JP3923840B2 - 金属化プラスチックフィルムコンデンサの外部電極用無鉛合金 - Google Patents

金属化プラスチックフィルムコンデンサの外部電極用無鉛合金 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属化プラスチックフィルムコンデンサ素子の端面に金属溶射により外部電極を形成する際に使用する無鉛合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属化プラスチックフィルムコンデンサの外部電極に使用する溶射合金には、従来より電気特性等の諸特性に優れた鉛を主成分とするSn−Zn−Cu−Sb−Pb系鉛合金が使用されている。
【0003】
この系の合金は、例えば、表1に示す従来品のように、引張強度が4.0〜6.1Kgf/mm、伸びが39〜57.1%で、外部電極として必要な機械的特性を備えている。
【0004】
ところが、従来の鉛を多く含む鉛合金が電子機器として使用された後、故障あるいは老朽化等に伴い廃棄処理されると、最近の地球規模の環境汚染による酸性雨に鉛合金がさらされ、鉛合金中の鉛が溶出し、土壌や地下水を汚染する。鉛は有害物質であり、これに汚染された地下水は、その飲用あるいは食物連鎖により人間、自然界、生態系に重大な悪影響を及ぼす危険性があり深刻な環境問題となっている。
【0005】
この問題を解決するために、上記鉛を主成分とするSn−Zn−Cu−Sb−Pb系鉛合金からPbだけを除いたSn−Zn−Cu−Sb系合金が提案されている。
【0006】
しかし、このPb抜きの無鉛合金は、電気的特性は実用範囲にあるものの、表1の比較例1,2,3から判るように、Znに対するSbの量が相対的に多くなると、外部電極用無鉛合金として必要な引張強度において劣る傾向があることが分った。
【0007】
ちなみに、金属化プラスチックフィルムコンデンサの外部電極用合金として必要(適正)な機械的特性は、引張強度3〜11Kgf/mm、伸び10%以上である。
【0008】
引張強度は、高ければ良いというものではない。合金の引張強度が高すぎると、脆くなり、これを使用した外部電極に割れが生じる。逆に、合金の引張強度が低すぎると、強度不足になり、これを使用した外部電極は、衝撃などが加わると、割れたり、剥離したりする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような技術的背景の下でなされたもので、Sn−Zn−Cu−Sb系合金におけるSbのZnに対する量を減らすことによって、電気的特性を実用範囲に保持しつつ、機械的特性を適正に保持することができる金属化プラスチックフィルムコンデンサの外部電極用のSn−Zn−Cu−Sb系無鉛合金を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明が提供する金属化プラスチックフィルムコンデンサの外部電極用無鉛合金は、金属化プラスチックフィルムコンデンサ素子の端面に溶射により外部電極を被膜として形成する際に使用する無鉛合金であって、Znが0.5〜25量%、Cuが0.01〜5.0量%、Sbが0.01〜0.4量%、Snが残部からなるものである。
【0011】
上記無鉛合金におけるSnの一部を、Ni0.01〜1.0量%、Ga0.005〜0.5量%、Ag0.01〜2.5量%、P0.001〜0.2量%、Al0.005〜0.2量%、Si0.001〜0.2量%、Bi0.01〜3量%のうちから選ばれた金属で置き換えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を実施例によって説明する。
【0013】
(1)表1と表2に示す実施例1〜33の組成の合金の引張り強度と伸びの測定は、直径2.0mmφの線材を試験片とした。線材は各実施例について、それぞれ10本、合計330本作成した。
【0014】
(2)各試験片について引張強度と伸びを測定した。測定条件は次のとおりである。
【0015】
(1)使用ロードセル(荷重変位計)100kg
(2)引張速度 20mm/min
(3)標点距離 100mm
【0016】
(3)実施例1〜33の合金の機械的特性の評価(判定)は、表1と表2に示すとおりである。
【0017】
引張強度、伸びは、実施例1〜33の組成の合金で作成したそれぞれ10本の試験片の測定結果の平均値で示した。
【0018】
判定は、引張強度3〜11Kgf/mm、伸び10%以上を合格とした。
【0019】
(4)比較のために、表1と表3に示す比較例の合金についても、実施例と同じ要領で、機械的特性の測定と評価(判定)を行った。
【0020】
(5)また、従来の鉛合金、すなわち、Pb90〜55重量%Sn−Zn−Cu−Sb系合金についても、実施例と同じ要領で機械的特性の測定と評価も行った。
【0021】
(6)各実施例の評価は、以下のとおりである。
【0022】
(a)全実施例を通してCuの添加は、Sn−Zn−Sb系合金の機械的特性を向上させる効果があり、Sn−Zn−Sb系合金だけでは得られない機械的特性を得ることができる。
【0023】
実施例1の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度が3.3Kgf/mmと17.5%減少するが、外部電極用無鉛合金として必要な機械的特性である引張強度3〜11Kgf/mm、伸び10%以上を有するため実用上問題はない。
【0024】
実施例2の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55量%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は5.3Kgf/mmと1.32倍向上し、伸び率50.5%という優れた機械的特性を有している。
【0025】
実施例3の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55量%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は6.8Kgf/mmと1.7倍向上し、伸び率43.2%という優れた機械的特性を有している。
【0026】
実施例4の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55量%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は8.5Kgf/mmと2.12倍向上し、伸び率39.7%という優れた機械的特性を有している。
【0027】
実施例5の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は9.4Kgf/mmと2.35倍向上し、伸び率39.2%という優れた機械的特性を有している。
【0028】
(b)実施例6〜12は、Ni,Ga,Ag,P,Al,Si,Biのうちから選ばれた金属を、Zn−Cu−Sb−Sn系の外部電極用無鉛合金のSnの一部と置き換えて添加すれば外部電極用無鉛合金の機械的特性を向上させることができることを示している。
【0029】
実施例6のNiの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の結晶粒を微細化し機械的特性(引張強度、伸び、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例6の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55量%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は5.5Kgf/mmと1.37倍向上し、伸び率59.8%という優れた機械的特性を有している。
【0030】
実施例7のGaの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系溶融合金の酸化を抑制する効果があり、その結果機械的特性(引張強度、伸び、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例7の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55量%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は6.6Kgf/mmと1.65倍向上し、伸び率62.8%という優れた機械的特性を有している。
【0031】
実施例8のSiの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の機械的特性(引張強度、伸び、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例8の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55量%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は8.8Kgf/mmと2.2倍向上し、伸び率42.1%という優れた機械的特性を有している。
