JP3928334B2 - 圧縮自己着火式内燃機関 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮自己着火燃焼を実現可能な車両等の内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮自己着火式の内燃機関(ディーゼル機関)において、着火性(セタン価)の異なる複数種の燃料を利用する技術が、例えば特許第2864526号公報に開示されている。この公報では、主燃料としてガソリン、着火用の副燃料として軽油を利用し、それぞれの燃料の噴射時期や噴射量を制御することで、機関のエミッション性能の向上、燃費の改善を図っている。
【0003】
また、この公報には、圧縮自己着火式内燃機関でありながら、吸気ポートへ主燃料を噴射して予混合気を形成する技術が開示されている。このような予混合燃焼は、一般的な拡散燃焼と比較して、すすやNOxの生成を大幅に低減させることができるので、低エミッション化のためには望ましい燃焼形態である。その反面、単一セタン価の燃料一種のみで予混合気を圧縮着火させようとすると、高セタン価の燃料を用いた場合には、着火性が非常に良いために、高負荷側でリッチな混合気によってノッキングを生じる虞があり、安定した運転を行うことが困難となる。つまり、高負荷側の運転可能領域が制限されてしまう。逆に、低セタン価の燃料を用いた場合には、着火性が低いために、低負荷側でリーンな混合気によって失火等を生じる虞があり、安定した運転を行うことが困難となる。つまり、低負荷側の運転可能領域が制限されてしまう。そこで、運転可能な負荷範囲を広げる目的で、上記公報のように、セタン価の異なる複数種の燃料を用い、燃料の混合あるいはそれぞれを別々に噴射する手法が従来から提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の圧縮自己着火式内燃機関においても、特に高回転あるいは高負荷運転時において、以下のような問題点が残されている。
【0005】
高回転運転時では、圧縮上死点前後で燃料が高温高圧に曝される絶対的な時間が短くなってしまうため、着火が不安定になり易い。これを回避するために、セタン価の高い着火用の副燃料の噴射量を増量する等により燃焼室内の混合気の濃度をリッチ化することが考えられる。
【0006】
しかしながら、機関回転数の上昇に応じて単に混合気の濃度を変更するような制御を行うと、発生トルクも不可避的に上昇することとなり、例えば発生トルク(機関負荷)を一定に保ったままで機関回転数を上昇させることが実質的に不可能となる。また、着火用の副燃料(着火油燃料)は一般的に圧縮行程の後半から膨張行程の前半にかけて筒内に噴射されるが、これを増量すると着火油燃料の気化や空気との混合が不十分となり、スモークの多量発生を引き起こす虞がある。
【0007】
また、機関要求負荷の上昇に応じて単に低セタン価の主燃料を増量するような制御を行うと、燃焼室内の混合気のリッチ化とともに、燃焼による熱発生時期がノック条件の厳しい圧縮上死点側へ近づき(進角化し)、ノッキングを生じる虞が高くなるために、高負荷側での運転可能領域が制限される。このような高負荷側でのノッキングを抑制するためには、熱発生時期を遅らせる必要があるが、そのためには着火油燃料を遅い時期に多量に筒内に噴射する必要が生じるため、上述した高回転運転時と同様に、スモークの多量発生を引き起こす虞がある。
【0008】
なお、本願出願人は、ガソリンを燃料としつつ圧縮自己着火燃焼が可能な内燃機関において、着火性の異なる2種以上の燃料の混合比率を調整して、燃料の着火性(オクタン価)を連続的に変更する技術を先に提案している(特願平12−158501号)。
【0009】
