JP3918376B2 - ポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性合成樹脂からなる予備発泡ビーズを用いて成形品を製作する型内発泡成形装置として、図16に示すように、対向配置した1組の成形型100、101と、予備発泡ビーズを両成形型100、101により形成される成形空間104内に充填するための充填器111とを備え、両成形型100、101の背面側にチャンバ102、103をそれぞれ形成するとともに、両成形型100、101にチャンバ102、103と成形空間104とを連通する多数の通気孔105、106をそれぞれ形成し、成形に必要な蒸気や空気や冷却水などの用役流体をチャンバ102、103を介して成形空間104に供給するように構成したものが実用化されている。なお、この事例では、それぞれのチャンバ102、103の上部に加熱蒸気を供給するための上部用役口107、108を設け、下部に減圧ポンプあるいはドレン配管に接続された下部用役口109、110を設けて、成形空間104に対して蒸気を供給するように構成されている。
【0003】
また、成形型100、101に透設された多数の通気孔105、106は、実際には、0.5mmφ程度の丸孔や幅0.5mm程度のスリットからなる貫通孔を複数個透設した外径7〜12mmの蓋を有する筒体からなるコアベントを、成形型100、101に孔明け配置したコアベント取付孔に嵌め込んで形成したものと、成形型100,101に直接的に形成した0.5mmφ程度のコアベントホールとで構成され、これらの通気孔105、106は、成形型100、101に20〜50mmのピッチで設けられている。
【0004】
このような発泡成形装置を用いて発泡成形品の成形する場合には、先ず、成形型を型閉して成形空間104を形成し、ポリスチレンなどの予備発泡させた予備発泡ビーズを原料タンク(図示略)から充填器111を通じて成形空間104内に送入して充填し、次に成形空間104内の予備発泡ビーズを加熱蒸気で加熱し、発泡融着させてから冷却固化し、成形型100、101を型開して発泡成形品を取り出すことになる。
【0005】
予備発泡ビーズの充填方法としては、[1]クラッキング充填法、[2]加圧充填法、[3]圧縮充填法などが広く採用されている。
[1]クラッキング充填法は、コア型並びにキャビティ型に配置された通気孔からだけでは、充填時に使用する空気を十分に排気できないときに採用する方法で、充填時に、コア型とキャビティ型とを完全に型閉めせず(クラッキング)、例えば成形品の底肉厚の10%だけ開けておき、コア型とキャビティ型間の隙間からも充填時に使用する空気を排出する方法である。
【0006】
[2]加圧充填法は、予備発泡ビーズを収容した原料タンク内を0.2〜1.5kg/cm2程度に加圧し、成形空間内を通気孔及びチャンバを通じて大気圧に開放した状態で、原料タンクと成形空間との差圧を利用して、成形空間内に予備発泡ビーズを搬送して充填する方法である。
【0007】
[3]圧縮充填法は、原料タンク内の圧力pを加圧充填法よりも高めの1.0〜5.0kg/cm2程度に加圧し、一方のチャンバ内を加圧して、通気孔を通じて連通している成形空間内の圧力p1の差圧(p−p1)を維持しながら、予備発泡ビーズを搬送して充填する方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
クラッキング充填法では、成形空間の外縁部に対してもクラッキング隙間を介して十分に予備発泡ビーズを充填できる利点を有しているが、予備発泡ビーズの充填後にコア型とキャビティ型とを型閉めする関係上、クラッキング隙間分だけ成形品の底部の密度が他の部分より高くなる。逆に、厚肉部分においてはビーズの圧縮不足による発泡力不足が発生するため、過剰なクラッキングをとる必要があり、薄肉部との密度差がさらに拡大する。この厚肉部の発泡力を補うために予備発泡ビーズ内に無機ガスを圧入する工程を設ける必要があり、成形工程が複雑になる。一方、加圧充填法及び圧縮充填法では、コア型とキャビティ型とを型閉めした状態で予備発泡ビーズを充填する関係上、クラッキング充填法のように成形品の底部の密度が他の部分よりも高くなることはないが、成形空間の外縁部が突き当たり状態となるので、該部分における充填密度が低下し易くなるし、予備発泡ビーズ径と同等或いはそれよりも小さい厚さの薄肉部を有する成形品に対しては、この薄肉部への予備発泡ビーズの充填が良好に行えず、成形不良が発生する。
【0009】
このように、前記3つの充填方法はいずれも長所と短所とを備えており、成形品形状等に応じて採用する充填方法を決定することになるが、いずれの充填方法においても、成形品形状が複雑になると充填密度が成形空間の各部で変動することは回避できず、通常は充填器の使用本数を増やすことで、充填密度の変動が極力少なくなるように構成している。しかし、充填器の使用本数を増やすにも限界があり、また、瞬間的な空気圧低下、成形空間からの空気排気が充分行えなくなる等、却って充填密度の変動を引き起こす結果となることもある。このため、充填器の使用本数、充填器の配置は、金型設計者にとっては悩みの種であり、また試行錯誤的要素が非常に多く、標準化が非常に困難な分野であった。特に、充填器から離れた部分や、幅の狭い有底な部分などに対する予備発泡ビーズの充填密度は低くなり易く、これらの難充填部に対する充填密度を適正値にするためには、全体的に充填密度を高くする必要があり、均一密度の時と比較して、成形品重量が重くなる。
【0010】
また、成形性の面から考えてみると、充填された予備発泡ビーズを蒸気で加熱するときには、充填密度の低い部分の予備発泡ビーズが十分に融着するように、予備発泡ビーズをより大きく発泡させる必要があり、加熱蒸気圧を上げる方向に設定することから、エネルギー使用量が大きくなるとともに成形サイクルが長くなる。また、充填密度の低い部分に応じて加熱蒸気圧を高めに設定するので、充填密度の高い部分においては過剰な加熱となって、発泡圧力が通常の成形よりも高くなる。このため、成形品の冷却時には、この高い発泡圧力を離型可能な発泡圧力まで下げるために長い時間を要し、成形サイクルが長くなり生産性を落とす。更に、加熱・冷却時の成形品各部の発泡圧力が不均一になることから離型性が悪く、また充填性が悪いことから、生産性や収率が低下するという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、成形品のうちの型開閉方向に薄肉な薄肉部における予備発泡ビーズの充填密度を適正に設定可能なポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段及びその作用】
請求項1に係るポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法は、型開閉方向に薄肉な薄肉部を有する成形品を成形するための型内発泡成形方法であって、クラッキング隙間が形成されるように両成形型を型閉めした状態で、クラッキング充填によりポリオレフィン系樹脂からなる予備発泡ビーズを成形空間内に充填し、次に両成形型を完全に型閉めした状態で、圧縮充填により予備発泡ビーズを充填して、成形空間内に予備発泡ビーズを充填するにあたり、クラッキング充填完了後に両成形型を完全に型閉めした状態で、型開閉方向に薄肉な薄肉成形部における予備発泡ビーズの充填密度が適正値なるように、クラッキング充填において成形空間内に予備発泡ビーズを充填し、圧縮充填において、薄肉成形部以外における成形空間内の予備発泡ビーズの充填密度が、前記適正値になるまで予備発泡ビーズを圧縮充填して、成形空間内における予備発泡ビーズの充填密度を一様に且つ前記適正値に設定するものである。
【0013】
この成形方法においては、クラッキング充填と圧縮充填とを順次行って、予備発泡ビーズを成形空間内に充填することになるが、クラッキング充填時において両成形型は、クラッキング隙間分だけ型開閉方向に離間した状態となるので、成形品に型開閉方向に薄肉な薄肉部が形成されていたとしても、この薄肉部を成形する薄肉成形部は、クラッキング隙間分だけその厚さを型開閉方向に増しているので、薄肉成形部に対する予備発泡ビーズの充填は円滑に且つ十分になされることになる。また、クラッキング充填後に、両成形型を完全に型閉めすると、薄肉成形部における予備発泡ビーズの充填密度は、他の部分よりも高くなるが、その後の圧縮充填により他の部分の充填密度も薄肉成形部内における予備発泡ビーズの充填密度に接近するので、成形空間内に充填した予備発泡ビーズの充填密度を全体的に略均一に設定することが可能となる。このように、本発明では、クラッキング充填と圧縮充填とを順次行って予備発泡ビーズを充填することで、成形品各部における密度が一様な品質の良い成形品を製作できる。また、予備発泡ビーズの充填密度のバラツキが少なくなることから、加熱、冷却のためのエネルギーロスを少なくでき、成形サイクルを短縮して生産性を向上できる。
