JP3929117B2 - 摩擦撹拌接合装置 - Google Patents

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    • B23K20/12Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding
    • B23K20/122Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding
    • B23K20/1245Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding characterised by the apparatus
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アルミニウム材等の金属材からなる接合部材の突合せ接合、重ね接合、T継手接合等の各種接合を行うために用いられる簡易型の摩擦撹拌接合装置に関する。
【0002】
なお、この明細書において、「アルミニウム」の語はその合金を含む意味において用いる。
【0003】
【従来の技術】
固相接合法の一つである摩擦撹拌接合法として、次のような方法が提案されている。即ち、図8に示すように、各種モータに備えられた径大の円柱状回転子(111)と、該回転子(111)の端部軸線(Q)上に突出して設けられ接合部材(170)(170)よりも硬質の径小のピン状プローブ(112)とを有する接合工具(110)を用い、前記回転子(111)を高速で回転させつつ、突き合わせた2枚の金属製板状接合部材(170)(170)の突合せ部(174)又はその近傍に前記プローブ(112)を挿入する。挿入は、プローブ(112)の先端が両接合部材(170)(170)のプローブ挿入側の面と反対側の面近傍に到達するまで行う。同図では、このときに回転子(111)のプローブ側平坦面からなる肩部(111a)が両接合部材(170)(170)に当接した状態になっている。そして、プローブ挿入状態のまま突合せ部(174)に沿ってプローブ(112)を相対的に移動させる。プローブ(112)の回転により発生する摩擦熱、あるいはさらに回転子(111)の肩部(111a)と接合部材(170)(170)との摺動に伴い発生する摩擦熱により、プローブ (112)との接触部分近傍において接合部材(170)(170)は軟化しかつプローブ(112)により撹拌されるとともに、プローブ(112)の移動に伴って、軟化撹拌部分がプローブ(112)の進行圧力を受けてプローブの通過溝を埋めるようにプローブ(112)の進行方向後方へと回り込む態様で塑性流動したのち摩擦熱を急速に失って冷却固化される。この現象がプローブ(112)の移動に伴って順次繰り返されていき、最終的に両接合部材(170)(170)が突合せ部(174)において接合一体化されるものである。同図において、(176)は接合部である。このような摩擦撹拌接合法は、同図に示すような突合せ継手接合の他、重ね継手接合やT継手接合等にも用いられている。
【0004】
このような摩擦撹拌接合によれば、固相接合であるため、接合部材(170)(170)である金属材の種類に制限を受けないとか、MIGやTIG等といった溶融溶接と比較して接合時の熱歪みによる変形が少ない、等の利点がある。
【0005】
而して、従来では、上記のような摩擦撹拌接合は、接合工具(110)を装備した接合機(図示せず)、接合部材(170)(170)を固定するための定盤(図示せず)やポジショナ(図示せず)等といった接合構造物製作に必要な設備が完備された恒久的な工場にて行われていた。すなわち、工場内接合により行われていたのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、接合部材(170)(170)を接合するためには、接合部材(170)(170)を工場まで搬送しなければならず、このことは接合構造物の製作能率を低下させる要因となる。また、接合部材(170)(170)によっては、工場への搬送が困難なものもあり、この場合は摩擦撹拌接合そのものを行うことができない。このような問題を回避するには、接合構造物が設置される場所で接合すること、即ち現場接合を行えば良いが、従来の摩擦撹拌接合装置は、工場内接合を行うことを目的として製作されていたため、大型であり、現場接合を行うことが困難なものであった。
【0007】
