JP3923201B2 - 車両の物体検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミリ波レーダー装置およびレーザーレーダー装置を備えた車両において、現在ミリ波レーダー装置あるいはレーザーレーダー装置で検知されている物体が従前から継続的に検知されている物体か、新たに検知されるようになった物体かを判定する車両の物体検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自車に搭載したレーダー装置で前走車等の物体を検知し、自車が物体と接触する可能性がある場合に自動制動を行って接触を回避する車両の走行安全装置は公知である。かかる走行安全装置において使用されるレーダー装置として、ミリ波レーダー装置(例えば、特開平8−94749号公報、特開平7−318635号公報参照)およびレーザーレーダー装置が知られている。
【0003】
ミリ波レーダー装置は濃霧等の気象条件に左右されずに物体を検知可能であり、かつドップラー効果により自車および物体の距離方向の相対速度を精密に検知することが可能であるが、ビームを細く絞ることが難しいために横方向の分解能が劣る問題がある。一方、レーザーレーダー装置はビームを細く絞ることが可能であるために横方向の分解能に優れているが、濃霧等の気象条件により検知不能になる場合があるだけでなく、自車および物体の距離方向の相対速度を検知するのが難しいという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで物体との接触回避制御を効果的に行うにはレーダー装置で自車に対する物体の相対位置や相対速度を精密に検知する必要がある。これらのレーダー装置は一定の周期で物体を検知するため、前回の周期で検知した物体と今回の周期で検知した物体とが同一物体であることを確認すること、つまり前記物体がレーダー装置で継続的に検知されていること(以下、これを継続性という)を確認することが、精密な相対位置や相対速度を得る上で不可欠である。そこで、ミリ波レーダー装置およびレーザーレーダー装置の両方を備えた車両において、一方のレーダー装置で検知した物体の継続性を他方のレーダー装置の検知結果を利用して精度良く判定することが考えられる。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ミリ波レーダー装置およびレーザーレーダー装置を適切に組み合わせて使用することにより、検知された物体の継続性を的確に判定することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、自車の進行方向前方に向けて送信したミリ波の反射波を受信することにより物体を検知するミリ波レーダー装置と、自車の進行方向前方に向けて送信したレーザー光の反射光を受光することにより物体を検知するレーザーレーダー装置とを備えた車両の物体検知装置であって、ミリ波レーダー装置およびレーザーレーダー装置が検知した物体が同一物体であるか否かを、前記両レーダー装置の検知結果からそれぞれ算出した物体の位置関係に基づいて判定する同一物体判定手段と;レーザーレーダー装置が検知した結果から算出した前記物体の相対位置と、該物体と同一物体判定手段により同一物体であると判定された物体に関してミリ波レーダー装置が検知した結果から算出した該物体の相対速度とに基づいて、所定の判定領域を設定する判定領域設定手段と;レーザーレーダー装置が前記同一物体を検知した後に、該レーザーレーダー装置が前記判定領域内で物体を検知したとき、その物体はレーザーレーダー装置により継続して検知されていると判定する継続検知判定手段と;を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、レーザーレーダー装置により検知した物体の継続性の判定を、レーザーレーダー装置で検知した物体の相対位置に加えて、ミリ波レーダー装置で検知した精度の高い相対速度を利用して行うので、レーザーレーダー装置の検知結果だけに基づいて判定を行う場合に比べて前記継続性の判定を高い信頼性で行うことができる。
