JP3918480B2 - 閃光装置付撮像装置、撮像装置の発光部の発光方法及びプログラム - Google Patents

閃光装置付撮像装置、撮像装置の発光部の発光方法及びプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置に関し、特に、閃光装置付撮像装置の閃光発光技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラに代表される撮像装置には夜間や室内など十分な明るさが期待できない環境での撮影を可能とするために、ストロボに代表される撮影補助のための閃光装置が設けられており、この閃光装置の多くは放電管を利用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放電管を利用した閃光装置は閃光発光のためにコンデンサに電力をチャージする必要があるため、チャージに時間がかかるだけでなく一瞬の閃光しかできないため閃光時間が短すぎて閃光を光量補充という本来の目的以外の用途に用いることができないといった問題点があった。また、他の素子に比べて比較的大きなコンデンサを必要とする等の制約があった。
【0004】
本発明は上記問題点を解決することを目的としてなされたものであり、閃光装置から発光される閃光を、光量補充と共に光量補充以外の動作にも用い得る閃光装置付撮像装置、撮像装置の発光部の発光方法及びプログラムの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明の閃光装置付撮像装置は、複数個の発光色の異なる発光素子を備えた発光部と、撮像指示前の動作状況を示唆するために発光色の異なる発光素子を発光色ごとに所定の順序で発光させるとともに、撮像指示に伴って発光色の異なる発光素子の全ての発光色を利用して撮影補助光として発光させる発光制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、第2の発明は上記第1の発明の閃光装置付撮像装置において、発光制御手段は、撮像装置に撮影補助光利用の設定がなされていない場合または撮影補助光の発光の必要性がない場合には、撮像指示前の動作状況を示唆するための発光素子の発光のみをさせることを特徴とする。
【0007】
また、第3の発明は上記第1の発明の閃光装置付撮像装置において、発光制御手段は、撮像装置に撮影補助光利用の設定がなされていない場合または撮影補助光の発光の必要性がない場合には、撮像指示前の動作状況を示唆するための発光素子の発光のみをさせるとともに、撮像指示に伴って発光素子を撮影確認用として発光させることを特徴とする。
【0008】
また、第4の発明は上記第1の発明の閃光装置付撮像装置において、動作状況の示唆は、セルフタイマーの動作状況の示唆であって、発光制御手段は、動作状況の示唆において異なる発光色を異なるタイミングで発光させるように発光部を制御することを特徴とする。
【0009】
また、第5の発明は上記第1の発明の閃光装置付撮像装置において、動作状況の示唆は、オートフォーカスの動作状況の示唆であって、発光制御手段は、動作状況の示唆において異なる発光色を異なるタイミングで発光させるように発光部を制御することを特徴とする。
【0010】
また、第6の発明は上記第1の発明の閃光装置付撮像装置において、発光制御手段は、少なくとも全ての発光素子が同時に発光しないように発光部を制御することを特徴とする。
【0011】
また、第7の発明は上記第1の発明の閃光装置付撮像装置において、発光制御手段は、発光色の異なる発光素子の全ての発光色を利用して撮影補助光として発光させる時に少なくとも全ての発光素子が同時に発光しないように発光部を制御することを特徴とする。
【0012】
また、第8の発明は上記第1の発明の閃光装置付撮像装置において、発光部の発光素子は、同色毎に同心円に沿って配置されることを特徴とする。
【0013】
また、第9の発明は上記第1の発明の閃光装置付撮像装置において、発光部の発光素子は、所定の方向を示す形状に配置されることを特徴とする。
【0014】
