JP3921985B2 - 絶縁部材を備えたコア及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステータ等のコアにマグネットコイルを巻付けて構成される回転電機(モータ及びジェネレータを含む)における、上記コイルを絶縁する絶縁部材を備えたコア及びその製造方法に係り、詳しくは絶縁紙及び合成樹脂により一体に形成されたコア絶縁部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、誘導モータ、直流モータ(ジェネレータを含む)等の回転電機は、産業用、車両用等の動力源等として広く使用されている。
【0003】
回転電機の、例えば、分布巻きステータ11は、図7(a)、(b)に示すように、コア12とコイル13とコア絶縁部材17とを有している。コア12は、ヨーク14と、ヨーク14から突出した多数のティース15と、このティース15間に形成されて開口部が内部より狭い多数のスロット16を有している。コイル13は、スロット16に設けられている。
【0004】
コイル13とコア12は、断面U字状の絶縁紙製のコア絶縁部材17によって絶縁されている。コア絶縁部材17は、コア12のスロット16内に取り付けられて、スロット16の内面とコイル13との間に介在して、スロット16の内面とコイル13とを絶縁している。また、コア絶縁部材17は、両端に、鍔状に突設されて折り返されたカフス18を有している。このカフス18は、先端がティース15の端面15aとヨーク14の端面14aとからなるコア12の端面12aに接触して、コイル13をコア12の側面12aから浮き上がらせて沿面距離lをかせぐことにより、コア側面12aとコイル13との絶縁を確保している。
【0005】
しかし、このような絶縁構造であると、折り返されたカフス18によって、ステータ11の軸方向長さ(図6(b)の左右方向長さ)が長くなるため、特に、ハイブリッド車等の車輌の駆動源として電気モータ(回転電機)を用いる場合、上記ステータ11の軸方向長さは、車輌搭載上の問題を生じ、コア側面に絶縁部材を密着し得るようにすることが望ましい。
【0006】
ハイブリッド車等の車輌駆動用の電気モータは、限られたスペースにおいて最大の出力が求められ、マグネットワイヤのスロット内占積率が高くすることが求められており、上記コア端面に絶縁部材を密着することと相俟って、絶縁部材の少なくとも端面部分を合成樹脂により成形(モールド)することが考えられる。
【0007】
従来、上記モールド成形したコア絶縁部材として、特開2000−125524号公報及び特開平8−70544号公報のものがある。
【0008】
特開2000−125524号公報(前者)のものは、多数のケイ素鋼板を積層した固定子鉄心(ステータ)と、該固定子鉄心のスロット内に嵌挿する外形を有する中子金型ブロックと、可動金型ブロックと、位置決め用の金型ブロックと、固定金型ブロックと、で絶縁層被覆用金型を形成し、該金型に樹脂を射出注入して、樹脂製の絶縁層を一体成形するものにおいて、固定子鉄心のティース中央に対応する金型ブロック支持部を設けて、固定子鉄心を該支持部に支持し、該金型ブロックと固定子鉄心の端面とのクリアランスを均一に確保して、樹脂の肉厚を均一にすると共に未充填部分をなくし、絶縁層の厚さを薄くしようとするものである。
【0009】
特開平8−70544号(後者)のものは、スロットに絶縁紙を用い、またコア端面に樹脂被覆材を用いて、上記絶縁紙の端縁にフランジを曲折成形すると共に該フランジを上記樹脂被覆材のエッジの曲面に沿って係着するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述した前者のものは、固定子鉄心(ステータ)を金型の一部として、該固定子鉄心のスロット周面及びコア端面に樹脂モールドにより均一な厚さの薄い絶縁層が形成されるが、特にハイブリッド車等の車輌駆動源となる電気モータにあっては、コア(ステータ)径が大きくなり、上記均一な厚さの薄い絶縁層と相俟って、コアの全長に亘り確実に樹脂を充填することが困難となる。
【0011】
一方、後者のものは、ステータコアの両端面を被覆する樹脂被覆材がステータコアに貫通形成した貫通孔を通して一体にモールド成形してあり、樹脂被覆材の位置ずれ及び離脱の防止を図っているが、このためステータコアに貫通孔を形成する必要があり、該貫通孔を通すモールド成形と相俟って、製造が面倒なコスト高の製品になっている。
