JP3919939B2 - 熱処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば写真製版技術を用いて半導体素子を製造する半導体製造システム内に組み込まれる加熱装置や冷却装置などの熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、写真製版技術を用いた半導体製造システムでは、一つのシステム内にレジスト塗布ユニットや、乾燥ユニット、加熱ユニットなどの各種処理ユニットを組み込み、これら各種処理ユニット間を順次移動させながら一連の処理を施すようになっている。
【0003】
図8は典型的な熱処理ユニット200の垂直断面図である。
【0004】
この熱処理ユニット200では、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という)Wは熱処理盤201の上面上に載置され、このウエハWは熱処理盤201から放出される熱により熱処理される。この熱処理盤201には図示しないヒータが組み込まれており、このヒータから供給される熱により熱処理盤201が加熱される。そしてウエハWは熱処理時の熱処理温度の変動による影響を受けやすいため、熱処理盤201の温度管理は正確に行わなければならない。そのため、熱処理盤201には温度を検出するための温度センサ(図示省略)が取り付けられており、この温度センサを介して制御装置が前記ヒータのオン・オフを切り換えることにより熱処理盤201の温度を制御するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、熱処理盤201の実際の温度と、温度センサにより検出される温度の絶対値とは必ずしも一致しない場合があり、僅かにずれが存在する場合がある。
【0006】
例えば熱処理盤201の温度が実際には20°Cであるにも拘らず、温度センサでは19°Cとして検出される場合である。この温度のずれは「オフセット」と呼ばれ、温度センサの特性や温度センサから制御装置に信号を送る経路、例えばアナログ回路やアンプ類を通過する際に生じると考えられる。このオフセットがある場合には、信号送信経路上のアナログ回路やアンプ類を調節して見掛け上はこのオフセットが存在しないようにする。例えば上記の例では温度センサで19°Cとして検出されたときには熱定盤201の温度が20°Cであるとして扱い、1°Cのオフセットを相殺させる。このようにオフセットが存在する場合でも、その値が一定値の場合には電気的に調節することにより相殺させることができるため、実用上は問題がない。
【0007】
しかし、このオフセット値が時間の経過とともに変動することがある。例えば、塗布処理装置をユーザーの工場に設置後試運転し、熱処理盤の実際の温度と温度センサの検出温度との間の1°Cのオフセットを確認し、このオフセットが相殺されるように調節した場合を例にとって説明する。工場に設置後最初のうちはオフセットの値は1°Cのままであったものが6ケ月から1年程度経過すると、塗布処理装置の操作時の熱処理盤201の温度を示すモニターの数値が設定温度の20°Cより低い19°Cになる場合がある。塗布処理装置を完全に停止させて点検すると、熱処理盤201の実際の温度は20°Cであることが判明した。この場合、この温度ずれの原因としては、温度センサの劣化によるオフセットの増大と、例えばアナログ回路やアンプ類の特性変化や熱定盤201内の熱循環系の変化など温度センサ以外の要因によるものの二つに大別される。
【0008】
温度センサの劣化の場合には温度センサの交換が必要であり、一方、それ以外の原因による場合には上述した電気的な調節を再度行うことで対処できる。しかるに原因を特定するには塗布処理装置を完全に停止させねばならず、工場の生産効率が低下するため、現実的には装置を停止させて原因特定することはできないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものである。
【0010】
即ち、本発明の目的は、装置を運転させた状態で温度ずれの事実と原因特定を可能にした熱処理装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の目的は、装置を運転させた状態で温度ずれの事実、その原因特定、並びに温度再調節を可能にした熱処理装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、請求項1記載の本発明の熱処理装置は、被処理基板が載置される熱処理盤と、前記熱処理盤の温度を検出する手段と、前記検出した温度に基づいて、前記熱処理盤の温度を所定の目標温度に制御する制御手段と、正常運転時の前記熱処理盤の熱的環境を記憶する手段と、前記目標温度と前記検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、前記記憶した熱的環境を再現し、前記正常運転時の検出温度と、前記再現したときの検出温度とに基づいて、前記温度ずれを惹起した箇所を特定する手段と、を具備する。
【0013】
請求項2記載の本発明の熱処理装置は、被処理基板が載置される熱処理盤と、前記熱処理盤の温度を検出する手段と、前記検出した温度に基づいて、前記熱処理盤の温度を所定の目標温度に制御する制御手段と、正常運転時の前記熱処理盤の熱的環境を記憶する手段と、前記目標温度と前記検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、前記記憶した熱的環境を再現し、前記正常運転時の検出温度と、前記再現したときの検出温度とに基づいて、前記温度ずれを惹起した箇所を特定する手段と、前記温度ずれの程度と前記特定した箇所とに応じて、前記温度ずれを相殺するように前記制御手段を調節する手段と、を具備する。
【0014】
