JP3925891B2 - 回転軸連結機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧延機の圧延ロール等の回転軸を連結して駆動するための回転軸連結機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧延機の圧延ロールは、ユニバーサルジョイントを介してモータに接続され、このモータの駆動力によって回転するようになっている。ただし、この圧延ロールは、使用に伴いロール面が摩耗するので、適宜交換する必要がある。そこで、ユニバーサルジョイントの一端側には、図14及び図15に示すように、筒状のロールカップリング2が設けられ、圧延ロール1の軸端部に形成された横断面小判形の小判形連結部1aを、このロールカップリング2に形成された横断面小判形の小判形内孔2aに嵌合させるようにしている。ロールカップリング2の小判形内孔2aは、圧延ロール1の小判形連結部1aよりも少し大きく形成されているので、圧延ロール1の交換時には、この小判形連結部1aを容易に着脱することができる。また、横断面小判形の小判形内孔2aに小判形連結部1aが嵌合するので、これらの平面部2b,1b同士が係合して、ロールカップリング2側からの回転トルクを圧延ロール1に確実に伝えることができる。
【0003】
もっとも、ロールカップリング2の小判形内孔2aと圧延ロール1の小判形連結部1aとの間には、着脱のための隙間があるため、このまま圧延作業を行ったのでは、圧延ロール1の回転時にガタ付きによる振動が発生し圧延製品の表面にシワ等を生じさせるおそれがある。このため、従来から、ロールカップリング2には、筒状の外周に油圧拡張室付スリーブ3を外嵌し、この油圧拡張室付スリーブ3の圧迫によって小判形内孔2aを収縮させて小判形連結部1aに圧接し固定することにより、圧延ロール1のガタ付きをなくすようにしていた。
【0004】
油圧拡張室付スリーブ3は、筒状の鋼材の内部の内周面に極めて近い部分に全周にわたって薄い筒状の空間からなる油圧拡張室3aが形成されたものであり、外周面に開口した油圧口3bから高圧の油圧を加えることにより、この油圧拡張室3aを拡張させて内周面の径を収縮させることができるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記油圧拡張室付スリーブ3は、図16に示すように、油圧拡張室3aが拡張して内周面の径が全体に収縮すると、ロールカップリング2の外周面を均等に圧迫することになる。しかしながら、筒状のロールカップリング2は、外周面は円周状であるが、内周面には横断面小判形の小判形内孔2aが形成されているので、この小判形内孔2aの両平面部2bでの肉厚が円周部に比べて特に厚くなる。従って、このように肉厚が不均一なロールカップリング2の外周を均等に圧迫すると、小判形内孔2aは、図17に示すように、肉厚が厚く剛性の高い両平面部2bがそのままの形状を保って内側に平行移動するので、肉厚が薄く剛性の低い円周部は、逆に外側に膨らむように変形しようとする。
【0006】
このため、圧延ロール1の小判形連結部1aは、両平面部1bについては、ロールカップリング2の小判形内孔2aの両平面部2bの間で確実に挟持されるが、この小判形連結部1aの円周部は、小判形内孔2aの円周部に十分に挟持されず、場合によってはここに隙間が生じて、圧延作業時に圧延ロール1が小判形連結部1aの円周部方向にガタ付くおそれがあるという問題が発生していた。
【0007】
なお、ロールカップリング2の小判形内孔2aにおける両平面部2bに、図18に示すような溝2fを形成したり、スリット等を形成して、この部分の剛性を弱めることにより、圧延ロール1の小判形連結部1aを確実に保持しようとする発明も従来からなされている(特許公報第2694683号公報)。しかしながら、このような構成であっても、小判形内孔2aの両平面部2bの肉厚は、溝2fやスリット等がない部分ではまだ厚い状態であるため、全体としてはこれら両平面部2bが内側に平行移動する傾向がある程度残るので、円周部での圧迫力が弱くなるという問題は十分には解消できない。しかも、油圧拡張室付スリーブ3がロールカップリング2の外周面を圧迫した場合に、溝2fやスリットの縁部に応力が集中し易くなるので、これらのエッジ部分のみが小判形連結部1aに食い込んで点接触や線接触による挟持となり、平面部2bの面接触による確実な挟持ができないという問題も生じる。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、被連結部材の筒状部の小判形内孔を均等に収縮させることにより回転軸の小判形連結部を確実に圧接することができる回転軸連結機構を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、円周状の外周面の両側を軸心に沿う互いにほぼ平行な平面で削り取った形状の横断面小判形に形成された回転軸の軸端部の小判形連結部を、この小判形連結部よりも少し大きい横断面小判形に形成された被連結部材の筒状部の小判形内孔に挿入し、この被連結部材の筒状部の外周に外嵌された押圧装置の内周径を全体に収縮させることにより、筒状部を圧迫して小判形内孔を回転軸の小判形連結部に圧接し固定する回転軸連結機構において、
被連結部材の筒状部の外周面を、小判形内孔の円周部よりも径の大きい同心であり、かつ、この小判形内孔の平面部とほぼ平行な平面部を備えた横断面小判形に形成すると共に、
この筒状部の外周面の両平面部と押圧装置の内周面との間に形成された隙間にスペーサが挿入されて保持されており、前記スペーサはそれぞれ外周側の面に筒状部の外周面の円周部に沿った円周面が形成された横断面弓形のスペーサであることを特徴とする。