そこで、この発明は、現場接合を行うことのできる摩擦撹拌接合装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明は、接合部材の接合予定部位に回転するプローブを挿入し、プローブとの接触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、プローブを挿入状態で接合線方向に移動させることにより接合部材を接合一体化する摩擦撹拌接合法に用いられる摩擦撹拌接合装置であって、前記プローブを有する接合工具と、該接合工具が取り付けられる本体と、該本体を接合部材に取外し可能に固定する固定装置とを備え、前記接合工具が、プローブを挿入方向に移動させる第1移動機構、及びプローブを接合線方向に移動させる第2移動機構を介して前記本体に取り付られてなることを特徴とするものである。
【0009】
この摩擦撹拌接合装置によれば、摩擦撹拌接合は、固定装置を作動させて本体を接合部材に固定した後、第1移動機構により回転するプローブを接合予定部位に挿入して、挿入したプローブを第2移動機構により接合線方向に移動させることで行われる。また、接合終了後、固定装置の作動を停止することにより、本体が接合部材から取り外される。したがって、現場接合を行うことのできる簡易型の摩擦撹拌接合装置となり得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
この実施形態は、図1乃至図5に示すように、アルミニウム押出形材からなる2個の中空材(70)(70)を接合部材とし、これらを長さ方向に突き合わせて、その突合せ部(74)の現場接合を行うことにより、大型の船舶フロア用中空パネルを製作する場合を示すものである。
【0012】
前記各中空材(70)(70)は、図2に示すように、所定間隔を隔てて平行状に離間配置された長尺な上下の平板状外板部(71)(71)と、両外板部(71)(71)を連通して長さ方向に伸び、両外板部(71)(71)の間の空間を幅方向に仕切る複数個の仕切板部(72)(72)(72)(72)とで構成されている。そして、中空材(70)(70)の外板部(71)(71)同士を長さ方向に突き合わせて配置されると共に、突合せ部(74)において摩擦撹拌接合にて接合一体化されたものである。図2において、(76)は中空材(70)(70)同士の突合せ部(74)における接合部を示す。
【0013】
かかる中空材(71)(71)は、この実施形態の摩擦撹拌接合装置(1)を用いて接合一体化されたものである。以下にこの摩擦撹拌接合装置(1)を説明する。
【0014】
この摩擦撹拌接合装置(1)は、図1、図3及び図4に示すように、接合工具(10)と、該接合工具(10)が取り付けられる本体(20)とを備えている。
【0015】
前記接合工具(10)は、ギヤード電動モータ(13)に取り付けられた径大の円柱状回転子(11)と、該回転子(11)の端部軸線(Q)上に一体に設けられた径小のピン状プローブ(12)とを有している。また、接合工具(10)は、前記ギヤードモータ(13)の駆動力により回転子(11)を回転させることでプローブ(12)も回転させうるものとなされたものであり、またプローブ(12)及び回転子(11)は、接合部材である中空材(70)(70)よりも硬質でかつ接合時に発生する摩擦熱に耐えうる耐熱材料によって形成されている。また、プローブ(12)の周面には、接合予定部位、即ち突合せ部(74)の撹拌用凹凸(図示せず)が形成されている。
【0016】
前記本体(20)は、帯板状の台座部(21)と、該台座部(21)にその長さ方向に沿って垂設された立上り板部(22)とを有している。そして、前記立上り板部(22)の前壁には、スライドガイド用凸条(23)が、その長さ方向を接合線方向と平行になる態様にして突設されている。
【0017】
そして、前記接合工具(10)が傾斜板(30)に固定状態に取り付けられると共に、この傾斜板(30)が昇降板(40)に接合工具(10)の回転子(11)軸線(Q)の傾斜角度が可変になるように取り付けられ、更にこの昇降板(40)がスライド板(50)に昇降可能に取り付けられると共に、このスライド板(50)が前記本体(20)にスライド可能に取り付けられている。これら傾斜板(30)、昇降板(40)及びスライド板(50)は、次のように構成されている。
【0018】