また、第10の発明の撮像装置の発光部の発光方法は、撮像動作に際して、撮像指示前の動作状況を示唆するために、複数個の発光色の異なる発光素子を備えた発光部の異なる発光色の発光素子を発光色ごとに所定の順序で発光させる工程と、撮像指示に伴って発光色の異なる発光素子の全ての発光色を利用して撮影補助光として発光させる工程とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、第11の発明のプログラムは、複数個の発光色の異なる発光素子を備えた発光部と、この発光部を撮像指示前に行われる動作状況を示唆手段および撮影時の撮影補助光手段として発光させる発光制御手段とを備えた撮像装置が有する制御手段を、撮像指示前に行われる動作状況を示唆するために異なる発光色の発光素子を発光色ごとに所定の順序で発光させるとともに、撮像指示に伴って発光色の異なる発光素子の全ての発光色を利用して撮影補助光として発光させることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明にかかる電子スチルカメラの外観を示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は背面図、図1(c)は平面図(上面図)である。
図1で、電子スチルカメラ1は正面側に固定レンズ4を有し、更に、光学ファインダ51、固定レンズ4を中心として外側に放射状に配設されたLED群からなるLED19−r(赤)、19−g(緑)、19−b(青)、及び調光センサ20とを有している。
【0017】
また、電子スチルカメラ1の背面部にはTFT液晶モニタ18、光学ファインダ51、液晶モニタスイッチ56、メニューキー59、カーソルキー60及びセットキー61等のスイッチ及びキーが設けられ、上面部には電源スイッチ52、シャッターキー53、ズーム操作キー54、録画モード(RECモード)と再生モード(PLAY)との切換えを行なう切換えスイッチ55等のキー及びスイッチが設けられている。
【0018】
図2は上記電子スチルカメラ1の内部構成の概略を示すブロック図であり、電子スチルカメラ1は撮像手段であるCCD2により撮像した画像をJPEG形式に変換する等の画像処理機能を備えたMPU3を中心に構成されている。
【0019】
CCD2の受光面には、固定レンズ4、フォーカスレンズ5、絞り6を通過して被写体の光学像が結像される。フォーカスレンズ5はAFモータ等からなる駆動機構7に保持されており、MPU3からの制御信号によりAFドライバー8が出力する駆動信号が駆動機構7に供給されることにより光軸上を前後に移動する合焦動作を行なう。絞り6はMPU3からの制御信号に基き絞り駆動部9が発生する駆動信号により駆動し、CCD2に入射する被写体像の光量を調節する。
【0020】
また、MPU3にはタイミング信号を発生するTG(Timing Generator)10が接続されており、TG10が発生したタイミング信号に基きVドライバー11(垂直方向ドライバー)がCCD2を駆動し、それに伴いCCD2により被写体像の輝度に応じたアナログの撮像信号が出力されユニット回路12に送られる。
【0021】
ユニット回路12は、CCD2から出力された撮像信号を保持するCDSと、CDSからアナログ信号を供給されるアナログアンプであるゲイン調整アンプ(AGC)と、ゲイン調整アンプに増幅され調整された撮像信号を画像データに変換するA/D変換器(AD)とからなり、CCD2からの出力信号はここで黒レベルを合わせてサンプリングされ、デジタル信号としてMPU3に送られる。
【0022】
MPU3に送られたデジタル信号(撮像信号)はDRAM13に一時保存されると共に、MPU3によって各種の画像処理が施された後、最終的には圧縮された映像信号としてフラッシュメモリ(FLASH)14に保存される。フラッシュメモリ(FLASH)14に保存された映像信号は必要に応じてMPU3に読み出され、伸張処理、輝度信号及び色信号の付加等の処理を経てデジタルビデオ信号やアナログビデオ信号に変換される。
【0023】
更に、MPU3にはMROM15、電源回路16、図1に示した各種スイッチ及びキー群を含む操作キー部17、前記TFT液晶モニタ18及び前述したLED19−r、19−g、19−b群の発光及び閃光を行なわせるLEDストロボブロック19、撮像時の被写体の明るさ情報を検出する調光センサ20及び外部装置とのデータの授受を行なうUSBインターフェイス21が接続されている。また、赤外線通信やブルートゥース等の近接通信用のインターフェイスや無線通信用インターフェイスを接続するようにしてもよい。
【0024】
MROM15はMPU3の動作プログラムが記録されたプログラムROMである。また、MROM15には撮像時の適正な露出値(EV)に対応する絞り値(F)とシャッタースピードとの組み合わせを示すプログラム線図を構成するプログラムAEデータが格納されている。
【0025】
MPU3は、また、内蔵するRAMをワーキングメモリとして前記動作プログラムに従って動作することにより表示制御手段や本発明の点灯制御手段として動作する。前記プログラム線図に従って前記CCD2の電荷蓄積時間や前記絞り6の開放度、前記ユニット回路12のゲイン調整アンプ(AGC)のゲイン設定等を行なう。
