JP4902825B2 - 熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置 - Google Patents

熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4902825B2
JP4902825B2 JP2000152474A JP2000152474A JP4902825B2 JP 4902825 B2 JP4902825 B2 JP 4902825B2 JP 2000152474 A JP2000152474 A JP 2000152474A JP 2000152474 A JP2000152474 A JP 2000152474A JP 4902825 B2 JP4902825 B2 JP 4902825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
material beads
beads
molding
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000152474A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001328133A (ja
Inventor
喜幸 小林
雅浩 近田
健二 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2000152474A priority Critical patent/JP4902825B2/ja
Publication of JP2001328133A publication Critical patent/JP2001328133A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4902825B2 publication Critical patent/JP4902825B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つの成形品に特性の異なる原料ビーズからなる成形部分を形成するのに好適な熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性合成樹脂からなる原料ビーズを用いて成形品を製作する型内発泡成形装置として、例えば米国特許5164257号公報には、一方の金型にエアシリンダー等のアクチュエータを介して成形空間内に出没自在な仕切部材を設け、この仕切部材により成形空間内を複数の区画成形空間に区画するとともに、各区画成形空間に対して原料ビーズを供給する充填器を個別に接続し、仕切部材により成形空間内を区画した状態で、隣接する区画成形空間内に、例えば発泡倍率の異なる原料ビーズを充填し、充填後、仕切部材を後退させてから成形空間内に蒸気を供給することで、原料ビーズを加熱融着させて成形品を得るように構成した型内発泡成形技術が記載されている。
【0003】
この型内発泡成形技術により成形された成形品においては、成形品の部位によって使用する原料ビーズを変更することで、例えば部位によって機械的特性が異なる成形品を製作することが可能で、成形品の性能や品質を向上できる利点を有しており、自動車用バンパーの芯材や、家電製品や家具等の梱包用のクッション材として採用されつつある。
【0004】
一方、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂からなる原料ビーズは、一般にポリスチレン系樹脂からなる原料ビーズと比較して発泡力が弱いので、蒸気で加熱しても原料ビーズが十分に膨らまず、ビーズ間の密着性が低下したり、ビーズ間に大きな溝が形成されて見栄性が低下するなど、成形品の品質が低下する。このため、ポリオレフィン系樹脂からなる原料ビーズの充填技術として、予め原料ビーズに0.03〜0.2MPaの無機ガスを圧入して発泡力を高めるようになした充填技術が広く採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記米国特許に記載の成形装置において、隣接する区画成形空間内に発泡倍率の異なる原料ビーズを充填して成形品を製作すると、原料ビーズの加熱融着時に、異種原料ビーズ間において発泡圧に差が生じ、異種原料ビーズの境界面が全体的にずれたり、境界面が湾曲したりする問題が発生し、所期の品質が得られないという問題があった。しかも、このような境界面のずれや変形は、原料ビーズの空気輸送時における分級や、各成形ショット間における外部温度条件の変動等によっても変化することから、これを適正に調整することは至難であると考えられていた。
【0006】
また、別の問題として、前記米国公報に記載の成形装置においては、仕切部材を出没させるためのアクチュエータを設ける必要があるので、成形空間の区画個数が増えると、それに応じて仕切部材の駆動系統が複雑になり、成形装置の製作コストが高くなること、隣接する区画成形空間内の充填圧に差圧が生じないように制御しないと、差圧による仕切部材の変形が懸念されること、充填用エアの流れが仕切部材により阻害されて原料ビーズの充填性が低下すること、金型に挿通孔を形成して、この挿通孔に仕切部材を出没自在に装着する関係上、成形品の表面に挿通孔に沿ってバリが形成され、外観が低下すること、などの問題があった。