【0014】
また、ポリオレフィン系樹脂からなる予備発泡ビーズは、素材自体が軟らかく、しかもガス透過性が高いことから、同一発泡倍率のポリスチレン系樹脂からなる予備発泡ビーズよりも格段に粒子形状が変形しやすく、充填性を一層向上できるので好ましい。
【0015】
更に、クラッキング充填完了後の型開閉方向に薄肉な薄肉成形部における予備発泡ビーズの充填密度が適正値になるように、クラッキング充填により成形空間内に予備発泡ビーズを充填するので、予備発泡ビーズをクラッキング充填した状態で、薄肉成形部以外の部分における予備発泡ビーズの充填密度は適正値よりも低くなるが、クラッキング充填後の圧縮充填では、この充填密度の低い箇所に対して予備発泡ビーズが十分に充填されて充填密度が適正値まで高められるので、成形空間内に充填した予備発泡ビーズの充填密度を一様に且つ適正値に設定することが可能となる
【0016】
請求項記載の成形方法は、前記薄肉部の型開閉方向の厚さを予備発泡ビーズの直径の50〜300%に設定したものである。このような厚さの薄肉部を有する成形品の成形方法では、薄肉成形部における予備発泡ビーズの充填密度を十分に確保できないことから、従来、クラッキング充填法により予備発泡ビーズを充填していたが、クラッキング充填法では前述のように、成形品底部の密度が他の部分と比較して高くなり、成形品重量が重くなったり、加熱冷却のためのエネルギーロスが大きくなったり、成形サイクルが長くなって生産性が低下するという問題がある。本発明では、このような厚さの薄肉部を有する成形品でも、成形性や品質を低下させることなく製作することが可能となる。
【0017】
請求項記載の成形方法は、両成形型間に形成される成形空間と、この成形空間における用役流体を制御するための少なくとも3つのチャンバであって、成形空間に連通するコア型背面側の第1チャンバと、成形空間に連通するキャビティ型背面側の第2チャンバと、成形空間のうちの予備発泡ビーズが充填されにくい難充填部に連通する第3チャンバとを備えた型内発泡成形装置を用い、予備発泡ビーズの圧縮充填時に、各チャンバの無機ガス圧を個別に或いはいずれかの組み合わせにより制御しながら、成形空間内に予備発泡ビーズを圧縮充填するものである。
【0018】
前記請求項1又は2に記載の成形方法では、クラッキング充填後、圧縮充填のために成形空間内の圧力を高めるが、このとき成形空間内の予備発泡ビーズが収縮して、充填密度が低い薄肉成形部以外の部分においては、予備発泡ビーズの充填されていない空間部分が形成されることになる。請求項記載の成形方法では、この空間部分を利用して、圧縮充填時において予備発泡ビーズ移動させるとともにその移動を制御しようとするものである。具体的には、ポリオレフィン系樹脂からなる予備発泡ビーズを無機ガスで圧縮した状態で、3つのチャンバの無機ガス圧を個別に或いはいずれかの組み合わせにより制御し、圧縮した予備発泡ビーズを無機ガスの流れに乗せて成形空間内へ充填する新しい圧縮充填方法を採用し、例えば予備発泡ビーズが充填されにくい難充填部に対して先に予備発泡ビーズが充填されるように、各チャンバの無機ガス圧を制御することで、成形品の各部における充填密度を一様に設定することになる。このため予備発泡ビーズが充填されにくい、例えば薄肉な仕切壁を有するような成形品でも、充填器の個数を増やすことなく、成形品の各部における充填密度を適正な値に設定できる。また、強度、剛性を高めたい部分に対して先に予備発泡ビーズを充填すると、該部分における充填密度を局部的に高めてその強度を高めることが可能となる。このような予備発泡ビーズが充填されにくい難充填部への予備発泡ビーズの送入操作は、難充填部に対して集中的に予備発泡ビーズが充填されるように複数回に分けて行ってもよい。
【0019】
請求項記載の成形方法は、前記第3チャンバとして、コア型とキャビティ型間のクリアランスを介して成形空間に連通する単数又は複数のチャンバを備えたものである。この場合には、クリアランスを介して成形空間の外周部に流入した充填用の無機ガスを効率的に外部へ排出できるので、例えば底の深い容器等を製作するときには、容器の開口縁に対応する位置にクリアランスが形成されるように構成することで、充填器の個数を増やすことなく、予備発泡ビーズの充填密度を適正に設定でき、容器の品質を向上することが可能となる。
【0020】
請求項記載の成形方法は、前記第3チャンバとして、予備発泡ビーズが充填され難い有底な幅狭状の仕切壁成形部の奥部に連通する単数又は複数のチャンバを備え、予備発泡ビーズの充填時に、仕切壁成形部に対して先に予備発泡ビーズが充填されるように3つのチャンバの無機ガス圧を制御するものである。この場合には、充填密度を十分に確保できないことから、従来成形困難であると考えられていた例えば厚さ20mm以下の仕切壁を有するような複雑形状の成形品でも、仕切壁成形部に対して先に予備発泡ビーズを充填することで、仕切壁成形部における予備発泡ビーズの充填密度を高めて、適正な密度の品質のよい成形品を製作するとが可能となる。
【0021】
請求項記載の成形方法は、前記第3チャンバとして、予備発泡ビーズの充填器から離れている成形空間の遠隔部の奥部に連通する単数又は複数のチャンバを備え、予備発泡ビーズの充填時に、遠隔部に対して先に予備発泡ビーズが充填されるように無機ガス圧を制御するものである。このように構成すると、予備発泡ビーズの充填密度が低下し易い遠隔部の充填密度を十分に確保でき、品質のよい成形品を製作することが可能となる。
【0022】
請求項記載の成形方法は、成形空間に充填する予備発泡ビーズを、30〜50℃の範囲内の設定温度を中心とした±5℃の一定温度に温度調整するとともに、圧縮充填圧力を前記設定温度に適応する圧力であって大気圧よりも大きく、{(70−設定温度[℃])/10}kg/cm2の式で得られる値以下の一定圧力に設定したものである。
【0023】
この成形方法においては、成形ショット間における成形品の重量バラツキを格段に少なくできる。つまり、予備発泡ビーズは、その製作上の制約から、ビーズ1粒ずつを同一嵩密度に発泡させることは困難で、目標となる嵩密度を中心として、前後に倍率分布を持つ粒子の混合体となる。このため、サイロから成形空間への移送過程において、どうしても分級が発生することから、成形ショット毎に使用する予備発泡ビーズの嵩密度にバラツキが発生して、成形ショット毎の成形品重量にバラツキが発生しようとするが、本発明では、予備発泡ビーズの温度を一定な設定温度に管理するとともに、圧縮充填圧力をこの設定温度に適応する圧力に設定することで、成形品の重量バラツキを防止できる。
【0024】
但し、予備発泡ビーズの見掛け密度に応じて、あるいは見掛け密度と温度とに応じて、圧縮充填圧力を設定するようにしてもよいが、見掛け密度を測定するための手段は大掛かりなものであり、しかも温度調整に比して嵩密度(発泡倍率)のバラツキの調整能力が小さいので、温度を一定に調整することが好ましい。また、変動する予備発泡ビーズの温度に応じて圧縮充填圧を調整することも可能であるが、圧縮充填圧の調整は温度調整よりも煩雑な制御が必要になるので、予備発泡ビーズの温度が一定に調整することが好ましい。
【0025】
また、予備発泡ビーズの温度は、設定温度に厳密に調整することが最も好ましいが、直接的に温度測定することが困難なので、設定温度に対してある程度の幅をもたせることになるが、その幅が設定温度±5℃の範内であれば、比較的容易に温度調整可能で、しかも各成形ショット間における成形品の嵩密度のバラツキを、成形品の品質に悪影響を及ぼさない程度に低減できるので好ましい。
【0026】
請求項記載の成形方法は、前記設定温度において、成形品密度を予備発泡ビーズの嵩密度で除算して得られる予備発泡ビーズの圧縮比が1.2〜1.5となる圧縮充填圧力に設定するものである。
つまり、圧縮比が1.2未満の場合には予備発泡ビーズが十分に発泡せず、離型後に成形品が大幅に収縮したり、ビーズ間に隙間が形成されたりして、良品が得られないという問題がある。また、圧縮比が1.5を越える場合には、充填後の成形空間内におけるビーズ粒子間が非常に狭くなり、加熱蒸気がビーズ粒子間を通過せず融着不良となったり、加熱蒸気が通過した箇所のみ過剰発泡し、成形品に割れが発生するとともに、冷却時間が長くなるという問題があるので、圧縮比が1.2〜1.5となるように圧縮充填圧力を設定することが好ましい。
【0027】