【0010】
請求項1の発明によれば、押圧装置が内周径を収縮すると、筒状部の外周面における円周部は直接圧迫されるが、両平面部は、それぞれスペーサを介して圧迫されることになる。この際、スペーサは、外周側の円周面の全体が押圧装置の内周面によって均等に圧迫されるので、内側に平行移動し、筒状部の外周面の平面部を全体に均等に圧迫することになる。また、筒状部は、内周面と外周面が共に同心の横断面小判形に形成されているので、円周部と平面部の肉厚をほぼ等しくすることができる。従って、この筒状部は、外周面の円周部と平面部にほぼ均等な圧迫力を受け、しかも、肉厚もほぼ等しいことから、小判形内孔をほぼ均等に収縮させて、回転軸の小判形連結部に均一に圧接することができるようになる。なお、筒状部の外周面は、必ずしも全長にわたって横断面小判形に形成する必要はなく、少なくとも中央部に形成されていればよい。
【0011】
請求項2の発明は、円周状の外周面の両側を軸心に沿う互いにほぼ平行な平面で削り取った形状の横断面小判形に形成された回転軸の軸端部の小判形連結部を、この小判形連結部よりも少し大きい横断面小判形に形成された被連結部材の筒状部の小判形内孔に挿入し、この被連結部材の筒状部の外周に外嵌された押圧装置の内周径を全体に収縮させることにより、筒状部を圧迫して小判形内孔を回転軸の小判形連結部に圧接し固定する回転軸連結機構において、被連結部材の筒状部の外周面を、小判形内孔の円周部よりも径の大きい同心の円周面に形成すると共に、この筒状部の外周面における小判形内孔の両平面部の外周側の部分に、軸方向に沿った凹溝をそれぞれ形成し、これらの凹溝内にほとんど隙間なく嵌合し、かつ、外周側の面に筒状部の外周面に沿った円周面が形成されたスペーサをそれぞれ挿入したことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明によれば、押圧装置が内周径を収縮すると、筒状部の外周面における円周部は直接圧迫されるが、凹溝の部分は、スペーサを介して圧迫されることになる。この際、スペーサは、外周側の円周面の全体が押圧装置の内周面によって均等に圧迫されるので、内側に平行移動し、凹溝の底面全体を均等に圧迫することになる。また、筒状部は、凹溝の底面と小判形内孔の平面部との間の肉厚を小判形内孔の円周部の肉厚とほぼ等しくすることができる。従って、この筒状部は、小判形内孔の円周部と平面部の中央にほぼ均等な圧迫力を受け、しかも、これらの肉厚がほぼ等しいことから、小判形内孔を四方からほぼ均等に収縮させて回転軸の小判形連結部に均一に圧接することができるようになる。なお、凹溝は、必ずしも全長にわたって筒状部の外周面に形成する必要はなく、少なくとも中央部に形成されていればよい。
【0013】
請求項3の発明は、円周状の外周面の両側を軸心に沿う互いにほぼ平行な平面で削り取った形状の横断面小判形に形成された回転軸の軸端部の小判形連結部を、この小判形連結部よりも少し大きい横断面小判形に形成された被連結部材の筒状部の小判形内孔に挿入し、この被連結部材の筒状部の外周に外嵌された押圧装置の内周径を全体に収縮させることにより、筒状部を圧迫して小判形内孔を回転軸の小判形連結部に圧接し固定する回転軸連結機構において、
被連結部材の筒状部の外周面を、小判形内孔の円周部よりも径の大きい同心の円周面に形成すると共に、この筒状部の外周面における小判形内孔の両平面部の外周側の部分に、軸方向に沿った凹溝をそれぞれ形成し、
前記凹溝内にスペーサをそれぞれ挿入すると共に、これらのスペーサの両側面と凹溝の両内側面との間に隙間を設けたことを特徴とする。
【0014】
押圧装置がスペーサの外周側の面を強く圧迫すると、このスペーサの側縁部が両側に膨らみ凹溝を押し広げるように圧接して一体化する。また、この押圧装置が筒状部の外周面を圧迫すると、凹溝の縁部が溝内側に膨らみスペーサを両側から挟み込むように圧接して一体化する。しかし、この請求項3の発明によれば、スペーサと凹溝との間に隙間を設けるので、押圧装置に圧迫されても、このスペーサが凹溝内を移動自在となり一体化するのを防止できるようになる。
【0015】
請求項4の発明は、前記筒状部の外周面における凹溝との各縁部が、他の部分の円周面よりも軸心側に湾曲した周面をなすことを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明では、スペーサの外周側の面と筒状部の外周面とが同じ円周面を成すように形成されていたので、押圧装置が内周径を収縮すると、これら筒状部の凹溝の周囲とスペーサとが一体となって圧迫され、従来のようにこれら全体が平行移動する可能性がある。しかし、請求項4の発明によれば、筒状部の外周面が凹溝の縁部で内側に湾曲するので、押圧装置は凹溝の縁部よりもスペーサの方を強く押圧する。従って、筒状部は、小判形内孔の円周部と、スペーサに押された平面部の中央にほぼ均等な圧迫力を受けるので、この小判形内孔を四方からほぼ均等に収縮させて回転軸の小判形連結部に均一に圧接することができるようになる。しかも、筒状部の外周面における凹溝の縁部での湾曲の程度を調整すれば、小判形内孔の全体をほぼ均等に収縮させることも容易である。
【0017】
請求項5の発明は、前記スペーサの外周側の円周面が、筒状部の外周面よりも軸心側に引き込んだ円周面をなすことを特徴とする。
【0018】