このような技術を利用して、上記の主燃料や副燃料の着火性(セタン価)を調整することによって、スモークの発生を抑制しつつ幅広い運転領域で安定した圧縮自己着火燃焼を行うことも可能となるが、高負荷側でのノッキングの発生をより確実に回避するためには、燃焼時期を遅らせる必要性が生じる。これを実現するためには、やはり着火油燃料を遅い時期に多量に筒内に噴射することが要求される。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、燃料の増量に伴うスモークの発生等の不具合を最小限に抑制しつつ、幅広い機関運転領域において安定した燃焼を実現し得る新規な圧縮自己着火式内燃機関を提供することを一つの目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、圧縮自己着火燃焼が実現可能な内燃機関において、主燃料を吸気ポートへ供給して予混合気を形成する主燃料供給手段と、この主燃料以上のセタン価を有する着火用の副燃料を燃焼室へ供給する副燃料供給手段と、を有し、上記予混合気が供給されている燃焼室内に副燃料を供給することによって、予反応による低い熱発生を生じ、その熱発生率のまま推移する予反応期間の後に、主燃焼による大きな熱発生を生じる燃焼形態を実現可能であり、かつ、上記予反応による熱発生率を考慮して、機関運転状態に応じて、上記主燃料及び副燃料の少なくとも一方のセタン価を調整するセタン価調整手段を有することを特徴としている。
【0012】
上記セタン価は、圧縮自己着火式内燃機関におけるアンチノック性(着火性)を示す指数の一つである。上記主燃料供給手段や副燃料供給手段は、例えば燃料を吸気ポートや燃焼室へ噴射する燃料噴射弁を備えている。上記セタン価調整手段は、例えばセタン価の異なる燃料の分岐配管のいずれかを、主燃料又は副燃料の燃料配管(集合配管)に選択的に接続する切替弁と、この切替弁を機関運転状態に応じて制御するエンジンコントロールユニットと、を備えている。
【0013】
請求項2に係る発明は、機関要求負荷の上昇に伴って、上記主燃料及び副燃料の少なくとも一方のセタン価を低くすることを特徴としている。
【0014】
請求項3に係る発明は、機関回転数の上昇に伴って、上記主燃料及び副燃料の少なくとも一方のセタン価を高くすることを特徴としている。
【0015】
請求項4に係る発明は、高セタン価の燃料を貯留する高セタン価燃料タンクと、低セタン価の燃料を貯留する低セタン価燃料タンクと、上記主燃料及び副燃料の少なくとも一方を得るために、高セタン価の燃料と低セタン価の燃料とを混合する燃料混合装置と、を備え、上記セタン価調整手段が、上記燃料混合装置による混合割合を連続的に変更するものであることを特徴としている。
【0016】
請求項5に係る発明は、車両に供給される1種類の燃料を、セタン価の異なる複数の燃料に分離する分離装置を有することを特徴としている。
【0017】
この分離装置は、例えばシリカゲルに燃料を通して低セタン価成分を分離させるものであり、あるいは機関の冷却水,電熱器,排気熱等の熱を利用して燃料の一部を分留,改質するものである。
【0018】
請求項6に係る発明は、上記主燃料を吸気ポートへ噴射する主燃料噴射弁と、上記副燃料を燃焼室へ直接的に噴射する副燃料噴射弁と、を備え、上記主燃料が先に燃焼室へ供給され、後から副燃料が燃焼室へ供給されることを特徴としている。
【0019】
請求項7の発明は、圧縮自己着火燃焼が実現可能な内燃機関において、主燃料を燃焼室へ直接的に噴射する主燃料噴射弁と、この主燃料よりセタン価の高い着火用の副燃料を燃焼室へ直接的に供給する副燃料噴射弁と、を有し、これら主燃料噴射弁及び副燃料噴射弁の燃料噴霧の中心軸が、燃焼室内で互いに交差する、もしくは互いにねじれの位置関係となるように設定されていることを特徴としている。なお、「ねじれの位置関係」とは、噴霧の中心軸が交差しない関係で、例えば円錐状の燃料噴霧形状同士が互いに干渉,交錯し合うような関係を言う。
【0020】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、主燃料及び副燃料の少なくとも一方のセタン価を調整することにより、燃焼室への燃料の供給量を抑制しつつ、幅広い機関運転領域にわたって低スモークの安定した圧縮自己着火燃焼を行うことが可能となる。
【0021】
請求項2に係る発明によれば、機関要求負荷の増加に応じて、主燃料及び副燃料の少なくとも一方のセタン価を低くすることにより、要求負荷の増加に伴う着火用の副燃料の供給量を抑えつつ、主燃焼時期を遅らせることが可能となる。このため、高負荷域を含む幅広い機関負荷領域において、スモークの少ない安定した燃焼を行うことが可能となる。つまり、高い熱効率を維持したままで幅広い負荷領域にわたって安定した燃焼を実現でき、機関出力の向上、燃料消費率の改善、排気のクリーン化等を図ることができる。
