JP3919491B2 - 農産物の品質計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、計測対象箇所に位置する被計測物に光を照射する投光手段と、前記被計測物を透過した光又は反射した光を計測対象光として、それを分光する分光手段と、この分光手段にて分光した計測対象光を受光して分光スペクトルデータを得る電荷蓄積式の受光センサと、前記分光スペクトルデータに基づいて前記被計測物の内部品質を解析する演算手段と、各部の動作を制御する制御手段とを備えて構成されている農産物の品質計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構成の農産物の品質計測装置は、青果物その他の農産物における内部品質、例えば、糖度や酸度等の内部品質を非破壊状態で計測するためのものである。そして、このような農産物の品質計測装置において、従来では、特開平7−229840号公報に示されるように、ハロゲンランプなどからなる投光手段にて被計測物に光を投射し、被計測物を透過した光を、分光手段としての凹面回折格子にて分光した後、複数の光電変換素子等からなる受光素子をアレイ状に並べた電荷蓄積型の受光センサにて受光するよう構成され、且つ、その受光センサにて計測される分光スペクトルデータに基づいて、例えば青果物等の被計測物の内部品質を解析するように構成され、内部品質を計測するのに適した適正な電荷蓄積量となるように、例えば被計測物の大きさに応じて、分光スペクトルデータを計測するときの電荷蓄積時間を変更調整するよう構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成では、被計測物の内部品質を計測するのに適した電荷蓄積量を得るための構成として、受光センサの電荷蓄積時間を変更させる構成となっていることから、次のような不利があり、未だ改善の余地があった。
【0004】
すなわち、上記したような電荷蓄積型の受光センサは、上述したごとく光電変換素子にて受光した光の情報を電気信号に変換して、その変換された電気信号にて発生した電荷を前記電荷蓄積時間が経過する間だけ蓄積しておいて、その後、蓄積した電荷の情報を外部に送り出す構成となっているものが一般的であるが、このような構成の受光センサにおいては、計測対象光が入射していない状態においても暗電流が出力されるものである。
【0005】
このような暗電流は、受光センサの温度の変動等によってその大きさが変化することになるが、上記従来構成のように電荷蓄積時間が変動するものでは、それに伴って受光センサの温度も変動することになるので、前記電荷蓄積時間が変化すると暗電流の大きさもそれに伴って変化すると考えられる。
【0006】
ところで、このような受光センサにより得られる分光スペクトルデータは、分光手段にて分光した計測対象光を受光して得られた各波長毎の受光量に対応するものであるが、この受光量は、暗電流に対して、実際に受光した光量に対応して光電変換された電気信号が付加されたものであり、受光量が同じであっても暗電流が変動すると分光スペクトルデータも変動することになる。
その結果、前記受光センサにより得られた分光スペクトルデータに基づいて被計測物の内部品質を計測する場合に、被計測物の大きさ等に応じて前記電荷蓄積時間が変化すると暗電流の大きさもそれに伴って変化してしまい、被計測物の内部品質を精度よく計測できないものとなる不利があった。
【0007】
尚、被計測物に対する計測処理に先立って上記したような暗電流を予め計測しておいて、前記演算手段によって、受光センサによって被計測物に対する計測処理にて得られた分光スペクトルデータを暗電流に基づいて正規化して、その正規化したデータに基づいて、前記被計測物の内部品質を解析するようにすることも考えられるが、このように構成しても、上記従来構成のように、電荷蓄積時間が変動するものであればそれに伴って暗電流の大きさも変動するので、そのことに起因して分光スペクトルデータが変動して、被計測物の内部品質を精度よく計測することができないものとなっていた。