【0026】
MPU3が設定した電荷蓄積時間はシャッターパルスとしてTG10を介してVドライバー11に供給され、これに従いVドライバー11がCCD2を駆動することにより電荷蓄積時間すなわち露光時間が制御される。つまり、CCD2は電子シャッターとして機能する。また、MROM15に記録された動作プログラムにはオートフォーカス制御に関するプログラムが含まれており、かかるプログラムに基きMPU3は前記オートフォーカスレンズ5を駆動させてピント合わせ(オートフォーカス)を行なう。
【0027】
TFT液晶モニタ18は、録画モードにおいては逐次撮像された画像をスルー画像として表示し、再生モードにおいては前記フラッシュメモリ14に保存された画像データ(圧縮された映像信号)から生成されたアナログビデオ信号に基く映像を表示する。
【0028】
LEDストロボブロック19は前述したLED群(LED19−r、19−g、19−b)に電気的に接続し、必要に応じて駆動されるもので、ストロボ撮影モード時、つまり、撮像時にMPU3で必要に応じて生成されてLEDストロボブロック19に送られる発光制御信号に基いてLED群を発光させ、ストロボ撮影モード時に所定のキー操作に応じてMPU3で生成されLEDストロボブロック19に送られる閃光制御信号に基いてLED群または特定のLEDを閃光させる。MROM15に記録された動作プログラムには、LED群の発光順序等を制御する発光制御信号と、撮像時に調光センサ20によって検出された被写体の明るさ情報及び前記露出時間に基いて閃光タイミング及び閃光強度を制御する閃光制御信号とを生成するプログラム(LED制御信号生成プログラム)が含まれており、調光センサ20からの明るさ情報を取得すると発光制御信号を生成してLEDストロボブロック19の動作を制御する。
【0029】
<第1の実施の形態>
本実施の形態では、前述した図1、図2の構成の電子スチルカメラ1で、LEDストロボによるセルフタイマー動作状態のモニタを可能としている。
図3は電子スチルカメラ1の正面に配設するLED群の配置の一実施例を示す図であり、LED群40は図示のように外側に6個のLED19−b(青)、その内側に6個のLED19−g(緑)、最も内側に6個のLED19−r(赤)が配設されてなる。つまり、同色毎に同心円に沿って各LEDが配置されている。なお、本実施例では各LEDの個数を6個としたが、LEDの個数は6個に限定されず、6個より多くても少なくてもよい。
【0030】
(発光/閃光動作制御例)
図4はセルフタイマー設定時の発光/閃光動作制御の一実施例を示すフローチャートである。また、図5及び図6はLED群の本発明に基く発光方法の説明図である。
図4で、ストロボ撮影モード設定は図1に示したフラッシュキー57の操作で行なわれ、セルフタイマー設定はセルフタイマーキー58の操作によって行なわれるものとし、ストロボ撮影モードの設定はこのフローチャートの前段で行なうことができるものとする。
先ず、ユーザによってセルフタイマーキー58が操作されセルフタイマー設定がなされると、操作キー部17からMPU3にセルフタイマーキー58の操作通知信号とセルフタイマー設定値が送られる(ステップS1)。
【0031】
MPU3は操作キー部17からセルフタイマーキー58の操作通知信号とセルフタイマー設定値を受け取ると前記動作プログラム中のLED制御信号生成プログラムに分岐して、セルフタイマー設定値を基に、赤(LED19−r)、緑(LED19−g)、青(LED19−b)の点灯開始時間を設定する(ステップS2)。
【0032】
次に、シャッターキー53が操作されると、MPU3は点灯開始時間を含む発光制御信号を生成してLEDストロボブロック19に送る(ステップS3)。
【0033】
LEDストロボブロック19は発光制御信号を受け取ると、設定された開始時間からタイマー終了時間まで、青(LED19−b)、緑(LED19−g)、赤(LED19−r)をパルス駆動して発光させる。例えば、図5に示すように上記ステップS1のセルフタイマー設定値が10秒のとき、上記ステップS2で青(LED19−b)の点灯時間をセルフタイマー・スタートから10秒間、緑(LED19−g)の点灯時間をセルフタイマー・スタート後5秒経ってから5秒間、赤(LED19−r)の点灯時間をセルフタイマー・スタート後8秒経ってから2秒間と設定すると、シャッターキー53の半押しで外側の青いLEDがパルス発光を開始し、5秒後から内側の緑のLEDがパルス発光を開始し、8秒後から最も内側の赤いLEDがパルス駆動による発光を開始し、セルフタイマー設定期間が終わるまで発光を繰り返す。
