JP3926273B2 - 土質安定処理土及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、建設現場における埋め戻しや、橋脚等の構築物の裏込め、あるいは道路の盛り土等に用いる土工材料としての土質安定処理土及びその製造方法に関するものである。
【0002】
コンクリートあるいは鋼製の構築物は、それに作用した外力が周辺地盤に伝わってそれが分散することにより、地盤反力が生じるように期待して設計されているため、それらの構築物の下や周辺の土中には隙間なく緻密な土砂の投入が必要となる。
【0003】
このため、例えば地中埋設管等の埋戻し、橋脚等の構築物の裏込め、あるいは道路の盛土等は、天然の良質土(主として砂質)の土粒子間隙を小さくし、効果的に応力分散を図って地盤反力を発揮させることができるように、機械的な方法を用いて積極的な締め固めをすることにより、土砂の内部組織を緻密にして物理的な安定化を図ることが行われている。
【0004】
また、橋脚等の構築物と周辺地盤との間や、地中埋設管周辺のような狭い空間においては、締め固め機械が使用できないため、水締め工法と呼ばれる方法が用いられてきた。
【0005】
この水締め工法とは、土中に投入した土砂に大量の水を滲み込ませ、土粒子間の間隙を飽和させることで、見かけの粘着力を除去して土粒子の相互移動を容易にする。そのような土砂を上記狭い空間へ流し込むと同時に、自然排水あるいは強制排水によって余剰の水を排出させて、より隙間なく緻密な土砂の投入を実現し、土砂の内部組織の物理的な安定化を図る方法である。
【0006】
上記のような埋め戻し等の用途に適さない、粒径が0.075mm未満の細粒土を多く含む土は、セメントあるいは石灰等の固化材と混合して粒度を改善した土質安定処理土を作製し、再利用することがある。このような土質安定処理土は、化学的な固結力により細粒土を結合し、より大きな粒径にすることを目的としている。
【0007】
しかし、上記天然の良質土、あるいは上記化学的固結力で粒度を改善した土砂は、主として粒状の土粒子を多く含有し、締め固めることで土粒子同士が噛み合い、物理的にも安定して信頼性も高いが、土粒子間の粘着力が小さいため、地下浸透水によって土粒子の相互移動が容易となる。このため、土粒子の流出により空洞化が進行することがあり、その場合は道路陥没等のように急激に中実体積が減少する。すると、前記構築物から地盤に伝わった外力を分散させることができなくなって、地盤反力を発揮することができなくなる。
【0008】
近年、土砂に、水あるいは発泡材と、セメント等の固化材を添加したスラリー状(どろどろのぬかるみ状)の改良土を製造し、その改良土を狭い空間へ流し込んで固化させることで、土粒子間の粘着力を増加させ、土粒子の相互移動を拘束して上記地盤反力としての機能を長く維持する方法がある。
【0009】
この方法は、狭い空間においても良好な充填性をもたせるために、多量の水や発泡材を含有しており、上記外力に対して固化材の化学的な固結力で地盤反力を発揮する機能を有するものではあるが、所定の強度に達するまでその機能を発揮することができないと共に、それまでには約28日間位の長時間を要するという問題がある。
【0010】
また、土粒子間の間隔が大きいと共に、そのことにより土粒子同士の機械的な噛み合わせが期待できないため、上記外力が作用して改良土がせん断破壊しようとする時に応力を分散することができないので、周辺地盤の一部に応力集中が起こって局所的な破壊を招くおそれがある。
【0011】
また、セメントあるいは石灰などの固化材で処理した改良土を、再掘削が必要な場所に用いると、長期にわたって強度が著しく増加していくことにより、固くなりすぎて再掘削できなくなるおそれがある。また仮に再掘削できたとしても、その改良土は高アルカリ性を示すため再利用できないので、廃棄処分をするか、或は植生用地等の他の用途へ流用したいときは、高アルカリ性を中性に近づけるための中性化処理が必要となる。
