JP3924846B2 - 透明導電フィルム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた環境安定性と電気伝導特性を備えた透明導電フィルム、それを用いたプラズマディスプレイパネル(PDP)前面の電磁波シールド材料及びプラズマディスプレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、透明導電フィルムはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の透明高分子フィルム上にインジウム・錫酸化物(ITO)等の透明導電膜を積層したものが一般的である。ITOによる透明導電膜においては、透明性と導電性は相反する要求特性であることが多く、表面抵抗率が10Ω/□以下であって透明性が高い透明導電膜を得ることは因難であり、特に成膜温度条件に制限のある高分子フィルム基材上に成膜するのは困難である。
【0003】
一方、PDP内部からはグロー放電に伴い紫外線や赤外線を含めた電磁波が放出されており、周囲の電子機器のノイズになったり、使用者の健康を害する等の問題点が指摘されており、電磁波がPDP外部に漏れないよう遮蔽しなければならない。PDP背面及び側面は筺体に公知の電磁波シールド処理を施せばよいが、パネル前面には透明なシールド材料を配置する必要がある。これまでもパソコン等のCRT用電磁波シールドフィルターは各種発売されているが、PDP用ではより高度な電磁波シールド性能が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
PDP前面の電磁波シールド材料に用いる透明導電フィルムには透明性とともに優れた導電性(低電気抵抗率)が求められる。このような要求特性を満足し得る透明導電フィルムとしてAu、Ag、Cu等の透明金属薄膜を積層した導電フィルムがある。たとえば膜厚が50Åから150ÅのAgのスパッタリング膜をPETフィルム上に積層した透明導電フィルムは、表面抵抗率は数Ω/□と低く、全光線透過率も65%以上あり、低電気抵抗率と高光線透過率のバランスがとれた高性能な透明導電フィルムとなる。しかし、Ag、Cu等の透明金属薄膜は環境安定性が悪く、特に高温高湿度下では酸化が進み、初期の性能が時間の経過と共に維持できなくなり、Auの透明金属薄膜は透過光が青緑色になり又高価であることから好ましくない。また、電気伝導性を優先した透明導電フィルムとして従来からよく知られているAu、Ag、Cu等の透明金属薄膜を透明高分子フィルム上に積層したものは、一般に透明金属薄膜の膜厚の増加に従って電気伝導性は良くなるが、光線透過率も極端に低下し、200Å以上では反射率100%の金属光沢をもった膜となり不満足なものである。
【0005】
本発明は、上記従来の透明導電フィルムの有する問題点を解決したものであって、透光性を維持したまま電気伝導性を有し、特に、長時間高温・高湿雰囲気に曝されても実用性のある透光性と電気伝導性を保持できる、という環境の変化に左右されない安定な透明導電フィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の透明導電フィルムは、透明高分子フィルム上に、二層の透明金属薄膜層(A)間にIn、Sn、Cd、Zn、Al、Sb、Ge、W又はMoから選ばれた1種又は2種以上の金属酸化物又は金属・金属酸化物からなる透明導電薄膜層(B)又はSi、Zr、Ce、Mg、Ti又はAlから選ばれた1種又は2種以上の金属窒化物又は金属酸化窒化物からなる透明ガスバリア薄膜層(C)を挟んでなる三層複合層と、透明ガスバリア薄膜層(C)とを順次積層してなることを特徴とする。
【0007】
ここで、透明導電フィルムでいう透明とは、全光線透過率が65%以上のことを意味する。
【0008】
上記の構成からなる透明導電フィルムは、透明フィルムなみの透光性を維持しながら優れた電気伝導性を有し、特に、長時間高温・高湿雰囲気に曝されても実用性のある透光性と電気伝導性を保持できるという、環境変化による影響が少ない、安定な透明導電フィルムである。
【0009】
本発明の好適な実施態様としては、透明金属薄膜層(A)がAgを主成分とする厚さ50Åから175Åの薄膜であることができる。
【0010】
