JP3921715B2 - N−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体の製造方法 - Google Patents
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- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明の製法は、例えば3−フェニル−2−オキサゾリドンなどのN−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体の製法に関する。前記のN−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体は、高分子材料(特にポリアミド)を合成する際の助触媒として有用である。
【0002】
本発明の製法によって得られる目的化合物において、例えば3−フェニル−2−オキサゾリドンは、特開昭50−132094号公報に記載されたように、ε−カプロラクタムと水素化リチウムとの溶解液に添加すると、助触媒として作用する。
【0003】
【従来の技術】
従来のN−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体の製法としては、以下に示すような方法がある。
1)ジャ−ナル オブ オルガニック ケミストリ−(Journar ofOrganic Chemistry、第36巻、第21号、3071〜3076頁、1971年)には、N−アリ−ル−β−クロロエチルカ−バメイト誘導体とナトリウムハイドライドとを用いて、アセトン中で反応させる方法が記載されている。しかし、この方法は、吸湿・分解性を有し、かつ反応中に水素を発生するなどの理由で工業的に取扱困難なナトリウムハイドライドを用いている点、さらに過剰のナトリウムハライドの分解処理が必要であるという問題があった。
【0004】
2)ブルテン オブ ケミカル ソシエテ− オブ ジャパン(Bulletin of Chemical Society of Japan、第35巻、第8号、1309〜1312頁、1962年)には、N−アリ−ル−β−クロロエチルカ−バメイト誘導体とナトリウムエチラ−トとをエタノ−ル中で反応させる方法が記載されている。しかし、この方法は、腐食性や吸湿・分解性を有しているなどの理由で工業的に取扱困難なナトリウムエチラ−トを用いている点、さらに過剰のナトリウムエチラ−トの分解処理が必要であるという問題があった。
【0005】
従って、公知技術の1)〜2)のいずれもが、N−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体を製造する場合の工業的製法としては、不満があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、前記公知の製法における問題点を解決すべく、N−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体の製造方法を鋭意検討した結果、無機塩基としてアルカリ金属炭酸塩または炭酸水素塩を用いれば、取扱が便利で、後処理を必要とせずN−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体を製造することを見出して本反応を完成するにいたった。
【0007】
本発明は、N−アリ−ル−β−クロロエチルカ−バメイト誘導体と無機塩基とを、有機溶媒中で、反応させるN−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体の製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
一般式(1)
【0009】
【化4】
【0010】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリ−ルオキシ基、アリ−ルオキシカルボニル基、アリ−ルカルボニルオキシ基を示す)で表されるN−アリ−ル−β−クロロエチルカ−バメイト誘導体と、
一般式(2)
【0011】
【化5】
【0012】
(式中、Aはアルカリ金属を示し、Xは炭酸基を示す)で表される無機塩基とを、有機溶媒中で反応させる、一般式(3)
【0013】
【化6】
【0014】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は前記と同じ意味を示す)で表されるN−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体の製法に関する。
【0015】
本発明の製法における反応は、例えば次に示すような反応式(1)
【0016】
【化7】
【0017】
で示すことができる。
【0018】
本発明の製法において使用する一般式(1)で表されるN−アリ−ル−β−クロロエチルカ−バメイト誘導体〔以下化合物(1)ともいう〕において、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、同一または異なって、
水素原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、
▲1▼ハロゲン基、
▲2▼置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10個である直鎖状または分枝状のアルキル基、
▲3▼置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、
▲4▼置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルカルボニル基、
▲5▼置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルカルボニルオキシ基、
▲6▼置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルオキシカルボニル基、
▲7▼置換基を有していてもよいアリ−ル基部分を持つアリ−ルオキシ基、
▲8▼置換基を有していてもよいアリ−ル基部分を持つアリ−ルカルボニル基、
▲9▼−(1) 置換基を有していてもよいアリ−ル基部分を持つアリ−ルカルボニルオキシ基、
▲9▼−(2) 置換基を有していてもよいアリ−ル基部分を持つアリ−ルオキシカルボニル基であればよい。
【0019】
前記▲1▼のハロゲン基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨ−ドであればよい。
【0020】
前記▲2▼の置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10個のアルキル基としては、置換基を有していない炭素原子数1〜10個のアルキル基、置換基を有している炭素原子数1〜10個のアルキル基を挙げることができる。
【0021】
