JP3921645B2 - ストレッチング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、背中をマッサージできることはもちろん、下半身に対しても伸張作用を与えることによってマッサージできるようにしたストレッチング装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、椅子式マッサージ機としては、特公昭63−52902号公報および特開平4−138158号公報に開示されたものがある。
これらは、いずれも背もたれ部と足載せ部の双方にマッサージ機構を設け、背中と足のふくらはぎとのマッサージを行うことができるように構成されている。この場合、マッサージ機構としては、背もたれ部はローラ式マッサージ機構が採用され、足載せ部のマッサージ機構はローラ式或いは振動式のマッサージ機構が採用されている。
【0003】
ここで、背もたれ部のローラ式マッサージ機構は、マッサージローラを回転させながら上下に移動させて背中全体をマッサージする構成のものが採用され、足載せ部のローラ式マッサージ機構は周囲部に複数個のマッサージローラを設けた回転体を回転させることにより、マッサージローラを足のふくらはぎにこすり付けるように間欠的に当ててマッサージする構成のものが採用されている。
また、足載せ部の振動式マッサージ機構は偏心錘を有した回転体を回転させることにより振動を発生させて足のふくらはぎをマッサージするという構成のものである。
【0004】
上述のように従来の椅子式マッサージ機は、上半身(背中)と、足のふくらはぎなど、下半身の一部をマッサージするものが主流であり、下半身の全体を含めて全身をマッサージする機能はもっていない。また、特にふくらはぎに振動を与えてマッサージする方式のものでは、マッサージ力が弱く、施療感に劣るものであった。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、上半身はもちろんのこと、下半身のほぼ全体をマッサージすることができ、しかも、下半身についても伸張作用を与えて良好なる施療感を得ることができるストレッチング装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明のマッサージ装置は、臀部および足を受けるシート部と背を受ける背もたれ部を備えた椅子本体と、前記背もたれ部に設けられ、マッサージ動作を行う背側施療子と、この背側施療子を駆動する背側駆動源と、前記シート部に設けられ、足を膝よりも足首側で受けて足を左右に往復移動させる足受け部材と、この足受け部材を駆動する足側駆動源と、前記背側駆動源および前記足側駆動源を動作制御する制御手段とから構成されるストレッチング装置において、前記背側施療子は、左右一対の偏心ローラとその偏心ローラの他に左右一対のローラの組を前記偏心ローラを挟む形でそれぞれ配置し、前記制御手段は、背中の右側を押圧する前記偏心ローラが突方向に移動するとき、前記足受け部材が左方向に移動し、背中の左側を押圧する前記偏心ローラが突方向に移動するとき、前記足受け部材が右方向に移動するように、前記偏心ローラと前記足受け部材とを逆位相で動作するように構成したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例を図1〜図24を参照しながら説明する。
図18に示すストレッチング装置の椅子本体1は、左右一対の肘掛け部2を備えたベースフレーム3に対して、座部4および足載せ部5からなるシート部6と、背もたれ部7とを設けて成る。この実施例では、ベースフレーム3に対し、座部4は固定され、背もたれ部7は前後方向に回動可能に支持され、また、足載せ部5は後述するように前後方向に移動しながら上下方向に旋回可能に設けられている。
【0017】
この椅子本体1の各部と人体との関係について述べると、図1に示すように、使用者(同図に二点鎖線で示す)が上半身を背もたれ部7にもたせ掛けるようにして座部4に座ったとき、膝部分が座部4と足載せ部5との境界部分に位置する。このとき、足載せ部5を略水平の状態にすると、使用者の足のふくらはぎが足載せ部5に対応位置するようになっている。
【0018】
上記ベースフレーム3は、図17に示すように、左右一対の縦棒8を2本の横桟9によって連結すると共に、前側の横桟9の左右両側に一対の支柱10および左右一対の縦棒8の後方寄りの部位に一対の支柱11を固定してなる。左右一対の縦棒8の前後両端部にはプラスチック製のカバー部材12が嵌着されて図示しないねじによって固定されている。これらカバー部材12は金属製の縦棒8の前後両端部を隠してベースフレーム3を設置する床面が傷付けられることのないようにするためのものである。
【0019】
また、椅子本体1の移動を楽に行うことができるようにするために、上記左右一対の縦棒8の後端部のカバー部材12の後側には車輪13が回転自在に取り付けられている。この場合、車輪13は常には床面から離れてており、椅子本体1の前部を持ち上げて全体をやや後に傾けると、車輪13が床面に接するようになっている。
【0020】
上記座部4、足載せ部5および背もたれ部7には、クッション体14〜16が設けられ、このクッション体14〜16により人体を柔らかく受け止めることができるようにしている。これらクッション体14〜16の配設構成はいずれの部分も似通っているが、座部4では、そのクッション体14は、フレーム(以下、座フレーム)17に取り付けられた補強板18上に設けられ、足載せ部5ではフレーム(以下、足載せフレーム)19上に配設されている。また、背もたれ部7にあっては、フレーム(以下、背フレーム)20に取り付けられたプラスチック製の背プレート21の前面部に配設されている。そして、クッション体14〜16は,その表面を耐摩耗性ある布地で形成された表地22〜24により覆われている。なお、座部4と足の背部5のクッション体14および15の表地22および23は連続して形成されている。
【0021】
さて、背もたれ部7には、施療手段としてローラ式マッサージ機構25が背フレーム20に沿って上下方向に移動可能に配設されている。ここで、ローラ式マッサージ機構25の具体的構成を説明する。