【0012】
さらに、上記スラリー状の改良土は、それを製造するためのプラント設備が非常に大規模となると共に、その設備は容易には移動できないので、土中に改良土の投入を行なう建設現場の近傍か、その建設現場に所定時間内に改良土を搬送して土中に投入を行なうことが可能な距離にその設備がなければ、利用することができない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題を解決するためには、石こうを主とする固化材で処理した土質安定処理土を用いることが検討、模索されていたが、石こうを土砂に混合すると、土粒子の表面にある水と石こうの一部が極めて短時間(5〜10分位)で結合してしまうので、本来の目的の土粒子間を結合する動作を行うための石こうの量が減ってしまう。このため、予めその減る分を見込して石こうの量を増やして供給しなければならないので、石こうの消費量が増大して、土質安定処理土や施工費のコストアップを招くという問題があった。
【0014】
さらに、石こう系固化材添加量が一定のとき、土砂の含水比によっては、強度が大きく異なるため、施工前に配合設計を実施する必要があり、即日復旧を必要とする場合に利用できないといった問題もあった。
【0015】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、固化材に石こうを用いた場合であっても、石こうの消費量が増大することを防止して、土質安定処理土や施工費のコストアップを防止することができると共に、土砂の含水比が異なっても所要の強度が得られ、事前の計算で配合設計が可能な土質安定処理土及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明による土質安定処理土の製造方法は、
固化遅延剤を水に溶解した水溶液を作り、
粒径が0.075mm以上の粗粒土を50%以上含んだ土砂を攪拌しながらこの土砂に前記水溶液を均一に吹きかけて前記固化遅延剤を土粒子の表面に均一に付着させ、
それから土砂を攪拌しながらこの土砂に半水石こうを主とする固化材を均一に混合するようにしたことを特徴とするものである。
【0017】
このような本発明の土質安定処理土の製造方法によれば、
固化遅延剤を水に溶解した水溶液を作り、
粒径が0.075mm以上の粗粒土を50%以上含んだ土砂を攪拌しながらこの土砂に前記水溶液を均一に吹きかけて前記固化遅延剤を土粒子の表面に均一に付着させ、
それから土砂を攪拌しながらこの土砂に半水石こうを主とする固化材を均一に混合するようにしたことにより、
固化材を土砂に混合してから極めて短時間で石こうの一部が土粒子の表面の水と結合するのを防止することができる。
【0018】
このため、予めその減る分を見込して余分な石こうの量を増やして供給する必要がなくなるので、固化材に石こうを用いた場合であっても、石こうの消費量が増大することを防止できて、土質安定処理土や施工費のコストアップを防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明による土質安定処理土及びその製造方法の一実施の形態について説明するために参照する図である。
【0020】
まず、土砂の仮置き場1に、土質安定処理を施す対象となる土砂を仮置きする。この土砂は、粒径が0.075mm以上の粗粒土を50%以上含んだものが仮置きされる。土砂をこのような組成のものに限定するのは、粒径が0.075mm以上の粗粒土が50%未満の土砂の場合は、土粒子間の間隔が大きくなることにより、土粒子同士の機械的な噛み合わせが期待できなくなるため、構築物から地盤に伝わった外力が作用して改良土がせん断破壊しようとする時に、応力を分散することができないので、周辺地盤の一部に応力集中が起こって局所的な破壊を招くおそれがあるからである。
【0021】
