JP3700668B2 - 半田および半田付け物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半田ならびに半田付け物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子機器や電子部品の電気的・機械的な接続を得るために半田が用いられている。この半田は、SnとPbを主成分としたもの(以下Sn−Pb系半田とする。)が一般的に用いられてきたが、地球環境を考慮してPbを含まないSnを主成分とし残部がAg,Bi,Cu,In,Sbなどからなる半田(以下、Pbフリー半田とする。)が用いられるようになってきている。
【0003】
近年においてはこのPbフリー半田を用いることによって、半田付け性が良好な電気的接合部を有する半田付け物品が製造されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、Snが主成分である半田、特にPbフリー半田を用いた半田付け物品では、半田付け時に電極喰われが起こったり、高温放置や熱エージングを行った場合に、Snの拡散による電気的、機械的性質の劣化が起こるといった問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、半田付け時または半田付け後熱エージングを行ったときに、電極喰われや特性劣化が生じにくいPbフリー半田ならびに半田付け物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するためにPbフリー半田ならびに半田付け物品を完成するに至った。
本願第1の発明のPbフリー半田は、不可避不純物を除き、Co0.01〜1重量%と、Sb0.5〜5重量%と、残部がSnと、からなることを特徴とする。
【0007】
また、本願第2の発明のPbフリー半田においては、不可避不純物を除き、Co0.01〜1重量%と、Ag0.5〜9重量%と、残部がSnと、からなるを特徴とする。
【0008】
また、本発明の半田付け物品は、溶融したSnへ拡散しやすい遷移金属導体を有する部品を半田により接合してなる半田付け物品であって、半田は、上述の第1または第2の発明のPbフリー半田を用いたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の半田付け物品においては、遷移金属導体は、Cu,Ag,Ni,Au,Pd,Pt,Znの単体もしくはそれらの合金のうち少なくとも1種類を用いることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について説明する。本願第1の発明のPbフリー半田は、CoおよびFeから選ばれる少なくとも1種類と、Sbと、Snと、を含有する組成である。また、本願第2の発明のPbフリー半田は、CoおよびFeから選ばれる少なくとも1種類と、Agと、Snと、を含有する組成である。そして、本発明の半田付け物品は、溶融したSnへ拡散しやすい遷移金属導体を有する部品を半田により接合してなる半田付け物品であって、半田は、上述した第1または第2の発明のPbフリー半田を用いる。このような組成により、半田付け性、接合強度が良好であるとともに、十分な耐電極喰われ性を有する半田付け物品を提供することが可能となる。
【0011】
すなわち、微少量添加されたCo,Feが導体と半田の接合界面に偏析層を形成し、導体の溶融半田中への拡散を防ぎ、電極喰われを防止するためである。
【0012】
上記Coの添加量を全体100重量%のうち0.01〜1重量%としたのは、Coの添加量が0.01重量%未満の場合には耐電極喰われ性が劣化するからである。一方、Coの添加量が1重量%を超える場合には液相線温度が上昇し、溶融特性を阻害するからである。なお、より好ましいCo添加量は0.01〜0.5重量%の範囲であり、特にCo添加量が0.5重量%のときが好ましい。
【0013】
上記Feの添加量を全体100重量%のうち0.01〜0.2重量%としたのは、Feの添加量が0.01重量%未満の場合には耐電極喰われ性が劣化するからである。一方、Feの添加量が0.2重量%を超える場合には液相線温度が上昇し、溶融特性を阻害するからである。なお、より好ましいFe添加量は0.01〜0.1重量%の範囲であり、特にFe添加量が0.1重量%のときが望ましい。
【0014】
上記Sbの添加量を全体重量100重量%のうち0.5〜5重量%としたのは、Sbの添加量が0.5重量%未満の場合には、強度改善効果が小さいからである。一方、Sbの添加量が5重量%を超える場合には、伸びが低下することによって熱衝撃性や加工性が阻害されるからである。
【0015】
上記Agの添加量を全体重量100重量%のうち0.5〜9重量%としたのは、Agの添加量が0.5重量%未満の場合には強度改善効果が小さいからである。一方、Agの添加量が9重量%を超える場合には、過剰のAg3Sn金属間化合物が析出することによる接合強度低下と、半田液相線温度が上昇することによる溶融特性が阻害されるからである。
【0016】
本発明でいう溶融したSnへ拡散しやすい遷移金属導体の組成としては、Cu,Ag,Ni,Au,Pd,Pt,Znの単体などが代表的である。なお、これらの遷移金属の合金、例えばAg/Pd,Ag/Pt等でもよい。より好ましくは、Cu,Ag,Niの単体もしくはその合金である。このような電極喰われしやすい導体を有する物品に用いても、半田付け性、接合強度を維持しつつ電極喰われ抑制が可能となる。
【0017】
上記遷移金属導体には必要に応じてガラスフリットや種々の添加剤(金属酸化物など)が添加されるが、導電成分である金属組成が上記のような組成であれば同様の効果が得られることは勿論である。また、半田組成として、作業温度を下げる目的でBi,In等の低融点金属を添加した場合も同様の効果が得られる。
【0018】