【0022】
請求項3に係る発明によれば、機関回転数の増加に応じて、主燃料及び副燃料の少なくとも一方のセタン価を高くすることにより、回転数の増加に伴う燃料供給量の増加を抑制しつつ、安定した予反応発熱を得ることができ、それにより主燃焼も安定させることができる。その結果として、使用可能な回転領域が拡大されるとともに、幅広い負荷域において高回転運転が可能になり、使用可能な機関運転範囲を大幅に拡大することができる。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、高セタン価燃料及び低セタン価燃料の混合割合を調整することにより、主燃料や副燃料のセタン価を連続的に変化させることが可能であり、制御の自由度が高くなる。また、例えばセタン価の異なる多数の燃料を切替弁を用いて切り換えて調整するようなものに比して、燃料タンクの数や燃料配管が大幅に簡素化され、メンテナンスが容易になり、また車両としてのスペース効率も高まるという効果がある。さらに車両の軽量化により、燃料消費率が改善される上、部品点数も抑えることができるため、コスト的にも有利となる。
【0024】
請求項5に係る発明によれば、分離装置により1種の燃料を高セタン価燃料と低セタン価燃料とに分離することができるため、一般的な車両と同様に給油時に1種類の燃料を供給するだけで良く、セタン価の異なる複数の燃料を車両へ給油する必要がない。このため、給油の手間やユーザーへの負担が軽減されるとともに、セタン価の異なる複数の燃料を市場に流通させる等の必要性もなく、実用性が高い。
【0025】
請求項6に係る発明によれば、圧縮自己着火式内燃機関でありながら、吸気ポートへ主燃料を噴射して予混合気を形成することができるため、一般的な拡散燃焼を行う機関と比較して、すすやNOxの生成量の大幅な低減化や低エミッション化を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0029】
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧縮自己着火式内燃機関(ディーゼル機関)を概略的に示している。シリンダブロック1には各気筒毎にシリンダ1aが形成されており、各シリンダ1aの内部には、シリンダヘッド2とピストン3との間に燃焼室4が画成されている。この燃焼室4には、吸気弁6により開閉される吸気ポート5と、排気弁8により開閉される排気ポート7とが接続している。吸気ポート5を含む吸気通路10には、上流側より順に、吸入空気量を検出するエアフローメータ11と、吸気ポート5内へ主燃料を噴射する主燃料噴射弁9と、が配設されている。また、シリンダヘッド2には、主燃料以上のセタン価(着火性)を有する着火用の副燃料(着火油燃料)を、燃焼室4内へ直接的に噴射,供給する副燃料噴射弁12が、燃焼室4の略中央位置に配設されている。
【0030】
多数(この実施形態では4つ)の燃料タンク13a〜13dには、それぞれセタン価の異なる燃料が蓄えられるようになっており、ここでは13a,13b,13c,13dの順に燃料のセタン価が低くなるように設定されている。
【0031】
そして、このようなセタン価の異なる複数の燃料の中から、機関運転条件に応じた要求セタン価に適応する一つが、主燃料として主燃料噴射弁9へ供給されるようになっている。より具体的には、燃料タンク13a〜13dの下流側に接続する分岐配管Fa〜Fdには、燃料を送出するフィードポンプ14a〜14dがそれぞれ設けられており、これらの分岐配管Fa〜Fdの一つと、主燃料噴射弁9へ接続する集合配管Feとが、切換弁15によって選択的に接続される。この切換弁15は、後述するエンジンコントロールユニット17により機関運転状態に応じて切換制御される。そして、主燃料噴射弁9から吸気ポート5へ噴射された主燃料は、吸気と混合した予混合気として、吸気行程において燃焼室4へ供給される(主燃料供給手段)。
【0032】