請求項3記載の本発明の熱処理装置は、被処理基板が載置される熱処理盤と、前記熱処理盤を加熱するヒータと、前記ヒータに電力を供給する電力供給系と、前記熱処理盤の側面方向から気体を供給する気体供給系と、前記熱処理盤の温度を検出するセンサと、前記センサで検出した温度に基づいて、前記熱処理盤の温度が所定の目標温度になるように前記電力供給系の供給電力量を制御する制御手段と、正常運転時の前記熱処理盤への供給電力量、気体流量、及び検出温度を記憶する手段と、前記目標温度と前記検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、前記記憶した量の電力及び気体を供給する状態を再現し、前記正常運転時の検出温度と、前記再現したときの検出温度とに基づいて、前記温度ずれを惹起した箇所を特定する手段と、を具備する。
【0015】
請求項4記載の本発明の熱処理装置は、被処理基板が載置される熱処理盤と、前記熱処理盤を加熱するヒータと、前記ヒータに電力を供給する電力供給系と、前記熱処理盤の側面方向から気体を供給する気体供給系と、前記熱処理盤の温度を検出するセンサと、前記センサで検出した温度に基づいて、前記熱処理盤の温度が所定の目標温度になるように前記電力供給系の供給電力量を制御する制御手段と、正常運転時の前記熱処理盤への供給電力量、気体流量、及び検出温度を記憶する手段と、前記目標温度と前記検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、前記記憶した量の電力及び気体を供給する状態を再現し、前記正常運転時の検出温度と、前記再現したときの検出温度とに基づいて、前記温度ずれを惹起した箇所を特定する手段と、前記温度ずれの程度と前記特定した箇所とに応じて、前記温度ずれを相殺するように前記制御手段を調節する手段と、を具備する。
【0016】
請求項5記載の本発明の熱処理装置は、被処理基板が載置される熱処理盤と、前記熱処理盤を加熱するヒータと、前記ヒータに電力を供給する電力供給系と、前記熱処理盤の側面方向から気体を供給する気体供給系と、前記熱処理盤の温度を検出して電気信号に変換する第1センサと、前記電気信号を増幅するアナログ回路と、前記増幅された電気信号に基づいて、前記熱処理盤の温度が所定の目標温度になるように前記電力供給系の供給電力量を制御する制御手段と、前記熱処理盤の温度を精密に検出する第2センサと、正常運転時の前記熱処理盤の供給電力量、気体流量、前記第1センサの検出温度、及び前記第2センサの検出温度を記憶する手段と、前記目標温度と前記第1センサの検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、前記記憶した量の電力及び気体を供給する状態を再現し、前記正常運転時の検出温度と、前記再現したときの検出温度とに基づいて、前記温度ずれを惹起した箇所を特定する手段と、を具備する。
【0017】
請求項6記載の本発明の熱処理装置は、被処理基板が載置される熱処理盤と、前記熱処理盤を加熱するヒータと、前記ヒータに電力を供給する電力供給系と、前記熱処理盤の側面方向から気体を供給する気体供給系と、前記熱処理盤の温度を検出して電気信号に変換する第1センサと、前記電気信号を増幅するアナログ回路と、前記増幅された電気信号に基づいて、前記熱処理盤の温度が所定の目標温度になるように前記電力供給系の供給電力量を制御する制御手段と、前記熱処理盤の温度を精密に検出する第2センサと、正常運転時の前記熱処理盤の供給電力量、気体流量、前記第1センサの検出温度、及び前記第2センサの検出温度を記憶する手段と、前記目標温度と前記第1センサの検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、前記記憶した量の電力及び気体を供給する状態を再現し、前記正常運転時の検出温度と、前記再現したときの検出温度とに基づいて、前記温度ずれを惹起した箇所を特定する手段と、前記温度ずれの程度と前記特定した箇所とに応じて、前記温度ずれを相殺するように前記アナログ回路又は制御手段を調節する手段と、を具備する。
【0018】
請求項7記載の本発明の熱処理装置は、請求項1〜6に記載の熱処理装置であって、前記特定した箇所を表示する手段を更に具備することを特徴とする。
【0019】
請求項8記載の本発明の熱処理装置は、請求項1〜6に記載の熱処理装置であって、前記特定した箇所の修理又は交換が必要な場合に警告する手段を更に具備することを特徴とする。
【0020】
請求項1記載の熱処理装置では、装置設置時の試運転の際など、正常運転時の前記熱処理盤の熱的環境、例えば、熱処理盤の検出温度や、ヒータへの電力供給量、熱処理盤の横方向から流す気体の流量などを記憶しておく。
【0021】
そして、前記目標温度と前記検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、正常運転時の前記熱処理盤の熱的環境を再現し、熱処理盤の温度を検出する。この検出した温度と前記記憶した正常運転時の検出温度とを比較する。このように正常運転時の熱処理盤の検出温度と、正常運転時と同じ熱的環境を再現して検出した温度とを比較するので、二つの検出温度が異なれば検出手段、例えばセンサが劣化していると判断できる。一方、二つの検出温度が等しければ検出手段以外の箇所、例えばセンサと制御装置との間のアナログ回路や制御装置、或いは熱処理盤に故障があると判断できる。なお、上記センサより高精度の温度センサ、例えばプラチナセンサなどを用いて熱処理盤の温度を正確に計ることにより、より正確に故障箇所を特定できるので好ましい。
【0022】
請求項2記載の熱処理装置では、前記温度ずれの程度と前記特定した箇所とに応じて、前記温度ずれを相殺するように前記制御手段を調節する手段を備えているので、温度ずれが生じた場合であってもこれを相殺させるように調節して定格通りの温度になるように熱処理盤の温度を制御できる。
【0023】
請求項3記載の熱処理装置では、装置設置時の試運転の際など、正常運転時の前記熱処理盤の熱処理盤の検出温度、ヒータへの電力供給量、熱処理盤の横方向から流す気体の流量を記憶しておく。
【0024】
