JP4005698B2 - マッサージ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子式のマッサージ装置に係り、特に背もたれ部に設けられた施療手段により下半身もマッサージできるようにしたものに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来の椅子式のマッサージ装置は、座部および背もたれ部からなる本体のうち、背もたれ部にローラ式のマッサージ機構を設け、駆動装置を起動させると、ローラが背もたれ部にもたれている使用者の背中に沿って回転しながら往復移動することによって背中(上半身)をマッサージするという構成になっている。
【0003】
また、従来の椅子式のマッサージ装置には、座部の前端に、足載せ部を上下方向に回動可能に設け、この足載せ部を座部とほぼ面一となるように上方に回動させることによってその足載せ部に足を載せることができるようにしたものがあるが、この足載せ部付きの椅子式マッサージ装置のうちには、足載せ部に振動式のマッサージ機構を設けたものがある。
【0004】
この足載せ部に振動式マッサージ機構を設けた椅子式のマッサージ装置は、背中ばかりでなく、足の特に「ふくらはぎ」などをマッサージすることができる。ところが、足にとっては、特に疲労度が高い場合など、振動式のマッサージ機構では、マッサージ力が弱く、施療感に劣るという問題があった。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、上半身をマッサージできることはもちろんのこと、下半身についてもマッサージすることができ、しかも、下半身についても十分なる施療感を得ることができるマッサージ装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、長手方向に沿って足載せ部、座部および背もたれ部を順に備えた本体と、前記本体のうち前記背もたれ部に設けられたローラ式マッサージ機構からなる背側の施療手段と、前記足載せ部に設けられた揺動式マッサージ機構からなる足側施療手段とを具備し、前記本体を、ほぼフラットにできるように構成し、前記本体をほぼフラットにしたとき、下半身を前記座部および足載せ部に載せると共に、上半身を前記背もたれ部に載せて前記背側の施療手段によりマッサージする上半身施療の他に、上半身を前記座部および足載せ部に載せると共に、下半身を背もたれ部に載せて前記背側の施療手段によりマッサージする下半身施療を可能にしたマッサージ装置であって、使用者の頭部またはこの頭部が載せられる枕が前記足載せ部に載せられたことを検出する検出手段と、この検出手段の検出動作に基づいて前記足側施療手段のマッサージ動作を禁止する制御手段とを設け、前記足側施療手段は、左右の足を受けるための凹部と、それらの両凹部間に頭を受けるための変形可能な平坦部または凹部とを有し、前記検出手段は、前記平坦部または凹部に前記枕または頭部が載せられた際、前記枕の重量または頭の重量によって前記平坦部または凹部が下方に変形することを検出することにより前記枕または頭部が足載せ部に載せられたことを検出するように構成されていることを特徴とするものである(請求項1)。
【0011】
本発明のマッサージ装置では、枕を備え、その枕は背もたれ部と足載せ部のいずれにも装着可能であることが好ましい(請求項)。上記の枕は背もたれカバーに設けることができ、その背もたれカバーは、背もたれ部に装着できると共に、足載せ部および座部にも装着可能とすることができる(請求項)。
【0012】
本発明では、本体をフラットにした状態で、左右の手を載せておくことができるようにするために、本体の中央部の左右両側に手掛用の張出部を設けることができる(請求項)。また、背もたれ部の施療手段と体の位置関係がずれないようにするために、座部および背もたれ部の左右方向の中央部分は、窪んでいることが好ましい(請求項)。
【0015】
た、本発明では、前記背もたれ部の施療手段は、背もたれ部の長手方向に移動可能な往復移動部材に、左右方向に対向する一対のローラを複数組設けると共に、同じく幅方向に対向する一対の偏心ローラを1組設けてなり、前記偏心ローラは往復移動方向に間隔を存して配置された複数組のローラ間に配置されていると共に、それら各一対のローラの左右方向の対向間隔は、前記背もたれ部の先端側のものほど短く設定されて構成とすることができる。この構成によれば、ローラによりマッサージできる範囲を幅広くとることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1〜図16を参照しながら説明する。
図18に示すマッサージ装置の本体1は、脚フレーム2に対して、座部3および足載せ部4からなるシート部5と、背もたれ部6とを設けて成る。この実施例では、座部3は脚フレーム2に固定され、その座部3に対し、足載せ部4および背もたれ部6が上下方向に回動可能に連結されている。