請求項2の発明では、スペーサの外周側の面と筒状部の外周面とが同じ円周面を成すように形成されていたので、押圧装置が内周径を収縮すると、これら筒状部の凹溝の周囲とスペーサとが一体となって圧迫され、従来のようにこれら全体が平行移動する可能性がある。しかし、請求項5の発明によれば、スペーサの外周側の面が内側に引き込んでいるので、押圧装置はスペーサよりも凹溝の縁部の方を強く押圧する。従って、筒状部は、小判形内孔の円周部と平面部の両側の部分にほぼ均等な圧迫力を受けるので、この小判形内孔を円周部の周囲からほぼ均等に収縮させて回転軸の小判形連結部に均一に圧接することができるようになる。しかも、スペーサの外周側の面の引き込み量を調整すれば、小判形内孔の全体をほぼ均等に収縮させることも容易である。
【0019】
請求項6の発明は、円周状の外周面の両側を軸心に沿う互いにほぼ平行な平面で削り取った形状の横断面小判形に形成された回転軸の軸端部の小判形連結部を、この小判形連結部よりも少し大きい横断面小判形に形成された被連結部材の筒状部の小判形内孔に挿入し、この被連結部材の筒状部の外周に外嵌された押圧装置の内周径を全体に収縮させることにより、筒状部を圧迫して小判形内孔を回転軸の小判形連結部に圧接し固定する回転軸連結機構において、被連結部材の筒状部の外周面を、小判形内孔の円周部よりも径の大きい同心であり、かつ、この小判形内孔の平面部とほぼ平行な平面部を備えた横断面小判形に形成すると共に、この筒状部の外周面の両平面部の中央に、軸方向に沿った突起であり、外周側の面に筒状部の外周面の円周部に沿った円周面が形成された凸部をそれぞれ形成し、この筒状部の外周面の両平面部における凸部の両側と押圧装置の内周面との間に、それぞれ外周側の面に筒状部の外周面の円周部に沿った円周面が形成された横断面扇形のスペーサを挿入したことを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明によれば、押圧装置が内周径を収縮すると、筒状部の外周面における円周部と凸部の外周側の円周面は直接圧迫されるが、この凸部の両側は、スペーサを介して圧迫されることになる。この際、スペーサは、外周側の円周面の全体が押圧装置の内周面によって均等に圧迫されるので、内側に平行移動し、凸部の両側の平面部全体を均等に圧迫することになる。また、筒状部は、凸部の両側の平面部と小判形内孔の平面部との間の肉厚をこの小判形内孔の円周部の肉厚とほぼ等しくすることができる。従って、この筒状部は、小判形内孔の円周部と平面部の両側の部分にほぼ均等な圧迫力を受け、しかも、これらの肉厚がほぼ等しいことから、小判形内孔を円周部の周囲からほぼ均等に収縮させて回転軸の小判形連結部に均一に圧接することができるようになる。なお、筒状部の外周面は、必ずしも全長にわたって横断面小判形に形成する必要はなく、少なくとも中央部に形成されていればよい。
【0021】
請求項7の発明は、前記スペーサの外周側の円周面が、凸部に近いほど他の部分よりも軸心側に湾曲した周面をなすことを特徴とする。
【0022】
請求項6の発明では、スペーサの外周側の面が、筒状部の外周面の円周部や凸部の外周側の円周面と同じ円周面を成すように形成されていたので、押圧装置が内周径を収縮すると、このスペーサが凸部と一体になって圧迫され、従来のようにこれら全体が平行移動する可能性がある。しかし、請求項7の発明によれば、スペーサの外周側の円周面が凸部に近い部分で内側に湾曲するので、押圧装置はスペーサよりも凸部の方を強く押圧する。従って、筒状部は、小判形内孔の円周部と、凸部に押された平面部の中央にほぼ均等な圧迫力を受けるので、この小判形内孔を四方からほぼ均等に収縮させて回転軸の小判形連結部に均一に圧接することができるようになる。しかも、スペーサの湾曲の程度を調整すれば、小判形内孔の全体をほぼ均等に収縮させることも容易である。
【0023】
請求項8の発明は、前記被連結部材の筒状部の外周面における凸部の外周側の円周面が、筒状部の外周面の円周部よりも軸心側に引き込んだ円周面をなすことを特徴とする。
【0024】
請求項6の発明では、凸部の外周側の面が、筒状部の外周面の円周部やスペーサの外周側の面と同じ円周面を成すように形成されていたので、押圧装置が内周径を収縮すると、この凸部がスペーサと一体になって圧迫され、従来のようにこれら全体が平行移動する可能性がある。しかし、請求項8の発明によれば、凸部の外周側の面が内側に引き込んでいるので、押圧装置は凸部よりもスペーサの方を強く押圧する。従って、筒状部は、小判形内孔の円周部と平面部の両側の部分にほぼ均等な圧迫力を受けるので、この小判形内孔を円周部の周囲からほぼ均等に収縮させて回転軸の小判形連結部に均一に圧接することができるようになる。しかも、スペーサの外周側の面の引き込み量を調整すれば、小判形内孔の全体をほぼ均等に収縮させることも容易である。
【0025】
請求項9の発明は、前記スペーサの側面と凸部の側面との間に隙間を設けたことを特徴とする。
【0026】
押圧装置がスペーサの外周側の面を強く圧迫すると、このスペーサの側縁部が両側に膨らみ凸部に圧接して一体化する。また、この押圧装置が凸部の外周側の面を圧迫すると、この凸部の縁部が膨らみスペーサに圧接して一体化する。このため、請求項6〜請求項8の発明では、押圧装置の圧迫によってスペーサと凸部が一体化するために、従来のようにこれら全体が平行移動する可能性が生じる。しかし、請求項9の発明によれば、スペーサと凸部との間に隙間を設けるので、押圧装置に圧迫されても、このスペーサが移動自在となり平面部を確実に圧迫することができるので、小判形内孔をほぼ均等に収縮させることができるようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0028】