また、前記圧縮比は、従来の成形方法では、十分な充填性能を確保するため、一般的には1.4以上に設定され、薄肉深物形状の成形品を成形する場合には、1.5〜1.6以上に保つ必要がある。ところが、このように圧縮比を高く設定した場合、予備発泡ビーズ同士が融着するのに必要な蒸気温度に対して樹脂発泡圧が高くなってしまい、長い冷却サイクルを必要とし、生産性が低下する。本発明では、圧縮比を低く設定しているので生産性を向上できるとともに、成形品の嵩密度と予備発泡ビーズの嵩密度とを接近させることで、予備発泡ビーズの輸送効率や保管効率を高めることが可能となる。特に、請求項4記載のように成形することで、成形品各部における予備発泡ビーズの充填密度を一様に設定できるので、成形品の品質を十分に確保しつつ生産性を向上することが可能となる。
【0028】
請求項記載の成形方法は、前記予備発泡ビーズとして、ポリオレフィン系樹脂からなり、セル径が100〜900μm、発泡倍率が5〜60倍、DSC2'ndピーク比が8〜60%、独立気泡率が65%以上のポリオレフィン系樹脂からなる予備発泡ビーズを用いたものである。
【0029】
この成形方法においては、予備発泡ビーズとして、セル径が100〜900μm、発泡倍率が5〜60倍、DSC2’ndピーク比が8〜60%、独立気泡率が65%以上のものを使用しているので、下記のように成形品の表面性を向上し、その外観の見栄性を向上できるとともに、成形時の加熱条件に対する制約を緩和して、成形性及び省エネ性を向上できる。
【0030】
セル径は、100μm未満の場合には、成形時に表面伸びが悪く、ヒケ易く、表面外観の見栄えが劣るという問題があり、900μmを越える場合には、セル径が不均一になり易く、セル径が大きいため表面のきめが粗く、表面外観が劣るという問題があるので、100〜900μmの範囲内に設定することが好ましい。
発泡倍率は、特に制限はないが5〜60倍(発泡ビーズの嵩倍率)程度が好ましい。
【0031】
DSC2’ndピーク比は、8%〜60%に設定することが好ましい。DSC2’ndピーク比とは、基材樹脂を加熱したときに、基材樹脂の結晶融点に起因して形成される、低温側と高温側の2つのDSC(示差走査熱量測定)のピークの合計面積に対する高温側ピークの面積の割合であり、このDSC2’ndピーク比が、8%未満の場合には、成形時の加熱条件幅が狭く、成形体が収縮し易く、ヒケ易い。また、60%を越えると、加熱条件を大幅にアップする必要があり、成形機の大型化が必要であり、且つ省エネルギーという観点からもマイナスとなるので8〜60%に設定することが好ましい。
【0032】
独立気泡率は、65%未満の場合には、成形時の加熱圧をアップしてなんとかビーズ同士を融着させたとしても、成形体の収縮、ヒケが大きくなり易く、目標の品質の成形体が得られ難くなるので、65%以上に設定することが好ましい。
【0033】
予備発泡ビーズとしては、ポリオレフィン系樹脂からなるものであれば任意の素材からなるものを採用できるが、安価で且つ入手が容易なことから、請求項10記載のようにポリプロピレン系樹脂や、請求項11記載のようにポリエチレン系樹脂からなるものを採用することが好ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
先ず、成形品の構成について説明する。
図1、図2に示すように、成形品1は、ポリオレフィン系樹脂製の予備発泡ビーズを用いて後述の型内発泡成形装置10、10Aを用いて一体成形したもので、有底な箱状の本体部2と、本体部2内を複数の収容空間3に区画する仕切壁4と、本体部2の上縁から外方へ延びる鍔状の薄肉部5とを備え、収容空間3内に各種物品を整列状に収容するように構成したものである。尚、後述する型内発泡成形装置10,10A及び成形方法では、任意の形状やサイズの成形品を製作することが可能であるが、薄肉部5のように型開閉方向に対する厚さの薄い薄肉部5を有する成形品1を成形するのに特に好適である。また、成形品1のように複雑な形状の成形品や、薄肉部と厚肉部とが混在する成形品や、自動車のバンパーの芯材などのように成形品の強度及び重量に対する制約が厳しい成形品を成形するのにも好適であるが、単なる箱状や板状の単純な形状の成形品を成形することも可能である。
【0035】
仕切壁4の厚さTは20mm以下に設定され、仕切壁4の高さH(mm)と厚さT(mm)とは、H/T≧10の関係式が成り立つように構成されている。このような構成の仕切壁4を有する成形品1は、従来の成形方法では成形困難であったが、後述する本発明の成形方法により品質を低下させることなく成形できる。また、仕切壁4には所定の抜き勾配が形成され、成形品1を離型するときに、仕切壁4が破損しないように構成されている。
また、薄肉部5の型開閉方向の厚さは、予備発泡ビーズの直径の50〜300%、より具体的には、3〜10mmに設定されている。従来このような薄肉部5は、これを成形するための薄肉成形部13cに対する予備発泡ビーズの充填が困難なことから、加圧充填法や圧縮充填法を用いた成形方法では成形困難であり、またクラッキング充填法を用いる場合には充填できるものの、底部の充填密度が高くなって成形品重量が重くなったり、充填密度のバラツキにより生産性が低下したりするという問題が発生し易い部分である。
【0036】
次に、この型内発泡成形装置で使用する予備発泡ビーズについて説明する。
予備発泡ビーズの素材としては、製作する成形品1の使用条件などに応じた物性の素材を選択することになるが、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系合成樹脂材料、あるいはこれらの合成樹脂材料の共重合体などが採用されている。具体的には、エチレンプロピレンランダムポリプロピレン樹脂、エチレンプロピレンブロックポリプロピレン樹脂、ホモポリプロピレンエチレンプロピレンブテンランダムターポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、架橋低密度ポリエチレン(架橋LDPE)などを好適に利用できる。予備発泡ビーズとして、ポリスチレン系樹脂からなる予備発泡ビーズを用いることも可能であるが、ポリオレフィン系樹脂の予備発泡ビーズの方が、素材自体が軟らかく、しかもガス透過性が高いことから、同一発泡倍率のポリスチレン系樹脂からなる予備発泡ビーズよりも格段に粒子形状が変形しやすので、本発明の目的であるところの充填性の改善効果を発揮する上で好ましい。しかも、ポリスチレン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂よりも予備発泡ビーズの形状のバラツキが大きくて充填性が劣るのが一般的であることからも、ポリオレフィン系合成樹脂材料からなる予備発泡ビーズの方が本願の充填方法の効果が表われやすいのである。
【0037】
予備発泡ビーズのセル径は、100μm未満の場合には、成形時に表面伸びが悪く、ヒケ易く、表面外観の見栄えが劣るという問題があり、900μmを越える場合には、セル径が不均一になり易く、セル径が大きいため表面のきめが粗く、表面外観が劣るという問題があるので、100〜900μmの範囲内、より好ましくは150〜700μm、特に好ましくは170〜550μmに設定することになる。
発泡倍率は、特に制限はないが5〜60倍(発泡ビーズの嵩倍率)程度が好ましい。
【0038】
DSC2’ndピーク比は、8%〜60%に設定することが好ましい。DSC2’ndピーク比とは、基材樹脂を加熱したときに、基材樹脂の結晶融点に起因して形成される、低温側と高温側の2つのDSC(示差走査熱量測定)のピークの合計面積に対する高温側ピークの面積の割合であり、このDSC2’ndピーク比が、8%未満の場合には、成形時の加熱条件幅が狭く、成形体が収縮し易く、ヒケ易い。また、60%を越えると、加熱条件を大幅にアップする必要があり、成形機の大型化が必要であり、且つ省エネルギーという観点からもマイナスとなるので8〜60%、より好ましくは10〜50%、特に好ましくは15〜40%に設定することになる。
【0039】
独立気泡率は、65%未満の場合には、成形時の加熱圧をアップしてなんとかビーズ同士を融着させたとしても、成形体の収縮、ヒケが大きくなり易く、目標の品質の成形体が得られ難くなるので、65%以上、より好ましくは75%以上、特に好ましくは85%以上に設定することになる。
【0040】
次に、型内発泡成形装置の構成について説明する。
図3に示すように、型内発泡成形装置10は、対向配置したコア型11及びキャビティ型12と、コア型11とキャビティ型12とで形成される成形空間13内に予備発泡ビーズを充填するためのビーズ充填手段と、成形空間13内に充填された予備発泡ビーズを蒸気により加熱、発泡、融着させる蒸気供給手段と、成形品1を冷却するための冷却手段とを備えている。尚、成形空間13に対する予備発泡ビーズの充填には、空気以外の窒素ガスなどの無機ガスを用いてもよいが、ここでは清浄な空気を用いて充填する場合について説明する。
【0041】
