JP3922572B2 - カーボンナノチューブを製造するためのアーク放電用炭素材料および製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブを製造するためのアーク放電用炭素材料および製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、広くはカーボンナノチューブ用材料に関し、特にアーク放電にてカーボンナノチューブを製造するための炭素材料とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カーボンナノチューブ(CNT)は、アーク放電法、CVD法等種々のプロセスで生成可能である。
【0003】
例えば、反応容器内にヘリウムを満たし、反応容器内の温度を1000〜4000℃としてカーボン直流アーク放電を行うことによって、長さと直径の分布のそろったカーボンナノチューブを製造することが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、炭素陽極と炭素陰極全体を加熱し、生成されるカーボンナノチューブの純度および収量を増加させる方法も知られている(特許文献2参照)。
【0005】
さらに、炭素電極からなる陽極の先端部分を加熱した後、アーク放電することにより均質なカーボンナノチューブを効率よく生成することが出来ることも知られている(特許文献3参照)。
【0006】
さらに、大気中におけるアーク放電を用いて、直接炭素材料基板の上にCNTを生成させる方法、および、前記CNTが生成された炭素材料基板を蛍光表示管の部品として用いる方法、炭素基板材料に純黒鉛を用いることにより収量純度とも向上すること、この際アークを炭素基板に対して相対移動させても良いこと、炭素基板を冷却した方が収量・純度とも向上することについても記載がある(特許文献4参照)。
【0007】
従来のアーク放電法に使用される装置の一例を図4に示す。この装置は真空容器1の内部に炭素陽極2と炭素陰性3が対向して配置されている。それぞれの電極材料2,3には、それらの外部端子4,5を介してアーク放電用電源6に接続されている。この真空容器には真空排気手段7およびガス導入手段8が接続されている。
【0008】
この装置を用いてナノチューブを製造する場合には、真空容器1に取り付けられた真空排気手段7にて真空容器1内を真空状態にする。次いで、真空容器1に取り付けられたガス導入手段8より、Ar,He等の不活性ガスまたは不活性ガスとの混合気体、例えばH混合Arガスを導入し、真空容器内を減圧雰囲気、例えば100〜500Torrとする。それから、炭素陽極材料2、炭素陰極材料3に電圧を印加し、アーク放電を発生させる。この際の放電電流として50〜300A程度である。アーク放電発生により、炭素陽極材料2は加熱され、高温となり陽極2より陰極3に向かい炭素が昇華・飛散する。陽極2より飛散された炭素は、炭素陰極材料3周辺に堆積物9となり付着するが、この堆積物9の中に煤に混じりCNTが5〜30%ほど存在する。放電終了後真空容器を、大気圧に開放した後に堆積物9を回収し、別工程にて粉砕処理、加熱、化学処理等の精製処理を行い、十分な純度を備えた粉体状カーボンナノチューブを得る。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−157016号公報
【特許文献2】
特開2000−203820号公報
【特許文献3】
特開2000−344505号公報
【特許文献4】
特開2002−220215号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
アーク放電法で使用されている従来の電極は黒鉛質でできていた。そして、陰極に生成される物質は非晶質の炭素が主体であり、CNTは5〜30%程度にとどまっていた。
【0011】
本発明の目的は、アーク放電法でカーボンナノチューブを高い純度で効率よく取得できる手段を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討の結果、アーク放電にてカーボンナノチューブを製造する炭素材料に主として炭素質から成るものを用いることによってかかる目的を達成した。
【0013】
