JP3921045B2 - 撮像装置、光蓄電装置及び充電方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置、光蓄電装置及び充電方法に関する。特に本発明は、光を電気エネルギーに変換し蓄電する撮像装置、光蓄電装置及び充電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、二次電池やコンデンサ等の蓄電部に電気エネルギーを蓄える手段の一つとして、光電変換素子を利用して光を電気エネルギーに変換し、得られた電気エネルギーを用いて蓄電部を充電するという方法が知られている。この方法は、屋外など電力供給施設のない場所でも太陽光などを利用して充電が行えることから、多くの携帯機器に利用されている。また、この方法は、有害な物質を生成しないクリーンなエネルギー供給手段であるので、家庭用又は工業用等の大小様々な規模の光蓄電装置にも利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光電変換素子に太陽等の光がいつ、どれだけの強度で、どれだけの時間継続して当たるかは、通常、偶発的な事象となっている。例えば、携帯機器に備えられている光電変換素子への光の照射、非照射が繰り返されることがある。このような場合、蓄電部の充放電も短いサイクルで繰り返され、その結果、蓄電部の劣化が進行するという問題があった。
【0004】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる撮像装置、光蓄電装置及び充電方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、光を電気エネルギーに変換する光電変換部と、電気エネルギーを蓄えることができる蓄電部と、被写体の反射光の光量を検知できる光検知部と、光検知部の出力が設定値を超えた場合に、光電変換部が変換した電気エネルギーを蓄電部に充電する制御部とを備える。
【0006】
制御部は、予め設定された時間を越えて光検知部の出力が設定値を超えた場合に、蓄電部へ充電を開始させてもよい。制御部は、蓄電部の残容量が予め定められている下限値以下となっていることを条件として、蓄電部へ充電を開始させてもよい。時刻を出力するタイマをさらに備え、制御部は、タイマが出力する時刻が予め設定された時間帯の中にあることを条件として、蓄電部へ充電を開始させてもよい。
【0007】
光検知部は、撮像装置が露出を算出するために光量を測定する測光センサであってもよい。光検知部は、被写体から反射するストロボ光を測定する調光センサであってもよい。調光センサは、制御部に信号を出力するときは、ストロボ撮影時と異なる感度を有してもよい。光検知部は、撮像装置が画像を撮像するために用いられる撮像素子であってもよい。光検知部は、予め設定された時間間隔で光量を測定してもよい。光検知部は、撮像素子の一部において光量を測定してもよい。
【0008】
本発明の他の形態によると、光を電気エネルギーに変換する光電変換部と、光電変換部の近傍で光量を検知する光検知部と、電気エネルギーを蓄えることができる蓄電部と、光検知部の出力が設定値を超えた場合に、光電変換部が変換した電気エネルギーを蓄電部に充電する制御部とを備える。
【0009】
本発明の他の形態によると、光を電気エネルギーに変換する光電変換部と、電気エネルギーを蓄えることのできる蓄電部とを備え、光電変換部が変換した電気エネルギーを用いて蓄電部を充電する充電方法であって、光量を検出し、予め設定された時間を超えて、光量が設定値を超えた場合に、光電変換部が変換した電気エネルギーを蓄電部に充電させる。
【0010】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
(実施形態)
はじめに、本発明の一実施形態に係る撮像装置について説明する。本実施形態に係る撮像装置はデジタルカメラ10である。
【0013】
図1は、本実施形態に係るデジタルカメラ10の機能の概要を示す機能構成図である。デジタルカメラ10は、光を電気エネルギーに変換する光電変換部122と、その光電変換部122により得られた電気エネルギーを用いて充電される蓄電部126とを備える。また、デジタルカメラ10は、蓄電部126への充電を制御する制御部60を備える。さらに、デジタルカメラ10は、光電変換部122の近傍で光を検知してその検知結果を制御部60に対し出力する光検知部37と、時刻を制御部60に対し出力するタイマ86とを備える。制御部60は、光検知部37の出力から光電変換部122へ照射されている光量を推定する。また、制御部60は、タイマ86の出力を参照することにより、光電変換部122へ照射される光量の時間的変化を監視する。そして、制御部60は、光検知部37の出力が一定時間以上、継続して所定の設定値を超えた場合に、蓄電部126を充電するのに十分に強い光が光電変換部122に安定に照射していると判断して、蓄電部126の充電を開始する。
