JP3924338B2 - フロアーポリッシュ用基材の製造方法及び該基材を含有する水性フロアーポリッシュ組成物 - Google Patents

フロアーポリッシュ用基材の製造方法及び該基材を含有する水性フロアーポリッシュ組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種床等に耐久力のある皮膜を形成することができ、皮膜が汚れた場合には化学的に剥離することができる皮膜形成用のフロアーポリッシュ用基材の製造方法及び該基材を含有する水性フロアーポリッシュ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまでに、床等に耐久力のある皮膜を形成することができるフロアーポリッシュ組成物が種々提案されている。これらの組成物は、その使用特性上、各種床上に耐水性の皮膜を形成し、皮膜が汚れた場合には化学的に剥離することができるようにするために、種々の基材を組み合わせて使用している。
これらの基材のうちでも主要な基材として、カルボキシル基含有共重合体水分散エマルジョンに架橋剤を加えてカルボキシル基を架橋したものが広く使用されている。例えば、特開平2−219863号公報には、架橋剤として亜鉛、アルミニウム、錫、タングステン及びジルコニウムなどの遷移金属を用いることが記載されており、実施例においては50〜77℃の温度で架橋反応が行われている。この方法では、環境衛生上であまり好ましくない遷移金属が用いられており、又、比較例Bに示されているように、加熱せずに架橋反応を行うと沈殿が生じてしまうという問題がある。
一方、特開平5−5083号公報には、エチレン系不飽和モノマーの重合により製造された重合体エマルジョンに塩基を添加してエマルジョンのpHを6〜9の範囲に調整した後、該重合体の酸価に対して0.05〜0.9化学当量のカルシウム化合物を反応させてカルボキシル基を架橋することが記載されている。ここでは、塩基として、アミンとアンモニアとが例示されており、反応は室温又は加温下のいずれの温度においても行うことができると記載されている。この方法において、加温下で反応を行うと短時間で架橋反応を終了することができるが、室温では架橋に長い時間がかかるといった問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、加熱しなくても、室温でかつ短時間に架橋反応して、フロアーポリッシュ用の優れた皮膜を形成することができるフロアーポリッシュ用基材の製造方法を提供することを目的とする。本発明は、又、このような製造方法により製造されたフロアーポリッシュ用基材を含有する水性フロアーポリッシュ組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カルボキシル基を有するポリマーの水性エマルジョン又は水性ディスパージョンのカルボキシル基をカルシウムイオンで架橋する前後又は同時に、該水性エマルジョン又は水性ディスパージョンにアルカリ金属水酸化物を添加すると、上記課題を効率的に解決できるとの知見に基づいてなされたのである。
すなわち、本発明は、分子内にカルボキシル基を有するα,β−不飽和カルボン酸系ポリマー及び水性ウレタン系ポリマーからなる群から選ばれるポリマーの水性エマルジョン又は水性ディスパージョンに、アルカリ金属水酸化物とカルシウムイオン放出化合物とを添加して前記ポリマー中のカルボキシル基をカルシウム架橋することを特徴とするフロアーポリッシュ用基材の製造方法を提供する。本発明は、又、上記製造方法により製造された基材を含有することを特徴とする水性フロアーポリッシュ組成物を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する分子内にカルボキシル基を有するα,β−不飽和カルボン酸系ポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸やイタコン酸などの炭素数3〜10、好ましくは3〜6のα,β−不飽和カルボン酸系モノマー若しくはその塩(部分塩も含む)の一種又は二種以上の混合物のポリマー又はこれらとスチレンやスチレンスルホン酸塩などのスチレン系モノマー及び/又はα,β−エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルとのコポリマーがあげられる。このうち、酸価が、樹脂固形分当り20〜130であるのが好ましく、より好ましくは35〜100である。尚、酸価とは樹脂固型分1gに対するKOHのmg数であり、JIS−K−0070により容易に求めることができる。α,β−エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜12、好ましくは1〜4のアルキルエステル、特に好ましくはアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルがあげられる。
