JP3924952B2 - 研磨装置および研磨パッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板の研磨装置および研磨パッドに関するものであり、さらに、シリコンなど半導体基板上に形成される絶縁層の表面や金属配線の表面を機械的に平坦化する研磨装置と研磨パッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリに代表される大規模集積回路(LSI)は、年々集積化が進んでおり、それに伴い大規模集積回路の製造技術も高密度化が進んでいる。さらに、この高密度化に伴い、半導体デバイス製造箇所の積層数も増加している。その積層数の増加により、従来は問題とならなかった積層にすることによって生ずる半導体ウェハー主面の凹凸が問題となっている。その結果、例えば日経マイクロデバイス1994年7月号50〜57頁記載のように、積層することによって生じる凹凸に起因する露光時の焦点深度不足を補う目的で、あるいはスルーホール部の平坦化による配線密度を向上させる目的で、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)技術を用いた半導体ウェハの平坦化が検討されている。
【0003】
一般にCMP装置は、被処理物である半導体基板を保持する研磨ヘッド、被処理物の研磨処理をおこなうための研磨パッド、前記研磨パッドを保持する研磨定盤から構成されている。そして、半導体基板の研磨処理は研磨剤と薬液からなるスラリを用いて、半導体基板と研磨パッドを相対運動させることにより、半導体基板表面の層の突出した部分が除去されて基板表面の層を滑らかにするものである。この半導体基板の研磨加工時の研磨速度は、例えば半導体基板の一主面に成膜された酸化シリコン(SiO2)膜では、半導体基板と研磨パッドの相対速度及び荷重にほぼ比例している。そのため、半導体基板の各部分を均一に研磨加工するためには、半導体基板にかかる荷重を均一にする必要がある。
【0004】
しかし、研磨ヘッドに保持した半導体基板の表面は、例えば半導体基板の元々の反り等の変形により、全体的にはうねっていることが多い。そのため、半導体基板の各部分に均一に荷重を与えるためには、研磨パッドを前述したような半導体基板のうねりに倣って接触させる観点では、柔らかい研磨パッドを用いることが望ましい。しかし、柔らかい研磨パッドを用いて半導体基板の一主面に形成された絶縁層等の凹凸の平坦化のための研磨加工をおこなう場合、前記半導体基板のうねりに対する追随性は向上させることができるが、半導体基板表面の局所的な凹凸の平坦性は悪くなってしまう。例えば、前記半導体基板表面の層の部分的な凹凸が研磨だれ、つまりは研磨面が丸くなって平坦にならないという問題をまねいてしまう。これに対し、硬い研磨パッドを用いて同様に半導体基板の研磨加工をおこなう場合は、前述した柔らかい研磨パッドを用いた場合とは逆に半導体基板表面の局所的な凹凸の平坦性を向上することができるが、半導体基板の全体的なうねりに対する追随性の観点では悪くなり、例えば、半導体基板表面の全体的なうねりの各部分において、うねりの突出している部分の凹凸は多く研磨されてしまい、うねりの引っ込んでいる部分の凹凸はほとんど研磨されずに残ってしまうという問題をまねいてしまう。この様な不均一な研磨加工はアルミ配線を露出させたり、研磨加工後の酸化シリコン絶縁膜面の厚みが部分毎に違うために例えばスルーホール径の不揃いや積層起因の凹凸を平坦にできず露光時の焦点深度が不足する原因となる。
【0005】
この部分的な平坦性と全体的な追随性を向上するという相反する要求を満たすための研磨パッドに関する従来技術としては、特開平6−21028号公報に示される二層パッドが試みられた。特開平6−21028号公報に示される二層パッドは、体積弾性率が4psi〜20psiの応力の範囲で250psi/psi以下のクッション層に支持される半導体基板と直に接触する研磨層がそれより大きい体積弾性率という構成である。その目的は、クッション層に半導体基板の全体のうねりを吸収させる一方、研磨層はある程度の面積以上(たとえば、ダイの間隔以上)の湾曲に耐えるようにすることである。残念ながら、その様な従来の二層パッドは、依然として次の点で研磨性能を低下させている。まず第一に、研磨層の体積弾性率がクッション層の体積弾性率より大きいものでも、半導体基板表面の局所的な凹凸の平坦性は悪くなることがあり、局所平坦性は研磨層の体積弾性率と必ずしも相関があるわけではない。