【0008】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、被計測物の内部品質を計測するのに適した電荷蓄積量を得ることができるようにしながら、暗電流の変動を極力少なくして精度よく内部品質を計測することが可能となる農産物の品質計測装置を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1によれば、計測対象箇所に位置する被計測物に光を照射する投光手段と、前記被計測物を透過した光又は反射した光を計測対象光として、それを分光する分光手段と、この分光手段にて分光した計測対象光を受光して分光スペクトルデータを得る電荷蓄積式の受光センサと、前記分光スペクトルデータに基づいて前記被計測物の内部品質を解析する演算手段と、各部の動作を制御する制御手段とを備えて構成されている農産物の品質計測装置において、前記計測対象光が前記受光センサにて受光されることを許容する開放状態と、前記計測対象光が前記受光センサにて受光されることを阻止する遮蔽状態とに切り換え自在な入射状態切換手段が備えられ、前記制御手段が、前記分光した光を受光して電荷蓄積動作を設定時間実行する電荷蓄積処理と、蓄積した電荷を送り出す送出処理とを設定周期で繰り返すように、前記受光センサの動作を制御するよう構成され、且つ、前記受光センサが前記電荷蓄積処理を行う状態において、前記遮蔽状態から前記開放状態に切り換えてその開放状態を開放維持時間が経過する間維持した後に前記遮蔽状態に戻すように前記入射状態切換手段の動作を制御するよう構成され、前記開放維持時間を変更調整自在に構成され、複数の被計測物が、搬送手段により前記計測対象箇所を順次通過するように所定間隔をあけて搬送されるように構成され、前記被計測物が前記計測対象箇所を通過する周期を検出する搬送周期検出手段が備えられ、前記制御手段は、前記搬送周期検出手段にて検出される周期に同期させて、前記電荷蓄積処理と前記送出処理とを繰り返すように、前記受光センサの動作を制御するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
すなわち、受光センサは、前記電荷蓄積処理と前記送出処理とを設定周期で繰り返すように制御手段によりその動作が制御されることになる。つまり、前記電荷蓄積処理においては、受光センサは分光手段によって分光された計測対象光を受光して電荷蓄積動作を実行するのであるが、その電荷蓄積動作は設定時間の間だけ実行し、その後の送出処理によって、電荷蓄積処理にて蓄積した電荷を受光センサの外部に送り出すことになる。そして、このような処理を設定周期毎に繰り返し実行するのである。
【0011】
又、制御手段は、受光センサが前記電荷蓄積処理を行う状態において、前記入射状態切換手段を、前記遮蔽状態から前記開放状態に切り換えてその開放状態を開放維持時間が経過する間維持した後に前記遮蔽状態に戻すように、その動作を制御することになる。前記遮蔽状態においては、前記計測対象光が前記受光センサに入射することが阻止されるので受光センサには光が入らない。又、前記開放状態においては、前記計測対象光が前記受光センサに入射することが許容されるから、前記分光手段にて分光した光が受光センサにて受光されて、電荷蓄積処理が行われることになる。そして、前記開放状態が維持される前記開放維持時間を変更調整することができるようになっている。
【0012】
そこで、光の透過率や反射率が互いに異なると考えられる被計測物の性状の違い、例えば、大きさや品種の違いに応じて、内部品質を計測するのに適した電荷蓄積量を得ることができるように、受光センサに計測対象光が入射するときの電荷蓄積量を変更させる必要がある場合には、前記開放維持時間を変更調整することによって電荷蓄積時間を変更させることが可能となる。
しかも、受光センサが前記電荷蓄積動作を実行する時間は一定であるから、受光センサの温度の変動を抑制することができ、暗電流の大きさも変動の少ない状態に抑制することができる。
【0013】
従って、被計測物の内部品質を計測するのに適した電荷蓄積量を得ることができるようにしながら、暗電流の変動を極力少なくして精度よく内部品質を計測することが可能となる農産物の品質計測装置を提供できるに至った。しかも、被計測物が搬送手段により計測対象箇所を順次通過するように所定間隔をあけて搬送される場合、被計測物が計測対象箇所を通過する周期を検出して、その周期に同期させて受光センサが前記電荷蓄積処理と前記送出処理とを繰り返すように制御が行われるので、常に、被計測物が計測対象箇所を通過する適切なタイミングで電荷蓄積処理を繰り返し行うことができる。
【0014】
請求項2によれば、請求項1において、前記分光手段及び前記受光センサが暗箱の内部に配置され、その暗箱に形成された入光口を通して前記計測対象光を導入するように構成され、且つ、前記被計測物から得られる前記計測対象光を集光して前記入光口に導く集光手段が設けられ、前記入射状態切換手段が、前記入光口に近接する状態で設けられていることを特徴とする。
【0015】