アーク放電によるカーボンナノチューブの合成では、主として陽極炭素電極から発生した炭素蒸気および炭素クラスターが陰極側に拡散し、陽極より温度の低い陰極電極表面にて凝縮することによりカーボンナノチューブ(特に多層カーボンナノチューブ)が合成されるものと考えられている。そのため、陰極の温度は低い方がカーボンナノチューブの成長速度が速く、陰極材料は耐熱性導電材料であれば炭素材料である必要もないとされている。
【0014】
しかしながら、陽極の炭素蒸気および炭素イオンのみを増加させてもカーボンナノチューブの合成比率は低いものしか生成できず、アーク放電時の陰極に用いられる炭素材料の材質を適正なものに選択することが、純度の高いカーボンナノチューブを生成するうえで重要であることが本発明者による実験の結果明らかとなった。
【0015】
すなわち、図1に示すように、陰極に用いられる炭素材料の材質を黒鉛質のものとした場合、陰極に生成される物質は、塊状または粒状の非晶質炭素が主体であるのに対し、炭素質の陰極を用いたものでは、純度の高いカーボンナノチューブが生成されている。このことは、陽極炭素から来る炭素蒸気や炭素クラスターの量より、陰極炭素の材質がカーボンナノチューブの合成に大きな影響を与えているということができる。また、カーボンナノチューブを形成する炭素源は、従来いわれている陽極炭素からくる炭素蒸気や炭素クラスターが主因ではなく、陰極炭素からの炭素蒸気または、陰極固体表面での炭素原子の拡散移動による自己組織化によって形成されるものと思われる。これは、陽極電極として金属電極を用いても、カーボンナノチューブが一部合成される事実からも納得される。しかしながら、金属電極を陽極に用いた場合、陰極に生成されたカーボンナノチューブに陽極金属が不純物として混じることがあるので、陽極には炭素電極を用いる方が望ましい。
【0016】
ともあれ、陰極電極に用いる炭素材料を、主として炭素質からなる炭素材料とすることで、純度の高いカーボンナノチューブを収量良く合成することができる。
【0017】
また、アーク放電にてカーボンナノチューブを製造する炭素材料に固有抵抗値が3000μΩ・cm以上または熱伝導率が50W/m・K以下のものを用いることによっても前記目的を達成することができる。
【0018】
陰極炭素の蒸発または、陰極固体表面での炭素原子および炭素クラスターの拡散移動を活性化するためには、陰極材料のアーク発生点(陰極点)の温度をある程度高くすることが有効である。通常、電極として使用されている炭素電極の電気抵抗率(=固有抵抗)は500〜2000μΩ・cm程度の範囲であるが、3000μΩ・cm以上の電気抵抗率を有する炭素材料を陰極材料として使用すると、陰極材料の陰極点近傍では、アーク放電時に高い電流密度となるので、電気抵抗発熱のため陰極点近傍が高温度となる。
【0019】
また、通常電極として使用されている炭素電極の熱伝導率は、65〜200W/m・Kの範囲であり、炭素材料における固有抵抗値と熱伝導率はほぼ負の相関関係がある。つまり、電気抵抗率が大きいものは、熱伝導率が低く熱を伝えにくいので、より陰極点近傍が高温度となる。固有抵抗値3000μΩ・cm以上の炭素材料の熱伝導率は、ほぼ50W/m・K以下に相当する。
【0020】
これらの炭素材料を使用すると、同一条件のアーク放電においても、陰極材料のアーク発生点の温度を高くすることができ、陰極炭素の蒸発または、陰極固体表面での炭素原子および炭素クラスターの拡散移動を活性化することができるため、収量ならびに純度の高いカーボンナノチューブを生成することができる。
【0021】
上記のアーク放電にてカーボンナノチューブを製造する炭素材料は、製造時の熱処理温度を600℃から1500℃の範囲内とすることによって製造することができる。
【0022】
アーク放電によるカーボンナノチューブの合成に用いられる炭素材料は、一般的に次のような工程にて製造される。石油系または石炭系の各種コークス粉等を原料の炭素質粉(原料フィラー)とし、それにコールタールピッチや石油系ピッチ等の各種ピッチ類等を結合材(バインダー)とし混合・攪拌する。このように得られた有機物を型込成形、押出成形、CIP成形などの方法により成形し、一般に1500℃以下の温度にて焼成処理を行う。この時点で、原料有機物は重縮合をほぼ完了し、炭素化された状態となる。その後、必要に応じて各種ピッチ類等を含浸し、再熱処理をしたり、3000℃以下の温度にて黒鉛化熱処理を行う。このようにして、必要とされる機械性能および物性を有する炭素材料が製造されている。
【0023】
