JP3925923B2 - 乳幼児用スリング - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
この発明は、乳幼児を抱っこする時に用いる1枚布で作られた子守帯である乳幼児用スリングの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の乳幼児を抱っこする時に用いる1枚布で作られた子守帯である乳幼児用スリングの形状は、図5に示すように、着用使用者の肩にかけるように1枚布から成るスリング本体1と、このスリング本体1の端部相互を着脱自在に接続するために、スリング本体1の一端に形成した先細状のテール接続端2と、このテール接続端2を挿通、折り返えさせて係合させる対状のリング3とを備えているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上の従来技術によれば、乳幼児用スリングの着脱時にテール接続端2をリング3から緩めるか、外して被る動作が必要であり、また着用時には毎回テール接続端2で長さの調節を必要とする等の点で面倒であった。また、抱っこされた乳幼児がリング3に頭部をぶつけ、大変危険でもあった。その上、スリング本体1を収納携帯するための収納ポーチもポケットもなく、携帯には極めて不便であった。
【0004】
そこで、この発明は、スリング本体の着脱が容易で安全性が高く、しかも携帯しやすい便利な乳幼児用スリングを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、1枚の布で作られた子守帯である乳幼児用スリングにおいて、スリング本体1の一方の端部に形成した接続端2と、他方の端部に設けたテール接続端5とに第1のオス・メスジョイント手段を設け、この第1のオス・メスジョイント手段によってスリング本体1の接続端相互を着脱自在にしたものであり、これによって、乳幼児を抱っこし、収容するときの乳幼児用スリング自体の着脱をしやすくさせる。
【0006】
また、スリング本体1の上端部に形成してある筒状部を通した落下防止兼長さ調節ベルト9の端部に第2のオス・メスジョイント手段を設け、この第2のオス・メスジョイント手段によって落下防止兼長さ調節ベルト9端部相互を結合自在にして環状に接続できるようにしたものであり、これによって、スリング本体1を輪状の接続形態とし、スリング本体1内に抱っこされた乳幼児が抱っこする人の体に密着されるものとしてスリング本体1内に収容した乳幼児の落下を防ぐ。そして、落下防止兼長さ調節ベルト9の一端は筒状部の一方から外出させてスリング本体1の一方の端部例えば後述の肩保護パッド部7に取り付けられていて、落下防止兼長さ調節ベルト9の他端は筒状部の他方から外出させてスリング本体1を締めるようになっているものとして構成することができる。
【0007】
スリング本体1には、着用使用者の肩に当たる部分に肩保護パッド部7を設けてあり、これによって、着用使用者の肩の負担を軽減させる。
【0008】
スリング本体1には、スリング本体1自体を折り畳み収納する収納ポケット18を設けてあり、これによって、乳幼児用スリング使用時に携行する各種の小物類を収納させ、乳幼児用スリングを使用しない時はスリング本体1自体を折り畳みコンパクトに収納させる。
【0009】
テール接続端5には、吊り環8を連結してあり、これによって、第1のオス・メスジョイント手段のオス体6の抜け落ちを防ぐと共に、玩具等を掛けることでこれらを携帯容易にする。
【0010】
肩保護パッド部7には、筒状部から外出した落下防止兼長さ調節ベルト9の一端が縫い付けられていて、落下防止兼長さ調節ベルト9の他端側を引っ張ることでスリング本体1を締めるようにしてある。また、肩保護パッド部7には、第1、第2のオス・メスジョイント手段を包むバックルカバー14を設けてあり、これによって、乳幼児の頭部の保護と、オス・メスジョイント手段夫々におけるメス体3、オス体6夫々、メス体13、オス体11夫々の接続が解除されることを防ぐ。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を図1及び図2、図3、図4に示してあり、図において示される符号1は乳幼児用スリングのスリング本体であり、このスリング本体1は乳幼児を包み込むように1枚の所定幅員の布(綿)で作られていて、このスリング本体1の端部夫々は、スリング本体1自体を窄ませて屏風たたみにして縫うことで設けられて一方は接続端2、他方はテール接続端5となっているものである(図2参照)。
【0012】
この接続端2には、バックル構造の第1のオス・メスジョイント手段におけるメス体3が縫い付けられており、抱っこして支持するときの乳幼児等の重みでスリング本体1から外れることのないよう強力に留めつけられている(図2参照)。
【0013】
また、スリング本体1においてのもう一方の端部であるテール接続端5には第1のオス・メスジョイント手段におけるオス体6が自由に位置決めできるようにスライド自在にして取り付けられており、スリング本体1の接続端2に縫い付けられた前記メス体3に着脱自在に嵌め合わせられることで、スリング本体1自体を輪状に接続できるようになっている。