すなわち、被計測物から得られる計測対象光が集光手段によって集光される状態で暗箱に形成された入光口に導かれるので、入光口は極力小さいもので済ませることができ、分光手段や受光センサが配置される暗箱内に外部からの余計な光が入り難いものにできる。そして、入射状態切換手段は、 入光口に近接する状態で設けられるので、遮蔽状態に切り換えるときは、分光手段に対する入光口に相当する狭い領域を閉塞させるだけでよく、移動量を少なくしてしかもコンパクトな形状のものでよく、しかも、移動体を移動させて開放状態と遮蔽状態とを切り換える構成であれば移動を迅速に行える等、簡単な構成で対応できる利点があり、請求項1を実施するのに好適な手段が得られる。
【0016】
請求項3によれば、請求項1又は2において、前記被計測物の品種の違いに応じて、前記開放維持時間の変更を指令する人為操作式の変更指令手段が備えられていることを特徴とする。
【0017】
このように被計測物の品種の違いに応じて前記開放維持時間を変更調整することによって、適切な電荷蓄積量にて被計測物の内部品質情報を計測することができるのである。例えば、青果物等の農産物においては、光の透過率や反射率等の光学的特性は被計測物の大きさによって差が大きいとは言えず、例えば、皮の厚さの違い等、農作物の品種の違いに応じて差が大きいものであり、被計測物の品種の違いに応じて前記開放維持時間を変更調整することで、内部品質を計測するのに適した電荷蓄積量に合わせやすいものとなり、請求項1又は2を実施するのに好適な手段が得られる。
【0020】
請求項によれば、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記被計測物の前記計測対象箇所への到達に伴う前記計測対象光の変化を受光量の変化として検出する受光量検出手段が備えられ、前記制御手段が、前記受光量検出手段にて検出される前記受光量の変化に基づいて、前記入射状態切換手段の切換え作動を制御するように構成されていることを特徴とする。
【0021】
すなわち、受光量検出手段によって、被計測物の計測対象箇所への到達に伴う計測対象光の変化が検出され、その検出結果に基づいて入射状態切換手段の切換え作動を制御するので、分光手段にて分光したのち受光センサにて直接検出することになる計測対象光の変化に対応させて入射状態切換手段の切換作動を制御するので、適切なタイミングで入射状態切換手段を切り換えることが可能となる。
説明を加えると、上記したような構成に代えて、例えば、入射状態切換手段の切り換えを単なる時間管理によって行うような構成であれば、被計測物が未だ到達していない状態で入射状態切換手段を誤って切り換えてしまい、投光手段からの光が直接受光センサに入射するといった不都合を起こすおそれがあるが、上記構成によれば、このような不利を確実に回避して、適切なタイミングで切り換えることが可能となり、請求項1〜3のいずれかを実施するのに好適な手段が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る農作物の品質計測装置について、被計測物として例えばミカンの内部品質情報、つまり、糖度や酸度等を計測する構成に適用した場合について図面に基づいて説明する。
【0023】
図1に示すように、品質計測装置は、搬送コンベア6によって被計測箇所に順次搬送される被計測物M(ミカン)に光を照射する投光手段としての投光部11と、被計測物Mを透過した光を計測対象光として、その計測対象光を分光してその分光した計測対象光を受光して分光スペクトルデータを得る受光部12と、分光スペクトルデータに基づいて被計測物の内部品質を解析する演算処理や、各部の動作を制御する動作制御処理等を実行する制御部13等を備えて構成され、被計測物Mは、搬送手段としての搬送コンベア6により設定速度で一列で縦列状に載置搬送されて計測対象箇所を順次、通過していくように構成されている。そして、計測対象箇所に位置する被計測物Mに対して、投光部11から投射した光が被計測物Mを透過した後に受光部12にて受光される状態で、投光部11と受光部12とが、計測対象箇所の左右両側箇所に振り分けて配置されている。
【0024】
次に、各部の構成について説明する。
前記投光部11は、ハロゲンランプ14と、このハロゲンランプ14から発光される光を集光させるように下方側に向けて反射させる凹面形状の反射板15とが備えられるとともに、その反射板15による反射光を反射して計測対象箇所に位置する被計測物Mに向けて横向きに変更する反射鏡16が設けられている。
【0025】
