JP3924135B2 - 油冷式スクリュ圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油冷式スクリュ圧縮機の改善に関し、より詳しくは、互いに噛合する雌雄一対のスクリュロータを収容したロータケーシングとモータを収容したモータケーシングとが一体的に結合されてなる圧縮機本体を備えた油冷式スクリュ圧縮機の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
互いに噛合する雌雄一対のスクリュロータをロータケーシングに収容した圧縮機本体を備えてなる油冷式スクリュ圧縮機としては、例えば特開平9−88860号公報(従来例1)、特開平10−103265号公報(従来例2)等に開示されてなるものが公知である。以下、これら従来例1および従来例2に係る油冷式スクリュ圧縮機を説明する。
【0003】
従来例1に係る給油式(油冷式)スクリュ圧縮機の潤滑油回収装置を、その正面図の図3(a)と、その一部を拡大して示す縦断側面図の図3(b)とを参照しながら、同公報に記載されている同一名称並びに同一符号を以て説明する。
即ち、この給油式スクリュ圧縮機では、メスロータ3に噛合する雄ロータ2の吸気側軸受の潤滑油軸封装置として用いたメカニカルシール11から洩出した油が溜まる潤滑油溜まり空間12が形成されている。そして、この潤滑油溜まり空間12と給油式スクリュ圧縮機の吸気部13とを戻し通路14で連通させることにより潤滑油溜まり空間12に溜まった潤滑油を吸気部13に導いて回収するように構成されている。さらに、圧力変動に応じて開閉するバルブ15を戻し通路14の途中に設けることにより、戻し通路14を通して外気が吸気部13に流入することや、吸気部13内の潤滑油や空気が戻し通路14を通って外部に洩れだすのを防止するように構成されてなるものである。
【0004】
次に、従来例2に係る「オイルフリースクリュ圧縮機」を、そのロータ軸を含む垂直な方向の断面図の図4を参照しながら、同公報に記載されている同一名称並びに同一符号を以て説明すると、このオイルフリースクリュ圧縮機は、ロータ室6とロータ軸の注油式軸受部10a,10bとの間に、ロータ室6側から、第1環状溝15,16を介して第1大気連通孔(図示省略)に連通する第1軸封部11,12と、内側にラビリンスを備え、第2環状溝(19,20)を介して第2大気連通孔21,22に連通する第2軸封部13,14とを備えたオイルフリースクリュ圧縮機において、第2環状溝(図示省略)と、ロータ室6に回転可能に収容されている雌雄一対のスクリュロータ1,2のうちの何れか一方に、モータ8の回転を伝える増速歯車列を収容した歯車箱内7の下部に形成された油溜まり部34を連通させる油抜き流路35を形成させたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例1に係る給油式スクリュ圧縮機の潤滑油回収装置は、潤滑油溜まり空間に溜まった油を戻し通路を介して吸気部へ導くもので、ユニット内で潤滑油を循環させて再使用する構成になっている点で優れている。しかしながら、従来例1に係る給油式スクリュ圧縮機は、軸封装置に相当する部位の油漏れを完全に防止するように構成されていない。つまり、メカニカルシールだけでユニット外への油洩れを完全に防止することができない。また、従来例2に係るオイルフリースクリュ圧縮機は、第1環状溝、第2環状溝内の油を油抜き流路を介して歯車箱内の油溜まり部に戻す構成になるものである。つまり、ラビリンスでは油漏れを防止することができないから、油漏れがあることを前提にしている。
【0006】
上記従来例1に係る給油式スクリュ圧縮機、または従来例2に係るオイルフリースクリュ圧縮機のように、圧縮機本体の外方位置にモータが配設されている場合には、ユニット外に洩出した油がモータに付着することがないから、モータに、油に起因する不具合が発生するような恐れがない。
【0007】
しかしながら、互いに噛合する雌雄一対のスクリュロータをロータケーシングに収容した圧縮機本体と、スクリュロータを駆動するモータを収容したモータケーシングとが一体的に結合された油冷式スクリュ圧縮機の場合には、モータケーシング内に侵入した油がモータに付着すると、熱により炭化する。そのため、モータが絶縁不良(短絡)を起こし、結果的に損傷してしまうから、圧縮機本体とモータケーシングとが一体的に結合された油冷式スクリュ圧縮機に対して、ユニット外への油洩れを防止することができない上記従来例1に係る給油式スクリュ圧縮機や従来例2に係るオイルフリースクリュ圧縮機の技術的思想を適用することができない。