【0017】
上記の脚フレーム2、座部3、足載せ部4および背もたれ部6の連結構成について、少し詳しく説明する。まず、図8に示すように、脚フレーム2は、前後に一対の脚部2a,2bを有しており、その脚フレーム2の上部に、座フレーム7が固定されている。そして、座フレーム7の前部に足載せフレーム8が上下方向に回動可能に連結されていると共に、後部に背フレーム9が前後方向に回動可能に連結されている。
【0018】
上記座フレーム7の上部および背フレーム9の前部には、それぞれ座プレート10および背プレート11が固定されており、それら座プレート10の上部および背プレート11の前部にはクッション12および13(図2参照)が装着されている。また、足載せフレーム8上には直接的にクッション14が装着されている。そして、それらクッション12〜14は表地15〜17により覆われており、以上により座部3、足載せ部4および背もたれ部6が構成されている。なお、座部3の表地15と足載せ部4の表地15とは連続している。
【0019】
上記足載せ部4は、上下方向の回動により、図6に示す垂直下向きの姿勢と図4に示すほぼ水平の姿勢とを選択できるようになっており、その2姿勢の保持は、足載せフレーム8に座フレーム7に回動可能に連結するための連結部材18に設けられた周知のラチェット機構(図示せず)により行われるようになっている。また、座フレーム7と背フレーム9との間には、ガススプリング19を備えたリクライニング機構(図示せず)が設けられており、そのリクライニング機構によって背もたれ部9の傾きの角度が調節できるようになっている。
【0020】
背もたれ部6には、背側の施療手段としてローラ式マッサージ機構20が背フレーム9に沿って上下方向に移動可能に配設されている。ここで、ローラ式マッサージ機構20の具体的構成を説明する。
すなわち、背フレーム9は、図18および図19に示すように、左右一対の縦枠21を複数本の横枠22により連結して前後方向に長い矩形枠状に構成されている。そして、背フレーム9の下部には、左右一対の枢支部23が取り付けられており、この枢支部23が前記座フレーム7に回動可能に支持されているものである。
【0021】
これに対し、ローラ式マッサージ機構25は、図9〜図11に示すような移動基枠24を備えており、この移動基枠24の前後の左右両側には走行ローラ25が枢設されている。そして、これら走行ローラ25は、背フレーム9の断面コ字形をなす縦枠21の内側に位置されており、これにより移動基枠24が縦枠21をガイドレールとして前後(上下)方向に移動可能に支持されることとなる。
【0022】
移動基枠24には、図16に示すホルダ26が固定されており、このホルダ26にナット部材(図示せず)が回転を拘束された状態で収納保持されている。ナット部材には、両端部を背フレーム9の2本の横枠22間に回転可能に支持されたねじ棒27が螺合されている。このねじ棒27は、駆動モータ28によりベルト伝動機構29を介して正逆回転されるようになっており、このねじ棒27の正逆回転により、ナット部材ひいては移動基枠24が上方或いは下方に移動するようになっている。
【0023】
上記移動基枠24には、揺動部材としてのローラ支持台30が揺動軸31を介して背もたれ部6の表裏方向に揺動可能に支持されており、このローラ支持台30は、ねじりコイルばね32によって図11に矢印Aで示す方向、すなわち揺動軸31の前後両側のうち後側が背もたれ部6の表側に向かって揺動する方向に付勢している。
【0024】
ローラ支持台30には、移動基枠24の移動方向に離間するようにして2本のローラ軸33,34が設けられており、このローラ軸33,34の左右両端部には背側施療子として複数組、例えば2組の左右一対のローラ35,36が回転自在に取り付けられている。
【0025】
また、ローラ支持台30には、ギヤケース部38が設けられ、また、偏心ローラ軸38が支持されている。この場合、偏心ローラ軸38は、移動基枠24の移動方向に離間する2本のローラ軸33,34間に位置するように配置されている。そして、この偏心ローラ軸38の左右両端部には、互いに逆方向に偏心した偏心軸38aが所定角度傾けた状態にして取り付けられており、その偏心軸38aに背側施療子として1組の左右一対の偏心ローラ39が回転自在に取り付けられている。
【0026】
上記ギヤケース部37には、偏心ローラ駆動モータ40が取り付けられている。この偏心ローラ駆動モータ40の回転は、ウォーム41およびウォームギャ42により減速されて偏心ローラ軸38に伝達され、これにより左右一対の偏心ローラ39が偏心ローラ軸38の1回転ごとに背もたれ部6の表面側に向かって突出する状態(図11の二点鎖線参照)と、裏面側に没する状態(図11の実線参照)とを繰り返すようになる。
【0027】