【0007】
本出願人は、前記米国公報に記載の成形装置における問題が、板状の仕切部材を可動に構成することにより発生していることに着目し、櫛歯からなる仕切部材を金型に固定的に設け、この仕切部材で成形空間内を複数の区画成形空間に区画するように構成した成形装置を開発しつつある。しかし、この成形装置においても、仕切部材を成形空間内に残した状態で、原料ビーズを加熱融着させる関係上、発泡倍率の異なる原料ビーズを充填した場合には、原料ビーズの発泡圧の差により境界面が変形するとともに、櫛歯が境界面とともに変形し、成形品の離型が困難になったり、成形品の品質が低下するという問題が発生した。また、櫛歯の変形を防止するため、櫛歯として大径のものを使用すると、成形品に大きな有底孔や貫通孔が形成され、成形品の外観が低下したり強度が低下するという別の問題が発生することから、加熱融着時に原料ビーズの発泡圧に差圧が発生しないようにするための技術が要望されていた。
【0008】
本発明の目的は、特性の異なる原料ビーズからなる成形部分を有する成形品の品質を向上し得る熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段及びその作用】
請求項1に係る熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法は、仕切部材により成形空間内を複数の区画成形空間に区画し、少なくとも隣接する区画成形空間に対して、発泡倍率の異なる原料ビーズが充填されるように、各区画成形空間に対して個別に原料ビーズを充填するに際し、原料ビーズの加熱融着時における発泡圧が一様になるように、原料ビーズの発泡倍率に応じた設定圧力の無機ガス雰囲気中に原料ビーズを保持し、前記発泡倍率に応じて原料ビーズの内圧を異なるように設定した状態で、各区画成形空間内に対して原料ビーズを充填するものである。
【0010】
この成形装置においては、仕切部材により成形空間内を複数の区画成形空間に区画した状態で、隣接する区画成形空間内に発泡倍率の異なる原料ビーズを充填できるので、区画成形空間の形成位置やサイズ、充填する原料ビーズの特性などを適正に設定することで、成形品の性能や品質を向上できる。例えば、強度面を重視する部位には、発泡倍率の低い原料ビーズを用いて成形品の強度剛性を高め、そうでない部位には発泡倍率の高い原料ビーズを用いることで成形品重量を軽減し、成形品の強度向上と重量軽減の両立を図ることが可能となる。
【0011】
また、発泡倍率に応じて原料ビーズの内圧を設定するので、発泡倍率の異なる原料ビーズ毎に加熱融着時における発泡圧を適正に調整することが可能となる。具体的には、原料ビーズの加熱融着時における発泡圧が一様になるように、発泡倍率に応じて原料ビーズの内圧を設定した状態で、各区画成形空間内に対して原料ビーズを充填することで、仕切部材として板状部材を用いる場合には、発泡倍率の異なる原料ビーズの境界面の位置ずれや変形を防止でき、また仕切部材として櫛歯を用いる場合には、櫛歯の変形を防止して櫛歯からの成形品の離型性を向上できるとともに、櫛歯として小径のものを採用することが可能となり、櫛歯により成形品に形成される貫通孔や有底孔の孔径を小さく設定して、成形品の強度や外観を向上できる。
【0012】
各区画成形空間に対する原料ビーズの充填は、クラッキング充填、加圧充填、圧縮充填などの周知の充填方法にて行うことが可能であるが、成形空間内の各部における充填密度のバラツキを極力少なくするため、同一圧縮条件で原料ビーズを圧縮充填することが好ましい。
【0013】
原料ビーズとしては、発泡倍率、基材樹脂組成、結晶化構造、粒子サイズ、粒子形状、粒子重量、粒子内セル径、色のうち少なくとも発泡倍率を含む1種又は2種以上の特性が異なる原料ビーズを採用できる。これらの特性は、色以外において原料ビーズの発泡圧に影響を及ぼす特性であるので、発泡圧を調整すべく本発明を適用するのに好適である。基本的には、同一加熱条件下では、発泡倍率は、高くなると発泡圧も高くなる傾向を示し、結晶化構造は、結晶化度が高くなると発泡圧は低くなる傾向を示し、粒子サイズは、大きくなると発泡圧は高くなる傾向を示し、粒子形状は、単位重量当たりの表面積が大きくなると発泡圧は低くなる傾向を示し、粒子重量は、大きくなると発泡圧は高くなる傾向を示し、粒子内セル径は、大きくなると発泡圧は高くなる傾向を示す。また、基材樹脂は、その組成が異なることにより、例えば融点やMI(メルト・インデックス)が違った値を示す。一般的に同一加熱条件下では、融点が高くなると発泡圧は低くなる傾向を示し、MIが高くなると発泡圧も高くなる。本発明では、これらの特性のうちの発泡倍率に応じて原料ビーズの内圧を調整することになる。
【0014】
また、実際の原料ビーズにおいては、1つの特性を調整すると他の特性が変化することが多く、1つの特性のみが異なるように構成することが困難なことから、定性的な判断は困難ではあるが、基本的には、原料ビーズとして発泡倍率の異なる原料ビーズを用い、発泡倍率の低い原料ビーズの内圧を、発泡倍率の高い原料ビーズの内圧よりも高く設定すると、前述したような作用が得られるので好ましい。但し、原料ビーズとして発泡倍率の異なる原料ビーズを用いた場合であっても、その他の特性が異なる場合には、発泡倍率の低い原料ビーズの内圧を、発泡倍率の高い原料ビーズの内圧以下に設定して、発泡圧を調整することもあり得る。