また、サイロ等を用いた遅延剤貯蔵所2に、後述する固化材の働きを遅延させる固化遅延剤を貯蔵する。このような固化遅延剤としては、たとえば特開2001−130936号公報に記載された、グルタミン酸等のアミドポリカルボン酸類を有効成分として含有する石こうの凝結硬化遅延剤や、特開2001−261395号公報に記載された、特定のN−アシルオリゴペプチド及び/又はその塩を有効成分として含有する石こうの凝結硬化遅延剤等を用いることができる。
【0022】
次に希釈遅延剤溶液作製部4において、上記のような固化遅延剤を、貯水した貯水場3からの水に一定の割合で混合して、すなわち水に対して固化遅延剤を4%以下の濃度で混合して、希釈遅延剤の溶液を作製する。
【0023】
次に、前記土砂の仮置き場1の土砂から、レキ・異物除去部5により、粒径が40mm以上のレキ(礫)や異物を除去し、遅延剤付着設備6においてその土砂に、希釈遅延剤溶液作製部4からの希釈遅延剤の溶液を吹きかけて、土砂の土粒子の表面に均一に固化遅延剤を付着させる。
上記レキ・異物除去部5にて土砂からレキや異物を除去するには、振動篩や、網戸状や格子戸状のスクリーン等に土砂を通過させることにより行う。
【0024】
また、上記土粒子の表面に希釈遅延剤の溶液を吹きかけて均一に固化遅延剤を付着させるには、遅延剤付着設備6において、土砂を攪拌しながら、その土砂に前記希釈遅延剤を噴霧器により噴霧することにより行う。土砂を攪拌するには、スタビライザー、スタビライザー付きバケットを装着したバックホウ(建築機械)、スクリューフィーダー、強制二軸ミキサーや攪拌翼付きのミキサー、アジテータ等を用いて行う。
【0025】
次に、安定処理土製造部8において、前記土粒子の表面に均一に固化遅延剤を付着した土砂に、遅延剤貯蔵所2とは別のサイロ等を用いた固化材貯蔵所7に貯蔵された固化材を、土砂を攪拌しながら均一に混合することにより、土質安定処理土を作製する。
【0026】
この安定処理土製造部8における土砂の攪拌にも、前記遅延剤付着設備6で用いるものと同様の、スタビライザー、スタビライザー付きバケットを装着したバックホウ、スクリューフィーダー、強制二軸ミキサーや攪拌翼付きのミキサー、アジテータ等を用いて行うことができる。
【0027】
上記固化材としては、石こうを主とする固化材を用いる。その石こうには半水石こうが用いられ、天然石こう、工業用石こう、或は廃石こうの再生材のいずれを用いてもよい。また上記固化材には、半水石こうだけのものでなくとも、それを含有するものであってもよく、その場合は石こう以外の成分としては、耐水性を向上させるための高炉スラグ、酸化マグネシウム等を混合するタイプや、再泥化抑制のための高分子剤を混合するタイプを用いてもよい。
【0028】
このようにして作製された土質安定処理土は、前記土砂の仮置き場1とは別の、雨水との接触を避けられる土質安定処理土仮置き場9に、1,2日間位仮置きすることができ、それを使用する場合は、ダンプトラック等の運搬手段10により建設現場まで運搬して、建設現場でその土質安定処理土を埋め戻し等のために土中に投入して使用することができる。
【0029】
建設現場で土中に投入された上記土質安定処理土は、その上から水を加えることにより、前記固化材と水との結合を介して土質安定処理土の土粒子間の間隙を固化することができる。
【0030】
前記石こうを主体とした固化材は、水が加えられる前は半水石こう(焼石こう)の状態であり、下記の式(1)に示すように、水と接触すると直ちに吸水する水和反応によって二水石こうに変化することにより、上記土粒子間の間隙の固化が完了する。
【0031】
CaSO4・1/2H2O(半水石こう)+3/2H2O
→CaSO4/2H2O(二水石こう) ……(1)
【0032】
このため、水と石こうの重量比にもよるが、概ね数十分程度の短時間で固化し、固化材にセメントを用いた場合のように長期間かかって促進される強度増加もない。さらに、土砂と混合するとその土砂の含有水を吸水して固化すると共に、針状結晶の形成によって細粒土を団粒化させる凝集効果をも併せ持つ。
【0033】