また、本発明の好適な実施態様としては、透明ガスバリア薄膜層(C)の積層面積が透明金属薄膜層(A)より小面積であることができる。
【0011】
また、本発明の透明導電フィルムは、電磁波シールド材料に好適に使用することができる。
【0012】
この電磁波シールド材料は、PDP等から放出される電磁波を遮断する場合に、長時間高温・高湿雰囲気に曝されても実用性のある透光性と電気伝導性を保持することができる電磁波シールド材料となる。
【0013】
また、本発明の透明導電フィルムは、プラズマディスプレイに好適に用いることができる。
【0014】
このプラズマディスプレイは、PDPから放出される電磁波を遮断するのに、長時間高温・高湿雰囲気に曝されても実用性のある透光性と電気伝導性を保持できるプラズマディスプレイとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の透明導電フィルムの実施の形態を説明する。
【0016】
具体的には、透明金属薄膜層(A)、透明導電薄膜層(B)、透明ガスバリア薄膜層(C)、透明高分子フィルム(D)の積層順序が、(C)/(A)/(B)/(A)/(D)、(C)/(A)/(C)/(A)/(D)、(C)/(A)/(B)/(A)/(C)/(D)、(C)/(A)/(B)/(A)/(C)/(D)、(C)/(A)/(B)/(A)/(B)/(A)/(D)、(C)/(A)/(C)/(A)/(C)/(A)/(C)/(D)のような構成をとるのが典型的な積層構造であるがこれらに限定されるものではない。
【0017】
また、本発明の透明導電フィルムにおいて、透明ガスバリア薄膜層(C)の積層面積が、透明金属薄膜層(A)の積層面積より小面積であって、透明金属薄膜層(A)と外部端子とが電気的導通可能な構成であるようにする、或いは、さらに、三層複合層における二層の透明金属薄膜層(A)の間の透明ガスバリア薄膜(C)の積層面積を上記(A)の面積に比べ小面積にし、内外2層の(A)の電気的導通をはかる構造とすることができる。また、本発明の透明導電フィルムは電磁波シールド材料に、またはプラズマディスプレイの構成成分に使用することができる。
【0018】
本発明においては、透明高分子フィルム上に積層する透明金属薄膜層(A)は、透明で電気伝導性のある金属薄膜層であれば限定はない。ここで、透明金属薄膜層が透明であるとは、全光線透過率が65%以上のことであり、好ましくは、Agを主成分とした、厚さ50Åから175Åの薄膜である。
【0019】
また、本発明において、透明導電薄膜層(B)はIn、Sn、Cd、Zn、Al、Sb、Ge、W、Moから選ばれる1種又は2種以上の金属酸化物又は金属・金属酸化物による透明な導電薄膜である。ここで、透明導電薄膜層が透明であるとは、全光線透過率が65%以上のことである。
【0020】
また、本発明において、透明ガスバリア薄膜層(C)はSi、Zr、Ce、Mg、Ti又はAlから選ばれる1種又は2種以上の金属窒化物又は金属酸化窒化物による透明なガスバリア薄膜層である。ここで、透明ガスバリア薄膜層が透明であるとは、全光線透過率が65%以上のことである。
【0021】
本発明において、三層複合層は透明導電薄膜層(B)又はガスバリア薄膜層(C)を挟んで、(A)/(B)/(A)又は(A)/(C)/(A)の3層積層構造を含むものである。本発明においては、三層複合層は上記基本構造を含んでおれば、(A)/(B)/(A)/(B)/(A)、(A)/(C)/(A)/(C)/(A)、(A)/(B)/(A)/(C)/(A)のようにさらに付加した構造であっても何ら差し支えないものである。
【0022】
本発明においては、上記薄膜層の外側にSi、Zr、Ce、Mg、Ti又はAlから選ばれた1種又は2種以上の金属窒化物又は金属酸化窒化物によるガスバリア薄膜層(C)を1層以上積層している。
【0023】
以下、本発明の透明導電フィルムの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
本発明における透明金属薄膜(A)は、可視域の吸収が少なく、電気伝導性の高い金属あるいは合金であれば良いが、特に光学特性と電気伝導性のバランスよりAgによる薄膜あるいはAgを主成分としたものが好ましい。また、他に含有させることができる金属としては、Au、Cu、Al、Ni、Cr、Ti、Si、Sn、In等が好ましい。Ag単独では環境安定性が悪い場合があるので、Ag−Au合金、Ag−Cu合金等にすることにより膜密度が改善され、耐久性と導電率の向上がみられることがある。ただし、光学特性の観点からAgの含有量は50%以上が好ましい。