このようにして製造された炭素材料は、原料や製造方法および製造時の熱処理温度により、その構造、組織、機械的特性や物性などが大きく異なる。種々炭素材料を陰極材料として用いて、アーク放電を行い、カーボンナノチューブの合成量を比較したところ、製造時の熱処理温度が600℃から1500℃である炭素材料が最も多くのカーボンナノチューブを合成することが判明した。製造時の熱処理温度が600℃から1500℃である炭素材料は、炭素の黒鉛化がほとんど進んでいない炭素からなる、いわゆる炭素質の炭素材料である。そこで、陰極材料とする炭素材料を製造時の熱処理温度が600℃から1500℃である、材質が主として炭素質である炭素材料を選定して使用することにより、より高収率にてカーボンナノチューブを生成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明でいう炭素質の炭素材料とは、黒鉛質と対比した意味で、結晶子の大きさ、その配列の度合い、層面の積み重なりの規則性などが黒鉛にいたるまでの中間的構造である非黒鉛質を指す。つまり、炭素質のものは、黒鉛質のものに比べ、結晶の発達程度が低いため、炭素原子の結合力も部分的に低く、炭素原子または炭素クラスターの陰極表面での蒸発および移動に要するエネルギーが少なくてすみ、カーボンナノチューブを形成しやすいものと考えられる。
【0025】
炭素材料における黒鉛化の程度(黒鉛化度)を評価する指標には種々のものがあるが、炭素質材料の黒鉛化度を評価する上では、ラマン分光法によるDバンド(1360cm-1)と、Gバンド(1580cm-1)のピーク高さの比であるR値(D/G)が適している。完全な黒鉛構造を有するものは、sp2混成軌道に由来して1580cm-1付近に鋭いラマンバンド(Gバンド)を示し、黒鉛構造からの乱れが大きくなるにつれてsp3混成軌道に由来する1360cm-1付近の新たなラマンバンド(Dバンド)が現われる。Gバンドのピーク値と、Dバンドのピーク値の比であるR値(D/G)を求めることで、炭素材料の黒鉛化度が評価できる。つまり、完全な黒鉛構造を有するもののR値はゼロであり、黒鉛構造からの乱れが大きくなるにつれてR値は大きくなる。本発明の炭素質炭素材料は、黒鉛化度がR値で0.7以上、好ましくは0.9以上、特に好ましくは1.1以上のものである。R値の上限については、実用的観点から1.8以下、好ましくは1.5以下のものである。
【0026】
この炭素材料は炭素だけでなく、炭素を90%以上含んでいれば樹脂もしくは金属との混合物でも良い。樹脂の例としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂に代表される熱硬化性樹脂、ポリプロピレン、フッ素樹脂に代表される熱可塑性樹脂、ポリカーボネイト、ポリスルホン、ポリアミドイミドに代表されるエンジニアリングプラスチックを、金属の例としては、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、ニオブを挙げることができる。
【0027】
炭素材料の形状は特に制限されないが、例えば円盤状、方形板状、長板状、丸棒状等である。炭素材料を陰極に用いる場合には、小形にすることによって放電発生部の温度を上昇させ、カーボンナノチューブの収率および純度を高めることができる。この点で好ましい形状は円盤状、角板状等であり、一辺または直径が10mm以下、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは2mm以下である。一辺または直径の下限は特に制限されないが、実用的観点から0.2mm以上、特に0.5mm以上である。体積では、好ましくは1000mm3以下、より好ましくは125mm3以下である。体積の下限は実用的観点から8mm3以上である。
【0028】
一方、連続生産性の観点からは丸棒状、長板状等、特に好ましくは丸棒状である。大きさは、直径または幅が好ましくは100mm以下、より好ましくは60mm以下、特に好ましくは40mm以下で、下限は好ましくは20mm以上である。
【0029】
炭素材料は、炭素の黒鉛化が進むほど、電気抵抗率は小さくなり、熱伝導率は大きくなる。つまり、カーボンナノチューブ合成用の陰極炭素材料としては、黒鉛化の程度の低い炭素質のものが適している。電気抵抗率としては、固有抵抗値で3000μΩ・cm以上、好ましくは4000μΩ・cm以上、より好ましくは5000μΩ・cm以上、特に好ましくは6000μΩ・cm以上の炭素材料を用いることにより、CNTの純度、密度が向上する。電気抵抗率の上限は特に制限されないが、実用的観点から20000μΩ・cm以下、特に10000μΩ・cm以下である。この電気抵抗率は、炭素材料の黒鉛化度や炭素材料の成分(配合比)、嵩密度により調整できる。例えば、電気抵抗率を上げる場合には、黒鉛化度を低くし、下げる場合には、黒鉛化度を高めるようにすればよい。
