(本発明の基礎となった知見)
「背景技術」の欄に記載の技術に関し、近年、環境に対する関心の高まりによって、自然エネルギーを利用する発電システム、特に、太陽光発電システムが注目されている。本発明者は、このような発電システムに関し、以下の問題があることを見出した。
家庭用の一般的な太陽光発電システムは、ソーラーパネル(太陽電池パネル、太陽電池モジュールまたは太陽光発電パネルとも呼ばれる)、および、パワーコンディショナー(電力調整器またはパワコンとも呼ばれる)を備える。ソーラーパネルは、太陽光を利用して発電する。そして、ソーラーパネルの発電電力は、パワコンに供給される。パワコンには、家電などの負荷装置が接続されている。パワコンは、ソーラーパネルから供給された電力を負荷装置に供給する。
また、パワコンは、ソーラーパネルから供給された電力を家庭環境で利用可能な電力に変換する。例えば、パワコンは、ソーラーパネルから供給された電力を直流から交流へ変換する。これにより、パワコンは、家庭環境で利用可能な電力を供給することができる。また、パワコンは、ソーラーパネルから供給された電力で動作する。これにより、パワコンは、電力会社の電力系統から供給される電力によらずに動作する。また、パワコンは、ソーラーパネルから電力が供給される時に動作する。したがって、無駄な電力の消費が削減される。
ソーラーパネルの発電電力は、時間帯および天候に依存する。そのため、太陽光発電システムは、蓄電池を用いることが多い。例えば、ソーラーパネルの発電電力が負荷装置の需要電力を超えた場合、余剰電力は、蓄電池に供給され充電される。逆に、負荷装置の需要電力がソーラーパネルの発電電力を超えた場合、蓄電池に充電された電力が負荷装置に供給される。これにより、ソーラーパネルの発電電力が無駄になることが抑制される。
しかしながら、このような太陽光発電システムでも、他の状況において、ソーラーパネルの発電電力が無駄になる場合がある。具体的には、ソーラーパネルの発電電力が、小さく不安定な場合に、無駄になる場合がある。
例えば、曇りの日では、ソーラーパネルで得られる電力が不安定である。不安定な電力がパワコンに供給された場合、その不安定な電力でパワコンは動作する。この時、いわゆるチャタリング現象が生じる。すなわち、断続的に電力がソーラーパネルからパワコンに供給されることで、パワコンが起動と停止とを繰り返す。これにより、パワコンの劣化が進行する。また、騒音が発生する。
このようなチャタリング現象を回避するため、ソーラーパネルから十分な電力が得られると判定されるまで、パワコンは起動しないように制御される場合がある。この場合、ソーラーパネルから十分な電力が得られると判定された後に、パワコンが起動する。これにより、チャタリング現象の発生が抑制される。一方、ソーラーパネルから十分な電力が得られると判定されるまでの不安定な電力は、利用されずに捨てられる。したがって、それまでの電力が無駄になる。
このような問題を解決するために、本発明の一態様に係る電力制御装置は、自然エネルギーを利用して発電する発電装置の出力値を取得する第1の取得部と、前記発電装置から供給される直流電力の供給先を、当該直流電力を交流電力に変換する変換装置、および、前記発電装置から供給された前記直流電力を充電する蓄電装置のいずれか一方に切替える切替え部と、前記第1の取得部で取得された前記出力値が所定の閾値以上である場合は前記発電装置からの電力が前記変換装置へ供給されるように前記切替え部を制御し、前記出力値が前記所定の閾値未満である場合は前記発電装置からの電力が前記蓄電装置へ供給されるように前記切替え部を制御する制御部とを備える。
これにより、発電装置から十分な電力が得られない場合でも、発電装置から供給される電力は充電される。したがって、電力制御装置は、発電で得られた電力が無駄になることを抑制することができる。
例えば、前記制御部は、単位時間当たりに前記発電装置の出力値が前記所定の閾値を超えた回数が一定回数を超えた場合に、前記発電装置からの電力が前記変換装置へ供給されるように前記切替え部を制御してもよい。
これにより、効率的な動作が可能になる。例えば、発電装置の出力値が閾値を超えた後、発電装置の出力値が閾値を再度下回るような状況が度々生じた場合、その度スイッチが切り替えられる。このような動作は、パワコンへの電力供給が非連続になるため、パワコンにとって非効率である。本態様では、例えば、単位時間当たりに閾値を超えた回数が規定回数を超えた場合にスイッチが電池側からパワコン側へ切り替えられる。これにより、より効率的にパワコンを動作させることが可能になる。
また、例えば、前記制御部は、前記発電装置の出力値が前記所定の閾値を超えている時間が一定時間以上経過した場合に前記発電装置からの電力が前記変換装置へ供給されるように前記切替え部を制御してもよい。
これにより、効率的な動作が可能になる。例えば、発電装置の出力値が閾値を超えた後、発電装置の出力値が閾値を再度下回るような状況が度々生じた場合、その度スイッチが切り替えられる。このような動作は、パワコンへの電力供給が非連続になるため、パワコンにとって非効率である。本態様では、例えば、発電装置の出力値が所定の閾値を超えている時間が一定時間以上経過した場合にスイッチが電池側からパワコン側へ切り替えられる。これにより、より効率的にパワコンを動作させることが可能になる。
また、例えば、前記制御部は、前記蓄電装置に放電させることにより、前記蓄電装置から前記変換装置へ電力を供給してもよい。
これにより、蓄電装置に十分な電力が充電された場合に、蓄電装置から変換装置へ安定した電力が供給される。
また、例えば、前記蓄電装置の残存電力に関する情報を取得する第2の取得部を備え、前記制御部は、前記出力値が前記所定の閾値未満である場合、かつ、前記蓄電装置の残存電力が所定の電力以上である場合、前記発電装置からの電力を前記蓄電装置へ供給し、前記蓄電装置に前記発電装置からの電力を充電させつつ、前記蓄電装置に放電させ、前記蓄電装置からの電力を前記変換装置へ供給してもよい。
これにより、蓄電装置に十分な電力が充電された場合に、蓄電装置から変換装置へ安定した電力が供給される。この時、発電装置から十分な電力が得られなくてもよい。このような場合でも、チャタリング現象の発生が抑制される。
