JP3919546B2 - 酸化鉄粉 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話,パソコン,ビデオカメラ等の電子部品として使用されるチップインダクタのフェライト層を形成するNiCuZn系フェライト粉の原料となる酸化鉄粉に関する。
【0002】
【従来の技術】
チップインダクタは、磁性体であるフェライト層と導体である銀のパターンとを積層し、さらに焼結して製造される。チップインダクタのフェライト層を形成するフェライト粉としては、銀の融点(すなわち 961℃)より低い 900℃以下で焼結可能なNiCuZn系フェライト粉が用いられる。 特に、 900℃以下の低温で焼結を促進させるために、比表面積が6〜10m2 /g程度(粒径 0.1〜0.4 μm程度)の微細なNiCuZn系フェライト粉が広く用いられている。
【0003】
NiCuZn系フェライト粉は、酸化鉄粉,NiO粉,ZnO粉,CuO粉を混合した原料混合粉を 700〜900 ℃で仮焼し、得られたNiCuZn系フェライトの粗い粉体(以下、仮焼粉という)をさらに粉砕して製造する。
仮焼粉を粉砕するにあたって、長時間(たとえば十数時間)の粉砕を行なうと、仮焼粉の粒子が破壊されて、表面に凹凸を有するNiCuZn系フェライト粉となる。表面に凹凸を有するフェライト粉に溶媒を加え、ペーストとすると、流動性が低下するため、チップインダクタのフェライト層の形成が困難となる。そこで、仮焼粉の粒子の破壊を防止するために、短時間(たとえば数時間)で粉砕を行なう。粉砕を短時間で終了すると、不純物の混入を防止するという効果も得られる。
【0004】
原料混合粉に混合される酸化鉄粉,NiO粉,ZnO粉,CuO粉のうち、酸化鉄粉の混合比率が最も大きく、原料混合粉の約70質量%を占める。そのため酸化鉄の純度や粒度が、NiCuZn系フェライト粉の粒度分布や粒子形状に多大な影響を及ぼす。
たとえば酸化鉄粉に低融点の不純物が混入すると、原料混合粉を仮焼する過程で液相が生成し、粗大な仮焼粉(たとえば粒径1μm程度)が生じる。仮焼粉の粉砕は、前記した通り、短時間で行なうので、この粗大な仮焼粉は粉砕されず、粗大なNiCuZn系フェライト粉(たとえば粒径1μm程度)となって残留する。
【0005】
また粗大粒子が混入した酸化鉄粉を使用すると、原料混合粉を仮焼した後も粗大な仮焼粉となって残留する。これは、仮焼では、酸化鉄粉に他の成分が溶け込んでフェライト化反応が進行するので、酸化鉄粉の形状はほとんど変化しないからである。仮焼粉の粉砕は短時間で行なうので、この粗大な仮焼粉(たとえば粒径1μm程度)は粉砕されず、粗大なNiCuZn系フェライト粉(たとえば粒径1μm程度)となって残留する。
【0006】
これらの粗大なNiCuZn系フェライト粉は、チップインダクタの焼結(すなわち低温焼結)の促進を阻害し、得られた焼結体の密度は低くなる。このため、比抵抗や初透磁率が低下し、 チップインダクタの特性が損なわれる。
このようにチップインダクタで用いるNiCuZn系フェライト粉を製造するにあたって、原料となる酸化鉄粉の純度や粒度の選定は極めて重要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題を解決し、粗大粒子を含まないNiCuZn系フェライト粉を得るための原料として最適な酸化鉄粉を提供することを目的とし、詳しくは、仮焼粉を短時間で粉砕しても、粗大粒子を含まず、 かつ比表面積が6〜10m2 /gのNiCuZn系フェライト粉を製造できる酸化鉄粉を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
通常、NiCuZn系フェライト粉の原料となる酸化鉄粉は、鋼材の酸洗設備で発生する廃酸から製造するので、不可避的に 0.2質量%程度のMnを含有する。一方、NiCuZn系フェライト粉にMnOを 0.3質量%程度添加すると、電気抵抗を高める効果があることが知られている。
【0009】
そこで酸化鉄粉に不可避的に混入するMnOの含有量を維持し、かつ粗大な粒子を含まず、微細なNiCuZn系フェライト粉(比表面積6〜10m2 /g程度)を得るための条件を検討した。その結果、酸化鉄粉のMnO含有量が 600〜5000質量ppm の範囲内で、かつB2 3 含有量がB換算で8質量ppm 以下であれば、粗大な粒子を含まず、 微細なNiCuZn系フェライト粉が得られることが分かった。
【0010】