置換基を有していない炭素原子数1〜10個のアルキル基としては、炭素原子数1〜8個(特に炭素原子数1〜5個)である直鎖状または分枝状のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(異性体を含む)、ブチル基(異性体を含む)、ペンチル基(異性体を含む)、ヘキシル基(異性体を含む)、ヘプチル基(異性体を含む)、オクチル基(異性体を含む)、ノニル基(異性体を含む)、デシル基(異性体を含む)などを挙げることができ、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基(異性体を含む)、ブチル基(異性体を含む)、ペンチル基(異性体を含む)、ヘキシル基(異性体を含む)、ヘプチル基(異性体を含む)、オクチル基(異性体を含む)であり、特に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基(異性体を含む)、ブチル基(異性体を含む)、ペンチル基(異性体を含む)である。
【0022】
前記の「置換基を有している炭素原子数1〜10個のアルキル基」の置換基としては、アルキル基部分の任意の位置に置換していてよい、
水酸基、フェニル基、ニトロ基、カルボキシル基、前記のハロゲン基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(異性体を含む)、ブトキシ基(異性体を含む)、ペンチルオキシ基(異性体を含む)、ヘキシルオキシ基(異性体を含む)、ヘプチルオキシ基(異性体を含む)、オクチルオキシ基(異性体を含む)、ノニルオキシ基(異性体を含む)、デシルオキシ基(異性体を含む)のような炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、
【0023】
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基(異性体を含む)、ブトキシカルボニル基(異性体を含む)、ペントキシカルボニル基(異性体を含む)のような炭素原子数1〜5の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、アセチル基、プロピオニル基(異性体を含む)、ブタノイル基(異性体を含む)、ペンタノイル基(異性体を含む)のような炭素原子数1〜5の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜6のアルキルカルボニル基、
【0024】
置換されていてもよいフェニルカルボニル基、置換されていてもよいフェノキシカルボニル基、置換されていてもよいフェニル基を挙げることができる。
【0025】
置換されていてもよいフェニルカルボニル基としては、置換基(2)を有していないフェニルカルボニル基、置換基(2)を有するフェニルカルボニル基を挙げることができる。
置換されていてもよいフェノキシカルボニル基としては、置換基(2)を有していないフェノキシカルボニル基、置換基(2)を有するフェノキシカルボニル基を挙げることができる。
【0026】
置換されていてもよいフェニル基としては、置換基(2)を有していないフェニル基、置換基(2)を有するフェニル基を挙げることができる。〕
【0027】
置換基(2)を有するフェニルカルボニル基、置換基(2)を有するフェノキシカルボニル基、置換基(2)を有するフェニル基の各置換基(2)としては、水酸基、フェニル基、ニトロ基、カルボキシル基、フェニルカルボニル基、フェノキシカルボニル基、前記のようなアルコキシ基、前記のようなハロゲン基、前記のようなアルキルカルボニル基、前記のようなアルキルオキシカルボニル基を挙げることができる。
【0028】
前記▲3▼の「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数1〜10個のアルコキシ基」としては、「置換基を有していない炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数1〜10個のアルコキシ基」、「置換基を有している炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数1〜10個のアルコキシ基」を挙げることができる。
【0029】
「置換基を有していない炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数1〜10個のアルコキシ基」としては、前記のアルコキシ基を挙げることができる。
【0030】
「置換基を有している炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数1〜10個のアルコキシ基」の置換基としては、前記▲2▼のアルキル基の置換基を挙げることができる。
【0031】
前記▲4▼の「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルカルボニル基」としては、「置換基を有していない炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルカルボニル基」、「置換基を有している炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルカルボニル基」を挙げることができる。
【0032】
「置換基を有していない炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルカルボニル基」としては、アルキル基部分に前記の「置換基を有していない炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基」を持つアルキルカルボニル基を挙げることができる。
【0033】
「置換基を有している炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルカルボニル基」の置換基としては、前記▲2▼のアルキル基の置換基を挙げることができる。
【0034】
前記▲5▼の「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルカルボニルオキシ基」としては、「置換基を有していない炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルカルボニルオキシ基」、「置換基を有している炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルカルボニルオキシ基」を挙げることができる。
【0035】
「置換基を有していない炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルカルボニルオキシ基」としては、アルキル基部分に前記の「置換基を有していない炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基」を持つアルキルカルボニルオキシ基を挙げることができる。
【0036】
「置換基を有している炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルカルボニルオキシ基」の置換基としては、前記▲2▼のアルキル基の置換基を挙げることができる。
【0037】
