JP2001328134A - 熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置並びに型内発泡成形品 - Google Patents

熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置並びに型内発泡成形品

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JP2001328134A
JP2001328134A JP2000152475A JP2000152475A JP2001328134A JP 2001328134 A JP2001328134 A JP 2001328134A JP 2000152475 A JP2000152475 A JP 2000152475A JP 2000152475 A JP2000152475 A JP 2000152475A JP 2001328134 A JP2001328134 A JP 2001328134A
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material beads
mold
molding
beads
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Yoshiyuki Kobayashi
喜幸 小林
Masahiro Chikada
雅浩 近田
Kenji Yamaguchi
健二 山口
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性の異なる原料ビーズからなる成形部分を
有する成形品の品質を向上し得る熱可塑性合成樹脂の型
内発泡成形方法及び装置並びに型内発泡成形品を提供す
ることである。 【解決手段】 区画手段30により成形空間13内を複
数の区画成形空間13A,13Bに区画し、少なくとも
隣接する区画成形空間13A,13Bに対して特性の異
なる原料ビーズが充填されるように、各区画成形空間1
3A,13Bに対して個別に原料ビーズを充填するに際
し、特性に応じた設定温度に原料ビーズを温調した状態
で、各区画成形空間13A,13B内に対して原料ビー
ズを圧縮充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1つの成形品に特
性の異なる原料ビーズからなる成形部分を形成するのに
好適な熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置並
びに型内発泡成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性合成樹脂からなる原料ビーズを
用いて成形品を製作する型内発泡成形装置として、例え
ば米国特許5164257号公報には、一方の金型にエ
アシリンダー等のアクチュエータを介して成形空間内に
出没自在な仕切部材を設け、この仕切部材により成形空
間内を複数の区画成形空間に区画するとともに、各区画
成形空間に対して原料ビーズを供給する充填器を個別に
接続し、仕切部材により成形空間内を区画した状態で、
隣接する区画成形空間内に、例えば発泡倍率の異なる原
料ビーズを充填し、充填後、仕切部材を後退させてから
成形空間内に蒸気を供給することで、原料ビーズを加熱
融着させて成形品を得るように構成した型内発泡成形技
術が記載されている。
【0003】この型内発泡成形技術により成形された成
形品においては、成形品の部位によって使用する原料ビ
ーズを変更することで、例えば部位によって機械的特性
が異なる成形品を製作することが可能で、成形品の性能
や品質を向上できる利点を有しており、自動車用バンパ
ーの芯材や、家電製品や家具等の梱包用のクッション材
として採用されつつある。
【0004】一方、各成形ショット間における成形品の
発泡倍率のバラツキを少なくして成形品の重量バラツキ
を少なくする技術として、特開平3−53929号公報
には、原料ビーズの温度を測定し、その温度に適応する
ように圧縮充填圧力を設定したり、原料ビーズの温度を
圧縮充填圧力に適応するように調整したり、原料ビーズ
の見掛け密度を測定し、それに適応するように圧縮充填
圧力を調整したり、原料ビーズの温度及び見掛け密度を
測定し、それに適応するように圧縮充填圧力を調整する
ように構成したものが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記米国特
許に記載の成形装置において、隣接する区画成形空間内
に発泡倍率の異なる原料ビーズを充填して成形品を製作
すると、原料ビーズの加熱融着時に、異種原料ビーズ間
において発泡圧に差が生じ、異種原料ビーズの境界面が
全体的にずれたり、境界面が湾曲したりする問題が発生
し、所期の品質が得られないという問題があった。しか
も、このような境界面のずれや変形は、原料ビーズの空
気輸送時における分級や、各成形ショット間における外
部温度条件の変動等によっても変化することから、初期
条件を適正に設定していても調整困難なものであった。
【0006】また、別の問題として、前記米国公報に記
載の成形装置においては、仕切部材を出没させるための
アクチュエータを設ける必要があるので、成形空間の区
画個数が増えると、それに応じて仕切部材の駆動系統が
複雑になり、成形装置の製作コストが高くなること、隣
接する区画成形空間内の充填圧に差圧が生じないように
制御しないと、差圧による仕切部材の変形が懸念される
こと、充填用エアの流れが仕切部材により阻害されて原
料ビーズの充填性が低下すること、金型に挿通孔を形成
して、この挿通孔に仕切部材を出没自在に装着する関係
上、成形品の表面に挿通孔に沿ってバリが形成され、外
観が低下すること、などの問題があった。
【0007】本出願人は、前記米国公報に記載の成形装
置における問題が、板状の仕切部材を可動に構成するこ
とにより発生していることに着目し、櫛歯からなる仕切
部材を金型に固定的に設け、この仕切部材で成形空間内
を複数の区画成形空間に区画するように構成した成形装
置を開発しつつある。しかし、この成形装置において
も、仕切部材を成形空間内に残した状態で、原料ビーズ
を加熱融着させる関係上、発泡倍率の異なる原料ビーズ
を充填した場合には、原料ビーズの発泡圧の差により境
界面が変形するとともに、櫛歯が境界面とともに変形
し、成形品の離型が困難になったり、成形品の品質が低
下するという問題が発生した。また、櫛歯の変形を防止
するため、櫛歯として大径のものを使用すると、成形品
に大きな有底孔や貫通孔が形成され、成形品の外観が低
下したり強度が低下するという別の問題が発生する異か
ら、加熱融着時に原料ビーズの発泡圧に差圧が発生しな
いようにするための技術が要望されていた。
【0008】本発明の目的は、特性の異なる原料ビーズ
からなる成形部分を有する成形品の品質を向上し得る熱
可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置並びに型内
発泡成形品を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明に係
る熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法は、仕切部材に