一方、着火用の副燃料は、最もセタン価の高い燃料タンク13aの燃料のみが使用される。つまり、副燃料は、フィードポンプ14aによって送出されるとともに、高圧ポンプ16によって更に加圧されて副燃料噴射弁12に圧送され、予め主燃料の予混合気が満たされた燃焼室4内に直接的に噴射,供給される(副燃料供給手段)。
【0033】
上記のエンジンコントロールユニット17は、各種演算処理を記憶,実行するメモリ,CPU等を備えた周知のコンピュータシステムであって、機関運転状態を示す信号としての回転数信号、負荷信号、油水温信号、空気量信号、油圧信号等の各種センサからの入力信号に基づいて様々なエンジン制御を行う。つまり、エンジンコントロールユニット17は、機関運転状態に応じて、主燃料及び副燃料の燃焼室4内への供給時期及び供給量を演算し、その演算結果に基づいて主燃料噴射弁9及び副燃料噴射弁12を駆動制御する。また、主燃料(及び/又は副燃料)の目標セタン価を演算し、その演算結果に基づいて切換弁15を切換制御して、主燃料のセタン価を調整する(セタン価調整手段)。言い換えると、主燃料と副燃料とのセタン価の差を調整する。
【0034】
次に、このように主燃料及び/又は副燃料のセタン価を調整する必要性と、その利点について、実際に起こる現象を模式的に示す図2〜5等を参照して説明する。
【0035】
本実施形態のように、圧縮自己着火式内燃機関でありながら、主燃料を吸気ポートに噴射して予混合気を形成する形態の熱発生率の変化の特徴として、先ず予反応と呼ばれる低い熱発生が開始され、その熱発生率のまましばらくの間推移する予反応期間があり、それを過ぎると主燃焼と呼ばれる大きな熱発生が続く。
【0036】
図2は、圧縮比、回転数、燃料セタン価が全て一定の条件において、主燃料の噴射量を図2中の(1)→(2)→(3)の順に増量していった場合、つまり混合気の濃度をリッチ化していった場合の筒内(燃焼室4内)の熱発生率の変化の様子をクランク角に対して示したものである。
【0037】
混合気をリッチ化していくにしたがって、主燃焼の熱発生率が大きくなるとともに、主燃焼の熱発生時期がクランク角に対して進角化し、これに伴って発生トルクが増加する。このように、主燃焼の熱発生率が急激に大きくなるとともに主燃焼の熱発生時期が進角化すると、ノッキングが発生して運転が困難になるノッキング限界が必然的に訪れることになり、高負荷側で安定して燃焼を行い得る運転領域が制限されてしまう。
【0038】
また、予反応から主燃焼への移行を確実に行うためには、主燃焼の熱発生率の増加に伴って、予反応での熱発生率も大きくする必要がある。
【0039】
図3は、圧縮比、回転数、混合気濃度が全て一定の条件において、主燃料のセタン価を図3中の(1)→(2)→(3)の順に低下させていった場合、つまり主燃料による予混合気の着火性を低下させていった場合の筒内の熱発生率の変化の様子をクランク角に対して示したものである。
【0040】
主燃料のセタン価を低下していくにしたがって、主燃焼の熱発生率は小さくなり、かつ、主燃焼の熱発生時期がクランク角に対して遅れていくことになる。このため、ノッキング(限界)に対する余裕代を大きく取ることができ、その分、混合気のリッチ化が可能となり、ひいては機関運転領域を高負荷側へ拡大することが可能となる。
【0041】
図4は、回転数、セタン価、混合気濃度が全て一定の条件において、機関の圧縮比を図4中の(1)→(2)→(3)の順に低くしていった場合の筒内の熱発生率の変化の様子をクランク角に対して示したものである。
【0042】
圧縮比を低くしていくにしたがって、主燃焼の熱発生率は小さくなるとともに、主燃焼の熱発生時期がクランク角に対して遅れていくことになる。このため、ノッキングに対する余裕代が大きく取れ、その分、混合気のリッチ化が可能となり、運転領域を高負荷側へ拡大することができる。
【0043】
図5は、熱発生率を一定として、熱発生時期を図5中の(1)→(2)→(3)の順に遅らせた場合の筒内圧力波形の様子を示している。
【0044】