そして、前記目標温度と前記検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、正常運転時の前記熱処理盤の熱的環境即ち、ヒータへの電力供給量、熱処理盤の横方向から流す気体の流量を再現し、熱処理盤の温度を検出する。この検出した温度と前記記憶した正常運転時の検出温度とを比較する。このように正常運転時の熱処理盤の検出温度と、正常運転時と同じ熱的環境を再現して検出した温度とを比較するので、二つの検出温度が異なれば検出手段、例えばセンサが劣化していると判断できる。一方、二つの検出温度が等しければ検出手段以外の箇所、例えばセンサと制御装置との間のアナログ回路や制御装置、或いは熱処理盤に故障があると判断できる。
【0025】
請求項4記載の熱処理装置では、前記温度ずれの程度と前記特定した箇所とに応じて、前記温度ずれを相殺するように前記制御手段を調節する手段を備えているので、温度ずれが生じた場合であってもこれを相殺させるように調節して定格通りの温度になるように熱処理盤の温度を制御できる。
【0026】
請求項5記載の熱処理装置では、正常運転時のヒータへの供給電力と気体供給量とを再現することにより正常運転時の前記熱処理盤への熱的環境を再現する一方で、熱処理盤の温度を第1センサ及び第2センサの二つの系統で検出し、各系統で検出した温度を比較する。
【0027】
第2センサで測定した温度の信頼性は高くこの温度を基準とすることができるので、第1センサで検出した温度との間に差がある場合には第1センサが劣化したと判断できる。一方、両者間に差がない場合には第1センサ自体は劣化していないので、それ以外の信号送信系や熱定盤に異常があると特定できる。
【0028】
請求項6記載の熱処理装置では、前記第1センサで検出した温度と前記第2センサで検出した温度とが一致するように前記アナログ回路を調節する手段を備えているので、温度ずれが起きた場合であってもこれを相殺させるように調節して定格通りの温度になるように熱処理盤の温度を制御できる。
【0029】
請求項7記載の熱処理装置では、請求項1〜6に記載の熱処理装置において、前記特定した箇所を表示する手段を更に具備しているので、故障の有無や、故障箇所を正確かつ迅速に知らせることができる。
【0030】
請求項8記載の熱処理装置では、請求項1〜6に記載の熱処理装置であって、前記特定した箇所の修理又は交換が必要な場合に警告する手段を更に具備しているので、故障の有無、故障箇所、修理や交換の必要性を正確かつ迅速に知らせることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の詳細を図面に基づいて説明する。
【0032】
図1は本発明の一実施形態に係るレジスト塗布ユニット(COT)を備えた半導体ウエハ(以下、「ウエハ」という)の塗布現像処理システム1全体を示した平面図である。
【0033】
この塗布現像処理システム1では、被処理体としてのウエハWをウエハカセットCRで複数枚、例えば25枚単位で外部からシステムに搬入・搬出したり、ウエハカセットCRに対してウエハWを搬入・搬出したりするためのカセットステーション10と、塗布現像工程の中で1枚ずつウエハWに所定の処理を施す枚葉式の各種処理ユニットを所定位置に多段配置した処理ステーション11と、この処理ステーション11に隣接して設けられる露光装置(図示せず)との間でウエハWを受け渡しするためのインタフェース部12とが一体的に接続されている。このカセットステーション10では、カセット載置台20上の位置決め突起20aの位置に、複数個例えば4個までのウエハカセットCRが、夫々のウエハ出入口を処理ステーション11側に向けてX方向(図1中の上下方向)一列に載置され、このカセット配列方向(X方向)およびウエハカセッ卜CR内に収納されたウエハWのウエハ配列方向(Z方向;垂直方向)に移動可能なウエハ搬送体21が各ウエハカセットCRに選択的にアクセスする。
【0034】
このウエハ搬送体21はθ方向に回転自在であり、後述するように処理ステーション11側の第3の処理ユニット群G3 の多段ユニット部に配設されたアライメントユニット(ALIM)やイクステンションユニット(EXT)にもアクセスできる。
【0035】
処理ステーション11には、ウエハ搬送装置を備えた垂直搬送型の主ウエハ搬送機構22が設けられ、その周りに全ての処理ユニットが1組または複数の組に亙って多段に配置されている。
【0036】
図2は上記塗布現像処理システム1の正面図である。
【0037】
第1の処理ユニット群G1 では、カップCP内でウエハWをスピンチャックに載せて所定の処理を行う2台のスピンナ型処理ユニット、例えばレジスト塗布ユニット(COT)および現像ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。第2の処理ユニット群G2 では、2台のスピンナ型処理ユニット、例えばレジスト塗布ユニット(COT)および現像ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。これらレジスト塗布ユニット(COT)は、レジスト液の排液が機構的にもメンテナンスの上でも面倒であることから、このように下段に配置するのが好ましい。しかし、必要に応じて適宜上段に配置することももちろん可能である。
【0038】
図3は上記塗布現像処理システム1の背面図である。
【0039】
主ウエハ搬送機構22では、筒状支持体49の内側に、ウエハ搬送装置46が上下方向(Z方向)に昇降自在に装備されている。筒状支持体49はモータ(図示せず)の回転軸に接続されており、このモータの回転駆動力によって、前記回転軸を中心としてウエハ搬送装置46と一体に回転し、それによりこのウエハ搬送装置46はθ方向に回転自在となっている。なお筒状支持体49は前記モータによって回転される別の回転軸(図示せず)に接続するように構成してもよい。ウエハ搬送装置46には、搬送基台47の前後方向に移動自在な複数本の保持部材48が配設されており、これらの保持部材48は各処理ユニット間でのウエハWの受け渡しを可能にしている。
【0040】