より成形空間内を複数の区画成形空間に区画し、少なく
とも隣接する区画成形空間に対して特性の異なる原料ビ
ーズが充填されるように、各区画成形空間に対して個別
に原料ビーズを充填するに際し、特性に応じた設定温度
に原料ビーズを温調した状態で、各区画成形空間内に対
して原料ビーズを圧縮充填するものである。
【0010】この成形装置においては、仕切部材により
成形空間内を複数の区画成形空間に区画した状態で、隣
接する区画成形空間内に特性の異なるの原料ビーズを圧
縮充填できるので、区画成形空間の形成位置やサイズ、
圧縮充填する原料ビーズの特性などを適正に設定するこ
とで、成形品の性能や品質を向上できる。例えば、強度
面を重視する部位には、発泡倍率の低い原料ビーズを用
いて成形品の強度剛性を高め、そうでない部位には発泡
倍率の高い原料ビーズを用いることで成形品重量を軽減
し、成形品の強度向上と重量軽減の両立を図ることが可
能となる。しかも、原料ビーズを温調することにより、
成形ショット間における成形品の発泡倍率のバラツキを
少なくして、成形品の重量バラツキを低減できるので好
ましい。
【0011】また、特性に応じた設定温度に原料ビーズ
を温調するので、特性の異なる原料ビーズ毎に加熱融着
時における発泡圧を適正に調整することが可能となる。
具体的には、原料ビーズの加熱融着時における発泡圧が
略一様になるように、特性に応じた設定温度に原料ビー
ズを温調した状態で、各区画成形空間内に対して原料ビ
ーズを圧縮充填することで、仕切部材として板状部材を
用いる場合には、特性の異なる原料ビーズの境界面の位
置ずれや変形を防止でき、また仕切部材として櫛歯を用
いる場合には、櫛歯の変形を防止して櫛歯からの成形品
の離型性を向上できるとともに、櫛歯として小径のもの
を採用することが可能となり、櫛歯により成形品に形成
される貫通孔や有底孔の孔径を小さく設定して、成形品
の強度や外観を向上できる。更に、各区画成形空間に対
する原料ビーズの圧縮充填を略同一圧縮条件で行うと、
成形空間内の各部における充填密度のバラツキを極力少
なくでき、成形品の品質を向上できるので好ましい。
【0012】原料ビーズとしては、発泡倍率、基材樹脂
組成、結晶化構造、粒子サイズ、粒子形状、粒子重量、
粒子内セル径、色の1種又は2種以上の特性が異なる原
料ビーズを採用できる。これらの特性は、色以外におい
て原料ビーズの発泡圧に影響を及ぼす特性であるので、
発泡圧を調整すべく本発明を適用するのに好適である。
基本的には、同一加熱条件下では、発泡倍率は、高くな
ると発泡圧も高くなる傾向を示し、結晶化構造は、結晶
化度が高くなると発泡圧は低くなる傾向を示し、粒子サ
イズは、大きくなると発泡圧は高くなる傾向を示し、粒
子形状は、単位重量当たりの表面積が大きくなると発泡
圧は低くなる傾向を示し、粒子重量は、大きくなると発
泡圧は高くなる傾向を示し、粒子内セル径は、大きくな
ると発泡圧は高くなる傾向を示す。また、基材樹脂は、
その組成が異なることにより、例えば融点やMI(メル
ト・インデックス)が違った値を示す。一般的に同一加
熱条件下では、融点が高くなると発泡圧は低くなる傾向
を示し、MIが高くなると発泡圧も高くなる。本発明で
は、これらの特性に応じて原料ビーズの温調の設定温度
を調整することになる。
【0013】また、実際の原料ビーズにおいては、1つ
の特性を調整すると他の特性が変化することが多く、1
つの特性のみが異なるように構成することが困難なこと
から、定性的な判断は困難ではあるが、基本的には、原
料ビーズとして発泡倍率の異なる原料ビーズを用い、発
泡倍率の低い原料ビーズの温調の設定温度を、発泡倍率
の高い原料ビーズの温調の設定温度よりも高く設定する
と、前述したような作用が得られるので好ましい。但
し、原料ビーズとして発泡倍率の異なる原料ビーズを用
いた場合であっても、その他の特性が異なる場合には、
発泡倍率の低い原料ビーズの温調の設定温度を、発泡倍
率の高い原料ビーズの温調の設定温度以下に設定して、
発泡圧を調整することもあり得る。
【0014】複数の区画成形空間に対する原料ビーズの
圧縮充填は、同時に行ってもよいし、時間差を設けて行
ってもよい。尚、仕切部材として櫛歯からなるものを用
い、しかも櫛歯の間隔を少なくとも1種類の原料ビーズ
が通り抜け可能な間隔に設定する場合には、通り抜け不
能な原料ビーズを充填した後、通り抜け可能な原料ビー
ズを充填することになる。
【0015】本発明に係る熱可塑性合成樹脂の型内発泡
成形装置は、成形空間内を複数の区画成形空間に区画す
る仕切部材を有する金型と、少なくとも隣接する区画成
形空間に特性の異なる原料ビーズが充填されるように、
各区画成形空間に対して個別に原料ビーズを圧縮充填す
る充填手段とを備え、充填手段に、特性に応じた設定温
度に原料ビーズを温調する温調手段を設けたものであ
る。
【0016】この型内発泡成形装置では、温調手段によ
り少なくとも1種類の原料ビーズを特性に応じた設定温
度に温調できるので、前記型内発泡成形方法と同様に、
特性の異なる原料ビーズ毎に加熱融着時における発泡圧
を適正に調整することが可能となる。
【0017】仕切部材として、隣接する区画成形空間に
充填する原料ビーズの少なくとも一方が通り抜け不能な
間隔をあけて型開閉方向に片持ち状に延びる複数の櫛歯
を有する仕切部材を金型に固定すると、成形品のうちの
櫛歯に対応する位置には貫通孔又は有底孔が形成される
ものの、仕切部材がコア型又はキャビティ型に固定的に
設けられているので、次のような作用が得られる。
【0018】(1)仕切部材を駆動するための駆動系が
不要となるので、成形装置を格段に簡素に構成すること
が可能となり、成形装置の製作コストを低減できる。 (2)仕切部材の取付位置を変更することで、成形空間
の区画領域を容易に変更することが可能で、成形品の設
計変更等に容易に対応できる。 (3)隣接する区画成形空間内に充填した特性の異なる
の原料ビーズ同士も櫛歯間の隙間を介して十分に融着す
ることになるので、成形品のうちの特性の異なる原料ビ
ーズで成形された成形部分の接合強度を十分に確保する
ことが可能となる。 (4)仕切部材が挿通する挿通孔を金型に設ける必要が
ないので、原料ビーズが挿通孔内に侵入したり、挿通孔
と仕切部材間に侵入することにより、バリが形成された
りするという不具合を確実に防止できる。しかも、挿通
孔の形成による金型強度の部分的な低下を防止でき、成
形品精度を向上できる。
【0019】また、隣接する区画成形空間内における原
料ビーズの加熱融着時の発泡圧を略同じに設定すること
で、櫛歯の変形を防止して櫛歯からの成形品の離型性を
向上できるとともに、櫛歯として小径のものを採用する
ことが可能となり、櫛歯により成形品に形成される貫通
孔や有底孔の孔径を小さく設定して、成形品の強度や外
観を向上できる。
【0020】櫛歯としては、直径が1〜10mmの棒状
部材を用いることが好適である。つまり、この成形装置
においては、前述のように成形品には櫛歯により貫通孔
又は有底孔が形成されるので、櫛歯の直径を10mmよ
りも大きく設定すると、大きな貫通孔又は有底孔が形成
されることになり、成形品の強度低下を招くとともに、
成形品の外観が低下し、また櫛歯の直径を1mmよりも
小さく設定すると、櫛歯の強度を十分に確保できず、櫛
歯が破損したり変形したりするという不具合が発生す