【0014】
図2は、デジタルカメラ10の詳細な構成図である。デジタルカメラ10は、主に撮像ユニット20、撮像制御ユニット40、処理ユニット60、表示ユニット100、操作ユニット110、及び電源ユニット120を含む。
【0015】
撮像ユニット20は、撮影および結像に関する機構部材および電気部材を含む。撮像ユニット20はまず、映像を取り込んで処理を施す撮影レンズ22、絞り24、シャッタ26、光学LPF(ローパスフィルタ)28、固体撮像素子の一例であるCMOS30、撮像信号処理部32、及びストロボ36を含む。撮影レンズ22は、フォーカスレンズやズームレンズ等からなる。この構成により、被写体像がCMOS30の受光面上に結像する。結像した被写体像の光量に応じ、CMOS30の各センサエレメント(図示せず)に電荷が蓄積される(以下その電荷を「蓄積電荷」という)。蓄積電荷は、シフトレジスタによって電圧信号として順次読み出される。
【0016】
デジタルカメラ10は一般に電子シャッタ機能を有するので、シャッタ26のような機械式シャッタは必須ではない。電子シャッタ機能を実現するために、CMOS30にシャッタゲートを介してシャッタドレインが設けられる。シャッタゲートを駆動すると蓄積電荷がシャッタドレインに掃き出される。シャッタゲートの制御により、各センサエレメントに電荷を蓄積するための時間、すなわちシャッタ速度が制御できる。
【0017】
CMOS30から出力される電圧信号、すなわちアナログ信号は撮像信号処理部32でR、G、B成分に色分解され、まずホワイトバランスが調整される。つづいて撮像信号処理部32はガンマ補正を行い、必要なタイミングでR、G、B信号を順次A/D変換し、その結果得られたデジタルの画像データ(以下単に「デジタル画像データ」とよぶ)を処理ユニット60へ出力する。
【0018】
撮像ユニット20は、ファインダ34とストロボ36を有する。ファインダ34には図示しないLCDを内装してもよく、その場合、後述のメインCPU62等からの各種情報をファインダ34内に表示できる。ストロボ36は、コンデンサ(図示せず)に蓄えられた電気エネルギーが放電管36aに供給されたときそれが発光することで機能する。調光センサ37は、被写体の反射光の光量を測定して、より詳細には、被写体から反射するストロボ光を測定して、調光センサ37でメインCPU62に出力する。メインCPU62は、被写体の反射光の光量に基づき適切なストロボ光量を設定する。本実施形態では、この調光センサ37を前述した光検知部37として利用する。また、増幅器38が、調光センサ37が出力する光検知信号を増幅してから、メインCPU62に出力してもよい。
【0019】
撮像制御ユニット40は、レンズ駆動部42、フォーカス駆動部44、絞り駆動部46、シャッタ駆動部48、それらを制御する撮像系CPU50、測距センサ52、および測光センサ54をもつ。レンズ駆動部42などの駆動部は、それぞれステッピングモータ等の駆動手段を有する。後述のレリーズスイッチ114の押下に応じ、測距センサ52は被写体までの距離を測定し、測光センサ54は被写体輝度を測定する。測定された距離のデータ(以下単に「測距データ」という)および被写体輝度のデータ(以下単に「測光データ」という)は撮像系CPU50へ送られる。撮像系CPU50は、ユーザーから指示されたズーム倍率等の撮影情報に基づき、レンズ駆動部42とフォーカス駆動部44を制御して撮影レンズ22のズーム倍率とピントの調整を行う。また撮像系CPU50は、画像を撮像するために、レンズ駆動部42を制御して撮影レンズ22の位置を移動させる。さらに、撮像系CPU50は、測光データに基づいて露出の決定を行う。
【0020】
なお、撮像系CPU50は、1画像フレームのRGBのデジタル信号積算値、すなわちAE情報に基づいて絞り値とシャッタ速度を決定することであってもよい。決定された値にしたがい、絞り駆動部46とシャッタ駆動部48がそれぞれ絞り量の調整とシャッタ26の開閉を行う。
【0021】
ユーザーが映像の取込を指示したとき、CMOS30が電荷蓄積を開始し、測光データから計算されたシャッタ時間の経過後、蓄積電荷が撮像信号処理部32へ出力される。
【0022】
処理ユニット60は、図1で説明した制御部60を実現するユニットである。処理ユニット60は、デジタルカメラ10全体、とくに処理ユニット60自身を制御するメインCPU62と、これによって制御されるメモリ制御部64、YC処理部70、オプション装置制御部74、圧縮伸張処理部78、通信I/F部80、充電スイッチ124を有する。メインCPU62は、シリアル通信などにより、撮像系CPU50との間で必要な情報をやりとりする。メインCPU62の動作クロックは、クロック発生器88から与えられる。クロック発生器88は、撮像系CPU50、表示ユニット100に対してもそれぞれ異なる周波数のクロックを提供する。充電スイッチ124は、光電変換部122と蓄電部126の間に介在するスイッチである。充電スイッチ124は、メインCPU62からの制御信号に従って回路のスイッチングを行い、これにより、蓄電部126の充電/非充電の切り替えを達成する。