また、図1に示すようにこの塗布現像処理システム1では、5つの処理ユニット群G1 、G2 、G3 、G4 、G5 が配置可能であり、第1および第2の処理ユニット群G1 、G2 の多段ユニットは、システム正面(図1において手前)側に配置され、第3の処理ユニット群G3 の多段ユニットはカセットステーション10に隣接して配置され、第4の処理ユニット群G4 の多段ユニットはインタフェース部12に隣接して配置され、第5の処理ユニット群G5 の多段ユニットは背面側に配置されることが可能である。
【0041】
図3に示すように、第3の処理ユニット群G3 では、ウエハWを保持台(図示せず)に載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニット、例えば冷却処理を行うクーリングユニット(COL)、レジストの定着性を高めるためのいわゆる疏水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、イクステンションユニット(EXT)、露光処理前の加熱処理を行うプリベーキングユニット(PREBAKE)および露光処理後の加熱処理を行うポストベーキングユニット(Post Exposure Bake 以下「PEB」と記す)が、下から順に例えば8段に重ねられている。第4の処理ユニット群G4 でも、オーブン型の処理ユニット、例えばクーリングユニット(COL)、イクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)、イクステンションユニット(EXT)、クーリングユニッ卜(COL)、プリベーキングユニット(PREBAKE)およびポストベーキングユニット(PEB)が下から順に、例えば8段に重ねられている。
【0042】
このように処理温度の低いクーリングユニット(COL)、イクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)を下段に配置し、処理温度の高いプリベーキングユニット(PREBAKE)、ポストベーキングユニット(PEB)およびアドヒージョンユニット(AD)を上段に配置することで、ユニット間の熱的な相互干渉を少なくすることができる。もちろん、ランダムな多段配置としてもよい。
【0043】
図1に示すように、インタフェース部12では、奥行方向(X方向)は前記処理ステーション11と同じ寸法を有するが、幅方向(Y方向)はより小さなサイズである。このインタフェース部12の正面部には、可搬性のピックアップカセットCRと、定置型のバッファカセットBRとが2段に配置され、他方背面部には周辺露光装置23が配設され、さらに中央部にはウエハ搬送体24が設けられている。このウエハ搬送体24は、X方向、Z方向に移動して両カセットCR、BRおよび周辺露光装置23にアクセスする。
【0044】
ウエハ搬送体24は、θ方向にも回転自在であり、処理ステーション11側の第4の処理ユニット群G4 の多段ユニットに配設されたイクステンションユニット(EXT)や、隣接する露光装置側のウエハ受渡し台(図示せず)にもアクセスできる。
【0045】
また塗布現像処理システム1では、既述の如く主ウエハ搬送機構22の背面側にも図1中破線で示した第5の処理ユニット群G5 の多段ユニットを配置できるが、この第5の処理ユニット群G5 の多段ユニットは、案内レール25に沿ってY方向へ移動可能である。従って、この第5の処理ユニット群G5 の多段ユニットを図示の如く設けた場合でも、前記案内レール25に沿って移動することにより、空間部が確保されるので、主ウエハ搬送機構22に対して背後からメンテナンス作業が容易に行える。
【0046】
次に、図4及び図5につき処理ステーション11において第3および第4の組G3 ,G4 の多段ユニットに含まれているベーキングユニット(PREBAKE)、(PEB)、クーリングユニット(COL)、(EXTCOL)のような熱処理ユニットの構成および作用を説明する。
【0047】
図4および図5は、本実施形態に係る熱処理ユニットの構成を示す平面図および断面図である。なお、図5では、図解のために水平遮蔽板55を省略してある。
【0048】
この熱処理ユニットの処理室50は両側壁53と水平遮蔽板55とで形成され、処理室50の正面側(主ウエハ搬送機構24側)および背面側はそれぞれ開口部50A,50Bとなっている。遮蔽板55の中心部には円形の開口56が形成され、この開口56内には円盤状の熱定盤58が載置台として設けられる。
【0049】
熱定盤58には例えば3つの孔60が設けられ、各孔60内には支持ピン62が遊嵌状態で挿通されており、半導体ウエハWのローディング・アンローディング時には各指示ピン62が熱定盤58の表面より上に突出または上昇して主ウエハ搬送機構22の保持部材48との間でウエハWの受け渡しを行うようになっている。
【0050】
熱定盤58の外周囲には、円周方向にたとえば2゜間隔で多数の通気孔64を形成したリング状の帯板からなるシャッタ66が設けられている。このシャッタ66は、通常は熱定盤58より下の位置に退避しているが、加熱処理時には図5に示すように熱定盤58の上面よりも高い位置まで上昇して、熱定盤58とカバー体68との間にリング状の側壁を形成し、図示しない気体供給系より送り込まれるダウンフローの空気や窒素ガス等の不活性ガスを通気孔64より周方向で均等に流入させるようになっている。
【0051】
カバー体68の中心部には加熱処理時にウエハW表面から発生するガスを排出するための排気口68aが設けられ、この排気口68aに排気管70が接続されている。この排気管70は、装置正面側(主ウエハ搬送機構22側)のダクト53(もしくは54)または図示しないダクトに通じている。
【0052】
遮蔽板55の下には、遮蔽板55、両側壁53および底板72によって機械室74が形成されており、室内には熱処理盤支持板76、シャッタアーム78、支持ピンアーム80、シャッタアーム昇降駆動用シリンダ82、支持ピンアーム昇降駆動用シリンダ84が設けられている。
【0053】
図4に示すように、ウエハWの外周縁部が載るべき熱定盤58の表面位置に複数個たとえば4個のウエハW案内支持突起部86が設けられている。
【0054】
熱定盤58内部には空洞が設けられており、この空洞内で熱媒を加熱することにより発生する熱媒蒸気をこの空洞内で循環させて熱定盤58を所定温度に維持するようになっている。