また、例えば、前記蓄電装置の残存電力に関する情報を取得する第2の取得部を備え、前記制御部は、前記出力値が前記所定の閾値以上である場合、かつ、前記発電装置からの電力が前記発電装置からの電力を消費する負荷装置の需要電力未満である場合、前記蓄電装置に放電させ、前記蓄電装置からの電力を前記変換装置へ供給してもよい。
これにより、充電された電力が有効に利用される。したがって、自然エネルギーが有効に利用される。
また、例えば、前記第1の取得部は、前記発電装置からの発電電力の値を前記出力値として取得してもよい。
これにより、電力制御装置は、発電電力に基づいて、発電電力の供給の切替えを適切に制御できる。
また、例えば、前記第1の取得部は、前記蓄電装置に蓄電されている電力の単位時間当たりの増加分を、前記発電装置の前記出力値として取得してもよい。
これにより、電力制御装置は、蓄電装置に充電された電力の変化から導出される発電電力値に基づいて、発電電力の供給の切替えを適切に制御できる。
また、例えば、前記制御部は、前記出力値が前記所定の閾値以上である場合、かつ、前記発電装置からの電力が前記発電装置からの電力を消費する負荷装置の需要電力よりも大きい場合、前記発電装置からの電力のうち前記需要電力に相当する電力を前記変換装置へ供給し、前記発電装置からの電力のうち前記需要電力に相当する電力を除く電力を前記蓄電装置へ供給してもよい。
これにより、余剰電力が充電される。したがって、電力制御装置は、発電装置で得られる電力が無駄になることを抑制することができる。
また、例えば、前記発電装置は、太陽光を利用して発電する太陽光発電装置でもよい。
これにより、太陽光発電装置から十分な電力が得られない場合でも、太陽光発電装置から供給される電力は充電される。したがって、電力制御装置は、太陽光発電装置で得られる電力が無駄になることを抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る接続箱は、前記電力制御装置と、前記蓄電装置とを備える接続箱でもよい。
これにより、上記の電力制御装置が接続箱に搭載される。この接続箱は、発電で得られた電力が無駄になることを抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る電力調整器は、前記電力制御装置と、前記変換装置とを備える電力調整器でもよい。
これにより、上記の電力制御装置が電力調整器に搭載される。この電力調整器は、発電で得られた電力が無駄になることを抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る発電システムは、前記電力制御装置と、前記発電装置と、前記変換装置と、前記蓄電装置とを備える発電システムでもよい。
これにより、上記の電力制御装置が発電システムに搭載される。この発電システムは、発電で得られた電力が無駄になることを抑制することができる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る発電システム100を示すブロック図である。発電システム100は、自然エネルギーを利用して発電する発電システムであり、例えば、太陽光発電システム、太陽熱発電システム、風力発電システムおよび地熱発電システムなどに利用可能である。本実施の形態では、発電システム100が太陽光発電システムである場合を例として説明する。
図1に示された発電システム100は、接続箱101、ソーラーパネル102およびパワコン103を備える。また、パワコン103は、家庭用分電盤104に接続されている。電力系統105も、同様に、家庭用分電盤104に接続されている。家庭用分電盤104には、燃料電池106が接続されている。同様に、家庭用分電盤104には、家電など(図示せず)が接続されている。
接続箱101は、ソーラーパネル102とパワコン103とを接続するための接続ユニットである。例えば、接続箱101は、ソーラーパネル102からの複数の配線をまとめてパワコン103に接続する。実質的には、接続箱101は、ブレーカーのような役割を有し、パワコン103のメンテナンスの際、ソーラーパネル102とパワコン103との接続を遮断するために用いられる。
ソーラーパネル102は、太陽光を利用して発電する。例えば、ソーラーパネル102は、パネル状に配置された複数の太陽電池で構成される。ソーラーパネル102で得られた電力は、接続箱101を介して、パワコン103に供給される。
パワコン103は、ソーラーパネル102から供給された電力を家庭環境で利用可能な電力に変換する。パワコン103は、内部に、DC−DCコンバータおよびDC−ACインバータを含んでもよい。例えば、パワコン103は、ソーラーパネル102から供給された電力を直流から交流へ変換する。また、パワコン103は、ソーラーパネル102から供給された電力の電圧を調整する。パワコン103は、家庭用分電盤104を介して、調整された電力を家電などに供給する。
家庭用分電盤104は、電力を分配する。家庭用分電盤104には、燃料電池106、および、家電などが接続されている。家庭用分電盤104は、これらに電力を供給する。また、家庭用分電盤104は、電力の供給を遮断するブレーカーを含む。
電力系統105は、電力会社が提供する電力供給システムである。ソーラーパネル102から供給される電力が小さい場合、電力系統105から電力が供給される。ソーラーパネル102から供給される電力が大きい場合、電力系統105へ電力が供給される場合もある。
燃料電池106は、燃料の化学反応を利用して発電する。例えば、燃料電池106は、水素と酸素とを反応させることによって発電する。燃料電池106によって得られた電力は、家電などに供給される。燃料電池106は、ソーラーパネル102または電力系統105から供給される電力を用いて発電を開始する。
本実施の形態に係る接続箱101は、入力切替えスイッチ111、DC−DCコンバータ112、充電制御部113、蓄電池114、放電制御部115、DC−DCコンバータ116、管理部117、シャント抵抗器118および非常用スイッチ119を備える。