前記▲6▼の「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルオキシカルボニル基」としては、「置換基を有していない炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルオキシカルボニル基」、「置換基を有している炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルオキシカルボニル基」を挙げることができる。
【0038】
「置換基を有していない炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルオキシカルボニル基」としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基(異性体を含む)、ブトキシカルボニル基(異性体を含む)、ペンチルオキシカルボニル基(異性体を含む)、ヘキシルオキシカルボニル基(異性体を含む)、ヘプチルオキシカルボニル基(異性体を含む)、オクチルオキシカルボニル基(異性体を含む)、ノニルオキシカルボニル基(異性体を含む)、デシルオキシカルボニル基(異性体を含む)のような炭素原子数2〜11個のアルキルオキシカルボニル基などを挙げることができ、好ましくは炭素原子数2〜6個のアルコキシカルボニル基であり、特に好ましくはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基(異性体を含む)である。
【0039】
「置換基を有している炭素原子数1〜10個の直鎖状または分枝状のアルキル基部分を持つ炭素原子数2〜11個のアルキルオキシカルボニル基」の置換基としては、前記▲2▼のアルキル基の置換基を挙げることができる。
【0040】
前記▲7▼の「置換基を有していてもよいアリ−ル基部分を持つアリ−ルオキシ基」としては、「置換基を有していないアリ−ル基部分を持つアリ−ルオキシ基」、「置換基を有しているアリ−ル基部分を持つアリ−ルオキシ基」を挙げることができる。
【0041】
「置換基を有していないアリ−ル基部分を持つアリ−ルオキシ基」のアリ−ル基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基などを挙げることができ、好ましくはフェニル基、ナフチル基であり、特に好ましくはフェニル基である。
【0042】
「置換基を有しているアリ−ル基部分を持つアリ−ルオキシ基」の置換基としては、アリ−ル基部分の任意の位置に置換していてよい、前記▲2▼のアルキル基の置換基を挙げることができる。
【0043】
前記▲8▼の「置換基を有していてもよいアリ−ル基部分を持つアリ−ルカルボニル基」としては、「置換基を有していないアリ−ル基部分を持つアリ−ルカルボニル基」、「置換基を有しているアリ−ル基部分を持つアリ−ルカルボニル基」を挙げることができる。
【0044】
「置換基を有しているアリ−ル基部分を持つアリ−ルカルボニル基」の置換基としては、アリ−ル基部分の任意の位置に置換していてよい、前記▲2▼のアルキル基の置換基を挙げることができる。
【0045】
前記▲9▼−(1) の「置換基を有していてもよいアリ−ル基部分を持つアリ−ルカルボニルオキシ基」としては、「置換基を有していないアリ−ル基部分を持つアリ−ルカルボニルオキシ基」、「置換基を有しているアリ−ル基部分を持つアリ−ルカルボニルオキシ基」を挙げることができる。
【0046】
「置換基を有しているアリ−ル基部分を持つアリ−ルカルボニルオキシ基」の置換基としては、アリ−ル基部分の任意の位置に置換していてよい、前記▲2▼のアルキル基の置換基を挙げることができる。
【0047】
前記▲9▼−(2) の「置換基を有していてもよいアリ−ル基部分を持つアリ−ルオキシカルボニル基」としては、「置換基を有していないアリ−ル基部分を持つアリ−ルオキシカルボニル基」、「置換基を有しているアリ−ル基部分を持つアリ−ルオキシカルボニル基」を挙げることができる。
【0048】
「置換基を有しているアリ−ル基部分を持つアリ−ルオキシカルボニル基」の置換基としては、アリ−ル基部分の任意の位置に置換していてよい、前記▲2▼のアルキル基の置換基を挙げることができる。
【0049】
このような、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、同一または異なって、好ましくは、水素原子、カルボキシル基、ニトロ基、アルキル基、アルキルオキシカルボニル基、アリ−ルオキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン基、アルコキシ基、フェノキシ基であり、特に好ましくは水素原子、カルボキシル基、ニトロ基、アルキル基、アルキルオキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン基、アルコキシ基である。
【0050】
本発明の製法で使用される一般式(1)で表されるN−アリ−ル−β−クロロエチルカ−バメイト誘導体としては、例えばN−フェニル−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−カルボキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−カルボキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−ニトロフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−ニトロフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−メチルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−メチルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−エチルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−エチルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−メトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、
【0051】
N−(p−エトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−フェノキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−メトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−エトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−フェノキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−シアノフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−シアノフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−クロロフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−ブロモフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−ヨ−ドフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、