【0055】
図6は本実施形態に係る熱定盤58とその周辺の構造を模式的に示した垂直断面図である。この図6に示したように、カバー体68の下面側には円錐形の凹部68bが形成されており、この円錐の頂点にあたる部分には排気口68aが設けられ、この排気口68aに排気管70の下端が接続されている。排気管70の他端側は図示しない排気系に接続されており、熱定盤58で加熱されて上昇した加熱気体が円錐形の凹部68bで集められ、前記排気口68aと排気管70とを介して排気されるようになっている。
【0056】
この図6に示すように、熱定盤58の内部は密閉された空洞58aになっており、その底部の一部分には断面がV字状になるように形成された熱媒溜め58bが設けられている。この熱媒溜め58bの中にはニクロム線などのヒータ91が図6の紙面に垂直な方向に配設されており、このヒータ91には制御装置で制御された電力供給装置95から電力が供給されるようになっている。
【0057】
電力供給装置95からヒータ91へ電力が供給されると、ヒータ91が発熱を開始し、このヒータ91により凝縮されて熱媒溜め58b内に溜まった熱媒が加熱される。加熱された熱媒は気化蒸発して空洞58a内を循環する。熱媒蒸気が空洞58a内の冷えた部分に当接すると、熱媒蒸気はこの冷えた部分に熱量を与えると同時に凝縮して液化する。このとき熱媒から熱定盤58に与えられる熱量は熱媒の気化熱であり、熱媒の種類によって定まる値である。従って、熱媒が蒸発してから凝縮するまでの一連のサイクルが安定して定常状態に達すれば熱定盤の温度をほぼ一定温度に保つことができるようになっている。
【0058】
熱定盤58の上面には二つの温度センサS1,S2が取り付けられている。このうちセンサS1は一般的な温度センサであり、例えば熱電対を利用したセンサが用いられる。このセンサS1は通常の熱処理で用いられる温度センサであり、後述するアナログ回路やアンプなどの信号送信経路を経由して制御装置120に接続されている。
【0059】
一方、もう一つのセンサS2は前記センサS1より高精度に温度測定できる精密計測器としてのセンサであり、例えばプラチナを利用したセンサが用いられる。この高精度センサS2は通常、センサの温度校正用に用いられるセンサであり、検出値の絶対値に対する信頼性が高く、経時変化も少ない。この高精度センサS2は上記センサS1とは別個のアナログ回路やアンプなどの信号送信経路を経由して制御装置120に接続されている。
【0060】
熱定盤58に隣接して気体ダクト101,101が配設されている。この気体ダクト101,101は熱定盤58の横方向から気体、例えば空気や不活性ガスなどを流すためのものである。この気体ダクトの先には図示しない気体供給系が配設されており、この気体ダクト101,101に気体を供給するようになっている。この気体ダクト101,101から送り出された気体が熱定盤58の側面、側面から上表面へと移動しながら熱定盤58の熱をその上に載置されたウエハWに供給する。
【0061】
気体ダクト101,101の途中には気体ダクト101,101の流路の幅を増減する気体バルブ100,100が配設されており、気体ダクト101,101の中を流動する気体の流量を調節するようになっている。この気体バルブ100,100は後述する制御装置に接続されており、この制御装置からの制御信号によりその中を通る気体の流量を制御するようになっている。
【0062】
図7は本実施形態に係る熱処理ユニットの制御系を示したブロック図である。図7に示したように、この熱処理ユニットでは熱定盤58内のヒータ91に電力を供給する電力供給装置95、熱定盤58上にウエハWを搬送するメインアームの駆動機構110及び気体バルブ100、が制御装置120に接続されており、この制御装置120により統括的に制御されている。
【0063】
また、熱定盤58の温度を検出する温度センサS1は途中のアナログ回路C1とアンプA1を経由して制御装置120に接続されている。更に熱定盤58の温度を上記温度センサS1より高精度に測定する高精度センサS2は途中のアナログ回路C2とアンプA2を経由して制御装置120に接続されている。
【0064】
制御装置には更に表示装置130が接続されており、必要な情報、例えば上記温度センサS1、高精度センサS2の各センサで検出した熱定盤58の温度検出値やその差、或いはセンサS1の交換の必要性の有無などを表示するようになっている。
【0065】
更に上記表示装置130を介してドライバ140が接続されている。このドライバ140は更に上記アナログ回路C1及びアンプA1と接続され、制御装置120からの信号に基づいてアナログ回路C1やアンプA1のパラメータを調節して温度センサS1の検出値と熱定盤58の実際の温度とのずれを相殺する。
【0066】
次に本実施形態に係る熱処理ユニットの制御の仕方について説明する。
【0067】
本実施形態に係る熱処理ユニットでは、熱定盤58の温度を温度センサS1と高精度センサS2とで検出し、これらの検出値を比較することにより温度ずれの原因を特定する。
【0068】
すなわち、本実施形態に係る熱処理ユニットを含む装置をユーザーの工場に設置して試運転する際の状態を制御装置120内の記憶部(図示省略)内に記憶しておく。
【0069】
具体的には、試運転時の、電力供給装置95から熱定盤58内のヒータ91に供給する電力量や、熱定盤58に向けて流す気体流量などの各種パラメータと、そのパラメータに対して熱定盤58の温度を温度センサS1で検出したときの値(T10)、及び、高精度センサS2(T20)で検出したときの値を記憶部に記憶しておく。
【0070】
そして、装置設置後6月〜1年程度経過して、最初に設定した熱定盤58の目標温度に対して温度センサS1で検出した温度の値がずれた場合に、この温度ずれの原因を特定する。
【0071】
特定の仕方としては、上記記憶部に記憶したパラメータを呼び出し、このパラメータに基づいてヒータ91への電力供給量や、熱定盤58への気体流量を試運転時の値にして試運転時の熱量供給状態を再現する。そしてこの状態で温度センサS1、高精度センサS2により熱定盤58の温度を検出する。これらの検出温度を上記記憶部に記憶していた、試運転時の温度センサS1による検出温度と比較する。更に、熱定盤58の正確な温度を検出するため、高精度センサS2でも熱定盤58の温度を検出する。