第二に、クッション層の体積弾性率が4psi〜20psiの応力の範囲で250psi/psiであるので、半導体基板全面のうねり追随性は悪く、結果として半導体基板全面での平坦性の均一性(ユニフォーミティ)が十分得られない。 従って、上記の欠点を克服する様な改善された研磨装置または研磨パッドが要求されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決しようとする課題は、半導体基板の上に形成された絶縁層または金属配線の表面を研磨により平滑にする機械的な平坦化工程で使用するための研磨装置または研磨パッドにおいて、半導体基板全面が均一に平坦化される技術を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するための手段として、本発明は以下の構成からなる。
【0008】
第一の発明として、
「半導体基板を研磨ヘッドに固定し、研磨定盤に体積弾性率が600kg/cm2以上でかつ圧縮弾性率が10kg/cm2以上140kg/cm2以下であるクッション層を介して固着したマイクロゴムA硬度が70度以上の研磨層を前記半導体基板に押し当て、該半導体基板自体の反りあるいは凹凸を前記クッション層に吸収させた状態で前記研磨ヘッド或いは研磨定盤或いはその双方を回転させて前記半導体基板を研磨する事を特徴とする半導体基板の研磨方法。」
第二の発明として
「研磨ヘッド、研磨ヘッドに対峙して研磨パッド、研磨パッドを固定する研磨定盤、ならびに研磨ヘッド、研磨定盤もしくはその双方を回転させる手段を具備した研磨装置であって、研磨パッドが、体積弾性率が600kg/cm2以上でかつ圧縮弾性率が10kg/cm2以上140kg/cm2以下であるクッション層およびマイクロゴムA硬度が70度以上の研磨層を含むことを特徴とする研磨装置。」、
第三の発明として
「マイクロゴムA硬度が70度以上の研磨層と体積弾性率が600kg/cm2以上でかつ圧縮弾性率が10kg/cm2以上140kg/cm2以下であるクッション層からなる事を特徴とする研磨パッド。」である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態について説明する。
【0010】
まず本発明の特徴である研磨パッドについて説明する。マイクロゴムA硬度とはマイクロゴム硬度計で評価した値をさす。この装置は高分子計器(株)から供給されている。マイクロゴム硬度計MD−1は、従来の硬度計では測定が困難であった薄物・小物の試料の硬さ測定を実現するもので、スプリング式ゴム硬度計(デュロメータ)A型の約1/5の縮小モデルとして、設計・製作されているためその測定値は、スプリング式ゴム硬度計A型の硬度と一致した値が得られる。マイクロゴム硬度計MD−1は、押針寸法が直径0.16mm円柱形で高さが0.5mmの大きさのものである。荷重方式は、片持ばり形板バネで、ばね荷重は、0ポイントで2.24mN、100ポイントで33.85mNである。針の降下速度は10〜30mm/secの範囲をステッピングモータで制御して測定する。通常の研磨パッドは、研磨層または硬質層の厚みが5mmを切るので、スプリング式ゴム硬度計A型では薄すぎる為に評価できないので、該マイクロゴム硬度計MD−1で評価できる。
【0011】
本発明の研磨層は、マイクロゴムA硬度で70度以上、好ましくは80度以上さらに好ましくは90度以上が必要である。マイクロゴムA硬度が70度を満たない場合は、半導体基板の局所的凹凸の平坦性が不良となるので好ましくない。
【0012】
本発明の研磨層は、独立気泡を有していることが研磨剤の保持性を高め、研磨レートを高めるために好ましい。独立気泡径は、1000μm以下であることが半導体基板の局所的凹凸の平坦性が良好であることから好ましい。独立気泡径のさらに好ましい径は500μm以下、さらに好ましい径は300μm以下である。
【0013】
本発明の研磨層は、発泡倍率1.01〜3倍の範囲にあることが好ましい。発泡倍率が1.01に満たない場合、独立気泡の数が少ないのでスラリ保持性が低く好ましくない。発泡倍率が3倍を越える場合は、局所的凹凸の平坦性が不良となるので好ましくない。発泡倍率とは、得られた研磨パッドの比重と構成する高分子の比重の比から求めることができる。例えば得られた研磨パッドの比重が0.7であり、構成される高分子の比重が1.0であれば発泡倍率は1.0/0.7=1.43である。