【0030】
また、熱伝導率に関しては、50W/m・K以下の炭素陰極材料を用いることにより、CNTの純度、密度が向上する。好ましい熱伝導率は40W/m・K以下、より好ましくは30W/m・K以下、特に好ましくは20W/m・K以下で、下限は実用的観点から5W/m・K以上、特に10W/m・K以上である。この熱伝導率は、炭素材料の黒鉛化度や炭素材料の成分(配合比)、嵩密度により調製できる。例えば、熱伝導率を上げる場合には、黒鉛化度を高くし、下げる場合には、黒鉛化度を低めるようにすればよい。
【0031】
この炭素材料は、アーク放電法でカーボンナノチューブを製造する際に陰極として使用されるものであるが、それに限定されるものでなく、陽極さらには他の材料として使用することもできる。
【0032】
2つの炭素電極間にてアーク放電を行った場合、短時間のアーク放電においては、陰極、陽極ともに放電表面にカーボンナノチューブが生成される。しかしながら、長時間アーク放電を行うと、陽極表面の温度は炭素の昇華温度を超える高温になるため、生成したカーボンナノチューブは、分解されてしまう。陰極炭素においては、陰極表面が電子を放出する際、その仕事関数に等しいエネルギーを陰極から持ち去るため、表面温度が炭素の昇華温度に到達することは少ないと考えられる。また、陰極表面に生成したカーボンナノチューブは、陰極表面から突き出た形態を有しているため、優先して電子放出源となり、電子放出による冷却効果が直接働くものと思われる。よって、前記カーボンナノチューブ製造用炭素材料を陰極として用いることにより、カーボンナノチューブが合成されやすい高い温度に保持されるとともに、昇華温度に到達するまでには達せず、カーボンナノチューブを効率よく合成するとともに、熱により分解される量を少なくすることができる。
【0033】
ところで、カーボンナノチューブの合成において、陰極電極のアーク発生部に高純度のカーボンナノチューブから成る生成物が得られるが、常に同一場所にて放電を行うと、徐々に単位時間当りのカーボンナノチューブの合成量が低下してくる。これは、陰極の同一個所が長時間アークに曝されるため、電子放出による冷却効果を超えて、陰極部が加熱されるためにカーボンナノチューブの合成過程と分解過程が同時に進行してくるためであると考えられる。そこで、両電極の相対位置を連続的に移動させ、アークの陰極点を陰極材料上で連続的に移動させることにより、適正な移動速度においては常に単位時間当りのカーボンナノチューブの合成量を最大にすることができることを本発明者は見出した。陰極電極の形状を円筒もしくは円柱とすることで、その側面に連続して安定した陰極点を形成することが可能であるため、より効率的に長時間の連続合成が可能となる。
【0034】
また、カーボンナノチューブを含むテープ状物質が生成後の冷却過程で剥離するメカニズムは、主としてカーボンナノチューブの集合体からなる綿状物質の収縮率と、その表裏面に付着している多結晶黒鉛および非晶質炭素の薄皮や粒子の収縮率が異なるため、熱応力が生じ分離するものと考えられる。また、生成および冷却過程での大気による酸化作用により、テープ状物質表裏面に付着している多結晶黒鉛および非晶質炭素の薄皮や粒子が燃焼するために、陰極とテープ状物質の付着力が弱まることも考えられる。
【0035】
しかしながら、陰極材料の表面粗さが粗い場合(算術平均粗さ(Ra)が4.0μm以上の場合)、陰極とテープ状物質の付着力が高まり、容易には剥離を起こさなくなる。厚さ10〜500μmのテープ状物質を機械的に削り落とし、回収することは容易ではない。そこで、陰極炭素材料の表面の算術平均粗さ(Ra)を4.0μm未満とすることで、陰極とテープ状物質の付着力を弱め、熱応力により自然剥離させることにより、テープ状物質の回収をいたって容易にすることができる。
【0036】
本発明の炭素材料は、原料フィラーとバインダーの混合物を成形後、焼成することにより製造することができる。
【0037】