図1〜図3は本発明の第1実施形態を示すものであって、図1は圧延機の回転軸連結機構の構成を示す横断面図、図2は圧延機の回転軸連結機構の構成を示す軸方向断面図、図3はロールカップリングとスペーサの構成を示す分解斜視図である。なお、図14〜図18に示した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【0029】
本実施形態は、図1及び図2に示すように、従来例と同様の圧延機の圧延ロール1をロールカップリング2に連結する回転軸連結機構について説明する。圧延ロール1の軸端部には、従来例と同様に、横断面小判形の小判形連結部1aが形成されている。横断面小判形とは、軸体の円周状の外周面の両側を軸心に沿う互いにほぼ平行な平面で削り取った形状をいい、外周面のうちで平面により削り取られた部分がそれぞれ平面部となり、残りの部分が円周部となる。また、通常はこれらの平面部が軸心から等距離となり左右対称の形状をなす。ただし、横断面小判形の孔の場合には、この軸体の外周面が隙間なく嵌合するような孔形状をいう。
【0030】
ロールカップリング2は、ユニバーサルジョイントの一端部に形成された、圧延ロール1を連結するための筒状部であり、図3に示すように、この筒状部の内周には、小判形内孔2aが形成されている。小判形内孔2aは、圧延ロール1の小判形連結部1aよりも少し大きい横断面小判形に形成された孔、即ち小判形連結部1aの外周面との間にほぼ均一なわずかずつの隙間が形成されるような横断面小判形の孔である。また、ロールカップリング2の外周面は、図1に示すように、小判形内孔2aと同心状の横断面小判形に形成されている。従って、このロールカップリング2の外周面は、小判形内孔2aの円周部と同心であり、これよりも径の大きい円周面の円周部と、この小判形内孔2aの平面部2bと平行な平面部2cを備えている。また、このロールカップリング2の外周面の横断面小判形は、小判形内孔2aとほぼ相似形に形成することにより、筒状の肉厚が等しくなるようにしている。なお、本実施形態では、ロールカップリング2の外周面は、図2及び図3に示すように、軸方向の基部と端縁部を除く中央部だけを横断面小判形に形成し、この基部と端縁部については、外周面の全周が円周面となっている。
【0031】
上記ロールカップリング2の外周には、図1及び図2に示すように、油圧拡張室付スリーブ3が外嵌される。油圧拡張室付スリーブ3は、従来例と同様に、内周にロールカップリング2の外周の円周面よりもわずかに大きい円周面を備えた筒体であり、この内周面に極めて近い部分に全周にわたって薄い筒状の空間からなる油圧拡張室3aが形成されたものである。そして、この油圧拡張室3aには、外周面に開口する油圧口3bが通じていて、この油圧口3bから高圧の油圧を加えることにより、この油圧拡張室3aを拡張させて内周面の径を収縮させることができるようになっている。
【0032】
また、上記ロールカップリング2の外周面における横断面小判形の平面部2cと、油圧拡張室付スリーブ3の内周面との間には、それぞれスペーサ4が挿入されている。これらのスペーサ4は、図3に示すように、外周側の面にロールカップリング2の外周面の円周部に沿った円周面が形成された横断面弓形をなし、このロールカップリング2の外周面の平面部2cと油圧拡張室付スリーブ3の内周面との間にほとんど隙間なく嵌まり込むようになっている。
【0033】
上記構成の回転軸連結機構は、まず圧延ロール1の軸端部の小判形連結部1aをロールカップリング2の小判形内孔2aに挿入する。この場合、小判形内孔2aは、小判形連結部1aよりも少し大きく形成されているので、容易に挿入することができる。次に、油圧拡張室付スリーブ3の油圧口3bに高圧の油圧を加えて内周径を収縮させる。すると、この油圧拡張室付スリーブ3の内周面は、ロールカップリング2の外周面における円周部とスペーサ4の外周側の円周面を内側に向けて圧迫する。そして、スペーサ4は、外周側の円周面が均等に圧迫されるので、内側に平行移動し、ロールカップリング2の外周面における平面部2cを全体に均等に圧迫する。従って、ロールカップリング2の外周面は、実質的に内周面が横断面小判形に形成された油圧拡張室付スリーブ3によって均等に圧迫された場合と同様に、円周部と平面部2cとが均等に圧迫される。しかも、ロールカップリング2の外周面の横断面小判形は、小判形内孔2aとの間の肉厚が全周にわたってほぼ等しいので、この外周面が均等に圧迫されると、小判形内孔2aも均等に収縮する。このため、ロールカップリング2は、小判形内孔2aを均等に収縮させて、圧延ロール1の小判形連結部1aの外周面に均一に圧接し、これを確実に固定することができる。
【0034】
ところで、油圧拡張室付スリーブ3の内周面が横断面小判形に形成されていれば、スペーサ4を用いなくてもロールカップリング2の横断面小判形の外周面を均等に圧迫することができる。しかし、油圧拡張室付スリーブ3は、円筒形の本体の内周にわずかに径が小さく極めて薄い筒体を隙間が等しくなるように挿入し、両端の開口部を溶接により封止することにより製造されるものである。従って、この油圧拡張室付スリーブ3の内周面を横断面小判形に形成しようとすると、横断面小判形の内周面にさらに横断面小判形の極めて薄い筒体を挿入し溶接しなければならないので、精度の高い加工が極めて困難となり現実的ではない。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、ロールカップリング2の小判形内孔2aが圧延ロール1の小判形連結部1aの外周面を均一に圧接し固定するので、圧延作業時に圧延ロール1に半径方向の強い力が加わった場合にも、ロールカップリング2との間にガタ付きが生じないようにすることができる。
【0036】