【0015】
複数の区画成形空間に対する原料ビーズの充填は、同時に行ってもよいし、時間差を設けて行ってもよい。尚、仕切部材として櫛歯からなるものを用い、しかも櫛歯の間隔を少なくとも1種類の原料ビーズが通り抜け可能な間隔に設定する場合には、通り抜け不能な原料ビーズを充填した後、通り抜け可能な原料ビーズを充填することになる。
【0016】
また、原料ビーズの少なくとも1種を温調した状態で各区画成形空間内に圧縮充填すると、成形ショット間における成形品の発泡倍率のバラツキを少なくして、成形品の重量バラツキを低減できるので好ましい。しかも、温調することで圧縮充填時の原料ビーズの圧縮度合いを調整できるので、原料ビーズの特性に応じて、温調温度を設定することで、原料ビーズの内圧調整と温度調整とで、発泡圧等を大きく制御することが可能となる。
【0017】
原料ビーズを同一温度に温調した状態で各区画成形空間内に圧縮充填すると、成形ショット間における成形品の発泡倍率のバラツキを少なくして、成形品の重量バラツキを低減できるので好ましい。しかも、発泡圧の制御幅は少なくなるものの、原料ビーズの内圧調整のみの制御となるので、制御系を大幅に簡略に構成できる。
【0018】
本発明に係る熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形装置は、成形空間内を複数の区画成形空間に区画する仕切部材を有する金型と、少なくとも隣接する区画成形空間に、発泡倍率の異なる原料ビーズが充填されるように、各区画成形空間に対して個別に原料ビーズを充填する充填手段とを備え、充填手段に、原料ビーズの加熱融着時における発泡圧が一様になるように、原料ビーズの発泡倍率に応じた設定圧力の無機ガス雰囲気中に原料ビーズを保持し、前記発泡倍率に応じて原料ビーズの内圧を異なるように調整する内圧調整手段を設けたものである。
【0019】
この型内発泡成形装置では、内圧調整手段により少なくとも1種類の原料ビーズの内圧を調整できるので、内圧を適正に調整した状態で原料ビーズを充填することが可能となり、前記型内発泡成形方法と同様に、発泡倍率の異なる原料ビーズ毎に加熱融着時における発泡圧を適正に調整することが可能となる。
【0020】
仕切部材として、隣接する区画成形空間に充填する原料ビーズの少なくとも一方が通り抜け不能な間隔をあけて型開閉方向に片持ち状に延びる複数の櫛歯を有する仕切部材を金型に固定すると、成形品のうちの櫛歯に対応する位置には貫通孔又は有底孔が形成されるものの、仕切部材がコア型又はキャビティ型に固定的に設けられているので、次のような作用が得られる。
【0021】
(1)仕切部材を駆動するための駆動系が不要となるので、成形装置を格段に簡素に構成することが可能となり、成形装置の製作コストを低減できる。
(2)仕切部材の取付位置を変更することで、成形空間の区画領域を容易に変更することが可能で、成形品の設計変更等に容易に対応できる。
(3)隣接する区画成形空間内に充填した発泡倍率の異なる原料ビーズ同士も櫛歯間の隙間を介して十分に融着することになるので、成形品のうちの発泡倍率の異なる原料ビーズで成形された成形部分の接合強度を十分に確保することが可能となる。
(4)仕切部材が挿通する挿通孔を金型に設ける必要がないので、原料ビーズが挿通孔内に侵入したり、挿通孔と仕切部材間に侵入することにより、バリが形成されたりするという不具合を確実に防止できる。しかも、挿通孔の形成による金型強度の部分的な低下を防止でき、成形品精度を向上できる。
【0022】
また、隣接する区画成形空間内における原料ビーズの加熱融着時の発泡圧を略同じに設定することで、櫛歯の変形を防止して櫛歯からの成形品の離型性を向上できるとともに、櫛歯として小径のものを採用することが可能となり、櫛歯により成形品に形成される貫通孔や有底孔の孔径を小さく設定して、成形品の強度や外観を向上できる。
【0023】
櫛歯としては、直径が1〜10mmの棒状部材を用いることが好適である。つまり、この成形装置においては、前述のように成形品には櫛歯により貫通孔又は有底孔が形成されるので、櫛歯の直径を10mmよりも大きく設定すると、大きな貫通孔又は有底孔が形成されることになり、成形品の強度低下を招くとともに、成形品の外観が低下し、また櫛歯の直径を1mmよりも小さく設定すると、櫛歯の強度を十分に確保できず、櫛歯が破損したり変形したりするという不具合が発生する。
【0024】
また、隣接する櫛歯の間隔は、通り抜けできない原料ビーズの直径の30〜90%に設定することが好ましい。隣接する櫛歯の間隔は狭すぎると、該櫛歯を挟んで隣接する区画成形空間内の原料ビーズ同士の密着性が十分に確保できず、境界部分における強度が低下する。また、ポリオレフィン系樹脂からなる原料ビーズは、ポリスチレン系樹脂からなる原料ビーズよりも柔らかいので、隣接する櫛歯の間隔が広すぎると、原料ビーズが仕切部材の櫛歯間を通って隣接する区画成形空間に移動するという不具合が発生する。
【0025】