る。
【0021】また、隣接する櫛歯の間隔は、通り抜けで
きない原料ビーズの直径の30〜90%に設定すること
が好ましい。隣接する櫛歯の間隔は狭すぎると、該櫛歯
を挟んで隣接する区画成形空間内の原料ビーズ同士の密
着性が十分に確保できず、境界部分における強度が低下
する。また、ポリオレフィン系樹脂からなる原料ビーズ
は、ポリスチレン系樹脂からなる原料ビーズよりも柔ら
かいので、隣接する櫛歯の間隔が広すぎると、原料ビー
ズが仕切部材の櫛歯間を通って隣接する区画成形空間に
移動するという不具合が発生する。
【0022】更に、前記櫛歯を弾性変形可能な素材で構
成することが好ましい。つまり、櫛歯は、充填圧や発泡
圧等を受けて変形することを防止するため、その断面積
を大きく設定して強度剛性を高めることが好ましいが、
このように構成すると、成形品に大きな貫通孔又は有底
孔が形成されることになり、成形品の外観低下や強度低
下の原因となる。そこで、櫛歯を弾性変形可能な素材で
構成することにより、充填圧や発泡圧により櫛歯が多少
変形しても元の形状に復帰できるようにして、櫛歯の塑
性変形による成形不良や離型不良を防止しつつ、櫛歯の
断面積を極力小さく設定して、成形品の外観低下や強度
低下を抑制できるように構成することが好ましい。
【0023】本発明に係る型内発泡成形品は、前記型内
発泡成形装置にて成形した型内発泡成形品であって、特
性の異なる原料ビーズを用いて成形された複数の成形部
分を有し、各成形部分の境界面に沿って設定間隔おきに
金型の型開閉方向に略ストレート状に延びる複数の貫通
孔又は有底孔を形成したものである。このような成形品
は、櫛歯を有する前述した型内発泡成形装置により製作
することが可能であるが、貫通孔又は有底孔が略ストレ
ート状であることから、櫛歯からの成形品の離型性がよ
く、また各成形部分の境界面が変形していないことか
ら、寸法精度に優れ、重量バラツキが少なく、境界面の
強度を十分に確保可能な品質の優れたものとなる。尚、
各成形部分の境界面は平坦面で構成することも可能であ
るし、三角波状や矩形波状やサイン波状等に構成しても
よい。
【0024】型内発泡成形品の具体的な例としては、自
動車用バンパーの芯材が考えられる。このよう自動車用
バンパーの芯材は、自動車の正面衝突(正突)時におけ
る衝撃や、オフセット衝突時における衝撃や、斜め前側
からの衝突(斜突)時における衝撃を効率的に吸収する
必要があるとともに、車体重量を軽減するため、芯材の
重量は極力軽く構成する必要がある。本発明に係る型内
発泡成形品としての自動車用バンパーの芯材において
は、自動車の各種前面衝突時において芯材に作用する局
部的衝撃応力を受けやすい部分付近を、発泡倍率の低い
原料ビーズからなる低発泡部で構成し、他の部分を低発
泡部よりも発泡倍率の高い原料ビーズからなる高発泡部
で構成することで、芯材の重量を極力低減しつつ、オフ
セット衝突時や斜突時においても、衝撃エネルギーを効
果的に吸収することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。尚、本実施の形態は、
型内発泡成形品としての自動車用バンパーの芯材と、こ
れを成形するための型内発泡成形装置及び型内発泡成形
方法に本発明を適用した場合ものである。
【0026】先ず、型内発泡成形品としての自動車用バ
ンパーの芯材について説明する。図1、図2に示すよう
に、芯材1は、両端部側を緩やかに後方へ湾曲させた前
部衝撃吸収部2と、前部衝撃吸収部2の両端部から後方
へ延びる側部衝撃吸収部3とを有している。前部衝撃吸
収部2から側部衝撃吸収部3に至る角部4の下半部には
発泡倍率の低い原料ビーズからなる低発泡部5が形成さ
れ、その他の部分は低発泡部5よりも発泡倍率の高い原
料ビーズからなる高発泡部6で構成されている。
【0027】つまり、前部衝撃吸収部2の中央部は、正
突時における衝撃エネルギーを吸収するためのものであ
るが、衝撃エネルギーの受圧面積を大きく設定できるの
で、発泡倍率の高い軟質軽量な原料ビーズで構成し、前
部衝撃吸収部2の両端部及び側部衝撃吸収部3は、オフ
セット衝突時や斜突時における衝撃エネルギーを吸収す
るためのものであるが、衝撃エネルギーの受圧面積を大
きく設定することが困難なので、他の部分よりも重たく
なるが発泡倍率の低い硬質な原料ビーズからなる低発泡
部5を設けることで、各種前面衝突時における十分な衝
突安全性能を確保しつつ、芯材1の重量を極力低減でき
るように構成されている。尚、低発泡部5の長さや高さ
は、芯材1に作用する衝撃エネルギーを十分に吸収でき
るように構成されていれば、任意のサイズに設定するこ
とが可能である。また、本実施例では、低発泡部5を芯
材1の角部4の下半部にのみ形成したが、角部4の全体
を低発泡率の原料ビーズで構成することも可能である。
また、芯材1の外観形状やサイズは、適用する自動車に
応じて任意に設定可能である。
【0028】図1、図2に示すように、低発泡部5と高
発泡部6とは正面視略コ字状の境界面Lの位置において
区画され、境界面Lには前面から後方へ延びる複数の有
底孔7と、後面から前方へ延びる複数の有底孔8とが一
定間隔おきに交互に形成されている。この有底孔7、8
は、後述する型内発泡成形装置10により芯材1を成形
したことにより形成されるものであるが、芯材1を前後
方向に貫通する貫通孔で構成することも可能である。但
し、境界面Lは必ずしも正面視コ字状に形成する必要は
なく、正面視L字状や直線状、或いは曲線状の境界に沿
って芯材を区画することも可能である。また、境界面L
が三角波状や矩形波状、鋸波状や正弦波状になるよう
に、有底孔7,8を配列してもよい。
【0029】この芯材1においては、前述のように、境
界面Lに沿って一定間隔おきに芯材1を前後方向に貫通
する複数の有底孔7,8が形成されるものの、板状の仕
切部材を用いた場合とは異なり、芯材1の表面に境界面
Lに沿ってバリが突出形成されることはないので、バリ
除去のための工程を経ることなく、この芯材1をそのま
ま自動車のフロントビームの取付面に精度よく固定する
ことが可能となる。また、芯材1にカバー部材を外装す
る場合においても、芯材1とカバー部材間に隙間が形成
されることを確実に防止できる。
【0030】尚、本実施例では、自動車用バンパーの芯
材1について説明したが、特性の異なる原料ビーズから
なる成形部を有する成形品であれば、芯材以外の型内発
泡成形品に対しても本発明を同様に適用できる。また、
成形品によっては、その使用条件に適合するように、発
泡倍率以外の特性の異なる原料ビーズ、例えば基材樹脂
組成、結晶化構造、粒子サイズ、粒子形状、粒子重量、
粒子内セル径、色の1種又は2種以上の特性が異なる原
料ビーズを用いて成形品を構成してもよい。
【0031】原料ビーズの素材としては、製作する成形
品の使用条件などに応じた物性の素材を選択することに
なるが、ポリスチレン系合成樹脂材料や、ポリエチレン
系樹脂材料やポリプロピレン系樹脂材料などのポリオレ
フィン系合成樹脂材料や、これらの合成樹脂材料の共重
合体などを採用できる。原料ビーズの発泡倍率は、原料
ビーズの素材にもよるが、3〜150倍の範囲内が好ま
しい。具体的には、ポリスチレン系合成樹脂材料からな
る原料ビーズにおいては3〜100倍、好ましくは3〜
80倍、ポリオレフィン系合成樹脂材料からなる原料ビ