【0072】
そして、これら試運転時の温度センサS1の検出温度(T10)、試運転時の高精度センサS2の検出温度(T20)、現時点での温度センサS1の検出温度(T11)、及び現時点での高精度センサS2の検出温度(T21)を比較する。
【0073】
これら4つの温度を比較することにより異常の発生した箇所を特定できる。
【0074】
例えば、T10=T11、かつT20=T21の場合、熱定盤58にも温度センサS1にも異常がないので、温度ずれの原因はアナログ回路C1やアンプA1などの送信系の異常にあると判断できる。
【0075】
また、T20≠T21の場合には、熱定盤58のヒータ91や熱媒などの加熱系に異常があると判断できる。
【0076】
更に、T20=T21かつT10≠T11の場合には、熱定盤58の温度自体は同じであるため、温度センサS1の劣化が原因であると判断される。同様に、T20≠T21かつT10=T11の場合にも、熱定盤58の温度変化に温度センサS1の検出値が対応していないので、温度センサS1の劣化が原因であると判断される。
【0077】
一方、T10≠T11かつT20≠T21の場合には熱定盤58の異常に加えて更に別の箇所に異常があると判断できるため、更に調査する必要がある。
【0078】
T10=T11、かつT20=T21の場合、制御装置120は熱定盤58にも温度センサS1にも異常はなく、温度ずれの原因はアナログ回路C1やアンプA1などの送信系の異常にあると判断する。
【0079】
この場合には、アナログ回路C1やアンプA1のパラメータを調節することにより温度ずれを相殺することで問題なく装置を運転できる程度の温度ずれか否かを判断する。そして、パラメータ調節で十分対処できる場合にはその旨を表示装置130に表示するとともにドライバ140を作動させてパラメータを調節する。
【0080】
なお、このドライバ140とは別個に、アナログ回路C1上の各素子やアンプA1の作動状態を調査する回路を設けておき、上記検出温度を比較した結果から送信系に異常があると判断される場合に、この回路を用いて異常が発生した素子や部位を特定できるようにすることも可能である。
【0081】
一方、T10=T11、かつT20=T21の場合であっても、アナログ回路C1やアンプA1のパラメータ調節では、安全に装置を運転できない程度の温度ずれであると判断される場合には、その旨を表示装置に表示させ、点検修理が必要であると警告する。
【0082】
T20≠T21の場合には、制御装置120は熱定盤58のヒータ91や熱媒などの加熱系に異常があると判断して、その旨を表示装置140に表示させる。
【0083】
T20=T21かつT10≠T11の場合には、制御装置120は温度センサS1の劣化を認識する。そして、この劣化の程度が上記アナログ回路C1やアンプA1のパラメータを調節することにより温度ずれを相殺することで問題なく装置を運転できる程度の温度ずれか否かを判断する。そして、パラメータ調節で十分対処できる場合にはその旨を表示装置130に表示するとともにドライバ140を作動させてパラメータを調節する。
【0084】
一方、T20=T21かつT10≠T11の場合であっても、アナログ回路C1やアンプA1のパラメータ調節では安全に装置を運転できない程度の劣化であると判断される場合には、その旨を表示装置に表示させ、温度センサS1の交換が必要であると警告する。T20≠T21かつT10=T11の場合にも、T20=T21かつT10≠T11の場合と同様に作動する。
【0085】
T10≠T11かつT20≠T21の場合には、熱定盤58の異常に加えて更に別の箇所に異常があると判断し、複数部分に異常があるので、更に詳細に調査する必要がある旨を表示装置140に表示させる。
【0086】
以上説明したように、本発明の熱処理ユニットによれば、熱定盤58の温度を標準的な温度センサS1と、この温度センサS1よりも測定値の信頼性が高い高精度センサS2とを用いて二系統で検出し、装置設定後間もない時期に行う試験運転時の定常状態での熱定盤58の温度(T10,T20)を検出して記憶しておく。
【0087】
その一方で、この状態を維持するヒータ91への電力供給量、熱定盤に送る気体流量などの各パラメータも同時に記憶しておき、いつでもこの試験運転時の状態を再現できるようにする。
【0088】
そして装置設定後6月〜1年経過して熱定盤58の目標温度と温度センサS1の検出温度との間に温度ずれが生じた場合には、現時点での熱定盤58の温度を温度センサS1と高精度センサS2とで検出して温度(T11,T21)を得、上記試験運転時の温度(T10,T20)と比較することにより温度センサS1の劣化の有無を確認できるので、異常のある箇所を特定することができる。
【0089】
また、温度のずれがアナログ回路C1やアンプA1を調節することにより電気的に相殺する機構を備えているので、このような電気的な調整で支障なく装置を運転できる場合には、装置を運転させた状態で温度ずれの事実と、その原因特定、並びに温度再調節をすることができる。
【0090】
なお、本発明は上記の実施形態の内容に限定されるものではない。
【0091】
例えば、上記実施形態では内部に熱媒蒸気を循環させることにより均一に加熱される熱定盤を用いてウエハWを加熱する装置について説明したが、内部にニクロム線ヒータ91を内蔵し、温度センサなどにより温度制御する熱盤を用いるものでもよい。
【0092】
また、上記実施形態では通常の温度センサS1の他に高精度型センサS2をも備えた構造としたが、通常の温度センサS1のみを備えた構造であっても良い。その場合には、温度センサS1の温度ずれが生じた場合に、正常運転時の電力供給量と気体流量とを再現し、この状態で温度センサS1により熱定盤58の温度を検出し、予め記憶しておいた正常運転時の検出値と比較することにより、温度センサS1の劣化の有無を判断する。なお、この場合でも、高精度型センサS2をいわゆる外付けの形で使用し、正常運転時の電力供給量と気体流量とを再現した状態で熱定盤58の温度を温度センサS1と高精度型センサS2との二系統で検出するのが好ましい。