ここで、2組の左右一対のローラ35,36と1組の左右一対の偏心ローラ39において、各一対のローラの対向間隔は、図10に示すように、背もたれ部6の先端側である後側(座部3とは反対側)のもの程、狭くなっている。これにより、移動基枠24の往復移動に伴うローラ35,36,39全体の軌跡が幅広になるので、それらローラ35,36,39によりマッサージできる範囲が幅広になると共に、ローラ式マッサージ機構20が背もたれ部6の後部(上部)まで移動したとき、後側のローラ36によって首筋の辺りをマッサージし、且つ偏心ローラ39によって肩の辺りを叩くことができるようになる。
なお、背もたれ部6のクッション14は、ローラ式マッサージ機構20が前後に移動する領域については設けられていない。
【0028】
一方、前記シート部6のうち、足載せ部5には、図12および図13に示すような、足側施療手段としての揺動式マッサージ機構43が設けられている。この揺動式マッサージ機構43は、両足の例えば足首部分を受ける受け部材としての揺動部材44を駆動装置45によって左右方向に往復移動させ、これにより両足を一緒に左右に揺らして下半身をマッサージする。
【0029】
この揺動式マッサージ機構43につき説明するに、足載せフレーム8の下部には、取付台46が取り付けられており、この取付台46に移動体47が左右方向に移動可能に支持されている。また、取付台46の後面部には、足側駆動源としての移動体用駆動モータ48が取り付けられており、この移動体用駆動モータ48の回転は、小歯車49を介して大歯車50へと伝達される。大歯車50には偏心軸51が突設されており、この偏心軸51に回転自在に設けられたローラ52が移動体47に形成された長孔53に嵌合されている。従って、大歯車50が移動体用駆動モータ48により回転駆動されると、その回転に伴って移動体47が左右方向に往復運動する。
【0030】
移動体47の上端部分は、足載せ部4の上面から突出しており、この移動体47の上端部分に前記揺動部材44が前後方向に位置調節可能に取り付けられている。揺動部材44は、プラスチック製の中空部体54を主体として構成され、その中空部体54の全体はクッション55により覆われている。そして、揺動部材44の上面のうち、左右両側には足首部分を受けるほぼ円弧状の凹部56が形成され、それら両凹部56に挟まれた部分は平坦部57に形成されている。
【0031】
そして、移動体47が左右方向に往復運動すると、この移動体47に一体化された揺動部材44も左右方向に往復運動(マッサージ動作)するので、揺動部材44に足首を載せておけば、下半身(足)が左右に動かされてマッサージされることとなる。
【0032】
ところで、図5に示すように、座部3および背もたれ部6の左右方向の中央部分はほぼ平らな面になっており、その平らな面の左右両側は、上向き曲げられた形態になされ、この結果、左右方向中央部分の平らな面は窪んだ状態になっている。上記座部3および背もたれ部6において、左右両側の上方に曲げられた部分は、座部3については、後方(背もたれ部6側)に向かうに従って上方への突出量と横方向外側への出っ張り量が次第に大となる張出部58に形成されていると共に、背もたれ部6については、前方(座部3側)に向かうに従って上方への突出量と横方向外側への出っ張り量が次第に大となる張出部59に形成されている。これを逆にいえば、左右両側の張出部58,59により挟まれた部位は、座部3については後方に向かうにつれて次第に深く窪む状態となるように形成され、背もたれ部6については前方に向かうにつれ次第に深く窪む状態となっている。
【0033】
また、背もたれ部6は、図3に示すように、前側の端部の中央部に、平らな面を前方に向けてほぼコ字形に突出させている。これに対応して、座部3の後部の中央部は、平らな面をほぼコ字形に凹ませた形態になっており、この座部3のコ字形凹部分3aは、背もたれ部6の上記コ字形凸部分6aを嵌め入れることができるような大きさに形成されている。
【0034】
一方、前述したように、足載せ部4は、座部3に対して水平姿勢と垂れ下がり姿勢の2姿勢を取り得るようになっており、背もたれ部6は、座部3に対して上下方向に回動できるようになっている。ここで、背もたれ部6の回動範囲を左右方向中央部の平らな面と水平線Hとのなす角度で示すと、図6のように最も上方に回動させたときのほぼ127°から図4のように最も下方に回動させたときの173°までの範囲に設定されている。なお、座部3の左右方向中央部の平らな面は、水平線Hに対して後方に向かって5°下降するように傾斜している。
【0035】
そして、脚フレーム2に固定されている座部3に対し、足載せ部4を水平位置まで上方に回動し、背もたれ部6を下方に回動限界位置まで回動することによって、図3〜図5に示すように、本体1全体をほぼフラットにすることができるようになっている。本体1をほぼフラットな状態にしたとき、足載せ部4の上面はほぼ水平、座部3の平らな面はやや後下がり、背もたれ部6の平らな面はやや後上がりとなる。なお、座部3および背もたれ部6の左右両側の張出部58および59の張出方向先端は、横からみたとき、ほぼ水平になっている。