【0012】
そこで、本発明は、コア端面部の絶縁部材を、スロット部の絶縁紙をインサート成形することにより一体に形成し、スロット占積率及びコイルの挿入性を確保しつつ、合成樹脂によるコア端面部を確実に固定し、もって上述した課題を解決した絶縁部材を備えたコア及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、ヨーク(21)から突出した多数のティース(22)間に形成された多数のスロット(23)を有するコア(20)と、前記スロットを覆うスロット部(25a)及び前記コア端面(20a)を覆うコア端面部(25b)を有する絶縁部材(25)と、を備えてなる絶縁部材を備えたコアにおいて、
前記絶縁部材(25)は、前記スロット(23)に嵌入されて前記スロット部(25a)を構成する絶縁紙(26)と、前記コア端面部(25b)を構成する樹脂モールド(27)と、を有し、
前記絶縁紙(26)は、予め一体に成形されると共に、前記スロットに密着して嵌入する嵌入部(26a)と、その両端が前記コア端面から突出しかつ外方に拡がる多数のエッジ部(26b)とを有し、
前記樹脂モールド(27)は、前記エッジ部(26b)をインサート成形して前記コアの両端に密着して形成されてなる、
ことを特徴とする絶縁部材を備えたコアにある。
【0014】
なお、上記コアは、ステータコアでもロータリコアでもよく、またティースが外径方向に延びるものも、内径方向に延びるものも含む概念である。また、上記絶縁紙は、必ずしも材料として紙を用いることを意味するものではなく、絶縁性の合成樹脂等の他の材料をも含む概念である。
【0015】
請求項2に係る本発明は、前記コア(20)は、ヨーク(21)から内径方向に突出した多数のティース(22)間に形成されて開口部(23a)より奥側が広い多数のスロット(23)を有するステータコア(20)である、
請求項1記載の絶縁部材を備えたコアにある。
【0016】
請求項3に係る本発明は(例えば図3参照)、前記絶縁紙のエッジ部(26b)は、前記嵌入部(26a)側から先端に向って幅広になるように形成されてなる、
請求項1又は2記載の絶縁部材を備えたコアにある。
【0017】
請求項4に係る本発明は(例えば図6(a),(d)参照)、前記絶縁紙(26)は薄く形成され、かつ前記樹脂モールド(27)は、肉厚に構成されると共に、前記ティースとコア端面との稜線部分(g)が、大きな曲率半径のアール形状又は面取り形状としたコーナ部分(c)からなる、
請求項1ないし3のいずれか記載の絶縁部材を備えたコアにある。
【0018】
請求項5に係る本発明は(例えば図6(d)参照)、前記樹脂モールド(27)は、前記コーナ部(c)に対して前記ティースの幅方向中央部分が薄肉となるように凹状(37)に形成されてなる、
請求項4記載の絶縁部材を備えたコアにある。
【0019】
請求項6に係る本発明は(例えば図4参照)、前記コア(20)を金型の一部として、該コアの両端面(20a)と、前記スロット(23)に入り込む突出部(29a,30a)を有する金型(29,30)との間にキャビティを形成し、予め一体成形された絶縁紙(26)を前記コア(20)のスロット(23)内に嵌入して、該絶縁紙の嵌入部(26a)を前記金型(29,30)の突出部(29a,30a)に密接した状態で、該絶縁紙の両端部に多数形成されたエッジ部(26b)をインサートして前記キャビティ(s)内に流動化した絶縁樹脂(27’)を注入し、
前記絶縁紙のエッジ部(26b)をインサート成形して前記コア両端部に樹脂モールド(27)を成形してなる、
請求項1ないし3のいずれか記載の絶縁部材を備えたコアを製造する方法にある。
【0020】
請求項7に係る本発明は(例えば図5参照)、前記コア(20)を金型の一部として、前記ティース(22)とコア端面(20a)との稜線(g)に対応する部分が広い間隔となる凹部を有する金型との間にキャビティを形成し、
該キャビティに、流動化した絶縁樹脂材料を注入して、前記凹部に対応するコア端面部分に肉厚部(35,36)を形成し、
該肉厚部を加熱しつつ押圧して、請求項5又は6記載のコーナ部分を成形することを特徴とする、
請求項6記載の絶縁部材を備えたコアを製造する方法にある。
【0021】
請求項8に係る本発明は、前記コア(20)を金型の一部として、該コア端面に対向する金型との間に、前記請求項4又は5記載のコーナ部(c)に対応するキャビティを形成し、