【0006】
α,β−不飽和カルボン酸系モノマー/共重合性モノマーのモル比は任意とすることができるが、3/97〜20/80とするのが好ましく、より好ましく6/94〜12/88である。
上記α,β−不飽和カルボン酸系ポリマーは、モノマーであるアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸やイタコン酸などやそれらの塩に由来するカルボキシル基又はその塩を分子内に有している。これらのポリマーとして、本発明では、重量平均分子量が50,000〜1,000,000、好ましくは60,000〜500,000のものを使用するのがよい。
【0007】
本発明で用いる分子内にカルボキシル基(カルボン酸基)を有する水性ウレタン系ポリマーとしては、ポリウレタン系樹脂の鎖中に、カルボン酸及び/又はカルボン酸塩が結合して存在しているものがあげられる。このようなものは、例えば、ポリウレタン系樹脂の製造に際し、ジオール及びジイソシアネートにカルボキシル基を有するジオール等を加え、(必要によりカルボキシル基を中和し、)重合することによって得られる。このようにカルボキシル基を導入することによって、水分散型あるいは水可溶性を有する水性ポリウレタン系樹脂にすることができる。さらにまた、必要に応じて乳化剤を加えて水性化することも可能である。ポリウレタン系樹脂に含まれるカルボン酸及び/又はカルボン酸塩の量は、酸価として表わすことができ、水性ポリウレタン系樹脂の酸価の範囲は、樹脂固形分当り20〜130であるのが好ましく、より好ましくは40〜60である。又、重量平均分子量が50,000〜1,000,000、好ましくは50,000〜200,000のものを使用するのがよい。
【0008】
本発明で使用するα,β−不飽和カルボン酸系ポリマー及び水性ウレタン系ポリマーには、分子内にカルボキシル基又はその塩を有することに加えて、カルボニル基を有してもよい。これらのポリマーにカルボニル基を導入する方法としては、特開平5−43821号公報に記載の方法を使用することができる。つまり、α,β−不飽和カルボン酸系ポリマー及び水性ウレタン系ポリマーの重合の際に、カルボニル基含有モノマーを0.1〜30重量%程度含有させておくのがよい。
ここで、カルボニル基含有モノマーとしては、アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、ホルミルスチレン、ビニルアルキルケトンなどの一種又は二種以上の混合物があげられる。
【0009】
従って、本発明で用いるα,β−不飽和カルボン酸系ポリマーとしては、α,β−不飽和カルボン酸系モノマー若しくはその塩1〜20重量%〔以下、%と略称する〕(特に好ましくは8〜20%)、カルボニル基含有モノマーを0.1〜30%及び残部がα,β−エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルであるモノマー混合物のポリマーであるのが好ましく、さらにスチレンモノマー5〜60%(特に好ましくは8〜25%)、α,β−不飽和カルボン酸系モノマー若しくはその塩1〜20%(特に好ましくは8〜20%)、カルボニル基含有モノマーを0.1〜30%及び残部がα,β−エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルであるモノマー混合物のポリマーであるのが好ましい。又、水性ウレタン系ポリマーとしては、α,β−不飽和カルボン酸系モノマー若しくはその塩6〜20%、カルボニル基含有モノマーを0.1〜30%及び残部がウレタン形成性モノマーであるモノマー混合物のポリマーであるのが好ましい。
【0010】
本発明で用いる分子内にカルボキシル基を有するα,β−不飽和カルボン酸系ポリマー及び水性ウレタン系ポリマーからなる群から選ばれるポリマーは、水性エマルジョン又は水性ディスパージョンの形態にあることが必要である。このうち、該ポリマーの固形分含量が20〜50%であるのが好ましく、より好ましくは30〜40%である。
本発明では、上記ポリマーの水性エマルジョン又は水性ディスパージョンに、アルカリ金属水酸化物とカルシウムイオン放出化合物を添加して前記ポリマー中のカルボキシル基をカルシウム架橋する。具体的には、アルカリ金属水酸化物を添加し、次いでカルシウムイオン放出化合物を添加する(第1の態様)か、アルカリ金属水酸化物とカルシウムイオン放出化合物とを同時に添加する(第2の態様)か、又はカルシウムイオン放出化合物を添加し、次いでアルカリ金属水酸化物を添加して(第3の態様)、前記ポリマー中のカルボキシル基をカルシウム架橋する。
【0011】