【0008】
ところで、ユニット外への油洩れを防止するために、エアシールを用いたスクリュ圧縮機も知られている。このようなスクリュ圧縮機では、高圧空気供給源が必要であるから、高圧空気供給源を別途設けなければならない。勿論、高圧空気供給源を設けなければならないという経済上の問題を解決するために、油冷式スクリュ圧縮機を高圧空気供給源を設ける必要がない構成にすること、つまり油冷式スクリュ圧縮機の吐出口から吐出される高圧空気の一部をロータ軸に供給してエアシールを形成させる手段も考えられる。しかしながら、圧縮機本体の運転が停止されると、エアシール近傍のシール作用が弱まってしまうから、モータ側への油洩れを完全に防止することができない。
【0009】
従って、本発明の目的は、互いに噛合する雌雄一対のスクリュロータのうちの一方のスクリュロータとモータとが互いに共有するロータ軸から、モータを収容したモータケーシング側への油の洩れ込みを確実に防止することを可能ならしめる油冷式スクリュ圧縮機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、従って上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る油冷式スクリュ圧縮機が採用した手段は、互いに噛合する雌雄一対のスクリュロータを、吸込みフィルタから空気吸込み路が連通するロータケーシングに収容した圧縮機本体と、前記スクリュロータを駆動するモータを収容したモータケーシングとが一体的に結合され、前記一方のスクリュロータと前記モータとが共有するロータ軸のスクリュロータとモータとの間が軸受で支持され、前記圧縮機本体から吐出された圧縮空気から油分を分離回収する油分離回収器を備えると共に、この油分離回収器から空気供給先側に、油分が分離された圧縮空気を供給する空気供給路が連通する油冷式スクリュ圧縮機において、前記ロータ軸の軸受のモータ側に第1シールリングを設け、前記ロータ軸の第1シールリングのモータ側に第2シールリングを設け、前記ロータ軸の第1シールリングと第2シールリングとの間に、前記空気吸込み路に連通する第1流路を配設し、前記第2シールリングから前記空気吸込み路に連通する第2流路を配設すると共に、前記ロータ軸の第1シールリングと第2シールリングとの間に、前記空気供給路に連通するパージ空気供給路を配設したことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項2に係る油冷式スクリュ圧縮機が採用した手段は、前記第2シールリングは、前記ロータ軸と共回りするように嵌合され、前記第2シールリングの外周側に、前記第2流路が連通すると共に、この第2シールリングの回転により飛散する油滴を捕捉する飛散油捕捉空間が形成されてなることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項3に係る油冷式スクリュ圧縮機が採用した手段は、請求項1または2のうちの何れかに記載の油冷式スクリュ圧縮機において、前記パージ空気供給路に開閉弁が介装されてなることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項4に係る油冷式スクリュ圧縮機が採用した手段は、請求項3に記載の油冷式スクリュ圧縮機において、前記開閉弁は、制御手段により、前記圧縮機本体を駆動するモータの駆動中は閉弁され、前記モータの停止中に開弁される電磁開閉弁であることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項5に係る油冷式スクリュ圧縮機が採用した手段は、請求項4に記載の油冷式スクリュ圧縮機において、前記制御手段は、前記電磁開閉弁を弁させた後、予め設定された所定時間後に前記圧縮機本体を駆動するモータを停止させる機能を備えてなることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項6に係る油冷式スクリュ圧縮機が採用した手段は、請求項5に記載の油冷式スクリュ圧縮機において、前記制御手段は、前記圧縮機本体を駆動するモータが停止する前の予め設定された所定時間前から、このモータの回転数を下げる機能を備えてなることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る油冷式スクリュ圧縮機を、模式的に示すその全体系統図の図1と、その圧縮機本体のスクリュロータとモータとの間の部分拡大図の図2とを順次参照しながら、この油冷式スクリュ圧縮機がパッケージ型油冷式スクリュ圧縮機である場合を例として説明する。