このような水和反応のみを有する石こうは、その強度が水との比率で決定されるため、配合設計が簡易であるばかりでなく、セメントに比べて比較的短時間で固化が完了するので、短時間での復旧(固化)を要求される建設現場の施工において有利となる。
【0034】
土質安定処理土を製造する際の固化材の量を求めるには、まず、予め室内試験において求めた締め固め密度、土砂の含水比、土粒子の密度、および水の密度等の諸元から、土粒子間の間隔量を算出する。このときの間隔量は、締め固め後に固化材と水により飽和されるから、固化材と水からなる(固化材と水の各体積の和の体積を有する)ペースト量に相当する。
【0035】
一方、図2に示すように、水と固化材の重量比(W/P)と、強度(一軸圧縮強さqu)の関係を予じめ求めておき、目標とする強度から水と固化材の重量比(W/P)を決める。そして、その目標とする強度に相当する重量比における、水と固化材の体積の和が、前記ペースト量と同等となるときの固化材の重量を求める。このときの固化材の量が、土質安定処理土を製造する際の土砂に対する添加量となる。
【0036】
図3のグラフは、石こうと水を混合してスラリー化したペーストの固化時間を、グルタミン酸を含む固化遅延剤を異る量ずつ添加して別々に測定した結果であり、同図に示すように、固化遅延剤の添加量(重量%)によって上記ペーストの固化時間を容易に調節できる。
【0037】
しかし、土砂に直接石こうを混合する場合、建設現場での施工中に土砂の表面水と接触した石こうが固化し、所定の強度が得られない。さらに土砂の含水比によって強度が大きく異なり、不安定な品質を生ずることが問題となる。
【0038】
【実験例1】
そこで、土砂を攪拌しながら固化遅延剤に水を加えた希釈遅延剤を噴霧し、石こう混合時の水和反応を抑制できるか確認するために、図4の表に示すように、砂質土に見立てた含水比の異なる山砂1000gと石こう200gを単に混合した供試体NO.1およびNO.5と、山砂に予め希釈遅延剤を噴霧して付着させた後に石こうを混合した供試体NO.2ないしNO.4、及び供試体NO.6ないしNO.8について、1日養生後の山砂の固化強度(一軸圧縮強さ)を調査した結果を示した。
【0039】
石こうを混合する前に山砂に希釈遅延剤を噴霧しない供試体NO.1およびNO.5は、山砂の含水比が8%の供試体NO.1より、その含水比が高い15%の供試体NO.5の方が、固化強度が小さくなるという結果が得られた。すなわち供試体NO.1の固化強度は258kN/m2、供試体NO.5の固化強度は76kN/m2であった。
【0040】
これは、供試体NO.5の山砂の方は、所定の石こう量を混合した後、時間の経過によって山砂中の含水と石こうのほとんどが単に水和反応してしまったことによるものと考えられ、供試体NO.1の方は山砂中の含水と水和反応した石こう以外の多くの石こうが、土粒子間の組織の固化に寄与したことによるものと考えられる。
【0041】
石こう混合前に含水比が8%の山砂に、希釈遅延剤を噴霧しない供試体NO.1と、希釈遅延剤を噴霧した各供試体NO.2,3,4を比較すると、供試体NO.2,3の方が供試体NO.1よりも固化強度が高く、供試体NO.4の方は供試体NO.1よりも固化強度が低いという結果が得られた。すなわち供試体NO.1の固化強度は258kN/m2、各供試体NO.2,3,4の固化強度は484,508,92kN/m2であった。
【0042】
これは、供試体NO.2,3の方が供試体NO.1よりも、石こう混合直後における土砂中の水と石こうとの水和反応が固化遅延剤により抑制されたことによるものと考えられる。
【0043】
石こう混合前に含水比が15%の山砂に、希釈遅延剤を噴霧しない供試体NO.5と、希釈遅延剤を噴霧した各供試体NO.6,7,8を比較すると、供試体NO.6,7の方が供試体NO.5よりも固化強度が高く、供試体NO.8の方は供試体NO.5よりも固化強度が低いという結果が得られた。すなわち供試体NO.5の固化強度は76kN/m2、各供試体NO.6,7,8の固化強度は113,93,0kN/m2であった。