【0008】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、同一物体判定手段により同一物体であると判定され、かつ継続検知判定手段により継続して検知されていると判定された物体について、その相対位置に基づいて前後方向相対位置、左右方向相対位置、左右幅および端点の何れかを算出することを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、ミリ波レーダー装置およびレーザーレーダー装置の両方によって同一物体であると判定され、かつ以前から継続的に検知されていると判定された物体の相対位置に基づいて前後方向相対位置、左右方向相対位置、左右幅および端点の何れかを算出するので、信頼性の高い物体の位置情報を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図14は本発明の実施例を示すもので、図1は物体検知装置を備えた車両の全体構成図、図2は制動系統のブロック図、図3はレーザーレーダー装置の物体検知作用の説明図、図4はミリ波レーダー装置の物体検知作用の説明図、図5はミリ波レーダー装置の各ビームの受信強度から物体の横方向相対位置を特定する手法の説明図、図6は電子制御ユニットの回路構成を示すブロック図、図7はメインルーチンのフローチャート、図8はメインルーチンのステップS3のサブルーチンのフローチャート、図9はメインルーチンのステップS6のサブルーチンのフローチャート、図10は距離方向、前後方向および幅方向の定義を説明する図、図11はステップS14に対応する判定領域Arの設定手法の説明図、図12はステップS15に対応する判定領域Arの設定手法の説明図、図13は複数の検知物体が有る場合の作用説明図、図14は検知物体の同一性の判定手法の説明図である。
【0012】
図1および図2に示すように、本発明の物体検知装置を搭載した四輪の車両Vは、エンジンEの駆動力がトランスミッションTを介して伝達される駆動輪たる左右の前輪WFL,WFRと、車両Vの走行に伴って回転する従動輪たる左右の後輪WRL,WRRとを備える。運転者により操作されるブレーキペダル1は、電子制御負圧ブースタ2を介してマスタシリンダ3に接続される。電子制御負圧ブースタ2は、ブレーキペダル1の踏力を機械的に倍力してマスタシリンダ3を作動させるとともに、制動支援時にはブレーキペダル1の操作によらずに電子制御ユニットUからの制動指令信号によりマスタシリンダ3を作動させる。ブレーキペダル1に踏力が入力され、かつ電子制御ユニットUから制動指令信号が入力された場合、電子制御負圧ブースタ2は両者のうちの何れか大きい方に合わせてブレーキ油圧を出力させる。尚、電子制御負圧ブースタ2の入力ロッドはロストモーション機構を介してブレーキペダル1に接続されており、電子制御負圧ブースタ2が電子制御ユニットUからの信号により作動して前記入力ロッドが前方に移動しても、ブレーキペダル1は初期位置に留まるようになっている。
【0013】
マスタシリンダ3の一対の出力ポート8,9は油圧制御装置4を介して前輪WFL,WFRおよび後輪WRL,WRRにそれぞれ設けられたブレーキキャリパ5FL,5FR,5RL,5RRに接続される。油圧制御装置4は4個のブレーキキャリパ5FL,5FR,5RL,5RRに対応して4個の圧力調整器6…を備えており、それぞれの圧力調整器6…は電子制御ユニットUに接続されて前輪WFL,WFRおよび後輪WRL,WRRに設けられたブレーキキャリパ5FL,5FR,5RL,5RRの作動を個別に制御する。従って、圧力調整器6…によって各ブレーキキャリパ5FL,5FR,5RL,5RRに伝達されるブレーキ油圧を独立に制御すれば、制動時における車輪のロックを抑制するアンチロックブレーキ制御を行うことができる。
【0014】
電子制御ユニットUには、車体前方に向けてミリ波を発信し、その反射波に基づいて前走車等の物体と自車との前後方向相対位置、横方向相対位置および相対速度を検知するミリ波レーダー装置S1 と、車体前方に向けてレーザーを発信し、その反射光に基づいて前走車等の物体と自車との前後方向相対位置および横方向相対位置、並びに物体の左右幅を検知するレーザーレーダー装置S2 とが接続される。更に電子制御ユニットUには、前輪WFL,WFRおよび後輪WRL,WRRの回転数をそれぞれ検知する車輪速センサS3 …が接続される。
【0015】
而して、電子制御ユニットUは、ミリ波レーダー装置S1 およびレーザーレーダー装置S2 の検知結果に基づいて、自車を基準とする前走車等の物体の前後方向相対位置、横方向相対位置、相対速度および左右幅を算出し、これら前後方向相対位置、横方向相対位置、相対速度および左右幅と、車輪速センサS3 …で検知した自車の車速および加速度とに基づいて物体との接触可能性を判定する。そして自車が物体と接触する可能性がある場合には、電子制御ユニットUからの指令で電子制御負圧ブースタ2が作動し、マスタシリンダ3が発生したブレーキ油圧が油圧制御装置4で調圧されてブレーキキャリパ5FL,5FR,5RL,5RRに伝達され、物体との接触を回避すべく自動制動を実行する。
【0016】
ミリ波レーダー装置S1 およびレーザーレーダー装置S2 は各々異なる検知特性を有しており、それらの検知特性の差を利用して物体の継続性を判定する。以下、その詳細を説明する。