【0017】
図1に示す符号1は、本実施の形態に係る油冷式スクリュ圧縮機であり、この油冷式スクリュ圧縮機1は、ファン104の駆動により第1空気流入口101および第2空気流入口102から大気中の空気を吸込むと共に、吸込んだ空気を空気流出口103から排出させる機能を備えた、一点鎖線で示すパッケージ100内に収容されている。この油冷式スクリュ圧縮機1は、圧縮機本体2、油分離回収器3、この油分離回収器3で分離回収された油を冷却するオイルクーラ4、この油分離回収器3で油が分離された圧縮空気を冷却するアフタークーラ5、油冷式スクリュ圧縮機1の運転を制御する制御手段6、および各種配管系である。
【0018】
前記油冷式スクリュ圧縮機1の圧縮機本体2は、互いに噛合する雌雄一対のスクリュロータ(図1では、雄ロータだけが示されており、雌ロータは雄ロータに隠されている。)が、吸込みフィルタ2aから、吸込み逆止弁2cが介装されてなる空気吸込み路2bが連通するロータケーシング21内に収容されている。
そして、このロータケーシング21に、前記雌雄一対のスクリュロータのうち一方のスクリュロータ、つまり雄ロータ22を駆動するモータ27が収容されてなるモータケーシング26が結合されて一体的に構成されている。前記雄ロータ22と前記モータ27とが共有するロータ軸23の、前記雄ロータ22とモータ27との間が転がり軸受24により支持されている。
【0019】
前記圧縮機本体2の吐出口から吐出された油分を含む圧縮空気は、この圧縮空気から油分を分離回収する油分離回収器3に供給されるようになっている。
そして、油分離回収器3により油分が除去された圧縮空気は保圧逆止弁71およびアフタークーラ5が介装された空気供給路7を通り、次いでドレンセパレータ81が介装されたパッケージ100外の空気供給先路8を通って、水分が除去されて図示しない空気供給先側に供給されるように構成されている。一方、前記油分離回収器3により分離回収された油は潤滑油として、オイルクーラ4やオイルフィルタ91および92が介装された潤滑油供給路9を通して、前記圧縮機本体2の軸受部や雌雄一対のスクリュロータに供給されるように構成されている。なお、前記アフタークーラ5やオイルクーラ4は、何れも前記ファン104の駆動により生じる空気流との熱交換によって油分が除去された圧縮空気や、油分を含む圧縮空気から分離回収された油を冷却する空冷式のものである。
【0020】
前記圧縮機本体2のロータ軸23を回転可能に支持する転がり軸受24の近傍部位は、図2に示すように構成されている。即ち、転がり軸受24は、ロータケーシング21のモータ27側に設けられた軸受箱25の奥側位置に収容されており、外周面に周設された複数(この例では、2条周設されている。)の環状溝のそれぞれに、前記軸受箱25の内周面に密接するO−リングが嵌着されてなる軸受押さえ10によって固定されている。そして、この軸受押さえ10の内側であって、かつ転がり軸受24のモータ27側に第1シールリング11が配設されると共に、この第1シールリング11のモータ27側に第2シールリング12が配設されている。
【0021】
より詳しくは、前記ロータ軸23の転がり軸受24のモータ27側には、リップの先端部がロータ軸23の外周面に摺接するオイルシール11aが内周面側に組込まれると共に、外周面に周設された環状溝にO−リング11bが嵌着されてなる第1シールリング11が配設されている。また、この第1シールリング11のモータ27側には、ロータ軸23の外周面に密接するO−リング12aが内周面に周設された環状溝に嵌着されてなる第2シールリング12が、ロータ軸23と共回りし得るように嵌着されている。
【0022】