すなわち、背フレーム20は、図12および図13に示すように、左右一対の縦枠26をほぼコ字状に曲成された複数本の横枠27によって連結して上下方向に長い矩形枠状に構成されている。このように構成された背フレーム20のうち、縦枠26は断面コ字形をなしている。そして、背フレーム20の下部には、左右一対の支持軸28が取り付けられており、この支持軸28が前記ベースフレーム3の一対の支柱11に回動可能に支持されているものである。
【0022】
一方、ローラ式マッサージ機構25は、図14に示すような移動基枠29を備えており、この移動基枠29の上下の左右両側にはローラ30が枢設されている。そして、これらローラ30は背フレーム20の断面コ字形をなす縦枠26の内側に配設されており、これにより移動基枠29が縦枠26をガイドレールとして上下方向に移動可能に支持されることとなる。
【0023】
移動基枠29には、図16に示すホルダ31が固定されており、このホルダ31にナット部材32が回転を拘束された状態で収納保持されている。そして、ナット部材32には、両端部を背フレーム20の2本の横枠27間に回転可能に支持されたねじ棒33が螺合されている。このねじ棒33の一端側は、背フレーム20側に固定された駆動モータ34にベルト伝動機構35を介して連結されている。従って、駆動モータ34によってねじ棒33が正逆回転されると、ナット部材32ひいては移動基枠29がねじ棒33の回転方向に応じて上方或いは下方に移動するようになっている。
【0024】
上記移動基枠29には、揺動部材としてのローラ支持台36が揺動軸37を介して背もたれ部7の表裏方向に揺動可能に支持されている。上記揺動軸37には、両端部を移動基枠29とローラ支持台36とに係合させたねじりコイルばね38が設けられており、このねじりコイルばね38はローラ支持台36を図11に矢印Aで示す方向、すなわち揺動軸37の上下両側のうち上側が背もたれ部7の表側に向かって揺動する方向に付勢している。
【0025】
ローラ支持台36には、移動基体29の移動方向に離間するようにして2本のローラ軸39,40が設けられており、このローラ軸39,40の左右両端部には背側施療子として2組の左右一対のローラ41,42が回転自在に取り付けられている。
【0026】
また、ローラ支持台36には、ギヤケース43が取り付けられており、このギヤケース43には、偏心ローラ軸44が支持されている。そして、この偏心ローラ軸44の左右両端部には、互いに逆方向に偏心した偏心軸44aが一体に設けられており、その偏心軸44aに背側施療子として1組の左右一対の偏心ローラ45が回転自在に取り付けられている。
なお、前記揺動軸37は、下側のローラ41と偏心ローラ45との間に位置されている。
【0027】
そして、ギヤケース43には、背側駆動源としての偏心ローラ駆動モータ46が取り付けられている。このモータ46の回転軸46aの先端部分には、ウォーム47が形成されている。このウォーム47は、ギヤケース43内に挿入されて偏心ローラ軸44に設けられたウォームギャ48に噛合されている。
【0028】
ここで、偏心ローラ駆動モータ46が起動すると、その回転はウォーム47およびウォームギャ48により減速されて偏心ローラ軸44に伝達され、左右一対の偏心ローラ45が偏心ローラ軸44の1回転ごとに背もたれ部7の表面側に向かって突出する状態と、裏面側に没する状態とを繰り返すようになる。
【0029】
このとき、偏心ローラ45が背もたれ部7の表面側に向かって突出した状態では、図11に実線および破線で示すように、偏心ローラ45は、その上下両側に位置するローラ41,42の外周面のうち背もたれ部7の表面側の外周面に共通に接する直線Lよりも表側に突出し、裏面側に没した状態ではその直線Lより裏側に没した状態となる。なお、ローラ式マッサージ機構35により背中をマッサージするとき、強すぎると感じる場合には、表地24にマッサージ感を和らげるために図18に示す背クッション49を付け加えることができるなっている。
【0030】
さて、前記足載せ部5は、その姿勢が水平以下から水平以上までに角度調節可能に連結されている。
すなわち、図9および図10に示すように、ベースフレーム3の前側の一対の支柱10間には、操作軸50が回動可能に支持されており、この操作軸50の一端側はL字形に折り曲げられて操作部50aとして構成されている。そして、この操作部50aには、握り51が固着されている。
【0031】
操作軸50の左右両側には、短尺な第1リンク52が固着されている共に、一対の支柱10の上端部には長尺な第2リンク53が回動可能に支持されている。上記第1リンク52には第2リンク53と略同じ長さの第3リンク54が回動可能に連結され、この第3リンク54と第2リンク53とは第4リンク55および第5リンク56とパンタグラフを構成するように回動可能に連結されている。
【0032】
そして、第4リンク55は第6リンク57に回動可能に連結されており、この第6リンク57は第5リンク56と共に足載せ部5に回動可能に連結されている。このようにして連結された第1リンク52〜第6リンク57からなるリンク機構は押上げ機構58を構成するもので、操作軸50を矢印B方向に回動操作すると、それら第1リンク52〜第6リンク57は図9に示す縮小状態から図8に示す中伸張状態を経て図7に示す伸張状態まで変化する。
【0033】
図9の縮小状態では、足載せ部5は、水平よりも前端側が下向きとなる姿勢、例えば略垂直下向きとなる垂れ下がり姿勢になる。この垂れ下がり姿勢は、足載せ部5を使用しない状態である。図8の中伸張状態では、足載せ部5は、略水平の姿勢となる。
【0034】
図7の伸張状態では、足載せ部5は、前端側が水平よりも上向きとなる上向き姿勢となり、足首を無理に延ばすようにせずとも足裏を足載せ部5に載せることができる状態となる。このとき、図9の垂れ下がり状態から図7の上向き姿勢となるまでの間、押上げ機構58は足載せ部5を座部4から前方に次第に離れるように押上げて行くようになっている。なお、座部4と足載せ部5のクッション体14および表地18とは連なっていることから、足載せ部5が座部4から離れても両者間に隙間が生じないようにしている。
【0035】
上述のように足載せ部5は、垂れ下がり姿勢から上向き姿勢まで角度調節可能になっているが、本実施例では、足載せ部5は垂れ下がり姿勢、水平姿勢、上向き姿勢の3姿勢を保持できるようになっている。そのうち垂れ下がり姿勢は、足載せ部5の自重が押上げ機構58の第1リンク52〜第6リンク57を縮めるように作用することから、特別にロックされるようにはなっていない。