【0023】
メインCPU62には、キャラクタ生成部84とタイマ86が併設されている。タイマ86は電池でバックアップされ、つねに日時をカウントしている。このカウント値から撮影日時に関する情報、その他の時刻情報がメインCPU62に与えられる。キャラクタ生成部84は、撮影日時、タイトル等の文字情報を発生し、この文字情報が適宜撮影画像に合成される。
【0024】
メモリ制御部64は、不揮発性メモリ66とメインメモリ68を制御する。不揮発性メモリ66は、EEPROM(電気的消去およびプログラム可能なROM)やFLASHメモリなどで構成され、ユーザーによる設定情報や出荷時の調整値など、デジタルカメラ10の電源がオフの間も保持すべきデータが格納されている。不揮発性メモリ66には、場合によりメインCPU62のブートプログラムやシステムプログラムなどが格納されてもよい。一方、メインメモリ68は一般にDRAMのように比較的安価で容量の大きなメモリで構成される。メインメモリ68は、撮像ユニット20から出力されたデータを格納するフレームメモリとしての機能、各種プログラムをロードするシステムメモリとしての機能、その他ワークエリアとしての機能をもつ。不揮発性メモリ66とメインメモリ68は、処理ユニット60内外の各部とメインバス82を介してデータのやりとりを行う。
【0025】
YC処理部70は、デジタル画像データにYC変換を施し、輝度信号Yと色差(クロマ)信号B−Y、R−Yを生成する。輝度信号と色差信号はメモリ制御部64によってメインメモリ68に一旦格納される。圧縮伸張処理部78はメインメモリ68から順次輝度信号と色差信号を読み出して圧縮する。こうして圧縮されたデータ(以下単に「圧縮データ」という)は、オプション装置制御部74を介してオプション装置76の一種であるメモリカードへ書き込まれる。
【0026】
処理ユニット60はさらにエンコーダ72をもつ。エンコーダ72は輝度信号と色差信号を入力し、これらをビデオ信号(NTSCやPAL信号)に変換してビデオ出力端子90から出力する。オプション装置76に記録されたデータからビデオ信号を生成する場合、そのデータはまずオプション装置制御部74を介して圧縮伸張処理部78へ与えられる。つづいて、圧縮伸張処理部78で必要な伸張処理が施されたデータはエンコーダ72によってビデオ信号へ変換される。
【0027】
オプション装置制御部74は、オプション装置76に認められる信号仕様およびメインバス82のバス仕様にしたがい、メインバス82とオプション装置76の間で必要な信号の生成、論理変換、または電圧変換などを行う。デジタルカメラ10は、オプション装置76として前述のメモリカードのほかに、例えばPCMCIA準拠の標準的なI/Oカードをサポートしてもよい。その場合、オプション装置制御部74は、PCMCIA用バス制御LSIなどで構成してもよい。
【0028】
通信I/F部80は、デジタルカメラ10がサポートする通信仕様、たとえばUSB、RS−232C、イーサネット、Bluetooth、IrDAなどの仕様に応じたプロトコル変換等の制御を行う。通信I/F部80は、必要に応じてドライバICを含み、ネットワークを含む外部機器とコネクタ92を介して通信する。そうした標準的な仕様のほかに、例えばプリンタ、カラオケ機、ゲーム機等の外部機器との間で独自のI/Fによるデータ授受を行う構成としてもよい。
【0029】
表示ユニット100は、LCDモニタ102とLCDパネル104を有する。それらはLCDドライバであるモニタドライバ106、パネルドライバ108によってそれぞれ制御される。LCDモニタ102は、例えば2インチ程度の大きさでカメラ背面に設けられ、現在の撮影や再生のモード、撮影や再生のズーム倍率、電池残量、日時、モード設定のための画面、被写体画像などを表示する。LCDパネル104は例えば小さな白黒LCDでカメラ上面に設けられ、画質(FINE/NORMAL/BASICなど)、ストロボ発光/発光禁止、標準撮影可能枚数、画素数、電池容量などの情報を簡易的に表示する。
【0030】
操作ユニット110は、ユーザーがデジタルカメラ10の動作やそのモードなどを設定または指示するために必要な機構および電気部材を含む。パワースイッチ112は、デジタルカメラ10の電源のオンオフを決める。レリーズスイッチ114は、半押しと全押しの二段階押し込み構造になっている。一例として、半押しでAFおよびAEがロックし、全押しで撮影画像の取込が行われ、必要な信号処理、データ圧縮等の後、メインメモリ68、オプション装置76等に記録される。操作ユニット110はこれらのスイッチの他、回転式のモードダイヤルや十字キーなどによる設定を受け付けてもよく、それらは図1において機能設定部116と総称されている。操作ユニット110で指定できる動作または機能の例として、「ファイルフォーマット」、「特殊効果」、「印画」、「決定/保存」、「表示切換」等がある。ズームスイッチ118は、ズーム倍率を決める。