【0036】
しかして、本体1をほぼフラットにしたとき、足載せ部4から背もたれ部6に至るまでの本体1全体としての外形状(上から見たときの外形状)は、図3に示すように、長手方向(図3で左右方向)に関して左右対称形になっている。また、本体1をほぼフラットにしたとき、背もたれ部6のコ字形凸部分6aは座部3のコ字形凹部分3aに嵌まり込んだ状態になり、この状態において、コ字形凸部分6aの表面は本体1の長手方向中央部に位置する平坦部60となっている。なお、背もたれ部6を回動可能に支持する支持軸22は、上記コ字形凸部分6aの根元近くの部分に存在している。
【0037】
さて、上述のように本体1全体をほぼフラットな状態にすることができ、且つこのとき長手方向について外形状がほぼ左右対称になることにより、使用者は上半身を背もたれ部6側に載せ、下半身を座部3および足載せ部4側に載せるようにして本体1上にあお向けに寝ることができると共に、逆に上半身を座部および足載せ部4側に載せ、下半身を背もたれ部6側に載せるようにして本体1上にあお向けに寝ることもできるようになる。
【0038】
そして、座部3および背もたれ部6の双方に張出部58,59が設けられていることにより、上半身を背もたれ部6に載せたときには、該背もたれ部6の張出部59に肘をかけることができ、逆に上半身を座部3および足載せ部4に載せたときには、座部3の張出部58に肘をかけることができ、楽な姿勢でマッサージを受けることができるようになる。
【0039】
また、本体1をほぼフラットにしたとき、平坦部60が本体1の長手方向中央部に位置するので、上半身が背もたれ部6側となるように本体1にあお向けに寝たときはもちろんであるが、下半身を背もたれ部6側となるように本体1にあお向けに寝たときも、使用者の臀部の辺りが平坦部60にて受けられるようになり、いずれの場合も、楽な姿勢で寝ることができるようになる。
【0040】
そして、上半身が背もたれ部6側となるように本体1に載ったときには、ローラ式マッサージ機構20により背中をマッサージすることができ、また、逆に下半身を背もたれ部6側となるように本体1に載ったとこには、ローラ式マッサージ機構20により下半身をマッサージすることができるようになる。
【0041】
上述のように、使用者は上半身を背もたれ部6に載せることも、座部3および足載せ部6側に載せることもできるので、通常、背もたれ部6に取り付けられる枕61は、足載せ部4の揺動部材44にも取り付けることができるようになっている。そのために、図7に示すように、枕61には、面状ファスナ62が取り付けられ、背もたれ部6の後端部および揺動部材44の平坦部57の双方に枕61の面状ファスナ62と係合する面状ファスナ63,64が取り付けられている。そして、図13示すように、特に揺動部材44の平坦部57の内側には、検出手段としての検出スイッチ65が固定されており、その検出スイッチ65の上方にスライド板66が上下にスライド可能に設けられている。なお、揺動部材44の平坦部57のうち、スライド板66に対応する部分は、クッション55だけになっている。
【0042】
上記揺動部材44の平坦部57に枕61が取り付けられると、或いは平坦部57に取り付けられた枕61に頭が載せられると、枕61の重量あるいは頭の重量によってクッション55が下方に変形するようになっている。クッション55が下方に変形すると、図14に示すように、スライド板66が下方に押し下げられて検出スイッチ65のアクチュエータ65aを押圧し、これにより検出スイッチ65がオン動作するようになっている。
【0043】
本実施例のストレッチング装置では、図15に示すリモートコントロールボックス(以下、リモコン)67の遠隔操作によって各種のマッサージ動作を得ることができるようになっている。
上記リモコン67には、各種のスイッチが設けられている。このうち、全身コースを選択するスイッチ67aを操作すると、ローラ式マッサージ機構25と揺動式マッサージ機構43の双方が所定のモードで所定時間マッサージ動作を行い、全身をマッサージする。また、上半身コース或いは下半身コースを選択するスイッチ67b,67cを操作すると、ローラ式マッサージ機構25だけがマッサージ動作を行う。
【0044】
ローラ式マッサージ機構25によってマッサージする際、ローラ35,36,39が背中に沿って上下に往復移動するが、このとき、肩位置合わせスイッチ67dを操作すると、使用者の身長に応じて上方への移動から下方への移動へと転ずる位置を合わせることができる。なお、左右一対のローラ35,36,39は、背骨の左右両側に沿って移動する。
【0045】