【0044】
これは供試体NO.6,7の方が供試体NO.5よりも、石こう混合直後における土砂中の水と石こうとの水和反応が固化遅延剤により抑制されたことによるものと考えられる。
【0045】
以上の結果から、遅延剤添加量(重量)は、山砂の含水比にかかわらず、混合する石こうの重量に対して0.4%未満であれば、土粒子表面の水と石こうの固化反応を遅延することにより、土砂の固化強度増加に寄与する。望ましくは遅延剤添加量は、石こうに対して0.3%以下の場合に、確実に土砂の固化強度増加に寄与するものと思われる。
【0046】
これらのことから、水分を保有する土砂に石こうを混合すると、水和反応の進行により土砂の固化強度低下を招くので、その固化強度低下の抑制のためには、土砂に石こうを混合する前に固化遅延剤を付着させることが効果的であると共に、固化遅延剤を土砂に付着させないときより少ない石こうで大きな固化強度が得られるので、石こうの使用量を節減できる上でも効果的であることが分かる。
【0047】
【実験例2】
次に、図5の表に示すように、希釈遅延剤の濃度と量による土砂の固化強度への影響を確認するために、含水比の異なる(8%と15%)山砂に、濃度の異なる(1%、2%、4%)希釈遅延剤を、山砂の重量に対する混合量(希釈遅延剤添加率)を変えて付着させ、その後一定量の石こう(山砂重量の20%)を混合し、1日養生後の山砂の一軸圧縮強さ(固化強度)を測定した。同表はその固化強度を、希釈遅延剤無添加の場合の山砂の固化強度を1.00としたときの比(強度比)で示している。
【0048】
山砂の含水比8%、希釈遅延剤濃度1%のとき、希釈遅延剤を添加すると山砂の固化強度が増加するが、希釈遅延剤添加率(対山砂重量比)が多くなると、次第に強度比が小さくなる。希釈遅延剤濃度2%の場合は、希釈遅延剤添加率4%で強度比が1.0以下となり、山砂の固化強度が低下することが判明した。
【0049】
このような傾向は、希釈遅延剤濃度が4%の場合、あるいは山砂含水比が15%の場合も同様の傾向にあることが、図5の表から分かる。
【0050】
希釈遅延剤添加率を大きくすることは、山砂に対して固化遅延剤と共に水を供給していることに他ならないから、図2で示したように水と固化材の重量比(W/P)を大きくさせていることになり、結果として山砂の固化遅延による固化強度増加よりも、水の供給による固化強度低下の方が打勝ち、強度比が小さくなって、希釈遅延剤無添加の場合より山砂の固化強度が小さくなるものと考えられる。
【0051】
したがって、山砂の固化強度増加が期待できる希釈遅延剤添加率は、希釈遅延剤濃度によって、適切に選択すればよいことになる。ただし、無用な水の供給を抑制することを考慮すると、希釈遅延剤濃度は、遅延剤添加量が対石こう重量比0.3%以内(図4参照)、且つ均一な混合を可能として強度比が希釈遅延剤無添加のものより小さくならない希釈遅延剤添加率の範囲内で、濃くすることが望ましい(図5参照)。
【0052】
また、山砂の含水比が異なっても強度増加が期待できる希釈遅延剤添加率は1%であり、この場合は本発明を実施する度に砂質土の含水比が変化しても、山砂の固化強度増加の効果が期待されるものである。すなわちこの希釈遅延剤添加率1%は、山砂への均一な混合を可能として強度比が希釈遅延剤無添加のものより小さくならない数値である。
【0053】
したがって、濃くて少量の希釈遅延剤を砂質土に混合するほど、石こう系固化材を添加することにより山砂の固化強度が増加する可能性が高くなる。このため、山砂の所定の固化強度を得るための石こう系固化材の添加量を少なくすることができる。
【0054】
【具体例】
図4に示すように、山砂1000g、石こう200gのとき、総量規定0.3%以下より、使用可能な遅延剤添加量は、200×0.2%=0.4gとなる。したがって、
希釈遅延剤濃度が1%のときの希釈遅延剤量(遅延剤と水の総和量)は、0.4g/1%=40g、