該キャビティに、流動化した絶縁樹脂材料を注入して、請求項4又は5記載のコーナ部分(c)を成形することを特徴とする、
請求項6記載の絶縁部材を備えたコアを製造する方法にある。
【0022】
なお、上記カッコ内の符号は、図面を対照するためのものであるが、これは、本発明の各構成要素と実施例を示す図面との対応を容易にして本発明の理解の迅速化を図る便宜的なものであって、これにより特許請求の範囲記載の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【0023】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、絶縁部材のスロット部は、予め成形されて薄く形成することが可能な絶縁紙からなり、従ってティースに切り欠き等を形成せずに断面積の大きな磁束路を確保できると共に、該絶縁紙がスロットに密着して、充分なスロット占積率及びコイルの挿入性を確保でき、更にコア両端部は、樹脂モールドからなり、コーナ部の絶縁性能を確保できると共に、絶縁紙両端面のエッジ部をインサート成形して、コア両端面に容易かつ確実に位置決め・固定されて、軸方向の増加を招くことなく、絶縁性を確実に保持することができる。
【0024】
請求項2に係る本発明によると、ヨークの内径方向にティースを突出し、かつスロットの奥側が開口部より広く形成されているので、絶縁紙の嵌入・保持が確実になると共に、該絶縁紙による、スロット占積率及びコイルの挿入性への影響を小さく抑えることができる。
【0025】
請求項3に係る本発明によると、絶縁紙のエッジ部は、先端に向って末広がり形状からなり、該形状のエッジ部が樹脂モールド内にインサート成形されることにより、両コア端の樹脂モールドは確実に絶縁紙に固定されて、これら両樹脂モールドは、絶縁紙を介してコア端面に確実に位置決めして密着される。
【0026】
請求項4に係る本発明によると、絶縁紙は、薄く形成されて大きな占積率を保持すると共に、絶縁性を維持し、また、コア端面の樹脂モールドは、肉厚に形成され、かつそのティースとコア端面との稜線部分に対応する部分は、大きな曲率半径のアール形状又は面取り形状からなるコーナ部分を形成したので、上記稜線に接する部分のマグネットワイヤを上記コーナ部分で保護して、回転電機の信頼性を向上することができる。
【0027】
請求項5に係る本発明によると、コア端面部におけるティースの幅方向中央部分は、上述したコイル保護及び絶縁樹脂流路として不必要であり、この部分を凹状として絶縁材料の使用量の低減を図ることができる。
【0028】
請求項6に係る本発明によると、コアを金型の一部として、該コアの両端面と、スロットに入り込む突出部を有する金型との間にキャビティを形成し、また絶縁紙をコアスロット内に嵌入すると共に、その両端のエッジ部をインサートして、上記キャビティ内に樹脂材料を充填して、コア端面に樹脂モールドを成形するので、樹脂モールド部分及び絶縁紙が互いに一体に楔着して、コアに固着され、コンパクトで絶縁性の高い絶縁部材を備えたコアを、簡単な装置でもって、高い信頼性により容易かつ安価に製造することができる。
【0029】
請求項7に係る本発明によると、ティースとコア端面との稜線部分に対応するキャビティ部分を広い間隔として、ティース部分のコア端面部への樹脂流動を確保し、かつこれによる稜線部分の肉厚部を加熱しつつ押圧して上記コーナ部を成形するので、コーナ部を有する絶縁部材のコア端面部を確実かつ正確に成形することができる。
【0030】
請求項8に係る本発明によると、金型によりコーナ部分を直接成形するので、加熱成形等の追加工程を必要としない。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る電気絶縁部材を装着したステータコアの全体を示す図であり、図2は、その一部を示す拡大図である。該ステータは、例えば特開2001−163071号公報に示されるハイブリッド車用駆動装置のモータ・ジェネレータに用いて好適であるが、これに限らず、例えば特開2001−187535号公報に示されるハイブリッド車用駆動装置のジェネレータ又はモータでもよく、更に運輸機械以外の回転電機にも適用できる。
【0032】