まず、前記スライド板(50)から説明すると、スライド板(50)は、その後壁に設けられた溝条(51)が前記本体(20)のスライドガイド用凸条(23)にスライド可能に係合して、手動にて接合線方向にスライド移動しうるものとなされている。こうして前記接合工具(10)のプローブ(12)を接合線方向に移動させる第2移動機構が構成されている。このスライド移動により、前記接合工具(10)のプローブ(12)は、突合せ部(74)に挿入された状態のもとで、接合線方向に移動可能となされている。また、前記スライド板(50)の前壁には、上下方向に伸びる2本の補助凸条(52)(52)が互いに平行に配設されている。
【0019】
前記昇降板(40)は、周面に螺旋溝が刻まれた上下方向に伸びる螺旋孔(41)を有し、この螺旋孔(41)に前記スライド板(50)に回転可能に取り付けられている螺旋棒(42)が螺合状態に挿入されており、この螺旋棒(42)をそのハンドル(43)で手動にて右回り又は左回りに回転させることにより、昇降移動しうるものとなされている。こうして接合工具(10)のプローブ(12)を挿入・引抜き方向に移動させる第1移動機構が構成されている。この昇降移動により、前記接合工具(10)のプローブ(12)は挿入・引抜き方向に移動するものとなる。また、昇降板(40)は、その後壁に設けられた2本の補助溝条(44)(44)が前記スライド板(50)の補助凸条(52)(52)にスライド可能に嵌合して、昇降移動が移動方向にずれを生じることなくスムーズに行われるものとなされている。また、昇降板(40)の前壁には、上下に2個の円弧溝(45)(45)が設けられている。
【0020】
前記傾斜板(30)は、ネジ挿通孔(図示せず)を有すると共に、このネジ挿通孔に挿通された止めネジ(31)(31)にて前記昇降板(40)に取り付けられている。前記止めネジ(31)(31)はその先端部が前記昇降板(40)の円弧溝(45)(45)に嵌まって該円弧溝(45)(45)の形状に沿うように案内されるものとなされており、傾斜板(30)に取り付けられた接合工具(10)の回転子(11)軸線(Q)の傾斜角度が、所望角度になったときに止めネジ(31)(31)を締め付けることで、その傾斜角度が固定されるものとなされている。
【0021】
この実施形態では、前記傾斜板(30)は、前記接合工具(10)の回転子(11)軸線(Q)がプローブ移動方向と逆方向に僅かに傾斜した状態で、前記昇降板(40)に固定されており、図3に示すように、プローブ(12)を中空材(70)(70)の突合せ部(74)に挿入した際に、回転子(11)のプローブ側平坦面からなる肩部(11a)の移動方向反対側の部分が、中空材(70)に接触する状態となる一方、回転子(11)の肩部(11a)の移動方向側の部分が、中空材(70)から僅かに浮上した状態となるものとなされている。このように接合工具(10)を傾斜させることによって、次のような作用を奏するものとなる。すなわち、肩部(11a)の移動方向反対側の部分が、中空材(70)に接触する状態となることにより、接合時に軟化部分の素材の飛散を防止し、更に加圧して均一な接合状態を確実に実現し得るとともに、中空材(70)と肩部(11a)との摺動による摩擦熱を生ぜじめて、プローブ(12)との接触部あるいはその近傍の軟化を促進し、さらに中空材(70)外面の凹凸形成が防止されて、接合部(76)上面が平滑になり得る。一方、肩部(11a)の移動方向側の部分が、中空材(70)から僅かに浮上した状態となることにより、プローブ(12)の移動の際に、肩部(11a)の移動方向側の部分のコーナー部が、中空材(70)外面に存在することのある微細な凹凸に引っ掛かってしまうことを防止し得て、プローブ(12)をスムーズに移動させ得るものとなる。
【0022】
また、この摩擦撹拌接合装置(1)には、前記本体(20)を中空材(70)に固定するために、真空吸着を利用した固定装置が備えられている。この固定装置は、次のように構成されている。すなわち、前記本体(20)の台座部(21)底面周縁部には、図5に示すように、真空用パッキン(60)が方形リング状に一体に取り付けられ、中空材(70)と台座部(21)の間に浅い皿状の真空室(61)が形成されるものとなされている。さらに、本体(20)の台座部(21)には、前記真空室(61)と外部とを連通する真空引き用連通孔(62)が設けられ、また本体(20)の台座部(21)上面における前記連通孔(62)周縁には、口管部(63)が設けられている。そして、この口管部(63)にポータブル真空ポンプ(64)が接続され、該真空ポンプ(64)による真空引きにより、真空室(61)が減圧されるものとなされている。前記本体(20)は、こうして真空ポンプ(64)で真空室(61)が減圧されることにより中空材(70)に真空吸着して固定状態となり、一方リークすることにより固定状態が解除されて中空材(70)から取り外されるものとなる。