【0052】
N−(o−クロロフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−ブロモフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−ヨ−ドフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−メトキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−エトキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−メトキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−エトキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−フェノキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−フェノキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトを挙げることができ、
【0053】
好ましくはN−フェニル−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−カルボキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−ニトロフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−メチルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−エチルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−メチルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−エチルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、
【0054】
N−(p−メトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−エトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−フェノキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−シアノフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−クロロフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−ブロモフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−メトキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−エトキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−フェノキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトであり、
【0055】
特に好ましくはN−フェニル−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−カルボキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−ニトロフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−メチルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(o−エチルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−メトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−エトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−シアノフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト、N−(p−クロロフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトである。
【0056】
本発明の製法で使用される一般式(1)で表されるN−アリ−ル−β−クロロエチルカ−バメイト誘導体は、例えばブルテン オブ ケミカル ソシエテ−オブ ジャパン(Bulletin of Chemical Societyof Japan、第35巻、第8号、1309〜1312頁、1962年)に記載した方法に準じて、β−クロロエチルクロロフォ−メイトと対応するアニリン誘導体とを反応させるか、2−クロロエタノ−ルと対応するフェニルイソシアネ−ト誘導体とを反応させることにより誘導される。さらに詳しくは、参考例で詳述する。
【0057】
本発明の製法で使用される一般式(2)で表される無機塩基のAとしては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属を挙げることができ、好ましくはカリウム、ナトリウムである。
【0058】
本発明の製法で使用される一般式(2)で表される無機塩基のXは、炭酸基である。
【0060】
このようなA、Xで表される無機塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0061】
本発明の製法で使用される一般式(2)で表される無機塩基は、その使用量が、化合物(1)1モルに対して通常0.8〜10モルの割合となる量が好ましく、特に1.0〜5.0モルの割合となる量が好ましい。
【0062】
本発明の製法で使用される有機溶媒としては、反応に関与しないものであればとくに限定されないが、例えばアセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル系有機溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピリドン、ジメチルイミダゾリドンなどのアミド系極性有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系有機溶媒、メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、ブタノ−ルのような脂肪族アルコ−ル系有機溶媒を挙げることができ、好ましくはニトリル系有機溶媒、ケトン系有機溶媒であり、特に好ましくはアセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトンである。