【0031】
電源ユニット120は、光電変換部122と蓄電部126とを含む。本実施形態では、光電変換部122として太陽電池を用いている。本実施形態において、光電変換部122は、光検知部37の近傍に配置される。ここで、近傍に配置されるとは、光電変換部122と光検知部37が、少なくとも同一の筐体上にそれぞれ配置されていることをいう。本実施形態の場合、光電変換部122と光検知部37とは、好ましくは、デジタルカメラ10の筐体における隣り合う面、例えば、前面と天面にそれぞれ配置される。より好ましくは、光電変換部122と光検知部37とは、デジタルカメラ10の筐体における同一の面、例えば前面または天面に共に配置される。なお、前面とは、撮影時に被写体側を向く面をいう。
【0032】
一方、本実施形態では、蓄電部126としてニッカド蓄電池を用いている。蓄電部126は、放出可能な電力の残量(以下、「残容量という」を検出できるようにメインCPU62と接続されている。なお、蓄電部126としては、ニッケル水素蓄電池、または、リチウムイオン蓄電池を用いてもよい。また、蓄電部126としてコンデンサ等を用いてもよい。
【0033】
以上の構成による主な動作は以下のとおりである。まずデジタルカメラ10のパワースイッチ112がオンされ、カメラ各部に電力が供給される。メインCPU62は、機能設定部116の状態を読み込むことで、デジタルカメラ10が撮影モードにあるか再生モードにあるかを判断する。
【0034】
カメラが撮影モードにあるとき、メインCPU62はレリーズスイッチ114の半押し状態を監視する。半押し状態が検出されたとき、メインCPU62は測光センサ54および測距センサ52からそれぞれ測光データと測距データを得る。得られたデータに基づいて撮像制御ユニット40が動作し、撮影レンズ22のピント、絞りなどの調整が行われる。調整が完了すると、LCDモニタ102に「スタンバイ」などの文字を表示してユーザーにその旨を伝え、つづいてレリーズスイッチ114の全押し状態を監視する。レリーズスイッチ114が全押しされると、所定のシャッタ時間をおいてシャッタ26が閉じられ、CMOS30の蓄積電荷が撮像信号処理部32へ掃き出される。撮像信号処理部32による処理の結果生成されたデジタル画像データはメインバス82へ出力される。デジタル画像データは一旦メインメモリ68へ格納され、この後YC処理部70と圧縮伸張処理部78で処理を受け、オプション装置制御部74を経由してオプション装置76へ記録される。記録された画像は、フリーズされた状態でしばらくLCDモニタ102に表示され、ユーザーは撮影画像を知ることができる。以上で一連の撮影動作が完了する。
【0035】
デジタルカメラ10が再生モードの場合、メインCPU62は、メモリ制御部64を介してメインメモリ68から最後に撮影した画像を読み出し、これを表示ユニット100のLCDモニタ102へ表示する。この状態でユーザーが機能設定部116にて「順送り」、「逆送り」を指示すると、現在表示している画像の前後に撮影された画像が読み出され、LCDモニタ102へ表示される。
【0036】
一方、パワースイッチ112をオフにすると、電源ユニット120による蓄電処理が開始される。
【0037】
図3は、デジタルカメラ10における充電処理のフローチャートである。ユーザーがパワースイッチ112をオフにすると蓄電処理が開始される(S100)。すなわち、制御部60は、蓄電部126の残容量を取得し(S102)、残容量が予め定められている下限値以下か否かを判断する(S104)。ここで、予め定められている下限値とは、再充電を行ってもメモリ効果が生じない程度に蓄電部126が十分に放電を行った後の残容量である。制御部60は、S102及びS104の処理を、取得した蓄電部126の残容量が下限値以下になるまで繰り返し、取得した残容量が下限値以下になると、S106の処理へ移行する。
【0038】
S106では、制御部60はタイマ86から現在の時刻を取得する。次に、制御部60は、取得した時刻が予め設定された時間帯の中にあるか否かを判断する(S108)。予め設定された時間帯とは、例えば、その間に太陽光を利用して充電を開始すれば、日没までに蓄電部126を所定の容量まで充電できる時間帯をいう。所定の容量とは、蓄電部126の最大容量でもよく、また、デジタルカメラ10を用いて1回以上の通常の撮影を行うために必要とされる電力に対応した容量でもよい。あるいは、デジタルカメラ10を用いて1回以上のストロボ撮影を行うために必要とされる電力に対応した容量でもよい。また、予め設定された時間帯とは、その間に太陽光を利用して充電を開始すれば、日中の日差しの強い時間、例えば午後0時を含む時間に継続して充電が行える時間帯であってもよい。予め設定された時間帯は、少なくともその日の日の出時刻以降の時刻から、その日の日没時刻までの間に設定される。このように時間帯を設定すると、夜間、人工的な光が一時的に光検知部37に照射されたために充電が開始されてしまうということを防止できる。