原料フィラーは炭素質材料が用いられる。粒径は細かいものが好ましくは、150メッシュ以下(約100μ以下)、好ましくは200メッシュ以下(約75μ以下)、特に好ましくは250メッシュ以下(約60μ以下)のものがよい。粒径の下限は特に制限されないが、実用的観点からサブミクロンオーダーのものとなる。本発明では原料フィラーとして、粒径150メッシュ以下のニードルコークス、粒径150メッシュ以下のピッチコークス、カーボンブラック、又はこれらの混合材を用いる。
【0038】
先に述べたように、アーク放電用炭素材料は、炭素質粉(原料フィラー)とし、それに各種ピッチ類等を結合材(バインダー)とし混合・攪拌して製造される。これらが焼成処理された炭素材料においても、微細に見れば、原料フィラーの部分とバインダーが焼成されたマトリックス部との物性は異なる。一般的に、ニードルコークスやピッチコークスの原料フィラーは、原料段階である程度黒鉛化が進んでおり、その粒径が大きい場合には、炭素材料全体の平均物性がカーボンナノチューブの製造に適した範囲内であっても、直径1〜数mmのアーク発生点を局所的に見た場合、その陰極点部では原料フィラーが大部分を占め、原料フィラーの物性に近くなってしまうことがある。
【0039】
そこで、粒径を200メッシュ以下のニードルコークスやピッチコークスの原料フィラーを用いることにより、局所的な物性のばらつきをなくすことができ、安定してカーボンナノチューブを合成できる炭素材料を提供することができる。原料フィラーをカーボンブラックとすると、カーボンブラックは一般的に黒鉛化の程度も低く、もともと微細であるため、局所的な物性のばらつきの少ない炭素材料を得ることができる。また、各種原料フィラーの混合材を原料フィラーとしても、同様な効果が得られる。
【0040】
バインダーは、熱処理時に炭素化して原料フィラーの粒子を結合するための化合物であり、例えばコールタールピッチや石油系ピッチのような各種ピッチ類、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等が用いられる。
【0041】
バインダーは、原料フィラーとの適度な濡れ性、炭化歩留まりの高いことなどが要求される。ピッチはその軟化点によって、軟ピッチ(約70℃以下)、中ピッチ(約85℃以下)、硬ピッチ(約85℃以上)に分類され、軟化点以上の温度にて原料フィラーを概ね濡らし、均一となるまで混練して使用する。
【0042】
バインダーの配合量は重量比で20%以上、好ましくは50%以上とすることが望ましい。配合量の上限は通常70%程度までである。
【0043】
バインダーの含有量が20%未満と少ないと、原料フィラーがバインダーに十分馴染まず、その後のハンドリングに耐えうる成形体強度が得られない。また、部分的に原料フィラー密度の高い部分が生じる。これは、先に述べたように局所的な物性のばらつきを生じることになるとともに、アーク放電の安定性を阻害し、カーボンナノチューブの生成量を低下させる。バインダーを重量比70%以上で混練した生成形品を焼成すると、バインダーの揮発成分が大量に抜けるため気孔率が過度に高く、かつ気孔径が大きい炭素質多孔体となり、アーク放電の安定性を阻害し、陰極材として適さない。バインダーを重量比20%から70%で混練した生成形品を焼成して製造することにより、局所的な物性のばらつきの少ない、均質な成形炭素材料を得ることができ、カーボンナノチューブを安定して収量高く合成することができる。
【0044】
しかしながら、バインダーの含有量は、原料フィラーの種類や粒度に応じて調整する必要があり、原料フィラーの粒度が細かいほど、多くのバインダーが必要となる。よって、150メッシュ以下のコークス系原料フィラーにおいては、バインダー重量比20%から50%程度が望ましく、また、200メッシュ以下のコークス系原料フィラーにおいては、バインダー重量比30%から60%程度が望ましい。さらに、原料フィラーとしてカーボンブラックを用いる場合は、その粒径がサブミクロン程度とたいへん微細であるため、バインダー重量比40%から70%程度が望ましい。
【0045】
原料フィラーとバインダーは攪拌・混合して均一の混合物を得、これを所定形状に成形する。成形は公知の手段によって行えばよく、例えば型込成形、押出成形、CIP成形等を利用できる。
【0046】
成形物は焼成されるが、この焼成は不活性雰囲気または還元性雰囲気で、600〜1500℃で原料有機物の重縮合がほぼ完了し炭素化されるまで焼成を行う。この焼成時間は、通常10〜2000時間程度である。
【0047】