入力切替えスイッチ111は、パワコン103および蓄電池114のいずれかに、ソーラーパネル102からの電力の供給先を切替える。入力切替えスイッチ111は、パワコン103および蓄電池114の両方に、ソーラーパネル102からの電力を分配してもよい。例えば、入力切替えスイッチ111は、管理部117からの切替え信号に応じて、ソーラーパネル102とパワコン103との間の接続状態を導通または非導通に切替え、ソーラーパネル102と蓄電池114との間の接続状態を導通または非導通に切替える。
DC−DCコンバータ112は、直流電力を別の直流電力に変換する。例えば、DC−DCコンバータ112は、直流電力の電圧を所定の電圧に変換する。具体的には、DC−DCコンバータ112は、ソーラーパネル102からの電力を蓄電池114が充電できる電力に変換する。
充電制御部113は、蓄電池114の充電を制御する。具体的には、充電制御部113は、管理部117の充電指令に基づいて、DC−DCコンバータ112から出力される電力を蓄電池114に充電させる。
蓄電池114は、充放電可能な電池であり、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池またはニッケル水素電池等である。蓄電池114の容量は、0.3〜0.5kWhでもよい。蓄電池114には、DC−DCコンバータ112から出力される電力が充電される。
放電制御部115は、蓄電池114の放電を制御する。具体的には、放電制御部115は、管理部117の放電指令に基づいて、蓄電池114に放電させる。蓄電池114から取り出された電力は、DC−DCコンバータ116に供給される。
DC−DCコンバータ116は、DC−DCコンバータ112と同様に、直流電力を別の直流電力に変換する。具体的には、DC−DCコンバータ116は、蓄電池114から取り出された電力をパワコン103が利用できる電力に変換する。
管理部117は、ソーラーパネル102の出力値を取得する。また、管理部117は、入力切替えスイッチ111へ切替え信号を送信することにより、入力切替えスイッチ111を制御する。また、管理部117は、蓄電池114の残存電力の値を取得する。また、管理部117は、充電制御部113に充電指令を送信することにより、蓄電池114の充電を制御し、放電制御部115に放電指令を送信することにより、蓄電池114の放電を制御する。
なお、入力切替えスイッチ111の制御機能と蓄電池の充電および放電の制御機能とが、同じ管理部117の中ではなく、例えば、スイッチ制御部および蓄電制御部としてそれぞれ独立に設けられていてもよい。
シャント抵抗器118は、電流を測定するために用いられる抵抗器である。管理部117は、電圧の値、および、シャント抵抗器118を用いて測定される電流の値に基づいて、ソーラーパネル102からの電力の値を取得できる。
非常用スイッチ119は、手動で蓄電池114に放電させるためのスイッチである。例えば、非常用スイッチ119が入れられた場合、管理部117は、蓄電池114の残存電力によらず、蓄電池114に放電させる。
本実施の形態に係る発電システム100は、上記の構成を備える。そして、本実施の形態に係る発電システム100は、チャタリング現象の発生を抑制し、発電で得られた電力が無駄になることを抑制することができる。
例えば、管理部117は、ソーラーパネル102からの電力が所定の電力以上である場合、ソーラーパネル102からの電力がパワコン103に供給されるように、入力切替えスイッチ111を制御する。また、管理部117は、ソーラーパネル102からの電力が所定の電力未満である場合、ソーラーパネル102からの電力が蓄電池114に供給されるように、入力切替えスイッチ111を制御する。また、管理部117は、充電制御部113を制御して、ソーラーパネル102からの電力を蓄電池114に充電させる。
これにより、ソーラーパネル102から十分な電力が得られる場合に、パワコン103に電力が供給される。したがって、チャタリング現象の発生が抑制される。また、ソーラーパネル102から十分な電力が得られない場合、蓄電池114に電力が供給される。したがって、発電で得られた電力が無駄になることが抑制される。
管理部117は、シャント抵抗器118を用いて、ソーラーパネル102からの電力の値を取得してもよい。管理部117は、蓄電池114の残存電力の値を用いて、ソーラーパネル102からの電力の値を取得してもよい。また、管理部117は、ソーラーパネル102からの電圧の値、または、ソーラーパネル102からの電流の値に基づいて、入力切替えスイッチ111を制御してもよい。
電流の値は、電流を流すことで計測される。一方、電圧の値は、電流を流すことなく計測される。ソーラーパネル102からの電力がどこにも供給されない場合、電流が流れない。この場合、管理部117は、電圧の値をソーラーパネル102の出力値として取得し、電圧の値に基づいて、入力切替えスイッチ111を制御する。
しかし、電圧が大きい場合でも、電力が小さい場合がある。小さい電力でパワコン103が起動しても、電力不足で、すぐに停止する。したがって、電圧の値に基づく制御は、チャタリング現象を誘発する。本実施の形態では、パワコン103に電力を供給しない場合も、蓄電池114に電力が供給されるため、電流の計測が可能である。したがって、本実施の形態では、電圧のみではなく、電流および電力に基づく確実な制御が可能である。
さらに、管理部117は、ソーラーパネル102の温度、日射量、または、時間帯などに基づいて、ソーラーパネル102の出力値を推定することにより、ソーラーパネル102の出力値を取得してもよい。
また、管理部117は、蓄電池114の残存電力が所定の電力以上である場合、蓄電池114に放電させる。例えば、蓄電池114の残存電力が所定の電力以上であり、かつ、ソーラーパネル102からの電力が所定の電力以上であり、かつ、ソーラーパネル102からの電力が家電などの需要電力未満である場合に、管理部117は、蓄電池114に放電させてもよい。これにより、電力系統105から供給される電力が削減され、蓄電池114の電力が有効利用される。