すなわち本発明は、チップインダクタ用NiCuZn系フェライト粉の原料として用いる酸化鉄粉であって、B2 3 の含有量がB換算で8質量ppm 以下、MnOの含有量が 600〜5000質量ppm であり、かつ比表面積が6〜60m2 /gである酸化鉄粉である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明では、酸化鉄粉の製造方法は特定の技術に限定しない。たとえば塩化第1鉄溶液およびアルカリ溶液を混合し、さらに塩化第2鉄を添加した後、所定の温度とpHに調整(すなわち中和)することによって、 Fe34 粉が得られる。 これを脱塩,乾燥,解砕して Fe34 粉とし、さらに 150〜600 ℃で加熱酸化してγ− Fe23 単相,α− Fe23 単相またはγ− Fe23 とα− Fe23 の混合相よりなる酸化鉄粉を得ることができる。
【0012】
その他にも酸化鉄粉を得る方法として、α−FeOOHを合成し、さらに加熱酸化する方法、湿式でα− Fe23 を合成する方法、あるいは噴霧焙焼法等の従来から知られている技術を使用できる。
このようにして得られた酸化鉄粉を必要に応じて分級して、比表面積が6〜60m2 /gの酸化鉄粉を選別する。酸化鉄粉の比表面積が6m2 /g未満では、NiCuZn系フェライト粉も6m2 /g未満の粒子が多量に発生する。 また原料混合粉を仮焼する昇温段階で局所的に粒成長が起こり、粗大な仮焼粉やNiCuZn系フェライト粉が生じる。その結果、比表面積が6〜10m2 /gのNiCuZn系フェライト粉を製造するのが困難になる。
【0013】
一方、酸化鉄粉の比表面積が60m2 /gを超えると、凝集しやすくなり、粗大な仮焼粉が生じる。その結果、そのNiCuZn系フェライト粉を用いて製造したチップインダクタの特性を損なう原因になる。したがって、粗大な粒子を含まず、 しかも微細なNiCuZn系フェライト粉(比表面積6〜10m2 /g)を得るためには、酸化鉄粉の比表面積は6〜60m2 /gの範囲内を満足する必要がある。なお酸化鉄粉の比表面積は、好ましくは10〜40m2 /gである。
【0014】
また、酸化鉄粉のMnO含有量が 600質量ppm 未満では、その酸化鉄を混合した原料混合粉から得られたNiCuZn系フェライト粉を用いて製造したチップインダクタのフェライト層の電気抵抗を高める効果が期待できない。一方、MnO含有量が5000質量ppm を超えると、その酸化鉄を混合した原料混合粉から得られたNiCuZn系フェライト粉を用いて製造したチップインダクタのフェライト層の粒界にMn酸化物が析出して、磁気特性が損なわれる。したがって、酸化鉄粉のMnO含有量は 600〜5000質量ppm の範囲内を満足する必要がある。なお、好ましくは1000〜3500質量ppm である。
【0015】
酸化鉄粉のB2 3 含有量がB換算で8質量ppm を超えると、その酸化鉄を混合した原料混合粉から得られたNiCuZn系フェライト粉の粒度が不均一になり、チップインダクタのフェライト層の磁気特性が損なわれる。したがって、酸化鉄粉のB2 3 含有量はB換算で8質量ppm 以下とする。なお、好ましくは1〜5質量ppm である。
【0016】
本発明の酸化鉄粉を用いた原料混合粉の仮焼を低温で行なうことによって、粗大な粒子を含まないNiCuZn系フェライト粉が得られる理由は、未だ明確ではないが、以下のような機構によるものと考えられる。
すなわち、B2 3 は 450〜600 ℃程度の温度域に融点を持つので、通常の仮焼温度(約 700〜900 ℃)で仮焼を行なう場合には、昇温過程で液相を生じ、仮焼の進行中に局所的に粒成長が起こり、その結果、粗大なNiCuZn系フェライト粉が生じる。 しかし、MnOとB2 3 が共存すると 750℃程度から液相を生じる(Phase Diagrams for Ceramists (1964), Fig.276 )。その結果、低温での仮焼工程では局所的な粒成長が抑制され、粗大なNiCuZn系フェライト粉の発生を防止できる。
【0017】
MnZnフェライトの微細構造や磁気特性に及ぼす原料中のBの影響については、これまでいくつかの検討がなされているが、本発明とは組成および仮焼温度が異なっている。たとえば文献「フェライト」(平賀ら,丸善,1986)の47頁には「B2 3 は微量で粒成長を著しく促進」 ,92頁には「Bは結晶組織を均一にして、高透磁率の発現を阻害」する旨が記載され、50ppm 以下にしておかなければならないと記載されている。このようにMnZnフェライトに関しては、B含有量を低減することで良好な微細組織および磁気特性が得られることが示されている。 しかし文献に記載されている通り、これらは焼成温度1200〜1400℃の高温域でMnZnフェライトを焼成した場合に有効な方法であり、 750℃以下の低温で仮焼し、かつ 900℃以下の低温で焼成することを前提としたチップインダクタ用NiCuZn系フェライト粉の製造条件とは異なるものである。