【0017】
先ず、ミリ波レーダー装置S1 およびレーザーレーダー装置S2 の検知特性について説明する。
【0018】
レーザーレーダー装置S2 に用いられるレーザーはビームを細く絞ることが可能であるため、図3に示すように、車体前方に送信した細幅のビームを横方向(あるいは横方向および上下方向)に走査しながら物体からの反射光を受光することにより、その送光から受光までの時間に基づいて物体の前後方向相対位置を検知するとともに、反射光が受光されたときのビームの送信方向に基づいて物体の横方向相対位置を検知する。また横方向相対位置の時間微分値から横方向相対速度を検知することができる。
【0019】
レーザーレーダー装置S2 は横方向の分解能に優れており、物体が前走車である場合には、その車体後面に設けた左右のリフレクタを主として検知するため、物体の横方向相対位置や左右幅の検知精度が極めて良好である。その反面、1台の四輪車の左右のリフレクタを並走する2台の自動二輪車と誤認識したり、並走する2台の自動二輪車を1台の四輪車と誤認識したりする可能性がある。
【0020】
一方、ミリ波レーダー装置S1 に用いられるミリ波はレーザーに比べて細く絞ることが困難であるため、図4に示すように複数本のミリ波のビームを車体前方に放射状に送信して反射波を受信することにより、その送信から受信までの時間に基づいて物体の前後方向相対位置を検知するとともに、複数本のビームのうちで反射波が受信されたビームの送信方向に基づいて物体の横方向相対位置を検知し、更にドップラー原理に基づいて物体の相対速度を検出する。このとき、1個の物体に対して複数のビームの反射波が受信されるため、図5に示すように、複数のビームの受信強度の重心位置を算出し、その重心位置を物体の横方向相対位置として推定する。以上の理由からミリ波レーダー装置S1 の横方向の分解能は、レーザーレーダー装置S2 のそれ比べて低くなる。
【0021】
以上のように、ミリ波レーダー装置S1 は天候に左右されずに使用可能であるが横方向の分解能が低いという問題があり、レーザーレーダー装置S2 は横方向の分解能が高いが天候によっては使用不能になるという問題がある。そこで両レーダー装置S1 ,S2 を併用することにより、天候に左右されずに精度の高い検知を行うことが可能となる。
【0022】
図6に示すように、電子制御ユニットUには、同一物体判定手段M1と、判定領域設定手段M2と、継続検知判定手段M3とが設けられる。
【0023】
同一物体判定手段M1は、ミリ波レーダー装置S1 で検知した検知物体とレーザーレーダー装置S2 で検知した検知物体とが同一物体であるか否かを判定する。判定領域設定手段M2は、前記同一物体判定手段M1により同一物体であると判定した物体について、継続性を判定するための判定領域を設定する。
【0024】
レーザーレーダー装置S2 で検知した物体の継続性を判定する判定領域は、前回レーザーレーダー装置S2 で検知した物体の相対位置と、前回ミリ波レーダー装置S1 で検知した物体の相対速度に基づいて設定され、この判定領域の内部に今回レーザーレーダー装置S2 で検知した物体が位置していれば、継続検知判定手段M3により前記物体は継続物体であると判定される。このように、レーザーレーダー装置S2 で検知した物体の継続性を判定する判定領域を設定する際に、ミリ波レーダー装置S1 で検知した精度の高い相対速度を利用して行うので、レーザーレーダー装置S2 の検知結果だけに基づいて判定を行う場合に比べて継続性の判定精度が向上する。
【0025】
ミリ波レーダー装置S1 で検知した物体の継続性を判定する判定領域は、前回ミリ波レーダー装置S1 で検知した物体の相対位置および前後方向相対速度と、前回レーザーレーダー装置S2 で検知した物体の横方向相対速度に基づいて設定され、この判定領域の内部に今回のミリ波レーダー装置S1 で検知した物体が位置していれば、継続検知判定手段M3により前記物体は継続物体であると判定される。このように、ミリ波レーダー装置S1 により検知した物体の継続性の判定領域を設定する際に、レーザーレーダー装置S2 で検知した精度の高い横方向相対速度を利用して行うので、ミリ波レーダー装置の検知結果だけに基づいて判定を行う場合に比べて継続性の判定精度が向上する。
【0026】
次に、ミリ波レーダー装置S1 およびレーザーレーダー装置S2 で検知した物体の継続性を判定する手順を、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0027】