また、例えば、蓄電池114の残存電力が所定の電力以上であり、かつ、ソーラーパネル102からの電力が所定の電力未満である場合、かつ、家電などの需要電力が所定の需要電力以上である場合に、管理部117は、蓄電池114を放電させてもよい。これにより、安定した電力が蓄電池114から供給される。したがって、チャタリング現象の発生が抑制され、蓄電池114の電力が有効利用される。
図2は、図1に示された発電システム100の第1の利用状態を示す図である。図2に示された利用状態は、ソーラーパネル102からの電力が安定している状態である。この時、ソーラーパネル102の出力値は所定の閾値以上である。したがって、管理部117は、ソーラーパネル102からパワコン103に電力が供給されるように、入力切替えスイッチ111を制御する。これにより、ソーラーパネル102からパワコン103に電力が供給される。
図2に示された利用状態では、ソーラーパネル102からパワコン103に電力が安定的に供給される。したがって、チャタリング現象は発生しない。また、ソーラーパネル102からの電力が無駄にならない。
図3は、図1に示された発電システム100の第2の利用状態を示す図である。図3に示された利用状態は、ソーラーパネル102からの電力が安定していない状態である。この時、ソーラーパネル102の出力値は所定の閾値未満である。したがって、管理部117は、ソーラーパネル102から蓄電池114に電力が供給されるように、入力切替えスイッチ111を制御する。これにより、ソーラーパネル102から蓄電池114に電力が供給される。
図3に示された利用状態では、不安定な電力がパワコン103に供給されない。したがって、チャタリング現象は発生しない。また、この不安定な電力は、蓄電池114に充電されるため、無駄にならない。
さらに、蓄電池114の残存電力が所定の電力以上である場合、管理部117は、蓄電池114に放電させる。蓄電池114からの電力は、パワコン103に供給される。これにより、安定した電力が、蓄電池114からパワコン103に供給される。したがって、チャタリング現象は発生せず、蓄電池114の電力が有効利用される。
図4は、図1に示された発電システム100の第3の利用状態を示す図である。図4に示された利用状態は、夜間あるは雨天によりソーラーパネル102から電力が得られず、かつ、停電により電力系統105からも電力が得られない状態である。
このような状態で非常用スイッチ119が入れられた場合、管理部117は、蓄電池114に放電させる。蓄電池114からの電力は、パワコン103に供給される。これにより、安定した電力が、蓄電池114からパワコン103に供給される。したがって、チャタリング現象は発生せず、蓄電池114の電力が有効利用される。
例えば、このような状態でも、蓄電池114の電力が、冷蔵庫または照明などの家電に供給される。また、蓄電池114の電力が燃料電池106へ供給されることで、燃料電池106が発電を開始できる可能性がある。そして、燃料電池106が家電などに電力を供給できる可能性がある。
図5は、図1に示されたパワコン103の日の出の際の出力を示す図である。ソーラーパネル102の出力は、日射量に対応する。また、パワコン103の出力は、ソーラーパネル102の出力に対して、正の相関関係を有する。すなわち、ソーラーパネル102の出力が大きいほど、パワコン103の出力は大きい。
しかし、ソーラーパネル102からの電力が小さい場合、チャタリング現象を回避するため、パワコン103に電力が供給されない。したがって、図5のように、非変換電力が発生する。本実施の形態では、この非変換電力が蓄電池114に充電される。よって、チャタリング現象の発生が抑制され、かつ、発電電力が無駄になることも抑制される。
図6は、図1に示されたパワコン103の日の入りの際の出力を示す図である。日の入りの際の状況も、日の出の際の状況と同様である。日の入りの際にも、非変換電力が発生する。この非変換電力が蓄電池114に充電されるため、発電電力が無駄になることが抑制される。
図7は、図1に示されたソーラーパネル102の出力を示す図である。ソーラーパネル102の出力は、時刻に応じて変化する。時々刻々の出力値が用いられた場合、出力値の瞬間的な上昇、および、出力値の瞬間的な下降によって、チャタリング現象が発生する可能性がある。そこで、管理部117は、所定の時間間隔毎の出力の平均値を出力値として入力切替えスイッチ111の制御に用いてもよい。これにより、チャタリング現象の発生が抑制される。
例えば、図7のように、管理部117は、それぞれが所定の時間間隔に対応する時間帯T1〜T8のそれぞれで、ソーラーパネル102の出力の平均値を取得する。平均値が閾値以上である場合、管理部117は、ソーラーパネル102からの電力がパワコン103に供給されるように、入力切替えスイッチ111を制御する。平均値が閾値未満である場合、管理部117は、ソーラーパネル102からの電力が蓄電池114に供給されるように、入力切替えスイッチ111を制御する。
時刻Taの瞬間的な出力値は閾値以上である。しかし、時刻Taを含む時間帯T2における出力の平均値は閾値未満である。この場合、管理部117は、ソーラーパネル102からの電力が蓄電池114に供給されるように、入力切替えスイッチ111を制御する。
また、時刻Tbの瞬間的な出力値は閾値未満である。しかし、時刻Tbを含む時間帯T5における出力の平均値は閾値以上である。この場合、管理部117は、ソーラーパネル102からの電力がパワコン103に供給されるように、入力切替えスイッチ111を制御する。
管理部117は、蓄電池114の残存電力の変化に基づいて、出力の平均値を算出してもよい。例えば、管理部117は、所定の時間間隔毎に残存電力を計測する。ソーラーパネル102からの電力が蓄電池114に供給されている場合、蓄電池114の残存電力は増加する。
したがって、管理部117は、所定の時間間隔における残存電力の増分値を当該所定の時間間隔におけるソーラーパネル102からの電力の合計値として取得することができる。また、管理部117は、この増分値に基づいて、所定の時間間隔におけるソーラーパネル102からの電力の平均値を取得することができる。蓄電池114が放電している場合、管理部117は、放電に対応する電力値を残存電力の増分値に加えることで、ソーラーパネル102からの電力に対応する値を取得してもよい。