【0018】
また、特開平3-163802号公報には、Mn−Zn系フェライトにBを微量添加することによって、鉄損を低減する技術が開示されている。しかし特開平3-163802号公報には、原料である酸化鉄粉中に所定量のBとMnOを含有させる旨の記載はない。
特開2000-277318 号公報には、MnZn系フェライトにBを微量添加することによって、初透磁率を改善する技術が開示されている。しかし特開2000-277318 号公報には、粗大なNiCuZn系フェライト粉の生成を防止するために、原料である酸化鉄粉中に所定量のBとMnOを含有させる旨の記載はない。
【0019】
以上のように本発明の酸化鉄粉を用いれば、他の原料(すなわちNiO粉,ZnO粉,CuO粉)と混合した原料混合粉を 750℃以下で仮焼した後、仮焼粉を粉砕することによって、フェライト化率が90%以上、かつ微細で均一なNiCuZn系フェライト粉が得られる。しかもこの粉砕は短時間で、チップインダクタに用いるに好適な比表面積6〜10m2 /gのNiCuZn系フェライト粉が得られる。 このNiCuZn系フェライト粉を用いて製造したチップインダクタのフェライト層は、 900℃程度の焼結温度で 5.1g/cm3 以上(真密度の95%以上)の焼結密度が得られる。
【0020】
なお本発明の酸化鉄粉は、通常の鋼材の酸洗廃酸に不可避的に含まれるSiO2 ,Ca,Al,Cr,Ni,Mg,Cu,Ti等の金属成分に由来する不純物および酸化鉄生成後にも少量残留する0.15質量%以下のClを含有してもよい。
【0021】
【実施例】
(実施例1)
B含有量の高い鋼板を塩酸に溶かし、Bを含有する塩化第一鉄溶液を作製した。次に試薬の塩化第一鉄溶液,塩化第二鉄溶液および上記のBを含有する塩化第一鉄溶液の混合溶液を苛性ソーダで中和し、温度85℃,pH 8.5±0.2 に保持しながら、空気を通気して酸化を行ない、 Fe34 粒子を合成した。反応が終了した後、脱塩,ろ過,乾燥,解砕して Fe34 乾燥粉を得た。引き続き、 480℃で加熱酸化してBを含有するα− Fe23 粒子を得た。 Bを含有する塩化第一鉄溶液と試薬の塩化第一鉄溶液の比率を変えることによって表1に示すB含有量の異なるα− Fe23 粒子を得た。各試料のMnO含有量は1000質量ppm ,比表面積は15m2 /gであった。
【0022】
【表1】
Figure 0003919546
【0023】
発明例1〜3は、B含有量が本発明の範囲を満足する例であり、比較例1は、B含有量が本発明の範囲を外れる例である。
表1に示した各酸化鉄粉とNiO粉,ZnO粉,CuO粉を、混合比率が Fe23 :NiO:ZnO:CuO=49:9:30:12( mol%)となるように秤量し、得られた原料混合粉を所定の温度で2時間仮焼した。仮焼が終了した後、X線解析で仮焼粉の相構成を測定し、スピネル相のピーク強度比を求めた。次に仮焼温度を変えて、2時間仮焼し、スピネル相のピーク強度比を求め、 仮焼温度とスピネル相のピーク強度比の関係を求めた。この関係からスピネル相のピーク強度比が90%となる温度をフェライト化温度とした。このフェライト化温度で原料混合粉を2時間仮焼した後、仮焼粉を湿式ボールミルで2時間粉砕し、乾燥,整粒してNiCuZn系フェライト粉を得た。 次にNiCuZn系フェライト粉にPVAを添加して造粒し、リングを成形して大気中 900℃で3時間焼結した。得られた焼結体の寸法,重量を測定し、焼結密度を算出した。その結果は表1に示す通りである。
【0024】
なお表1において、酸化鉄粉のB含有量,MnO含有量,比表面積は、それぞれICP,けい光X線,BET法で測定した。
なお原料混合粉を仮焼し、得られた仮焼粉を粉砕して得られるNiCuZn系フェライト粉の粗大粒子はSEM(いわゆる走査型電子顕微鏡)観察で確認することができる。つまり 10000倍程度の倍率で観察すると、粗大粒子を含むNiCuZn系フェライト粉では、周囲の粒子(粒径0.05〜0.4 μm程度)より明らかに粗い粒子(粒径1μm程度)が1〜3視野に1個程度観察される。ランダムに10視野SEM観察し、粗大粒子がないものを○,1〜3視野に1個程度存在するものを△,1視野に1個以上存在するものを×とした。
