、補正されたかご呼び発生確率HoseiCageCallP(m,n)及び補正された乗り場呼び発生確率HoiseHallCallP(x,upd)をそれぞれ用いて演算するほかは、実施の形態4の各演算動作と同一である。
【0102】
以上のように、この実施の形態6によれば、乗り場混雑度に応じて補正されたかご呼び発生確率HoseiCageCallP(m,n)をかご呼び発生確率CageCallP(m,n)の代わりに、乗り場混雑度に応じて補正された乗り場呼び発生確率HoiseHallCallP(x,upd)を乗り場呼び発生確率HallCallP(x,upd)の代わりに用いて、到着予測時間の期待値ArrivalTime2(q,r,s,upd)及び割当評価値Hyouka(s)を求めることにより、乗り場混雑度を考慮してかご呼び及び乗り場呼びを予測する事が可能となり、より精度の高いかごの割当が可能となるという効果が得られる。
【0103】
実施の形態7.
この発明の実施の形態7は行き先階別乗り場呼び装置のあるエレベータを管理するエレベータ群管理装置に関するものである。
図25はこの実施の形態7によるエレベータ群管理装置の構成を示すブロック図である。図25において、図17に示した実施の形態4の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0104】
図25において、2aは各階のエレベータ乗り場に設けられた乗り場呼びの入出力を行う乗り場制御装置で、21は乗り場制御装置2aに設けられた行き先階を指定してかごを呼ぶ行き先階別乗り場呼び装置、3dはこの実施の形態7のエレベータ群管理装置、47は行き先階別乗り場呼び装置21によって登録された行き先階の指定された乗り場呼びに基づいて、かご呼び発生確率演算部34により演算されたかご呼び発生確率の補正を行う行き先階指定乗り場呼び利用かご呼び発生確率補正部である。
【0105】
行き先階別乗り場呼び装置21は乗客が乗り場でかごを呼ぶ際に、通常の上下階方向別ではなく、行き先階別に乗り場呼びのボタンが用意されている装置である。
この行き先階別乗り場呼び装置21を利用することにより、乗客の行き先階がエレベータに乗車する前から分かることになる。なお、行き先階別乗り場呼び装置21は全乗り場階に設置する必要はない。
【0106】
次に動作について説明する。
この実施の形態7の動作は、行き先階別乗り場呼び装置21から入力される乗り場呼び情報に基づいて、かご呼び発生確率演算部34で演算されたかご呼び発生確率の補正を行う手順を除くほか、交通量の検出及び交通流の推定並びにかご呼び発生確率及び乗り場呼び発生確率の演算の各手順は実施の形態4の各手順と同一であるのでその説明を省略する。
【0107】
図26はこの実施の形態7のかごの割当手順を示すフローチャートであり、この図26のフローチャートを参照しながら、かご割当手順を説明する。
かご呼び発生確率演算部34は、実施の形態1,4,5,6と同様にして、かご呼び発生確率の予測値を演算して行き先階指定乗り場呼び利用かご呼び発生確率補正部47に出力する(ステップST101)。
【0108】
また、乗り場呼び発生確率演算部39は、実施の形態4,5,6と同様にして、各階において発生する乗り場呼びの発生確率を演算し(ステップST102)、かご到着予測時間演算部35a及び予測評価制御かご割当部36aに出力する。
【0109】
行き先階指定乗り場呼び利用かご呼び発生確率補正部47の行うかご呼び発生確率の補正は、行き先階別乗り場呼び装置21から入力された乗り場呼び情報を用いてかご呼びの補正を行うものである。行き先階別乗り場呼び装置21の出力する乗り場呼び情報は次の(24)式で与えられる。
HallDemand(m)={HallDemand(m,1),HallDemand(m,2)^ ・・・(24)
ここで、HallDemand(m)は乗り場呼び階mで発生した行き先階別の乗り場呼びの集合であり、HallDemand(m,1)はその1番目の要素で、行き先階を表している。
【0110】
図27は、行き先階指定乗り場呼び利用かご呼び発生確率補正部47がステップST103で行うかご呼び発生確率の補正手順を詳細に示すフローチャートである。以下、この図27のフローチャートを参照しながら、行き先階指定乗り場呼び利用かご呼び発生確率補正部47のかご呼び発生確率の補正動作を説明する。
【0111】
行き先階指定乗り場呼び利用かご呼び発生確率補正部47は、まず、乗り場呼び階の階数mを最下階の値に設定して初期設定を行う(ステップST111)。次に、設定した乗り場呼び階mに行き先階別乗り場予備装置21が設置されているかどうかを判定し(ステップST112)、設置されていない場合にはステップST114おいてかご呼び発生確率の補正を行わず(補正されたかご呼び発生確率HoseiCageCallP(m,n)を補正していないかご呼び発生確率CageCallP(m,n)と等しくする)、ステップST120に進む。行き先階別乗り場予備装置21が設置されている場合には、行き先階の階数nを最下階の値に設定して初期化を行い(ステップST113)、ステップST115に進む。