希釈遅延剤濃度が2%のときの希釈遅延剤量は、0.4g/2%=20g、
希釈遅延剤濃度が4%のときの希釈遅延剤量は、0.4g/4%=10gとなる。
【0055】
このとき、図5に示す希釈遅延剤添加率(対山砂重量比)は、
希釈遅延剤濃度が1%のときは、上記のように希釈遅延剤量は40gだから、山砂の重量1000gに対して4%、
希釈遅延剤濃度が2%のときは、上記のように希釈遅延剤量は20gだから、山砂の重量1000gに対して2%、
希釈遅延剤濃度が4%のときは、上記のように希釈遅延剤量は10gだから、山砂の重量1000gに対して1%が限界値となる。
【0056】
したがって、希釈遅延剤添加率はそれらの限界値以下であれば、山砂の固化強度増加が期待されることになる。このことは、図5の表に示した実験値の強度比とほぼ合致している。
【0057】
このことから遅延剤添加量は、石こう重量に対して0.2%以下とすると共に、砂質土に混合する希釈遅延剤の重量比(希釈遅延剤添加率)は、希釈遅延濃度(事実上、4%以下)に応じて選択する。望ましい希釈遅延剤添加率は1%以下であり、この場合は確実に山砂の固化強度増加に寄与するものと思われる。
【0058】
このように本発明の土質安定処理土及びその製造方法によれば、土砂に、固化遅延剤の水溶液を均一に加えた後で、石こうを主とする固化材を均一に混合するようにしたため、固化材を土砂に混合してから極めて短時間で石こうの一部が土粒子の表面の水と結合して固化強度増加を妨げるのを防止することができる。
【0059】
このため、予めその一部が土粒子の表面の水と結合して減る分を見込んで余分な石こうの量を増やして供給する必要がなくなるので、固化材に石こうを用いた場合であっても、石こうの消費量が増大することを防止できて、土質安定処理土や施工費のコストアップを防止することができる。
【0060】
また、本発明の製造方法により製造された土質安定処理土は、固化遅延剤を土粒子に付着させているので、石こう系固化材を混合しても直ちに固化せず、土中に投入後に水を加え、その後の時間の経過により固化遅延剤の効果を失うと、固化材が水と反応してその化学的固結力によって所定の固化強度を発揮し、土粒子の相互移動を拘束する。このため、盛り土等の斜面が雨や地下水により洗掘されるのに抵抗する耐洗掘性や、容易に土砂が液状化するのを抑制する液状化抵抗性が向上する。
【0061】
また、固化遅延材の濃度および混入量を調節することで、固化開始時間を任意にコントロールでき、施工中に土質安定処理土が予定より速く固化することを防止することができる。
【0062】
このような石こう系の土質安定処理土は、粗粒土を主体としているため、高価な石こう系固化材の使用量を抑制できて経済的となるばかりか、機械的もしくは水締め工法等によって締め固めることで、容易に土粒子同士が噛み合って物理的にも安定化することができ、周辺地盤と同等以上の強度変形性能(せん断強度および破壊ひずみ)が得られる。
【0063】
さらに、固化材に使用する石こうが廃石こうである場合には、それに含有する繊維の効果により固化後の土砂の靭性が向上して、優れた変形性能に改善されると同時に、廃石こうをリサイクル利用することができるので環境の悪化防止の上でも望ましい。
【0064】
固化遅延剤付着済みの石こう系安定処理土は、施工条件に応じて、事前に加水しスラリー化後に土中に投入する方法、投入と同時に注水する水締め工法、機械転圧で締め固めた後に水を供給する方法等のいずれの方法でもよく、簡易な設備で施工できる。
【0065】
また、土中に投入後に石こう系固化材の固化に必要な水量の範囲を超えて水を加えたときでも、土粒子の間隙量を上回る水は容易に分離するので、所定の強度を確保することができる。さらにそのとき分離した余剰水は高アルカリ性となることはないので、中性化処理をすることなく無処理で排出しても環境を悪化させることはない。
【0066】