【0034】
なお、電流の消費量に鑑みると各色のLEDはそれぞれ重複しないようにパルス駆動されることが望ましい。さらには、この実施の形態では、他の色のLEDが点灯するまでの期間は比較的高輝度にLEDを発光し、他のLEDの発光と共にそれまでのLEDに流れる電流量を調整して輝度を落とし、消費電流を節約するように制御している。また、図5に示すセルフタイマーを知らせるLEDの駆動時は、図6に示す撮影補助用の発光としてのLED発光時に比べて総じて輝度は少なくてもよいため、LEDの消費電流も少なく設定される(ステップS4)。
【0035】
次に、MPU3はストロボ撮影モードが設定されていたか否かを調べ(ステップS5)、ストロボ撮影モードが設定されていない場合は露光動作を行なうとともにステップS10に遷移する(ステップS6)。また、ステップS5でストロボ撮影モードが設定されていた場合はLEDストロボブロック19はMPU3から閃光制御信号(発光開始)を受け取り、撮影補助光(いわゆるストロボ)として青(LED19−b)、緑(LED19−g)、赤(LED19−r)の発光を開始させる(ステップS7)と共に、同時に露光動作が実行される(ステップS8)。
【0036】
閃光の終了はMPU3が調光センサ20からのLEDの発光による明るさ情報から瞬時に所定の発光量のための発光時間を生成して閃光制御信号(発光終了)としてLEDストロボブロック19に与えることで行なう(ステップS9)。この際、閃光方法として、図6に示すように全てのLEDの光量を調節して白色になるように光らせもよいし、赤、緑、青のLEDの各6個のうちいくつかを選択的に光らせて所望の色光になるようにしてもよい。また、この場合も電流の消費量に鑑みると各色のLEDはそれぞれ重複して発光しないようにパルス駆動されることが好ましい。特にストロボとしての発光は高輝度が必要になるため、このようにすることで瞬間的な電源の電圧低下を防止できる。
【0037】
次に、電子スチルカメラ1による画像処理が実行され、取り込まれた被写体画像の画像データの作成処理、圧縮処理、フラッシュメモリ14への保存記憶処理等が行なわれる(ステップS10)。
【0038】
上記構成により、専用のモニタランプを設けなくても被写体側からカメラのセルフタイマーの動作状況をLEDの点滅状態(レンズに向かって外側から点滅する光の輪の幅が広がっていく様子)を見ることで正確に確認できる。また、単独又は集合写真における被写体人物の注意をレンズ部分に注目させることができるので、セルフタイマー動作中に動いてしまい、ポーズが崩れたりぶれたりするようなことを防止できる。
【0039】
(第1の実施の形態の変形例)
図7及び図8はLED群の本発明に基く発光方法の一変形例の説明図である。上記図4のフローチャートではステップS4で発光制御信号に基いてセルフタイマー設定時間の終了到来まで、青、緑、赤のLEDの発光開始時間をずらし、同色のLEDを一斉にパルス駆動して発光させたが、図8に示すように赤(LED19−r)、緑(LED19−g)、青(LED19−b)を連続駆動方式により発光させるようにしてもよい。
【0040】
このように構成した場合はパルス発光と異なり同色のLEDが一斉に点滅するようには見えないが、レンズ方向に色の輪が順々にレンズ側に点灯するので、セルフタイマーの動作を的確に認識でき、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、第1の実施の形態では、露光時間中に図6に示すように、R、G、BのLEDの発光パルスの開始から終了までの期間を異ならせて白色を実現したが、図8に示すように、パルス発光の開始から終了までの期間はR、G、BのLEDで同一とし、そのパルス発光の発光間隔をR、G、BのLEDで異なるようにしてもよい。この場合、R、G、BのLEDの発光タイミングを容易にずらすことができ、同時に発光させないため大量の電流を消費せず、電源系の負担を抑えることができる。また、ストロボとしての発光量をR、G、BのLEDの発光期間(発光開始から発光終了まで)を一律に制御することで制御できる。
【0042】
また、第1の実施の形態ではストロボ設定がなされていない場合は撮影補助光(いわゆるストロボ)としてのLEDの発光は行なわれないが、露光を確認するために露光時にLEDの発光を行なってもよく、その場合は、撮影補助光としての発光ではないので、セルフタイマーの動作確認のための発光と同程度の発光輝度でよいが、動作確認のための発光とはその発光形態が異なることが望ましい。もちろん、これはストロボ設定がなされているにもかかわらず、被写体が十分に明るいために撮影補助光の発光がカメラ装置側の判断によってキャンセルされた場合も同様である。このようにすることで、被写体側からセルフタイマーの時間経過から撮像(露光)が終了するまでが、一連の動作として容易に確認できる。