前記受光部12は、被計測物Mを透過した計測対象光を集光する集光手段としての集光レンズ17、集光レンズ17を通過した光のうち後述するような計測対象の波長領域(600nm〜1000nm)の範囲の光だけを上向きに反射し、それ以外の波長の光をそのまま通過させるバンドパスミラー18、このバンドパスミラー18により上向きに反射された計測対象光をそのまま通過させる開放状態と、前記計測対象光の通過を阻止する遮蔽状態とに切り換え自在な入射状態切換手段としてのシャッター機構19、開放状態のシャッター機構19を通過した光が入射されると、その光を分光して前記分光スペクトルデータを計測する分光器20、バンドパスミラー18をそのまま直進状態で通過した光の光量を検出する受光量検出手段としての光量検出センサ21等を備えて構成されている。
【0026】
前記分光器20は、図2に示すように、入光口22から入射した計測対象光を反射する反射鏡23と、反射された計測対象光を複数の波長の光に分光する分光手段としての凹面回折格子24と、凹面回折格子24によって分光された計測対象光における各波長毎の光強度を検出することにより分光スペクトルデータを計測する受光センサ25とが、外部からの光を遮光する遮光性材料からなる暗箱26内に配置される構成となっている。前記受光センサ25は、凹面回折格子24にて分光反射された光を同時に各波長毎に受光するとともに波長毎の信号に変換して出力する、1024ビットのMOS型ラインセンサにて構成されている。このラインセンサは、詳述はしないが、各単位画素毎にフォトダイオード等の光電変換素子と、その光電変換素子にて得られた電荷を蓄積するコンデンサ、及び、その蓄積電荷を外部に出力させるための駆動回路等を内装して構成されている。尚、コンデンサによる電荷蓄積時間は、外部から駆動回路を介して変更させることができるようになっている。
【0027】
前記シャッター機構19は、図3に示すように、放射状に複数のスリット27が形成された円板28を、パルスモータ29によって縦軸芯周りで回転操作される状態で備えて構成され、前記暗箱26の入光口22には前記各スリット27が上下に重なると光を通過させる開放状態となり、スリット27の位置がずれると光を遮断する遮断状態となるように、スリット27とほぼ同じ形状の透過孔30が形成されており、光の漏洩がないように暗箱の入光口22に対して円板28を密接状態で摺動する状態で配備して構成されている。すなわち、このシャッター機構19は分光手段としての凹面回折格子24に対する入光口22に近接する状態で設けられている。
【0028】
前記投光部11及び受光部12は、被計測物Mが通過する計測対象箇所の上方側を迂回するように設けられた枠体31によって一体的に支持される状態で設けられ、この枠体31は、上下調節機構32によって搬送コンベア6に対してその全体の上下方向の位置を変更調節することができるようになっている。上下調節機構32については、詳述はしないが、固定部33に対して位置固定状態で設置され、電動モータ34にて駆動されるネジ送り機構35によって上下に移動させることができるようになっている。そして、前記搬送コンベア6における被計測物Mの通過箇所の上方側に位置させて、前記固定部33にて位置固定される状態で基準体の一例であるリファレンスフィルター36が設けられている。このリファレンスフィルター36は、所定の吸光度特性を有する光学フィルターで構成され、具体的には、オパールガラスを用いて構成されている。
【0029】
そして、前記枠体31の全体を上下方向に位置調節することによって、図4(イ)に示すように、投光部11からの光が搬送コンベア6に載置される被計測物Mを透過した後に受光部12にて受光される通常計測状態と、図4(ロ)に示すように、各投光部11からの光が前記リファレンスフィルター36を透過した後に受光部12にて受光されるリファレンス計測状態とに切り換えることができるように構成されている。
【0030】
そして、前記搬送コンベア6は無端回動チェーン6aに設定間隔をあけて被計測物載置用のバケット6bを取付けて回動駆動する構成となっており、図7に示すように、搬送コンベア6による前記計測対象箇所の搬送方向上手側箇所には、前記バケット6bの中心位置が通過する毎に検出信号を出力する光学式の通過センサ39が備えられている。すなわち、この通過センサ39は、被計測物が計測対象箇所を通過する周期を検出する搬送周期検出手段として機能することになる。
【0031】
前記制御部13は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、図5に示すように、受光部12によって得られる分光スペクトルデータに基づいて被計測物の内部品質を解析する演算手段100や、各部の動作を制御する制御手段としての動作制御手段101が夫々制御プログラム形式で備えられる構成となっている。