【0093】
更に、高精度型センサS2については、着脱可能とし、必要な場合にのみ使用するようにしても良い。
【0094】
また、上記実施形態では、熱定盤58という加熱処理を行う装置を例にとって説明したが、熱処理を行う装置であればよい。従って、冷却装置にも適用することができる。
【0095】
更に、上記実施の形態ではウエハWについての塗布現像処理システム1を例にして説明したが、本発明はこれ以外の処理装置、例えば、LCD基板用処理装置などにも適用できることは言うまでもない。
【0096】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明によれば、装置設置時の試運転の際など、正常運転時の前記熱処理盤の熱的環境、例えば、熱処理盤の検出温度や、ヒータへの電力供給量、熱処理盤の横方向から流す気体の流量などを記憶しておく。
【0097】
そして、前記目標温度と前記検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、正常運転時の前記熱処理盤の熱的環境を再現し、熱処理盤の温度を検出する。この検出した温度と前記記憶した正常運転時の検出温度とを比較する。このように正常運転時の熱処理盤の検出温度と、正常運転時と同じ熱的環境を再現して検出した温度とを比較するので、二つの検出温度が異なれば検出手段、例えばセンサが劣化していると判断できる。一方、二つの検出温度が等しければ検出手段以外の箇所、例えばセンサと制御装置との間のアナログ回路や制御装置、或いは熱処理盤に故障があると判断できる。なお、上記センサより高精度の温度センサ、例えばプラチナセンサなどを用いて熱処理盤の温度を正確に計ることにより、より正確に故障箇所を特定できるので好ましい。
【0098】
請求項2記載の本発明によれば、前記温度ずれの程度と前記特定した箇所とに応じて、前記温度ずれを相殺するように前記制御手段を調節する手段を備えているので、温度ずれが生じた場合であってもこれを相殺させるように調節して定格通りの温度になるように熱処理盤の温度を制御できる。
【0099】
請求項3記載の本発明によれば、装置設置時の試運転の際など、正常運転時の前記熱処理盤の熱処理盤の検出温度、ヒータへの電力供給量、熱処理盤の横方向から流す気体の流量を記憶しておく。
【0100】
そして、前記目標温度と前記検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、正常運転時の前記熱処理盤の熱的環境即ち、ヒータへの電力供給量、熱処理盤の横方向から流す気体の流量を再現し、熱処理盤の温度を検出する。この検出した温度と前記記憶した正常運転時の検出温度とを比較する。このように正常運転時の熱処理盤の検出温度と、正常運転時と同じ熱的環境を再現して検出した温度とを比較するので、二つの検出温度が異なれば検出手段、例えばセンサが劣化していると判断できる。一方、二つの検出温度が等しければ検出手段以外の箇所、例えばセンサと制御装置との間のアナログ回路や制御装置、或いは熱処理盤に故障があると判断できる。
【0101】
請求項4記載の本発明によれば、前記温度ずれの程度と前記特定した箇所とに応じて、前記温度ずれを相殺するように前記制御手段を調節する手段を備えているので、温度ずれが生じた場合であってもこれを相殺させるように調節して定格通りの温度になるように熱処理盤の温度を制御できる。
【0102】
請求項5記載の本発明によれば、正常運転時のヒータへの供給電力と気体供給量とを再現することにより正常運転時の前記熱処理盤への熱的環境を再現する一方で、熱処理盤の温度を第1センサ及び第2センサの二つの系統で検出し、各系統で検出した温度を比較する。
【0103】
第2センサで測定した温度の信頼性は高くこの温度を基準とすることができるので、第1センサで検出した温度との間に差がある場合には第1センサが劣化したと判断できる。一方、両者間に差がない場合には第1センサ自体は劣化していないので、それ以外の信号送信系や熱定盤に異常があると特定できる。
【0104】
請求項6記載の本発明によれば、前記第1センサで検出した温度と前記第2センサで検出した温度とが一致するように前記アナログ回路を調節する手段を備えているので、温度ずれが起きた場合であってもこれを相殺させるように調節して定格通りの温度になるように熱処理盤の温度を制御できる。
【0105】
請求項7記載の本発明によれば、請求項1〜6に記載の熱処理装置において、前記特定した箇所を表示する手段を更に具備しているので、故障の有無や、故障箇所を正確かつ迅速に知らせることができる。
【0106】
請求項8記載の本発明によれば、請求項1〜6に記載の熱処理装置であって、前記特定した箇所の修理又は交換が必要な場合に警告する手段を更に具備しているので、故障の有無、故障箇所、修理や交換の必要性を正確かつ迅速に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る塗布・現像装置の平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る塗布・現像装置の側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る塗布・現像装置の背面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る熱処理ユニットの平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る熱処理ユニットの垂直断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る熱処理ユニットの垂直断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る熱処理ユニットのブロック図である。
【図8】従来の熱処理ユニットの垂直断面図である。