【0014】
本発明の研磨層の好ましい素材は、ポリウレタンとビニル化合物から重合される重合体を3重量%以上70重量%以下含有するものである。このポリウレタンとは、ポリイソシアネートの重付加反応または重合反応に基づき合成される高分子である。ポリイソシアネートの対称として用いられる化合物は、含活性水素化合物、すなわち、二つ以上のポリヒドロキシ、あるいはアミノ基含有化合物である。ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど挙げることができるがこれに限定されるわけではない。ポリヒドロキシとしてポリオールが代表的であるが、ポリオールとしてポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、エポキシ樹脂変性ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。
【0015】
本発明でのビニル化合物とは、炭素炭素二重結合のビニル基を有する化合物である。具体的にはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、アクリロニトリル、アクリルアミド、塩化ビニル、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。本発明でのビニル化合物から重合される重合体とは、上記ビニル化合物を重合して得られる重合体であり、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリイソブチルメタクリレート、ポリ(2−エチルヘキシルメタクリレート)、ポリイソデシルメタクリレート、ポリ(n−ラウリルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシプロピルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシブチルメタクリレート)、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリジエチルアミノエチルメタクリレート、ポリメタクリル酸、ポリグリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリフマル酸、ポリフマル酸ジメチル、ポリフマル酸ジエチル、ポリフマル酸ジプロピル、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸ジメチル、ポリマレイン酸ジエチル、ポリマレイン酸ジプロピル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)等が挙げられる。本発明でのビニル化合物から重合される重合体のブレンド比率が3重量%以上70重量%以下であることが好ましい。ブレンド比率が3重量%を満たない場合は、ポリウレタンのスラリの吸着特性が改善されないので好ましくない。ブレンド比率が70重量%を越える場合は、ポリウレタンの有している弾力性が損なわれるので好ましくない。
【0016】
本発明の研磨層の作成方法として、好ましい方法は、あらかじめ1000μm以下の独立気泡を有し、かつ発泡倍率が1.01〜3倍の範囲にある発泡ポリウレタンシートにビニル化合物を膨潤させた後、発泡ポリウレタンシート内でビニル化合物を重合させる方法が、独立気泡を有した構造でポリウレタンとビニル化合物から重合される重合体のブレンドがミクロ的に均一におきるので、得られた研磨パッドで局所的な凹凸の平坦性が良好にできるという理由で好ましい。本発明での発泡ポリウレタンシートは硬度と気泡径と発泡倍率によって、ポリイソシアネートとポリオールおよび触媒、整泡剤、発泡剤の組み合わせや最適量を決める必要がある。
【0017】
ビニル化合物を発泡ポリウレタンシートに膨潤させた後、発泡ポリウレタンシート内でビニル化合物を重合させる方法として、光分解性ラジカル開始剤と共にビニル化合物を膨潤させた後、光を露光して重合させる方法や、熱分解性ラジカル開始剤と共にビニル化合物を膨潤させた後、熱を加えて重合させる方法や、ビニル化合物を膨潤させた後、電子線や放射線を放射して重合させる方法が挙げられる。
【0018】