更に、前記櫛歯を弾性変形可能な素材で構成することが好ましい。つまり、櫛歯は、充填圧や発泡圧等を受けて変形することを防止するため、その断面積を大きく設定して強度剛性を高めることが好ましいが、このように構成すると、成形品に大きな貫通孔又は有底孔が形成されることになり、成形品の外観低下や強度低下の原因となる。そこで、櫛歯を弾性変形可能な素材で構成することにより、充填圧や発泡圧により櫛歯が多少変形しても元の形状に復帰できるようにして、櫛歯の塑性変形による成形不良や離型不良を防止しつつ、櫛歯の断面積を極力小さく設定して、成形品の外観低下や強度低下を抑制できるように構成することが好ましい。
【0026】
櫛歯を有する前述した型内発泡成形装置により製作した型内発泡成形品は、発泡倍率の異なる原料ビーズを用いて成形された複数の成形部分を有し、各成形部分の境界面に沿って設定間隔おきに金型の型開閉方向にストレート状に延びる複数の貫通孔又は有底孔を形成したものとなる
この成形品では、貫通孔又は有底孔がストレート状であることから、櫛歯からの成形品の離型性がよく、また各成形部分の境界面が変形していないことから、寸法精度に優れ、重量バラツキが少なく、境界面の強度を十分に確保可能な品質の優れたものとなる。尚、各成形部分の境界面は平坦面で構成することも可能であるし、三角波状や矩形波状やサイン波状等に構成してもよい。
【0027】
型内発泡成形品の具体的な例としては、自動車用バンパーの芯材が考えられる。このよう自動車用バンパーの芯材は、自動車の正面衝突(正突)時における衝撃や、オフセット衝突時における衝撃や、斜め前側からの衝突(斜突)時における衝撃を効率的に吸収する必要があるとともに、車体重量を軽減するため、芯材の重量は極力軽く構成する必要がある。本発明に係る型内発泡成形品としての自動車用バンパーの芯材においては、自動車の各種前面衝突時において芯材に作用する局部的衝撃応力を受けやすい部分付近を、発泡倍率の低い原料ビーズからなる低発泡部で構成し、他の部分を低発泡部よりも発泡倍率の高い原料ビーズからなる高発泡部で構成することで、芯材の重量を極力低減しつつ、オフセット衝突時や斜突時においても、衝撃エネルギーを効果的に吸収することが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。尚、本実施の形態は、型内発泡成形品としての自動車用バンパーの芯材と、これを成形するための型内発泡成形装置及び型内発泡成形方法に本発明を適用した場合ものである。
【0029】
先ず、型内発泡成形品としての自動車用バンパーの芯材について説明する。
図1、図2に示すように、芯材1は、両端部側を緩やかに後方へ湾曲させた前部衝撃吸収部2と、前部衝撃吸収部2の両端部から後方へ延びる側部衝撃吸収部3とを有している。前部衝撃吸収部2から側部衝撃吸収部3に至る角部4の下半部には発泡倍率の低い原料ビーズからなる低発泡部5が形成され、その他の部分は低発泡部5よりも発泡倍率の高い原料ビーズからなる高発泡部6で構成されている。
【0030】
つまり、前部衝撃吸収部2の中央部は、正突時における衝撃エネルギーを吸収するためのものであるが、衝撃エネルギーの受圧面積を大きく設定できるので、発泡倍率の高い軟質軽量な原料ビーズで構成し、前部衝撃吸収部2の両端部及び側部衝撃吸収部3は、オフセット衝突時や斜突時における衝撃エネルギーを吸収するためのものであるが、衝撃エネルギーの受圧面積を大きく設定することが困難なので、他の部分よりも重たくなるが発泡倍率の低い硬質な原料ビーズからなる低発泡部5を設けることで、各種前面衝突時における十分な衝突安全性能を確保しつつ、芯材1の重量を極力低減できるように構成されている。尚、低発泡部5の長さや高さは、芯材1に作用する衝撃エネルギーを十分に吸収できるように構成されていれば、任意のサイズに設定することが可能である。また、本実施例では、低発泡部5を芯材1の角部4の下半部にのみ形成したが、角部4の全体を低発泡率の原料ビーズで構成することも可能である。また、芯材1の外観形状やサイズは、適用する自動車に応じて任意に設定可能である。
【0031】
図1、図2に示すように、低発泡部5と高発泡部6とは正面視略コ字状の境界面Lの位置において区画され、境界面Lには前面から後方へ延びる複数の有底孔7と、後面から前方へ延びる複数の有底孔8とが一定間隔おきに交互に形成されている。この有底孔7、8は、後述する型内発泡成形装置10により芯材1を成形したことにより形成されるものであるが、芯材1を前後方向に貫通する貫通孔で構成することも可能である。但し、境界面Lは必ずしも正面視コ字状に形成する必要はなく、正面視L字状や直線状、或いは曲線状の境界に沿って芯材を区画することも可能である。また、境界面Lが三角波状や矩形波状、鋸波状や正弦波状になるように、有底孔7,8を配列してもよい。
【0032】
この芯材1においては、前述のように、境界面Lに沿って一定間隔おきに芯材1を前後方向に貫通する複数の有底孔7,8が形成されるものの、板状の仕切部材を用いた場合とは異なり、芯材1の表面に境界面Lに沿ってバリが突出形成されることはないので、バリ除去のための工程を経ることなく、この芯材1をそのまま自動車のフロントビームの取付面に精度よく固定することが可能となる。また、芯材1にカバー部材を外装する場合においても、芯材1とカバー部材間に隙間が形成されることを確実に防止できる。
【0033】