ーズにおいては、3〜90倍、好ましくは3〜60倍の
ものが好適に利用できる。また、粒径は1〜10mm、
好ましくは2.0〜8mmの範囲のものが好適に利用で
きる。
【0032】ポリオレフィン系樹脂材料の具体例として
は、エチレンプロピレンランダムポリプロピレン樹脂、
エチレンプロピレンブロックポリプロピレン樹脂、ホモ
ポリプロピレンエチレンプロピレンブテンランダムター
ポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、
架橋低密度ポリエチレン(架橋LDPE)などを好適に
利用できる。
【0033】このようなポリオレフィン系樹脂材料から
なる原料ビーズのセル径は、100μm未満の場合に
は、成形時に表面伸びが悪く、ヒケ易く、適正表面外観
の見栄えが劣るという問題があり、900μmを越える
場合には、セル径が不均一になり易く、セル径が大きい
ため表面のきめが粗く、適正表面外観が劣るという問題
があるので、100〜900μmの範囲内、より好まし
くは150〜700μm、特に好ましくは170〜55
0μmに設定することになる。
【0034】DSC2’ndピーク比は、8%〜60%
に設定することが好ましい。DSC2’ndピーク比と
は、基材樹脂を加熱したときに、基材樹脂の結晶融点に
起因して形成される、低温側と高温側の2つのDSC
(示差走査熱量測定)のピークの合計面積に対する高温
側ピークの面積の割合であり、このDSC2’ndピー
ク比が、8%未満の場合には、成形時の加熱条件幅が狭
く、成形体が収縮し易く、ヒケ易い。また、60%を越
えると、加熱条件を大幅にアップする必要があり、成形
機の大型化が必要であり、且つ省エネルギーという観点
からもマイナスとなるので8〜60%、より好ましくは
10〜50%、特に好ましくは15〜40%に設定する
ことになる。
【0035】独立気泡率は、65%未満の場合には、成
形時の加熱圧をアップしてなんとかビーズ同士を融着さ
せたとしても、成形体の収縮、ヒケが大きくなり易く、
目標の品質の成形体が得られ難くなるので、65%以
上、より好ましくは75%以上、特に好ましくは85%
以上に設定することになる。
【0036】次に、前述した芯材1を成形するための型
内発泡成形装置10について説明する。図3に示すよう
に、型内発泡成形装置10は、対向配置した1組の金型
としてのコア型11及びキャビティ型12と、コア型1
1とキャビティ型12とで形成される成形空間13を2
つの区画成形空間13Aと1つの区画成形空間13Bに
区画する2組の区画手段30と、各区画成形空間13
A,13B内に空気の流れに乗せて特性の異なる原料ビ
ーズをそれぞれ充填するための2組の充填手段14A,
14Bとを備えている。
【0037】コア型11及びキャビティ型12は、枠状
フレームと裏板とを有するハウジング15にそれぞれ取
り付けられ、コア型11及びキャビティ型12の背面側
には1組の第1チャンバー16及び第2チャンバー17
がそれぞれ形成され、コア型11及びキャビティ型12
には両チャンバー16,17と成形空間13とを連通す
る多数の通気孔18が形成されている。尚、通気孔18
は、実際には、図4、図5に例示するように、0.5m
mφ程度の丸孔19aや幅0.5mm程度のスリット1
9bを複数個透設した外径7〜12mmの蓋を有する筒
体からなるコアベント19を、金型11,12に孔明け
配置したコアベント取付孔20に嵌め込んで形成したも
のや、金型11,12に直接的に形成した0.5mmφ
程度のコアベントホール21で構成されている。
【0038】第1チャンバー16及び第2チャンバー1
7には、蒸気や圧縮空気などの用役流体を供給するため
の供給管SPがそれぞれ接続されるとともに、減圧手段
やドレン配管に連なる排出管EPがそれぞれ接続され、
供給管SP及び排出管EPの途中部には図示外の制御弁
がそれぞれ介設され、制御弁の操作により成形空間13
への用役流体の供給、排出を制御できるように構成され
ている。
【0039】充填手段14A,14Bは、特性の異なる
原料ビーズを充填する以外は基本的には同じに構成され
ており、各充填手段14A,14Bは、原料ビーズを設
定温度に温調するビーズ温調槽22と、温調された原料
ビーズを貯留する原料タンク23と、原料タンク23か
ら供給された原料ビーズを成形空間13内へ充填する充
填器24とを備えている。
【0040】原料タンク23には吸気管IPが接続さ
れ、吸気管IPの途中部には吸気弁V1が介装され、吸
気弁V1を制御することで、原料タンク23の内圧が調
整される。また、原料タンク23にはシャッター25が
付設され、原料ビーズはシャッター25から充填管FP
を通って充填器24へ供給される。原料タンク23内は
チャンバー16,17の内圧以上に加圧され、原料タン
ク23に貯留された原料ビーズは、原料タンク23から
成形空間13への空気の流れに乗って、成形空間13に
充填されるように構成されている。
【0041】原料タンク23には原料ビーズを温調する
温調手段26が設けられるとともに、原料タンク23内
の雰囲気温度を測定する温度センサ26aが設けられ、
この温度センサ26aからの信号に基づき温調手段26
を制御して、充填直前の原料ビーズの温度を設定温度に
調整するように構成されている。温調手段26として
は、成形工場では冷却水温度を30〜50℃に管理して
いることより、この冷却水を利用した温調を行うこと
が、設備経済上好ましい。
【0042】ビーズ温調槽22には原料ビーズを加熱す
るための加熱手段27が設けられるとともに、ビーズ温
調槽22内の温度を測定する温度センサ27aが設けら
れ、温度センサ27aからの信号に基づいて加熱手段2
7による加熱温度を制御することにより、原料ビーズの
温度を設定温度に調整するように構成されている。ま
た、原料ビーズの温度をより厳密に調整するため、温度
センサ27aを複数設けて、その平均温度を原料ビーズ
の温度として用いることが好ましい。
【0043】加熱手段27としては、任意の構成の加熱
手段を採用できるが、成形時に用いる加熱蒸気を利用し
た加熱手段を設けることが設備経済上好ましい。また、
加熱手段として電気ヒータ等を採用することも可能で、
加熱蒸気を利用した加熱手段と電気ヒータ等の加熱手段
とを併用してもよい。また、加熱手段として、ビーズ温
調槽22内の雰囲気温度が一様になるように、例えば熱
風ブロワを用い、ビーズを攪拌しながら温調してもよ
い。
【0044】ビーズ温調槽22は、保温性を高めるた
め、内壁或いは外壁を断熱材で構成した断熱構造に構成
することが好ましい。また、ビーズ温調槽22から原料
タンク23への原料ビーズの輸送は、途中部に開閉弁V
2を介装した輸送管TPを介して空気輸送にて行うこと
になるが、輸送時における原料ビーズの温度変化を防止
するため、輸送管TPを保温し、輸送のための空気の温
度も予め調整することも好ましい。
【0045】原料ビーズの加熱温度は、常温以上、融点
以下の任意の温度に設定できるが、高温域でのビーズの
劣化或いは低温域での夏場の温度管理、冬場の省エネを
考慮すると、30℃〜80℃、さらに、成形機の低圧縮
圧力域或いは高圧縮圧力域での圧縮充填圧力の制御精
度、ビーズ圧縮特性を考慮すると、30℃〜50℃に設
定することが好ましい。また、成形品の機械的強度及び
重量を安定化させるため、原料ビーズの温度は、設定温