なお、建設現場での施工目的としては、地中埋設管の埋設工事、共同溝、橋台、橋脚、擁壁等の構築物の裏込め、道路などの盛り土、地中空洞部への充填等に、土工材料として上記土質安定処理土を用いることができる。
【0067】
また本発明は、図1に示すフローチャートに基づく製造方法に限定する必要はなく、他の製造方法を用いて土質安定処理土を製造してもよいことはいうまでもない。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の土質安定処理土及びその製造方法によれば、土砂に、固化遅延剤の水溶液を均一に加えた後で、石こうを主とする固化材を均一に混合するようにしたため、固化材を土砂に混合してから極めて短時間で石こうの一部が土粒子の表面の水と結合するのを防止することができる。
【0069】
このため、予めその一部が土粒子の表面の水と結合して減る分を見込んで余分な石こうの量を増やして供給する必要がなくなるので、固化材に石こうを用いた場合であっても、石こうの消費量が増大することを防止できて、土質安定処理土や施工費のコストアップを防止することができる。
【0070】
また、固化強度は、土砂の含水比に影響されないから計算による配合設計が可能であり、強度の確認試験を実施すればよく、毎回施工毎の配合試験を必要としない。
【0071】
さらに、固化遅延剤の効果で、この土質安定処理土は、一時的に仮置きが可能となり、夜間工事で使用するときも、昼間作業で作り置きができる。また土砂の固化強度は、耐洗掘性や液状化抵抗性が確保される程度であればよいため、固化強度が小さな廃石こうを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】土質安定処理土の製造方法及びその後の工程を示すフローチャートである。
【図2】水と固化材の重量比(W/P)と固化材の石こうを混合した土砂の固化後の一軸圧縮強さの関係を示すグラフである。
【図3】石こうと水を混合してスラリー化したペーストの固化時間と固化遅延剤の添加量(石こうに対する重量%)の関係を示すグラフである。
【図4】実験例1の結果を示す表である。
【図5】実験例2の結果を示す表である。
【符号の説明】
1 土砂の仮置き場
2 遅延剤貯蔵所
3 貯水場
4 希釈遅延剤溶液作製部
5 レキ・異物除去部
6 遅延剤付着設備
7 固化材貯蔵所
8 安定処理土製造部
9 土質安定処理土仮置き場
10 運搬手段
Claims (4)
- 固化遅延剤を水に溶解した水溶液を作り、
粒径が0.075mm以上の粗粒土を50%以上含んだ土砂を攪拌しながらこの土砂に前記水溶液を均一に吹きかけて前記固化遅延剤を土粒子の表面に均一に付着させ、
それから土砂を攪拌しながらこの土砂に半水石こうを主とする固化材を均一に混合するようにした
ことを特徴とする土質安定処理土の製造方法。 - 前記土質安定処理土を土中に投入してから水が加わることにより、前記固化材が水と結合して土質安定処理土を固化させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の土質安定処理土の製造方法。
- 前記固化遅延剤の石こうに対する添加量の重量比を0.4%未満とし、固化遅延剤に水を加えた希釈遅延剤の濃度を4%以下とし、この希釈遅延剤の土砂に対する添加量の重量比は希釈遅延剤の濃度に応じて6%以下の範囲内から選択するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の土質安定処理土の製造方法。
- 前記土質安定処理土を製造する際の前記固化材の量を求めるには、まず土砂の土粒子間の間隔量を算出し、目標とする強度から水と固化材の重量比を決め、この決めた重量比における水と固化材の体積の和が前記間隔量と同等となったときの固化材の量を求めるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の土質安定処理土の製造方法。
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