なお、上記実施形態では、ロールカップリング2の外周面における軸方向の中央部のみを横断面小判形としたが、基部や端縁部も同様に横断面小判形とすることができる。
【0037】
図4〜図8は本発明の第2実施形態を示すものであって、図4は圧延機の回転軸連結機構を説明するためのロールカップリングとスペーサの横断面図、図5は外周面を湾曲させたロールカップリングとスペーサの横断面図、図6はロールカップリングと外周面を引き込ませたスペーサの横断面図、図7は凹溝に隙間を設けたロールカップリングとスペーサの横断面図、図8は凹溝の隙間を外周側ほど広くしたロールカップリングとスペーサの横断面図である。なお、図1〜図3に示した第1実施形態と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【0038】
本実施形態は、第1実施形態と同様に、圧延機の圧延ロール1をロールカップリング2に連結する回転軸連結機構について説明する。圧延ロール1と油圧拡張室付スリーブ3の構成は、第1実施形態と同じである。また、ロールカップリング2も、第1実施形態とほぼ同様であり、図4に示すように、内周には、小判形内孔2aが形成されている。しかし、このロールカップリング2の外周面は、小判形内孔2aの円周部と同心であり、これよりも径の大きい円周面が形成されると共に、この円周面における小判形内孔2aの両平面部2bの外周側の部分に、それぞれ軸方向に沿った凹溝2dが形成されている。凹溝2dは、小判形内孔2aの平面部2bと平行な底面を備えると共に、この底面に直交する両側壁を備えた溝であり、小判形内孔2aの円周部と外周面との間の肉厚と、凹溝2dの底面と平面部2bとの間の肉厚が等しくなるようにしている。なお、この凹溝2dは、ロールカップリング2の軸方向の中央部だけに形成してもよいし、基部と端縁部を含むように形成することもできる。
【0039】
上記ロールカップリング2の外周には、第1実施形態と同じ油圧拡張室付スリーブ3が外嵌される。また、これらのロールカップリング2の凹溝2d内と油圧拡張室付スリーブ3の内周面との間には、それぞれスペーサ4が挿入される。これらのスペーサ4は、底面と両側面は凹溝2d内にほとんど隙間なく嵌まり込み、外周側の面にロールカップリング2の外周面に沿った円周面が形成されたものである。
【0040】
上記構成の回転軸連結機構も、第1実施形態と同様に、圧延ロール1の軸端部の小判形連結部1aをロールカップリング2の小判形内孔2aに挿入し、油圧拡張室付スリーブ3の油圧口3bに高圧の油圧を加えて内周径を収縮させる。すると、この油圧拡張室付スリーブ3の内周面は、ロールカップリング2の外周面における凹溝2d以外の円周面とスペーサ4の外周側の円周面とを内側に向けて圧迫する。そして、スペーサ4は、外周側の円周面が均等に圧迫されるので、凹溝2d内を内側に平行移動し、この凹溝2dの底面を全体に均等に圧迫することになる。従って、ロールカップリング2の外周面は、円周面と凹溝2dの底面とが均等に圧迫される。しかも、ロールカップリング2の小判形内孔2aの円周部と凹溝2dの底面の肉厚がほぼ等しいので、これらが均等に圧迫されると、小判形内孔2aが四方からほぼ均等に収縮される。このため、ロールカップリング2は、小判形内孔2aの円周部と平面部2bの中央を均等に収縮させて、圧延ロール1の小判形連結部1aの外周面に均一に圧接し、これを確実に固定することができる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、ロールカップリング2の小判形内孔2aが圧延ロール1の小判形連結部1aの外周面をほぼ均一に圧接し固定するので、圧延作業時に圧延ロール1に半径方向の強い力が加わった場合にも、ロールカップリング2との間にガタ付きが生じないようにすることができる。
【0042】
なお、上記実施形態では、スペーサ4の外周側の面とロールカップリング2の外周面とが同じ円周面を成すように形成されていたので、油圧拡張室付スリーブ3が内周径を収縮すると、この凹溝2dの縁部の肉厚の厚い部分がスペーサ4と共に同時に押圧されて、一体となって平行移動する可能性がある。すると、小判形内孔2aの肉厚の薄い円周部側が従来のように逆に外側に膨らむように変形しようとする場合が生じるので、図5に示すように、ロールカップリング2の外周面における凹溝2dの縁部を内側に湾曲させて、本来の円周面よりも軸心側に引き込んだ形状とすることもできる。このようにすれば、油圧拡張室付スリーブ3の内周径が収縮した場合に、ロールカップリング2の凹溝2dの縁部よりもスペーサ4の方が強く押圧されるので、このスペーサ4が凹溝2dの縁部と一体になって平行移動するようなことがなくなる。従って、小判形内孔2aの円周部と、スペーサ4だけに押された平面部2bの中央とがほぼ均等な圧迫力を受けるようになるので、この小判形内孔2aを四方からほぼ均等に収縮させて圧延ロール1の小判形連結部1aに均一に圧接することができるようになる。しかも、このロールカップリング2における凹溝2dの縁部での外周面の湾曲の程度を調整すれば、小判形内孔2aの全体をほぼ均等に収縮させることも容易である。
【0043】
また、ロールカップリング2の凹溝2dの縁部を湾曲させる代わりに、図6に示すように、スペーサ4の外周側の円周面を本来の円周面よりも軸心側に引き込ませることもできる。このようにすれば、油圧拡張室付スリーブ3の内周径が収縮した場合に、ロールカップリング2の凹溝2dの縁部の方がスペーサ4よりも強く押圧されるので、この凹溝2dの縁部とスペーサ4とが一体になって平行移動するようなことがなくなる。そして、小判形内孔2aの円周部と平面部2bの両側とがほぼ均等な圧迫力を受けるようになるので、この小判形内孔2aを円周部の周囲からほぼ均等に収縮させて圧延ロール1の小判形連結部1aに均一に圧接することができるようになる。しかも、スペーサ4の外周側の面の引き込み量を調整すれば、小判形内孔2aの全体をほぼ均等に収縮させることも容易である。