先ずステップS1で、レーザーレーダー装置S2 による検知物体の相対距離および相対方向を検知し、これら相対距離および相対方向に基づいて検知物体の相対位置を算出する。相対距離は自車を基準とした検知物体までの距離であり、また相対方向は自車の正面方向を基準とした検知物体の方向である。従って、前記相対距離および前記相対方向が特定されれば、自車を基準とする検知物体の相対位置が特定される。
【0028】
続くステップS2で、ミリ波レーダー装置S1 により検知物体の相対距離および相対方向を検知し、これら相対距離および相対方向に基づいて検知物体の相対位置を算出する。更にドップラー効果により自車を基準とする検知物体の距離方向の相対速度を算出する。図10に示すように、距離方向の相対速度は、自車および検知物体の実際の相対速度のうち、自車および検知物体を結ぶ方向の速度成分をいう。
【0029】
続くステップS3で、レーザーレーダー装置S2 の検知物体が以前から継続的に検知されている検知物体であるか否かを判定するとともに、該検知物体の自車に対する相対速度を算出し、更に続くステップS4で、ミリ波レーダー装置S1 の検知物体が以前から継続的に検知されている検知物体であるか否かを判定するとともに、該検知物体の自車に対する相対速度を算出する。続くステップS5で、レーザーレーダー装置S2 の検知物体とミリ波レーダー装置S1 の検知物体とが同一物体であるか否かを判定する。そしてステップS6で、同一検知物体であると判定された検知物体の情報から相対位置、左右幅および相対速度を算出する。
【0030】
次に、前記ステップS3の具体的内容(レーザーレーダー装置S2 の検知物体の継続性および該検知物体の相対速度の算出)を詳細に説明する。
【0031】
先ず、ステップS11で、前回レーザーレーダー装置S2 の検知物体が無い場合には、ステップS17で、今回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体は新規物体であると判定する。前記ステップS11で前回レーザーレーダー装置S2 の検知物体が有る場合には、ステップS12で、該検知物体と同一検知物体であると判定されたミリ波レーダー装置S1 の検知物体が無ければ、ステップS13〜ステップS15をスキップして後述する判定領域Arの設定は行わない。
【0032】
前記ステップS12で、前回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体と同一検知物体である判定されたミリ波レーダー装置S1 の検知物体が有り、かつステップS13で、前回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体が新規物体であれば、ステップS14で、前回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体の相対位置と、前回同一検知物体と判定されたミリ波レーダー装置S1 の検知物体の相対速度とに基づいて、判定領域Arを設定する。
【0033】
図11はステップS14による判定領域Arの設定手法を示すもので、前回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体(車両のリフレクタ)と、前回のミリ波レーダー装置S1 の検知物体(反射波の受信強度の重心)とは同一検知物体であると判定されている。前回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体(車両のリフレクタ)の相対位置を基準として、前回のミリ波レーダー装置S1 の検知物体の相対速度および測定周期から、今回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体の推定相対位置Prを設定する。前回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体の相対位置から今回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体の推定相対位置Prまでの距離は、前回のミリ波レーダー装置S1 の検知物体の相対速度に測定周期を乗算したものになる。そして推定相対位置Prを基準として前後方向にそれぞれ距離a(例えば、1.5m)を有し、横方向にそれぞれ距離b(例えば、0.5m)を有する四角形の範囲を判定領域Arとする。
【0034】
一方、前記ステップS13で、前回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体が継続物体であれば、ステップS15で、前回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体の相対位置および横方向相対速度と、前回同一検知物体と判定されたミリ波レーダー装置S1 の検知物体の前後方向相対速度とに基づいて、判定領域Arを設定する。