度±5℃の範囲内に調整することが好ましい。
【0046】原料ビーズは、このビーズ温調槽22内に
おいて、特性に応じた設定温度に温調される。これによ
り、圧縮充填時の原料ビーズの圧縮度合いを制御して、
例えば特性の異なる原料ビーズの加熱融着時における発
泡圧が略同じになるように調整できる。尚、原料ビーズ
の温調は、特定の原料ビーズのみに行うことも可能であ
るが、温調しない原料ビーズにより得られる成形品の発
泡倍率が、成形ショット毎に外気温度等により変動して
成形品重量が変動しないように、特性の異なる原料ビー
ズ全てに対して行うことが好ましい。
【0047】次に、区画手段30について説明する。成
形空間13内は、図3、図6に示すように、低発泡部5
に対応させて設けた2組の区画手段30を介して、低発
泡部5を成形するための2つの区画成形空間13Aと、
高発泡部6を成形するための1つの区画成形空間13B
とに区画され、各区画成形空間13A,13Bには充填
器24がそれぞれ接続されており、隣接する区画成形空
間13A,13B内に特性の異なるの原料ビーズを充填
できるように構成されている。尚、本実施例では自動車
用バンパーの芯材1を成形すべく、成形空間13を3つ
に区画したが、成形空間13の区画形状や区画個数や区
画位置は、製作する成形品に応じて任意に設定可能であ
る。また、発泡倍率の異なる原料ビーズを隣接する区画
成形空間13A,13Bに充填したが、成形品の用途な
どに応じて、基材樹脂組成、結晶化構造、粒子サイズ、
粒子形状、粒子重量、粒子内セル径、色の1種又は2種
以上の特性が異なる原料ビーズを充填することも可能で
ある。
【0048】この区画手段30は、図7、図8に示すよ
うに、型開閉方向に沿って並列状に配置した櫛歯31
と、櫛歯31を片持ち状に支持する支持部材32とから
なる仕切部材であって、キャビティ型12に略コ字状に
固定した3枚1組の第1仕切部材33と、コア型11に
略コ字状に固定した3枚1組の第2仕切部材34とを備
えている。但し、仕切部材33,34としては、略コ字
状に一体形成したものを用いてもよい。また、櫛歯31
を有する仕切部材33,34に代えて、エアシリンダ等
のアクチュエータにより成形空間13に進退移動する板
状の仕切部材を採用することも可能である。
【0049】両仕切部材33,34の櫛歯31の間隔T
は、区画成形空間13A,13Bの少なくとも一方に充
填する原料ビーズが通り抜けできない間隔にそれぞれ設
定されている。櫛歯31の間隔Tは、狭すぎると、隣接
する区画成形空間13A,13B内に充填される原料ビ
ーズ同士の密着性が十分に確保できず、芯材1の強度が
低下するので、通り抜けできない原料ビーズの直径の3
0〜90%、より好ましくは50〜80%に設定するこ
とが好ましい。
【0050】第1仕切部材33の櫛歯31Aと第2仕切
部材34の櫛歯31Bとは半ピッチずらして配置される
とともに、両仕切部材33,34の櫛歯31の長さは、
当該櫛歯31が配置される位置における両金型11,1
2間の距離よりも短く設定され、両金型11,12を型
閉じした状態で、櫛歯31A,31Bの先端部が型開閉
方向にラップするように構成されている。
【0051】この区画手段30では、第1仕切部材33
の櫛歯31Aと第2仕切部材34の櫛歯31Bの先端部
のみをラップさせるので櫛歯31A,31Bの長さを極
力短く設定することが可能となり、櫛歯31A,31B
の変形を防止とともに、櫛歯31A,31Bに作用する
曲げモーメントを小さく設定できるので、櫛歯31A,
31Bして小径のものを採用することが可能となり、櫛
歯31A,31Bにより芯材1に形成される有底孔7,
8を極力小径に構成できる。また、櫛歯31A,31B
の長さ設定がラフになるので、芯材1形状の変更等に対
しても容易に対応できるし、クラッキング充填のよう
に、両金型間にクラッキング隙間をあけた状態で、原料
ビーズを充填する場合でも、両仕切部材33,34の櫛
歯31A,31Bのラップ量をクラッキング隙間よりも
多少大きく設定することで、隣接する区画成形空間13
A,13Bを仕切ることが可能となる。また、櫛歯31
Aと櫛歯31Bとを交互に配置させているので、金型1
1,12を型開きするときに芯材1に対してバランスよ
く櫛歯31A,31Bに引き抜き力を作用させることが
可能となるので、離型性を向上する上で好ましい。
【0052】櫛歯31は、細長い棒状やパイプ状の部材
で構成され、横断面形状としては、円形状、長円状、楕
円状、四角形や六角形などの多角形状など任意の外形の
ものを採用できる。また、櫛歯31の素材は、原料ビー
ズの充填圧に耐え、しかも原料ビーズの加熱融着時にお
ける熱に耐え得る素材であれば、金属材料、合成樹脂材
料、セラミックスなどの任意の材料で構成できる。ま
た、この区画手段30を用いた場合においては、図1,
図2に示すように、芯材1には櫛歯31A,31Bに対
応する位置に有底孔7,8がそれぞれ形成されることに
なるので、櫛歯31の直径は極力小さく設定することが
好ましく、櫛歯31の直径は、例えば1〜10mm、好
ましくは1.5〜5mmに設定されている。更に、櫛歯
31として弾性変形可能な金属材料や合成樹脂材料から
なるものを用いることが好ましい。このように構成する
と、充填圧や発泡圧により櫛歯31が多少変形しても元
の形状に復帰できるので、櫛歯31の塑性変形による充
填不良や離型不良などの成形不良を防止しつつ、櫛歯3
1の断面積を極力小さく設定して、芯材1の外観低下や
強度低下を抑制できる。
【0053】型内発泡成形装置10には、図示していな
いが、キャビティ型12から芯材1を離型するためのエ
ジェクタピンが設けられ、仕切部材33,34を含む金
型11,12からの芯材1の離型抵抗に関して、櫛歯3
1A,31Bの構成を次のように調整することで、コア
型11側よりもキャビティ型12側の離型抵抗を大きく
設定し、型開き時にエジェクタピンを有するキャビティ
型12側に芯材1が確実に残置されるように構成されて
いる。
【0054】キャビティ型12側の離型抵抗がコア型1
1側よりも大きくなるように、キャビティ型12と第1
仕切部材33の櫛歯31Aと第2仕切部材34の櫛歯3
1Bとの総表面積、本数、総長さ、横断面積、横断面形
状、表面性、抜き勾配などを調整したり、或いはこれら
の調整を組み合わせたりしている。もっとも金型は、基
本的には、エジェクタピンを有する金型側に芯材1が残
置されるように設計されているので、両櫛歯31A,3
1Bからの芯材1の離型抵抗を同じに設定すれば、キャ
ビティ型12側に芯材1が残置され、またコア型11側
の櫛歯31Bからの離型抵抗をキャビティ型12側の櫛
歯31Aからの離型抵抗よりも多少大きく設定しても、
キャビティ型12側に芯材1が残置されることになる
が、キャビティ型12側に確実に芯材1が残置されるよ
うに、キャビティ型12側の櫛歯31Aからの離型抵抗
がコア型11側の櫛歯31Bからの離型抵抗よりも大き
くなるように、前述したように櫛歯31A,31Bの構
成を調整することが好ましい。また、両櫛歯31A,3
1Bからの離型抵抗の差を大きく設定し過ぎると、エジ
ェクタピンによる芯材1の離型作業に支障がでることが
考えられるので、キャビティ型12側の櫛歯31Aから
の離型抵抗がやや大きくなるように設定することが好ま
しい。更に、櫛歯31A,31Bからの離型抵抗は、芯