また、叩き、もみ選択スイッチ67eを操作すると、偏心ローラ駆動モータ40の回転速度が高低変化し、高速回転時には偏心ローラ39が早く円運動して背中を叩くようになり、低速回転時には偏心ローラ39がゆっくり円運動して背中をもむようになる。
【0046】
更に、お好みコースでは、背すじローラスイッチ67fを操作することにより、ローラ式マッサージ機構25を上下に往復移動させて背中全体をマッサージする場合と、好みの範囲で往復移動させたり、好みの位置に止めてマッサージすることのいずれかを選択することができる。このとき、上下調節スイッチ67g,67hを操作すると、ローラ式マッサージ機構25の往復移動範囲を変えたり、止める位置を調節することができるようになっている。
【0047】
また、お好みコースの脚スイングスイッチ67iを操作すると、揺動式マッサージ機構43を所望時間動作させることができる。全身コース、お好みコースで脚スイングを選択した場合、速さ調節スイッチ67j,67kを操作すると、移動体用駆動モータ48の回転速度を変えて揺動部材44の往復移動速度を変えることができるようになっている。
【0048】
上記リモコン67の各種スイッチ67a〜67kの操作信号および前記検出スイッチ65の検出信号は図16に示す制御手段としての制御回路68に入力される。制御回路68は、マイクロコンピュータを主体として構成され、上記した入力信号に基づいてローラ式マッサージ機構25の上下移動用の駆動モータ28および偏心ローラ用駆動モータ40、移動体用駆動モータ48を駆動回路69を介して制御する。
【0049】
次に上記構成の作用を説明する。
まず、全身をマッサージ(全身施療)するには、枕61を背もたれ部6に取り付け、足載せ部4および背もたれ部6を図3〜図5に示すように、ほぼフラットにする。そして、背もたれ部6のコ字形凸部分6aの平坦部60に腰をおろし、平坦部60の上で体を回転させて背もたれ部6側を背にするようにする。この状態で、図2に示すように、あお向けに寝て頭部を枕61の上に載せると共に、両足の足首辺りを揺動部材44の凹部56に載せる。これにより使用者の臀部の辺りは背もたれ部6のコ字形凸部分6aの平坦部60に受けられると共に、背中は背もたれ部6に受けられおり、下半身は揺動部材44に足首部分を受けられて宙に浮いた状態になっている。
【0050】
さて、リモコン67により全身コースを選択すると、ローラ式マッサージ機構25および揺動式マッサージ機構43がマッサージ動作を行う。まず、ローラ式マッサージ機構25の作用を述べるに、全身コースがスタートすると、上下移動用モータ28および偏心ローラ駆動モータ40が通電される。そして、モータ28の正逆回転により移動基枠24が上下方向に往復移動する。
【0051】
この移動基枠24の往復移動により、上下両側のローラ35,36が背もたれ部6の表地24を介して背骨の左右両側に当たって回転しながら移動するようになる。これにより、肩から背中全体のマッサージが行われる。このとき、偏心軸44がモータ40により回転されるので、中央の偏心ローラ39が肩や背中に間欠的に当たり、これにより同時に叩き或いはもみなどのマッサージが行われる。
【0052】
ところで、上述のように移動基枠24が移動する際、ローラ支持台30が揺動軸31に揺動自在に枢支されていること、このローラ支持台30には揺動軸31を挟んでその前後両側に位置してローラ35,36が設けられていることにより、両ローラ35,36はローラ支持台30の揺動を伴って背中の凹凸に倣うように移動してゆくようになる。このため、両ローラ35,36は常に背中に接してマッサージ作用を及ぼしながら移動するようになる。
【0053】
このように常に背中に接して移動する上下のローラ35,36に対し、その中間に位置する偏心ローラ39がそれらローラ35,36の外周面のうち、背もたれ部6の表面側の外周面に共通に接する線L(図11参照)に対して出没するので、偏心ローラ39が回転しながら背中に間欠的に当たるようになり、叩きによる良好なマッサージ効果を得ることができるのである。
【0054】
そして、この左右一対の偏心ローラ39の交互のマッサージ作用により、上半身が左右にねじられるように揺すられるので、上半身がねじりによるマッサージ作用を受ける。しかも、このように左右一対の偏心ローラ39が交互に背中に当たることによりマッサージ効果を得るものでありながら、その叩き或いはもまれる部位の上下両側の部位がローラ35,36によって支えられているので、体が偏心ローラ39の回転運動に伴って頭部までもが揺すられるほど大きく左右に揺れることはなく、例え揺れたとしてもその揺れは少ないので、不快感を覚えることも少なくなる。
【0055】
また、このように上下のローラ35,36により上半身の重量を受けた状態で、中間の偏心ローラ39によって上半身を叩くようにするので、偏心ローラ39には上半身の重量が直接作用することがなくなる。このため、モータ40は大きな抵抗を受けることなく、偏心ローラ39を円滑に回転させることができ、偏心ローラ39による間欠的な叩きマッサージ作用を効果的に与えることができる。