アーク放電用の電極材料として使用される場合、従来は、この焼成品を1500〜3000℃で加熱して黒鉛化を行うが、本発明ではこの黒鉛化処理を行わずにアーク放電用電極材料として使用する。
【0048】
アーク放電用陽極に関しては、陰極と同じ炭素材料を用いてもよいが、耐久性の面から黒鉛化度の高い炭素材料を用いることが望ましい。また、金属電極も使用可能である。金属電極の例としてはタングステン電極、銅電極、白金、モリブデン、ハフニウム等を挙げることができる。
【0049】
陽極の形状は特に制限されず、通常の棒極でもよいが中空孔を備え、そこからアーク放電用ガスを供給するようにすることも好ましい。この中空孔の内径は、1mm2当り10〜400ml程度のガス流量となるようにするのが好ましい。中空孔は1個に限らず、複数設けることもできる。
【0050】
陰極とアーク放電用電極間の間隙はアーク放電が安定に持続できる限り特に限定はないが、好ましくは0.5mm〜5mmにてアークがより安定である。
【0051】
アーク発生用電源は交流電源を用いることも可能ではあるが、好ましくは直流電源を用いたほうが生成面でのCNT純度、生成量とも向上する。さらに好ましくは、黒鉛化度の高い炭素材料を陽極としアーク放電用電極を陰極とした方がより純度、生成量とも向上する。
【0052】
中空陽極電極の中空部に放電用ガス、たとえばAr,Xe等の不活性ガスもしくは不活性ガスを含む混合ガスを使用する。なお、N2ガスや大気、CO2を用いた場合においても、生成条件によりCNTの発生が認められるが、いずれの場合もCNT生成面に不純物、特に非晶質炭素の付着が大きく部品としてそのまま用いることはできない。従って、アーク放電用ガスは不活性ガスもしくは不活性ガスを80%以上含む混合ガスとすることが好ましい。また、不活性ガスはアルゴンが好ましい。この際の雰囲気は大気中で行うこともできる。
【0053】
本発明で得られるカーボンナノチューブを備えた部品は、炭素陰極材料に導電性を備えているので電子放出源として利用可能である。また、CNTには活性炭と同等のガス吸着特性があり、ガス吸着部品として用いることもできる。この場合、炭素基板が十分な強度を持っており、CNTと基板の接合強度も従来法に比べ高いことから、本発明のカーボンナノチューブを備えた部品はガス吸着部品としての性能も優れている。さらにCNT、特にアーク放電法による結晶性の高いCNTはその結晶構造から熱伝導特性に優れており、CNT生成領域の実質的な表面積が大きいことから、放熱効果に優れており、放熱部品として用いることもできる。
【0054】
【実施例】
実施例1
A〜Iの9種類の炭素材料を試作した。
原料フィラーには、粒径サブミクロンオーダーのカーボンブラック、粒径0.1と0.8mmのピッチコークス、粒径75ミクロン以下のニードルコークスをそれぞれ用い、バインダーには軟化点が約70℃以下の軟ピッチを用い、表1に示す含有量にて、約100℃の温度にて両者を均一に混練した。混練物を直径約40mmの棒状に、押出成形または100mm×50mm×400mmの直方体に型込成形した後、各成形品をコークス粉で覆い、還元性雰囲気として炉内で所定の焼成温度にて焼成した。
【0055】
焼成時間は焼成温度等によって異なるが、長いもので約1000時間であった。炭素材料FとI以外はそのまま用い、FとIについては、さらに還元性雰囲気中にて約2500℃で黒鉛化熱処理を行った。得られた炭素材料の固有抵抗値、熱伝導率およびラマン分光計測による黒鉛化度(R値)をそれぞれ表1に示す。炭素材料Bの黒鉛化度(R値)は約1.3、Fの黒鉛化度(R値)は約0.3であった。各炭素材料は、アーク放電実験に先立ち、機械加工により直径36mmの円柱状に加工した。
【0056】
上記の各種炭素電極を陰極に用い、アーク放電を行った際のカーボンナノチューブ生成の有無と合成されたカーボンナノチューブの純度について調べた結果を表1に示す。放電条件は、大気圧下、大気雰囲気中にて直径10mmの棒状炭素陽極と直径36mmの炭素陰極を対向させ、両者間で直流アーク放電を一定時間行ったものである。カーボンナノチューブ(CNT)の純度、収量については、アーク放電終了後、陰極に付着した生成物を調べたものである。カーボンナノチューブが高純度で多く生成された陰極炭素電極は、その材質が主として炭素質からなるものであった。また、同じくカーボンナノチューブが高純度で多く生成された陰極炭素電極の電気抵抗率(固有抵抗)は3000μΩ・cm以上、熱伝導率は約50W/m・K以下であった。
【0057】
【表1】