【0043】
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、前述した図1、図2の構成の電子スチルカメラ1で、LEDストロボによるカメラ操作状態(オートフォーカス動作を含む)のモニタを可能としている。
(発光/閃光動作制御例)
図9はカメラ操作時の発光/閃光動作制御の一実施例を示すフローチャートであり、図10はLED群の発光方法の説明図である。また、ストロボ撮影モード設定は図1に示したフラッシュキー57の操作で行なわれ、このフローチャートの前段で行なうことができるものとする。
【0044】
図9で、ユーザによって電子スチルカメラ1の動作モード切換えスイッチ55が操作され、撮像モードに切換えられ撮像待機状態になると、操作キー部17からMPU3に動作モード切換えスイッチ55の撮像モード操作通知信号が送られる(ステップT1)。MPU3は操作キー部17から撮像モード操作通知信号を受け取ると前記動作プログラム中のLED制御信号生成プログラムに分岐して、赤(LED19−r)の発光制御信号を生成してLEDストロボブロック19に送る(ステップT2)。LEDストロボブロック19は発光制御信号を受け取ると最も内側の赤(LED19−r)を一斉にパルス駆動して発光させる(図10のaの区間)。これにより被写体人物は最も内側の赤のLEDの発光を見て撮像待機中であることを知ることができる(ステップT3)。
【0045】
次に、ユーザがシャッターキー53を半押しすると、操作キー部17からMPU3にAF(オートフォーカス)開始操作通知信号が送られてステップT4に遷移する。また、シャッターキー53の半押しがない場合はステップT13に遷移する(ステップT4)。MPU3は操作キー部17からAF開始操作通知信号を受け取ると緑(LED19−g)の発光制御信号を生成してLEDストロボブロック19に送る(ステップT5)。LEDストロボブロック19は発光制御信号を受け取ると外側の緑(LED19−g)を一斉にパルス駆動して発光させる。これにより被写体人物は緑のLEDの一斉発光を見てAF動作中であることを知ることができる(図10のbの区間)(ステップT6)。
【0046】
また、MPU3は操作キー部17からシャッターキー53の半押し解除操作があったか否かを調べ(ステップT7)、シャッターキー53の半押し解除操作があった場合は緑のLEDの発光を停止する発光制御信号を生成してLEDストロボブロック19に送る(ステップT8)。LEDストロボブロック19は発光制御信号を受け取ると緑(LED19−g)の発光を一斉に停止させ、ステップT13に遷移する。これにより被写体人物は緑のLEDの一斉発光停止を見てAF動作が中止され、撮像待機状態に戻ったことを知ることができる(ステップT9)。
【0047】
次に、合焦してAF動作が終了し撮像可能状態になると(ステップT10)、MPU3は青(LED19−b)の発光制御信号を生成してLEDストロボブロック19に送る(ステップT11)。LEDストロボブロック19は発光制御信号を受け取ると最も外側の青(LED19−b)を一斉にパルス駆動して発光させる(図10のcの区間)。これにより被写体人物は青のLEDの一斉発光を見てAF動作が終了し、撮像可能となったことを知ることができる(ステップT12)。
【0048】
シャッターキー53が全押しされると(ステップT13)、MPU3は閃光制御信号(発光開始)をLEDストロボブロック19に送り、LEDストロボブロック19はMPU3からの閃光制御信号(発光開始)にしたがって、青(LED19−b)、緑(LED19−g)、赤(LED19−r)の発光を開始させる(ステップT14)と共に、同時に露光動作(ステップT16)が実行される。
【0049】
閃光の終了はMPU3が調光センサ20からのLEDの発光による明るさ情報から瞬時に所定の発光量のための発光時間を生成して閃光制御信号(発光終了)としてLEDストロボブロック19に与えることで行なう(ステップT15)。この際、各LEDの発光駆動は実施の形態1の図6や図8と同様でよいし、この場合も電流の消費量に鑑みると各色のLEDはそれぞれ重複しないようにパルス駆動されることが好ましい。さらに、発光方法として、全てのLEDの光量を調節して光らせるようにしてもよいし、赤、緑、青のLEDの各6個のうちいくつかを選択的に光らせるようにしてもよい。
【0050】