【0056】
また、ローラ式支持台30は、ねじりコイルばね38により矢印A方向に回動付勢されているので、上側のローラ42が肩をマッサージするような位置にきたとき、ローラ支持台30はねじりコイルばね38の弾発力により矢印A方向に揺動してローラ42を首の付け根部分に当たるようになる、このため、偏心ローラ39が肩部に当たって該偏心ローラ39による肩叩き或いは肩揉みを良好に行うことができる。このようにして上半身がローラ式マッサージ機構20によりマッサージされる(上半身施療)。
【0057】
一方、揺動式マッサージ機構43においては、全身コースによるマッサージが開始されると、モータ48が起動して、揺動部材44が左右に往復移動する。揺動部材44が左右方向に往復移動すると、座部4に支えられている腰部分を中心にして下半身が左右に揺動運動(いわゆる金魚運動)すると共に、左右の各足F1,F2は図13に実線、二点鎖線および破線で示すように足の付け根を中心にしてひねられるようになる。このため、腰部分にもひねり運動が与えられ、伸張するようになる。
【0058】
このとき、制御回路68は、ローラ式マッサージ機構25の一対の偏心ローラ39のうち、左側の偏心ローラ39が背もたれ部6の表面側に突出するように回転すると、足受け部65は左方に移動し、右側の偏心ローラ39が背もたれ部6の表面側に突出するように回転すると、足受け部65は右方に移動するように制御する。
【0059】
このように偏心ローラ39と足受け部65の動きを関連付けることにより、上半身が右側にひねられるようになると、下半身が左側にひねられ、逆に、上半身が左側にひねられるようになると、下半身が右側にひねられるようになる。このため、上半身と下半身のひねり方向が逆となり、全身からみれば大きくひねられることとなって身体が伸張され、より効果的なマッサージを受けることができるようになる。
【0060】
以上にようなことから、下半身全体は、横揺れ、ひねりなどの運動を、左右に方向を変えて繰り返すので、これにより下半身の筋肉が揉まれ、ほぐされたりし、血行が良くなる。下半身は、このようなマッサージ作用を受けるものであり、そのマッサージの強さは振動式マッサージのような微弱なものではないから、下半身のマッサージにとって程良い強さのものとなる。
なお、全身のマッサージを受ける場合、足載せ部4をほぼ水平にセットすれば、背もたれ部6の角度は必ずしもほぼ水平にセットする必要はなく、図6に示すように背もたれ部6を起こした状態にしておいても良い。
【0061】
ところで、下半身をもみ或いは叩きによりマッサージしたい場合がある。この場合には、枕61を揺動部材44の平坦部61に取り付けると共に、足載せ部4および背もたれ部6をほぼフラットにする。そして、前述したと同様にして、背もたれ部6のコ字形凸部分6aの平坦部60に腰をおろし、平坦部60の上で体を回転させて下半身が背もたれ部6側となるようにする。この状態で、図1に示すように、あお向けに寝て頭部を枕61の上に載せると共に、下半身を背もたれ部6に載せる。すると、検出スイッチ65がオン動作し、頭が平坦部57上の枕61に載せられたことを検出する。
【0062】
この状態で、下半身コースを選択するスイッチ67cを操作すると、ローラ式マッサージ機構25が前述したと同様の動作を行う。このとき、誤って脚スイングコースを選択するスイッチ67iを操作しても、検出スイッチ65がオン動作しているので、制御回路64は揺動式マッサージ機構43の移動体用駆動モータ47に通電することはなく、従って、頭を載せている揺動部材44が不意に左右方向に移動するという不具合を防止することができる。
【0063】
さて、ローラ式マッサージ機構25がマッサージ動作を行うと、前述のように、移動基枠24が上下方向に往復移動し、これにより、ローラ35,36,39が下半身(両足)に沿って移動することにより、大腿部やふくらはぎが揉み、叩きなどのマッサージ作用を受ける。このとき、背もたれ部6の左右方向の中央部分の平らな部分は窪んでいるので、下半身がローラ35,36,39の移動軌跡から外れることが防止され、下半身を良好にマッサージできるのである。また、各一対のローラ35,36,39の左右方向間隔は上方に行くほど狭くなっているので、ローラ35,36,39は互いに違った軌跡を辿るようになり、幅の広い範囲をマッサージできる。
【0064】
このローラ式マッサージ機構20による下半身のマッサージ時において、座部3および背もたれ部6のの左右方向の中央部分は窪んでいるので、下半身、特にマッサージを受ける両足がローラ35,36,39の軌跡からずれることがなくなり、良好なるマッサージを受けることができる。このことは、上半身を足載せ部4と座部3とに載せ、下半身を背もたれ部6に載せてマッサージを受ける下半身施療時だけでなく、下半身を足載せ部4と座部3とに載せ、上半身を背もたれ部6に載せてローラ式マッサージ機構20によりマッサージを受ける上半身施療時にも同様にいい得ることである。