本発明でのクッション層は体積弾性率が600kg/cm2以上でかつ圧縮弾性率が10kg/cm2以上140kg/cm2以下であることが必要である。体積弾性率とは、あらかじめ体積を測定した被測定物に等方的な印加圧力を加えて、その体積変化を測定する。体積弾性率=印加圧力/(体積変化/元の体積)という定義である。例えば、元の体積が1cm3であり、これに等方的に印加圧力を0.7kg/cm2かけた時の体積変化が0.00005cm3であれば、体積弾性率は14000kg/cm2である。体積弾性率の測定方法の一つとして、例えば被測定物をあらかじめ体積を測定しておき、その後容器にいれた水中に被測定物を浸漬して、この容器を圧力容器に入れて印加圧力を加えて中の容器の水の高さの推移から被測定物の体積変化と印加圧力を測定する方法が上げられる。浸漬する液体は、被測定物を膨潤させたり破壊するものは避けることが好ましく、液体であれば特に限定されないが、例えば水や水銀やシリコンオイルなどをあげることができる。圧縮弾性率は、クッション層に厚み方向へ印加圧力を加え、厚み歪み(=厚み変化/元の厚み)が0.15の時の印加圧力を測定し、圧縮弾性率=印加圧力/0.15で定義されるものである。測定装置として、インストロン社製万能材料試験機Model1185などが上げられる。測定条件としては、試験速度は0.1mm/分で試験片形状は25mm×25mmでクロスヘッド移動量法である。
【0019】
クッション層の体積弾性率は600kg/cm2以上が必要である。600kg/cm2に満たない場合は、半導体基板全面の平坦性の均一性(ユニフォーミティ)が損なわれるので好ましくない。さらに、クッション層の圧縮弾性率は10kg/cm2以上140kg/cm2以下であることも必要である。圧縮弾性率が10kg/cm2に満たない場合は、半導体基板全面の平坦性の均一性(ユニフォーミティ)が損なわれるので好ましくない。圧縮弾性率が140kg/cm2を越える場合も半導体基板全面の平坦性の均一性(ユニフォーミティ)が損なわれるので好ましくない。この様なクッション層としては、天然ゴム、ブナNゴム、ネオプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリウレタンゴム、シリコンゴムなどの無発泡のエラストマを上げることができるが特にこれらに限定されるわけではない。クッション層の好ましい厚みは、0.5〜100mmの範囲である。0.5mmに満たない場合は、半導体基板全面の平坦性の均一性(ユニフォーミティ)が損なわれるので好ましくない。100mmを越える場合は、局所平坦性が損なわれるので好ましくない。
【0020】
本発明においては、上記研磨パッドを使用して、半導体基板を研磨ヘッドに固定し、研磨定盤に体積弾性率が600kg/cm2以上でかつ圧縮弾性率が10kg/cm2以上140kg/cm2以下であるクッション層を介して固着したマイクロゴムA硬度が70度以上の研磨層を前記半導体基板に押し当て、該半導体基板自体の反りあるいは凹凸を前記クッション層に吸収させた状態で前記研磨ヘッド或いは研磨定盤或いはその双方を回転させて前記半導体基板を研磨することができる。また、その研磨装置としては、研磨ヘッド、研磨ヘッドに対峙して上記研磨パッド、研磨パッドを固定する研磨定盤、ならびに研磨ヘッド、研磨定盤もしくはその双方を回転させる手段を具備した研磨装置が使用できる。
【0021】
本発明で研磨定盤にクッション層を介して研磨層を固着するとは、研磨定盤から、クッション層が研磨時にずれないで固定されており、かつクッション層から研磨層がずれないで固定されていることをいう。研磨定盤とクッション層の固定方法としては、両面接着テープで固定する方法や接着剤で固定する方法や研磨定盤から吸引してクッション層を固定する方法などが考えられるが特に限定されるものではない。クッション層と研磨層を固定する方法としては、両面接着テープで固定する方法や接着剤で固定する方法などが考えられるが特に限定されるわけではない。
【0022】
本発明での研磨装置では、研磨後に研磨層が研磨レートが得られない等の理由で交換する必要が生じた場合には、研磨定盤にクッション層を固着した状態で研磨層をクッション層から取り外して交換することも可能である。クッション層は研磨層に比べて耐久性があるので、コスト面から研磨層だけを交換することは好ましい。
【0023】