【0063】
本発明の製法で使用される有機溶媒の使用量は、通常化合物(1)に対して、0.01〜0.9倍量〔通常化合物(1)重量/有機溶媒の容量〕の割合になる量が好ましく、特に0.05〜0.4倍量〔通常化合物(1)重量/有機溶媒の容量〕の割合になる量が好ましい。
本発明の製法における反応温度としては、通常使用する有機極性溶媒の沸点までの温度であればよいが、好ましくは0〜200℃の範囲であり、特に好ましくは40〜100℃の範囲である。
【0064】
本発明の製法における反応時間は、反応温度により著しく影響を受けるが、通常20時間で反応は完結する。
【0065】
前記の本発明の製法で得られる一般式(3)で表される目的化合物のN−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体は、前記の一般式(1)で表されるN−アリ−ル−β−クロロエチルカ−バメイト誘導体によって規定される。そのような目的化合物のN−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体としては、例えばN−フェニル−2−オキサゾリドン、N−(p−カルボキシフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−カルボキシフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−ニトロフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−ニトロフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−メチルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−エチルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−メチルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−エチルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−メトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン、
【0066】
N−(p−エトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−フェノキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−メトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−エトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−フェノキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−シアノフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−シアノフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−クロロフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−ブロモフェニル)−2−オキサゾリドン、
【0067】
N−(p−ヨ−ドフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−クロロフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−ブロモフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−ヨ−ドフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−メトキシフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−エトキシフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−メトキシフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−エトキシフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−フェノキシフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−フェノキシフェニル)−2−オキサゾリドンを挙げることができ、
【0068】
好ましくは、
N−フェニル−2−オキサゾリドン、N−(p−カルボキシフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−ニトロフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−メチルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−エチルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−メチルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−エチルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−メトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン、
【0069】
N−(p−エトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−フェノキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−シアノフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−クロロフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−ブロモフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−メトキシフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−エトキシフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−フェノキシフェニル)−2−オキサゾリドンであり、
【0070】
特に好ましくはN−フェニル−2−オキサゾリドン、N−(p−カルボキシフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−ニトロフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−メチルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(o−エチルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−メトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン、