つまり、後述するような公知技術である分光分析手法を用いて被計測物Mの内部品質を解析する演算処理を実行するとともに、シャッター機構19の開閉動作、上下調節機構32の動作、及び、受光センサ25の動作の管理等の各部の動作を制御する構成となっている。
【0032】
次に、動作制御手段101による制御動作について説明する。
動作制御手段101は、被計測物Mに対する通常の計測に先立って、投光部11からの光を被計測物Mに代えて前記リファレンスフィルター36に照射して、そのリファレンスフィルター36からの透過光を分光してその分光した光を受光して得られた分光スペクトルデータを基準データとして求める基準データ計測モードと、搬送コンベア6により搬送される被計測物Mに対して、投光部11から光を照射して分光スペクトルデータを得て、この分光スペクトルデータと前記基準データとに基づいて、被計測物Mの内部品質を解析する通常データ計測モードとに切り換え自在に構成されている。
【0033】
詳述すると、前記基準データ計測モードにおいては、搬送コンベア6による被計測物Mの搬送を停止させている状態で、上下調節機構32を操作して前記枠体31を前記リファレンス計測状態に切り換える。そして、前記シャッター機構19を開放状態に切り換えて、投光部11からの光を被計測物Mに代えて前記リファレンスフィルター36に照射して、そのリファレンスフィルター36からの透過光を、受光部12において分光するとともにその分光した光を受光して得られた分光スペクトルデータを基準データとして計測する。
【0034】
そして、前記基準データ計測モードにおいては、受光部12への光が遮断された無光状態での受光センサ25の検出値(暗電流データ)も計測される。すなわち、前記受光部12のシャッター機構19を遮蔽状態に切り換えて、そのときの受光センサ25の単位画素毎における検出値を暗電流データとして求めるようにしている。尚、このときの受光センサ25の電荷蓄積時間は、後述するような通常データ計測モードにおける電荷蓄積時間と同じなるように予め設定されている。
【0035】
次に、通常データ計測モードにおける制御動作について説明する。
この通常データ計測モードにおいては、上下調節機構32を操作して枠体31を通常計測状態に切り換えて、搬送コンベア6による被計測物Mの搬送を行う。そして、前記通過センサ39による検出情報に基づいて、被計測物が前記計測対象箇所を通過する周期を検出し、その周期に同期させる状態で、分光した光を受光して電荷蓄積動作を設定時間実行する電荷蓄積処理と、蓄積した電荷を送り出す送出処理とを設定周期で繰り返すように、受光センサ25の動作を制御する。つまり、図7に示すように、各被計測物Mが計測対象箇所を通過すると予測される時間帯において、受光センサ25が設定時間T1だけ電荷蓄積処理を実行し、被計測物Mが計測対象箇所に存在しないと予測される各被計測物M同士の中間位置付近が計測対象箇所に位置するようなタイミングで、設定時間T2だけ、蓄積した電荷を送り出す送出処理を実行するように、受光センサ25の動作を制御する。従って、この計測装置では、受光センサ25による電荷蓄積時間は常に一定で動作する構成となっている。尚、1秒間に7個づつ被計測物が通過するような処理能力とした場合には、電荷蓄積処理を実行する設定時間T1は、約140msec程度になる。
【0036】
そして、動作制御手段101は、受光センサ25が前記電荷蓄積処理を行う状態において、受光センサ25が電荷蓄積処理を行う状態において、遮蔽状態から開放状態に切り換えてその開放状態を開放維持時間Txが経過する間維持した後に遮蔽状態に戻すように、シャッター機構19の動作を制御するよう構成され、変更指令情報に基づいて、前記開放維持時間Txを変更調整するように構成されている。
この開放維持時間Txは、被計測物の品種の違いに応じて変更させる構成となっている。説明を加えると、例えば、温州ミカンであれは光が比較的透過しやすいので比較的短い時間(10msec程度)に設定し、伊予柑であれば光が透過し難いので長めの時間(30msec程度)に設定する。
このような品種の違いによる動作条件の設定は、作業員が人為的に行う構成となっている。つまり、図5に示すように、品種の違いに応じて設定位置を人為的に切り換える人為操作式の変更指令手段としての切換操作具40が設けられ、この切換操作具40の設定情報が制御部13に入力され、制御部13はその設定情報に従って開放維持時間Txを変更調整する構成となっている。