本発明研磨パッドを使用した半導体基板の研磨方法について具体的に以下説明する。本発明の研磨パッドを用いて、研磨剤としてシリカ系ポリッシュ剤、酸化アルミニウム系ポリッシュ剤、酸化セリウム系ポリッシュ剤等を用いて半導体基板上での絶縁膜の凹凸や金属配線の凹凸を平坦化することができる。本発明の研磨パッドを研磨機の研磨定盤に固着させる。半導体基板は研磨ヘッドに真空チャック方式により固定される。研磨定盤を回転させ、同方向で研磨ヘッドを回転させて、研磨パッドに押しつける。この時に、研磨パッドと半導体基板の間に研磨剤が入り込む様な位置から研磨剤を供給する。押し付け圧は、研磨ヘッドに加える力を制御することによりおこなう。押し付け圧として0.1〜2kg/cm2が局所的平坦性を得られるので好ましい。
【0024】
本発明の研磨装置および研磨パッドは、半導体基板全面の平坦性の均一性(ユニフォーミティ)を達成することが可能である。
【0025】
【実施例】
以下、実施例にそってさらに本発明の詳細を説明する。本実施例において各特性は以下の方法で測定した。
【0026】
マイクロゴムA硬度:高分子計器(株)(所在地:京都市上京区下立売室町西入)のマイクロゴム硬度計MD−1で測定。
マイクロゴム硬度計MD−1の構成は下記のとおりである。
【0027】
実施例1
厚み5mmの発泡ポリウレタンシート(マイクロゴムA硬度=50度、発泡倍率:1.5倍、独立気泡平均径:110μm)をアゾビスイソブチルニトリル0.1重量部を添加したメチルメタアクリレートに24時間浸漬する。メチルメタアクリレートが膨潤した発泡ポリウレタンシートをガラス板に挟み込んで70℃で24時間加熱する。加熱後ガラス板から取り外して、50℃で真空乾燥をおこなう。得られた研磨層のマイクロゴムA硬度は98度、発泡倍率:1.6倍、独立気泡平均径:150μm、ポリメチルメタアクリレート/ポリウレタン含有比率=30/70重量%であった。3mmのブナNゴム(体積弾性率=1400kg/cm2、圧縮弾性率=30kg/cm2)のクッション層を該研磨層と貼り合わせて研磨パッドを作成した。6インチシリコンウェハ上に0.25μm幅、高さ1.2μmのAl配線を0.5mmの間隔で形成し、さらにその上にテトラエトキシシランをCVDで絶縁膜を3μmの厚さになるように形成した半導体基板を作成した。この研磨前の半導体基板上の絶縁膜表面の凹凸の段差は、ウェハ中央部で11000オングストローム、周辺部分4カ所で11000、11500、11200、11400オングストロームであった。本半導体基板を研磨機の研磨ヘッドに取り付けて37rpmで回転させ、上記研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ36rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、シリカ系ポリッシュ剤を225ml/分で供給しながら研磨圧力0.5kg/cm2で7分間研磨を実施した。研磨後の半導体基板上の絶縁膜表面の凹凸の段差は、ウェハ中央部で100オングストローム、周辺部分4カ所で200、300、250、400オングストロームであった。この様に6インチの半導体基板全面の平坦性の均一性が得られている。
【0028】
実施例2
厚み5mmの発泡ポリウレタンシート(マイクロゴムA硬度=50度、発泡倍率:1.5倍、独立気泡平均径:300μm)をアゾビスイソブチルニトリル0.1重量部を添加したスチレンに24時間浸漬する。スチレンが膨潤した発泡ポリウレタンシートをガラス板に挟み込んで70℃で24時間加熱する。加熱後ガラス板から取り外して、50℃で真空乾燥をおこなう。得られた研磨層のマイクロゴムA硬度は98度、発泡倍率:1.6倍、独立気泡平均径:330μm、ポリスチレン/ポリウレタン含有比率=45/55重量%であった。5mmのポリウレタンゴム(体積弾性率=1000kg/cm2、圧縮弾性率=15kg/cm2)をクッション層として用意し、研磨層とクッション層を貼り合わせて研磨パッドを作成した。6インチシリコンウェハ上に0.25μm幅、高さ1.2μmのAl配線を0.5mmの間隔で形成し、さらにその上にテトラエトキシシランをCVDで絶縁膜を3μmの厚さになるように形成した。この絶縁膜表面の凹凸の段差は、ウェハ中央部で11000オングストローム、周辺部分4カ所で11000、11500、11200、11400オングストロームであった。本基板を研磨機の研磨ヘッドに取り付けて37rpmで回転させ、上記研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ36rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、シリカ系ポリッシュ剤を225ml/分で供給しながら研磨圧力0.5kg/cm2で6分間研磨を実施した。研磨後の絶縁膜の表面凹凸の段差は、ウェハ中央部で700オングストローム、周辺部分4カ所で600、800、700、700オングストロームであった。この様に6インチの半導体基板全面の平坦性の均一性が得られている。