上記ステータコア20は、環状のヨーク21と、該ヨークから内径方向に等間隔で多数突出するティース22とを一体に形成して有しており、これら多数のティースの間で、開口部23aが内部より狭い多数のスロット23が形成されている。前記ティース22は、その幅方向の中心線がステータコア20の中心点に向うように延びていると共に、その両側が中心線と平行に延びており、従ってティース22は、同一幅からなり、かつ上記スロット23は、開口部分(入口)23aから奥側に向って幅方向が広くなっている。
【0033】
該スロット23の両側面23b,23b及び底面23c並びにコアの両端面20a,20aには、電気絶縁部材25が装着されている。即ち、絶縁部材25は、電気絶縁性の紙又は合成樹脂により一体に形成されており、スロット23部分に接合するスロット部25a及びコア端面23a部分、即ちティース22の側端面及びヨーク21の側端面の内径部分に接合する端面部25bを有する。詳しくは、図2に示すように、絶縁部材スロット部25aは、開口部23aのティース22を一部22a露出する長さからなり、また端面部25aも、ヨークの外周部分21aを一部露出する長さからなる。
【0034】
図3(a)に示すように、絶縁部材のスロット部25aは、板紙又は合成樹脂で予め成形されている薄い絶縁紙26(必ずしも材料が紙であることを意味しない)からなり、該絶縁紙26は、コアスロット23に嵌合するU字状の嵌入部26aと、該嵌入部の両端において外側方向に曲折する複数個のエッジ部26bと、を有する。該エッジ部26b…は、コア両側面23aにそれぞれ対応して3個耳状に突出しており、またコア底面23cに対応して1個耳状に突出しており、かつこれら突出したエッジ部26bは、その両側面eが嵌入部から先端に向って幅広となるように台形状に形成されている。なお、スロット開口部側のエッジ部26b1の内径側面は、略々直角状に延びている。
【0035】
そして、図3(b)(c)に示すように、絶縁部材の端面25bは、絶縁性の合成樹脂により上記絶縁紙のエッジ部26bをインサート成形して樹脂モールド27からなる。該樹脂モールド27は、上記エッジ部26bを被覆する厚さtからなり、かつそのコーナ部cが比較的曲率半径の大きいアール面又は面取りにより形成されている。また、樹脂モールド27は、上記絶縁紙26と異なる材料から成形されてもよいが、同種の合成樹脂材料から成形されることが好ましく、また上記末広り状のエッジ部26bをインサート成形することにより、絶縁部材の両端面部25bは、該エッジ部の楔状の係合に基づく絶縁紙26との一体化により、コア端面20bに位置決め・固定される。
【0036】
ついで、図4に沿って、上記絶縁部材25の製造・装着方法について説明する。特開平8−70544号公報と同様に、上記ステータコア20を金型内にセットして、該コア自体が金型の一部を構成する。
【0037】
まず、図4(a)に示すように、上記ステータコア20のスロット23内に、スロット部絶縁部25aを構成する絶縁紙26が嵌入して取付けられる。該絶縁紙26は、その嵌入部26aがスロット23の内周面に密接するように予め成形されていると共に所定の可撓性を有しており、スロット23が奥側に向って幅広となっているが、一例として、スロット開口部23a側から挿入されて、上記可撓性に基づき変形しつつスロット23内に嵌入されて、該嵌入部26aの底面がスロット底面23cに着座した状態で、その復元力に基づきスロット23内に密着する。また、他の例として、絶縁紙26は、そのエッジ部26bを伸ばした状態で、コア20の一端面20aから挿入されて、該エッジ部26bがコアの他端面から突出した状態で外方に拡げられると共に、前記嵌入部26aの底面がスロット底面23cに密着する。
【0038】
この際、絶縁性26のエッジ部26bは、予め外側に拡がるように成形されているが、上記嵌入部26aのスロット23への挿入時、一旦立ち上がるように変形し、上記着座した状態では、略々予め成形された角度で拡がっている。そして、スロット23の形状に略々合致する(正確には、スロット23の内周から、絶縁紙26の厚さ及び所定クリアランスを差引いた形状)突出部29a,30aを有する上型29及び下型30が、ステータコア20を挟むように移動する。
【0039】