【0044】
さらに、ロールカップリング2の凹溝2dの縁部を湾曲させたり、スペーサ4の外周側の面を引き込ませる代わりに、又は、これらと同時に、図7に示すように、スペーサ4の両側面と凹溝2dの両内側面との間に隙間Sを設けてもよい。スペーサ4が凹溝2dに隙間なく嵌合されていると、油圧拡張室付スリーブ3が内周径を収縮したときに、これによって圧迫されたスペーサ4の外周面の縁部が凹溝2d内側に撓んだり、この凹溝2dの縁部がスペーサ4側に撓むことにより、これら凹溝2dの縁部の肉厚の厚い部分がスペーサ4と一体になって、従来のように全体に平行移動する可能性がある。そこで、スペーサ4と凹溝2dとの間に隙間Sを設けておけば、このスペーサ4が独立して凹溝2d内を移動できるようになり、この凹溝2dの底面を確実に圧迫し、又は、適度に圧迫することができるので、圧延ロール1の小判形連結部1aに均一に圧接させることができるようになる。また、油圧拡張室付スリーブ3の圧迫により、スペーサ4や凹溝2dの縁部は、外周側ほど大きく撓むので、隙間Sは、図8に示すように、外周側ほど間隔が広くなるように形成してもよい。
【0045】
図9〜図13は本発明の第3実施形態を示すものであって、図9は圧延機の回転軸連結機構を説明するためのロールカップリングとスペーサの横断面図、図10はロールカップリングと外周面を湾曲させたスペーサの横断面図、図11は凸部の外周面を引き込ませたロールカップリングとスペーサの横断面図、図12は凸部の両側に隙間を設けたロールカップリングとスペーサの横断面図、図13は凸部の両側の隙間を外周側ほど広くしたロールカップリングとスペーサの横断面図である。なお、図1〜図8に示した第1実施形態や第2実施形態と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【0046】
本実施形態も、第1実施形態や第2実施形態と同様に、圧延機の圧延ロール1をロールカップリング2に連結する回転軸連結機構について説明する。圧延ロール1と油圧拡張室付スリーブ3の構成は、第1実施形態や第2実施形態と同じである。また、ロールカップリング2も、第1実施形態や第2実施形態とほぼ同様であり、図9に示すように、内周には、小判形内孔2aが形成されている。しかし、このロールカップリング2の外周面は、小判形内孔2aと同心状の横断面小判形に形成されると共に、この外周面の両平面部2cの中央に凸部2eがそれぞれ形成されている。従って、このロールカップリング2の外周面は、小判形内孔2aの円周部と同心であり、これよりも径の大きい円周面の円周部と、この小判形内孔2aの平面部2bと平行な平面部2cを備えている。また、凸部2eは、これらの平面部2cの中央に軸方向に沿って形成された突起であり、この突起の外周側の面には、ロールカップリング2の外周面の円周部に沿った円周面が形成されている。なお、ロールカップリング2の外周面は、第1実施形態と同様に、軸方向の基部と端縁部を除く中央部だけを横断面小判形に形成してもよいし、外周面の全体を横断面小判形に形成してもよい。
【0047】
上記ロールカップリング2の外周には、第1実施形態や第2実施形態と同じ油圧拡張室付スリーブ3が外嵌される。また、これらのロールカップリング2の外周面における凸部2eの両側の平面部2cと油圧拡張室付スリーブ3の内周面との間には、それぞれスペーサ4が挿入されている。これらのスペーサ4は、底面と片側の側面は平面部2cと凸部2eの側面に接し、外周側の面にロールカップリング2の外周面の円周部に沿った円周面が形成されたものである。
【0048】
上記構成の回転軸連結機構も、第1実施形態や第2実施形態と同様に、圧延ロール1の軸端部の小判形連結部1aをロールカップリング2の小判形内孔2aに挿入し、油圧拡張室付スリーブ3の油圧口3bに高圧の油圧を加えて内周径を収縮させる。すると、この油圧拡張室付スリーブ3の内周面は、ロールカップリング2の外周面における円周部と凸部2eの外周側の円周面とスペーサ4の外周側の円周面とを内側に向けて圧迫する。そして、スペーサ4は、外周側の円周面が均等に圧迫されるので、内側に平行移動し、平面部2cを全体に均等に圧迫することになる。従って、ロールカップリング2の外周面は、円周部と平面部2cの両側の部分とが均等に圧迫される。しかも、このロールカップリング2の小判形内孔2aの円周部と平面部2cの両側は、肉厚がほぼ等しいので、これらが均等に圧迫されると、小判形内孔2aが円周部の周囲でほぼ均等に収縮される。このため、ロールカップリング2は、小判形内孔2aの円周部と平面部2bの両側を均等に収縮させて、圧延ロール1の小判形連結部1aの外周面にほぼ均一に圧接し、これを確実に固定することができる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、ロールカップリング2の小判形内孔2aが圧延ロール1の小判形連結部1aの外周面をほぼ均一に圧接し固定するので、圧延作業時に圧延ロール1に半径方向の強い力が加わった場合にも、ロールカップリング2との間にガタ付きが生じないようにすることができる。
【0050】