材1に対して一様に作用するに設定することが好まし
い。
【0055】尚、図9に示す区画手段40のように、コ
ア型11の仕切部材34を省略するとともに、キャビテ
ィ型12の仕切部材33に代えて、先端部をコア型11
まで延ばしてた櫛歯41を有する仕切部材42を設け、
この櫛歯41の間隔を少なくとも一方の原料ビーズの直
径よりも短い間隔をあけて併設することで、成形空間1
3内を複数に区画してもよい。また、この場合には、櫛
歯41からの成形品の離型性を高めるため、図10に示
す区画手段43のように、左右の第1仕切部材42Aを
キャビティ型12に固定し、上部の第2仕切部材42B
をコア型11に固定してもよい。
【0056】また、区画手段30に代えて、図11に示
す区画手段50のように、低発泡部5と高発泡部6の境
界面Lの角部や端部に対応させて柱状の固定仕切部材5
1をコア型11又はキャビティ型12に一体的に設けた
り、図12に示す区画手段55のように、低発泡部5と
高発泡部6の境界面Lの途中部に壁状の固定仕切部材5
6をコア型11又はキャビティ型12に一体的に設けた
りしてもよい。この場合には、図11に示すように、芯
材1Aには固定仕切部材52により貫通孔57及び溝部
58が形成され、また図12に示すように、芯材1Bに
は固定仕切部材56により長孔状の貫通孔59が形成さ
れるが、櫛歯31により区画困難な、芯材の薄肉部など
を固定仕切部材51,56により区画することが可能と
なるので、成形品形状に応じて採用することが好まし
い。
【0057】また、前記実施例では、仕切部材の複数の
櫛歯をそれぞれ同一平面内に配置して、各仕切部材によ
る低発泡部5と高発泡部6との境界面Lを平坦面で構成
したが、この境界面が例えば矩形波状や三角波状やサイ
ン波状などの波形面状になるように、櫛歯31を配置す
ると、隣接する原料ビーズの接触面積を増やして、両者
の結合強度を向上できるので好ましい。また、低発泡部
5と高発泡部6との境界面Lが正面視略コ字状の場合に
ついて説明したが、その他の形状、例えばL字状やクラ
ンク状や直線状の場合においても、本発明を同様に適用
できる。
【0058】更に、型内発泡成形装置10に代えて、図
13に示すように、コア型11及びキャビティ型12か
ら通気孔18を完全に或いは略完全に省略した型内発泡
成形装置60を採用することも可能である。この場合に
は、コア型11とキャビティ型12とを型閉めした状態
においても成形空間13内に開口するクリアランス61
を両金型11,12の合わせ目に沿って形成し、このク
リアランス61を介して両チャンバー16,17とは独
立に成形空間13内に対して蒸気等の用役流体を供給し
たり、成形空間13からドレン等を排出することにな
る。このような成形装置60においては、通気孔18の
跡のない表面美麗な芯材1を製作できること、通気孔1
8を形成することによる金型11,12の強度低下を防
止できるので、金型11,12を薄肉に構成してその熱
容量を小さく設定することが可能となり、加熱冷却の熱
効率を向上したり、温度制御の精度を向上できること、
通気孔18を形成するための加工コストを大幅に削減で
き、金型11,12の製作コストを低減できること、通
気孔18の目詰まりに基づく加熱不良、離型不良、冷却
不良が発生せず、コアベント19の取替えまたは定期的
な高圧洗浄水による洗浄などのメンテナンス作業が全く
不要となること、冷却工程で用いられる冷却水が成形空
間13内に侵入しなくなるので、芯材1の水分を従来の
6〜10%程度から0.5〜2%程度にまで低下でき、
乾燥工程が不要となり、サイクル時間短縮に大いに寄与
できること、などの効果が得られる。
【0059】また、本実施例では、型内発泡成形品とし
て自動車用バンパーの芯材1を製作するための型内発泡
成形装置10、50について説明したが、芯材1以外の
成形品を製作する成形装置に対しても本発明を同様に適
用することが可能である。
【0060】次に、図3に示す発泡成形装置10を用い
た芯材1の成形方法の一例について説明する。先ず、特
性の異なる原料ビーズを対応するビーズ温調槽22にそ
れぞれ投入し、特性の異なる原料ビーズの加熱融着時に
おける発泡圧が略同じになるように、ビーズ温調槽22
内における原料ビーズの温度をそれぞれ測定しながら、
加熱手段27によりビーズ温調槽22内を加熱して、特
性に応じた設定温度に原料ビーズを温調し、その後温調
した原料ビーズを対応する原料タンク23にそれぞれ供
給して、温度が変化しないように保温する。例えば、低
発泡部5を発泡倍率が5倍のポリプロピレン系樹脂から
なる原料ビーズで構成し、高発泡部6を発泡倍率が20
倍のポリプロピレン系樹脂からなる原料ビーズで構成す
る場合には、低発泡倍率の原料ビーズと高発泡倍率の原
料ビーズの発泡圧が略同じになるように、低発泡倍率の
原料ビーズを80℃に温調し、高発泡倍率の原料ビーズ
を30℃に温調する。
【0061】尚、本実施例では、特性の異なる原料ビー
ズとして発泡倍率の異なる原料ビーズを用いたが、基材
樹脂組成、結晶化構造、粒子サイズ、粒子形状、粒子重
量、粒子内セル径、色の1種又は2種以上の特性が異な
る原料ビーズを用いた場合においても同様に、それぞれ
の特性に応じた設定温度に原料ビーズを温調して、特性
の異なる原料ビーズ間の加熱融着時における発泡圧が略
同じになるように調整することになる。また、加熱融着
時における発泡圧が略同じになるように、原料ビーズを
温調したが、成形品によっては、特性の異なる原料ビー
ズ間における発泡圧の差圧が所望の値になるように、原
料ビーズを温調することも可能である。
【0062】更に、発泡倍率の異なる2種類の原料ビー
ズをそれぞれ温調したが、1種類の原料ビーズだけを温
調して、加熱融着時における発泡圧が略同じになるよう
に設定してもよい。但し、外気温度の変動等により成形
ショット間における成形品の発泡倍率の変動を抑制し
て、品質のよい成形品を成形するため、特性の異なる原
料ビーズをそれぞれ温調することが好ましい。
【0063】次に、区画成形空間13A,13Bに原料
ビーズを充填するため、コア型11とキャビティ型12
とを型閉めして仕切部材33,34により成形空間13
内を3つの区画成形空間13A,13Bに区画する。こ
のとき、キャビティ型12側の櫛歯31Aの先端部とコ
ア型11側の櫛歯31Bの先端部とがその長さ方向に相
互に重なって成形空間13が区画成形空間13A,13
Bに区画されることになる。
【0064】次に、充填器24から区画成形空間13
A,13Bに対して、発泡倍率が5倍の原料ビーズと2
0倍の原料ビーズとを空気の流れに乗せてそれぞれ個別
に供給し、成形空間13内に原料ビーズを充填する。こ
のとき、隣接する区画成形空間13A,13Bに充填さ
れた原料ビーズは、櫛歯31間の隙間を介して相互に接
触した状態となる。
【0065】次に、両チャンバー16,17及び通気孔
18を介して成形空間13に蒸気を供給して原料ビーズ
を加熱した後、蒸気圧を開放することで原料ビーズを発
泡させ、原料ビーズを略隙間なく相互に融着させること
になる。このとき原料ビーズ間に空気が残存していると
原料ビーズ同士の密着性が低下するので、両チャンバー
16,17及び成形空間13内の空気を蒸気に置き換え
る作業を予め行うことになる。また、この蒸気による加
熱により、隣接する区画成形空間13A,13Bの原料