また、管理部117は、所定の時間間隔内において、シャント抵抗器118を利用してソーラーパネル102からの電力を複数回計測し、計測結果の平均値を出力値として用いてもよい。これにより、ソーラーパネル102からの電力の瞬間的な上昇または下降に伴うチャタリング現象の発生が抑制される。
以上の通り、本実施の形態に係る接続箱101は、ソーラーパネル102の出力値が小さい場合、ソーラーパネル102からの電力をパワコン103に供給せずに、ソーラーパネル102からの電力を蓄電池114に充電させる。これにより、チャタリング現象の発生を抑制し、発電電力が無駄になることを抑制する。
なお、本実施の形態では、接続箱101が電力制御装置として電力制御を行っているが、他の装置が電力制御装置として同様の電力制御を行ってもよい。例えば、専用の装置が同様の電力制御を行ってもよいし、パワコン103のフロント部分で同様の電力制御が行われてもよい。また、本実施の形態では、太陽光発電システムである発電システム100が示されているが、太陽熱発電システム、風力発電システムまたは地熱発電システム等に、同様の仕組みが適用されてもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態に係る発電システムは、実施の形態1に係る発電システム100と同様に、発電電力が無駄になることを抑制する。また、本実施の形態に係る発電システムは、実施の形態1で示された特徴的な構成要素を備える。
図8は、本実施の形態に係る発電システムを示すブロック図である。図8に示された発電システム200は、電力制御装置201、発電装置202、蓄電装置203および変換装置204を備え、変換装置204に接続された負荷装置205に交流電力を供給する。
電力制御装置201は、取得部211、制御部212および切替え部213を備える。電力制御装置201は、実施の形態1に係る接続箱101またはパワコン103に対応する装置でもよいし、接続箱101またはパワコン103に搭載される装置でもよい。発電装置202は、実施の形態1に係るソーラーパネル102に対応する。
蓄電装置203は、実施の形態1に係る蓄電池114に対応する。蓄電装置203は、さらに、DC−DCコンバータ112、充電制御部113、放電制御部115およびDC−DCコンバータ116に対応してもよい。変換装置204は、実施の形態1に係るパワコン103に対応する。
取得部211および制御部212は、実施の形態1に係る管理部117に対応する。取得部211は、さらに、実施の形態1に係るシャント抵抗器118に対応してもよい。制御部212は、さらに、実施の形態1に係る充電制御部113および放電制御部115に対応してもよい。切替え部213は、実施の形態1に係る入力切替えスイッチ111に対応する。
これらの構成要素は、それぞれ、これらに対応する構成要素と同様の構造を有してもよいし、これらに対応する構成要素と同様の処理を実行してもよい。しかし、これらの構成要素の構造および処理は、それぞれ、これらに対応する構成要素の構造および処理に限定されない。
電力制御装置201は、発電装置202から蓄電装置203または変換装置204への電力の供給を制御する。電力制御装置201は、上記のように実施の形態1に係る接続箱101などに搭載されてもよいし、別個の独立した装置でもよい。
発電装置202は、自然エネルギーを利用して発電する。自然エネルギーは、再生可能エネルギーとも呼ばれ、枯渇することなく、自然現象から継続的に得られるエネルギーである。自然エネルギーの例として、太陽光、太陽熱、水力、風力、地熱、波力、温度差およびバイオマスなどがある。特に、不安定な自然エネルギーが利用される場合、効果が高い。
蓄電装置203は、発電装置202からの電力を充電する。すなわち、蓄電装置203は、発電装置202からの電力を内部に蓄積する。蓄電装置203は、1つの蓄電池で構成されてもよいし、複数の蓄電池で構成されてもよい。また、蓄電装置203は、1以上の蓄電池を含み、発電装置202からの電力をこの1以上の蓄電池に充電させてもよい。
変換装置204は、発電装置202からの電力を直流から交流に変換する。例えば、変換装置204は、発電装置202からの電力を変換することで得られた電力を負荷装置205に供給する。
負荷装置205は、発電装置202からの電力を消費する電気器具であり、例えば、家電である。負荷装置205は、変換装置204に接続される。そして、負荷装置205には、発電装置202からの電力が変換装置204を介して供給される。
電力制御装置201の取得部211は、発電装置202の出力値を取得する。発電装置202の出力値の例として、発電装置202から出力される電力、電圧または電流等の値がある。取得部211は、発電装置202の出力値を監視または検出するセンサでもよいし、このようなセンサから発電装置202の出力値を取得してもよい。
電力制御装置201の制御部212は、取得部211で取得された出力値に基づいて切替え部213を制御する。具体的には、発電装置202の出力値が所定の閾値未満である場合、制御部212は、切替え部213が発電装置202からの電力を蓄電装置203へ供給するように、切替え部213を制御する。そして、発電装置202の出力値が所定の閾値以上である場合、制御部212は、切替え部213が発電装置202からの電力を変換装置204へ供給するように、切替え部213を制御する。
電力制御装置201の切替え部213は、変換装置204に発電装置202からの電力を供給するか否かを切替える。また、切替え部213は、蓄電装置203に発電装置202からの電力を供給するか否かを切替える。
例えば、これらの構成要素は、主に、回路で構成される。特に、取得部211および制御部212は、1以上の集積回路で構成されてもよい。また、取得部211および制御部212は、汎用プロセッサで構成されてもよい。例えば、このような汎用プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより、取得部211および制御部212として動作する。