【0036】
水平姿勢は、支柱9に固定されたロック部材59のロック溝59aに操作軸50に設けられたロックピン60が嵌入して操作軸50がロックされることによって保持される。上記ロックピン60は図10に示すように、操作軸50の握り51に上下動可能に支持され、圧縮コイルばね61により上方に附勢されている。そして、操作軸50を足載せ部5が水平姿勢となるように回動操作してゆくと、ロックピン60がロック部材59の両側の傾斜面59bを乗り上げ、足載せ部5が水平姿勢になったところでロックピン60が圧縮コイルばね61のばね力でロック溝59aに嵌入するようになっている。
なお、足載せ部5の水平姿勢のロックを解除するには、押釦62によりロックピン60を押し下げてロック溝59aから外せば良い。
【0037】
また、上向き姿勢の保持は、第2リンク53の先端部下側に折曲形成されたストッパ63によって行われる。足載せ部5が上向き姿勢になると、第1リンク52と第3リンク54との連結部分は上向きに「く」字形に屈曲する状態となるので、第2リンク53の先端部の下側に設けられたストッパ63が第3リンク54に当接することによって押上げ機構58は伸張状態にロックされ、この結果、足載せ部5が上向き姿勢に保持されるものである。
【0038】
しかして、下半身を載せるシート部6のうち、膝から下の部分を載せる足載せ部5には、図3に示すような、下半身をマッサージするための揺動式マッサージ機構64が設けられている。この揺動式マッサージ機構64は、両足の例えば足首部分を受ける足受け部材としての揺動部材65を駆動装置66によって左右方向に往復移動させ、これにより両足を一緒に左右に揺らして下半身をマッサージするためのものである。
【0039】
この揺動式マッサージ機構64につき説明するに、図3〜図6において、足載せフレーム20には、ほぼ数字の「7」に似た縦断面形状を有する取付台67が取り付けられており、この取付台67の上面部には、左右方向に延びる長孔68が形成されている。そして、取付第67の上面部のうち、長孔68の前後両側をレール部69a,69bとし、前レール部69aの前側に下向きに折曲形成されている部分および後レール部69bの後端部から下向きに折曲形成された状態になっている平板部分の上端部をスライドガイド70a,70bとしている。
【0040】
上記取付台67の内側には、厚板状の移動体71が配置されている。この移動体71は、途中部分が長孔68を該長孔68内で左右方向に移動可能に挿通し、更に、その上端部が足載せ部5の上面から若干突出している。この移動体71は、プラスチック製で、レール部69a,69bの直下に存する途中部分の前後両面には、その左右両側に位置して前方および後方に突出する突出部72,73が形成されている。なお、図3〜図6では、後右側の突出部73は図示されていない。
【0041】
そして、突出部72,73の上面には、円弧凸面状の上スライド部72a,73aが形成されていると共に、先端部には、同じく円弧凸面状の横スライド部72b,73bが形成されている。そして、上スライド部72a,73aは、前後両レール部69a,69bの下面に摺接し、横スライド部72b,73bは、スライド該と70a,70bの内側面に摺接している。
【0042】
また、移動体71において、レール部69a,69bの直下に存する途中部分の左右両側には、前後方向に貫通する支持孔71aが形成され、この支持孔71aに左右一対のローラ軸74が挿通されている。そして、左右一対のローラ軸74の前端部および後端部には、それぞれ前突出部72の上スライド部72aとの間に前レール部69aを挟持する左右一対の前ローラ75および後突出部73の上スライド部73aとの間に前レール部69aを挟持する左右一対の後ローラ76が回転自在に支持されている。
【0043】
以上のように、移動体71は、上スライド部72a,73aとローラ75,76とでレール部69a,69bを上下から挟むことにより、上下方向にがたつくことがないように規制されると共に、横スライド部72b,73bがスライドガイド70a,70bの内面に摺接していることにより、前後方向にがたつくことがないように規制される。これにより、移動体71は、レール部69a,69bに沿ってスムーズに左右方向に移動できるようになっているものであり、このように移動体71の左右方向移動を案内する取付台67はガイド部材として機能する。
【0044】
取付台67の後面部には、足側駆動源としての移動体用駆動モータ77が取り付けられている。この移動体用駆動モータ77の回転軸は取付台67の内側に突出しており、その回転軸には小歯車78が形成されている。取付台67の内側には、小歯車78に噛合する大歯車79が回転自在に支持されている。上記大歯車79には、偏心軸80が突設されている。この偏心軸80には、ローラ81が回転自在に設けられていて、そのローラ81は、移動体71に形成された上下方向に延びる長孔82に嵌合されている。従って、大歯車79は、その回転により、移動体71を左右方向に移動させる。
【0045】
一方、前記揺動部材65は、プラスチック製の中空部体83を主体として構成され、その中空部体83の上面には両足の足首部分を受けるほぼ円弧状の凹部84が左右に並べて2個形成され、また、下面の後端側には、凹陥部85が形成されていると共に、この凹陥部85の奥面から中空部体83の前端部に至る途中部まで延びる取付溝86が形成されている。そして、この取付溝86には、金属製の可動受け部材87がねじ88によって固定されている。
【0046】
上記可動受け部材87の左右両側には、逆L字形のスライド部87aが折曲形成されている。この両スライド部87aは、移動体71の上端部の左右両側面に形成されたガイド溝89に挿入され、これにより、可動受け部材87、ひいては揺動部材65が移動体71に対して前後方向に移動可能になっている。
【0047】
可動受け部材87の凹陥部85には、ストッパ90がねじ91によって固定されている。このストッパ90は、取付溝86の後端開放を塞ぐもので、移動体71の上端部に当接することにより、可動受け部材87の後方への移動限界位置を規制する。なお、可動受け部材87の前方への移動限界位置は、取付溝86の前側端面面が移動体71に当接することによって規制される。