【0023】
次に、この摩擦撹拌接合装置(1)を用いて、2個の中空材(70)(70)を突合せ部(74)において接合一体化する場合について説明する。
【0024】
まず、接合工具(10)のプローブ(12)が突合せ部(74)を通過できるよう、本体(20)を、立上り板部(22)のスライドガイド用凸条(23)を突合せ部(74)に沿わせて中空材(70)の外板部(71)に配置する。そして、真空ポンプ(64)を作動させて真空室(61)を減圧状態にして、本体(1)を中空材(70)に吸着固定する。次いで、ギアードモータ(13)を作動させてプローブ(12)を回転させ、ハンドル(43)を回して昇降板(40)を下降させる。プローブ(12)の先端が中空材(70)の外板部(71)に接触すると、該接触部は摩擦熱によって軟化するため、さらに昇降板(40)を下降させてプローブ(12)を突合せ部(74)に挿入する。挿入は、プローブ(12)の先端が外板部(71)の内面近傍に到達するまで行う。このとき、この実施形態では、回転子(11)の肩部(11a)が外板部(71)に当接した状態となっている。そして、接合工具(10)は僅かに傾斜しているから、回転子(11)の肩部(11a)の移動方向反対側の部分が、外板部(71)に接触した状態となると共に、回転子(11)の肩部(11a)の移動方向側の部分が、外板部(71)から僅かに浮上した状態となっている。次いで、スライド板(50)をスライド移動させて、プローブ(12)を挿入状態で突合せ部(74)に沿って移動させる。この移動途中の状態を図1、図3及び図4に示す。
【0025】
このようにプローブ(12)が移動することによって、プローブ(12)との接触部が摩擦熱にて順次軟化撹拌されて両中空材(70)(70)は突合せ部(74)において接合一体化される。すなわち、プローブ(12)の回転により発生する摩擦熱、あるいは更に回転子(11)の肩部(11a)と中空材(70)の外板部(71)外面との摺動に伴い発生する摩擦熱により、プローブ(12)との接触部分近傍において外板部(71)(71)は軟化し、かつ撹拌されるとともに、プローブ(12)の移動に伴って、軟化撹拌部分がプローブ(12)の進行圧力を受けてプローブ(12)の通過溝を埋めるようにプローブ(12)の進行方向後方へと回り込む態様で塑性流動したのち、摩擦熱を急速に失って冷却固化される。この現象がプローブ(12)の移動に伴って順次繰り返されていき、最終的に両中空材(70)(70)が突合せ部(74)において接合一体化される。
【0026】
また、回転子(11)の肩部(11a)の移動方向反対側の部分が、中空材(70)の外板部(71)外面に接触する状態のもとで、プローブ(12)が移動するので、軟化部分の素材の飛散が防止され、更に加圧されて均一な接合状態が確実に実現されるとともに、外板部(71)外面の凹凸形成が防止されて、接合部(76)上面が平滑になる。
【0027】
そして、突合せ部(74)に挿入したプローブ(12)の移動距離、即ち接合長さが所望長さになったら、プローブ(12)の移動を停止したのち、ハンドル(43)を回して昇降板(40)を上昇させて、プローブ(12)を突合せ部(74)から引き抜くことで、接合が終了する。その後、ギアードモータ(13)の作動を停止し、真空室(61)を常圧に戻すことで、本体(20)が中空材(70)から取り外される。
【0028】
このように、この摩擦撹拌接合装置(1)によると、本体(20)の取付け・取外しやプローブ(12)の挿入・引抜きが自在であり、プローブ(12)の移動も行うことができるから、現場接合であっても、中空材(70)(70)の突合せ接合を能率良く遂行することができる。
【0029】
また、この摩擦撹拌接合装置(1)によると、図6に示したような中空材(70)(70)の接合も現場接合で行うことができる。なお、同図では、上記実施形態と同じ要素に同一の符号が付されている。
【0030】
図6において、各中空材(70)(70)は、上記実施形態と同一に形成されたものである。(75)(75)(75)は、3個の板状のアルミニウム製補強片である。これら補強片(75)は、2個の中空材(70)(70)に跨がった状態でかつ幅方向の両端面を外板部(71)(71)内面に当接された状態で各中空部(73)(73)(73)に配置されている。そして、この状態で、両中空材(70)(70)同士は突合せ接合されると共に、各補強片(75)(75)(75)はその長さ方向に沿って外板部(71)(71)とT継手接合されている。したがって、2個の中空材(70)(70)同士は、外板部(71)(71)同士が直接接合されているほか、補強片(75)(75)(75)を介して外板部(71)(71)同士が接合されて、強度的に極めて優れた船舶フロア用中空パネルとなっている。同図において、(77)は補強片(75)と外板部(71)の接合部である。