次に、電子スチルカメラ1による撮像処理が実行され、取り込まれた被写体画像の画像データの作成処理、圧縮動作、フラッシュメモリ14への保存記憶処理等が行なわれる(ステップT17)。
【0051】
上記構成により、専用のモニタランプを設けなくても被写体側からカメラのセルフタイマーの動作状態をLEDの点滅状態(レンズに向かって外側から点滅する光の輪が広がっていく様子)を見ることで正確に確認できる。また、単独又は集合写真における被写体人物の注意をレンズ部分に注目させることができるので、セルフタイマー動作中に動いてしまい、ポーズが崩れたりぶれたりするようなことを防止できる。
【0052】
(第2の実施の形態の変形例)
図11はLED群の本発明に基く発光方法の一変形例の説明図である。
上記図9のフローチャートでは電子スチルカメラ1の操作状態に応じて同色のLEDを一斉にパルス駆動して発光させたが、図11に示すように赤(LED19−r)を連続駆動させ、緑(LED19−g)、青(LED19−b)をパルス駆動させてそれぞれの発光周期を違えるようにして発光させるようにしてもよい。なお、連続駆動されるLEDは赤のLEDに限定されない。
【0053】
このように構成した場合は、レンズの外側方向に色の輪が順々に広がるように点灯及び点滅するので、操作動作を的確に認識でき、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。
【0054】
また、第2の実施の形態では、ストロボ発光が設定されている場合について示したが、ストロボ設定がなされていない場合はオートフォーカス処理の動作状況を示すLEDの発光を行なう。この場合は、撮影補助光(いわゆるストロボ)としてのLEDの発光は行なわず、代わりに露光を確認するために露光時にLEDの発光を行う。その場合は、撮影補助光としての発光ではないので、オートフォーカスの動作状況を示すための発光と同程度の発光輝度の発光でよいが、動作状況を示すための発光とはその発光形態が異なることが望ましい。もちろん、これはストロボ発光の設定にかかわらず、被写体が十分明るいために撮影補助光の発光がカメラ装置側の判断によってキャンセルされた場合も同様である。このようにすることで、被写体側から撮影待機状態からオートフォーカス処理を経由し撮像(露光)が終了するまでが、一連の動作として容易に確認できる。
【0055】
(第1、第2の実施の形態に共通する変形例)
図12及び図13はLEDの配置及び点灯順序の変形例の説明図である。
前記第1及び上記第2の実施の形態では図1及び図3に示すようにカメラ正面の固定レンズ4を中心として放射状に内側から赤、緑、青のLEDを所定数ずつ設けるように構成したが、この配置に限定されない。例えば、図12(a)又は図13(a)に示すように配設してもよい。また、前記第1及び上記第2の実施の形態では点灯順序を外側から内側、或いは内側から外側としたがこの順序に限定されない。例えば、図12(b)又は図13(b)に示すように点灯してもよい。
【0056】
図12(a)は電子スチルカメラ1上のLEDの配置例を示す図であり、図示の例では固定レンズ4の上部に横一列複数のLED41が配置されている。また、通常中央上部にある光学ファインダ55が正面右側上部に設けられている。
【0057】
図12(b)、(c)は上記固定レンズの上部に配置されたLED41の色配置及び点灯の順序の例を示す図であり、図12(b)の例では横一列に配置されたLED41は向かって左から2個ずつ青、緑、赤のLEDが割り当てられて配置されている。点灯順序は向かって左から順に1個ずつ点灯されるように発光制御信号により規定されている。また、図12(b)の例では横一列に配置されたLED41は向かって左から青、緑、赤、赤、緑、青というように赤を中心として配置されている。点灯順序は両外側の青から緑、赤に向かって順に1個ずつ点灯されるように発光制御信号により規定されている。
【0058】
このように、レンズ直近で直線上にLEDを配置し、所定の順序で点灯することにより、レンズ直近に被写体人物の注目を集めるので前記第1、第2の実施の形態の実施例及び変形例と同様の効果を得ることができる。
【0059】
また、図13(a)は電子スチルカメラ1上のLEDの他の配置例を示す図であり、図示の例では固定レンズ4の両側に固定レンズに被写体人物の注意が向かうように楔型に配列された複数のLED42が配置されている。
【0060】
なお、図13(b)は上記固定レンズの両側に配置されたLED42、42の色配置及び点灯の順序の例を示す図であり、図示の例では楔状の形状に配置されたLED42は楔の頂点から3個ずつ赤、緑、青のLEDが割り当てられて配置されている。点灯順序は楔の底面から頂点に向かって順に青、緑、赤の順に3個ずつ点灯されるように発光制御信号により規定されている。