【0048】
また、可動受け部材87のスライド部87aには、ブレーキ手段としてガイド溝89の内面に弾接する板ばね92が取着されている。この板ばね92とガイド溝89の内面との間の摩擦力により、揺動部材65が設定された位置から、不用意に前後方向に移動しないようにしている。
このような形態にて移動体71に前後方向に移動可能に取り付けられた中空部体83は、その全体をクッション部材93により覆われて揺動部材65が構成される。
【0049】
本実施例のストレッチング装置では、図15に示すリモートコントロールボックス(以下、リモコン)94の遠隔操作によって各種のマッサージ動作を得ることができるようになっている。
上記リモコン94には、全身コース、上半身コース、脚スイングコースを選択するスイッチ94a〜94cが設けられ、全身コースを選択すると、ローラ式マッサージ機構25と揺動式マッサージ機構64の双方が所定のモードで所定時間マッサージ動作を行い、全身をマッサージする。また、上半身コース或いは脚スイングコースを選択すると、ローラ式マッサージ機構25或いは揺動式マッサージ機構64だけがマッサージ動作を行う。
【0050】
ローラ式マッサージ機構25によってマッサージする際、ローラ41,42,45が背中に沿って上下に往復移動するが、このとき、肩位置合わせスイッチ94dを操作すると、使用者の身長に応じて上方への移動から下方への移動へと転ずる位置を合わせることができる。なお、左右一対のローラ41,42,45は、背骨の左右両側に沿って移動する。
【0051】
また、叩き、もみ選択スイッチ94eを操作すると、偏心ローラ駆動モータ46の回転速度が高低変化し、高速回転時には偏心ローラ45が早く円運動して背中を叩くようになり、低速回転時には偏心ローラ45がゆっくり円運動して背中をもむようになる。
【0052】
更に、お好みコースでは、背すじローラスイッチ94fを操作することにより、ローラ式マッサージ機構25を上下に往復移動させて背中全体をマッサージする場合と、好みの範囲で往復移動させたり、好みの位置に止めてマッサージすることのいずれかを選択することができる。このとき、上下調節スイッチ94g,94hを操作すると、ローラ式マッサージ機構25の往復移動範囲を変えたり、止める位置を調節することができるようになっている。
【0053】
また、お好みコースの脚スイングスイッチ94iを操作すると、揺動式マッサージ機構64を所望時間動作させることができる。また、全身コース、脚スイングコースを選択した場合、お好みコースで脚スイングを選択した場合、速さ調節スイッチ94j,94kを操作すると、移動体用駆動モータ77の回転速度を変えて揺動部材65の往復移動速度を変えることができるようになっている。
【0054】
ところで、本実施例では、ローラ式マッサージ機構25および揺動式マッサージ機構64の双方をマッサージ動作させる場合、偏心ローラ45と揺動部材65とが所定の関係をもって動作するように制御される。そのために、偏心ローラ45と揺動部材65の位置を検出する位置検出手段として、図15に示すように、左側の偏心ローラ45aの回転位置を検出するスイッチ95が設けられている共に、図4および図5に示すように、移動体71の位置を検出する光センサ96が設けられている。
【0055】
上記スイッチ95は、ローラ支持台36に設けられ、左側の偏心ローラ45aが最下位置、背もたれ部7の表面から最も離れた位置に没したとき、該偏心ローラ45aに押圧されてオン動作する。また、光センサ96は、取付台67の前後両スライドガイド70a,70bに、長孔68の右端近くに位置して設けられた発光ダイオード96aおよびフォトダイオード96bから構成されている。この光センサ96は、移動体71が右方への移動限界位置に至ると、発光ダイオード96aの光が遮られてフォトダイオード96bがオフ動作する。
【0056】
上記スイッチ95のオン動作およびフォトダイオード96bのオフ動作は、図20に示す偏心ローラ位置検出回路97および移動体位置検出回路98により電気的に処理されて位置検出信号として図20に示す制御手段としての制御回路99に与えられる。制御回路99は、マイクロコンピュータを主体として構成され、上記位置検出回路97,98からの位置検出信号、前記リモコン94からの操作信号に基づいてローラ式マッサージ機構25の上下移動用の駆動モータ34および偏心ローラ用駆動モータ46、移動体用駆動モータ77をそれぞれの駆動回路100〜102を介して制御する。
【0057】
ここで、本実施例では、偏心ローラ45の回転を基本にして移動体71の往復移動を調節する制御を行うように構成されており、偏心ローラ軸44の回転数を200rpmとした場合、大歯車79の回転数(移動体71の往復回数)は300〜100rpmの範囲で調節可能に構成されている。
そして、制御回路99は、運転開始時には、偏心ローラ軸44および大歯車79の回転数が200rpmとなるように、偏心ローラ用駆動モータ46、移動体用駆動モータ77を制御するが、まず、偏心ローラ45の1回転当たりの時間(周期)、移動体71(揺動部材65)の1往復当たりの時間(周期)を検出するための制御内容、および偏心ローラ45の周期に対して移動体71の周期を一致させるための制御内容をそれぞれ図20および図21に基づいて説明する。
【0058】
まず、周期検出のための制御内容を示す図21において、制御回路99は、ステップS1で、タイマカウンタをゼロクリアし、次のステップS2で、偏心ローラ45の周期検出のときは偏心ローラ位置検出回路97からの、移動体71の速度検出のときは移動体位置検出回路98からの位置検出信号の入力を待つ状態となる。
【0059】
位置検出信号が入力されると(ステップS2で「YES」)、制御回路99は、タイマカウントをスタートさせ、次の位置検出信号が入力されるまで、所定時間毎に、そのカウント値を1ずつアップさせる(ステップS3、ステップS4で「NO」の繰り返し)。そして、次の位置検出信号が入力されると、制御回路99は、ステップS4で「YES」となり、次いで、ステップS5で、そのときのタイマカウンタのカウント値を偏心ローラ45、或いは移動体71(揺動部材65)の周期として記憶し、リターンとなる。
【0060】