【0037】
又、動作制御手段101は、前記光量検出センサ21にて検出される受光量、すなわち、被計測物の光透過量の実測値の変化に基づいて、被計測物が計測対象箇所に到達したか否かを検出するようになっており、被計測物が到達したことを検出するとシャッター機構19を開放状態に切り換え、前記開放維持時間Txだけ開放状態を維持した後に、シャッター機構19を遮蔽状態に切り換えて計測処理を終了する構成となっている。
具体的に説明すると、図8に前記光量検出センサ21の検出値の時間経過に伴う変化状態を示している。被計測物が到達するまでは投光部11から投射される光によってほぼ最大値が出力されているが、被計測物Mが計測箇所に至ると計測用光が遮られて光量検出センサの検出値(受光量)が減少し始めて検出値が予め設定した設定値以下にまで減少したとき(t1)に、被計測物が計測箇所に到達したものと判断して、その時点から設定時間が経過したとき(t2)に、シャッター機構19を開放状態に切り換える。そして、前記開放維持時間Txだけ開放状態を維持した後に、シャッター機構19を遮蔽状態に切り換えるのである。
【0038】
そして、前記演算手段100は、このようにして得られた各種データに基づいて公知技術である分光分析手法を用いて被計測物Mの内部品質を解析する演算処理を実行するように構成されている。
つまり、上述したようにして得られた分光スペクトルデータを、前記基準データ計測モードにて得られた前記基準データ、及び、暗電流データに基づいて正規化して、分光された各波長毎の吸光度スペクトルデータを得るとともに、その吸光度スペクトルデータの二次微分値を求めて、その二次微分値により被計測物Mに含まれる糖度に対応する成分量や酸度に対応する成分量を算出する解析演算処理を実行するように構成されている。
吸光度スペクトルデータdは、基準データをRd、分光スペクトルデータをSdとし、暗電流データをDaとすると、
【0039】
【数1】
d=log{(Rd−Da)/(Sd−Da)}
【0040】
という演算式にて求められて、制御部13は、このようにして得られた吸光度スペクトルデータdを二次微分した値のうち特定波長の値と、下記の数2に示される予め設定された演算式とを用いて、被計測物Mに含まれる成分量を算出するのである。このような予め設定された式を検量式という。
【0041】
【数2】
Y=K0+K1・A(λ1)+K2・A(λ2)
【0042】
但し、
Y ;成分量
K0,K1,K2 ;係数
A(λ1 ),A(λ2 ) ;特定波長λにおける吸光度スペクトルの二次微分値
【0043】
尚、成分量を算出する成分毎に、特定の成分量算出式、特定の係数K0,K1,K2、及び、波長λ1,λ2等が予め設定されて記憶されており、この成分毎に特定の成分量算出式(検量式)を用いて、各成分の成分量を算出する構成となっている。
【0044】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0045】
(1)上記実施形態では、入射状態切換手段としてのシャッター機構を分光手段に対する入光口に近接する状態で設ける構成として、シャッター機構の開放状態と遮蔽状態との間での変動量が少なくコンパクトな構成で済ませられるとともに、迅速な切り換え処理を可能としているが、この構成に限らず、被計測物を透過した後、受光センサに受光されるまでの間の計測対象光が通過する光路中であればどの位置に設けてもよい。
【0046】
(2)上記実施形態では、被計測物の品種の違いに応じて、前記開放維持時間を変更調整するための変更指令情報を指令する人為操作式の変更指令手段が備えられる構成としたが、これに限らず、被計測物の大きさに応じて変更したり、被計測物の品種や大きさに応じて自動で前記開放維持時間を変更調整するような構成としてもよい。
【0047】
(3)上記実施形態では、前記被計測物が前記計測対象箇所を通過する周期を検出する搬送周期検出手段として、搬送物載置用のバケットが通過する毎に検出信号を出力する光学式の通過センサを設ける構成としたが、この限らず、例えば、無端回動チェーンを駆動する電動モータ等の駆動手段の回転速度を計測する等、各種の形態で実施してもよい。
【0048】
(4)上記実施形態では、搬送コンベアによる被計測物の搬送速度を一定にして計測処理を実行する構成を例示したが、このような構成に限らず、例えば、選果設備に利用する場合に、選果の処理能力を向上させる目的で搬送速度を変更設定して作業を行うことが考えられる。そして、このように作業状況に応じて搬送速度を変更する場合には、変更設定した搬送速度に応じて、受光センサの電荷蓄積量が不足する場合には、ハロゲンランプに供給する電源電圧を調整して、投光強度を増加させるようにしたり、あるいは、受光センサの検出値を増幅する増幅器の増幅ゲインを可変調整するような構成としてもよい。