【0035】
図12はステップS15による判定領域Arの設定手法を示すもので、前回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体(車両のリフレクタ)と、前回のミリ波レーダー装置S1 の検知物体(反射波の受信強度の重心)とは同一検知物体であると判定されている。前回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体(車両のリフレクタ)の相対位置を基準として、前回レーザーレーダー装置S2 で検知した横方向相対速度および測定周期の積に相当する距離だけ横方向に移動し、かつ前回のミリ波レーダー装置S1 の検知物体の前後方向相対速度および測定周期の積に相当する距離だけ前後方向に移動した位置を、今回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体の推定相対位置Prとして設定する。そして推定相対位置Prを基準として前後方向にそれぞれ距離a(例えば、1.5m)を有し、横方向にそれぞれ距離b(例えば、0.5m)を有する四角形の範囲を判定領域Arとする。
【0036】
以上のようにして判定領域Arが設定されると、ステップS16で、今回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体が前記判定領域Arの内部に存在すれば、その検知物体は継続物体であると判定する。判定領域Ar内に複数の検知物体が存在すれば、判定領域Arの中心Pr(推定相対位置)に最も近い検知物体が継続物体であると判定する。例えば図13に示す場合では、判定領域Ar1 の内部に2個の検知物体a′,b′が存在しているが、判定領域Ar1 においては該判定領域Ar1 の中心Pr1 に最も近い一方の検知物体a′が継続物体となり、他方の検知物体b′は他の判定領域Ar2 における継続物体となる。
【0037】
またステップS16で、今回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体が何れの判定領域Arの内部にも存在しなければ、その検知物体は新規物体であると判定する。
【0038】
続くステップS18で今回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体が新規物体であれば、ステップS19で前記新規物体の相対速度は0であると見做す。また前記ステップS18で今回のレーザーレーダー装置S2 の検知物体が継続物体であれば、ステップS20で、レーザーレーダー装置S2 で検知した新規物体の前回の相対位置から今回の相対を減算したものをレーザーレーダー装置S2 の測定周期で除算することにより相対速度を算出する。
【0039】
次に、前記ステップS5の具体的内容(同一物体であるか否かの判定)を詳細に説明する。
【0040】
図14に示すように、ミリ波レーダー装置S1 の検知物体を中心として前後方向の距離Lを持ち、横方向に距離Wを持つ範囲を設定し、この範囲内に存在するレーザーレーダー装置S2 の検知物体はミリ波レーダー装置S1 の検知物体と同一物体であると判定し、前記範囲内に存在しないレーザーレーダー装置S2 の検知物体はミリ波レーダー装置S1 の検知物体と同一物体でないと判定する。
【0041】
次に、前記ステップS6の具体的内容(同一物体であると判定された検知物体の相対距離および相対速度の算出)を詳細に説明する。
【0042】
図9のフローチャートのステップS31で、同一物体と判定された検知物体のうち、継続して検知されている検知物体を抽出する。続くステップS32で、抽出された検知物体の前後方向相対位置の最小値を、物体の前後方向相対位置XMIN とする。即ち、ミリ波レーダー装置S1 で検知した前後方向相対位置およびレーザーレーダー装置S2 で検知した前後方向相対位置の何れか小さい方を物体の前後方向相対位置XMIN とする。
【0043】
続くステップS33で、抽出された検知物体の横方向相対位置の最大値YMAX および最小値YMIN (左右方向両端)の平均値である(YMAX +YMIN )/2を横方向相対位置とする。更にステップS34で、前記横方向相対位置の最大値YMAX および最小値YMIN の差であるYMAX −YMIN を検知物体の左右幅とする。このようにして検知物体の横方向相対位置および左右幅が算出されると、横方向相対位置の左右両側に左右幅を均等に振り分けることにより、物体の左右の端点を算出することができる。尚、物体の後部の左右両端の座標である(XMIN ,YMIN )および(XMIN ,YMAX )を車両の端点とすることも可能である。