コア型11及びキャビティ型12は、枠状フレーム14と裏板15とを有するハウジング16にそれぞれ取り付けられ、コア型11の背面側には第1チャンバ17が、またキャビティ型12の背面側には第2チャンバ18がそれぞれ形成されている。
【0042】
コア型11及びキャビティ型12には、図3〜図5に示すように、コアベント20やコアベントホール21からなる通気孔22が形成され、成形空間13とチャンバ17,18とは通気孔22を介して連通されている。コアベント20は、図3、図4に示すように、コア型11及びキャビティ型12に形成した取付孔23に装着される部材であって、底面に予備発泡ビーズの直径よりも小径な貫通孔22a或いは長孔22bを複数形成した有底な筒体のことであり、コアベントホール21は、図4に示すように、コア型11及びキャビティ型12に形成した、予備発泡ビーズの直径よりも小径な貫通孔のことである。
【0043】
尚、本実施例では、成形型11,12として複数の通気孔22をそれぞれ形成したものを用いたが、これらの通気孔22を略完全に或いは完全に省略した成形型を用いてもよい。このような成形型を用いる場合には、両成形型を型閉めした状態で、両成形型の合わせ目部分やその付近或いは充填器やエジェクタピンの周囲に、成形空間と外部の配管とを連通させるためのスリットや貫通孔を形成して、予備発泡ビーズの充填用エアや蒸気などの用役流体を制御することになる。このような成形型を用いると、通気孔22の跡が成形品に形成されないので、表面美麗な成形品が得られること、通気孔の形成作業がほとんど不要になったり完全に不要となるので、成形型の製作コストを低減できること、成形型を薄肉に構成できるので、蒸気による加熱等の応答性を向上できること、成形空間内とチャンバー17,18内における蒸気等の用役流体を個別に制御できるので、成形品の表面性と内部の融着率とを独立に制御でき、成形品特性に対する自由度を拡大できること、などの優れた効果を得ることが可能となる。
【0044】
チャンバ17,18は、用役弁SV1、SV2及び切替弁SWV1、SWV2を介して蒸気供給管25及びエア供給管26にそれぞれ接続されるとともに、ドレン弁DV1、DV2及び切替弁SWV3、SWV4を介して、ドレン管27及び真空ポンプPが介装された減圧管28にそれぞれ接続されている。そして、用役弁SV1,SV2と、ドレン弁DV1,DV2と、切替弁SWV1,SWV2の操作により、チャンバ17,18に対して蒸気や圧縮空気などの用役流体を個別に供給或いは排出できるように構成されている。
【0045】
ビーズ充填手段について説明すると、図3に示すように、サイロ(図示外)から供給される予備発泡ビーズを貯留するための原料タンク29が設けられ、原料タンク29には吸気管30が接続され、吸気管30の途中部には吸気弁V1が介装され、吸気弁V1を制御することで、原料タンク29の内圧が調整される。
【0046】
キャビティ型12側の裏板15には成形空間13に開口する充填器31が取付けられ、原料タンク29にはシャッター32が付設され、充填器31は充填管33を介して原料タンク29のシャッター32に接続され、原料タンク29に充填された予備発泡ビーズは、空気の流れに乗って充填器31から成形空間13内へ供給されるように構成されている。充填器31には充填エア供給管34が接続され、充填エア供給管34の途中部に介装した充填エア弁V2により、適正圧力の充填エアが供給されるような構成となっている。
【0047】
原料タンク29はチャンバ17,18の内圧以上の加圧状態に設定され、原料タンク29に貯留された予備発泡ビーズは、圧縮された状態で、原料タンク29から成形空間13への空気の流れに乗って、成形空間13に充填されるように構成されている。
【0048】
また、シャッター32と充填管33との間には調整エア供給管35が接続され、調整エア供給管35の途中部に介装した調整エア弁V3により、充填管33に対して適正圧力の調整エアが供給され、予備発泡ビーズは調整エアで希釈されながら、原料タンク29から充填管33に供給される。また、調整エアの供給量を変えることで、充填管33に対し供給される予備発泡ビーズの単位時間当たりの供給量、つまり後述する最終希釈度合が調整される。但し、スクリューコンベア等の供給手段により原料タンク29から充填管33に対して予備発泡ビーズを供給することも可能であり、この場合には、調整エア弁V3及び調整エア供給管35を省略し、スクリューコンベアの回転速度を変えることでことで、成形空間13に対する予備発泡ビーズの単位時間当たりの供給量を調整することになる。
【0049】
本発明の特徴とする第1の構成は、予備発泡ビーズの充填工程において、クラッキング充填と圧縮充填とを順次行って、成形空間13内が一様な充填密度になるように予備発泡ビーズを充填するように構成した点にある。
【0050】
予備発泡ビーズの充填工程は、基本的には成含工程とクラッキング充填工程と圧縮充填工程とからなり、次のように構成されている。
先ず、予備発泡ビーズを図示外の成含タンク内に充填して、0.3〜2.0kg/cm2の無機ガスを予備発泡ビーズに圧入し、成含した予備発泡ビーズを原料タンク29に供給する。つまり、本発明で使用する予備発泡ビーズは、ポリオレフィン系樹脂からなり、一般にポリスチレン系樹脂と比較して発泡力が弱いので、蒸気で加熱しても予備発泡ビーズが十分に膨らまず、ビーズ間の密着性が低下したり、ビーズ間の隙間が大きくなって見栄性が低下するなど、成形品の品質が低下することが考えられる。このため、予備発泡ビーズに予め無機ガスを圧入してその発泡力を高めることが好ましい。但し、この成含工程は、使用する樹脂によっては省略することも可能である。
【0051】
クラッキング充填工程では、図3に示すように、所定のクラッキング隙間Cをあけた状態に両成形型11,12を型閉めするとともに、原料タンク29内の圧力を大気圧よりも高い圧力に設定し、充填器31のフィラ、シャッター32を開けて、成形空間13に予備発泡ビーズを充填する。このとき、薄肉成形部13cはクラッキング隙間C分だけその型開閉方向への厚さを増しているので、薄肉成形部13cに対してもスムーズに予備発泡ビーズが充填されることになる。
【0052】
クラッキング隙間Cは、成形空間13から予備発泡ビーズが抜け出さないサイズに設定されている。また、原料タンク29内の圧力は、例えば1.0〜5.0kg/cm2に設定され、クラッキング充填後、両成形型11,12を型閉めした状態で、薄肉成形部13c内の予備発泡ビーズの充填密度が所望の適正な充填密度になるように設定されている。このように、型閉めにより充填密度が高くなる薄肉成形部13c内における予備発泡ビーズの充填密度が、両成形型11,12の型閉め後において適正な充填密度になるように設定されているので、薄肉成形部13c以外における成形空間13内の充填密度は、適正な充填密度よりも低くなることになる。
【0053】
次に、圧縮充填を行うため、両成形型11、12を型閉めしてから、チャンバ17,18を予め設定された圧縮充填圧力に加圧するとともに、原料タンク29内を成形空間13内の圧力よりも多少低く設定することになる。このとき、成形空間13内では、図6に示すように、圧縮充填圧力に応じて予備発泡ビーズが収縮し、成形空間13内に予備発泡ビーズが充填されていない未充填空間19が形成される。また、薄肉成形部13c内の予備発泡ビーズは型閉めにより適度な充填密度で充填されているので、予備発泡ビーズの収縮も小さく、薄肉成形部13c内から脱落したりすることはない。
【0054】
次に、充填器31のフィラ、シャッター32、充填エア弁V2、調整エア弁V3を開け予備発泡ビーズの充填を開始する。充填エア弁V2における充填エア圧力は、原料タンク29の内圧より少なくとも2kg/cm2以上高く、且つ絶対値で4kg/cm2以上に設定する。
【0055】
充填中は、予備発泡ビーズは、原料タンク29内の圧縮空気、及び調整エア弁V3からの圧縮空気、並びに充填エア弁V2からの圧縮空気で希釈されながら成形空間13内に流入する。このとき成形空間13に流入する空気と予備発泡ビーズとの容積比は、成形空間13に供給される空気の容積を予備発泡ビーズの容積で除算して得られる数値を最終希釈度合と定義すると、最終希釈度合は5以上、好ましくは10〜50になるように設定される。
【0056】
予備発泡ビーズの最終希釈度合が50よりも大きいと、予備発泡ビーズの単位時間あたりに充填される量が低下するため、充填に時間を要し、成形サイクルタイムが延びるとともに、エア消費量が多くなるという問題がある。また、最終希釈度合が10よりも小さいと、充填管33、充填器31あるいは成形空間13中で予備発泡ビーズ同士の接触或いは衝突回数が増加するため、予備発泡ビーズの充填を妨げる抵抗が増加するという問題があり、また予備発泡ビーズが空気の流れを阻害するため、充填が良好に行えないという問題があるので、10〜50に設定することが好ましい。但し、スクリューコンベア等の供給手段により予備発泡ビーズを供給する場合には、最終希釈度合が所望の値になるように、スクリューコンベアの回転速度を制御して、成形空間13に対する予備発泡ビーズの単位時間当たりの供給量を設定することになる。