【0065】
しかも、ローラ式マッサージ機構20により下半身をマッサージする下半身施療時において、頭部を足載せ部4の揺動部材44に載せるようにしたので、頭部が胴体に対して適度な高さに支えられるようになり、楽な姿勢を保つことができる。このとき、枕61を揺動部材44に取り付けることができるので、通常、足を載せる揺動部材44に頭部を載せるという不潔感を和らげることができる。
【0066】
そして、下半身施療時に、枕61或いは頭部が揺動部材44に載せられると、揺動式マッサージ機構43の駆動モータ48が通電されることのないようになされるので、揺動部材44が揺動し、この結果、頭部が左右に揺り動かされるという危険性をなくすことができる。
【0067】
図17は本発明の他の実施例を示すもので、上記一実施例との相違は、枕を背もたれカバーに設けたところにある。
すなわち、背もたれカバー70は、毛布状のもので、ローラ式マッサージ機構20で背中をマッサージする際、そのままでは痛く感じることがあるので、このような場合に、背もたれカバー70を背もたれ部6に敷いて装着する。この背もたれカバー70の長手方向の一端側中央に枕61が取り付けられている。
【0068】
背もたれカバー70の背もたれ部6への装着は、背もたれ部6の上端部に取り付けられた面状ファスナ63に背もたれカバー70に取り付けられた面状ファスナ71を係着することによって行う。
このような背もたれカバー70は、背もたれ部6から取り外して足載せ部4および座部3に装着することもできる。このとき装着も、同様に、足載せ部4の面状ファスナ64に背もたれカバー70の面状ファスナ71を係着することによって行う。
【0069】
このように枕61を背もたれカバー70に設けることにより、特に、ローラ式マッサージ機構19で下半身のマッサージを行う場合、座部3と足載せ部4を背もたれカバー70で覆うことができるので、通常、足を載せる足載せ部4に頭を載せることの不潔感を和らげることができる。
【0070】
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるものではなく、以下のような変更或いは拡張が可能である。
本体1をほぼフラットにしたときの足載せ部4および背もたれ部6の角度は前記一実施例に示した角度に限らず、人が下半身施療を受けるとき、窮屈にならない程度の角度であれば良い。
【0071】
枕61を揺動部材44に載せたことを検出する検出手段としては、例えば枕61に永久磁石を設ける一方、揺動部材44側に磁気検出素子を設け、枕61が揺動部材44上に載せられたとき、磁気検出素子が枕61の永久磁石の磁気を検出することによって移動体用駆動モータ48に通電しないように構成しても良い。
【0072】
揺動部材44の平坦部60には、枕61を載せることなく頭部を載せるようにしても良い。このとき、検出スイッチ65は頭部の重さにより下方に移動するスライド板66によって動作することとなる。
揺動部材44には、平坦部60に代えて、頭部を受けるための凹部を形成しても良い。
揺動部材65により受ける足の部位は膝から下の部位であれば、足首部分に限られない。
足載せ部5の角度は無段階に調節できるように構成しても良い。
座部4と足載せ部5とは一体のシート部により構成し、座部相当部分と足載せ部相当部分との間で折れ曲らないようなものであっても良い。
【0073】
背もたれ部6に設けられる施療手段としては、ローラ式マッサージ機構20に限られない。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば次のような効果を得ることができる。請求項1記載の発明では、本体を、ほぼフラットにできるように構成したので、下半身を座部および足載せ部に載せると共に、上半身を背もたれ部に載せて施療手段によりマッサージする上半身施療の他に、上半身を座部および足載せ部に載せると共に、下半身を背もたれ部に載せて施療手段によりマッサージする下半身施療をも行うことができ、また、足側施療手段に、左右の足を受けるための凹部と、それら両凹部間に頭を受けるための平坦部とを設けたので、足や頭を安定的に保持でき、また、足載せ部に枕或いは頭が載せられたことを検出して足側施療手段のマッサージ動作を禁止するので、下半身施療のとき、頭を載せた足載せ部の施療手段がマッサージ動作するという不具合を防止できる。
【0075】