ここで、第1の態様では、上記水性エマルジョン又は水性ディスパージョンに、アルカリ金属水酸化物を添加して溶解させる。ここで使用するアルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムなどの一種又は二種以上の混合物があげられる。本発明では、アルカリ金属水酸化物をポリマー固型分中の酸価に対して0.05〜0.6化学当量より好ましくは0.1〜0.4化学当量の範囲の量で添加するのがよい。添加は、アルカリ金属水酸化物自体を用いて行うこともでき、又、アルカリ金属水酸化物を予め水に溶解させたものをもちいてもよい。
【0012】
本発明では、次いでカルシウムイオン放出化合物を添加する。使用するカルシウムイオン放出化合物としては、水不溶性のものが好ましく、特に水酸化カルシウム粉末又は酸化カルシウム粉末が好ましい。これらの粉末は、平均粒径が10〜300μmのものを用いるのが好ましく、より好ましくは、該粉末が界面活性剤により水中分散した水性分散液として用いるのがよい。ここで、使用する界面活性剤としては、各種界面活性剤があげられるが、アニオン界面活性剤や非イオン界面活性剤などの一種又は二種以上の混合物を用いるのがよい。このようなアニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などがあげられ、非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルなどがあげられる。
本発明で用いる水性分散液としては、水100重量部に対して水酸化カルシウム粉末及び/又は酸化カルシウム粉末1〜9重量部、界面活性剤9〜1重量部であるのが好ましい。カルシウムイオン放出化合物の使用量は、上記ポリマーの酸価に対して0.05〜0.9化学当量のカルシウムイオンを反応させる量が好ましく、より好ましくは0.2〜0.6化学当量である。
【0013】
本発明では、上記架橋反応を常温、例えば15〜25℃で行うのがよく、常法により攪拌下で行うのがよい。通常、架橋反応は1〜10分程度で終了し、水性エマルジョン又は水性ディスパージョンの形態でフロアーポリッシュ用基材を得ることができる。
本発明の第2の態様では、アルカリ金属水酸化物とカルシウムイオン放出化合物とを同時に、ポリマーの水性エマルジョン又は水性ディスパージョンに添加する。この場合にも、攪拌下で添加するのが好ましく、常温、例えば15〜25℃で行うのがよい。
【0014】
本発明の第3の態様では、第1の態様と逆の順序でカルシウムイオン放出化合物とアルカリ金属水酸化物を添加する。本発明では、第1の態様及び第2の態様が好ましい。
このようにして得たフロアーポリッシュ用基材を用い、各種添加剤を加えて、各種水性フロアーポリッシュ組成物を調製することができる。尚、水性フロアーポリッシュ組成物中、上記基材を固形分量として、2〜40%含有するのが好ましく、より好ましくは5〜30%である。
【0015】
使用する添加剤としては、ワックスが好ましい。ワックスを添加することより適度のスベリ性を得ることができ、かつ耐ブラックヒールマーク性及び耐久力に優れたものとすることができる。
ワックスとしては、フロアーポリッシュに慣用されている天然ワックスと合成ワックスを使用することができる。具体的には、天然ワックスとしてはカルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、モンタン誘導ワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス等があげられ、合成ワックスとしては、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、アマイドワックス、アクリル系ワックス等があげられる。これらのうちポリエチレンワックスとアクリル系ワックスが好ましい。
【0016】
本発明のフロアーポリッシュ組成物に、アルカリ可溶性樹脂を含有させることにより、レベリング性、剥離性及び光沢性等を向上させることができる。アルカリ可溶性樹脂としては、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、ロジン−マレイン酸共重合樹脂、水溶性アクリル樹脂などがあげられる。
本発明の床用被覆形成用組成物中のワックス及びアルカリ可溶性樹脂の含有量は任意とすることができるが、フロアーポリッシュ用基材とワックス及びアルカリ可溶性樹脂の合計量(固形分)を100重量部とした場合、ワックスを5〜50%含有させるのが好ましく、より好ましくは10〜25%である。又、アルカリ可溶性樹脂は、上記合計量(固形分)100重量部中、2〜20%(固形分として)含有させるのが好ましく、より好ましくは5〜10%である。
又、分子内にカルボキシル基又はその塩、やカルボニル基とを有しないα,β−不飽和カルボン酸系ポリマーや水性ウレタン系ポリマーを含有させることもできる。