【0057】
こうして、圧縮充填が完了すると、図7に示すように、圧縮充填により薄肉成形部13c以外の部分においても十分に予備発泡ビーズが充填されて、充填密度が適正値に設定される。つまり、クラッキング充填により、薄肉成形部13c内における予備発泡ビーズの充填密度が適正に設定され、圧縮充填により、薄肉成形部13c以外の成形空間13内の充填密度が適正に設定されるので、密度バラツキの少ない品質の良い成形品を得ることが可能となるのである。
【0058】
本発明の特徴とする第2の構成は、成形空間13のうちの予備発泡ビーズが充填されにくい難充填部に連通する第3チャンバを設け、クラッキング充填後に圧縮充填により予備発泡ビーズを充填するときに、この第3チャンバを介して充填用の空気を排出することで、難充填部に対する予備発泡ビーズの流入を促進して、難充填部における予備発泡ビーズの充填密度を適正に設定した点にある。尚、クラッキング充填により成形空間13内には予備発泡ビーズが既に充填されているが、両成形型11,12の型閉め後、圧縮充填のため成形空間13内が加圧されると、それに伴って予備発泡ビーズが収縮し、前述のように未充填空間19が形成されるので、圧縮充填時における予備発泡ビーズの流動性はある程度確保された状態となる。このため、第3チャンバを介して充填用の空気を排出することで、難充填部に対する予備発泡ビーズの流入を促進することが可能となるのである。
【0059】
難充填部としては、図8に示すように、例えば成形空間13の外周先端部分13aや、仕切壁4を成形する仕切壁成形部13bの奧部や、充填器31から離れている成形空間13の遠隔部の奥部などが考えられる。
【0060】
このような構成の型内発泡成形装置10Aについて更に詳細に説明すると、図8、図9に示すように、外周先端部分13aの難充填部における充填性を改善するため、型閉めした状態で、コア型11とキャビティ型12間にはスリット状のクリアランス40が形成され、コア型11及びキャビティ型12のフランジ部11a,12a間には第3チャンバとしての型間空洞部41が形成され、外周先端部分13aの難充填部はクリアランス40を介して型間空洞部41に連通されている。型間空洞部41は、用役弁SV3及び切替弁SWV1、SWV2を介して蒸気供給管25及びエア供給管26にそれぞれ接続されるとともに、ドレン弁DV3及び切替弁SWV3、SWV4を介して、ドレン管27及び真空ポンプPが介装された減圧管28にそれぞれ接続され、型間空洞部41の内圧を制御することで、外周先端部分13aの難充填部の内圧を調整できるように構成されている。但し、型間空洞部41は、予備発泡ビーズの充填性を改善するだけであれば、ドレン管にのみ接続すればよく、必ずしも蒸気供給管25やエア供給管26や減圧管28に接続する必要はないが、これらの管に接続することで、後述のように型間空洞部41における充填用の空気以外の用役流体を制御して、予備発泡ビーズの加熱や成形品1の冷却及び離型時における種々のメリットが得られるので好ましい。
【0061】
クリアランス40の開口幅は、予備発泡ビーズの直径よりも小さく設定され、予備発泡ビーズの充填時に、予備発泡ビーズとともに成形空間13に供給される充填用の無機ガスのみが通過して、予備発泡ビーズが成形空間13に残留するように構成されている。但し、クリアランス40はコア型11及びキャビティ型12の全周に亙って形成してもよいし、必要部分にのみ局部的に設けてもよい。また、図10に示すように、クリアランス40を隔壁42により複数(図例では2つ)に区画し、これら複数のクリアランス40に対応させて型間空洞部41を設け、複数の型間空洞部41に対して充填用の空気やその他の用役流体を個別に制御できるように構成してもよい。
【0062】
仕切壁成形部13bの奧部の難充填部における充填性を改善するため、仕切壁成形部13bの奧部には貫通孔43が形成され、この貫通孔43に接続された排気管44は、ドレン弁DV4及び切替弁SWV3、SWV4を介して、ドレン管27及び減圧管28にそれぞれ接続されている。この場合には、排気管44の管内空間45が第3チャンバとして機能し、仕切壁成形部13bの奧部に流入した充填用空気は貫通孔43及び排気管44を介して排出されるように構成されている。尚、貫通孔43は、前記クリアランス40と同様に、充填性のみを改善するのであれば、ドレン管27にのみ接続すればよいのであるが、蒸気供給管25やエア供給管26や減圧管28などの他の配管に接続して、より木目細かな用役流体の制御を行うようにしてもよい。
【0063】
貫通孔43は、丸孔状やスリット状などの任意の形状に形成することが可能であるが、いずれにしても予備発泡ビーズがこの貫通孔43を通って排気管44側へ流入しないような開口幅に形成することになる。また、充填器31から離間した遠隔部やその他の部位においても、予備発泡ビーズが充填され難い場合には、仕切壁成形部13bの奧部と同様に貫通孔を形成して排気管と接続し、充填用の空気を排出するように構成することが可能である。
【0064】
本発明の特徴とする第3の構成は、成形空間13に供給する予備発泡ビーズの温度を所定の設定温度に調整し、これに適応させて圧縮充填時における圧縮充填圧力(圧縮充填時における成形空間13の内圧)を設定した点にある。
具体的には、図3に示すように、原料ビーズはビーズ温調槽38で設定温度に加温され、原料供給弁V4を介して原料タンク29に供給される。ここで、ビーズ温調槽38には予備発泡ビーズを加熱するための加熱手段39を設けるとともに温度センサ37aを設け、温度センサ37aからの信号に基づいて加熱手段39による加熱温度を制御することにより、予備発泡ビーズの温度を設定温度に調整することになる。但し、ビーズ温調槽38の内壁を断熱材で構成したり外壁を断熱材で構成し、ビーズ温調槽38の保温性を高めるとともに、ビーズ温調槽38内の雰囲気温度が一様になるように、加熱手段39として例えば熱風ブロワを用い、ビーズを攪拌しながら温調することが好ましい。また、予備発泡ビーズの温度をより厳密に調整するため、温度センサ37aを複数設けて、その平均温度を予備発泡ビーズの温度として用いてもよい。ビーズ温調槽38から原料タンク29へ予備発泡ビーズを搬送するための配管は保温し、原料輸送のための空気の温度も予め調整することが好ましい。原料タンク29には温調手段36を設けるとともに、原料タンク29内の雰囲気温度を測定するための温度センサ37bを設け、この温度センサ37bからの信号に基づきビーズ温調槽38の温度設定の変更、或いは温調手段36の温度を制御することにより、充填前の予備発泡ビーズの温度を一定にすることができる。
【0065】
加熱手段39としては、任意の構成の加熱手段を採用できるが、成形時に加熱蒸気を用いるので、加熱蒸気を利用した加熱手段を設けることが設備経済上好ましい。その他、加熱手段として電気ヒータ等が挙げられ、加熱蒸気を利用した加熱手段と電気ヒータ等の加熱手段とを併用してもよい。温調手段36としては、成形工場では冷却水温度を30〜50℃に管理していることより、この冷却水を利用した温調を行うことが、設備経済上好ましい。
予備発泡ビーズの加熱温度は、常温以上、融点以下の任意の温度に設定できるが、高温域でのビーズの劣化或いは低温域での夏場の温度管理、冬場の省エネを考慮すると、30℃〜80℃、さらに、成形機の低圧縮圧力域或いは高圧縮圧力域での圧縮充填圧力の制御精度、ビーズ圧縮特性を考慮すると、30℃〜50℃に設定することが好ましい。また、成形品の機械的強度及び重量を安定化させるため、予備発泡ビーズの温度は、設定温度±5℃の範囲内に調整することが好ましい。
【0066】
また、予備発泡ビーズの圧縮充填圧力は、例えば次のような試験を行って予め設定することになる。
先ず、前記設定温度に対する最適な圧縮充填圧力を求めるために行った試験について説明する。
成形品として、ポリプロピレン製の予備発泡ビーズを用いて、外寸で長さ1158.6mm、幅144.3mm、厚み114.3mmの自動車バンパーの芯材を次のようにして製作した。
【0067】
先ず、嵩密度の異なる複数種類の予備発泡ビーズを用い、これを24℃の設定温度に保った状態で4.0kg/cm2の圧縮充填圧力で成形空間13に圧縮充填し、その後蒸気により予備発泡ビーズを加熱融着させて、予備発泡ビーズのビーズ嵩密度の異なる複数種類の成形品を製作した。また、圧縮充填圧力のみを変更して、3.5kg/cm2、3.0kg/cm2にそれぞれ設定した場合の成形品も同様にして製作した。そして、各圧縮充填圧力における、予備発泡ビーズのビーズ嵩密度と乾燥後の成形品重量との関係を求め図11に示す結果を得た。