【0025】
透明金属薄膜の膜厚は50Å〜175Åの範囲が好ましい。50Å未満では薄膜が不連続な島状構造であり電気伝導性が低く、175Åを越えると可視光の透過性がなくなる。しかしながら、金属の単層膜で、ある程度の透光性を維持しつつ数Ω/□の表面抵抗率を実現するのは困難である。そこで、2層に分割しそのあいだに異質の透明薄膜層を設け、周辺部で電気的導通をとることで、合計膜厚が厚くなっても透光性を持たせたまま、電気伝導性を向上することができる。上下2層の透明金属薄膜の電気的導通の取り方は、たとえば、中間層を成膜する際に周辺端部の一部又は全部に、あるいは一部分を○あるいは□型にマスキングをかけて中間層成膜後、2層目を成膜する前にマスキングを剥離することにより与えることができる。
【0026】
透明金属薄膜の成膜法としては、主にスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法(物理蒸着法)が用いられるが、50Å〜175Åというかなり薄い膜を安定的に成膜するためには高エネルギー粒子による成膜法が好ましく、特に合金の薄膜形成の場合は、組成・膜厚の均一性の観点からスパッタリング法が好ましい。
【0027】
本発明の透明導電薄膜(B)とは、In、Sn、Cd、Zn、Sb、Go、W、Mo又はAlから選ばれた1種又は2種以上の金属酸化物あるいは金属・金属酸化物による導電性薄膜であり、可視域の光線透過率の高いものが好ましい。
【0028】
透明導電薄膜の膜厚は、その電気伝導性の発現より、50Å以上が好ましく、より好ましくは150Å以上である。
【0029】
透明導電薄膜の成膜法としてはスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法(物理蒸着法)、CVD法(化学蒸着法)等の高真空中での薄膜形成法がある。
【0030】
本発明の透明ガスバリア薄膜(C)とは、透明金属薄膜の電気伝導性及び透光性の低下の原因である酸化を防ぐ目的のため、酸素、水蒸気等の気体透過性の極めて低いものが好ましく、Si、Zr、Ce、Mg、Ti又はAgから選ばれる1種又は2種以上の金属窒化物あるいは金属酸化窒化物の薄膜が好ましい。
【0031】
透明ガスバリア薄膜の膜厚は、そのガスバリア性の発現より100Å以上が好ましく、より好ましくは150Å以上である。
【0032】
透明ガスバリア薄膜の成膜法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法(物理蒸着法)、CVD法(化学蒸着法)等の高真空中での薄膜形成法がある。
【0033】
透明導電薄膜層(B)及び透明ガスバリア薄膜層(C)の膜厚は、必要に応じて選択光透過フィルターとなるように、透明金属薄膜層(A)との間で膜厚の光学設計をしてもよい。
【0034】
本発明において用いる透明高分子フィルムは、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスルホン系樹脂等であり、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポりエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、非晶質環式ポリオレフィン、ポリエーテルスルホン等のフィルムであるが、特性と価格のバランスよりポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましく用いられる。
【0035】
透明高分子フィルムの厚さは50〜300μmが好ましく、より好ましくは100〜200μmである。またこれらの透明高分子フィルム中にその透明高分子フィルムの機械的特性及び光学特性を損なわない程度の着色剤、紫外線吸収剤、安定剤、可塑剤、色素等を含ませても何ら差し支えない。
【0036】
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、実施例とともに比較例を記した。