図4(b)及び(c)に示すように、上型29及び下型30は、その突出部29a,30bが絶縁紙26に接触しつつ互いに近づくように移動し、これら突出部の先端が互いに接触して、型締めの工程が終了する。この状態では、前記突出部29a,30aの外周面は、前記絶縁紙嵌入部26aに密接すると共に、コア端面20aと上型29及び上型30の面29b,30bとの間に所定隙間sを形成し、該隙間が合成樹脂充填用のキャビティsとなる。なお、絶縁紙26のエッジ部26bの先端は、上型及び下型の面29b,30bに当接して、広がる方向に変形するが、この状態では、嵌入部26aは上記突出部29a,30aとコアスロット23との間で挟持されて、上記エッジ部26bの変形に影響されて動くことなく保持されている。
【0040】
ついで、上記型締めされた状態(図4(c))で、図4(d)に示すように、射出成形機等により、コア両端面20bの上記キャビティs,sに、加熱して可塑化された電気絶縁性の合成樹脂材料27が注入され、該コア両端面に、前記絶縁紙のエッジ部26bを埋め込んだ状態でのインサート成形される。そして、該樹脂材料27’は、冷却して固形化されると共に、上記上型29及び下型30が外されて(離型)、上述したように、薄い絶縁紙26の嵌入部26aがスロット23内に密着し、かつ該絶縁紙26により連結されてコア両端面20aに樹脂モールド27が成形・密着された絶縁部材25が形成される。また、樹脂モールド27は、末広りのエッジ部26bがインサートされていることにより、アンカー状に強固に絶縁紙26と固定されて、コア両端面20aに密着・保持される。これにより、絶縁部材付きのステータコアが製造される。なお、金型は、ステータコア20、上型29、下型30だけではなく、コア内径面に嵌合する内型及び各金型を位置決め・セットする軸又は枠等を備えている。
【0041】
図5は、絶縁部材のコア端面部25bの一部を示す図であり、図5(a)に示すように、コア端面部25bのヨーク21部分25b1は、環状に広がっているが、該端面部25bを構成する樹脂モールド部分27自体が肉厚に形成されている。そして、図5(b)に示すように、ティース21とコア端面20aとの稜線g部分のコーナ部cが、同一肉厚から形成されると、絶縁部材のコーナ部cが薄入となって、スロットにマグネットワイヤを挿入する際等に絶縁不良となる可能性がある。
【0042】
図6は、図5と同様に、図2のV−V線に沿ったティース22部分の断面図である。図6(a)に示すように、ティース22とコア端面20aとの稜線部分gの絶縁部材25(樹脂モールド27)に、曲率中心を該稜線からティース内方向にオフセットして、樹脂モールド25の肉厚より大きな曲率半径からなるR形状又は面取りしたコーナ部cを設ける。コア端面部絶縁部材25b(樹脂モールド)27は、スロット部絶縁紙26と上記コーナ部cを介して接続し、かつスロット部より所定量肉厚に形成されている。これにより、ティース22を挟むようにしたスロット23に挿入される際のマグネットワイヤ、又はマグネットワイヤのスロット部分とコイルエンド部との接続部が、前記大きなコーナ部cに接触して該マグネットワイヤを保護し得る。
【0043】
上記コーナ部分cは、上述した射出成形等の絶縁部材成形時に、該コーナ部分に合うような上型及び下型にて成形してもよいが、以下のように成形してもよい。上型及び下型におけるティース22とコア端面20aとの稜線部分gの対応部分が、段付き平坦形状又は台形断面形状の凹状に形成されている。これにより、該金型による射出成形等による樹脂モールド成形時に、上記コーナ部cは、図6(b)に示すように矩形断面形状35、又は図6(c)に示すように3角断面形状36に突出するよう成形される。この状態で、加熱したローラ又は型を、上記突出している矩形断面形状又は3角断面形状の肉厚部に押し付けて、該コーナ部分cを上述した曲率半径の大きなR形状又は面取りに成形する。
【0044】
これにより、図6(d)に示すように、コア端面樹脂モールド27は、ティース22の中央部分が凹んだ形状となる。該凹部37により、上述したコーナ部cによるマグネットワイヤの保護機能を何等損うことなく、絶縁樹脂材料の使用量を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】絶縁部材を備えたステータコアの全体を示す図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図。
【図2】絶縁部材を備えたステータコアの一部を示す拡大図で、(a)は断面図、(b)は正面図。