【0049】
(5)上記実施形態では、投光手段としてハロゲンランプを用いたが、これに限らず、水銀灯、Ne放電管等等の各種の投光手段を用いてもよく、受光センサ手段もMOS型ラインセンサに限らず、CCD型ラインセンサ等の他の検出手段を用いるようにしてもよい。
【0050】
(6)上記実施形態では、被計測物からの透過光に基づいて分光スペクトルを計測するようにしたが、このような構成に限らず、被計測物からの反射光に基づいて分光スペクトルを計測するようにしてもよい。
【0051】
(7)上記実施形態では、被計測物Mの内部品質として、糖度や酸度を例示したが、これに限らず、食味の情報等、それ以外の内部品質を計測してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】品質計測装置の概略構成図
【図2】分光器の構成図
【図3】シャッター機構を示す図
【図4】上下位置変更状態を示す図
【図5】制御ブロック図
【図6】品質計測部の設置状態を示す平面図
【図7】計測作動のタイミングチャート
【図8】受光量の変化と計測タイミングを示す図
【符号の説明】
6 搬送手段
11 投光手段
17 集光手段
19 入射状態切換手段
21 受光量検出手段
22 入光口
24 分光手段
25 受光センサ
26 暗箱
39 搬送周期検出手段
40 変更指令手段
100 演算手段
101 制御手段

Claims (4)

  1. 計測対象箇所に位置する被計測物に光を照射する投光手段と、前記被計測物を透過した光又は反射した光を計測対象光として、それを分光する分光手段と、この分光手段にて分光した計測対象光を受光して分光スペクトルデータを得る電荷蓄積式の受光センサと、前記分光スペクトルデータに基づいて前記被計測物の内部品質を解析する演算手段と、各部の動作を制御する制御手段とを備えて構成されている農産物の品質計測装置であって、
    前記計測対象光が前記受光センサにて受光されることを許容する開放状態と、前記計測対象光が前記受光センサにて受光されることを阻止する遮蔽状態とに切り換え自在な入射状態切換手段が備えられ、
    前記制御手段が、
    前記分光した光を受光して電荷蓄積動作を設定時間実行する電荷蓄積処理と、蓄積した電荷を送り出す送出処理とを設定周期で繰り返すように、前記受光センサの動作を制御するよう構成され、
    且つ、前記受光センサが前記電荷蓄積処理を行う状態において、前記遮蔽状態から前記開放状態に切り換えてその開放状態を開放維持時間が経過する間維持した後に前記遮蔽状態に戻すように前記入射状態切換手段の動作を制御するよう構成され、前記開放維持時間を変更調整自在に構成され、
    複数の被計測物が、搬送手段により前記計測対象箇所を順次通過するように所定間隔をあけて搬送されるように構成され、
    前記被計測物が前記計測対象箇所を通過する周期を検出する搬送周期検出手段が備えられ、
    前記制御手段は、前記搬送周期検出手段にて検出される周期に同期させて、前記電荷蓄積処理と前記送出処理とを繰り返すように、前記受光センサの動作を制御するように構成されている農産物の品質計測装置。
  2. 前記分光手段及び前記受光センサが暗箱の内部に配置され、その暗箱に形成された入光口を通して前記計測対象光を導入するように構成され、且つ、前記被計測物から得られる前記計測対象光を集光して前記入光口に導く集光手段が設けられ、
    前記入射状態切換手段が、前記入光口に近接する状態で設けられている請求項1記載の農産物の品質計測装置。
  3. 前記被計測物の品種の違いに応じて、前記開放維持時間の変更を指令する人為操作式の変更指令手段が備えられている請求項1又は2記載の農産物の品質計測装置。
  4. 前記被計測物の前記計測対象箇所への到達に伴う前記計測対象光の変化を受光量の変化として検出する受光量検出手段が備えられ、
    前記制御手段が、前記受光量検出手段にて検出される前記受光量の変化に基づいて、前記入射状態切換手段の切換え作動を制御するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の農産物の品質計測装置。
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