熱発生率が大きくなると筒内の圧力上昇率も大きくなり、これが予混合圧縮着火燃焼時のノッキングの主要因となるのであるが、図5のように何らかの手段を用いて熱発生率一定のままで熱発生時期を(圧縮上死点よりも)遅らせることができたとすると、ピストンの下降による筒内圧力減少分によって、圧力上昇率を適宜に低減することができる。これにより、ノッキングに対する余裕代が大きくなり、その分、運転可能領域を高負荷側へ拡大することが可能となる。
【0045】
以上の図2〜図5で説明してきた現象をまとめると、ノッキングを回避しつつ、高負荷側での運転を可能とするためには、図6にも示すように、▲1▼安定した燃焼が可能な範囲において、例えば着火油燃料(副燃料)の噴射時期を遅らせる等により、できる限り熱発生開始時期を遅らせるとともに(1)→(2)、▲2▼遅らせることによって得られたノッキング余裕分だけ、混合気をリッチ化する(2)→(3)、ということになる。
【0046】
上記▲2▼の混合気のリッチ化を行った場合、上述したように、そのリッチ化に応じた分だけ予反応発熱量を大きく与える必要がある。そこで、例えば着火油燃料を単に増量することが考えられるが、この場合、着火油燃料の気化時間不足や、空気との混合時間不足等により、スモークの多量発生を招く虞がある。従って、着火油燃料の増加を最小限に抑えつつ、予反応発熱量を十分に与えることが要求され、このような大きな予反応発熱量を効率よく与えることができる新規な手法を、図7を参照して説明する。
【0047】
図7中の3つの燃料A,B,Cのセタン価を仮にA>B>Cとし、主燃料として最もセタン価の低い燃料Cを早期に燃焼室内へ封入しておいた状態で、着火油燃料A又はBを噴射して予反応発熱を引き起こすことを考える。この場合、着火油燃料として燃料Bを使う場合よりも、主燃料Cに対するセタン価の差が相対的に大きい(つまりセタン価の高い)燃料Aを使う方が、同量の噴射量であっても着火油燃料の反応速度が高くなる分、同一経過時間後での着火油燃料の発熱量が大きくなることに加え、この発熱によって着火油燃料の周辺にある主燃料Cの反応を大幅に加速させることができる。つまり、着火油燃料のセタン価を高くすることによって、その着火油燃料自体の発熱量の増加分を大幅に上回る予反応の熱発生率の増加を得ることができる。
【0048】
図8は、圧縮比、燃焼セタン価、混合気濃度が全て一定の条件において、機関回転数を図8中の(1)→(2)→(3)の順に高めていった場合の筒内の熱発生率の変化の様子をクランク角に対して示したものである。回転数が高くなるにしたがって、燃焼室内の混合気が高温・高圧に曝される絶対的時間が短縮される関係で、混合気の圧縮自己着火燃焼が不安定になるため、主燃焼の熱発生率が小さくなり、その熱発生時期はクランク角に対して遅れていく。
【0049】
このような高回転状態での燃焼を安定化させるために、仮に機関回転数の増加に応じて単に混合気をリッチ化する制御を行うと、当然のことながら発生トルクも上昇してしまうので、機関負荷と回転数とを独立して調整することが極めて困難となり、適用範囲が非常に限られた内燃機関となってしまう。そこで好ましくは、上記図7の手法を利用して、機関回転数が高くなるにしたがって、主に予反応発熱量のみを増加させる。
【0050】
次に、機関の回転数と負荷とに応じて着火油燃料や主燃料の噴射量及びセタン価を具体的にどのように変化させるべきかについて説明する。
【0051】
図9は、回転数と負荷に応じて着火油燃料の噴射量をどのように変化させていくかを示したものであり、図10は、回転数と負荷に応じて主燃料の噴射量及びセタン価をどのように変化させていくかを示したものである。実際の実施形態では、図9および10にあるような関係が回転数−負荷マップとしてエンジンコントロールユニット17のメモリ内に予め記憶されており、回転数や負荷等の入力信号に応じてこれらのマップを参照することにより、目標となる燃料噴射量やセタン価が設定される。
【0052】
図11は、上記のエンジンコントロールユニット17により実行されるフローチャートで、着火油燃料の噴射量、主燃料の噴射量及びセタン価の設定制御の流れを示している。
【0053】