【0044】
続くステップS35で、同一物体と判定されたミリ波レーダー装置S1 の検知物体の前後相対速度の平均値を物体の前後方向相対速度とする。
【0045】
続くステップS36で抽出された継続物体が有り、かつステップS37でレーザーレーダー装置S2 の検知物体が有れば、ステップS38で前記検知物体の横方向相対速度の平均値を物体の横方向相対速度とする。また前記ステップS37でレーザーレーダー装置S2 の検知物体が無ければ、ステップS39で、抽出されたミリ波レーダー装置S1 の横方向相対速度の平均値を物体の横方向相対速度とする。また前記ステップS36で抽出された継続物体が無ければ、ステップS40で物体の横方向相対速度を0とする。
【0046】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、レーザーレーダー装置により検知した物体の継続性の判定を、レーザーレーダー装置で検知した物体の相対位置に加えて、ミリ波レーダー装置で検知した精度の高い相対速度を利用して行うので、レーザーレーダー装置の検知結果だけに基づいて判定を行う場合に比べて前記継続性の判定を高い信頼性で行うことができる。
【0048】
また請求項2に記載された発明によれば、ミリ波レーダー装置およびレーザーレーダー装置の両方によって同一物体であると判定され、かつ以前から継続的に検知されていると判定された物体の相対位置に基づいて前後方向相対位置、左右方向相対位置、左右幅および端点の何れかを算出するので、信頼性の高い物体の位置情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 物体検知装置を備えた車両の全体構成図
【図2】 制動系統のブロック図
【図3】 レーザーレーダー装置の物体検知作用の説明図
【図4】 ミリ波レーダー装置の物体検知作用の説明図
【図5】 ミリ波レーダー装置の各ビームの受信強度から物体の横方向相対位置を特定する手法の説明図
【図6】 電子制御ユニットの回路構成を示すブロック図
【図7】 メインルーチンのフローチャート
【図8】 メインルーチンのステップS3のサブルーチンのフローチャート
【図9】 メインルーチンのステップS6のサブルーチンのフローチャート
【図10】 距離方向、前後方向および幅方向の定義を説明する図
【図11】 ステップS14に対応する判定領域Arの設定手法の説明図
【図12】 ステップS15に対応する判定領域Arの設定手法の説明図
【図13】 複数の検知物体が有る場合の作用説明図
【図14】 検知物体の同一性の判定手法の説明図
【符号の説明】
Ar 判定領域
Am 判定領域
M1 同一物体判定手段
M2 判定領域設定手段
M3 継続検知判定手段
S1 ミリ波レーダー装置
S2 レーザーレーダー装置
V 車両(自車)
Claims (2)
- 自車(V)の進行方向前方に向けて送信したミリ波の反射波を受信することにより物体を検知するミリ波レーダー装置(S1 )と、
自車(V)の進行方向前方に向けて送信したレーザー光の反射光を受光することにより物体を検知するレーザーレーダー装置(S2 )と、
を備えた車両の物体検知装置であって、
ミリ波レーダー装置(S1 )およびレーザーレーダー装置(S2 )が検知した物体が同一物体であるか否かを、前記両レーダー装置(S1 ,S2 )の検知結果からそれぞれ算出した物体の位置関係に基づいて判定する同一物体判定手段(M1)と;
レーザーレーダー装置(S2 )が検知した結果から算出した前記物体の相対位置と、該物体と同一物体判定手段(M1)により同一物体であると判定された物体に関してミリ波レーダー装置(S1 )が検知した結果から算出した該物体の相対速度とに基づいて、所定の判定領域(Ar)を設定する判定領域設定手段(M2)と;
レーザーレーダー装置(S2 )が前記同一物体を検知した後に、該レーザーレーダー装置(S2 )が前記判定領域(Ar)内で物体を検知したとき、その物体はレーザーレーダー装置(S2 )により継続して検知されていると判定する継続検知判定手段(M3)と;
を備えたことを特徴とする車両の物体検知装置。 - 同一物体判定手段(M1)により同一物体であると判定され、かつ継続検知判定手段(M3)により継続して検知されていると判定された物体について、その相対位置に基づいて前後方向相対位置、左右方向相対位置、左右幅および端点の何れかを算出することを特徴とする、請求項1に記載の車両の物体検知装置。
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