【0032】
実施例9のPの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系溶融合金の流動性を向上させ酸化を抑制する効果があり、その結果機械的特性(引張強度、伸び、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例9の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55量%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は6.5Kgf/mmと1.62倍向上し、伸び率55.6%という優れた機械的特性を有している。
【0033】
実施例10のAlの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系溶融合金の酸化を抑制する効果があり、また機械的特性(引張強度、伸び、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例10の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55量%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は7.5Kgf/mmと1.87倍向上し、伸び率48.0%という優れた機械的特性を有している。
【0034】
実施例11のAgの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の結晶粒を微細化し機械的特性(引張強度、伸び、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例11の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55量%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は9.2Kgf/mmと2.3倍向上し、伸び率42.1%という優れた機械的特性を有している。
【0035】
実施例12のBiの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の機械的特性(引張強度、伸び、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例12の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55量%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は9.7Kgf/mmと2.42倍向上し、伸び率39.3%という優れた機械的特性を有している。
【0036】
(c)実施例13〜33は、Ni,Ga,Ag,P,Al,Si,Biのうちから選ばれた金属を、どれくらいの量、Zn−Cu−Sb−Sn系の外部電極用無鉛合金のSnの一部と置き換えて添加すれば、外部電極用無鉛合金の機械的特性を、向上させることができるを示したものである。
【0037】
実施例13のNiの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の結晶粒を微細化し機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例13の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は3.32kgf/mmと17%減少するが、外部電極用無鉛合金として必要な機械的特性である引張強度3〜11kgf/mm、伸び10%以上を有するため実用上問題はない。
【0038】
実施例14のNiの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の結晶粒を微細化し機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例14の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は6.9kgf/mmと1.72倍向上し、伸び率45.2%という優れた機械的特性を有している。
【0039】
実施例15のNiの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の結晶粒を微細化し機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例15の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は10.2kgf/mmと2.55倍向上し、伸び率44.6%という優れた機械的特性を有している。
【0040】
実施例16のGaの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系溶融合金の酸化を抑制する効果があり、その結果機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例16の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は3.31kgf/mmと17.2%減少するが、外部電極用無鉛合金として必要な機械的特性である引張強度3〜11kgf/mm、伸び10%以上を有するため実用上問題はない。
【0041】
実施例17のGaの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系溶融合金の酸化を抑制する効果があり、その結果機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例17の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は6.9kgf/mmと1.72倍向上し、伸び率43.0%という優れた機械的特性を有している。
【0042】
実施例18のGaの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系溶融合金の酸化を抑制する効果があり、その結果機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例18の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は9.5kgf/mmと2.37倍向上し、伸び率49.7%という優れた機械的特性を有している。
【0043】
実施例19のSiの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例19の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu一Sb系合金と比較して、引張強度は3.36kgf/mmと16%減少するが、外部電極用無鉛合金として必要な機械的特性である引張強度3〜11kgf/mm、伸び10%以上を有するため実用上問題はない。
【0044】
実施例20のSiの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例20の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu一Sb系合金と比較して、引張強度は9.3kgf/mmと2.32倍向上し優れた機械的特性を有している。伸びは10%以上を有するため実用上問題はない。
【0045】
実施例21のSiの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例21の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は10.1kgf/mmと2.52倍向上し優れた機械的特性を有している。伸びは10%以上を有するため実用上問題はない。
【0046】
実施例22のPの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系溶融合金の流動性を向上させ酸化を抑制する効果があり、その結果機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例22の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は3.31kgf/mmと17.2%減少するが、外部電極用無鉛合金として必要な機械的特性である引張強度3〜11kgf/mm、伸び10%以上を有するため実用上問題はない。
【0047】