先ず、S(ステップ)1では、例えばアクセル踏み込み量を示す検出信号に基づいて要求負荷が算出されて読み込まれる。S2では、例えば回転数センサにより現在の機関回転数が読み込まれる。続くS3では、これらの要求負荷及び機関回転数に基づいて、図9に示すような着火油燃料設定用の回転−負荷マップを参照することにより、着火油燃料の目標噴射量が決定される。同様に、S4では、図10に示すような主燃料の燃料,セタン価設定用の回転−負荷マップを参照して、主燃料の目標噴射量と目標セタン価が決定される。
【0054】
S5では、主燃料のセタン価を変更する必要性があるか否か、つまり現在主燃料として使用している燃料タンク(13a〜13dのいずれか一つ)を、切換弁15によって他の燃料タンクに切り換える必要性があるか否かの判定が行われる。必要性有りと判定された場合はS6へ進み、主燃料をS4で決定された目標セタン価に対応する燃料へ切り換える切換信号を切換弁15へ出力する。一方、S5で主燃料のセタン価を変更する必要性がないと判定された場合には、S6をスキップしてS7へ進む。S7では、S3とS4で決定された主燃料及び着火油燃料の目標噴射量を設定し、これらの目標噴射量及び別途算出,設定される目標噴射時期等に基づいて、噴射弁9,12が駆動制御される。
【0055】
このように本実施形態では、図9,10に示すように、機関回転数の上昇に伴って、副燃料の噴射量を増加させるとともに、主燃料のセタン価を高くさせている。つまり、回転数の上昇に応じて主燃料のセタン価を高くすることにより、燃料の供給量を抑制している。これにより、特に燃焼が不安定になりやすい高回転運転時においても、安定した予燃焼を実現することができ、それにより主燃焼も安定させることができる。その結果として、幅広い回転領域で安定した燃焼を実現することができ、使用可能な機関回転域を有効に拡大することができる。また、回転数の上昇に伴う燃料の増加量が抑制されるため、燃料の増加に伴う不可避的なトルク変動やスモークの発生を有効に抑制することができる。
【0056】
なお、上述した図7に示す手法のように、機関回転数の上昇等に伴って副燃料のセタン価を高くさせた場合には、本実施形態のように主燃料のセタン価を高くする場合よりも、更に有効に燃料供給量の増加を抑制することが可能である。
【0057】
また、機関要求負荷の上昇に伴って、主燃料のセタン価を低くするとともに、主燃料の燃料噴射量を増量している。これにより、例えば高負荷運転時であっても、着火油燃料の供給量を抑えつつ、主燃焼時期を遅らせることにより、低スモークの高負荷運転ができるようになる。また、高い熱効率を維持した状態で幅広い負荷領域で安定した運転を行うことができ、機関出力の向上、燃料消費率の改善、及び排気のクリーン化等を図ることができる。
【0058】
以下に説明する他の実施形態では、既述した構成と同一部分には同じ参照符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0059】
図12に示す第2実施形態では、図1の第1実施形態では多数設けられていた燃料タンクを、高セタン価燃料タンク20と低セタン価燃料タンク18の2つのみとしている。低セタン価燃料タンク18からフィードポンプ19によって吸い出される燃料と、高セタン価燃料タンク20からフィードポンプ21によって吸い出される燃料とは、燃料混合装置22に送られ、この燃料混合装置22において適切なセタン価の主燃料となるように混合された後、主燃料噴射弁9に供給される。
【0060】
燃料混合装置22は、エンジンコントロールユニット17により駆動制御され、高セタン価燃料と低セタン価燃料との混合割合を連続的に変化させることにより、主燃料のセタン価を調整するようになっている。
【0061】
一方、着火油燃料は、高セタン価燃料タンク20からフィードポンプ21及び高圧ポンプ16を通して副燃料噴射弁12へ圧送される。
【0062】
図13は、エンジンコントロールユニット17により実行されるフローチャートで、この第2実施形態に係る着火油燃料の噴射量、主燃料の噴射量及びセタン価の設定制御の流れを示している。前述した図11の制御フローと異なるところは、S5で主燃料のセタン価を変更する必要性があると判定された場合に、S61へ進み、主燃料のセタン価がS4で設定された目標セタン価(要求セタン価)となるように、燃料混合装置22における高セタン価燃料と低セタン価燃料の混合割合を設定する点であって、その他については図11と同じである。