【0031】
かかる中空材(70)(70)同士の突合せ接合は、上記実施形態と同じ手順・方法により行われたものである。一方、補強片(75)と外板部(71)のT継手接合は、次のようにして行われたものである。すなわち、図7に示すように、中空材(70)に本体(20)を真空吸着固定し、プローブ(12)を回転させながら昇降板(40)を下降させてプローブ(12)を外板部(71)から挿入する。挿入は、プローブ(12)の先端が外板部(71)の肉厚を越えて補強片(75)に挿入されるまで行う。そして、プローブ挿入状態のまま、スライド板(50)をスライド移動させて、プローブ(12)を補強片(75)の長さ方向に沿って移動させることで、補強片(75)と外板部(71)が接合一体化される。
【0032】
このような内部補強片(75)と外板部(71)の接合は、得られる船舶フロア用中空パネルを高強度化するために必要不可欠なものであるが、MIGやTIG等の溶融溶接ではこれらを接合することができない。そのため、摩擦撹拌接合によりこれらを接合する必要があるが、従来の摩擦撹拌接合装置では、このような些細な接合であっても現場で接合することができず、中空材(70)(70)をわざわざ工場まで搬送してから接合していたので、製作能率がかなり悪かった。一方、この摩擦撹拌接合装置(1)を用いると、このような些細な接合であっても現場で接合することができ、製作能率を格段に向上させることができる。
【0033】
以上、この発明の実施形態を説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、本体(20)を接合部材に取外し可能に固定する固定装置として、真空ポンプにて真空吸着するものを採用しているが、この発明では、この他に、永久磁石や電磁石にて磁力吸着するものを採用しても良く、この場合には、本体(20)の台座部(21)に永久磁石や電導コイルを装着するのが好ましい。而して、上記実施形態は、固定装置として真空吸着するものを採用していることから、接合部材(70)がアルミニウムといった磁力吸着することができない材料からなる場合であっても、本体(20)を接合部材に取外し可能に固定することができ、各種材料の接合部材に広く適用させることができるという効果を有している。
【0034】
また、上記実施形態では、中空材(70)(70)の接合を行う場合について説明しているが、この発明では、これに限定されず、各種形状の接合部材の接合を行う場合について用いることができ、また重ね接合等の各種継手接合を行う場合についても用いることができることはもちろんである。
【0035】
【発明の効果】
上述の次第で、この発明は、接合部材の接合予定部位に回転するプローブを挿入し、プローブとの接触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、プローブを挿入状態で接合線方向に移動させることにより接合部材を接合一体化する摩擦撹拌接合法に用いられる摩擦撹拌接合装置であって、前記プローブを有する接合工具と、該接合工具が取り付けられる本体と、該本体を接合部材に取外し可能に固定する固定装置とを備え、前記接合工具が、プローブを挿入方向に移動させる第1移動機構、及びプローブを接合線方向に移動させる第2移動機構を介して前記本体に取り付られたものであるから、摩擦撹拌接合は、固定装置を作動させて本体を接合部材に固定した後、第1移動機構により回転するプローブを接合予定部位に挿入して、挿入したプローブを第2移動機構により接合線方向に移動させることで行うことができる。また、接合終了後においては、固定装置の作動を停止することにより、本体を接合部材から取り外すことができる。したがって、現場接合を行うことのできる摩擦撹拌接合装置を提供することができ、この摩擦撹拌接合装置を用いることにより、接合部材の接合を能率良く遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る摩擦撹拌接合装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】(イ)は2個の金属製中空材の突合せ接合を行った状態を示す平面図、(ロ)は(イ)中のII−II線断面図である。
【図3】図1中のIII −III 線の断面図である。