また、これらの構成要素は、直接接続されてなくてもよい。これらの構成要素の間に、DC−DCコンバータまたは家庭用分電盤などが存在してもよい。構成要素の間で、電力が調整されてもよいし、電力が変換されてもよい。
また、これらの構成要素のうち、変換装置204の起動および停止の繰り返しが、変換装置204の劣化を進行させる。発電システム200におけるその他の構成要素では、消費電力が小さい、あるいは、電力が消費されないため、起動および停止の繰り返しの影響は小さい。
図9は、図8に示された発電システム200の動作を示すフローチャートである。まず、発電装置202は、自然エネルギーを利用して発電する(S101)。次に、取得部211は、発電装置202の出力値を取得する(S102)。
制御部212は、出力値に基づいて切替え部213を制御することにより、発電装置202からの電力を蓄電装置203または変換装置204へ供給する(S103、S104、S105)。具体的には、出力値が閾値未満である場合(S103でYes)、制御部212は、発電装置202からの電力を蓄電装置203へ供給する(S104)。出力値が閾値以上である場合(S103でNo)、制御部212は、発電装置202からの電力を変換装置204へ供給する(S105)。
その後、電力制御装置201は、これらの処理(S102〜S105)を繰り返す。さらに、電力制御装置201は、蓄電装置203に充電されている電力の状況、または、負荷装置205の需要電力の状況などに応じて、追加的な任意の処理を実行してもよい。
以上の通り、本実施の形態に係る電力制御装置201は、発電装置202の出力値が小さい場合、発電装置202からの電力を変換装置204ではなく蓄電装置203へ供給する。これにより、チャタリング現象の発生を抑制し、発電電力が無駄になることを抑制する。
なお、蓄電装置203の残存電力が所定の電力以上である場合、制御部212は、蓄電装置203に放電させ、蓄電装置203からの電力を変換装置204へ供給してもよい。ここで、蓄電装置203からの電力は、放電によって蓄電装置203から取り出された電力である。
また、電力制御装置201は、切替え部213および蓄電装置203の両方を制御する制御部212に代えて、あるいは、制御部212に加えて、切替え部213を制御する切替え制御部と、蓄電装置203を制御する蓄電制御部とを別々に備えてもよい。
また、発電装置202の出力値が所定の閾値未満である場合、かつ、蓄電装置203の残存電力が所定の電力以上である場合、制御部212は、発電装置202からの電力を蓄電装置203に充電させつつ、蓄電装置203に放電させ、蓄電装置203からの電力を変換装置204へ供給してもよい。
また、発電装置202の出力値が所定の閾値以上である場合、かつ、発電装置202からの電力が負荷装置205の需要電力未満である場合、制御部212は、蓄電装置203に放電させ、蓄電装置203からの電力を変換装置204へ供給してもよい。
また、取得部211は、発電装置202からの電力の値を出力値として取得してもよい。また、取得部211は、蓄電装置203の残存電力の変化に基づいて、発電装置202からの電力の値を発電装置202の出力値として取得してもよい。また、取得部211は、所定の時間間隔毎の蓄電装置203の残存電力の変化に基づいて、所定の時間間隔毎の発電装置202からの電力の平均値を発電装置202の出力値として取得してもよい。
また、取得部211は、蓄電装置203に蓄電されている電力の単位時間当たりの増加分を、発電装置202の出力値として取得してもよい。
また、取得部211は、発電装置202からの電力の電圧の値を発電装置202の出力値として取得してもよい。また、取得部211は、所定の時間間隔毎の発電装置202の出力の平均値を発電装置202の出力値として取得してもよい。
制御部212は、単位時間当たりに発電装置202の出力値が所定の閾値を超えた回数が一定回数を超えた場合に、発電装置202からの電力が変換装置204へ供給されるように切替え部213を制御してもよい。制御部212は、発電装置202の出力値が所定の閾値を超えている時間が一定時間以上経過した場合に発電装置202からの電力が変換装置204へ供給されるように切替え部213を制御してもよい。
また、発電装置202は、太陽光を利用して発電する太陽光発電装置(太陽光電池パネル)でもよい。発電装置202は、太陽熱を利用して発電する太陽熱発電装置(太陽熱電池パネル)でもよい。発電装置202は、風力を利用して発電する風力発電装置(風力発電機)でもよい。発電装置202は、地熱を利用して発電する地熱発電装置(地熱発電機)でもよい。
例えば、発電装置202が太陽光発電装置である場合、変換装置204は、太陽光発電装置からの電力を直流から交流に変換する。そして、蓄電装置203は、太陽光発電装置からの電力を充電する。
また、この場合、取得部211は、太陽光発電装置の出力値を取得する。また、切替え部213は、変換装置204に太陽光発電装置からの電力を供給するか否かを切替え、蓄電装置203に太陽光発電装置からの電力を供給するか否かを切替える。また、制御部212は、出力値が所定の閾値以上である場合に太陽光発電装置からの電力を変換装置204へ供給し、出力値が所定の閾値未満である場合に太陽光発電装置からの電力を蓄電装置203へ供給する。
また、制御部212は、発電装置202の出力値が所定の閾値以上である場合、かつ、発電装置202からの電力が負荷装置205の需要電力よりも大きい場合、発電装置202からの電力のうち需要電力に相当する電力を変換装置204へ供給し、発電装置202からの電力のうち需要電力に相当する電力を除く電力を蓄電装置203へ供給してもよい。
また、切替え部213は、発電装置202と変換装置204との間の接続状態を導通または非導通に切替えることにより、発電装置202からの電力を変換装置204へ供給するか否かを切替えてもよい。また、切替え部213は、発電装置202と蓄電装置203との間の接続状態を導通または非導通に切替えることにより、発電装置202からの電力を蓄電装置203へ供給するか否かを切替えてもよい。