また、偏心ローラ45の周期に移動体71の周期を一致させるための制御内容を示す図22において、制御回路99は、まず、ステップS1で、図21の制御内容にて検出した偏心ローラ45の周期と移動体71の周期とが一致しているか否かを判断し、一致していればそのままリターンとなる。
【0061】
不一致のとき、制御回路99は、ステップS2に移行し、移動体71の周期の方が短いか否かを判断し、短かったとき(ステップS2で「YES」)、ステップS3で移動体71の周期を「1」だけ短く、すなわち、移動体用駆動モータ77の回転数を所定回転数だけ低下させる。また、移動体71の周期の方が長かったとき(ステップS2で「NO」)、制御回路99は、ステップS4に移行して移動体71の周期を「1」だけ長く、すなわち、移動体用駆動モータ77の回転数を所定回転数だけ上昇させる。
【0062】
このようにして移動体用駆動モータ77の回転数を低下、或いは上昇させる制御を行った後、制御回路99は、ステップS5で、移動体用駆動モータ77の回転が安定する一定時間の経過を待ち、そして、ステップS1に戻る、という動作を偏心ローラ45と移動体71の周期とが一致するまで実行する。
【0063】
前述のように、制御回路99は、偏心ローラ45の動作と揺動部材65の動作を関連付けてマッサージ運転を行う。具体的には、偏心ローラ45と揺動部材65とが同位相となるように制御するものであり、この制御内容を図23に示すフローチャートに従って説明する。
この制御がスタートすると、制御回路99は、まず、ステップSAで、偏心ローラ45と揺動部材65が同期して動作しているか否かを判断する。ここで、偏心ローラ45と揺動部材65の動作が同期とは、左側の偏心ローラ45が最下位置にあるとき(スイッチ95オン)、揺動部材65が最も右側に位置にあるように動作する状態をいうものとする。
【0064】
上記の同期状態にあるか否かの検出は、図24のフローチャートに示す位相ずれの検出結果に基づいてなされる。すなわち、制御回路99は、図22に示す内容にて、偏心ローラ45と移動体71とが同一周期で動作するように制御した後、図24のフローチャートの実行を開始し、まず、ステップSaでタイマカウンタをゼロクリアし、次のステップSbで偏心ローラ位置検出回路97からの位置検出信号の入力を待つ状態となる。
【0065】
位置検出信号が入力されると(ステップSbで「YES」)、制御回路99は、タイマカウントをスタートさせ、タイマカウンタを所定時間毎に「1」だけカウントアップさせるという動作を移動体位置検出回路98から位置検出信号が入力されるまで繰り返す(ステップSc、ステップSdで「NO」)。そして、移動体位置検出回路98から位置検出信号が入力されると、制御回路99は、ステップSdで「YES」と判断し、そのときのタイマカウンタのカウント値を位相ずれとして図示しないメモリに記憶し(ステップSe)、リターンとなる。
【0066】
さて、制御回路99は、ステップSAの同期判断において、位相ずれ時間Tが、図21のフローチャートの実行により検出された偏心ローラ45の周期T0と一致していれば、偏心ローラ45と移動体71は同期して動作していると判断し(ステップSAで「YES」)、ステップSBの偏心ローラ45と移動体71の周期を同一状態に保持するための制御ルーチンに移行し、リターンとなる。
【0067】
制御回路99は、上記の位相ずれ時間Tが偏心ローラ45の周期T0と不一致の場合、ステップSAで「NO」と判断し、次のステップSCで図21のフローチャートの実行により偏心ローラ45の周期と移動体71の周期とを検出して移動体71の周期の方が偏心ローラ45の周期よりも大きいか否かを判断する。
【0068】
そして、制御回路99は、移動体71の周期の方が偏心ローラ45の周期よりも短いとき、ステップSCで「YES」と判断し、ステップSDに移行して移動体用駆動モータ77の回転速度を「1」だけ減少させると共に減速フラグを「1」にセットする。また、制御回路99は、移動体71の周期の方が偏心ローラ45の周期よりも長いとき、ステップSCで「NO」と判断し、ステップSIに移行して移動体用駆動モータ77の回転速度を「1」だけ増加させると共に減速フラグを「0」にセットする。
【0069】
制御回路99は、上記のようにしてステップSD或いはステップSIを実行した後、移動体用駆動モータ77の回転が安定するに要する時間を待って(ステップSE)、再び偏心ローラ45と移動体71の位相が合っているか否か判断する(ステップSF)。
【0070】
ここで、位相がずれていた場合(ステップSFで「NO」)、制御回路99は、ステップSGに移行し、ここで、偏心ローラ45と揺動部材65の位相のずれが前回検出のずれ量よりも小さくなったか否か判断する。位相ずれが前回よりも小さくなっていたとき、制御回路99は、ステップSGで「YES」と判断し、次のステップSHに移行して減速フラグが「0」であるか否かを判断する。つまり、位相ずれが前回よりも小さくなったのは、移動体用駆動モータ77の速度を減速したからなのか、増速したからなのかを判断するのである。
【0071】
そして、制御回路99は、ステップSHで「YES」のとき(減速フラグ「1」)、移動体用駆動モータ77の回転速度を「1」だけ減少させるステップSDに戻り、また、ステップSHで「NO」のとき(減速フラグ「0」)、移動体用駆動モータ77の回転速度を「1」だけ増加させるステップSIに移行し、その後、一定時間経過するのを待って(ステップSE)、偏心ローラ45と移動体71の位相が合っているか否かを判断するステップSFに移行する。
【0072】
また、制御回路99は、位相ずれが前回よりも小さくなったか否かを判断するステップSGで「NO」のとき、ステップSJで減速フラグが「0」であるか否かを判断する。つまり、位相ずれが前回よりも大きくなったのは、移動体用駆動モータ77の速度を減速したからなのか否かを判断しているのである。
【0073】
そして、制御回路99は、ステップSJで「YES」のとき、ステップSIに移行して移動体用駆動モータ77の回転速度を「1」だけ増加させ、「NO」のとき移動体用駆動モータ77の回転速度を「1」だけ減少させるステップSDに移行する。この後、制御回路99は、一定時間の経過を待って(ステップSE)、偏心ローラ45と移動体71の位相が合っているか否か判断し(ステップSF)、不一致のとき、上述した動作を繰り返し実行する。これにより、偏心ローラ45と移動体71の位相が一致すると,ステップSFで「YES」となり、偏心ローラ45と移動体71の周期を同一状態に保持するためのステップSBに移行し、リターンとなる。