【0112】
ステップST115においては、n階への行き先階別乗り場呼びが存在するかどうか、つまりHallDemand(m,i)=nとなるiが存在するかどうかを判定し、存在する場合には、m階からn階への補正されたかご呼び発生確率HoseiHallCallP(m,n)を1とする(ステップST116)。存在しない場合には、m階からn階への補正されたかご呼び発生確率HoseiHallCallP(m,n)を0とする(ステップST117)。
【0113】
次に、全ての行き先階の階数nについて補正を行ったかどうかを判定し(ステップST118)、補正が終わっていない場合には、階数nの値を1だけ増加させて補正を行う行き先階の再設定を行い(ステップST119)、ステップST115に戻って再度補正されたかご呼び確率HoseiCageCallP(m,n)の値を設定する。全ての行き先階について補正が終わっている場合には、ステップST120に進む。
【0114】
ステップST120においては、全ての乗り場呼び階mについて補正を行ったかどうかを判定し、補正が終わっていない場合には、補正を行う乗り場呼び階の階数mを1だけ増加させ、乗り場呼び階mの再設定を行う(ステップST121。)そして、新たに設定された補正を行う乗り場呼び階についていき先指定階ごとに補正されたかご呼び確率HoseiCageCallP(m,n)の値を求める。全ての乗り場呼び階mについて補正が終わっている場合には、かご呼び発生確率の補正動作を終了する。
【0115】
かご到着予測時間演算部35aでは、行き先階指定乗り場呼び利用かご呼び発生確率補正部47から入力された補正されたかご呼び発生確率と、乗り場呼び発生確率演算部39から入力された乗り場呼び発生確率と、エレベータ状態検出部31から入力されたエレベータ状態とから各かごの各階への到着予測時間の期待値を演算し(ステップST104)、予測評価制御かご割当部36aに入力する。予測評価制御かご割当部36aでは、乗り場呼び発生確率演算部39から入力された乗り場呼び発生確率と、かご到着予測時間演算部35aから入力された到着予測時間の期待値とに基づいて、まずかご割当評価値を演算し(ステップST105)、次にこの評価値に基づいて乗り場呼びに応答するかごを割り当てる(ステップST106)。ステップST104及びステップST105の演算動作は、これらの演算の基礎に用いるかご呼び発生確率CageCallP(m,n)の代わりに、補正されたかご呼び発生確率HoseiCageCallP(m,n)を用いて演算するほかは、実施の形態4の各演算動作と同一である。
【0116】
以上のように、この実施の形態7によれば、行き先階別乗り場呼び装置21により指定されたかご呼びに応じて補正されたかご呼び発生確率HoseiCageCallP(m,n)をかご呼び発生確率CageCallP(m,n)の代わりに用いて、到着予測時間の期待値ArrivalTime2(q,r,s,upd)及び割当評価値Hyouka(s)を求めることにより、行き先階別乗り場呼び装置21により指定されたかご呼びを考慮してかごの割当を行うことが可能となり、より精度の高いかごの割当が可能となるという効果が得られる。
【0117】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、検出した交通量に基づいて交通流を推定し、推定した交通流に基づいてかご呼びの発生確率を演算し、演算により求めたかご呼び発生確率から各階への各かごの到着時間の期待値を求め、この各かごの到着時間の期待値の基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当てるように構成したので、安定したかご呼びの発生確率を演算でき、かつ既に発生している乗り場呼びに対するサービスと、新たに発生した乗り場呼びに対するサービスを考慮して、新たに発生した乗り場呼びにサービスを行うことにより効率的なかごの割当ができ、交通流の変化に対応したエレベータの運行が可能となる効果がある。
【0118】
また、この発明によれば、過去の所定時間内におけるかご呼び及び乗り場呼びの各累計値のいずれか一方又は双方を演算して、演算された過去の累計値に基づいて、それぞれ対応するかご呼び発生確率及び乗り場呼び発生確率の各予測値の補正を行い、補正された予測値に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めるように構成したので、過去の実績を考慮した上で、交通流に応じたより最適なエレベータサービスの提供が可能となる効果がある。