尚、本実施例では、自動車用バンパーの芯材1について説明したが、特性の異なる原料ビーズからなる成形部を有する成形品であれば、芯材以外の型内発泡成形品に対しても本発明を同様に適用できる。また、成形品によっては、その使用条件に適合するように、発泡倍率以外の特性の異なる原料ビーズ、例えば基材樹脂組成、結晶化構造、粒子サイズ、粒子形状、粒子重量、粒子内セル径、色の1種又は2種以上の特性が異なる原料ビーズを用いて成形品を構成してもよい。
【0034】
原料ビーズの素材としては、製作する成形品の使用条件などに応じた物性の素材を選択することになるが、ポリスチレン系合成樹脂材料や、ポリエチレン系樹脂材料やポリプロピレン系樹脂材料などのポリオレフィン系合成樹脂材料や、これらの合成樹脂材料の共重合体などを採用できる。
原料ビーズの発泡倍率は、原料ビーズの素材にもよるが、3〜150倍の範囲内が好ましい。具体的には、ポリスチレン系合成樹脂材料からなる原料ビーズにおいては3〜100倍、好ましくは3〜80倍、ポリオレフィン系合成樹脂材料からなる原料ビーズにおいては、3〜90倍、好ましくは3〜60倍のものが好適に利用できる。また、粒径は1〜10mm、好ましくは2.0〜8mmの範囲のものが好適に利用できる。
【0035】
ポリオレフィン系樹脂材料の具体例としては、エチレンプロピレンランダムポリプロピレン樹脂、エチレンプロピレンブロックポリプロピレン樹脂、ホモポリプロピレンエチレンプロピレンブテンランダムターポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、架橋低密度ポリエチレン(架橋LDPE)などを好適に利用できる。
【0036】
このようなポリオレフィン系樹脂材料からなる原料ビーズのセル径は、100μm未満の場合には、成形時に表面伸びが悪く、ヒケ易く、適正表面外観の見栄えが劣るという問題があり、900μmを越える場合には、セル径が不均一になり易く、セル径が大きいため表面のきめが粗く、適正表面外観が劣るという問題があるので、100〜900μmの範囲内、より好ましくは150〜700μm、特に好ましくは170〜550μmに設定することになる。
【0037】
DSC2’ndピーク比は、8%〜60%に設定することが好ましい。DSC2’ndピーク比とは、基材樹脂を加熱したときに、基材樹脂の結晶融点に起因して形成される、低温側と高温側の2つのDSC(示差走査熱量測定)のピークの合計面積に対する高温側ピークの面積の割合であり、このDSC2’ndピーク比が、8%未満の場合には、成形時の加熱条件幅が狭く、成形体が収縮し易く、ヒケ易い。また、60%を越えると、加熱条件を大幅にアップする必要があり、成形機の大型化が必要であり、且つ省エネルギーという観点からもマイナスとなるので8〜60%、より好ましくは10〜50%、特に好ましくは15〜40%に設定することになる。
【0038】
独立気泡率は、65%未満の場合には、成形時の加熱圧をアップしてなんとかビーズ同士を融着させたとしても、成形体の収縮、ヒケが大きくなり易く、目標の品質の成形体が得られ難くなるので、65%以上、より好ましくは75%以上、特に好ましくは85%以上に設定することになる。
【0039】
次に、前述した芯材1を成形するための型内発泡成形装置10について説明する。
図3に示すように、型内発泡成形装置10は、対向配置した1組の金型としてのコア型11及びキャビティ型12と、コア型11とキャビティ型12とで形成される成形空間13を2つの区画成形空間13Aと1つの区画成形空間13Bに区画する2組の区画手段30と、各区画成形空間13A,13B内に空気の流れに乗せて特性の異なる原料ビーズをそれぞれ充填するための2組の充填手段14A,14Bとを備えている。
【0040】
コア型11及びキャビティ型12は、枠状フレームと裏板とを有するハウジング15にそれぞれ取り付けられ、コア型11及びキャビティ型12の背面側には1組の第1チャンバー16及び第2チャンバー17がそれぞれ形成され、コア型11及びキャビティ型12には両チャンバー16,17と成形空間13とを連通する多数の通気孔18が形成されている。尚、通気孔18は、実際には、図4、図5に例示するように、0.5mmφ程度の丸孔19aや幅0.5mm程度のスリット19bを複数個透設した外径7〜12mmの蓋を有する筒体からなるコアベント19を、金型11,12に孔明け配置したコアベント取付孔20に嵌め込んで形成したものや、金型11,12に直接的に形成した0.5mmφ程度のコアベントホール21で構成されている。
【0041】
第1チャンバー16及び第2チャンバー17には、蒸気や圧縮空気などの用役流体を供給するための供給管SPがそれぞれ接続されるとともに、減圧手段やドレン配管に連なる排出管EPがそれぞれ接続され、供給管SP及び排出管EPの途中部には図示外の制御弁がそれぞれ介設され、制御弁の操作により成形空間13への用役流体の供給、排出を制御できるように構成されている。
【0042】
充填手段14A,14Bは、特性の異なる原料ビーズを充填する以外は基本的には同じに構成されており、各充填手段14A,14Bは、原料ビーズを設定温度に温調するビーズ温調槽22と、温調された原料ビーズを貯留する原料タンク23と、原料タンク23から供給された原料ビーズを成形空間13内へ充填する充填器24とを備えている。