【0037】
次に、本明細書における特性値の測定法を示す。
【0038】
(1)表面抵抗率:三菱油化(株)製抵抗率計(ロレスタ・AP)にて測定した。
【0039】
(2)全光線透過率及びヘイズ:日本電色工業(株)製ヘイズメーター(NDH−1000DP)にて測定した。
【0040】
(3)電磁波シールド効果
はアドバンテスト社製スペクトラムアナライザー「R3361A」、及びシールドボックス「TR17301A」を用い、電界、磁界についてそれぞれ測定した。測定周波数は0〜1GHzで行った。
【0041】
(実施例1)
厚さ188ミクロンの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム基板に、第1層として100ÅのAg透明金属薄膜をDCマグネトロンスパッタリングにより積層した。次に第2層として200Åの酸化錫の透明薄電膜を高周波マグネトロンスパッタリングにより積層した。さらに第3層として100ÅのAg薄膜を第1層と同様に積層した。この積層体の表面抵抗率は2Ω/□であった。次に周辺部全周にわたって幅10mmのマスキングを施してから、第4層として200ÅのAlSiNをAlSi合金をターゲットに使い反応性DCマグネトロンスパッタリングにより積層した。得られた積層体の全光線透過率は70%、ヘイズは2.0%であった。60℃、95%RHの恒温恒湿槽1000時間放置した後の全光線透過率は70%、ヘイズ値は2.0%であった。また、周辺部のマスキングをはがし、銀ペーストを塗布しアース線を取り付け、電磁波シールド特性を測定した結果、55dBであった。
【0042】
(実施例2)
厚さ188ミクロンの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム基板に、第1層として100ÅのAg透明金属薄膜をDCマグネトロンスパッタリングにより積層した。次に周辺部全周にわたって幅10mmのマスキングを施してから、第2層として200Åの酸化錫の透明導電膜を高周波マグネトロンスパッタリングにより積層した。マスキングをはがし、さらに第3層として100ÅのAg薄膜を第1層と同様に積層した。この積層体の表面抵抗率は1Ω/□であった。次に周辺部全周にわたって幅10mmのマスキングを施してから、第4層として200ÅのSiAlONをAlSi合金をターゲットに反応性DCマグネトロンスパッタリングにより積層した。得られた積層体の全光線透過率は70%、ヘイズは2.0%であった。60℃、95%RHの恒温恒湿槽1000時間放置した後の全光線透過率は70%、ヘイズ値は2.0%であった。また、周辺部のマスキングをはがし、銀ペーストを塗布しアース線を取り付け、電磁波シールド特性を測定した結果、60dBであった。
【0043】
参考例1
厚さ188μの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム基板に、第1層として100ÅのAg透明金属薄膜をDCマグネトロンスパッタリングにより積層した。次に周辺部全周にわたって幅10mmのマスキングを施してから、第2層として200ÅのSiOの透明導電膜を高周波マグネトロンスパッタリングにより積層した。マスキングを剥がし、第3層として100ÅのAg薄膜を第1層と同様に積層した。この積層体の表面抵抗率は2Ω/□であった。次に周辺部全周にわたって幅10mmのマスキングを施してから、第4層として200ÅのSiOを高周波マグネトロンスパッタリングにより積層した。得られた積層体の全光線透過率は75%、ヘイズは2.0%であった。60℃、95%RHの恒温恒湿槽1000時間放置した後の全光線透過率は75%、ヘイズ値は2.0%であった。また、周辺部のマスキングをはがし、銀ペーストを塗布しアース線を取り付けた。電磁波シールド特性は50dBであった。
【0044】
参考例2