前記第2シールリング12は、前記軸受押さえ10の内周面側に設けられ、この軸受押さえ10の径方向の中心から下側方向に、径方向の中心が偏心するリング収容室に収容されている。そして、前記第1シールリング11のオイルシール11aのリップを通り抜けて、この第2シールリング12の配設位置まで侵入してきた油をO−リング12aによって遮断すると共に、ロータ軸23との共回りにより発生する遠心力で、この第2シールリング12の外方向に飛散させる働きをするものである。前記第2シールリング12の遠心力により飛散した油滴は、この第2シールリング12の下側外周面と前記リング収容室の内周面との間に形成されてなる飛散油捕捉空間10aで捕捉されるように構成されている。
【0023】
また、前記第1シールリング11と第2シールリング12との間であって、かつ前記軸受押さえ10の内周面に周設されてなる集油環状溝10bから、前記空気吸込み路2bの先端側の吸込みフィルタ2aと吸込み逆止弁2cとの間に第1流路13が連通すると共に、第2シールリング12から飛散する油滴を捕捉する飛散油捕捉空間10aから、空気吸込み路2bの吸込みフィルタ2aと吸込み逆止弁2cとの間に第2流路14が連通している。
【0024】
さらに、前記空気供給路7の前記油分離回収器3と保圧逆止弁71との間から第1シールリング11と第2シールリング12との間に、開閉弁である電磁開閉弁15aが介装されたパージ空気供給路15が連通している。また、このパージ空気供給路15の電磁開閉弁15aの下流側から空気吸込み路2bの吸込みフィルタ2aと吸込み逆止弁2cとの間にパージ空気量調整路16が連通しており、第1シールリング11と第2シールリング12との間に適正な量のパージ空気を供給するように構成されている。なお、前記パージ空気供給路15の前記パージ空気量調整路16の分岐位置よりも圧縮機本体2側に介装されてなるものは、パージ空気量を絞る絞り15bである。この絞り15bに代えてオリフィスを用いることもできる。
【0025】
前記電磁開閉弁15aは、前記制御手段6により、圧縮機本体2を駆動するモータ27の駆動中には閉弁されており、このモータの停止中には開弁されるが、この制御手段6は圧縮機本体2を駆動するモータ27が停止する前の予め設定された所定時間前から、このモータ27の回転数を下げさせ、そして電磁開閉弁15aを弁させた後、予め設定された所定時間後にモータ27を停止させる機能を備えている。なお、モータ27が停止する前に、このモータ27の回転数を下げさせ始める予め設定された所定時間、および電磁開閉弁15aを弁させた後にモータ27を停止させる予め設定された所定時間は、全てタイマーによって設定されるものである。
【0026】
前記電磁開閉弁15aを、圧縮機本体2を駆動するモータ27の駆動中は閉弁させ、またこのモータ27の停止中に開弁させるようにしたのは、下記の理由によるものである。即ち、圧縮機本体2の駆動中では、空気吸込み路2b側が負圧になるためにロータケーシング21側からモータケーシング26側へ油が侵入する恐れがない。それにもかかわらず、電磁開閉弁15aを開弁するということは、活用すべき圧縮空気の一部を無駄に消費することになり、油冷式スクリュ圧縮機1の効率低下と同じ結果をもたらすので好ましくない。
【0027】
勿論、圧縮機本体2の運転停止中は、電磁開閉弁15aを開弁して、パージ空気供給炉15からロータ軸23の第1シールリング11と第2シールリング12との間にパージ空気を供給してエアシールを形成させる必要がある。つまり、圧縮機本体2の運転が停止されても吐出側が高圧に維持されている関係上、運転停止に伴って吸込み側の負圧状態を維持することができなくなるために、ロータ軸23の第1シールリング11と第2シールリング12との間にエアシールを形成させないと、ロータケーシング21側からモータケーシング26側への油の侵入を防止することができなくなるからである。
【0028】
ところで、圧縮機本体2の運転停止中に、ロータケーシング21側からモータケーシング26側への油の侵入を確実に防止するためには、この圧縮機本体2の駆動が停止されるまでの間に、前もってエアシールを形成し、シール機能が完全に働き得る状態にしておくことが好ましい。そのため、段落番号〔002〕において説明したとおり、制御手段6により、圧縮機本体2を駆動するモータ2が停止する前の予め設定された所定時間前から、このモータ27の回転数を下げさせ、そして電磁開閉弁15aを弁させた後の、予め設定された所定時間後にモータ27を停止させるようにしたものである。
【0029】