なお、上記実施形態では、スペーサ4の外周側の面と凸部2eの外周側の面とが同じ円周面を成すように形成されていたので、油圧拡張室付スリーブ3が内周径を収縮すると、この凸部2eとスペーサ4とが同時に押圧されて一体となり、全体として平行移動する可能性があるため、小判形内孔2aの肉厚の薄い円周部側が従来のように逆に外側に膨らむように変形しようとする場合が生じる。このため、図10に示すように、スペーサ4の外周側の円周面を凸部2eに近いほど他の部分よりも軸心側に湾曲した周面をなすように形成することもできる。このようにすれば、油圧拡張室付スリーブ3の内周径が収縮した場合に、スペーサ4よりも凸部2eの方が強く押圧されるので、小判形内孔2aの円周部と平面部2bの中央とがほぼ均等な圧迫力を受けるようになり、この小判形内孔2aを四方からほぼ均等に収縮させて圧延ロール1の小判形連結部1aに均一に圧接することができるようになる。しかも、このスペーサ4の外周面の湾曲の程度を調整すれば、小判形内孔2aの全体をほぼ均等に収縮させることも容易である。
【0051】
また、スペーサ4の外周側の面を湾曲させる代わりに、図11に示すように、凸部2eの外周側の円周面を本来の円周面よりも軸心側に引き込ませることもできる。このようにすれば、油圧拡張室付スリーブ3の内周径が収縮した場合に、スペーサ4の方が凸部2eよりも強く押圧されるので、これらスペーサ4と凸部2eとが一体になって平行移動するようなことがなくなる。そして、小判形内孔2aの円周部と平面部2bの両側とがほぼ均等な圧迫力を受けるようになるので、この小判形内孔2aを円周部の周囲からほぼ均等に収縮させて圧延ロール1の小判形連結部1aに均一に圧接することができるようになる。しかも、凸部2eの外周側の面の引き込み量を調整すれば、小判形内孔2aの全体をほぼ均等に収縮させることも容易である。
【0052】
さらに、スペーサ4の外周側の面を湾曲させたり、凸部2eの外周側の面を引き込ませる代わりに、又は、これらと同時に、図12に示すように、スペーサ4の側面と凸部2eの両側面との間に隙間Sを設けてもよい。スペーサ4が凸部2eの両側に隙間なく嵌合されていると、油圧拡張室付スリーブ3が内周径を収縮したときに、これによって圧迫されたスペーサ4の縁部が凸部2e側に撓んだり、この凸部2eの縁部がスペーサ4側に撓むことにより、これら肉厚の厚い凸部2eがスペーサ4と一体になって、従来のように全体に平行移動する可能性がある。そこで、スペーサ4と凸部2eとの間に隙間Sを設けておけば、このスペーサ4が凸部2eとは独立して移動できるようになり、平面部2cの両側の部分を確実に圧迫し、又は、適度に圧迫することができるので、圧延ロール1の小判形連結部1aに均一に圧接させることができるようになる。また、油圧拡張室付スリーブ3の圧迫により、スペーサ4や凸部2eの縁部は、外周側ほど大きく撓むので、隙間Sは、図13に示すように、外周側ほど間隔が広くなるように形成してもよい。
【0053】
さらに、上記第1〜第3の実施形態では、ロールカップリング2を圧迫するために油圧拡張室付スリーブ3を用いたが、このロールカップリング2の外周面をほぼ均等に圧迫するものであれば、どのような押圧装置を用いてもよい。例えば、油圧拡張室付スリーブ3のような機械構造によって内周径を収縮させる他、物理構造や熱膨張/収縮によって内周径を収縮させるようなものであってもよい。
【0054】
さらに、上記第1〜第3の実施形態では、圧延機の圧延ロール1をロールカップリング2に連結する回転軸連結機構について説明したが、その他の回転軸を連結する回転軸連結機構についても、同様に実施可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の回転軸連結機構によれば、被連結部材の筒状部の要所の肉厚を均一にしてスペーサを介して押圧するので、この筒状部の小判形内孔を回転軸の小判形連結部に確実に圧接して固定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示すものであって、圧延機の回転軸連結機構の構成を示す横断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態を示すものであって、圧延機の回転軸連結機構の構成を示す軸方向縦断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態を示すものであって、ロールカップリングとスペーサの構成を示す分解斜視図である。
【図4】 本発明の第2実施形態を示すものであって、圧延機の回転軸連結機構を説明するためのロールカップリングとスペーサの横断面図である。
【図5】 本発明の第2実施形態を示すものであって、外周面を湾曲させたロールカップリングとスペーサの横断面図である。
【図6】 本発明の第2実施形態を示すものであって、ロールカップリングと外周面を引き込ませたスペーサの横断面図である。
【図7】 本発明の第2実施形態を示すものであって、凹溝に隙間を設けたロールカップリングとスペーサの横断面図である。
【図8】 本発明の第2実施形態を示すものであって、凹溝の隙間を外周側ほど広くしたロールカップリングとスペーサの横断面図である。
【図9】 本発明の第3実施形態を示すものであって、圧延機の回転軸連結機構を説明するためのロールカップリングとスペーサの横断面図である。
【図10】 本発明の第3実施形態を示すものであって、ロールカップリングと外周面を湾曲させたスペーサの横断面図である。
【図11】 本発明の第3実施形態を示すものであって、凸部の外周面を引き込ませたロールカップリングとスペーサの横断面図である。
【図12】 本発明の第3実施形態を示すものであって、凸部の両側に隙間を設けたロールカップリングとスペーサの横断面図である。
【図13】 本発明の第3実施形態を示すものであって、凸部の両側の隙間を外周側ほど広くしたロールカップリングとスペーサの横断面図である。
【図14】 従来例を示すものであって、圧延機の回転軸連結機構の構成を示す縦断面斜視図である。