【0074】
次に上記構成の作用を全身コースを選択したものとして説明する。
まず、操作軸50を矢印B方向に回動操作して押上げ機構58を伸張状態にし、足載せ部5を水平姿勢、或いは上向き姿勢にセットすると共に、揺動部材65を前後に移動させてその位置を使用者の足首の位置に合うように調節する。この後、使用者は座部4に腰を下ろすと共に、背もたれ部7を好みのリクライニング位置まで後に倒し、両足の足首部分を揺動部材65の凹部74,74に嵌め保持させる。この状態では、使用者の臀部は座部4に受けられると共に、背中は背もたれ部7に受けられおり、足は揺動部材65に足首部分を受けられて宙に浮いた状態になっている。このため、膝は延びており、足載せ部5を水平姿勢にした場合には、その膝の裏側の緊張度合いは比較的弱く、リラックスした姿勢となり、また、足載せ部5を上向き姿勢にした場合には、膝の裏側は強く伸ばされて緊張した姿勢となる。
【0075】
さて、リモコン94により全身コースを選択すると、ローラ式マッサージ機構25および揺動式マッサージ機構64がマッサージ動作を行う。まず、ローラ式マッサージ機構25の作用を述べるに、全身コースがスタートすると、上下移動用モータ34および偏心ローラ駆動モータ46が通電される。そして、モータ34の正逆回転により移動基枠29が上下方向に往復移動する。
【0076】
この移動基枠29の往復移動により、図10に二点鎖線で示すように、上下両側のローラ41,42が背もたれ部7の表地24を介して背骨の左右両側に当たって回転しながら移動するようになる。これにより、肩から背中全体のマッサージが行われる。このとき、偏心軸44がモータ46により回転されるので、中央の偏心ローラ45が肩や背中に間欠的に当たり、これにより同時に叩き或いはもみなどのマッサージが行われる。
【0077】
ところで、上述のように移動基枠29が移動する際、ローラ支持台36が揺動軸37に揺動自在に枢支されていること、このローラ支持台36には揺動軸37を挟んでその上下両側に位置してローラ41,42が設けられていることにより、両ローラ41,42はローラ支持台36の揺動を伴って背中の凹凸に倣うように移動してゆくようになる。このため、両ローラ41,42は常に背中に接してマッサージ作用を及ぼしながら移動するようになる。
【0078】
このように常に背中に接して移動する上下のローラ41,42に対し、その中間に位置する偏心ローラ45がそれらローラ41,42の外周面のうち、背もたれ部7の表面側の外周面に共通に接する線Lに対して出没するので、偏心ローラ45が回転しながら背中に間欠的に当たるようになり、叩きによる良好なマッサージ効果を得ることができるのである。
【0079】
そして、この左右一対の偏心ローラ45の交互のマッサージ作用により、上半身が左右にねじられるように揺すられるので、上半身がねじりによるマッサージ作用を受ける。しかも、このように左右一対の偏心ローラ45が交互に背中に当たることによりマッサージ効果を得るものでありながら、その叩き或いは揉まれる部位の上下両側の部位がローラ41,42によって支えられているので、体が偏心ローラ45の回転運動に伴って頭部までもが揺すられるほど大きく左右に揺れることはなく、例え揺れたとしてもその揺れは少ないので、不快感を覚えることも少なくなる。
【0080】
また、このように上下のローラ41,42により上半身の重量を受けた状態で、中間の偏心ローラ45によって上半身を叩くようにするので、偏心ローラ45には上半身の重量が直接作用することがなくなる。このため、モータ46は大きな抵抗を受けることなく、偏心ローラ45を円滑に回転させることができ、偏心ローラ45による間欠的な叩きマッサージ作用を効果的に与えることができる。
【0081】
また、ローラ式支持台36は、ねじりコイルばね38により矢印A方向に回動付勢されているので、上側のローラ42が肩をマッサージするような位置にきたとき、ローラ支持台36はねじりコイルばね38の弾発力により矢印A方向に揺動してローラ42を首の付け根部分に当たるようになるので、偏心ローラ45が肩部に当たって該偏心ローラ45による肩叩き或いは肩揉みを良好に行うことができる。
【0082】
一方、揺動式マッサージ機構64においては、全身コースによるマッサージが開始されると、モータ70が起動して、目標速度まで徐々に回転速度を高めてゆくようになる。このモータ70の回転は、クランク71によりスライダ69の往復移動に変換され、揺動部材65が左右に往復移動する。このとき、揺動部材65の往復移動速度は急激に目標速度まで上昇するのではなく、徐々に速度上昇してゆくので、足が揺動部材65の凹部74から外れ落ちるようなおそれはない。
【0083】
さて、揺動部材65が左右方向に往復移動すると、座部4に支えられている腰部分を中心にして下半身が左右に揺動運動(いわゆる金魚運動)すると共に、左右の各足F1,F2は図3に実線、二点鎖線および破線で示すように足の付け根を中心にしてひねられるようになる。このため、腰部分にもひねり運動が与えられ、伸張するようになる。
【0084】
このとき、制御回路99は、図23のフローチャートに示すような制御動作を実行し、ローラ式マッサージ機構25の一対の偏心ローラ45のうち、左側の偏心ローラ45が背もたれ部7の表面側に突出するように回転すると、足受け部65は左方に移動し、右側の偏心ローラ45が背もたれ部7の表面側に突出するように回転すると、足受け部65は右方に移動するように制御する。
【0085】
このように偏心ローラ45と足受け部65の動きを関連付けることにより、上半身が右側にひねられるようになると、下半身が左側にひねられ、逆に、上半身が左側にひねられるようになると、下半身が右側にひねられるようになる。このため、上半身と下半身のひねり方向が逆となり、全身からみれば大きくひねられることとなって身体が伸張され、より効果的なマッサージを受けることができるようになる。
【0086】