ビーズ同士も櫛歯31間の隙間を介して相互に融着する
ことになる。しかも、前述のように特性に応じた設定温
度に原料ビーズを温調しているので、両区画成形空間1
3A,13B内における原料ビーズの発泡圧が略同じに
なり、櫛歯31に対して無理な力が作用することが防止
され、櫛歯31として小径のものを採用することが可能
となる。このため、芯材1における境界面Lがずれたり
湾曲したりすることもないし、有底孔7,8や貫通孔を
ストレート状に且つ小径に構成することが可能となり、
寸法精度が高くしかも外観のよい品質の良い芯材1を成
形できる。
【0066】次に、コア型11及びキャビティ型12に
向けて図示外のノズルから冷却水を噴霧し、成形空間1
3内の芯材1を冷却してから、金型11,12を型開き
するが、前述のように仕切部材33,34の櫛歯31
A,31Bの構成を調整することで、キャビティ型12
側の離型抵抗がコア型11側の離型抵抗よりも大きく設
定されるので、金型11,12を型開きした状態で、芯
材1はキャビティ型12側に残置されることになる。こ
うして、金型11,12を型開きして、芯材1をキャビ
ティ型12側に残置させた状態とし、図示外のエジェク
タピンを用いて芯材1をキャビティ型12から離型す
る。
【0067】尚、原料ビーズとして、櫛歯31間を通り
抜け不能な直径の第1原料ビーズと、櫛歯31間を通り
抜け可能な第2原料ビーズとを用いる場合には、成形空
間13への原料ビーズの充填時に、第1原料ビーズを区
画成形空間13Bに充填した後、第2原料ビーズを区画
成形空間13Aに充填することになる。この場合には、
第1原料ビーズの一部が櫛歯31間を通って区画成形空
間13A内へ移動するので、第1原料ビーズと第2原料
ビーズの密着性をより一層高めることが可能となる。
【0068】また、前記型内発泡成形装置60を用いて
成形を行う場合には、芯材1の外面の目立つ場所を成形
する成形部に通気孔18が形成されていないコア型11
及びキャビティ型12を用いていることから、原料ビー
ズの充填時には原料ビーズとともに成形空間13内に供
給される充填用エアを、クリアランス61を介して成形
空間13外へ排出することになる。また、蒸気により原
料ビーズを加熱融着するときには、チャンバー16,1
7に蒸気を供給するとともに、クリアランス61を介し
て成形空間13内へ蒸気を供給することになる。本実施
例では、自動車用バンパーの芯材1を成形するための成
形方法について説明したが、芯材1以外の型内発泡成形
品を成形する場合においても、本発明を同様に適用でき
る。
【0069】
【発明の効果】本発明に係る型内発泡成形方法によれ
ば、隣接する区画成形空間内に特性の異なるの原料ビー
ズを充填できるので、区画成形空間の形成位置やサイ
ズ、充填する原料ビーズの特性などを適正に設定するこ
とで、成形品の性能や品質を向上できる。例えば、強度
面を重視する部位には、発泡倍率の低い原料ビーズを用
いて成形品の強度剛性を高め、そうでない部位には発泡
倍率の高い原料ビーズを用いることで成形品重量を軽減
し、成形品の強度向上と重量軽減の両立を図ることが可
能となる。しかも、原料ビーズを温調することにより、
成形ショット間における成形品の発泡倍率のバラツキを
少なくして、成形品の重量バラツキを低減できるので好
ましい。
【0070】また、特性に応じた設定温度に原料ビーズ
を温調するので、特性の異なる原料ビーズ毎に加熱融着
時における発泡圧を適正に調整することが可能となる。
具体的には、原料ビーズの加熱融着時における発泡圧が
略一様になるように、特性に応じた設定温度に原料ビー
ズを温調した状態で、各区画成形空間内に対して原料ビ
ーズを圧縮充填することで、仕切部材として板状部材を
用いる場合には、特性の異なる原料ビーズの境界面の位
置ずれや変形を防止でき、また仕切部材として櫛歯を用
いる場合には、成形品の強度や外観を向上できる。ま
た、略同一圧縮条件で原料ビーズを圧縮充填すると、成
形空間内の各部における充填密度のバラツキを極力少な
くでき、成形品の品質を向上できるので好ましい。
【0071】本発明に係る熱可塑性合成樹脂の型内発泡
成形装置によれば、温調手段により少なくとも1種類の
原料ビーズを特性に応じた設定温度に温調できるので、
前記型内発泡成形方法と同様に、特性の異なる原料ビー
ズ毎に加熱融着時における発泡圧を適正に調整すること
が可能となる。
【0072】仕切部材として複数の櫛歯を有する仕切部
材を金型に固定すると、成形装置の製作コストを低減で
きること、成形品の設計変更等に容易に対応できるこ
と、成形品のうちの特性の異なる原料ビーズで成形され
た成形部分の接合強度を十分に確保できること、境界部
分にバリが形成されるという不具合を確実に防止でき、
しかも金型強度の部分的な低下を防止して成形品精度を
向上できること、などの効果が得られる。
【0073】また、隣接する区画成形空間内における原
料ビーズの加熱融着時の発泡圧を略同じに設定すること
で、櫛歯の変形を防止して櫛歯からの成形品の離型性を
向上できるとともに、櫛歯として小径のものを採用する
ことが可能となり、櫛歯により成形品に形成される貫通
孔や有底孔の孔径を小さく設定して、成形品の強度や外
観を向上できる。櫛歯として、直径が1〜10mmの棒
状部材を用いると、有底孔や貫通孔が形成されることに
よる成形品の強度低下及び外観低下を極力防止できると
ともに、櫛歯の強度を十分に確保して、櫛歯の破損や変
形を防止できる。
【0074】隣接する櫛歯の間隔を、通り抜けできない
原料ビーズの直径の30〜90%に設定すると、櫛歯を
挟んで隣接する区画成形空間内の原料ビーズ同士におけ
る密着性を向上して、境界部分における強度を十分に確
保できるとともに、柔らかい原料ビーズを用いた場合で
も、原料ビーズが仕切部材の櫛歯間を通って隣接する区
画成形空間に移動するという不具合を防止できる。櫛歯
を弾性変形可能な素材で構成すると、櫛歯の塑性変形に
よる成形不良や離型不良を防止しつつ、櫛歯の断面積を
極力小さく設定して、成形品の外観低下や強度低下を抑
制できる。
【0075】本発明に係る型内発泡成形品によれば、貫
通孔又は有底孔が略ストレート状であることから、櫛歯
からの成形品の離型性がよく、また各成形部分の境界面
が変形していないことから、寸法精度に優れ、重量バラ
ツキが少なく、境界面の強度を十分に確保可能な品質の
優れたものとなる。
【0076】自動車用バンパーに適用した場合には、自
動車の各種前面衝突時において芯材に作用する局部的衝
撃応力を受けやすい部分付近を、発泡倍率の低い原料ビ
ーズからなる低発泡部で構成し、他の部分を低発泡部よ
りも発泡倍率の高い原料ビーズからなる高発泡部で構成
することで、芯材の重量を極力低減しつつ、オフセット
衝突時や斜突時においても、衝撃エネルギーを効果的に
吸収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動車用バンパーの芯材の斜視図
【図2】 (a)は図1のII-II線断面図、(b)は
(a)のb−b線断面図
【図3】 型内発泡成形装置の縦断面図
【図4】 通気孔付近の金型の縦断面図
【図5】 コアベントの正面図
【図6】 図3のVI-VI線断面図
【図7】 区画手段の側面図
【図8】 区画手段の斜視図
【図9】 他の構成の区画手段の斜視図
【図10】 他の構成の区画手段の斜視図