【0043】
原料タンク23には吸気管IPが接続され、吸気管IPの途中部には吸気弁V1が介装され、吸気弁V1を制御することで、原料タンク23の内圧が調整される。また、原料タンク23にはシャッター25が付設され、原料ビーズはシャッター25から充填管FPを通って充填器24へ供給される。原料タンク23内はチャンバー16,17の内圧以上に加圧され、原料タンク23に貯留された原料ビーズは、原料タンク23から成形空間13への空気の流れに乗って、成形空間13に充填されるように構成されている。
【0044】
原料タンク23には原料ビーズを温調する温調手段26が設けられるとともに、原料タンク23内の雰囲気温度を測定する温度センサ26aが設けられ、この温度センサ26aからの信号に基づき温調手段26を制御して、充填直前の原料ビーズの温度を設定温度に調整するように構成されている。温調手段26としては、成形工場では冷却水温度を30〜50℃に管理していることより、この冷却水を利用した温調を行うことが、設備経済上好ましい。
【0045】
ビーズ温調槽22には原料ビーズを加熱するための加熱手段27が設けられるとともに、ビーズ温調槽22内の温度を測定する温度センサ27aが設けられ、温度センサ27aからの信号に基づいて加熱手段27による加熱温度を制御することにより、原料ビーズの温度を設定温度に調整するように構成されている。また、原料ビーズの温度をより厳密に調整するため、温度センサ27aを複数設けて、その平均温度を原料ビーズの温度として用いることが好ましい。
【0046】
加熱手段27としては、任意の構成の加熱手段を採用できるが、成形時に用いる加熱蒸気を利用した加熱手段を設けることが設備経済上好ましい。また、加熱手段として電気ヒータ等を採用することも可能で、加熱蒸気を利用した加熱手段と電気ヒータ等の加熱手段とを併用してもよい。また、加熱手段として、ビーズ温調槽22内の雰囲気温度が一様になるように、例えば熱風ブロワを用い、ビーズを攪拌しながら温調してもよい。
【0047】
ビーズ温調槽22は、保温性を高めるため、内壁或いは外壁を断熱材で構成した断熱構造に構成することが好ましい。また、ビーズ温調槽22から原料タンク23への原料ビーズの輸送は、途中部に開閉弁V2を介装した輸送管TPを介して空気輸送にて行うことになるが、輸送時における原料ビーズの温度変化を防止するため、輸送管TPを保温し、輸送のための空気の温度も予め調整することも好ましい。
【0048】
原料ビーズの加熱温度は、常温以上、融点以下の任意の温度に設定できるが、高温域でのビーズの劣化或いは低温域での夏場の温度管理、冬場の省エネを考慮すると、30℃〜80℃、さらに、成形機の低圧縮圧力域或いは高圧縮圧力域での圧縮充填圧力の制御精度、ビーズ圧縮特性を考慮すると、30℃〜50℃に設定することが好ましい。また、成形品の機械的強度及び重量を安定化させるため、原料ビーズの温度は、設定温度±5℃の範囲内に調整することが好ましい。尚、本実施例では、原料ビーズを温調することを前提に成形装置を構成したが、原料ビーズを温調しない場合には、ビーズ温調槽22を省略することも可能である。
【0049】
ビーズ温調槽22へ供給する原料ビーズとしては、加熱融着時における発泡圧を適正に設定するため、原料ビーズの特性に応じて内圧を調整したものが使用されている。具体的には、特性の異なる原料ビーズを個別に図示外の成含タンク内に充填し、成含タンク内を一定温度に加熱した状態で、原料ビーズの特性に応じた設定圧力の無機ガス雰囲気中に原料ビーズを数時間保持し、原料ビーズに無機ガスを圧入することになる。例えば、ポリプロピレン系樹脂からなる原料ビーズを用いる場合には、30〜80℃の加温下で、0.1〜0.6MPaの無機ガス雰囲気下に、1〜30時間程度保持して、原料ビーズ5に無機ガスを圧入する。但し、圧力はゲージ圧で表示したもので、以下の説明においても同様に取り扱う。
【0050】
次に、区画手段30について説明する。成形空間13内は、図3、図6に示すように、低発泡部5に対応させて設けた2組の区画手段30を介して、低発泡部5を成形するための2つの区画成形空間13Aと、高発泡部6を成形するための1つの区画成形空間13Bとに区画され、各区画成形空間13A,13Bには充填器24がそれぞれ接続されており、隣接する区画成形空間13A,13B内に特性の異なる原料ビーズを充填できるように構成されている。尚、本実施例では自動車用バンパーの芯材1を成形すべく、成形空間13を3つに区画したが、成形空間13の区画形状や区画個数や区画位置は、製作する成形品に応じて任意に設定可能である。また、発泡倍率の異なる原料ビーズを隣接する区画成形空間13A,13Bに充填したが、成形品の用途などに応じて、基材樹脂組成、結晶化構造、粒子サイズ、粒子形状、粒子重量、粒子内セル径、色の1種又は2種以上の特性が異なる原料ビーズを充填することも可能である。
【0051】
この区画手段30は、図7、図8に示すように、型開閉方向に沿って並列状に配置した櫛歯31と、櫛歯31を片持ち状に支持する支持部材32とからなる仕切部材であって、キャビティ型12に略コ字状に固定した3枚1組の第1仕切部材33と、コア型11に略コ字状に固定した3枚1組の第2仕切部材34とを備えている。但し、仕切部材33,34としては、略コ字状に一体形成したものを用いてもよい。また、櫛歯31を有する仕切部材33,34に代えて、エアシリンダ等のアクチュエータにより成形空間13に進退移動する板状の仕切部材を採用することも可能である。