【0061】
このようにカメラ正面上で固定レンズ方向を示すようにLEDを配置し、所定の順序で点灯するように構成したことにより、固定レンズの両端から中心に向かうように被写体人物の注目を集めることができるので、上述した図12の変形例の場合と同様の効果を得ることができる。
【0062】
また、上記第1、第2の実施の形態の説明では撮像装置として電子スチルカメラを例としたが、本発明を適用可能な撮像装置は電子スチルカメラに限定されず、銀塩カメラを含む各種の閃光装置付撮像装置に適用することができる。また、LEDの数、配置位置、色の配列方法及び点灯順序は上記各実施例及び変形例に限定されない。
【0063】
なお、本発明の各実施の形態では、発光素子としてLEDを示したが、任意のタイミングで瞬時発光させることのできる発光素子であればLEDに限らない。例えば、EL(エレクトリック・ルミネセンス)素子や白熱電球や蛍光管やその他の発光素子であってもよい。
【0064】
以上、本発明のいくつかの実施例及び変形例について説明したが本発明は上記各実施例及び変形例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能であることはいうまでもない。
【0065】
【発明の効果】
上記説明したように、第1の発明の閃光装置付撮像装置、第10の発明の撮像装置の発光部の発光方法及び第11の発明のプログラムによれば、撮像指示前の撮像動作状況を撮影補助光用の発光素子の点灯順序で示唆できるので、専用の撮像動作状況表示用のモニタランプを設けなくても撮像動作状況を示すことができる。
【0066】
また、第2の発明の閃光装置付撮像装置によれば、発光素子を撮影補助用だけでなく、撮影補助用に発光させる必要がない場合は撮影動作状況を示唆するために発光させても、撮影動作状況を示唆する際に発光させる発光素子の輝度は撮影補助用に発光させる際の発光素子の輝度に比べて総じて少なくてもよいため発光素子の消費電流を少なく設定できるので、電源にかかる負担が少ない。
【0067】
また、第3の発明の閃光装置付撮像装置によれば、発光素子を撮影補助用だけでなく、撮影補助用に発光させる必要がない場合は撮影動作状況を示唆するため及び撮影確認のために発光させても、撮影動作状況を示唆する際及び撮影確認の際の発光素子の輝度は撮影補助用に発光させる際の発光素子の輝度に比べて総じて少なくてもよいため発光素子の消費電流を少なく設定できるので、電源にかかる負担が少ない。
【0068】
また、第4の発明の閃光装置付撮像装置によれば、撮像時に被写体にセルフタイマーの動作状況を示唆することができるので、被写体の注意を撮像装置に集中でき、姿勢を保たせることが可能になることからタイマ期間が終了して撮像がなされるときに動いて構図が乱れたり撮像結果がぶれたりすることを防止でき良好な撮影画像を得ることができる。
【0069】
また、第5の発明の閃光装置付撮像装置によれば、撮像時に被写体にオートフォーカスの動作状況を示唆することができるので、被写体の注意を撮像装置に集中でき、姿勢を保たせることが可能になることから、オートフォーカス終了前に動いてピント合わせが遅れたり、撮像指示がなされるときに動いて構図が乱れたり撮像結果がぶれたりすることを防止でき良好な撮影画像を得ることができる。
【0070】
また、第6の発明の閃光装置付撮像装置によれば、各発光素子が同時に発光することはないので瞬間的な電源の電圧低下を防止できる。
【0071】
また、第7の発明の閃光装置付撮像装置によれば、発光色の異なる発光素子の全ての発光色を利用し撮影補助光として発光させるとき(つまり、ストロボとしての発光時)には高輝度が必要になるが、全ての発光素子が同時に発光しないように制御するので、瞬間的な電源の電圧低下を防止できる。
【0072】
また、第8の発明の閃光装置付撮像装置によれば、同心円に沿って同色の発光素子が配置されているので、被写体は発光素子の色の遷移により撮像指示前の撮像装置の撮像動作状況を正確に確認できる。また、同心円の中心をレンズとした場合、単独又は集合写真における被写体の注意及び視線をレンズに注目させることができるので、視線の揃った良質な撮像結果を得ることができる。
【0073】
また、第9の発明の閃光装置付撮像装置によれば、発光部を所定の方向を示す形状にすることができるので、このようにした場合は所定の方向に移動する発光素子の色の遷移により被写体は撮像指示前の撮像装置の撮像動作状況を正確に確認できる。また、方向をレンズ方向とした場合、単独又は集合写真における被写体の注意及び視線をレンズに注目させることができるので、視線の揃った良質な撮像結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電子スチルカメラの外観を示す図である。