【図11】 (a)は他の構成の成形品の斜視図、
(b)は同成形品を成形するための成形装置の説明図
【図12】 (a)は他の構成の成形品の斜視図、
(b)は同成形品を成形するための成形装置の説明図
【図13】 他の構成の成形装置の縦断面図
【符号の説明】
1 芯材 2 前部衝撃吸収部 3 側部衝撃吸収部 4 角部 5 低発泡部 6 高発泡部 7 有底孔 8 有底孔 L 境界面 10 型内発泡成形装置 11 コア型 12 キャビティ型 13 成形空間 13A 区画成形空間 13B 区画成形空間 14A 充填手段 14B 充填手段 15 ハウジング 16 第1チャンバー 17 第2チャンバー 18 通気孔 19 コアベント 19b スリット 19a 丸孔 20 コアベント取付孔 21 コアベントホール 22 ビーズ温調槽 23 原料タンク 24 充填器 25 シャッター 26 温調手段 26a 温度センサ 27 加熱手段 27a 温度センサ EP 排出管 FP 充填管 IP 吸気管 TP 輸送管 SP 供給管 V1 吸気弁 V2 開閉弁 30 区画手段 31 櫛歯 31A 櫛歯 31B 櫛歯 32 支持部材 33 仕切部材 34 仕切部材 40 区画手段 41 櫛歯 42 仕切部材 43 区画手段 42A 仕切部材 42B 仕切部材 1A 芯材 1B 芯材 50 区画手段 51 固定仕切部材 52 固定仕切部材 55 区画手段 56 固定仕切部材 57 貫通孔 58 溝部 59 貫通孔 60 型内発泡成形装置 61 クリアランス

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仕切部材により成形空間内を複数の区画
    成形空間に区画し、少なくとも隣接する区画成形空間に
    対して特性の異なる原料ビーズが充填されるように、各
    区画成形空間に対して個別に原料ビーズを充填するに際
    し、特性に応じた設定温度に原料ビーズを温調した状態
    で、各区画成形空間内に対して原料ビーズを圧縮充填す
    ることを特徴とする熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方
    法。
  2. 【請求項2】 原料ビーズの加熱融着時における発泡圧
    が略一様になるように、特性に応じた設定温度に原料ビ
    ーズを温調した状態で、各区画成形空間内に対して原料
    ビーズを圧縮充填する請求項1記載の熱可塑性合成樹脂
    の型内発泡成形方法。
  3. 【請求項3】 各区画成形空間内に対して略同一圧縮条
    件で原料ビーズを圧縮充填する請求項1又は2記載の熱
    可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法。
  4. 【請求項4】 前記原料ビーズとして、発泡倍率、基材
    樹脂組成、結晶化構造、粒子サイズ、粒子形状、粒子重
    量、粒子内セル径、色の1種又は2種以上の特性が異な
    る原料ビーズを用いた請求項1〜3のいずれか1項記載
    の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法。
  5. 【請求項5】 前記原料ビーズとして発泡倍率の異なる
    原料ビーズを用い、発泡倍率の低い原料ビーズの温調の
    設定温度を、発泡倍率の高い原料ビーズの温調の設定温
    度よりも高く設定した請求項1〜4のいずれか1項記載
    の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法。
  6. 【請求項6】 前記原料ビーズとして発泡倍率の異なる
    原料ビーズを用い、発泡倍率の低い原料ビーズの温調の
    設定温度を、発泡倍率の高い原料ビーズの温調の設定温
    度以下に設定した請求項1〜4のいずれか1項記載の熱
    可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の区画成形空間に対して同時に
    原料ビーズを圧縮充填する請求項1〜6のいずれか1項
    記載の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法。
  8. 【請求項8】 前記複数の区画成形空間に対して時間差
    を設けて原料ビーズを圧縮充填する請求項1〜6のいず
    れか1項記載の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法。
  9. 【請求項9】 成形空間内を複数の区画成形空間に区画
    する仕切部材を有する金型と、少なくとも隣接する区画
    成形空間に特性の異なる原料ビーズが充填されるよう
    に、各区画成形空間に対して個別に原料ビーズを圧縮充
    填する充填手段とを備え、充填手段に、特性に応じた設
    定温度に原料ビーズを温調する温調手段を設けたことを
    特徴とする熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形装置。
  10. 【請求項10】 前記仕切部材として、隣接する区画成
    形空間に充填する原料ビーズの少なくとも一方が通り抜
    け不能な間隔をあけて型開閉方向に片持ち状に延びる複
    数の櫛歯を有する仕切部材を金型に固定した請求項9記
    載の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形装置。
  11. 【請求項11】 前記櫛歯として直径が1〜10mmの
    棒状部材を用いた請求項10記載の熱可塑性合成樹脂の
    型内発泡成形装置。
  12. 【請求項12】 隣接する櫛歯の間隔を、通り抜けでき
    ない原料ビーズの直径の30〜90%に設定した請求項
    10又は11記載の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形装
    置。
  13. 【請求項13】 前記櫛歯を弾性変形可能な素材で構成
    した請求項10〜12のいずれか1項記載の熱可塑性合
    成樹脂の型内発泡成形装置。
  14. 【請求項14】 請求項9〜13のいずれか1項記載の
    熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形装置により成形した型
    内発泡成形品であって、特性の異なる原料ビーズを用い
    て成形された複数の成形部分を有し、各成形部分の境界
    面に沿って設定間隔おきに金型の型開閉方向に略ストレ
    ート状に延びる複数の貫通孔又は有底孔を形成したこと
    を特徴とする型内発泡成形品。
  15. 【請求項15】 前記型内発泡成形品が自動車用バンパ
    ーの芯材であり、この芯材は、自動車の各種前面衝突時
    において芯材に作用する局部的衝撃応力を受けやすい部
    分付近を発泡倍率の低い原料ビーズからなる低発泡部で
    構成し、他の部分を低発泡部よりも発泡倍率の高い原料
    ビーズからなる高発泡部で構成した請求項14記載の型
    内発泡成形品。
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