【0052】
両仕切部材33,34の櫛歯31の間隔Tは、区画成形空間13A,13Bの少なくとも一方に充填する原料ビーズが通り抜けできない間隔にそれぞれ設定されている。櫛歯31の間隔Tは、狭すぎると、隣接する区画成形空間13A,13B内に充填される原料ビーズ同士の密着性が十分に確保できず、芯材1の強度が低下するので、通り抜けできない原料ビーズの直径の30〜90%、より好ましくは50〜80%に設定することが好ましい。
【0053】
第1仕切部材33の櫛歯31Aと第2仕切部材34の櫛歯31Bとは半ピッチずらして配置されるとともに、両仕切部材33,34の櫛歯31の長さは、当該櫛歯31が配置される位置における両金型11,12間の距離よりも短く設定され、両金型11,12を型閉じした状態で、櫛歯31A,31Bの先端部が型開閉方向にラップするように構成されている。
【0054】
この区画手段30では、第1仕切部材33の櫛歯31Aと第2仕切部材34の櫛歯31Bの先端部のみをラップさせるので櫛歯31A,31Bの長さを極力短く設定することが可能となり、櫛歯31A,31Bの変形を防止とともに、櫛歯31A,31Bに作用する曲げモーメントを小さく設定できるので、櫛歯31A,31Bして小径のものを採用することが可能となり、櫛歯31A,31Bにより芯材1に形成される有底孔7,8を極力小径に構成できる。また、櫛歯31A,31Bの長さ設定がラフになるので、芯材1形状の変更等に対しても容易に対応できるし、クラッキング充填のように、両金型間にクラッキング隙間をあけた状態で、原料ビーズを充填する場合でも、両仕切部材33,34の櫛歯31A,31Bのラップ量をクラッキング隙間よりも多少大きく設定することで、隣接する区画成形空間13A,13Bを仕切ることが可能となる。また、櫛歯31Aと櫛歯31Bとを交互に配置させているので、金型11,12を型開きするときに芯材1に対してバランスよく櫛歯31A,31Bに引き抜き力を作用させることが可能となるので、離型性を向上する上で好ましい。
【0055】
櫛歯31は、細長い棒状やパイプ状の部材で構成され、横断面形状としては、円形状、長円状、楕円状、四角形や六角形などの多角形状など任意の外形のものを採用できる。また、櫛歯31の素材は、原料ビーズの充填圧に耐え、しかも原料ビーズの加熱融着時における熱に耐え得る素材であれば、金属材料、合成樹脂材料、セラミックスなどの任意の材料で構成できる。また、この区画手段30を用いた場合においては、図1,図2に示すように、芯材1には櫛歯31A,31Bに対応する位置に有底孔7,8がそれぞれ形成されることになるので、櫛歯31の直径は極力小さく設定することが好ましく、櫛歯31の直径は、例えば1〜10mm、好ましくは1.5〜5mmに設定されている。更に、櫛歯31として弾性変形可能な金属材料や合成樹脂材料からなるものを用いることが好ましい。このように構成すると、充填圧や発泡圧により櫛歯31が多少変形しても元の形状に復帰できるので、櫛歯31の塑性変形による充填不良や離型不良などの成形不良を防止しつつ、櫛歯31の断面積を極力小さく設定して、芯材1の外観低下や強度低下を抑制できる。
【0056】
型内発泡成形装置10には、図示していないが、キャビティ型12から芯材1を離型するためのエジェクタピンが設けられ、仕切部材33,34を含む金型11,12からの芯材1の離型抵抗に関して、櫛歯31A,31Bの構成を次のように調整することで、コア型11側よりもキャビティ型12側の離型抵抗を大きく設定し、型開き時にエジェクタピンを有するキャビティ型12側に芯材1が確実に残置されるように構成されている。
【0057】
キャビティ型12側の離型抵抗がコア型11側よりも大きくなるように、キャビティ型12と第1仕切部材33の櫛歯31Aと第2仕切部材34の櫛歯31Bとの総表面積、本数、総長さ、横断面積、横断面形状、表面性、抜き勾配などを調整したり、或いはこれらの調整を組み合わせたりしている。もっとも金型は、基本的には、エジェクタピンを有する金型側に芯材1が残置されるように設計されているので、両櫛歯31A,31Bからの芯材1の離型抵抗を同じに設定すれば、キャビティ型12側に芯材1が残置され、またコア型11側の櫛歯31Bからの離型抵抗をキャビティ型12側の櫛歯31Aからの離型抵抗よりも多少大きく設定しても、キャビティ型12側に芯材1が残置されることになるが、キャビティ型12側に確実に芯材1が残置されるように、キャビティ型12側の櫛歯31Aからの離型抵抗がコア型11側の櫛歯31Bからの離型抵抗よりも大きくなるように、前述したように櫛歯31A,31Bの構成を調整することが好ましい。また、両櫛歯31A,31Bからの離型抵抗の差を大きく設定し過ぎると、エジェクタピンによる芯材1の離型作業に支障がでることが考えられるので、キャビティ型12側の櫛歯31Aからの離型抵抗がやや大きくなるように設定することが好ましい。更に、櫛歯31A,31Bからの離型抵抗は、芯材1に対して一様に作用するに設定することが好ましい。
【0058】