【0029】
比較例1
厚み1.2mmの発泡ポリウレタン研磨層(マイクロゴムA硬度=92度、発泡倍率:1.5倍、独立気泡平均径:40μm)を作成した。クッション層として不織布のポリウレタン溶液を含浸して後湿式製膜して得られた湿式発泡ポリウレタン(体積弾性率=30kg/cm2、圧縮弾性率=6kg/cm2)を用意した。該研磨層とクッション層を貼り合わせして研磨パッドを作成した。6インチシリコンウェハ上に0.25μm幅、高さ1.2μmのAl配線を0.5mmの間隔で形成し、さらにその上にテトラエトキシシランをCVDで絶縁膜を3μmの厚さになるように形成した。この絶縁膜表面の凹凸の段差は、ウェハ中央部で11000オングストローム、周辺部分4カ所で11000、11500、11200、11400オングストロームであった。本基板を研磨機の研磨ヘッドに取り付けて37rpmで回転させ、上記研磨パッドを研磨機のプラテンに固着させ36rpmで研磨ヘッドの回転方向と同じ方向に回転させ、シリカ系ポリッシュ剤を225ml/分で供給しながら研磨圧力0.5kg/cm2で7分間研磨を実施した。研磨後の絶縁膜の表面凹凸の段差は、ウェハ中央部で1200オングストローム、周辺部分4カ所で200、500、1200、1400オングストロームであり、半導体基板全面での平坦性の均一性(ユニフォーミティ)が不十分であった。
【0030】
【発明の効果】
この発明の研磨装置および研磨パッドにより、 半導体基板全面の局所的凹凸の平坦性の均一性(ユニフォーミティ)が達成することが可能となった。
Claims (9)
- 半導体基板を研磨ヘッドに固定し、研磨定盤に体積弾性率が600kg/cm2以上でかつ圧縮弾性率が10kg/cm2以上140kg/cm2以下であるクッション層を介して固着したマイクロゴムA硬度が70度以上の研磨層を前記半導体基板に押し当て、該半導体基板自体の反りあるいは凹凸を前記クッション層に吸収させた状態で前記研磨ヘッド或いは研磨定盤或いはその双方を回転させて前記半導体基板を研磨する事を特徴とする半導体基板の研磨方法。
- クッション層の厚みが0.1以上100mm以下である請求項1記載の研磨方法。
- 研磨層がポリウレタンとビニル化合物から重合される重合体を3重量%以上70重量%以下含有し、1000μm以下の独立気泡を有し、かつ発泡倍率が1.05倍以上3倍以下の範囲にある請求項1または請求項2記載の研磨方法。
- 研磨ヘッド、研磨ヘッドに対峙して研磨パッド、研磨パッドを固定する研磨定盤、ならびに研磨ヘッド、研磨定盤もしくはその双方を回転させる手段を具備した研磨装置であって、研磨パッドが、体積弾性率が600kg/cm2以上でかつ圧縮弾性率が10kg/cm2以上140kg/cm2以下であるクッション層およびマイクロゴムA硬度が70度以上の研磨層を含むことを特徴とする研磨装置。
- 研磨ヘッドが半導体基板を固定する手段を有するものである請求項4記載の研磨装置。
- クッション層の厚みが0.1以上100mm以下である請求項4または5記載の研磨装置。
- 研磨層がポリウレタンとビニル化合物から重合される重合体を3重量%以上70重量%以下含有し、1000μm以下の独立気泡を有し、かつ発泡倍率が1.05倍以上3.0倍以下の範囲にある事を特徴とする請求項4〜6いずれかの研磨装置。
- マイクロゴムA硬度が70度以上の研磨層と体積弾性率が600kg/cm2以上でかつ圧縮弾性率が10kg/cm2以上140kg/cm2以下であるクッション層からなる事を特徴とする研磨パッド。
- 研磨層がポリウレタンとビニル化合物から重合される重合体を3重量%以上70重量%以下含有し、1000μm以下の独立気泡を有し、かつ発泡倍率が1.05倍以上3倍以下の範囲にある事を特徴とする請求項8記載の研磨パッド。
Priority Applications (1)
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