【符号の説明】
W ウエハ
58 熱定盤
S1 温度センサ
S2 高精度センサ
120 制御装置
91 ヒータ
95 電力供給装置
100 気体バルブ
101 気体ダクト
130 表示装置
140 ドライバ
A1 アンプ
C1 アナログ回路
Claims (8)
- 被処理基板が載置される熱処理盤と、
前記熱処理盤の温度を検出する手段と、
前記検出した温度に基づいて、前記熱処理盤の温度を所定の目標温度に制御する制御手段と、
正常運転時の前記熱処理盤の検出温度及び熱的環境を記憶する手段と、
前記目標温度と前記検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、前記記憶した熱的環境を再現し、前記正常運転時の検出温度と、前記再現したときの検出温度とに基づいて、前記温度ずれを惹起した箇所を特定する手段と、
を具備することを特徴とする熱処理装置。 - 被処理基板が載置される熱処理盤と、
前記熱処理盤の温度を検出する手段と、
前記検出した温度に基づいて、前記熱処理盤の温度を所定の目標温度に制御する制御手段と、
正常運転時の前記熱処理盤の熱的環境を記憶する手段と、
前記目標温度と前記検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、前記記憶した熱的環境を再現し、前記正常運転時の検出温度と、前記再現したときの検出温度とに基づいて、前記温度ずれを惹起した箇所を特定する手段と、
前記温度ずれの程度と前記特定した箇所とに応じて、前記温度ずれを相殺するように前記制御手段を調節する手段と、
を具備することを特徴とする熱処理装置。 - 被処理基板が載置される熱処理盤と、
前記熱処理盤を加熱するヒータと、
前記ヒータに電力を供給する電力供給系と、
前記熱処理盤の側面方向から気体を供給する気体供給系と、
前記熱処理盤の温度を検出するセンサと、
前記センサで検出した温度に基づいて、前記熱処理盤の温度が所定の目標温度になるように前記電力供給系の供給電力量を制御する制御手段と、
正常運転時の前記熱処理盤への供給電力量、気体流量、及び検出温度を記憶する手段と、
前記目標温度と前記検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、前記記憶した量の電力及び気体を供給する状態を再現し、前記正常運転時の検出温度と、前記再現したときの検出温度とに基づいて、前記温度ずれを惹起した箇所を特定する手段と、
を具備することを特徴とする熱処理装置。 - 被処理基板が載置される熱処理盤と、
前記熱処理盤を加熱するヒータと、
前記ヒータに電力を供給する電力供給系と、
前記熱処理盤の側面方向から気体を供給する気体供給系と、
前記熱処理盤の温度を検出するセンサと、
前記センサで検出した温度に基づいて、前記熱処理盤の温度が所定の目標温度になるように前記電力供給系の供給電力量を制御する制御手段と、
正常運転時の前記熱処理盤への供給電力量、気体流量、及び検出温度を記憶する手段と、
前記目標温度と前記検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、前記記憶した量の電力及び気体を供給する状態を再現し、前記正常運転時の検出温度と、前記再現したときの検出温度とに基づいて、前記温度ずれを惹起した箇所を特定する手段と、
前記温度ずれの程度と前記特定した箇所とに応じて、前記温度ずれを相殺するように前記制御手段を調節する手段と、
を具備することを特徴とする熱処理装置。 - 被処理基板が載置される熱処理盤と、
前記熱処理盤を加熱するヒータと、
前記ヒータに電力を供給する電力供給系と、
前記熱処理盤の側面方向から気体を供給する気体供給系と、
前記熱処理盤の温度を検出して電気信号に変換する第1センサと、
前記電気信号を増幅するアナログ回路と、
前記増幅された電気信号に基づいて、前記熱処理盤の温度が所定の目標温度になるように前記電力供給系の供給電力量を制御する制御手段と、
前記熱処理盤の温度を精密に検出する第2センサと、
正常運転時の前記熱処理盤の供給電力量、気体流量、前記第1センサの検出温度、及び前記第2センサの検出温度を記憶する手段と、
前記目標温度と前記第1センサの検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、前記記憶した量の電力及び気体を供給する状態を再現し、前記正常運転時の検出温度と、前記再現したときの検出温度とに基づいて、前記温度ずれを惹起した箇所を特定する手段と、
を具備することを特徴とする熱処理装置。 - 被処理基板が載置される熱処理盤と、
前記熱処理盤を加熱するヒータと、
前記ヒータに電力を供給する電力供給系と、
前記熱処理盤の側面方向から気体を供給する気体供給系と、
前記熱処理盤の温度を検出して電気信号に変換する第1センサと、
前記電気信号を増幅するアナログ回路と、
前記増幅された電気信号に基づいて、前記熱処理盤の温度が所定の目標温度になるように前記電力供給系の供給電力量を制御する制御手段と、
前記熱処理盤の温度を精密に検出する第2センサと、
正常運転時の前記熱処理盤の供給電力量、気体流量、前記第1センサの検出温度、及び前記第2センサの検出温度を記憶する手段と、
前記目標温度と前記第1センサの検出温度との間に温度ずれが生じた場合に、前記記憶した量の電力及び気体を供給する状態を再現し、前記正常運転時の検出温度と、前記再現したときの検出温度とに基づいて、前記温度ずれを惹起した箇所を特定する手段と、
前記温度ずれの程度と前記特定した箇所とに応じて、前記温度ずれを相殺するように前記アナログ回路又は制御手段を調節する手段と、
を具備することを特徴とする熱処理装置。 - 請求項1〜6に記載の熱処理装置であって、前記特定した箇所を表示する手段を更に具備することを特徴とする熱処理装置。
- 請求項1〜6に記載の熱処理装置であって、前記特定した箇所の修理又は交換が必要な場合に警告する手段を更に具備することを特徴とする熱処理装置。
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