厚さ188μの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム基板に、第1層として200ÅのSiOを高周波マグネトロンスパッタリングにより積層した。次に第2層として、100ÅのAg金属薄膜をDCマグネトロンスパッタリングにより積層した。次に周辺部全周にわたって幅10mmのマスキングを施してから、第3層として200ÅのSiOの透明導電膜を高周波マグネトロンスパッタリングにより積層した。マスキングを剥がし、第4層として100ÅのAg薄膜を第1層と同様に積層した。この積層体の表面抵抗率は2Ω/□であった。次に周辺部全周にわたって幅10mmのマスキングを施してから、第5層として200ÅのSiOを高周波マグネトロンスパッタリングにより積層した。得られた積層体の全光線透過率は75%、ヘイズは2.0%であった。60℃、95%RHの恒温恒湿槽1000時間放置した後の全光線透過率は75%、ヘイズ値は2.0%であった。また、周辺部のマスキングをはがし、銀ペーストによりアース線を取り付けた。電磁波シールド特性は50dBであった。
【0045】
(比較例1)
厚さ188μの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム基板に、100ÅのAg金属薄膜をDCマグネトロンスパッタリングにより積層した。得られた積層体の表面抵抗率は5Ω/□、全光線透過率は80%、ヘイズは1.5%であった。またこの積層体を60℃、95%RHの恒温恒湿槽に1000時間放置したのちの表面抵抗率は10Ω/□以上であり、全光線透過率は50%、ヘイズは10%であり、外観的にも酸化によるAg膜の変色が見られた。
【0046】
(比較例2)
実施例1の第2層の酸化錫の代わりに200ÅのSiOを高周波マグネトロンスパッタリングにより積層すること以外は実施例1と同様に積層体を作製した。つまり、上下2層のAg層は、電気的に絶縁状態である。最外層のSiO積層前の表面抵抗は5Ω/□であり、劣ったものであった。
【0047】
(比較例3)
実施例1の第4層を積層しないこと以外は実施例1と同様に積層した。この積層体の表面抵抗率は1Ω/□であった。得られた積層体の全光線透過率は75%、ヘイズは2.0%であった。60℃、95%RHの恒温恒湿槽1000時間放置した後の全光線透過率は55%、ヘイズ値は10%であり劣ったものであった。
【0048】
【発明の効果】
本発明の透明導電フィルムは、透明フィルムなみの透光性を維持しながら優れた電気伝導性(低電気抵抗率)を有し、特に、長時間高温・高湿雰囲気に曝されても実用性のある透光性と電気伝導性を保持することができる。
【0049】
本発明の電磁波シールド材料は、PDP等から放出される電磁波を遮断する場合に、長時間高温・高湿雰囲気に曝されても実用性のある透光性と電気伝導性を保持することができる。
【0050】
本発明のプラズマディスプレイは、PDPから放出される電磁波を遮断するのに、長時間高温・高湿雰囲気に曝されても実用性のある透光性と電気伝導性を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の透明導電フィルムの層構成の一例である。
【図2】 本発明の透明導電フィルムの層構成の他の例である。
【図3】 本発明の透明導電フィルムの層構成の別の例である。
【図4】 本発明の透明導電フィルムの層構成のさらに他の例である。
【符号の説明】
A 透明金属薄膜層
B 透明導電薄膜層
C 透明ガスバリア薄膜層
D 透明高分子フィルム

Claims (5)

  1. 透明高分子フィルム上に、二層の透明金属薄膜層(A)間にIn、Sn、Cd、Zn、Al、Sb、Ge、W又はMoから選ばれた1種又は2種以上の金属酸化物又は金属・金属酸化物からなる透明導電薄膜層(B)又はSi、Zr、Ce、Mg、Ti又はAlから選ばれた1種又は2種以上の金属窒化物又は金属酸化窒化物からなる透明ガスバリア薄膜層(C)を挟んでなる三層複合層と、透明ガスバリア薄膜層(C)とを順次積層してなることを特徴とする透明導電フィルム。
  2. 透明金属薄膜層(A)がAgを主成分とする厚さ50Åから175Åの薄膜であることを特徴とする請求項1記載の透明導電フィルム。
  3. 透明ガスバリア薄膜層(C)の積層面積が透明金属薄膜層(A)より小面積であることを特徴とする請求項1又は2記載の透明導電フィルム。
  4. 請求項1、2又は3記載の透明導電フィルムを構成要素として有することを特徴とする電磁波シールド材料。
  5. 請求項1、2又は3記載の透明導電フィルムを構成要素として有することを特徴とするプラズマディスプレイ。
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