請求項2記載の発明によれば、枕を背もたれ部と足載せ部のいずれにも装着可能であるから、上半身施療、下半身施療のいずれの場合でも、枕によって頭を適度な高さに保持できると共に、特に下半身施療のとき、通常、足が載せられる部位に頭を載せるという不潔感を解消することができる。請求項3記載の発明では、背もたれ部に装着できると共に、足載せ部および座部にも装着できる背もたれカバーに枕を、設けたので、背もたれカバーによりマッサージ力を調節できる。請求項4記載の発明によれば、本体の長手方向中央部の左右両側に張出部が設けられているので、その張出部に肘を載せて楽な姿勢でマッサージを受けることができる。請求項5記載の発明によれば、座部および背もたれ部の左右方向の中央部分が窪んでいるので、上半身施療の場合でも、下半身施療の場合でも、体を、施療手段からずれないように保持することができる。
【0077】
求項記載の発明では、複数組のローラと1組の偏心ローラとにより、幅広い範囲をマッサージできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を下半身施療の状態で示す縦断側面図
【図2】全身施療の状態で示す縦断側面図
【図3】本体をほぼフラットにした状態で示す平面図
【図4】同側面図
【図5】同斜視図
【図6】椅子の状態にして示す本体の側面図
【図7】同斜視図
【図8】本体の分解斜視図
【図9】背フレームの平面図
【図10】ローラ式マッサージ機構を部分的に破断して示す平面図
【図11】ローラ式マッサージ機構の縦断面図
【図12】足側のマッサージ機構の縦断側面図
【図13】縦断正面図
【図14】揺動部材を部分的に破断して示す側面図
【図15】リモコンの平面図
【図16】電気回路構成を示すブロック図
【図17】本発明の他の実施例を示す斜視図
【符号の説明】
図中、1は本体、3は座部、4は足載せ部、6は背もたれ部、20はローラ式マッサージ機構(背側の施療手段)、35,36はローラ、39は偏心ローラ、43は揺動式マッサージ機構(足側の施療手段)、44は揺動部材(受け部材)、57は揺動部材の平坦部、58,59は張出部、60は本体の平坦部、61は枕、65は検出スイッチ(検出手段)、70は背もたれカバーである。

Claims (6)

  1. 長手方向に沿って足載せ部、座部および背もたれ部を順に備えた本体と、
    前記本体のうち前記背もたれ部に設けられたローラ式マッサージ機構からなる背側の施療手段と、
    前記足載せ部に設けられた揺動式マッサージ機構からなる足側施療手段とを具備し、
    前記本体を、ほぼフラットにできるように構成し、
    前記本体をほぼフラットにしたとき、下半身を前記座部および足載せ部に載せると共に、上半身を前記背もたれ部に載せて前記背側の施療手段によりマッサージする上半身施療の他に、上半身を前記座部および足載せ部に載せると共に、下半身を背もたれ部に載せて前記背側の施療手段によりマッサージする下半身施療を可能にしたマッサージ装置であって、
    使用者の頭部またはこの頭部が載せられる枕が前記足載せ部に載せられたことを検出する検出手段と、
    この検出手段の検出動作に基づいて前記足側施療手段のマッサージ動作を禁止する制御手段とを設け、
    前記足側施療手段は、左右の足を受けるための凹部と、それらの両凹部間に頭を受けるための変形可能な平坦部または凹部とを有し、
    前記検出手段は、前記平坦部または凹部に前記枕または頭部が載せられた際、前記枕の重量または頭の重量によって前記平坦部または凹部が下方に変形することを検出することにより前記枕または頭部が足載せ部に載せられたことを検出するように構成されていることを特徴とするマッサージ装置。
  2. 前記枕は背もたれ部と足載せ部のいずれにも装着可能であることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
  3. 枕は背もたれカバーに設けられ、その背もたれカバーは、背もたれ部に装着できると共に、足載せ部および座部にも装着可能である請求項2に記載のマッサージ装置。
  4. 本体の長手方向中央部分の左右両側に、手掛用の張出部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のマッサージ装置。
  5. 座部および背もたれ部の左右方向の中央部分は、窪んでいることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のマッサージ装置。
  6. 背もたれ部の施療手段は、背もたれ部の長手方向に移動可能な往復移動部材に、左右方向に対向する一対の複数組設けると共に、同じく左右方向に対向する一対の偏心ローラを1組設けてなり、前記偏心ローラは往復移動方向に間隔を存して配置された複数組のローラ間に配置されていると共に、それら各一対のローラの左右方向の対向間隔は、前記背もたれ部の先端側のものほど短く設定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のマッサージ装置。
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