【0039】
制御部60は、S106及びS108の処理を取得した現在の時刻が予め設定された時間帯に含まれるまで継続し、取得した現在の時刻が予め設定された時間帯に含まれる場合には、S112の処理へ移行する。
【0040】
S112では、制御部60は、調光センサ37の感度を変更する。これは、本実施形態では、調光センサ37を図1で説明した光検知部37として、すなわち、光電変換部122に照射している光の強度を推定するために用いるので、この用途に適した値に調光センサ37の感度を調整するためである。なお、制御部60は、例えば、調光センサ37の感度を増幅器38の増幅率を変化させることにより変更する。
【0041】
次に、S114において、制御部60は、光検知部37から検出した光量の入力を受ける。制御部60は、入力された光量が設定値を超えており(S116)、かつ、その状態が予め設定された時間以上継続した場合に(S118)、蓄電部126を充電するのに十分な強度の光が光電変換部122に安定して照射されていると判断し、充電スイッチ124を制御して、蓄電部126への充電を開始する(S120)。
【0042】
以上述べたように、本実施形態の撮像装置によれば、撮像装置を放置しておくだけで、光電変換に必要な光が照射されているタイミングで充電を自動的に開始するので、撮影に十分な量を充電でき、充電不足により撮影できないという場面を減らすことができる。また、本実施形態では、十分に放電してから蓄電するので、メモリ効果のある二次電池を利用してもメモリ効果が現れにくいという効果がある。
【0043】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0044】
例えば、上記実施形態では光検知部37として調光センサ37を用いているが、光検知部37としては、撮像装置が露出を算出するために光量を測定する測光センサ54を用いてもよい。また、光検出部37は、光電変換部122が電気エネルギーに変換するのに光電変換効率の高い光を選択的に透過させるフィルタを有してもよい。フィルタを設けることにより、光電変換効率の高い波長の光の量をより正確に検出でき、また、光量測定の感度を調整することができる。
【0045】
さらに、光検知部37としては、デジタルカメラ10が画像を撮像する撮像素子を利用してもよい。この場合、撮像素子は、CCDであってもよく、CMOS等のX−Yアドレス型の撮像素子であってもよい。
【0046】
光検知部37として撮像素子を用いる場合には、光量の測定は、所定の時間間隔で行うことが好ましい。撮像素子を間欠的に動作させることにより、その消費電力を抑制するためである。さらに、光検知部37がX−Yアドレス型の撮像素子である場合には、撮像素子の一部の画素における蓄積電荷を読み出してもよい。このように撮像素子の一部において光量を測定すると撮像素子全体で光量を検出する場合よりも消費電力が小さくなるのでさらに好ましい。
【0047】
図4は、光検知部37としてCMOS30を用いた場合にデジタルカメラ10で行われる充電処理のフローチャートである。本図で示す充電処理は、一定の時間間隔で、CMOS30の一部において光量を測定するという処理が、図3で示した処理と異なる。図4におけるS200からS208までと、S216、S218、及びS220は、図3で説明したS100からS108までと、S116、S118、及びS120とおなじなので説明は省略する。S210では、制御部60は前回の測光から所定の時間が経過したか否かを判断する。制御部60は、前回の測光から所定の時間経過した後である場合に、S214の処理に移行し、所定の時間経過前であれば、前回の測光からの経過時間の監視を続ける。S214では、CMOS30の一部の画素における蓄積電荷を読み出すことで光量を測定し、制御部60に測定した光量を出力する。
【0048】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば蓄電部の劣化を抑えつつ、光を電気エネルギーに変換し充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るデジタルカメラ10の機能の概要を示す機能構成図である。
【図2】デジタルカメラ10の詳細な構成図である。
【図3】デジタルカメラ10における充電処理のフローチャートである。