【0014】
そして図1に示すように輪状にしたスリング本体1を、接続端2を上側に位置させて乳幼児を抱っこする着用使用者が自身の肩にかけて使用した時において、スリング本体1における着用使用者の肩に当たる部分から接続端2にかけての縫い付けられた第1のオス・メスジョイント手段のメス体3の下部まで、肩を保護するためのクッションとなるポリエステル綿入りの肩保護パッド部7が縫い付けられている(図2、図3参照)。
【0015】
テール接続端5の先端には、テール接続端5からオス体6が外れることのないように、また玩具等を掛けることができるように吊り環8を縫い付けてある。この吊り環8には、乳幼児用スリング使用時には乳幼児の玩具やおしゃぶり等を掛けることができ、乳幼児用スリング自体を使わないときにはスリング本体1を壁面等に適当に付設されたフック等に掛けておくこともできるようにしてある。
【0016】
スリング本体1の上端部すなわち着用使用者が肩等に掛けたときのスリング本体1における上側の縁部には、落下防止兼長さ調節ベルト9を設けてある。この落下防止兼長さ調節ベルト9は、スリング本体1の上端部に、この上端部に沿って縫われた筒状部分の内部を通り、スリング本体1における接続端2側で筒状部分内から突出して外部に伸びた調節ベルト一端部10に、バックル構造の第2のオス・メスジョイント手段のメス体11を取り付けてある。このメス体11を縫い付けた調節ベルト一端部10は前記肩保護パッド7上に縫い付けられている。
【0017】
一方、落下防止兼長さ調節ベルト9においての、スリング本体1における他方のテール接続端5側の上位置で筒状部分の他方の端部から外部に突出して伸びた調節ベルト他端部12には、第2のオス・メスジョイント手段のオス体13が取り付けられており、前記の第2のオス・メスジョイント手段のメス体11と着脱自在に嵌め合わせられることでジョイントするようになっている。このジョイントによって、落下防止兼長さ調節ベルト9自体は、スリング本体1の上端部が輪状に接続されるものとなるようにしてある。こうすることで、落下防止兼長さ調節ベルト9をきつく締めることによって乳幼児と抱っこする着用使用者の身体とを密着させ、乳幼児の落下を防止する働きがある。と同時に、スリング本体1の接続端2、テール接続端5夫々に取り付けられた第1のオス・メスジョイント手段のメス体3、オス体6相互の接続が万が一外れても乳幼児が落下することを防ぐ働きがある。
【0018】
また、第1のオス・メスジョイント手段におけるメス体3、オス体6夫々、第2のオス・メスジョイント手段におけるメス体11、オス体13夫々が、スリング本体1内に収容した乳幼児等の頭部にぶつかることや、外部の障害物等に当たることで相互間の結合接続が解除されること等を防止するために、ポリエステル綿入りのバックルカバー14を肩保護パッド部7に縫い付けてある。このバックルカバー14は、メス体3、オス体6夫々、メス体11、オス体13夫々のバックル構造部分を覆い隠すように被せ、面ファスナー15で閉じられるようになっている。
【0019】
更にスリング本体1の上端部すなわち着用使用者が肩に掛けて使用したときの上位置になるスリング本体1の上縁部にはポリエステル綿を挟むように布を折り込んで縫うことで形成した上縁クッション部16を設けてある。この上縁クッション部16は乳幼児の体を乳幼児用スリング自体の上端部が締め付けることを緩和する働きがある。
【0020】
一方、スリング本体1の下端部すなわち着用使用者が肩に掛けて使用したときの下位置になるスリング本体1の下縁部には同様にポリエステル綿を挟むように布を折り込んで縫うことで下縁クッション部17を設けてある。この下縁クッション部17は乳幼児の足を乳幼児用スリング自体の下端部が締め付けることを緩和する働きがある。
【0021】
スリング本体1の表面の中央部には収納ポケット18を設けてあり、乳幼児用スリング使用時にはタオルやティッシュ等の小物類を入れる等のポケットとして便利に使用できるようにしてある。
【0022】
この収納ポケット18の開口部には面ファスナー19が縫い付けられていて、収納した小物類等の中身が飛び出すことを防ぐようになっている。
【0023】
また、乳幼児用スリングを使わないときには、スリング本体1自体を畳むと共にこの収納ポケット18を裏返すことにより、収納ポケット18自体内に収納し、図4にあるように収納ポケット18の開口部に縫い付けられた面ファスナー19を閉じて、乳幼児用スリング全体をコンパクトに収納することができる構造になっている。
【0024】
更にはこの収納ポケット18の内側下部には、一本のベルトの両端を縫いつけることで形成した持ち手20を設けてあり、図4にあるように、収納ポケット18を裏返して乳幼児用スリングを収納するように収納ポーチとして使用したときに、持ち手20が外出することで乳幼児用スリング自体を容易に携帯できるように配慮してある。