【0119】
さらに、この発明によれば、各階のエレベータ乗り場の混雑度を測定し、測定したエレベータ乗り場の混雑度に基づいて、かご呼び発生確率及び乗り場呼び発生確率のいずれか一方又は双方の補正を行い、補正された発生確率に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めるように構成したので、乗り場での混雑度を考慮した上で、交通流に応じたより最適なエレベータサービスの提供が可能となる効果がある。
【0120】
さらに、この発明によれば、エレベータ乗り場において行き先階を指定してかごを呼ぶ行き先階別乗り場呼び装置を備えたエレベータにおいて、この行き先階別乗り場呼び装置によって登録された行き先階の指定された乗り場呼びに基づいて、かご呼び発生確率の補正を行い、補正されたかご呼び発生確率に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めるように構成したので、乗客発生と同時に得られる行き先階情報を考慮した上で、交通流に応じたより最適なエレベータサービスの提供が可能となる効果がある。
【0121】
さらに、この発明によれば、交通流推定部により推定された交通流に基づいて、各階において発生する乗り場呼びの発生確率を演算し、かごの到着時間の期待値と乗り場呼び発生確率とに基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当てるように構成したので、将来の乗り場呼びを考慮したかごの割当が可能になり、交通流の変化と将来のサービスに対応したエレベータの運行が可能となる効果がある。
【0122】
さらに、この発明によれば、エレベータの設置された建造物において発生する交通流パターンと、該交通流パターンから発生する各階の交通量との関係を表す交通流データマップを格納し、検出した各階の交通量からその時に発生している交通流に合致する交通流データマップを検索し、該交通流データマップに対応する交通流パターンを出力することによって交通流パターンを検索するように構成したので、精度の高い交通流の推定を行うことができる効果がある。
【0123】
さらに、この発明によれば、交通流パターン検索部をニューラルネットワークを用いて構成したので、学習により交通流パターン検索の精度と効率を高くすることができるという効果がある。
【0124】
さらに、この発明によれば、エレベータの設置された建造物において発生する交通量を発生させるようなOD情報を推定し、かつ、交通量から交通総量を演算して交通流を推定するように構成したので、精度の高い交通流の推定ができ、この精度の高い交通流の推定結果を利用したかごの割当が可能となって、交通流の変化に対応したエレベータの運行が可能となる効果がある。
【0125】
さらに、この発明によれば、ニューラルネットワークを用いたOD推定部を用いるように構成したので、OD情報の推定値を学習することが出来、より実際的なエレベータの運行管理が可能となる効果がある。
【0126】
さらに、この発明によれば、エレベータの設置された建造物において発生する交通量に基づいて、階間交通流行列を出力するニューラルネットワークを用いて交通流を推定するように構成したので、精度の高い交通流の推定結果を利用したかごの割当が可能になり、交通流の変化に対応したエレベータの運行が可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるエレベータ群管理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1によるエレベータ群管理装置の原理的考え方を説明するための図である。
【図3】 実施の形態1によるエレベータ群管理装置の原理的考え方を説明するための図である。
【図4】 実施の形態1の交通流推定部の具体的構成を示すブロック図である。
【図5】 実施の形態1で用いるOD行列の一例を示す図である。
【図6】 図4に示した交通流推定部の交通流パターン検索部の具体的構成を示すブロック図である。
【図7】 図6に示した交通流パターに検索部に用いられるニューラルネットワークの具体的構成を示す図である。
【図8】 実施の形態1のエレベータ群管理装置におけるかごの割当手順を示すフローチャートである。
【図9】 図1に示したエレベータ群管理装置のかご呼び発生確率演算部がかご呼び発生確率を演算する手順を示すフローチャートである。
【図10】 図1に示したエレベータ群管理装置のかご到着予測時間演算部がかご到着予測時間の期待値を演算する手順を示すフローチャートである。
【図11】 図1に示したエレベータ群管理装置の予測評価制御かご割当部のかごの割当決定手順を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態2によるエレベータ群管理装置の交通流推定部の具体的構成を示すブロック図である。