【0071】
N−(p−エトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−フェノキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−シアノフェニル)−2−オキサゾリドン、N−(p−クロロフェニル)−2−オキサゾリドンである。
【0072】
本発明の製法において、生成したN−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体を含む反応混合物を得る方法は、通常の洗浄操作、分離操作を組合わせて行えばよく、例えば反応液に有機溶媒を添加し不溶性の無機塩を濾別するか、水洗などにより無機塩基を除いた後に、溶媒抽出、減圧濃縮により粗生成物が得られる。さらに精製する場合には、例えばカラムクロマトグラフィ−などで精製すればよいが、精製方法は各化合物について適宣選択すればよい。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、前記一般式(1)のN−アリ−ル−β−クロロエチルカ−バメイト誘導体と一般式(2)の無機塩基とを、有機溶媒中で反応させれば、取扱が便利で、後処理の必要なくN−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体を製造することができる。
【0074】
【実施例】
以下に実施例および参考例を示す。
【0075】
実施例1;
N−(p−メトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト150g(0.58 モル)と炭酸カリウム88.2g(0.64 モル)とをアセトニトリル577ミリリットルに懸濁し、得られたアセトニトリル懸濁溶液を70℃で6時間攪拌して反応させた。
【0076】
得られた反応溶液を熱時濾過し、得られた濾液を減圧濃縮して、無色針状の3−(p−メトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン128g(0.58モル)を得た。〔N−(p−メトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率:99.4%〕
融点;140〜141℃
1H−NMR(CDCl3 )
δ=3.89(s,3)、4.08(dd,2)、4.52(dd,2)、7.62(d,2)、8.05(d,2)
【0077】
実施例2
アセトニトリルに代えてアセトン557ミリリットルを用い、炭酸カリウムの使用量を120.2g(0.87モル)とした他は実施例1と同様にして、3−(p−メトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン124g(0.56モル)を得た。〔N−(p−メトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率:97%〕
【0078】
実施例3
アセトンの使用量を1744ミリリットルとした他は実施例2と同様にして、3−(p−メトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン123g(0.56モル)を得た。〔N−(p−メトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率:97%〕
【0079】
実施例4
炭酸カリウムを炭酸ナトリウム92.2g(0.87モル)に代えた他は実施例2と同様にして、3−(p−メトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン126g(0.57モル)を得た。〔N−(p−メトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率:98%〕
【0080】
実施例5
アセトニトリルをアセトン577ミリリットルに代えた他は実施例1と同様にして、3−(p−メトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン123g(0.56モル)を得た。〔N−(p−メトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率:97%〕
【0081】
実施例6
アセトニトリルをメチルエチルケトン577ミリリットルに代えた他は実施例1と同様にして、3−(p−メトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン123g(0.56モル)を得た。〔N−(p−メトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率:97%〕
【0082】
実施例7
N−(p−エトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト158g(0.58モル)と炭酸カリウム120.2g(0.87モル)とをアセトン577ミリリットルに懸濁し、得られたアセトン懸濁溶液を70℃で5時間攪拌して反応させた。
【0083】
得られた反応溶液を熱時濾過し、得られた濾液を減圧濃縮して、無色針状の3−(p−エトキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン135g(0.57モル)を得た。〔N−(p−エトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率:98%〕
融点;109〜110℃
1H−NMR(CDCl3 )
δ=1.97(t,3)、1.38〜1.62(m,2)、1.70〜1.82(m,2)、4.10(dd,2)、4.31(t,2)、4.52(dd,2)、7.62(d,2)、8.05(d,2)
【0084】
実施例8
N−フェニル−β−クロロエチルカ−バメイト116g(0.58モル)と炭酸カリウム120.2g(0.87モル)とをアセトン577ミリリットルに懸濁し、得られたアセトン懸濁溶液を70℃で3時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液を熱時濾過し、得られた濾液を減圧濃縮して、無色針状の3−フェニル−2−オキサゾリドン94.5g(0.58モル)を得た。(N−フェニル−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率:99.7%)
沸点;160℃/5mmHg
【0085】
実施例9
N−(p−ニトロフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト142.4g(0.58モル)と炭酸カリウム120.2g(0.87モル)とをアセトン577ミリリットルに懸濁し、得られたアセトン懸濁溶液を70℃で7時間攪拌して反応させた。
【0086】