以下、上記構成になる油冷式スクリュ圧縮機1の作用態様を説明すると、油冷式スクリュ圧縮機1の運転中では電磁開閉弁が閉弁されていて、パージ空気供給15から圧縮空気が供給されないから、ロータ軸23の近傍にエアシールが形成されない。しかしながら、油冷式スクリュ圧縮機1の運転中は、圧縮機本体2の空気吸込み路2b側が負圧になるため、ロータケーシング21側からモータケーシング26側へ油が侵入するような恐れがない。
【0030】
そして、圧縮機本体2の空気吸込み路2b側が負圧でになっているにもかかわらず、何らかの原因で、潤滑油供給路9から転がり軸受24に供給されている潤滑油が第1シールリング11のオイルシール11aのリップを通り抜けたとしても、通り抜けた潤滑油は集油環状溝10bから第1流路13を通って空気吸込み路2bの吸込みフィルタ2aと吸込み逆止弁2cとの間に導かれて排出される。さらに、第1流路13からの排出を免れた潤滑油が第2シールリング12の配設位置まで侵入してきたとしても、モータケーシング26側への油の侵入がO−リング12aにより遮断され、そしてロータ軸23と共回りする第2シールリング12から油滴になって飛散して飛散油捕捉空間10aにより捕捉されると共に、第2流路14を通って空気吸込み路2bの吸込みフィルタ2aと吸込み逆止弁2cとの間に導かれて排出されてしまうから、ロータケーシング21側からモータケーシング26側へ油が侵入するような恐れがない。
【0031】
一方、油冷式スクリュ圧縮機1の運転を停止させる場合には、圧縮機本体2の駆動が停止されるまでの間に、前もって電磁開閉弁15aが開弁されるので、パージ空気供給路15から、第1シールリング11と第2シールリング12との間にパージ空気が流入して、圧縮機本体2の駆動が停止したときには、既にエアシールが形成されている。そのため、エアシール機能を完全に果たし得る状態になっていて、転がり軸受24側から潤滑油が第1シールリング11のオイルシール11aのリップを通り抜けて、第1シールリング11と第2シールリング12との間に侵入するようなことがないから、ロータケーシング21側からモータケーシング26側へ油が侵入するような恐れがない。
【0032】
本実施の形態に係る油冷式スクリュ圧縮機1によれば、上記のとおり、圧縮機本体2の運転、運転停止の如何にかかわらずロータケーシング21側からモータケーシング26側への油の侵入が防止され、例え第1シールリング11と第2シールリング12との間に潤滑油が侵入しても、侵入した油は第1流路13や第2流路14から空気吸込み路2bの吸込みフィルタ2aと吸込み逆止弁2cとの間に排出され、もともと潤滑油を必要とする雌雄一対のスクリュロータを備えた圧縮機本体2内に吸込み空気と共に供給される。従って、メカニカルシールだけでユニット外への油洩れを防止する構成の従来例1に係る給油式スクリュ圧縮機の潤滑油回収装置や、ラビリンスを備えた従来例2に係るオイルフリースクリュ圧縮機よりも油洩れ防止機能が優れており、洩出した油をユニット外に排出する構成でないから油の消費量が増大するというようなこともない。
【0033】
なお、以上では、圧縮機本体2、油分離回収器3、オイルクーラ4、アフタークーラ5、制御手段6等がパッケージ100内に収容されてなるパッケージ型油冷式スクリュ圧縮機の場合を例として説明した。しかしながら、特に、これに限らず、圧縮機本体2、油分離回収器3、オイルクーラ4、アフタークーラ5、制御手段6等がパッケージ内に収容されていない通常型の油冷式スクリュ圧縮機に対しても、本発明の技術的思想を適用することができるので、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1乃至6に係る油冷式スクリュ圧縮機の場合には、運転中は第1シールリングと第2シールリングとにより、また運転停止中は第1シールリングと第2シールリングとの間に吹き込まれる圧縮空気にエアシール機能によりロータケーシング側からモータケーシング側への油の侵入が防止され、そいて例え第1シールリングと第2シールリングとの間に潤滑油が侵入したとしても、侵入した油は第1流路13、第2流路14から空気吸込み路を介して、もともと潤滑油を必要とする雌雄一対のスクリュロータを備えた圧縮機本体内に供給される。
【0035】