【0063】
このような第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られることに加え、セタン価を連続的に調整することができるため、制御の自由度が高い。また、第1実施形態のようにセタン価の異なる多数の燃料タンクを個別に設ける必要がないので、燃料配管が大幅に簡素化され、メンテナンスが容易になり、かつ、車両としてのスペース効率も高まるという効果がある。加えて、車両の軽量化により燃料消費率が改善される上、部品点数も抑えることができるため、コスト的にも有利となる。
【0064】
図14は、本発明の第3実施形態を示している。この第3実施形態に係る内燃機関は、車両へ供給される1種類の燃料を貯留する一つの燃料タンク23と、この燃料タンク23からフィードポンプ24によって送出される1種類の燃料を、高セタン価成分の燃料と低セタン価成分の燃料とに分離する分離装置25と、分離された高セタン価燃料及び低セタン価燃料のそれぞれを一時的に蓄える高セタン価燃料サブタンク26及び低セタン価燃料サブタンク27と、を備えている。上記の分離装置25は、例えばシリカゲルに燃料を通して低セタン価成分を分離させるものであり、あるいは機関の冷却水,電熱器,排気熱等の熱を利用して燃料の一部を分留,改質するものである。
【0065】
このような第3実施形態によれば、上記第2実施形態と同様の効果が得られることに加え、一般的な車両と同様に給油時に1種類の燃料を供給するだけで良く、セタン価の異なる複数の燃料を車両へ給油する必要がない。このため、給油の手間やユーザーへの負担が軽減されるとともに、セタン価の異なる複数の燃料を市場に流通させる等の必要性もなく、実用性が高い。
【0066】
なお、他の第1,2,4実施形態においても、分離装置25により改質,分離された燃料を燃料タンク13a〜13d,20,18へそれぞれ供給するように構成することにより、この第3実施形態と同様に上記の作用効果を得ることができる。
【0067】
図15は参考例を示している。この内燃機関のシリンダヘッド2には、主燃料を燃焼室4内へ直接的に噴射供給する主燃料噴射弁28と、この主燃料よりもセタン価の高い副燃料を、燃焼室4内へ直接的に噴射供給する副燃料噴射弁12と、が設けられている。両燃料噴射弁12,28は、互いに傾斜した状態で近接配置されている。
【0068】
主燃料噴射弁28には、高セタン価燃料タンク20から高圧ポンプ16によって加圧された高セタン価の燃料が直接的に供給され、副燃料噴射弁12には、低セタン価燃料タンク18から高圧ポンプ29によって加圧された低セタン価の燃料が直接的に供給される。これら燃料噴射弁28,12の噴射量や噴射時期は、エンジンコントロールユニット(17)によって機関運転状態に応じて制御される。
【0069】
そして、主燃料噴射弁28から噴射される主燃料の燃料噴霧SLの中心軸OLと、副燃料噴射弁12から噴射される副燃料の燃料噴霧SHの中心軸OHとが、燃焼室4内で交差するもしくはねじれの位置関係となるように設定されている。言い換えると、高セタン価燃料の燃料噴霧SHの領域と低セタン価燃料の燃料噴霧SLの領域とが三次元的にほぼ重なり合うように設定されている。
【0070】
この参考例では、上記第1〜第3実施形態と比較して、燃料のセタン価を調整する手段(燃料混合装置22等)が省略されており、その代わりに、セタン価の異なる2種の燃料の噴射量をそれぞれ調整することにより、燃焼室内で混合される混合燃料のセタン価を機関運転状態に応じて調整するようになっている。
【0071】
このような参考例では、セタン価の異なる2種の燃料を燃焼室4内へ速やかに供給して混合させることができるため、機関の負荷や回転数の変化に対し、混合燃料の要求セタン価への変化の追従性を大幅に高めることができ、機関運転時のレスポンスが良好となる。
【0072】
さらに混合装置(22)等のような個々の主燃料や副燃料のセタン価を調整する手段が不要となるので、重量的にもコスト的も有利となる。その上に、主燃料を筒内で気化させる際に大きな潜熱を周囲から奪う効果で、吸気の密度が高まり、充填効率が向上するために、機関の出力向上も可能となる。また上記潜熱により筒内の温度が低下するため、耐ノック性が向上し、その分、圧縮自己着火時の混合気の更なるリッチ化が可能となり、さらに出力を向上できるという相乗効果を得ることができる。