得られた反応溶液を熱時濾過し、得られた濾液を減圧濃縮して、無色針状の3−(p−ニトロフェニル)−2−オキサゾリドン117g(0.56モル)を得た。〔N−(p−ニトロフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率:97%)
融点;117〜118℃
【0087】
実施例10
N−(o−メチルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト124.4g(0.58モル)と炭酸カリウム120.2g(0.87モル)とをアセトン577ミリリットルに懸濁し、得られたアセトン懸濁溶液を70℃で2時間攪拌して反応させた。
【0088】
得られた反応溶液を熱時濾過し、得られた濾液を減圧濃縮して、無色針状の3−(o−メチルフェニル)−2−オキサゾリドン102g(0.58モル)を得た。〔N−(o−メチルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率:99%)
融点;44〜45℃
【0089】
参考例1
p−アミノ安息香酸メチル90.7g(0.6モル)とβ−クロロエチルクロロフォ−メイト94.4g(0.66モル)とをトルエン600ミリリットルに溶解し、得られたトルエン溶液を1.5時間還流して反応させた。
得られた反応溶液を、室温(20℃)まで冷却して濾過し、濾取物を減圧乾燥して、無色針状のN−(p−メトキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト152g(0.59モル)を得た。(p−アミノ安息香酸メチルに対する收率:98%)
【0090】
実施例11
N−(p−フェノキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト1.41g(5.79ミリモル)と炭酸カリウム0.88g(6.40ミリモル)とをアセトニトリル6ミリリットルに懸濁し、得られたアセトニトリル懸濁溶液を60℃で6時間攪拌して反応させた。
【0091】
得られた反応溶液を熱時濾過し、得られた濾液を減圧濃縮して、無色粉末状の3−(p−フェノキシカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドン1.41g(4.98ミリモル)を得た。〔N−(p−フェノキシカルボニルフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率=86.2%)
1H−NMR(CDCl3 )
δ=4.09(dd,2)、4.52(dd,2)、7.05〜7.48(m,5)、8.05(d,2)
【0092】
実施例12
N−(p−カルボキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト1.41g(5.79ミリモル)と炭酸カリウム0.88g(6.40ミリモル)とをN,N−ジメチルホルムアミド4ミリリットルに懸濁し、得られたN,N−ジメチルホルムアミド懸濁溶液を60℃で6時間攪拌して反応させた。
【0093】
得られた反応溶液を熱時濾過し、濾液を減圧濃縮して、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−(分離液;酢酸エチル:メタノ−ル=10:1)で分離・精製した。得られた分離液を減圧濃縮して無色粉末状の3−(p−カルボキシフェニル)−2−オキサゾリドン0.86g(4.15ミリモル)を得た。〔N−(p−カルボキシフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率=71.6%)
1H−NMR(CDCl3 )
δ=4.10(dd,2)、4.47(dd,2)、7.66(d,2)、7.98(d,2)、12.70〜12.95(br,1)
【0094】
実施例13
N−(p−シアノフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト7.87g(35.0ミリモル)と炭酸カリウム7.26g(52.6ミリモル)とをメチルエチルケトン30ミリリットルに懸濁し、得られたメチルエチルケトン懸濁溶液を6時間還流して反応させた。
【0095】
得られた反応溶液を熱時濾過し、濾液を減圧濃縮して無色粉末状の3−(p−シアノフェニル)−2−オキサゾリドン4.83g(25.9ミリモル)を得た。〔N−(p−シアノフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率=74.0%)
融点;146〜148℃
1H−NMR(CDCl3 )
δ=4.09(dd,2)、4.53(dd,2)、7.45〜7.81(m,4)
【0096】
実施例14
N−(p−クロロフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイト8.20g(35.0ミリモル)と炭酸カリウム7.26g(52.6ミリモル)とをメチルエチルケトン30ミリリットルに懸濁し、得られたメチルエチルケトン懸濁溶液を6時間還流して反応させた。
【0097】
得られた反応溶液を熱時濾過し、濾液を減圧濃縮して無色粉末状の3−(p−クロロフェニル)−2−オキサゾリドン6.15g(31.1ミリモル)を得た。〔N−(p−クロロフェニル)−β−クロロエチルカ−バメイトに対する收率=88.9%)
融点;120〜121℃
【0098】
本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
1. 一般式(1)
【0099】
【化8】
【0100】
(式中、R1 が水素、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリ−ルオキシ基、アリ−ルオキシカルボニル基、アリ−ルカルボニルオキシ基を示し、R2 、R3 、R4 、R5 が水素を示す)で表されるN−アリ−ル−β−クロロエチルカ−バメイト誘導体と、
一般式(2)
【0101】
【化9】
【0102】
(式中、Aはアルカリ金属を示し、Xは炭酸基を示す)で表される無機塩基とを、有機溶媒中で反応させる、一般式(3)
【0103】
【化10】
【0104】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は前記と同じ意味を示す)で表されるN−アリ−ル−2−オキサゾリドン誘導体の製法。
【0105】
2. 一般式(1)においてR1 が水素、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリ−ルオキシカルボニル基、フェノキシ基、ハロゲン基であり、R2 、R3 、R4 、R5 が水素である上記1に記載の製法。
【0106】
3. 一般式(1)においてR1 が水素、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、ハロゲン基であり、R2 、R3 、R4 、R5 が水素である上記1に記載の製法。
【0107】
4.一般式(2)において、Aはカリウムまたはナトリウムを示し、Xは炭酸基を示す無機塩基である上記記載1乃至3に記載の方法。
Claims (1)
- 一般式(1)
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