【図13】 図12に示した交通流推定部のOD推定部の具体的構成を示すブロック図である。
【図14】 図13に示したOD推定部に用いられるニューラルネットワークの具体的構成を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態3によるエレベータ群管理装置の交通流推定部の具体的構成を示すブロック図である。
【図16】 図15に示した交通流推定部のニューラルネットワーク利用交通流推定部に用いられるニューラルネットワークの具体的構成を示す図である。
【図17】 この発明の実施の形態4によるエレベータ群管理装置の構成を示すブロック図である。
【図18】 実施の形態4のエレベータ群管理装置のかごの割当手順を示すフローチャートである。
【図19】 実施の形態4のエレベータ群管理装置の乗り場呼び発生確率演算部が乗り場呼び発生確率を演算する手順を示すフローチャートである。
【図20】 この発明の実施の形態5によるエレベータ群管理装置の構成を示すブロック図である。
【図21】 実施の形態5のエレベータ群管理装置のかごの割当手順を示すフローチャートである。
【図22】 この発明の実施の形態6によるエレベータ群管理装置の構成を示すブロック図である。
【図23】 実施の形態6のエレベータ群管理装置のかごの割当手順を示すフローチャートである。
【図24】 実施の形態6の乗り場混雑度利用乗り場呼び発生確率補正部の行う乗り場呼び発生確率の補正手順を示すフローチャートである。
【図25】 この発明の実施の形態7によるエレベータ群管理装置の構成を示すブロック図である。
【図26】 実施の形態7のかごの割当手順を示すフローチャートである。
【図27】 実施の形態7の行き先階指定乗り場呼び利用かご呼び発生確率補正部がかご呼び発生確率の補正手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3,3a,3b,3c,3d エレベータ群管理装置、4 乗り場混雑度測定装置、21 行き先階別乗り場呼び装置、32 交通量検出部、33,37,38 交通流推定部、34 かご呼び発生確率演算部、35,35a かご到着予測時間演算部、36,36a 予測評価制御かご割当部、39 乗り場呼び発生確率演算部、40 かご呼び演算部、41 かご呼び発生確率補正部、42 乗り場呼び演算部、43 乗り場呼び発生確率補正部、44 乗り場混雑度検出部、45 乗り場混雑度利用かご呼び発生確率補正部、46 乗り場混雑度利用乗り場呼び発生確率補正部、47 行き先階指定乗り場呼び利用かご呼び発生確率補正部、332 交通流データベース、333 交通流パターン検索部、371交通総量演算部、374 OD推定部、381 ニューラルネットワーク利用交通流推定部、3331 ニューラルネットワーク利用交通流パターン検索部、3741 ニューラルネットワーク利用OD推定部。

Claims (10)

  1. 複数台のかごが設置されているエレベータの各かごの運行を全体的に制御するエレベータ群管理装置において、
    各階で乗車する乗客数及び降車する乗客数を表す交通量を検出する交通量検出部と、
    交通量検出部により検出された交通量の特徴に基づいて、出発階と行き先階の関係を表す情報と交通量の情報を含む前記エレベータの交通流を推定する交通流推定部と、
    該交通流推定部により推定された交通流に基づいて、前記エレベータの各かごについて各乗り場呼びに対して発生する各階へのかご呼びの発生確率を演算するかご呼び発生確率演算部と、
    少なくともかご呼び発生確率に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めるかご到着予測時間演算部と、
    少なくとも、該かご到着予測時間演算部で演算された各かごの到着時間の期待値に基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当てる予測評価制御かご割当部と、
    過去の所定時間内におけるかご呼びの累計値を演算するかご呼び演算部と、
    該かご呼び演算部によって演算された過去のかご呼びの累計値に基づいて、かご呼び発生確率演算部で演算されたかご呼び発生確率の予測値の補正を行うかご呼び発生確率補正部とを備え、
    前記かご到着予測時間演算部が、前記かご呼び発生確率補正部により補正されたかご呼び発生確率に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めることを特徴とするエレベータ群管理装置。
  2. 複数台のかごが設置されているエレベータの各かごの運行を全体的に制御するエレベータ群管理装置において、
    各階で乗車する乗客数及び降車する乗客数を表す交通量を検出する交通量検出部と、