【0073】
以上のように、本発明を具体的な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、種々の変形,変更を含むものである。例えば上記実施形態では軽油を燃料とする一般的なディーゼル機関について説明しているが、ガソリンを燃料とする内燃機関であっても、圧縮自己着火燃焼を実現可能なものであれば、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る内燃機関の概略構成図。
【図2】混合気濃度と熱発生率との関係を示す特性図。
【図3】燃料のセタン価と熱発生率との関係を示す特性図。
【図4】機関圧縮比と熱発生率との関係を示す特性図。
【図5】熱発生時期と筒内圧力との関係を示す特性図。
【図6】高負荷化を可能とする手法を模式的に示す特性図。
【図7】異なるセタン価の着火油燃料による燃焼の相違を示す説明図。
【図8】機関回転数と熱発生率との関係を示す特性図。
【図9】副燃料の噴射量設定用の回転−負荷マップ。
【図10】主燃料の噴射量及びセタン価設定用の回転−負荷マップ。
【図11】上記第1実施形態に係る制御の流れを示すフローチャート。
【図12】本発明の第2実施形態に係る内燃機関を示す概略構成図。
【図13】上記第2実施形態に係る制御の流れを示すフローチャート。
【図14】本発明の第3実施形態に係る内燃機関を示す概略構成図。
【図15】 本発明の参考例に係る内燃機関を示す概略構成図。
【符号の説明】
4…燃焼室
5…吸気ポート
9…主燃料噴射弁(主燃料供給手段)
12…副燃料噴射弁(副燃料供給手段)
15…切換弁(セタン価調整手段)
17…エンジンコントロールユニット(セタン価調整手段)
Claims (6)
- 圧縮自己着火燃焼が実現可能な内燃機関において、
主燃料を吸気ポートへ供給して予混合気を形成する主燃料供給手段と、
この主燃料以上のセタン価を有する着火用の副燃料を燃焼室へ供給する副燃料供給手段と、を有し、
上記予混合気が供給されている燃焼室内に副燃料を供給することによって、予反応による低い熱発生を生じ、その熱発生率のまま推移する予反応期間の後に、主燃焼による大きな熱発生を生じる燃焼形態を実現可能であり、
かつ、上記予反応による熱発生率を考慮して、機関運転状態に応じて、上記主燃料及び副燃料の少なくとも一方のセタン価を調整するセタン価調整手段を有することを特徴とする圧縮自己着火式内燃機関。 - 機関要求負荷の上昇に伴って、上記主燃料及び副燃料の少なくとも一方のセタン価を低くすることを特徴とする請求項1に記載の圧縮自己着火式内燃機関。
- 機関回転数の上昇に伴って、上記主燃料及び副燃料の少なくとも一方のセタン価を高くすることを特徴とする請求項1に記載の圧縮自己着火式内燃機関。
- 高セタン価の燃料を貯留する高セタン価燃料タンクと、低セタン価の燃料を貯留する低セタン価燃料タンクと、上記主燃料及び副燃料の少なくとも一方を得るために、高セタン価の燃料と低セタン価の燃料とを混合する燃料混合装置と、を備え、
上記セタン価調整手段が、上記燃料混合装置による混合割合を連続的に変更するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮自己着火式内燃機関。 - 車両に供給される1種類の燃料を、セタン価の異なる複数の燃料に分離する分離装置を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧縮自己着火式内燃機関。
- 上記主燃料を吸気ポートへ噴射する主燃料噴射弁と、上記副燃料を燃焼室へ直接的に噴射する副燃料噴射弁と、を備え、
上記主燃料が先に燃焼室へ供給され、後から副燃料が燃焼室へ供給されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の圧縮自己着火式内燃機関。
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