【0068】
次に、嵩密度の異なる複数種類の予備発泡ビーズを用い、これを40℃の設定温度に保った状態で3.5kg/cm2の圧縮充填圧力で成形空間13に圧縮充填し、その後蒸気により予備発泡ビーズを加熱融着させて、予備発泡ビーズのビーズ嵩密度の異なる複数種類の成形品を製作した。また、圧縮充填圧力のみを変更して、3.0kg/cm2、2.5kg/cm2、2.0kg/cm2にそれぞれ設定した場合の成形品も同様にして製作した。そして、各圧縮充填圧力における、予備発泡ビーズのビーズ嵩密度と乾燥後の成形品重量との関係を求め図12に示す結果を得た。
【0069】
次に、嵩密度の異なる複数種類の予備発泡ビーズを用い、これを55℃の設定温度に保った状態で3.0kg/cm2の圧縮充填圧力で成形空間13に圧縮充填し、その後蒸気により予備発泡ビーズを加熱融着させて、予備発泡ビーズのビーズ嵩密度の異なる複数種類の成形品を製作した。また、圧縮充填圧力のみを変更して、2.5kg/cm2、2.0kg/cm2、1.5kg/cm2、1.0kg/cm2にそれぞれ設定した場合の成形品も同様にして製作した。そして、各圧縮充填圧力における、予備発泡ビーズのビーズ嵩密度と乾燥後の成形品重量との関係を求め図13に示す結果を得た。
【0070】
本発明において最も好ましい成形条件は、予備発泡ビーズの嵩密度が、サイロから成形空間13への予備発泡ビーズの移送過程における分級により変動しても、成形品重量が一様になるような成形条件を得ることであり、図11〜図13に示す試験結果から判るように、予備発泡ビーズ温度を24℃に設定した場合には、圧縮充填圧力を3.5kg/cm2に設定したときに、また予備発泡ビーズ温度を40℃に設定した場合には、圧縮充填圧力を2.0kg/cm2に設定したときに、更に予備発泡ビーズ温度を55℃に設定した場合には、圧縮充填圧力を1.0kg/cm2に設定したときに、線図がそれぞれ略水平になって、予備発泡ビーズの嵩密度が変化しても成形品重量がほとんど変化していないことが判る。
【0071】
つまり、成形空間13内に充填する予備発泡ビーズの温度に応じて圧縮充填圧力を設定することで、予備発泡ビーズの嵩密度が変化しても成形品重量が変化しないように成形品を製作できることが判る。また、圧縮充填圧力を調整するよりも予備発泡ビーズの温度を調整する方が制御し易いので、成形空間13内に充填する予備発泡ビーズの温度を予め設定した設定温度になるように温度調整し、圧縮充填圧力は該設定温度に応じた圧縮充填圧力に固定することが好ましい。
【0072】
設定温度は、温度調整のためのエネルギー消費量を少なくしてランニングコストを低下するため、30〜50℃の範囲内に設定することが好ましい。また、予備発泡ビーズの温度測定は、直接的に測定することが困難なので、予備発泡ビーズを充填している原料タンク29等に温度センサを付設して測定することになるが、測定温度と実際の温度との温度差が大きくなると、予備発泡ビーズの嵩密度に応じて成形品重量が大きく変動するので、測定温度は設定温度±5℃内に設定することが好ましい。
【0073】
圧縮充填圧力は、前記設定温度に適応する圧力に設定することになる。具体的には、大気圧よりも大きく、図11〜図13から判るように{(70−設定温度[℃])/10}kg/cm2の式で得られる値以下に設定することになる。より好ましくは、0.5kg/cm2以上、{(70−設定温度[℃])/10}kg/cm2の式で得られる値以下に設定することになる。
【0074】
次に、前記試験結果を検証するために行った、検証試験について説明する。
前記成形品と同じサイズの成形品を製作すべく、嵩密度59〜64g/Lの範囲内の複数種類のポリプロピレン製の予備発泡ビーズを用い、これを40℃の設定温度に保った状態で2.5kg/cm2の圧縮充填圧力で成形空間に圧縮充填し、その後蒸気により予備発泡ビーズを加熱融着させて、ビーズ嵩密度の異なる100個の成形品を製作した。そして、これら成形品の予備発泡ビーズのビーズ嵩密度と成形品重量との関係を求め、図14に示す結果を得た。
【0075】
次に、前記成形品と同じサイズの成形品を製作すべく、嵩密度51〜58g/Lの範囲内の複数種類のポリプロピレン製の予備発泡ビーズを用い、これを40℃の設定温度に保った状態で2.0kg/cm2の圧縮充填圧力で成形空間に圧縮充填し、その後蒸気により予備発泡ビーズを加熱融着させて、ビーズ嵩密度の異なる900個の成形品を製作した。そして、これら成形品の予備発泡ビーズのビーズ嵩密度と成形品重量との関係を求め、図15に示す結果を得た。
【0076】
図14、図15に示すように、成形空間13内に充填する予備発泡ビーズの温度と圧縮充填圧力との関係を適正に設定することで、成形品重量は、予備発泡ビーズの嵩密度に応じて多少増加傾向にはなっているが、大きく増加することはなく、成形品重量のバラツキが少なくなっており、前記試験結果が量産時においても適合していることが判る。
【0077】
また、圧縮充填開始前の予備発泡ビーズの温度条件で、成形品密度を予備発泡ビーズの嵩密度で除算して得られる予備発泡ビーズの圧縮比が1.2〜1.5、好ましくは1.25〜1.45となる圧縮充填圧力に設定することになる。つまり、圧縮比が1.2未満の場合には予備発泡ビーズが十分に発泡せず、離型後に成形品が大幅に収縮したり、ビーズ間に隙間が形成されたりして、良品が得られないという問題がある。また、圧縮比が1.5を越える場合には、充填後の成形空間内におけるビーズ粒子間が非常に狭くなり、加熱蒸気がビーズ粒子間を通過せず融着不良となったり、加熱蒸気が通過した箇所のみ過剰発泡し、成形品に割れが発生するとともに、冷却時間が長くなるという問題があるので、圧縮比が1.2〜1.5となるように圧縮充填圧力を設定することが好ましい。
【0078】
次に、前記型内発泡成形装置10Aを用いた予備発泡ビーズの充填方法の一例について説明する。但し、成含工程及びクラッキング充填工程に関しては前述した充填方法と同じなので、圧縮充填工程についてのみ説明する。
先ず、予備発泡ビーズをビーズ温調槽38に供給し、ビーズ温調槽38内における予備発泡ビーズの温度を測定しながら、加熱手段39によりビーズ温調槽38内を加熱し、予備発泡ビーズの温度を30〜50℃の所定の設定温度に調整した後、保温された原料タンク29に予備発泡ビーズを供給する。
【0079】
次に、クラッキング充填後、成形型11,12を完全に型閉めしてから、成形空間13内を予備発泡ビーズの設定温度に適応する圧縮充填圧に調整すべく、チャンバ17,18と型間空洞部41と管内空間45を予め設定された圧縮充填圧力に加圧するとともに、原料タンク29内を成形空間13内の圧力よりも多少低く設定することになる。このように、圧縮充填時における予備発泡ビーズの温度を設定温度に設定し、圧縮充填圧力をこの設定温度に適応した圧力に設定するので、前述のように、予備発泡ビーズの嵩密度に多少のバラツキがあっても、一様な重量の成形品を製作することが可能となる。
【0080】
次に、充填器31のフィラ、シャッター32、充填エア弁V2、調整エア弁V3を開け予備発泡ビーズの充填を開始する。充填エア弁V2における充填エア圧力は、原料タンク29の内圧より少なくとも2kg/cm2以上高く、且つ絶対値で4kg/cm2以上に設定する。
【0081】
充填中は、前記充填方法と同様に、予備発泡ビーズを圧縮空気で希釈させながら成形空間13内に流入させる。こうして、成形空間13内に流入した圧縮空気は、通気孔22とクリアランス40と貫通孔43とを通ってチャンバ17,18と型間空洞部41と管内空間45の圧力を上昇させる。この時、チャンバ17,18と型間空洞部41と管内空間45の圧力をドレン弁DV1〜DV4を用いて個別にあるいはいずれかを組合せて制御することにより、予備発泡ビーズの充填され難い部分に対して、先に予備発泡ビーズを充填して、成形品1の各部における密度のバラツキを抑制したり、充填密度を適正に確保することができる。
【0082】
例えば、チャンバ17,18と型間空洞部41と管内空間45の内圧が設定圧以上になったときにドレン弁DV1〜DV4を順次開放するように構成するとともに、設定圧を第2チャンバ18>第1チャンバ17>型間空洞部41>管内空間45とすれば、先ずドレン弁DV4が開放されて難充填部40に対して予備発泡ビーズが充填され、難充填部40への予備発泡ビーズの充填が略完了して、チャンバ17,18と型間空洞部41の内圧が高くなると、ドレン弁DV3が開放されて、成形空間13の外縁部に予備発泡ビーズが充填される。こうして設定圧の小さいものから順番にドレン弁が開放されて、成形空間13に予備発泡ビーズが充填されることになる。
【0083】