【図4】図1中のIV−IV線の断面図である。
【図5】固定装置を説明するための摩擦撹拌接合装置の断面図である。
【図6】(イ)は補強片を用いて2個の金属製中空材の突合せ接合を行った状態を示す平面図、(ロ)は(イ)中のVI−VI線断面図である。
【図7】図6の補強片近傍における中空材の縦断面図である。
【図8】摩擦撹拌接合方法を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1…摩擦撹拌接合装置
10…接合工具
12…プローブ
20…本体
30…傾斜板
40…昇降板
50…スライド板
60…真空用パッキン
64…真空ポンプ

Claims (8)

  1. 接合部材(70)(70)の接合予定部位(74)に回転するプローブ(12)を挿入し、プローブとの接触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、プローブ(12)を挿入状態で接合線方向に移動させることにより接合部材(70)(70)を接合一体化する摩擦撹拌接合法に用いられる摩擦撹拌接合装置(1)であって、
    前記プローブ(12)を有する接合工具(10)と、
    該接合工具(10)が取り付けられる本体(20)と、
    該本体(20)を接合部材(70)に取外し可能に固定する固定装置(60)とを備え、
    前記接合工具(10)が傾斜板(30)に固定状態に取り付けられると共に、この傾斜板(30)が昇降板(40)に接合工具(10)の回転子(11)軸線(Q)の傾斜角度が可変になるように取り付けられ、更にこの昇降板(40)がスライド板(50)に昇降可能に取り付けられると共に、このスライド板(50)が前記本体(20)にスライド可能に取り付けられてなることを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
  2. 前記接合工具(10)は、ギヤード電動モータ(13)に取り付けられた径大の円柱状回転子(11)と、該回転子(11)の端部軸線(Q)上に一体に設けられた径小のピン状プローブ(12)とを有し、前記ギヤードモータ(13)の駆動力により回転子(11)を回転させることでプローブ(12)も回転させうるものとなされている請求項1に記載の摩擦撹拌接合装置。
  3. 前記本体(20)は、帯板状の台座部(21)と、該台座部(21)にその長さ方向に沿って垂設された立上り板部(22)とを有し、前記立上り板部(22)の前壁には、スライドガイド用凸条(23)が、その長さ方向を接合線方向と平行になる態様にして突設されてなる請求項1または2に記載の摩擦撹拌接合装置。
  4. 前記スライド板(50)は、その後壁に設けられた溝条(51)が前記本体(20)のスライドガイド用凸条(23)にスライド可能に係合して、手動にて接合線方向にスライド移動しうるものとなされている請求項3に記載の摩擦撹拌接合装置。
  5. 前記昇降板(40)は、周面に螺旋溝が刻まれた上下方向に伸びる螺旋孔(41)を有し、この螺旋孔(41)に前記スライド板(50)に回転可能に取り付けられている螺旋棒(42)が螺合状態に挿入されており、この螺旋棒(42)をそのハンドル(43)で手動にて右回り又は左回りに回転させることにより、昇降移動しうるものとなされている請求項1ないし4のいずれか1に記載の摩擦撹拌接合装置。
  6. 前記傾斜板(30)は、ネジ挿通孔を有すると共に、このネジ挿通孔に挿通された止めネジ(31)(31)の先端部が前記昇降板(40)の円弧溝(45)(45)に嵌まって該円弧溝(45)(45)の形状に沿うように案内されるものとなされており、傾斜板(30)に取り付けられた接合工具(10)の回転子(11)軸線(Q)の傾斜角度が、所望角度になったときに止めネジ(31)(31)を締め付けることで、その傾斜角度が固定されるものとなされている請求項1ないし5のいずれか1に記載の摩擦撹拌接合装置。
  7. 前記固定装置(60)は、真空吸着を利用した固定装置である請求項1ないし6のいずれか1に記載の摩擦撹拌接合装置。
  8. 前記固定装置(60)は、前記本体(20)の台座部(21)底面周縁部に、真空用パッキン(60)が方形リング状に一体に取り付けられ、接合部材(70)と台座部(21)の間に浅い皿状の真空室(61)が形成されるものとなされ、真空ポンプ(64)による真空引きにより、前記真空室(61)が減圧されるものとなされている請求項7に記載の摩擦撹拌接合装置。
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