【0017】
本発明のフロアーポリッシュ組成物には可塑剤及び/又は融合剤を含有させることができる。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、2−ピロリドン、トリブトキシエチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等があげられる。また融合剤としてはジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリメチルペンタンジオール・モノイソブチレン、N−メチル−2−ピロリドン、テキサノール等が使用可能である。又、所望によりフッ素系界面活性剤などの湿潤剤を含有させることもできる。
さらに、本発明のフロアーポリッシュ組成物には、コロイダルシリカ及び/又はアルミナゾルを含有させることができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、室温でかつ短時間(例えば1〜10分間)で架橋反応して、フロアーポリッシュ用の優れた皮膜を形成できる基材が製造される。又、本発明の基材は、アミンやアンモニウムなどの揮発成分を含まないだけでなく、亜鉛などの遷移金属をも含有しないので、該基材を含有するフロアーポリッシュ組成物を床に塗布した場合には、臭気が少なくかつ環境への影響が少ないといった優れた利点がある。又、得られる皮膜は、透明性、光沢及び再塗布性に優れ、かつ水性フロアーポリッシュ組成物は安定性に優れる。
次に実施例により本発明を説明する。
【0019】
【実施例】
参考例1:アクリル系エマルジョン1〜3の製造
攪拌装置、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に窒素を封入後、脱イオン水、乳化剤(ラウリル硫酸ナトリウム)を加え、その後、水浴中で80℃まで加温した。攪拌中に触媒(過硫酸アンモニウム)及びモノマーの他、必要に応じて分子量調整剤(アルキルメルカプタン)を2時間かけて徐々に滴下して重合を完了させ、有効成分40%のアクリル系エマルジョン(1〜3)を得た。
使用した原料を表−1に示す。表中の原料の数値は、gである。
【0020】
【表1】
表−1
Figure 0003924338
【0021】
参考例2:水性ポリウレタン系樹脂エマルジョン4及び5の製造
エマルジョン4の製造
ポリエステルポリオール(分子量1000)158.2重量部、ジメチロールプロピオン酸20.7重量部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート109.2重量部及びN−メチル−2−ピロリドン171.1重量部を還流冷却器、温度計、攪拌装置を設えた反応器に取り、80〜100℃に保ちながら、ウレタン化反応を行い、プレポリマーを製造した。
次いで該プレポリマーにトリエチルアミン15.6重量部を加えて中和した後に、ヘキサメチレンジアミン11.9重量部を加え、蒸留水を添加しつつ反応器内の温度を35℃以下に保持しながら高分子化反応を行い、反応終了までに合計490.0重量部の蒸留水を加えて、水性ポリウレタン樹脂4を得た。
この水性ポリウレタン樹脂の樹脂固型分当りの酸価は30.0であった。
【0022】
エマルジョン5の製造
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(分子量1000)80重量部、イソホロンジイソシアネート143.7重量部、ジメチロールプロピオン酸64.4重量部及びN−メチル−2−ピロリドン163.3重量部を還流冷却器、温度計、攪拌装置を設えた反応器に取り、80〜100℃に保ちながら、ウレタン化反応を行いプレポリマーを製造した。
次いで、該プレポリマーにトリエチルアミン46.7重量部を加えて中和した後に、ヘキサメチレンジアミン11.9重量部を加え、蒸留水を添加しつつ反応器内の温度を35℃以下に保持しながら高分子化反応を行い、反応終了までに合計490.0重量部の蒸留水を加えて、水性ポリウレタン樹脂5を得た。
この水性ポリウレタン樹脂の樹脂固型分当りの酸価は90.0であった。
【0023】
実施例1
攪拌機付の容器に参考例で調製したエマルジョンを加え、攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液(2%溶液)を加え、次いで水酸化カルシウム分散水溶液を添加し、カルシウム架橋を行った。これらの操作を25℃で行い、フロアーポリッシュ用基材1を得た。使用したエマルジョン、水酸化ナトリウム及び水酸化カルシウム分散水溶液を表−2に示す。表中の成分についての数値はgである。(以下、同じ)
【0024】
実施例2