また、切替え部213は、蓄電装置203からの電力を変換装置204へ供給するか否かを切替えてもよい。例えば、切替え部213は、蓄電装置203と変換装置204との間の接続状態を導通または非導通に切替えることにより、蓄電装置203からの電力を変換装置204へ供給するか否かを切替えてもよい。あるいは、別の切替え部が、蓄電装置203からの電力を変換装置204へ供給するか否かを切替えてもよいし、蓄電装置203と変換装置204との間の接続状態を導通または非導通に切替えてもよい。
また、制御部212は、蓄電装置203の充電および放電を制御してもよい。例えば、制御部212は、発電装置202と蓄電装置203との導通および非導通を制御することにより、蓄電装置203の充電を制御してもよい。同様に、制御部212は、蓄電装置203と変換装置204との導通および非導通を制御することにより、蓄電装置203の放電を制御してもよい。
また、例えば、制御部212は、充電指令を蓄電装置203に送信することにより、蓄電装置203の充電を制御してもよい。そして、制御部212は、放電指令を蓄電装置203に送信することにより、蓄電装置203の放電を制御してもよい。電力制御装置201は、蓄電装置203の充電および放電を制御する別の制御部を備えてもよい。
また、取得部211は、蓄電装置203の残存電力の値を取得してもよい。そして、制御部212が、取得部211で取得された値と、所定の残存電力の値との比較に基づいて、蓄電装置203の充電および放電を制御してもよい。電力制御装置201は、蓄電装置203の残存電力の値を取得する別の取得部を備えてもよい。
また、出力値が所定の閾値未満である場合、制御部212は、蓄電装置203に放電させ、変換装置204へ蓄電装置203からの電力を供給してもよい。これにより、発電装置202からの電力が不安定である場合でも、切替え部213を制御することなく、電力制御装置201は、不安定な電力が無駄になることを抑制し、かつ、チャタリング現象の発生を抑制できる。したがって、このような処理が行われる場合、電力制御装置201は、切替え部213を備えていなくてもよい。
(実施の形態3)
本実施の形態に係る発電システムは、実施の形態2に係る発電システム200と同様に、発電電力が無駄になることを抑制する。本実施の形態に係る発電システムは、実施の形態2で示された発電システム200の一具体例である。
図10は、本実施の形態に係る発電システムを示すブロック図である。図10に示された発電システム300は、電力制御装置301、発電装置302、蓄電装置303および変換装置304を備え、変換装置304に接続された負荷装置305に交流電力を供給する。また、電力制御装置301は、取得部311、制御部312および切替え部313を備える。
本実施の形態に係る電力制御装置301、発電装置302、蓄電装置303、変換装置304、負荷装置305、取得部311、制御部312および切替え部313は、それぞれ、実施の形態2に係る電力制御装置201、発電装置202、蓄電装置203、変換装置204、負荷装置205、取得部211、制御部212および切替え部213に対応する。
基本的に、本実施の形態に係るこれらの構成要素は、それぞれ、これらに対応する構成要素と同様の構造を有し、同様の処理を実行する。ただし、本実施の形態に係る制御部312は、所定の条件が満たされた場合、蓄電装置303に放電させ、蓄電装置303からの電力を変換装置304へ供給する。
図11は、図10に示された発電システム300の動作を示すフローチャートである。まず、切替え部313は、発電装置302と変換装置304とを接続する(S201)。すなわち、切替え部313は、発電装置302からの電力を変換装置304へ供給するか否かを、電力を供給する方に切替える。
次に、発電装置302は、自然エネルギーを利用して発電する(S202)。次に、取得部311は、発電装置302の発電電圧を取得する(S203)。
発電装置302の発電電圧が0である場合(S204でNo)、再度、最初から処理を行う。また、発電装置302の発電電圧が所定の電圧以上である場合(S205でNo)、発電システム300は、再度、最初から処理を行う。この場合、発電装置302からの電力は、変換装置304に供給される。
発電装置302の発電電圧が0よりも大きい場合(S204でYes)、かつ、発電装置302の発電電圧が所定の電圧未満である場合(S205でYes)、切替え部313は、発電装置302と蓄電装置303とを接続する(S206)。この場合、切替え部313は、発電装置302からの電力を蓄電装置303へ供給するか否かを、電力を供給する方に切替える。そして、切替え部313は、発電装置302からの電力を変換装置304へ供給するか否かを、電力を供給しない方に切替える。
そして、蓄電装置303の残存電力が所定の電力よりも小さい場合(S207でYes)、蓄電装置303は発電装置302からの電力を充電する(S208)。その後においても、蓄電装置303の残存電力が所定の電力よりも小さい場合(S209でYes)、蓄電装置303は、充電を継続する。
蓄電装置303の残存電力が所定の電力以上である場合(S207でNo、または、S209でNo)、蓄電装置303は放電する(S210)。蓄電装置303からの電力は、変換装置304に供給される。蓄電装置303からの電力は安定しているため、チャタリング現象は生じない。また、この時、蓄電装置303は、充電を継続する。
その後、蓄電装置303の残存電力が所定の電力以上である場合(S211でNo)、蓄電装置303は、充電および放電を継続する。蓄電装置303の残存電力が所定の電力未満である場合(S211でYes)、蓄電装置303は、放電を停止する(S212)。この時も、蓄電装置303は、充電を継続する。
そして、発電装置302の発電電圧が所定の電圧よりも小さい場合(S213でYes)、蓄電装置303は、さらに、充電を継続する。発電装置302の発電電圧が所定の電圧以上である場合(S213でNo)、再度、最初から処理を行う。この場合、発電装置302からの電力は、変換装置304に供給される。