ここで、本発明においては、半田組成として上記成分以外に不可避不純物を含むものであってもよい。不可避不純物としては、半田を製造するときに混入する元素もしくは元々入っていた元素、例えばPb,Bi,Cu,Naなどが挙げられる。
【0019】
本発明の半田付け物品は、例えば、主成分のSnに上記添加成分を溶解させたPbフリー半田をボール状に加工し、半田ボ−ルを部品上あるいは基板上に載せてフラックスを塗布した後、大気中で所定の温度に加熱して部品の導体を接合することにより容易に作製することが可能である。
【0020】
なお、一般的には半田付け性向上のためにN2雰囲気で半田付けすることが多いが、本発明ではCo、Feの添加量が少ないため、大気中で半田付けすることが可能である。
【0021】
本発明の半田付け物品とは、接合される部品そのものと、部品の導体同士を電気的、機械的に接合した半田接合部とを含めた全体を意味するものであり、さまざまな形態があるが、例えば、部品搭載基板に形成された導体と部品に形成された導体を電気的、機械的に接続させるために半田付けさせたものや、電子部品素子と端子を電気的、機械的に接続させるために半田付けさせたものや、電子部品素子の電極同士を電気的、機械的に接続させるために半田付けさせたものなどが代表的である。
【0022】
上記部品搭載基板としては、例えば、ガラスエポキシ製のプリント基板やフェノール製のプリント基板、アルミナなどのセラミック基板、金属の表面にセラミック等の絶縁膜を有する基板などが挙げられる。さらに、上記導体としては、プリント基板等の配線回路、電子部品の端子電極、リード端子などが挙げられる。
【0023】
このようにして作製された本発明のPbフリー半田ならびに半田付け物品は、半田付け性、接合強度が良好であり、かつ、優れた耐電極喰われ性を有しているため、半田付け温度を自由に設定することが可能で作業性に優れたものとなる。また、Ag等の高価な電極喰われ抑制元素の添加量を少なくすることが可能となる。次に、本発明を実施例に基づき、さらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0024】
【実施例】
表1に本実施例で用いる半田組成を示す。なお、比較例の組成も表1に併せて示す。
【0025】
【表1】
【0026】
さらに表1に示したPbフリー半田について、半田付け時の耐電極喰われ性、半田付け性の評価結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
ここで、半田付け時の耐電極喰われ性評価は静電容量変化法で測定をおこなった。Cu電極(膜厚3μm)或いはAg電極(膜厚20μm)を印刷焼成した単板コンデンサを半田に浸漬し、浸漬前後の静電容量の差分値をとり、浸漬前の静電容量に対する前記差分値を求めて電極の残存率を算出した。評価を行った半田付け温度は表2に示す。Cu電極は10秒間浸漬後の容量変化、Ag電極は喰われ易いので3秒間浸漬後の容量変化を測定した。表2に「半田付け後の電極面積残存率」として示す。
【0029】
Cu電極において、実施例2、3、7および8は電極残存率が95%以上であり、いずれも非常に良好な耐電極喰われ性を示した。また、代表的なPbフリー半田である比較例1〜2では、電極残存率が90%以下であり、耐電極喰われ性に問題が見られた。
【0030】
実施例1、実施例4は77〜85%の電極残存率であり他の実施例より電極喰われ抑制効果が小さいが、これは有効元素の添加量が少ないためである。ただしいずれの組成も、半田付け条件次第では使用可能なレベルである。
【0031】
また、実施例5〜6も他の実施例より耐電極喰われ効果が小さいが、これはFeの電極喰われ抑制効果が他の元素より小さいためである。ただしいずれの組成も、半田付け条件次第では使用可能なレベルである。
【0032】
またAg電極においてもCuと類似の傾向があり、いずれの場合も比較例と比較すると本発明の添加元素が電極食われ抑制に効果があった。
【0033】
半田付け性については、半田広がり率(JISZ3197に準拠)を用いて評価をおこなった。実施例1、2、4および7については、いずれも半田広がり率が70%以上であり、非常に良好な半田付け性であった。また比較例1〜3についても、いずれも半田広がり率が70%以上であり、非常に良好な半田付け性であった。
【0034】
実施例3、実施例6は半田広がり率が低下しているが、これは有効元素の添加量が多いために液相温度が上昇し、半田の流動性が阻害されたためである。
【0035】
【発明の効果】
このように本発明の半田付け物品を用いれば、半田接合部において半田付け性が良好であるとともに、優れた耐電極喰われ性を備えることが可能である。また、この耐電極喰われ性は、半田付け時の電極喰われにとどまらず、半田付け後の半田付け物品の高温放置時の電極喰われについても抑制可能である。
【0036】
また、Pbフリー半田で課題となっている電極喰われを抑制できるため、半田のPbフリー化がより実用的となり、環境にやさしい製品を提供することが可能になる。
Claims (4)
- 不可避不純物を除き、
Co0.01〜1重量%と、
Sb0.5〜5重量%と、
残部がSnと、からなることを特徴とする、電子部品接合用のPbフリー半田。 - 不可避不純物を除き、
Co0.01〜1重量%と、
Ag0.5〜9重量%と、
残部がSnと、からなることを特徴とする、電子部品接合用のPbフリー半田。 - 溶融したSnへ拡散しやすい遷移金属導体を有する部品を半田により接合してなる半田付け物品であって、前記半田は、請求項1または2に記載のPbフリー半田を用いたことを特徴とする、半田付け物品。
- 前記遷移金属導体は、Cu,Ag,Ni,Au,Pd,Pt,Znの単体もしくはそれらの合金のうち少なくとも1種類を用いることを特徴とする請求項3に記載の半田付け物品。
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