また、別の制御方法としては、充填工程を4つに分け、第1の工程ではドレン弁DV4のみを使用して管内空間45の空気圧力を制御し、第2の工程ではドレン弁DV3、DV4を用いて型間空洞部41と管内空間45の空気圧力を制御し、第3の工程では排気弁DV1、DV3、DV4を用いて第1チャンバ17と型間空洞部41と管内空間45の空気圧力を制御し、第4工程では、排気弁DV1〜DV4を用いてチャンバ17,18と型間空洞部41と管内空間45の空気圧力を制御しつつ、予備発泡ビーズを成形空間13内に順次充填する。
【0084】
こうして、予備発泡ビーズを充填した後、充填器31のフィラを閉めるとともに調整エア弁V3を閉め、充填エアを用いて充填器31並びに充填管33内に残っている予備発泡ビーズを原料タンク29に戻し、その後充填エア弁V2並びにシャッター32を閉めることで充填サイクルは終了し、加熱、冷却、離型の一連の通常成形工程を順次行って、所定成形品1を得ることになる。
【0085】
尚、前記型内発泡成形装置10Aにおいては、クリアランス40及び型間空洞部41を形成しているので、これを有効に利用し、クリアランス40及び型間空洞部41における用役流体を次のように制御しながら加熱、冷却、離型を行うことも可能である。
【0086】
即ち、加熱工程において、型間空洞部41及びクリアランス40に蒸気を導入して、クリアランス40の周辺部を加熱するとともに、成形空間13内にも送入して、成形空間13の外周先端部分13aの予備発泡ビーズの加熱を補う操作を行う。
【0087】
この場合には、従来比較的熱容量が大きく温度が上昇しにくかった、両成形型11,12の外周部を構成するフランジ部11a,12aが直接加熱されるようになるので、外周先端部分13aの予備発泡ビーズの迅速な温度上昇が可能になるから、結局、成形時間合計を短縮できるという利点が得られるのである。
【0088】
この他、蒸気による外周先端部分13aのエアパージが確実になる、あるいはクリアランス40を通じて独立した調圧操作が可能となるので、チャンバ圧に対して蒸気圧をプラス、マイナスなどコントロールして成形型11,12内の温度バランスを最も好ましい状態に設定でき、大幅なサイクル時間削減あるいは省エネ効果が期待できる。
【0089】
冷却工程において、冷却水の注水の他、前記クリアランス40を通して成形空間13内を減圧して、注水によって成形空間13内に侵入した水分の気化による冷却を促進するとともに、ドレンを排出する操作を行う。
この場合においても、熱容量が大きく温度が下がりにくい成形型11,12のフランジ部11a,12aの温度低下を促進できるから、サイクル時間の削減に大いに貢献できるのである。
【0090】
離型工程において、前記クリアランス40、型間空洞部41に溜まっているドレンを排出する操作を行う。その結果、前記冷却時の注水によって生じたクリアランス40、型間空洞部41に溜まるドレンが除去できるから、離型のために型開きしても作業場を水濡れ状態にするなどの不具合が解消できる。
【0091】
尚、これまでの説明では、コア型11に仕切壁成形部13bが設けられている場合について説明したが、仕切壁成形部13bがキャビティ型12側に設けられている場合には、これまでの説明におけるチャンバ17,18を逆に読み替えた方法を採用することにより、全く同様な作用と効果を得ることができる。また、本実施例では、成形品1の各部における密度が一様になるように、チャンバ17,18と型間空洞部41と管内空間45の内圧を調整したが、局部的に強度を高めたい部分における予備発泡ビーズの充填密度を高めることも可能である。また、成形品1以外の各種形状の成形品を成形する場合においても、本発明を勿論適用することが可能である。
【0092】
このようにして成形した成形品1は、例えば薄肉部5の型開閉方向に対する肉厚が3〜10mmに構成されたものや、仕切壁4の肉厚が20mm以下、好ましくは3〜15mm、より好ましくは5〜10mmの薄肉に構成されたものや、成形品1の仕切壁4の厚さ方向に配置されるビーズの個数が3個以下のものなど、従来充填困難であると考えられていたような成形品1であっても、各部における密度が平均密度の±5%以内、好ましくは±4%以内、より好ましくは±3%以内に設定された密度のバラツキの少ない品質のよい成形品1となる。また、予備発泡ビーズの温度を設定温度に保ち、圧縮充填圧力を設定温度に適応する圧力に保った状態で成形するので、例えば900gの成形品を成形するときにおける成形品の重量バラツキ3σを、従来の成形方法では10%であったものを、3%以下に調整することが可能となり、各成形ショット間における成形品の重量バラツキが少なく、成形品品質及び収率のよい成形品となる。
【0093】
本発明は、例えばカップ麺の容器のような小さく単純な形状をした成形品1よりも、比較的大きく、複雑な形状をした包装体を成形するときに効果を発揮し、有用なものである。特に、厚肉部と薄肉部5とを共に有するような、集合包装体に有益である。また、各成形ショット間における重量バラツキが少なくなることから、自動車用バンパーの芯材のように、機械的強度と重量に対する制約が厳しい成形品にも好適に利用できる。
【0094】
【発明の効果】
請求項1に係るポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法によれば、クラッキング充填と圧縮充填とを順次行って予備発泡ビーズを充填するので、成形品各部における密度が一様な品質の良い成形品を製作できる。また、予備発泡ビーズの充填密度のバラツキが少なくなることから、加熱、冷却のためのエネルギーロスを少なくでき、成形サイクルを短縮して生産性を向上できる。
また、ポリオレフィン系樹脂からなる予備発泡ビーズは、素材自体が軟らかく、しかもガス透過性が高いことから、同一発泡倍率のポリスチレン系樹脂からなる予備発泡ビーズよりも格段に粒子形状が変形しやすく、充填性を一層向上できるので好ましい。
【0095】
更に、クラッキング充填完了後の型開閉方向に薄肉な薄肉成形部における予備発泡ビーズの充填密度が適正値になるように、クラッキング充填により成形空間内に予備発泡ビーズを充填するので、成形空間内に充填した予備発泡ビーズの充填密度を一様に且つ適正値に設定することが可能となる。
【0096】
本発明に係る成形方法では、請求項記載のように、薄肉部の型開閉方向の厚さを予備発泡ビーズの直径の50〜300%に設定した成形品でも、成形性や品質を低下させることなく製作することが可能となる。
【0097】
請求項記載の成形方法によれば、圧縮充填時に、3つのチャンバの無機ガス圧を個別に或いはいずれかの組み合わせにより制御し、圧縮した予備発泡ビーズを無機ガスの流れに乗せて成形空間内へ充填するので、例えば予備発泡ビーズが充填されにくい難充填部に対して先に予備発泡ビーズが充填されるように、各チャンバの無機ガス圧を制御することで、成形品の各部における充填密度を一様に設定できる。このため予備発泡ビーズが充填されにくい、例えば薄肉な仕切壁を有するような成形品でも、充填器の個数を増やすことなく、成形品の各部における充填密度を適正な値に設定できる。また、強度、剛性を高めたい部分に対して先に予備発泡ビーズを充填すると、該部分における充填密度を局部的に高めてその強度を高めることが可能となる。
【0098】
請求項記載のように、第3チャンバとして、コア型とキャビティ型間のクリアランスを介して成形空間に連通する単数又は複数のチャンバを備えると、クリアランスを介して成形空間の外周部に流入した充填用の無機ガスを効率的に外部へ排出できるので、例えば底の深い容器等を製作するときには、容器の開口縁に対応する位置にクリアランスが形成されるように構成することで、充填器の個数を増やすことなく、予備発泡ビーズの充填密度を適正に設定でき、容器の品質を向上することが可能となる。
【0099】
請求項記載のように、第3チャンバとして、予備発泡ビーズが充填され難い有底な幅狭状の仕切壁成形部の奥部に連通する単数又は複数のチャンバを備えると、充填密度を十分に確保できないことから、従来成形困難であると考えられていた例えば厚さ20mm以下の仕切壁を有するような複雑形状の成形品でも、仕切壁成形部に対して先に予備発泡ビーズを充填することで、仕切壁成形部における予備発泡ビーズの充填密度を高めて、適正な密度の品質のよい成形品を製作するとが可能となる。
【0100】
請求項記載のように、第3チャンバとして、予備発泡ビーズの充填器から離れている成形空間の遠隔部の奥部に連通する単数又は複数のチャンバを備えると、予備発泡ビーズの充填密度が低下し易い遠隔部の充填密度を十分に確保でき、品質のよい成形品を製作することが可能となる。
【0101】