以上にようなことから、下半身全体は、横揺れ、ひねりなどの運動を、左右に方向を変えて繰り返すので、これにより下半身の筋肉が揉まれ、ほぐされたりし、血行が良くなる。下半身は、このようなマッサージ作用を受けるものであり、そのマッサージの強さは振動式マッサージのような微弱なものではないから、下半身のマッサージにとって程良い強さのものとなる。そして、このような下半身マッサージ中において、速さ調節スイッチ94j,94kを操作すると、揺動部材65の往復移動速度が変わるので、好みの速さでマッサージを受けることができる。
【0087】
全身コースの終了時には、モータ77は停止までその回転速度を徐々に低下させてゆく。このため、停止時についても、揺動部材65の往復移動速度は徐々に低下するので、開始時に同様に足が揺動部材65の凹部74から外れ落ちるおそれはない。
【0088】
このように本実施例によれば、背中だけでなく、両足を左右に揺動させることにより、下半身全体をもマッサージすることができる。また、左右一対の偏心ローラ45を交互に背中に当たることにより、腰から上の部位全体が左右にひねられるようになるので、背中のマッサージに止まらず、上半身全体のマッサージを行うことができる。このように、上半身および下半身共に、すなわち全身を一種のひねりないし伸張(ストレッチ)によりマッサージできるものである。
【0089】
図25は本発明の第2実施例を示すもので、上記一実施例との相違は、偏心ローラ45と揺動部材65とを逆位相となるように動作させるところにある。ここで、逆位相とは、偏心ローラ位置検出回路97および移動体位置検出回路98の位置検出信号が同時に出力されるように構成し、左側の偏心ローラ45aが背中を押圧するとき、揺動部材65が右方に移動するように構成したものである。
【0090】
この逆位相にする制御内容を図25により説明する。制御回路99は、まず、ステップS1で偏心ローラ45と移動体71とが位相ずれ180°の状態で動作しているか否かを判断する。この判断の基になる位相ずれは、図24に示す制御内容にて検出される。ここで、偏心ローラ45と移動体71とが逆位相になっているか否かは、偏心ローラ45と移動体71の周期が同一であるという条件下で、偏心ローラ位置検出回路97が位置検出信号を出力した時点から、偏心ローラ45の周期の半分の時間が経過したとき、移動体位置検出回路98が位置検出信号を出力する状態になっているか否かによって判断される。
【0091】
そして、制御回路99は、まず、ステップS1で偏心ローラ45と揺動部材65との位相ずれが180°になっているか否かを判断する。偏心ローラ45と揺動部材65とが逆位相になっていて、位相ずれが180°のとき、制御回路99は、ステップS1で「YES」と判断し、偏心ローラ45と移動体71の周期を同一状態に保持するためのステップS2を実行し、リターンとなる。
【0092】
位相ずれが180°でないとき、制御回路99は、ステップS3に移行し、位相ずれが180°を越えているか否かを判断する。ここで、位相ずれが180°を越えている状態とは、偏心ローラ位置検出回路97が位置検出信号を出力した時点から、偏心ローラ45の1回転に要する時間(周期)の半分の時間経過してもなお移動体位置検出回路98が位置検出信号を出力しない状態である。
【0093】
そこで、位相ずれが180°を越えている場合には(ステップS3で「YES」)、制御回路99は、ステップS4に移行して、移動体の周期が「1」だけ減少するように移動体用駆動モータ77の回転を減少させると共に、減速フラグを「1」にセットする。また、位相ずれが180°未満のときには(ステップS3で「NO」)、制御回路99は、ステップS9に移行し、ここで移動体71の周期が「1」だけ増加するように移動体用駆動モータ77の回転数を増加させると共に、減速フラグを「0」にセットする。
【0094】
このようにして移動体用駆動モータ77の回転を減少、或いは増加させる制御を行った後、その移動体用駆動モータ77の回転が安定するに要する一定時間の経過をまって(ステップS5)、制御回路99は、再度、位相ずれが180°であるか否かを判断し(ステップS6)、以後、図23に示すフローチャートと同様の処理を実行し、偏心ローラ45と移動体71の位相が180°ずれた状態で動作するように制御する。
【0095】
このように左側の偏心ローラ45aが背中を押圧するとき、揺動部材65が右方に移動し、右側の偏心ローラ45bが背中を押圧するとき、揺動部材65が左方に移動するように制御した場合には、左側の偏心ローラ45aによって背中の左側が押圧されることにより、上半身が斜め右を向く状態になると、揺動部材65が右方に移動して両足を右方に移動させるので、腰の辺りの左側の筋肉が伸ばされるうようになり、逆に、右側の偏心ローラ45bによって背中の右側が押圧されることにより、上半身が斜め左を向く状態になると、揺動部材65が左方に移動して両足を左方に移動させるので、腰の辺りの右側の筋肉が伸ばされるうようになる。こように腰の辺りの筋肉の伸縮させて、マッサージするものである。
【0096】
図26は本発明の第3実施例を示すもので、これは、偏心ローラ45の周期に対して移動体71の周期が僅かに異なるように制御するようにしたものである。すなわち、制御回路99は、まず、ステップS1で偏心ローラ45の周期と移動体71の周期が同じであるか否かを判断する。双方の周期が同じであれば、制御回路99は、ステップS1で「YES」と判断して次のステップS2で移動体用駆動モータ77の速度を「5」だけ減少させてリターンとなる。
【0097】
双方の周期が異なっている場合、制御回路99は、ステップS1で「NO」と判断し、次のステップS3で移動体71の周期の方が短い(速い)か否かを判断する。移動体71の周期の方が短い場合、制御回路99は、ステップS3で「YES」と判断し、次のステップS4で移動体71の速さが「1」だけ減少するように移動体用駆動モータ77を制御する。この後、制御回路99は、移動体用駆動モータ77の回転が安定するに要する一定時間の経過を待って(ステップS8)、偏心ローラ45の周期と移動体71の周期が同じであるか否かを判断するステップS1に戻る。
【0098】
また、移動体71の周期の方が長い(遅い)場合、制御回路99は、ステップS3で「NO」と判断し、次のステップS5で移動体71と偏心ローラ45の速さの差が「5」以上であるか否かを判断する。「5」未満であるとき、制御回路99は、ステップS5で「NO」と判断し、ステップS4に移行して移動体71の速さを「1」だけ減少させ、そして、一定時間の経過を待って(ステップS8)ステップS1に戻る。