【0025】
(実施形態の効果)
以上に説明した実施形態によれば、スリング本体1の接続端2、テール接続端5夫々に縫い付けられ、取り付けられた第1のオス・メスジョイント手段のメス体3、オス体6の働きで、乳幼児を抱っこし、収容するときの乳幼児用スリング自体の着脱がしやすく、更に第2のオス・メスジョイント手段のメス体13、オス体11を備えた落下防止兼長さ調節ベルト9の働きにより、収容した乳幼児の落下を防ぐことができるので安全性が向上する。
【0026】
また、テール接続端5に縫い付けられた吊り環8は、第1のオス・メスジョイント手段のオス体6が抜け落ちるのを防ぐために安全性が向上し、かつ玩具等を掛けることで携帯でき、便利である。
【0027】
スリング本体1の肩に当たる部分から接続端2に縫い付けられた肩保護パット部7の働きにより、抱っこする人である着用使用者の肩の負担を軽減することができ、またバックルカバー14があることにより乳幼児の頭部の保護と、オス・メスジョイント手段におけるメス体3、オス体夫々、メス体13、オス体11夫々の接続が解除されることを防ぐことができ、安全性を一層向上させる。
【0028】
また、乳幼児用スリング使用時において、収納ポケット18の働きによって小物類をこれに収納することで直接に携行する荷物を少なくすることができ、乳幼児用スリングを使用しない時はスリング本体1自体を折り畳みコンパクトに収納して、持ち手20により携帯することが容易となる等、乳幼児用スリングを一層使いやすくすることができる。
【0029】
(他の実施形態)
尚、図1に示された実施形態では、スリング本体1の接続端2、テール接続端5夫々に縫い付けられ、取り付けられた第1のオス・メスジョイント手段のメス体3、オス体6、落下防止兼長さ調節ベルト9自体またこの落下防止兼長さ調節ベルト9自体の端部夫々に設けた第2のオス・メスジョイント手段のメス体13、オス体11、肩保護パッド部7、落下防止兼調節ベルト9、バックルカバー14、収納ポーチを兼用する収納ポケット18等は、左肩で乳幼児用スリングを支える時の仕様であるが、右肩で使用する時にはこれに対応して構成されるように設けたものでも良い。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、乳幼児用スリングにおけるスリング本体の接続端とテール接続端とを接続するために第1のオス・メスジョイント手段を用いたので着脱しやすく、スリング本体の上端に設けた落下防止兼長さ調節ベルトを第2のオス・メスジョイント手段を用いて環状に接続可能にしたので安全性が向上し、肩保護パッド部、落下防止兼調節ベルト、バックルカバー、収納ポーチを兼用するポケット、持ち手等を設けたので、安全で収納携帯しやすい上に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】 この発明の一実施形態を示す正面図である。
【図3】この発明の一実施形態を示す裏面図である。
【図4】 この発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図5】 従来技術の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…スリング本体 2…接続端
3…第1のオス・メスジョイント手段のメス体
4…カシメ 5…テール接続端
6…第1のオス・メスジョイント手段のオス体
7…肩保護パッド部 8…吊り環
9…落下防止兼長さ調節ベルト
10…落下防止兼長さ調節ベルトの調節ベルト一端部
11…第2のオス・メスジョイント手段のメス体
12…落下防止兼長さ調節ベルトの調節ベルト他端部
13…第2のオス・メスジョイント手段のオス体
14…バックルカバー 15…面ファスナー
16…上縁クッション部 17…下縁クッション部
18…収納ポケット 19…面ファスナー
20…持ち手
Claims (1)
- 1枚の布で作られた子守帯である乳幼児用スリングにおいて、スリング本体の一方の端部に形成した接続端と、他方の端部に設けたテール接続端とに第1のオス・メスジョイント手段を設け、この第1のオス・メスジョイント手段によってスリング本体の接続端相互を着脱自在にし、スリング本体には、スリング本体自体を折り畳み収納する収納ポケットを、スリング本体の端部である着用使用者の肩に当たる部分に肩保護パッド部をそれぞれ設けると共に、スリング本体の上端部に形成してある筒状部に落下防止兼長さ調節ベルトを通し、この落下防止兼長さ調節ベルトの一端は筒状部の一方から外出させて肩保護パッド部に取り付け、他端は筒状部の他方から外出させておいて、落下防止兼長さ調節ベルトの端部相互を第2のオス・メスジョイント手段によって結合自在にして環状に接続できるようにし、また、テール接続端には吊り環を連結し、肩保護パッド部にはオス・メスジョイント手段を包むバックルカバーを設けてあることを特徴とする乳幼児用スリング。
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