【0025】
表1から明らかなように、発明例1〜3では、仮焼粉に粗大粒は含まれず、比表面積が6〜10m2 /gの粒度分布の均一なNiCuZn系フェライト粉が得られた。さらに、この発明例1〜3のNiCuZn系フェライト粉を 900℃で焼結すると、 5.1g/cm3 以上の焼結密度が得られた。またB含有量が多いもの(比較例1)は、仮焼粉,NiCuZn系フェライト粉中に粗大粒子が存在する。 このため、焼結体の密度が低く、特性も悪い。
【0026】
(実施例2)
B含有量の高い鋼板を塩酸に溶かし、Bを含有する塩化第一鉄溶液を作製した。次に試薬の塩化第一鉄溶液,塩化第二鉄溶液,上記のBを含有する塩化第一鉄溶液および塩化マンガンの混合溶液を苛性ソーダで中和し、温度75℃,pH 9.8±0.2 に保持しながら、空気を通気して酸化を行ない、 Fe34 粒子を合成した。反応が終了した後、脱塩,ろ過,乾燥,解砕して Fe34 乾燥粉を得た。引き続き、 500℃で加熱酸化してBおよびMnOを含有するα− Fe23 粒子を得た。 Bを含有する塩化第一鉄溶液と試薬の塩化第一鉄溶液の比率を変えることによって表2に示すB含有量およびMnO含有量の異なるα− Fe23 粒子を得た。
【0027】
発明例4〜7は、MnO含有量が本発明の範囲を満足する例であり、比較例2〜4は、MnO含有量が本発明の範囲を外れる例である。
【0028】
【表2】
Figure 0003919546
【0029】
原料混合粉を仮焼してNiCuZn系フェライト粉を得る工程は実施例1と同じであるから説明を省略する。
表2から明らかなように、発明例4〜7では、仮焼粉に粗大粒は含まれず、比表面積が6〜10m2 /gの粒度分布の均一なNiCuZn系フェライト粉が得られた。さらに、この発明例4〜7のNiCuZn系フェライト粉を 900℃で焼結すると、 5.1g/cm3 以上の焼結密度が得られた。
【0030】
MnOが少ない例(比較例2)は、粗大粒子は存在しないが、比抵抗が低い。MnOが多い例(比較例3),MnOとOがともに多い例(比較例4)は、粗大粒子が存在し、焼結密度も低く、 特性も悪い。
(実施例3)
表2に示した発明例5と同じ条件で得た Fe34 乾燥粉を 180〜600 ℃で加熱酸化して表3に示す比表面積を有するα− Fe23 粒子,γ− Fe23 粒子あるいはα− Fe23 粒子とγ− Fe23 粒子との混合物からなる酸化鉄粉を得た。 B含有量,MnO含有量は、発明例5と同等のB:5質量ppm ,MnO含有量:1490質量ppm であった。
【0031】
この酸化鉄粉とNiO粉,ZnO粉,CuO粉を混合して、得られた原料混合粉を仮焼した後、NiCuZn系フェライト粉を得るまでの工程は実施例1と同じであるから説明を省略する。
発明例8〜12は、比表面積が本発明の範囲を満足する例であり、比較例5,6は、比表面積が本発明の範囲を外れる例である。
【0032】
【表3】
Figure 0003919546
【0033】
表3から明らかなように、発明例8〜12では、仮焼後の仮焼粉に粗大粒子は含まれず、比表面積が6〜10m2 /gの粒度分布の均一なNiCuZn系フェライト粉が得られた。さらに、この発明例8〜12のNiCuZn系フェライト粉を 900℃で焼結すると、 5.1g/cm3 以上の焼結密度が得られた。
酸化鉄粉の比表面積が本発明の範囲を外れる場合は、粗大な粒子が存在する。
【0034】
【発明の効果】
本発明の酸化鉄粉を混合した原料混合粉から得られたNiCuZn系フェライト粉を用いてチップインブクタを製造するにあたって、 750℃以下の低温で原料混合粉の仮焼を行なうことによって粗大な粒子を含まない仮焼粉が得られ、その仮焼粉を短時間で粉砕を行なうことによって丸みを帯びた比表面積6〜10m2 /gのNiCuZn系フェライト粉が得られ、さらにこのNiCuZn系フェライト粉を用いて作製したチップインブクタを 900℃以下で低温焼結を行なうことによって焼結密度が 5.1g/cm3 以上の高い磁気特性のフェライト層を得ることができる。

Claims (1)

  1. チップインダクタ用NiCuZn系フェライト粉の原料として用いる酸化鉄粉であって、B2 3 の含有量がB換算で8質量ppm 以下、MnOの含有量が 600〜5000質量ppm であり、かつ比表面積が6〜60m2 /gであることを特徴とする酸化鉄粉。
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