【図2】図1の電子スチルカメラの内部構成の概略を示すブロック図である。
【図3】電子スチルカメラの正面に配設するLED群の配置の一実施例を示す図である。
【図4】セルフタイマー設定時の発光/閃光動作制御の一実施例を示すフローチャートである。
【図5】LED群の発光方法の説明図である。
【図6】LED群の発光方法の説明図である。
【図7】LED群の発光方法の一変形例の説明図である。
【図8】LED群の発光方法の一変形例の説明図である。
【図9】カメラ操作時の発光/閃光動作制御の一実施例を示すフローチャートである。
【図10】LED群の発光方法の説明図である。
【図11】LED群の発光方法の一変形例の説明図である。
【図12】LEDの配置及び点灯順序の変形例の説明図である。
【図13】LEDの配置及び点灯順序の変形例の説明図である。
【符号の説明】
1 電子スチルカメラ(閃光装置付撮像装置)
3 MPU(発光制御手段)
19 LEDストロボブロック(発光部)
19−r、19−g、19−r LED(発光素子)
41、42 LED(発光素子)

Claims (11)

  1. 複数個の発光色の異なる発光素子を備えた発光部と、撮像指示前の動作状況を示唆するために前記発光色の異なる発光素子を発光色ごとに所定の順序で発光させるとともに、撮像指示に伴って発光色の異なる前記発光素子の全ての発光色を利用して撮影補助光として発光させる発光制御手段と、を備えたことを特徴とする閃光装置付撮像装置。
  2. 前記発光制御手段は、前記撮像装置に撮影補助光利用の設定がなされていない場合または撮影補助光の発光の必要性がない場合には、撮像指示前の動作状況を示唆するための前記発光素子の発光のみをさせることを特徴とする請求項1記載の閃光装置付撮像装置。
  3. 前記発光制御手段は、前記撮像装置に撮影補助光利用の設定がなされていない場合または撮影補助光の発光の必要性がない場合には、撮像指示前の動作状況を示唆するための前記発光素子の発光のみをさせるとともに、撮像指示に伴って前記発光素子を撮影確認用として発光させることを特徴とする請求項1記載の閃光装置付撮像装置。
  4. 前記動作状況の示唆は、セルフタイマーの動作状況の示唆であって、前記発光制御手段は、動作状況の示唆において異なる発光色を異なるタイミングで発光させるように前記発光部を制御することを特徴とする請求項1記載の閃光装置付撮像装置。
  5. 前記動作状況の示唆は、オートフォーカスの動作状況の示唆であって、前記発光制御手段は、動作状況の示唆において異なる発光色を異なるタイミングで発光させるように前記発光部を制御することを特徴とする請求項1記載の閃光装置付撮像装置。
  6. 前記発光制御手段は、少なくとも全ての発光素子が同時に発光しないように前記発光部を制御することを特徴とする請求項1記載の閃光装置付撮像装置。
  7. 前記発光制御手段は、発光色の異なる前記発光素子の全ての発光色を利用して撮影補助光として発光させる時に少なくとも全ての発光素子が同時に発光しないように前記発光部を制御することを特徴とする請求項1記載の閃光装置付撮像装置。
  8. 前記発光部の発光素子は、同色毎に同心円に沿って配置されることを特徴とする請求項1記載の閃光装置付撮像装置。
  9. 前記発光部の発光素子は、所定の方向を示す形状に配置されることを特徴とする請求項1記載の閃光装置付撮像装置。
  10. 撮像動作に際して、撮像指示前の動作状況を示唆するために、複数個の発光色の異なる発光素子を備えた発光部の異なる発光色の前記発光素子を発光色ごとに所定の順序で発光させる工程と、撮像指示に伴って発光色の異なる前記発光素子の全ての発光色を利用して撮影補助光として発光させる工程と、を備えたことを特徴とする撮像装置の発光部の発光方法。
  11. 複数個の発光色の異なる発光素子を備えた発光部と、この発光部を撮像指示前に行われる動作状況を示唆手段および撮影時の撮影補助光手段として発光させる発光制御手段とを備えた撮像装置が有する前記制御手段を、撮像指示前に行われる動作状況を示唆するために異なる発光色の前記発光素子を発光色ごとに所定の順序で発光させるとともに、撮像指示に伴って発光色の異なる前記発光素子の全ての発光色を利用して撮影補助光として発光させることを特徴とするプログラム。
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