【図4】光検知部37としてCMOS30を用いた場合にデジタルカメラ10で行われる充電処理のフローチャートである。
【符号の説明】
30 CMOS
37 光検知部
38 増幅器
54 測光センサ
60 制御部
62 メインCPU
86 タイマ
112 パワースイッチ
122 光電変換部
124 充電スイッチ
126 蓄電部
Claims (15)
- 光を電気エネルギーに変換する光電変換部と、
前記電気エネルギーを蓄えることができる蓄電部と、
被写体の反射光の光量を検知できる光検知部と、
時刻を出力するタイマと、
前記タイマが出力する時刻が予め設定された時間帯の中にあることを条件として、前記光検知部の出力が設定値を超えた場合に、前記光電変換部が変換した電気エネルギーの前記蓄電部への充電を開始させる制御部と
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 前記制御部は、予め設定された時間を越えて前記光検知部の出力が前記設定値を超えた場合に、前記蓄電部へ充電を開始させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記制御部は、さらに、前記蓄電部の残容量が予め定められている下限値以下となっていることを条件として、前記蓄電部へ充電を開始させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
- 前記光検知部は、当該撮像装置が露出を算出するために光量を測定する測光センサであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の撮像装置。
- 前記光検知部は、前記被写体から反射するストロボ光を測定する調光センサであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の撮像装置。
- 前記調光センサは、前記制御部に信号を出力するときは、ストロボ撮影時と異なる感度を有することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
- 前記光検知部は、当該撮像装置が画像を撮像するために用いられる撮像素子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の撮像装置。
- 前記光検知部は、予め設定された時間間隔で光量を測定することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の撮像装置。
- 前記光検知部は、前記撮像素子の一部において光量を測定することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
- 光を電気エネルギーに変換する光電変換部と、
前記光電変換部の近傍で光量を検知する光検知部と、
前記電気エネルギーを蓄えることができる蓄電部と、
時刻を出力するタイマと、
前記タイマが出力する時刻が予め設定された時間帯の中にあることを条件として、前記光検知部の出力が設定値を超えた場合に、前記光電変換部が変換した電気エネルギーの前記蓄電部への充電を開始させる制御部と
を備えることを特徴とする光蓄電装置。 - 前記制御部は、予め設定された時間を越えて前記光検知部の出力が前記設定値を超えた場合に、前記蓄電部へ充電を開始させることを特徴とする請求項10に記載の光蓄電装置。
- 前記制御部は、さらに、前記蓄電部の残容量が予め定められている下限値以下となって いることを条件として、前記蓄電部へ充電を開始させることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の光蓄電装置。
- 光を電気エネルギーに変換する光電変換部と、前記電気エネルギーを蓄えることのできる蓄電部とを備える光蓄電装置において、前記光電変換部が変換した電気エネルギーを用いて前記蓄電部を充電する充電方法であって、
現在の時刻を取得する段階と、
光量を検出する段階と、
前記時刻が予め設定された時間帯の中にあることを条件として、前記光量が設定値を超えた場合に、前記光電変換部が変換した電気エネルギーの前記蓄電部への充電を開始させる段階と
を備えることを特徴とする充電方法。 - 前記充電を開始させる段階は、予め設定された時間を越えて前記光量が前記設定値を超えた場合に、前記蓄電部へ充電を開始させることを特徴とする請求項13に記載の充電方法。
- 前記充電を開始させる段階は、さらに、前記蓄電部の残容量が予め定められている下限値以下となっていることを条件として、前記蓄電部へ充電を開始させることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の充電方法。
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