    交通量検出部により検出された交通量の特徴に基づいて、出発階と行き先階の関係を表す情報と交通量の情報を含む前記エレベータの交通流を推定する交通流推定部と、
    該交通流推定部により推定された交通流に基づいて、前記エレベータの各かごについて各乗り場呼びに対して発生する各階へのかご呼びの発生確率を演算するかご呼び発生確率演算部と、
    少なくともかご呼び発生確率に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めるかご到着予測時間演算部と、
    少なくとも、該かご到着予測時間演算部で演算された各かごの到着時間の期待値に基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当てる予測評価制御かご割当部と、
    各階のエレベータ乗り場の混雑度を測定する乗り場混雑度測定装置と、
    該乗り場混雑度測定装置の出力より各階のエレベータ乗り場の混雑度を検出する乗り場混雑度検出部と、
    該乗り場混雑度検出部によって検出された前記エレベータ乗り場の混雑度に基づいて、かご呼び発生確率演算部で演算されたかご呼び発生確率の補正を行う乗り場混雑度利用かご呼び発生確率補正部とを備え、
    前記かご到着予測時間演算部が、前記乗り場混雑度利用かご呼び発生確率補正部により補正されたかご呼び発生確率に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めることを特徴とするエレベータ群管理装置。
  3. 複数台のかごが設置されているエレベータの各かごの運行を全体的に制御するエレベータ群管理装置において、
    各階で乗車する乗客数及び降車する乗客数を表す交通量を検出する交通量検出部と、
    交通量検出部により検出された交通量の特徴に基づいて、出発階と行き先階の関係を表す情報と交通量の情報を含む前記エレベータの交通流を推定する交通流推定部と、
    該交通流推定部により推定された交通流に基づいて、前記エレベータの各かごについて各乗り場呼びに対して発生する各階へのかご呼びの発生確率を演算するかご呼び発生確率演算部と、
    少なくともかご呼び発生確率に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めるかご到着予測時間演算部と、
    少なくとも、該かご到着予測時間演算部で演算された各かごの到着時間の期待値に基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当てる予測評価制御かご割当部と、
    エレベータ乗り場において行き先階を指定してかごを呼ぶ行き先階別乗り場呼び装置と、
    該行き先階別乗り場呼び装置によって登録された行き先階の指定された乗り場呼びに基づいて、かご呼び発生確率演算部により演算されたかご呼び発生確率の補正を行う行き先階指定乗り場呼び利用かご呼び発生確率補正部とを備え、
    前記かご到着予測時間演算部が、前記行き先階指定乗り場呼び利用かご呼び発生確率補正部により補正されたかご呼び発生確率に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めることを特徴とするエレベータ群管理装置。
  4. 複数台のかごが設置されているエレベータの各かごの運行を全体的に制御するエレベータ群管理装置において、
    各階で乗車する乗客数及び降車する乗客数を表す交通量を検出する交通量検出部と、
    交通量検出部により検出された交通量の特徴に基づいて、出発階と行き先階の関係を表す情報と交通量の情報を含む前記エレベータの交通流を推定する交通流推定部と、
    該交通流推定部により推定された交通流に基づいて、前記エレベータの各かごについて各乗り場呼びに対して発生する各階へのかご呼びの発生確率を演算するかご呼び発生確率演算部と、
    少なくともかご呼び発生確率に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めるかご到着予測時間演算部と、
    少なくとも、該かご到着予測時間演算部で演算された各かごの到着時間の期待値に基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当てる予測評価制御かご割当部と、
    交通流推定部により推定された交通流に基づいて、各階において発生する乗り場呼びの発生確率を演算する乗り場呼び発生確率演算部と、
    過去の所定時間内における乗り場呼びの累計値を演算する乗り場呼び演算部と、
    該乗り場呼び演算部によって演算された過去の乗り場呼びの累計値に基づいて、前記乗り場呼び発生確率演算部で演算された乗り場呼び発生確率の補正を行う乗り場呼び発生確率補正部とを備え、