【図15】 従来例を示すものであって、圧延機の回転軸連結機構の構成を示す縦断面図である。
【図16】 従来例を示すものであって、圧延機の回転軸連結機構の構成を示す横断面図である。
【図17】 従来例を示すものであって、ロールカップリングの変形の様子を示す側面図である。
【図18】 他の従来例を示すものであって、圧延機の回転軸連結機構の構成を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 圧延ロール
1a 小判形連結部
1b 平面部
2 ロールカップリング
2a 小判形内孔
2b 平面部
2c 平面部
2d 凹溝
2e 凸部
3 油圧拡張室付スリーブ
4 スペーサ
Claims (9)
- 円周状の外周面の両側を軸心に沿う互いにほぼ平行な平面で削り取った形状の横断面小判形に形成された回転軸の軸端部の小判形連結部を、この小判形連結部よりも少し大きい横断面小判形に形成された被連結部材の筒状部の小判形内孔に挿入し、この被連結部材の筒状部の外周に外嵌された押圧装置の内周径を全体に収縮させることにより、筒状部を圧迫して小判形内孔を回転軸の小判形連結部に圧接し固定する回転軸連結機構において、
被連結部材の筒状部の外周面を、小判形内孔の円周部よりも径の大きい同心であり、かつ、この小判形内孔の平面部とほぼ平行な平面部を備えた横断面小判形に形成すると共に、
この筒状部の外周面の両平面部と押圧装置の内周面との間に形成された隙間にスペーサが挿入されて保持されており、前記スペーサはそれぞれ外周側の面に筒状部の外周面の円周部に沿った円周面が形成された横断面弓形のスペーサであることを特徴とする回転軸連結機構。 - 円周状の外周面の両側を軸心に沿う互いにほぼ平行な平面で削り取った形状の横断面小判形に形成された回転軸の軸端部の小判形連結部を、この小判形連結部よりも少し大きい横断面小判形に形成された被連結部材の筒状部の小判形内孔に挿入し、この被連結部材の筒状部の外周に外嵌された押圧装置の内周径を全体に収縮させることにより、筒状部を圧迫して小判形内孔を回転軸の小判形連結部に圧接し固定する回転軸連結機構において、
被連結部材の筒状部の外周面を、小判形内孔の円周部よりも径の大きい同心の円周面に形成すると共に、この筒状部の外周面における小判形内孔の両平面部の外周側の部分に、軸方向に沿った凹溝をそれぞれ形成し、
これらの凹溝内にほとんど隙間なく嵌合し、かつ、外周側の面に筒状部の外周面に沿った円周面が形成されたスペーサをそれぞれ挿入したことを特徴とする回転軸連結機構。 - 円周状の外周面の両側を軸心に沿う互いにほぼ平行な平面で削り取った形状の横断面小判形に形成された回転軸の軸端部の小判形連結部を、この小判形連結部よりも少し大きい横断面小判形に形成された被連結部材の筒状部の小判形内孔に挿入し、この被連結部材の筒状部の外周に外嵌された押圧装置の内周径を全体に収縮させることにより、筒状部を圧迫して小判形内孔を回転軸の小判形連結部に圧接し固定する回転軸連結機構において、
被連結部材の筒状部の外周面を、小判形内孔の円周部よりも径の大きい同心の円周面に形成すると共に、この筒状部の外周面における小判形内孔の両平面部の外周側の部分に、軸方向に沿った凹溝をそれぞれ形成し、
前記凹溝内にスペーサをそれぞれ挿入すると共に、これらのスペーサの両側面と凹溝の両内側面との間に隙間を設けたことを特徴とする回転連結機構。 - 前記筒状部の外周面における凹溝との各縁部が、他の部分の円周面よりも軸心側に湾曲した周面をなすことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の回転軸連結機構。
- 前記スペーサの外周側の円周面が、筒状部の外周面よりも軸心側に引き込んだ円周面をなすことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の回転軸連結機構。
- 円周状の外周面の両側を軸心に沿う互いにほぼ平行な平面で削り取った形状の横断面小判形に形成された回転軸の軸端部の小判形連結部を、この小判形連結部よりも少し大きい横断面小判形に形成された被連結部材の筒状部の小判形内孔に挿入し、この被連結部材の筒状部の外周に外嵌された押圧装置の内周径を全体に収縮させることにより、筒状部を圧迫して小判形内孔を回転軸の小判形連結部に圧接し固定する回転軸連結機構において、
被連結部材の筒状部の外周面を、小判形内孔の円周部よりも径の大きい同心であり、かつ、この小判形内孔の平面部とほぼ平行な平面部を備えた横断面小判形に形成すると共に、この筒状部の外周面の両平面部の中央に、軸方向に沿った突起であり、外周側の面に筒状部の外周面の円周部に沿った円周面が形成された凸部をそれぞれ形成し、
この筒状部の外周面の両平面部における凸部の両側と押圧装置の内周面との間に、それぞれ外周側の面に筒状部の外周面の円周部に沿った円周面が形成された横断面扇形のスペーサを挿入したことを特徴とする回転軸連結機構。 - 前記スペーサの外周側の円周面が、凸部に近いほど他の部分よりも軸心側に湾曲した周面をなすことを特徴とする請求項6に記載の回転軸連結機構。
- 前記被連結部材の筒状部の外周面における凸部の外周側の円周面が、筒状部の外周面の円周部よりも軸心側に引き込んだ円周面をなすことを特徴とする請求項6に記載の回転軸連結機構。
- 前記スペーサの側面と凸部の側面との間に隙間を設けたことを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の回転軸連結機構。
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