【0099】
移動体71の速さと偏心ローラ45の速さとの差が「5」以上のとき、制御回路99は、ステップS5で「YES」と判断し、次いで移動体71の速さと偏心ローラ45の速さの差が「5」であるか否かを判断し、「5」ならばリターンとなり、「5」でなければ、移動体71の速度を「1」だけ速くするようにし、一定時間の経過を待って(ステップS8)、双方の周期が同じであるか否かを判断するステップS1に戻る。そして、ステップS1で「NO」のとき、以上のような制御動作を繰り返し、移動体71の速さが偏心ローラ45の速さより「5」だけ遅い状態に制御する。
【0100】
このように偏心ローラ45と移動体71の周期が同じで、一定の位相差をもって動作するように制御すれば、偏心ローラ45と移動体71とが同位相になる状態から逆位相になる状態まで、様々な状態が得られるので、使用者に変化に富んだ施療を施すことができる。
【0101】
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるものではなく、以下のような変更或いは拡張が可能である。
よう胴部剤65により受ける足の部位は膝から下の部位であれば、足首部分に限られない。
足載せ部5の角度は無段階に調節できるように構成しても良い。
座部4と足載せ部5とは一体のシート部により構成し、座部相当部分と足載せ部相当部分との間で折れ曲らないようなものであっても良い。
【0102】
偏心ローラ45と揺動部材65との動作関係は、同一の周期で位相だけ異ならせる状態のとき、その位相ずれは180°に限られない。
足載せ部材は、左右両方の足を上下に交互に動作させる昇降部材により構成しても良い。このとき、左側の足を上方に移動させるとき、左側の偏心ローラ45aを、最下位置に向かって移動させたり(同位相)、背中を押圧する方向に移動させたり(逆位相)、或いは、足を上下に移動させる周期と、偏心ローラを回転させる周期とを僅かに異ならせる等しても良い。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば上半身と下半身とを同方向に捻り動作させて腰の当たりを伸張させることができる。さらに、偏心ローラの上下のローラにより上半身の重量を受けた状態で、中間の偏心ローラによって上半身を叩くようにするので、偏心ローラには上半身の重量が直接作用することがなくなる。このため、モータは大きな抵抗を受けることなく、偏心ローラを円滑に回転させることができ、偏心ローラによる間欠的な叩きマッサージ作用を効果的に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので、足載せ部を上向き姿勢にした状態の縦断側面図
【図2】足載せ部を水平姿勢にした状態の縦断側面図
【図3】揺動式マッサージ機構の縦断正面図
【図4】同縦断側面図
【図5】同分解斜視図
【図6】移動体の拡大斜視図
【図7】足載せ部を上向き姿勢にした状態で示す押上げ機構の側面図
【図8】足載せ部を略水平姿勢にした状態で示す押上げ機構の側面図
【図9】足載せ部を下向き姿勢にした状態で示す押上げ機構の側面図
【図10】押上機構の部分縦断面図
【図11】ローラ式マッサージ機構の要部の縦断面図
【図12】ローラ式マッサージ機構の側面図
【図13】ローラ式マッサージ機構の平面図
【図14】ローラ式マッサージ機構の要部の平面図
【図15】左側の偏心ローラと位置検出用スイッチの関係を示す側面図
【図16】ローラ式マッサージ機構のねじ式直線駆動構成を示す断面図
【図17】全体を示す分解斜視図
【図18】全体の斜視図
【図19】リモコンの正面図
【図20】電気的構成を示すブロック図
【図21】偏心ローラ、移動体の周期を検出するためのフローチャート
【図22】移動体の周期を偏心ローラの周期に一致させるためのフローチャート
【図23】移動体と偏心ローラとを同位相で動作させるためのフローチャート
【図24】移動体と偏心ローラとの位相差を検出するためのフローチャート
【図25】本発明の第2実施例を示すもので、移動体と偏心ローラとを逆位相で動作させるためのフローチャート
【図26】本発明の第3実施例を示すもので、移動体と偏心ローラとを一定の周期差をもって動作させるためのフローチャート
【符号の説明】
図中、1は椅子本体、2は肘掛け部材、3はベースフレーム、4は座部、5は足載せ部、6はシート部、7は背もたれ部、25はローラ式マッサージ機構、29は移動基枠、36はローラ支持台、41,42はローラ(背側施療子)、45は偏心ローラ(背側施療子)、46は偏心ローラ用駆動モータ(背側駆動源)、64は揺動式マッサージ機構、65は揺動部材(足受け部材)、67は取付台(ガイド部材)、70a,70bはスライドガイド、71は移動体、72a,73aは上スライド部、72b,73bは横スライド部、75はローラ、77は移動体用駆動モータ(足側駆動源)、87は可動受け部材、89はガイド溝、95はスイッチ(位置検出手段)、96は光センサ(位置検出手段)、99は制御回路(制御手段)である。
Claims (1)
- 臀部および足を受けるシート部と背を受ける背もたれ部を備えた椅子本体と、
前記背もたれ部に設けられ、マッサージ動作を行う背側施療子と、
この背側施療子を駆動する背側駆動源と、
前記シート部に設けられ、足を膝よりも足首側で受けて足を左右に往復移動させる足受け部材と、
この足受け部材を駆動する足側駆動源と、
前記背側駆動源および前記足側駆動源を動作制御する制御手段とから構成されるストレッチング装置において、
前記背側施療子は、左右一対の偏心ローラとその偏心ローラの他に左右一対のローラの組を前記偏心ローラを挟む形でそれぞれ配置し、
前記制御手段は、背中の右側を押圧する前記偏心ローラが突方向に移動するとき、前記足受け部材が左方向に移動し、背中の左側を押圧する前記偏心ローラが突方向に移動するとき、前記足受け部材が右方向に移動するように、前記偏心ローラと前記足受け部材とを逆位相で動作するように構成したことを特徴とするストレッチング装置。
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KR200321824Y1 (ko) | 허리운동이 가능한 의자 |
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