    予測評価制御かご割当部が、かご到着予測時間演算部で演算されたかごの到着時間の期待値と乗り場呼び発生確率とに基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当て、
    予測評価制御かご割当部が、かご到着予測時間演算部で演算されたかごの到着時間の期待値と前記乗り場呼び発生確率補正部で補正された乗り場呼び発生確率とに基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当てることを特徴とするエレベータ群管理装置。
  5. 複数台のかごが設置されているエレベータの各かごの運行を全体的に制御するエレベータ群管理装置において、
    各階で乗車する乗客数及び降車する乗客数を表す交通量を検出する交通量検出部と、
    交通量検出部により検出された交通量の特徴に基づいて、出発階と行き先階の関係を表す情報と交通量の情報を含む前記エレベータの交通流を推定する交通流推定部と、
    該交通流推定部により推定された交通流に基づいて、前記エレベータの各かごについて各乗り場呼びに対して発生する各階へのかご呼びの発生確率を演算するかご呼び発生確率演算部と、
    少なくともかご呼び発生確率に基づいて、各階への各かごの到着時間の期待値を求めるかご到着予測時間演算部と、
    少なくとも、該かご到着予測時間演算部で演算された各かごの到着時間の期待値に基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当てる予測評価制御かご割当部と、
    交通流推定部により推定された交通流に基づいて、各階において発生する乗り場呼びの発生確率を演算する乗り場呼び発生確率演算部と、
    各階のエレベータ乗り場の混雑度を測定する乗り場混雑度測定装置と、
    該乗り場混雑度測定装置の出力より各階のエレベータ乗り場の混雑度を検出する乗り場混雑度検出部と、
    該乗り場混雑度検出部によって検出された前記エレベータ乗り場の混雑度に基づいて、乗り場呼び発生確率演算部で演算された乗り場呼び発生確率の補正を行う乗り場混雑度利用乗り場呼び発生確率補正部とを備え、
    予測評価制御かご割当部が、かご到着予測時間演算部で演算されたかごの到着時間の期待値と、乗り場呼び発生確率とに基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当て、
    予測評価制御かご割当部が、かご到着予測時間演算部で演算されたかごの到着時間の期待値と、前記乗り場混雑度利用乗り場呼び発生確率補正部で補正された乗り場呼び発生確率とに基づいて、新たに発生した乗り場呼びにかごを割り当てることを特徴とするエレベータ群管理装置。
  6. 交通流推定部は、
    エレベータの設置された建造物において発生する交通流パターンと、該交通流パターンから発生する各階の交通量との関係を表す交通流データマップを格納した交通流データベースと、
    交通量検出部で得られる各階の交通量からその時に発生している交通流に合致する交通流データマップを検索し、該交通流データマップに対応する交通流パターンを出力する交通流パターン検索部とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のエレベータ群管理装置。
  7. 交通流パターン検索部は、
    ニューラルネットワークを用いて交通流データマップの検索を行うニューラルネットワーク利用交通流パターン検索部を備えたことを特徴とする請求項6記載のエレベータ群管理装置。
  8. 交通流推定部は、
    エレベータの設置された建造物において発生する交通量の入力を受け、該交通量を発生させるような出発階と行き先階の関係を表す情報の推定値を出力するOD推定部と、
    所定時間に発生する交通量の総和である交通総量を交通量から演算する交通総量演算部とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のエレベータ群管理装置。
  9. OD推定部は、
    ニューラルネットワークを用いたニューラルネットワーク利用OD推定部を備えたことを特徴とする請求項8記載のエレベータ群管理装置。
  10. 交通流推定部は、
    エレベータの設置された建造物において発生する交通量の入力を受け、前記建造物の各階床間の乗客の移動量を行列表現した階間交通流行列を出力するニューラルネットワークを用いたニューラルネットワーク利用交通流推定部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のエレベータ群管理装置。
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