従って、本発明の請求項1乃至5に係る油冷式スクリュ圧縮機によれば、メカニカルシールだけでユニット外への油洩れを防止する構成の従来例1に係る給油式スクリュ圧縮機の潤滑油回収装置や、ラビリンスを備えた従来例2に係るオイルフリースクリュ圧縮機よりも油洩れ防止機能が優れており、そして洩出した油をユニット外に排出する構成にする必要がないから油の消費量が増大するというようなこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係り、模式的に示する油冷式スクリュ圧縮機の全体系統図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る油冷式スクリュ圧縮機の圧縮機本体のスクリュロータとモータとの間の部分拡大図である。
【図3】従来例1に係り、図3(a)は給油式スクリュ圧縮機の潤滑油回収装置の正面図、図3(b)は給油式スクリュ圧縮機の潤滑油回収装置の一部を拡大して示す縦断側面図である。
【図4】従来例2に係るオイルフリースクリュ圧縮機のロータ軸を含む垂直な方向の断面図である。
【符号の説明】
1…油冷式スクリュ圧縮機,2…圧縮機本体,2a…吸込みフィルタ,2b…空気吸込み路,2c…吸込み逆止弁,21…ロータケーシング,22…雄ロータ,23…ロータ軸,24…転がり軸受,25…軸受箱,26…モータケーシング,27…モータ,3…油分離回収器,4…オイルクーラ,5…アフタークーラ,6…制御手段,7…空気供給路,8…空気供給先路,81…ドレンセパレータ,9…潤滑油供給路,10…軸受押さえ,10a…飛散油捕捉空間,10b…集油環状溝,11…第1シールリング,11a…オイルシール,11b…O−リング,12…第2シールリング,12a…O−リング,13…第1流路,14…第2流路,15…パージ空気供給路,15a…電磁開閉弁,15b…絞り,16…パージ空気量調整路,100…パッケージ,101…第1空気流入口,102…第2空気流入口,103…空気流出口,104…ファン。

Claims (6)

  1. 互いに噛合する雌雄一対のスクリュロータを、吸込みフィルタから空気吸込み路が連通するロータケーシングに収容した圧縮機本体と、前記スクリュロータを駆動するモータを収容したモータケーシングとが一体的に結合され、前記一方のスクリュロータと前記モータとが共有するロータ軸のスクリュロータとモータとの間が軸受で支持され、前記圧縮機本体から吐出された圧縮空気から油分を分離回収する油分離回収器を備えると共に、この油分離回収器から空気供給先側に、油分が分離された圧縮空気を供給する空気供給路が連通する油冷式スクリュ圧縮機において、前記ロータ軸の軸受のモータ側に第1シールリングを設け、前記ロータ軸の第1シールリングのモータ側に第2シールリングを設け、前記ロータ軸の第1シールリングと第2シールリングとの間に、前記空気吸込み路に連通する第1流路を配設し、前記第2シールリングから前記空気吸込み路に連通する第2流路を配設すると共に、前記ロータ軸の第1シールリングと第2シールリングとの間に、前記空気供給路に連通するパージ空気供給路を配設したことを特徴とする油冷式スクリュ圧縮機。
  2. 前記第2シールリングは、前記ロータ軸と共回りするように嵌合され、前記第2シールリングの外周側に、前記第2流路が連通すると共に、この第2シールリングの回転により飛散する油滴を捕捉する飛散油捕捉空間が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の油冷式スクリュ圧縮機。
  3. 前記パージ空気供給路に開閉弁が介装されてなることを特徴とする請求項1または2のうちの何れかに記載の油冷式スクリュ圧縮機。
  4. 前記開閉弁は、制御手段により、前記圧縮機本体を駆動するモータの駆動中は閉弁され、前記モータの停止中に開弁される電磁開閉弁であることを特徴とする請求項3に記載の油冷式スクリュ圧縮機。
  5. 前記制御手段は、前記電磁開閉弁を弁させた後、予め設定された所定時間後に前記圧縮機本体を駆動するモータを停止させる機能を備えてなることを特徴とする請求項4に記載の油冷式スクリュ圧縮機。
  6. 前記制御手段は、前記圧縮機本体を駆動するモータが停止する前の予め設定された所定時間前から、このモータの回転数を下げる機能を備えてなることを特徴とする請求項5に記載の油冷式スクリュ圧縮機。
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