Figure 0003922572
Figure 0003922572
【0058】
上記の炭素材料のうち、固有抵抗値が4600μΩ・cmの陰極電極と2000μΩ・cmの陰極電極を用いて円柱状炭素材料の側面に移動アーク放電を行った。放電時間は、約40秒(陰極1回転分)で同一条件にてアーク放電を行った場合の陰極表面の温度分布をサーモビュアで調べた結果を図2に示す。固有抵抗値が4600μΩ・cmのものの方が陰極表面の温度が高いことが分かる。また、固有抵抗値が4600μΩ・cmのものの方が多くのカーボンナノチューブが合成できた。
【0059】
実施例2
図3は、本発明の実施の形態を示す。陽極電極として、外径10mm、内径4mmの円筒状炭素電極を用い、陰極電極として直径36mmの円柱状炭素電極を用いた。この陰極は炭素質よりなり、固有抵抗値が4600μΩ・cm、熱伝導率31W/m・Kであった。陰極電極を回転させるとともに、陽極電極を陰極電極の軸方向に直線的に移動させて、陰極電極上に螺旋を描く形で陰極点を移動させた。陰極電極の回転速度は1.5回転/分であり、陽極電極の移動速度は、35mm/分であった。また、アーク放電は、陽極円筒電極の内部よりプラズマガスとしてアルゴンガスを流しながら、大気圧下、大気雰囲気中で行った。
【0060】
放電条件は、電流100A、電圧20V(アーク長約1mm)であった。アーク放電後、陰極電極上で陰極点が移動した螺旋状の位置に、幅2〜3mm程度、厚さ100ミクロン程度の高純度カーボンナノチューブが合成された。このカーボンナノチューブは、陰極点の軌跡上に連続してテープ状のカーボンナノチューブ集合体を形成した。
【0061】
このテープ状物質は、アーク移動後の冷却過程において、自然剥離し、いたって容易に高純度のカーボンナノチューブを含むテープ状物質を回収することができる。テープの幅および厚さは、電極の形状、サイズおよび合成条件により変化させることが可能である。陽極電極として、炭素電極を用いているが、この炭素電極は特に特性に制限はなく、黒鉛化された炭素材料を用いても良く、また、非消耗金属電極を用いてもテープ状物質が合成できた。
【0062】
【発明の効果】
本発明によりカーボンナノチューブを高純度、高収率で効率よく取得できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アーク放電法において、(a) 黒鉛質からなる陰極材料を用いた場合の生成物と、(b) 主として炭素質からなる陰極材料を用いた場合の生成物を示す走査型電子顕微鏡(3.) 写真(20KV×5000)である。
【図2】 固有抵抗値が異なる2種の陰極をいずれも同一条件でアーク放電を行って得られたそれぞれの表面の温度分布を示す図である。
【図3】 本発明の実施例である炭素材料を陰極に用いてアーク放電法でカーボンナノチューブを製造している状態を示す斜視図である。
【図4】 従来のアーク放電法でカーボンナノチューブを製造する装置の概略構造を示す図である。

Claims (4)

  1. アーク放電にてカーボンナノチューブを製造するための陰極炭素材料であって、主として非黒鉛質から成り、該炭素材料を製造する原料フィラーが粒径150メッシュ以下のニードルコークス、粒径150メッシュ以下のピッチコークス、カーボンブラック、またはこれらの混合材であることを特徴とするカーボンナノチューブ製造用陰極炭素材料
  2. アーク放電にてカーボンナノチューブを製造するための陰極炭素材料であって、該炭素材料を製造する原料フィラーが粒径150メッシュ以下のニードルコークス、粒径150メッシュ以下のピッチコークス、カーボンブラック、またはこれらの混合材であり、固有抵抗値が3000μΩ・cm以上または熱伝導率が50W/m・K以下であることを特徴とするカーボンナノチューブ製造用陰極炭素材料
  3. 粒径150メッシュ以下のニードルコークス、粒径150メッシュ以下のピッチコークス、カーボンブラック、またはこれらの混合材からなる原料フィラーとバインダーの混合物を成形し、600〜1500℃で焼成し、その後黒鉛化の熱処理をしないことを特徴とする請求項1または2記載のカーボンナノチューブ製造用陰極炭素材料の製造方法
  4. 前記混合物におけるバインダーの含有量が20重量%以上70重量%以下である請求項3記載のカーボンナノチューブ製造用陰極炭素材料の製造方法
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