【図3】絶縁部材のスロット部を示す図で、(a)は絶縁紙を示す斜視図、(b)は絶縁紙をインサート成形した状態の絶縁部材を示す斜視図、(c)は(b)のC−C断面図。
【図4】絶縁部材を備えたステータコアの製造方法を示す図で、(a)ないし(d)はそれぞれ異なる状態を示す。
【図5】ティースとコア端部の稜線部分を示す図で、(a)は斜視図、(b)は図2のV−V線による端面図。
【図6】図2(a)のV−V線による端面を示す図で、(a)は、ティースとコア端面との稜線部分における絶縁部材のコーナ部を示し、(b)及び(c)は、金型による成形時とコーナ部分を示すそれぞれ異なる実施の形態を示し、(d)は、異なる実施の形態によるコーナ部分を示す。
【図7】従来の技術による絶縁部材及びコアの一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は断面図。
【符号の説明】
20 (ステータ)コア
20a コア端面
21 ヨーク
22 ティース
23 スロット
23a 開口(入口)部
25 絶縁部材
25a スロット部
26 絶縁紙
26a 嵌入部
26b エッジ部
27 樹脂モールド
c コーナ部
s キャビティ
29,30 金型(上型、下型)
29a,30a 突出部
37 凹部

Claims (8)

  1. ヨークから突出した多数のティース間に形成された多数のスロットを有するコアと、前記スロットを覆うスロット部及び前記コア端面を覆うコア端面部を有する絶縁部材と、を備えてなる絶縁部材を備えたコアにおいて、
    前記絶縁部材は、前記スロットに嵌入されて前記スロット部を構成する絶縁紙と、前記コア端面部を構成する樹脂モールドと、を有し、
    前記絶縁紙は、予め一体に成形されると共に、前記スロットに密着して嵌入する嵌入部と、その両端が前記コア端面から突出しかつ外方に拡がる多数のエッジ部とを有し、
    前記樹脂モールドは、前記エッジ部をインサート成形して前記コアの両端に密着して形成されてなる、
    ことを特徴とする絶縁部材を備えたコア。
  2. 前記コアは、ヨークから内径方向に突出した多数のティース間に形成されて開口部より奥側が広い多数のスロットを有するステータコアである、
    請求項1記載の絶縁部材を備えたコア。
  3. 前記絶縁紙のエッジ部は、前記嵌入部側から先端に向って幅広になるように形成されてなる、
    請求項1又は2記載の絶縁部材を備えたコア。
  4. 前記絶縁紙は薄く形成され、かつ前記樹脂モールドは、肉厚に構成されると共に、前記ティースとコア端面との稜線部分が、大きな曲率半径のアール形状又は面取り形状としたコーナ部分からなる、
    請求項1ないし3のいずれか記載の絶縁部材を備えたコア。
  5. 前記樹脂モールドは、前記コーナ部に対して前記ティースの幅方向中央部分が薄肉となるように凹状に形成されてなる、
    請求項4記載の絶縁部材を備えたコア。
  6. 前記コアを金型の一部として、該コアの両端面と、前記スロットに入り込む突出部を有する金型との間にキャビティを形成し、予め一体成形された絶縁紙を前記コアのスロット内に嵌入して、該絶縁紙の嵌入部を前記金型の突出部に密接した状態で、該絶縁紙の両端部に多数形成されたエッジ部をインサートして前記キャビティ内に流動化した絶縁樹脂を注入し、
    前記絶縁紙のエッジ部をインサート成形して前記コア両端部に樹脂モールドを成形してなる、
    請求項1ないし3のいずれか記載の絶縁部材を備えたコアを製造する方法。
  7. 前記コアを金型の一部として、前記ティースとコア端面との稜線に対応する部分が広い間隔となる凹部を有する金型との間にキャビティを形成し、
    該キャビティに、流動化した絶縁樹脂材料を注入して、前記凹部に対応するコア端面部分に肉厚部を形成し、
    該肉厚部を加熱しつつ押圧して、請求項4又は5記載のコーナ部分を成形することを特徴とする、
    請求項6記載の絶縁部材を備えたコアを製造する方法。
  8. 前記コアを金型の一部として、該コア端面に対向する金型との間に、前記請求項4又は5記載のコーナ部に対応するキャビティを形成し、
    該キャビティに、流動化した絶縁樹脂材料を注入して、請求項4又は5記載のコーナ部分を成形することを特徴とする、
    請求項6記載の絶縁部材を備えたコアを製造する方法。
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