攪拌機付の容器に参考例で調製したエマルジョンを加え、攪拌しながら、水酸化カリウム溶液(5%溶液)と酸化カルシウム分散水溶液とを同時に添加し、カルシウム架橋を行った。これらの操作を25℃で行い、フロアーポリッシュ用基材2を得た。使用したエマルジョン、水酸化アルカリ又は酸化カルシウム分散水溶液を表−2に示す。同様にして基材3、4、5及び6を得た。
【0025】
【表2】
表−2
Figure 0003924338
【0026】
表中、エマルジョン1〜3はアクリル系エマルジョンであり、エマルジョン4〜5は水性ポリウレタン系樹脂エマルジョンである。
水酸化カルシウム:平均粒径 50μ
酸化カルシウム:平均粒径 80μ
界面活性剤1:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)40
界面活性剤2:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(EO)30:上記界面活性剤におけるEOはエチレンキシドを示す。
比較例1
表−3に示す成分を用いた以外は、実施例1と同様にして比較用フロアーポリッシュ用基材7及び8を調製した。
【0027】
【表3】
表−3
Figure 0003924338
【0028】
尚、炭酸亜鉛アンモニウムは、攪拌機付容器の中に水54%、酸化亜鉛10%、28%アンモニア水18.0%、炭酸水素アンモン18%を加え、透明になるまで撹拌を続けて得た、亜鉛含有量8.03%の炭酸亜鉛アンモニア錯体を用いた。
実施例3
攪拌機付の容器中で、表−2又は3の基材を攪拌しながら、アルカリ可溶性レジン、ワックスの順に加えた。一方、融合剤、可塑剤、炭化フッ素系界面活性剤は別の容器に加えて攪拌し均一になったら、同量の水を加えて乳化させた後、前記攪拌を続けている基材を入れた容器に徐々に加え、1時間攪拌を続けて、水性フロアーポリッシュ組成物1〜8* を得た。
使用した成分を表−4に示す。
【0029】
【表4】
表−4
Figure 0003924338
【0030】
表中の組成物1〜6は本発明品であり、組成物7* 及び8* は比較例である。
アルカリ可溶性樹脂1:米国ロームアンドハース社製アクリルエマルション系アルカリ可溶性レジン、商品名:プライマルB−644(有効成分 42%)
アルカリ可溶性樹脂2:米国アーコケミカル社製スチレン−マレイン酸系アルカリ可溶性レジン、商品名:SMA2625A(酸価 220)をアンモニア水にて溶解(有効成分 15%)
ワックス1:米国アライドケミカル社製 ポリエチレンワックス、商品名:AC−392を非イオン系界面活性剤にて乳化(有効成分 40%)
ワックス2:株式会社日本触媒社製 アクリル系ワックス 商品名:CX−ST200(有効成分 40%)
このようにして得られた水性フロアーポリッシュ組成物1〜8の性能を次のようにして調べた。
【0031】
安定性
JIS K 3920−1991(フロアーポリッシュ試験方法)
−12 貯蔵安定性に準じて行った。
皮膜の透明性
内径85mmのフラットシャーレに試料2mlを取り水平に保持して常温で48時間乾燥する。乾燥後の皮膜の透明性を目視で評価する。
光沢
JIS K 3920−1991(フロアーポリッシュ試験方法)
−14 光沢度に準じて行った。
再塗布性
JIS K 3920−1991(フロアーポリッシュ試験方法)
−6.5 ガーゼによる皮膜調整に準じて塗布し、塗り重ね時の下の膜の溶解性及び光沢の低下を目視で評価する。
結果をまとめて表−5に示す。
【0032】
【表5】
表−5
Figure 0003924338
表中の組成物1〜6は本発明品であり、組成物7* 及び8* は比較例である。

Claims (5)

  1. 分子内にカルボキシル基を有するα,β−不飽和カルボン酸系ポリマー及び水性ウレタン系ポリマーからなる群から選ばれるポリマーの水性エマルジョン又は水性ディスパージョンに、アルカリ金属水酸化物をポリマー固型分中の酸価に対して0 . 05〜0 . 6化学当量の範囲の量で、かつ水酸化カルシウム粉末及び酸化カルシウム粉末からなる群から選ばれるカルシウムイオン放出化合物を添加して前記ポリマー中のカルボキシル基をカルシウム架橋することを特徴とするフロアーポリッシュ用基材の製造方法。
  2. カルシウムイオン放出化合物が、ポリマー固形分中の酸価に対して0.05〜0.9化学当量の範囲で添加される請求項1記載の製造方法
  3. 水酸化カルシウム粉末又は酸化カルシウム粉末が界面活性剤により水中分散した水性分散液として添加される請求項1記載の製造方法。
  4. 常温で架橋反応を行う請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 請求項1記載の製造方法により製造された基材を含有することを特徴とする水性フロアーポリッシュ組成物。
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