請求項記載のように、成形空間に充填する予備発泡ビーズを、30〜50℃の範囲内の設定温度を中心とした±5℃の一定温度に温度調整するとともに、圧縮充填圧力を前記設定温度に適応する圧力であって大気圧よりも大きく、{(70−設定温度[℃])/10}kg/cm2の式で得られる値以下の一定圧力に設定すると、予備発泡ビーズの嵩密度が各成形ショット間において予備発泡ビーズの移送時における分級等により変動しても、その悪影響を受けることなく一様な重量の成形品を製作できるので、成形品の品質安定性を格段に向上できる。
また、予備発泡ビーズの温度を設定温度±5℃の範内に設定するので、比較的容易に温度調整可能で、しかも各成形ショット間における成形品の嵩密度のバラツキを、成形品の品質に悪影響を及ぼさない程度に低減できるので好ましい。
【0102】
請求項記載のように、前記設定温度において、成形品密度を予備発泡ビーズの嵩密度で除算して得られる予備発泡ビーズの圧縮比が1.2〜1.5となる圧縮充填圧力に設定すると、成形のサイクルタイムを短くして生産性を向上できるとともに、ビーズ同士が適正に密着した品質の良い成形品を成形できる。また、成形品の嵩密度と予備発泡ビーズの嵩密度とが接近するので、予備発泡ビーズの輸送効率や保管効率を高めることが可能となる。
【0103】
請求項記載のように、予備発泡ビーズとして、ポリオレフィン系樹脂からなり、セル径が100〜900μm、発泡倍率が5〜60倍、DSC2'ndピーク比が8〜60%、独立気泡率が65%以上のポリオレフィン系樹脂からなる予備発泡ビーズを用いると、成形品の表面性を向上し、その外観の見栄性を向上できるとともに、成形時の加熱条件に対する制約を緩和して、成形性及び省エネ性を向上できる。
【0104】
予備発泡ビーズとしては、ポリオレフィン系樹脂からなるものであれば任意の素材からなるものを採用できるが、安価で且つ入手が容易なことから、請求項10記載のようにポリプロピレン系樹脂や、請求項11記載のようにポリエチレン系樹脂からなるものを採用することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 成形品の斜視図
【図2】 成形品の縦断面図
【図3】 型内発泡成形装置の縦断面図
【図4】 通気孔付近の縦断面図
【図5】 コアベントの正面図
【図6】 クラッキング充填工程の説明図
【図7】 圧縮充填工程の説明図
【図8】 他の構成の型内発泡成形装置の縦断面図
【図9】 両成形型の合わせ目付近の縦断面図
【図10】 他の構成の型内発泡成形装置の図9相当図
【図11】 予備発泡ビーズの嵩密度と成形品重量との関係を示す線図
【図12】 予備発泡ビーズの嵩密度と成形品重量との関係を示す線図
【図13】 予備発泡ビーズの嵩密度と成形品重量との関係を示す線図
【図14】 予備発泡ビーズの嵩密度と成形品重量との関係を示す線図
【図15】 予備発泡ビーズの嵩密度と成形品重量との関係を示す線図
【図16】 従来技術に係る型内発泡成形装置の縦断面図
【符号の説明】
1 成形品 2 本体部
3 収容空間 4 仕切壁
5 薄肉部
10 型内発泡成形装置
11 コア型 12 キャビティ型
11a,12a フランジ部
13 成形空間 13a 外周先端部分
13b 仕切壁成形部 13c 薄肉成形部
14 枠状フレーム 15 裏板
16 ハウジング 17 第1チャンバ
18 第2チャンバ 19 未充填空間
20 コアベント
21 コアベントホール
22 通気孔 23 取付孔
22a 貫通孔 22b 長孔
SV1〜SV3 用役弁
SWV1〜SWV4 切替弁
DV1〜DV4 ドレン弁
V1 吸気弁 V2 充填エア弁
V3 調整エア弁
25 蒸気供給管 26 エア供給管
27 ドレン管 P 真空ポンプ
28 減圧管 29 原料タンク
30 吸気管 31 充填器
32 シャッター 33 充填管
34 充填エア供給管
35 調整エア供給管
36 温調手段
37a 温度センサ 37b 温度センサ
38 ビーズ温調槽 39 加熱手段
40 クリアランス 41 型間空洞部
42 隔壁 43 貫通孔
44 排気管 45 管内空間

Claims (11)

  1. 型開閉方向に薄肉な薄肉部を有する成形品を成形するための型内発泡成形方法であって、クラッキング隙間が形成されるように両成形型を型閉めした状態で、クラッキング充填によりポリオレフィン系樹脂からなる予備発泡ビーズを成形空間内に充填し、次に両成形型を完全に型閉めした状態で、圧縮充填により予備発泡ビーズを充填して、成形空間内に予備発泡ビーズを充填するにあたり、クラッキング充填完了後に両成形型を完全に型閉めした状態で、型開閉方向に薄肉な薄肉成形部における予備発泡ビーズの充填密度が適正値なるように、クラッキング充填において成形空間内に予備発泡ビーズを充填し、圧縮充填において、薄肉成形部以外における成形空間内の予備発泡ビーズの充填密度が、前記適正値になるまで予備発泡ビーズを圧縮充填して、成形空間内における予備発泡ビーズの充填密度を一様に且つ前記適正値に設定することを特徴とするポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法。
  2. 前記薄肉部の型開閉方向の厚さを予備発泡ビーズの直径の50〜300%に設定した請求項1記載のポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法。
  3. 両成形型間に形成される成形空間と、この成形空間における用役流体を制御するための少なくとも3つのチャンバであって、成形空間に連通するコア型背面側の第1チャンバと、成形空間に連通するキャビティ型背面側の第2チャンバと、成形空間のうちの予備発泡ビーズが充填されにくい難充填部に連通する第3チャンバとを備えた型内発泡成形装置を用い、予備発泡ビーズの圧縮充填時に、各チャンバの無機ガス圧を個別に或いはいずれかの組み合わせにより制御しながら、成形空間内に予備発泡ビーズを圧縮充填する請求項1又は2記載のポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法。
  4. 前記第3チャンバとして、コア型とキャビティ型間のクリアランスを介して成形空間に連通する単数又は複数のチャンバを備えた請求項記載のポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法。
  5. 前記第3チャンバとして、予備発泡ビーズが充填され難い有底な幅狭状の仕切壁成形部の奥部に連通する単数又は複数のチャンバを備え、予備発泡ビーズの充填時に、仕切壁成形部に対して先に予備発泡ビーズが充填されるように3つのチャンバの無機ガス圧を制御する請求項又は記載のポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法。
  6. 前記第3チャンバとして、予備発泡ビーズの充填器から離れている成形空間の遠隔部の奥部に連通する単数又は複数のチャンバを備え、予備発泡ビーズの充填時に、遠隔部に対して先に予備発泡ビーズが充填されるように無機ガス圧を制御する請求項のいずれか1項記載のポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法。
  7. 成形空間に充填する予備発泡ビーズを、30〜50℃の範囲内の設定温度を中心とした±5℃の一定温度に温度調整するとともに、圧縮充填圧力を前記設定温度に適応する圧力であって大気圧よりも大きく、{(70−設定温度[℃])/10}kg/cm2の式で得られる値以下の一定圧力に設定した請求項1〜のいずれか1項記載のポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法。
  8. 前記設定温度において、成形品密度を予備発泡ビーズの嵩密度で除算して得られる予備発泡ビーズの圧縮比が1.2〜1.5となる圧縮充填圧力に設定する請求項記載のポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法。
  9. 前記予備発泡ビーズとして、ポリオレフィン系樹脂からなり、セル径が100〜900μm、発泡倍率が5〜60倍、DSC2'ndピーク比が8〜60%、独立気泡率が65%以上のポリオレフィン系樹脂からなる予備発泡ビーズを用いた請求項1〜のいずれか1項記載のポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法。
  10. 前記予備発泡ビーズがポリプロピレン系樹脂からなる請求項1〜のいずれか1項記載のポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法。
  11. 前記予備発泡ビーズがポリエチレン系樹脂からなる請求項1〜10のいずれか1項記載のポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法。
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