以上の通り、充電および放電が適切なタイミングで実行される。したがって、発電装置302からの電力が無駄になることが抑制される。また、変換装置304には、安定した電力が供給されるため、チャタリング現象の発生が抑制される。
(実施の形態4)
本実施の形態に係る発電システムは、実施の形態1に係る発電システム200または実施の形態2に係る発電システム300と同様に、発電電力が無駄になることを抑制する。本実施の形態では、実施の形態1に係る電力制御装置201または実施の形態2に係る電力制御装置301と同様の構成要素が接続箱に搭載される。
図12は、本実施の形態に係る発電システムを示すブロック図である。図12に示された発電システム400は、接続箱401、発電装置402および変換装置404を備え、変換装置404に接続された負荷装置405に交流電力を供給する。また、接続箱401は、取得部411、制御部412、切替え部413および蓄電装置403を備える。
本実施の形態に係る発電装置402、蓄電装置403、変換装置404、負荷装置405、取得部411、制御部412および切替え部413は、それぞれ、実施の形態2に係る発電装置202、蓄電装置203、変換装置204、負荷装置205、取得部211、制御部212および切替え部213に対応する。
また、本実施の形態に係る発電装置402、蓄電装置403、変換装置404、負荷装置405、取得部411、制御部412および切替え部413は、それぞれ、実施の形態3に係る発電装置302、蓄電装置303、変換装置304、負荷装置305、取得部311、制御部312および切替え部313に対応してもよい。
すなわち、本実施の形態では、実施の形態2に係る電力制御装置201、または、実施の形態3に係る電力制御装置301が、接続箱401として実装されている。また、接続箱401は、実施の形態1に係る接続箱101に対応し、蓄電装置403を備える。
接続箱401は、発電装置402または変換装置404に比べて、簡易な構成である。したがって、比較的容易に、設置または置き換えが可能である。また、接続箱401において、発電装置402と変換装置404との間の複数の配線がまとめられている。したがって、接続箱401によって、一括して、変換装置404への電力の供給を制御することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態に係る発電システムは、実施の形態1に係る発電システム200または実施の形態2に係る発電システム300と同様に、発電電力が無駄になることを抑制する。本実施の形態では、実施の形態1に係る電力制御装置201または実施の形態2に係る電力制御装置301と同様の構成要素が電力調整器に搭載される。
図13は、本実施の形態に係る発電システムを示すブロック図である。図13に示された発電システム500は、電力調整器501、発電装置502および蓄電装置503を備え、電力調整器501に接続された負荷装置505に交流電力を供給する。また、電力調整器501は、取得部511、制御部512、切替え部513および変換装置504を備える。
本実施の形態に係る発電装置502、蓄電装置503、変換装置504、負荷装置505、取得部511、制御部512および切替え部513は、それぞれ、実施の形態2に係る発電装置202、蓄電装置203、変換装置204、負荷装置205、取得部211、制御部212および切替え部213に対応する。
また、本実施の形態に係る発電装置502、蓄電装置503、変換装置504、負荷装置505、取得部511、制御部512および切替え部513は、それぞれ、実施の形態3に係る発電装置302、蓄電装置303、変換装置304、負荷装置305、取得部311、制御部312および切替え部313に対応してもよい。
すなわち、本実施の形態では、実施の形態2に係る電力制御装置201、または、実施の形態3に係る電力制御装置301が、電力調整器501として実装されている。また、電力調整器501は、実施の形態1に係るパワコン103に対応し、変換装置504を備える。
発電装置502から安定した電力が得られない場合、電力調整器501のうち、取得部511、制御部512および切替え部513が動作し、変換装置504は動作しない。この場合、電力調整器501は、蓄電装置503に電力を供給する。そして、発電装置502から安定した電力が得られる場合、電力調整器501は、変換装置504に電力を供給する。
これにより、電力調整器501は、内部の変換装置504の起動を制御する。したがって、新たな制御装置を導入することなく、チャタリング現象の発生が抑制され、かつ、電力が無駄になることが抑制される。また、蓄電装置503は、不安定な電力の充電とは無関係に、余剰電力の充電のため、予め準備されている場合がある。したがって、追加コストが削減される。
上記複数の実施の形態において示された通り、各実施の形態に係る発電システムは、蓄電装置と変換装置とを適切に利用する。したがって、チャタリング現象の発生が抑制され、かつ、電力が無駄になることが抑制される。
なお、上記各実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、処理を実行する順番が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の電力制御装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、交流電力を供給する発電システムにおいて用いられる電力制御方法であって、自然エネルギーを利用して発電する発電装置の出力値を取得し、前記出力値が所定の閾値以上である場合、前記発電装置からの電力を直流から交流に変換する変換装置へ前記発電装置からの電力を供給し、前記出力値が前記所定の閾値未満である場合、前記発電装置からの電力を充電する蓄電装置へ前記発電装置からの電力を供給する電力制御方法を実行させる。
以上、一つまたは複数の態様に係る電力制御装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。