実施例23のPの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系溶融合金の流動性を向上させ酸化を抑制する効果があり、その結果機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例23の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は7.1kgf/mmと1.77倍向上し、伸び率49.2%という優れた機械的特性を有している。
【0048】
実施例24のPの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系溶融合金の流動性を向上させ酸化を抑制する効果があり、その結果機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例24の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は10.3kgf/mmと2.57倍向上し優れた機械的特性を有している。伸びは10%以上を有するため実用上問題はない。
【0049】
実施例25のAlの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系溶融合金の酸化を抑制する効果があり、また、機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例25の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は3.33kgf/mmと16.7%減少するが、外部電極用無鉛合金として必要な機械的特性である引張強度3〜11kgf/mm、伸び10%以上を有するため実用上問題はない。
【0050】
実施例26のAlの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系溶融合金の酸化を抑制する効果があり、また、機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例26の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は7.7kgf/mmと1.92倍向上し、伸び率49.5%という優れた機械的特性を有している。
【0051】
実施例27のAlの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系溶融合金の酸化を抑制する効果があり、また、機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例27の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は9.9kgf/mmと2.47倍向上し、伸び率48.4%という優れた機械的特性を有している。
【0052】
実施例28のAgの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の結晶粒を微細化し機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例28の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は3.4kgf/mmと15%減少するが、外部電極用無鉛合金として必要な機械的特性である引張強度3〜11kgf/mm、伸び10%以上を有するため実用上問題はない。
【0053】
実施例29のAgの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の結晶粒を微細化し機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例29の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は8.7kgf/mmと2.17倍向上し、伸び率39.4%という優れた機械的特性を有している。
【0054】
実施例30のAgの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の結晶粒を微細化し機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例30の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn一Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は10.5kgf/mmと2.62倍向上し優れた機械的特性を有している。伸びは10%以上を有するため実用上問題はない。
【0055】
実施例31のBiの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例31の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は3.32kgf/mmと17%減少するが、外部電極用無鉛合金として必要な機械的特性である引張強度3〜11kgf/mm、伸び10%以上を有するため実用上問題はない。
【0056】
実施例32のBiの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例32の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn一Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は6.9kgf/mmと1.72倍向上し伸び率42%という優れた機械的特性を有している。
【0057】
実施例33のBiの添加は、Zn−Cu−Sb−Sn系合金の機械的特性(引張強度、柔軟性)を向上させる効果がある。実施例33の外部電極用無鉛合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度は10.4kgf/mmと2.6倍向上し優れた機械的特性を有している。伸びは10%以上を有するため実用上問題はない。
【0058】
(7)比較例について
比較例1の合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55量%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度が2.7kgf/mmと32.5パーセント減少するため外部電極用無鉛合金として強度不足となり、問題となる。
【0059】
比較例2,3の合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55量%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度が15.3,14.1kgf/mmと高すぎるため、外部電極用無鉛合金としては、脆く強度が弱いため、問題となる。
【0060】
比較例4,5,6,7,8,9,10の合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度が2.7〜2.72kgf/mmと低いため外部電極用無鉛合金として強度不足となり、問題となる。
【0061】
比較例11,12,13,14,15,16,17の合金は、従来の広く一般的に使用されている外部電極用鉛合金であるPb90量%〜55%Sn−Zn−Cu−Sb系合金と比較して、引張強度が15.5〜16.9kgf/mmと高すぎるため、外部電極用無鉛合金としては、脆く強度が弱いため、問題となる。
【0062】
【表1】
Figure 0003923840
【0063】
【表2】
Figure 0003923840
【0064】
【表3】
Figure 0003923840
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、Sn−Zn−Cu−Sb系合金におけるSbのZnに対する量を減らし、一定の範囲に特定するようにしたので、電気的特性を実用範囲に保持した上で、機械的特性を適正に保持することができる金属化プラスチックフィルムコンデンサの外部電極用Sn−Zn−Cu−Sb系無鉛合金を得ることができる。
【0066】
また、上記Sn−Zn−Cu−Sb系無鉛合金におけるSnの一部を特定金属に置き換えた場合には、Sn−Zn−Cu−Sb系無鉛合金の機械的特性を向上させることができる。

Claims (2)

  1. 金属化プラスチックフィルムコンデンサ素子の端面に溶射により外部電極を被膜として形成する際に使用する無鉛合金であって、Znが0.5〜25量%、Cuが0.01〜5.0量%、Sbが0.01〜0.4量%、Snが残部からなる金属化プラスチックフィルムコンデンサの外部電極用無鉛合金。
  2. Ni0.01〜1.0量%、Ga0.005〜0.5量%、Ag0.01〜2.5量%、P0.001〜0.2量%、Al0.005〜0.2量%、Si0.001〜0.2量%、Bi0.01〜3量%のうちから選ばれた金属がSnの一部と置き換えて添加されている請求項1記載の金属化プラスチックフィルムコンデンサの外部電極用無鉛合金。
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