尚、図9に示す区画手段40のように、コア型11の仕切部材34を省略するとともに、キャビティ型12の仕切部材33に代えて、先端部をコア型11まで延ばしてた櫛歯41を有する仕切部材42を設け、この櫛歯41の間隔を少なくとも一方の原料ビーズの直径よりも短い間隔をあけて併設することで、成形空間13内を複数に区画してもよい。また、この場合には、櫛歯41からの成形品の離型性を高めるため、図10に示す区画手段43のように、左右の第1仕切部材42Aをキャビティ型12に固定し、上部の第2仕切部材42Bをコア型11に固定してもよい。
【0059】
また、区画手段30に代えて、図11に示す区画手段50のように、低発泡部5と高発泡部6の境界面Lの角部や端部に対応させて柱状の固定仕切部材51をコア型11又はキャビティ型12に一体的に設けたり、図12に示す区画手段55のように、低発泡部5と高発泡部6の境界面Lの途中部に壁状の固定仕切部材56をコア型11又はキャビティ型12に一体的に設けたりしてもよい。この場合には、図11に示すように、芯材1Aには固定仕切部材52により貫通孔57及び溝部58が形成され、また図12に示すように、芯材1Bには固定仕切部材56により長孔状の貫通孔59が形成されるが、櫛歯31により区画困難な、芯材の薄肉部などを固定仕切部材51,56により区画することが可能となるので、成形品形状に応じて採用することが好ましい。
【0060】
また、前記実施例では、仕切部材の複数の櫛歯をそれぞれ同一平面内に配置して、各仕切部材による低発泡部5と高発泡部6との境界面Lを平坦面で構成したが、この境界面が例えば矩形波状や三角波状やサイン波状などの波形面状になるように、櫛歯31を配置すると、隣接する原料ビーズの接触面積を増やして、両者の結合強度を向上できるので好ましい。また、低発泡部5と高発泡部6との境界面Lが正面視略コ字状の場合について説明したが、その他の形状、例えばL字状やクランク状や直線状の場合においても、本発明を同様に適用できる。
【0061】
更に、型内発泡成形装置10に代えて、図13に示すように、コア型11及びキャビティ型12から通気孔18を完全に或いは略完全に省略した型内発泡成形装置60を採用することも可能である。この場合には、コア型11とキャビティ型12とを型閉めした状態においても成形空間13内に開口するクリアランス61を両金型11,12の合わせ目に沿って形成し、このクリアランス61を介して両チャンバー16,17とは独立に成形空間13内に対して蒸気等の用役流体を供給したり、成形空間13からドレン等を排出することになる。このような成形装置60においては、通気孔18の跡のない表面美麗な芯材1を製作できること、通気孔18を形成することによる金型11,12の強度低下を防止できるので、金型11,12を薄肉に構成してその熱容量を小さく設定することが可能となり、加熱冷却の熱効率を向上したり、温度制御の精度を向上できること、通気孔18を形成するための加工コストを大幅に削減でき、金型11,12の製作コストを低減できること、通気孔18の目詰まりに基づく加熱不良、離型不良、冷却不良が発生せず、コアベント19の取替えまたは定期的な高圧洗浄水による洗浄などのメンテナンス作業が全く不要となること、冷却工程で用いられる冷却水が成形空間13内に侵入しなくなるので、芯材1の水分を従来の6〜10%程度から0.5〜2%程度にまで低下でき、乾燥工程が不要となり、サイクル時間短縮に大いに寄与できること、などの効果が得られる。
【0062】
また、本実施例では、型内発泡成形品として自動車用バンパーの芯材1を製作するための型内発泡成形装置10、50について説明したが、芯材1以外の成形品を製作する成形装置に対しても本発明を同様に適用することが可能である。
【0063】
次に、図3に示す発泡成形装置10を用いた芯材1の成形方法の一例について説明する。
先ず、特性の異なる原料ビーズの加熱融着時における発泡圧が略同じになるように、原料ビーズに対してその特性に応じて無機ガスを圧入し、原料ビーズの内圧を調整した原料ビーズを予め製作する。
例えば、低発泡部5を発泡倍率が5倍のポリプロピレン系樹脂からなる原料ビーズで構成し、高発泡部6を発泡倍率が20倍のポリプロピレン系樹脂からなる原料ビーズで構成する場合には、後述のように原料ビーズを蒸気により加熱融着させたときに、低発泡倍率の原料ビーズと高発泡倍率の原料ビーズの発泡圧が略同じになるように、低発泡倍率の原料ビーズに対しては、30℃の加温下で0.1MPaの無機ガス雰囲気下に30時間保持し、高発泡倍率の原料ビーズに対しては、30℃の加温下で0.2MPaの無機ガス雰囲気下に10時間保持して、低発泡倍率の原料ビーズの内圧を0.1MPaに設定するとともに、高発泡倍率の原料ビーズの内圧を0.05MPaに設定する。
【0064】
尚、本実施例では、特性の異なる原料ビーズとして発泡倍率の異なる原料ビーズを用いたが、基材樹脂組成、結晶化構造、粒子サイズ、粒子形状、粒子重量、粒子内セル径、色の1種又は2種以上の特性が異なる原料ビーズを用いた場合においても同様に、それぞれの特性に応じて原料ビーズの内圧を調整して、特性の異なる原料ビーズ間の加熱融着時における発泡圧が略同じになるように調整することになる。また、加熱融着時における発泡圧が略同じになるように、原料ビーズの内圧を調整したが、成形品によっては、特性の異なる原料ビーズ間における発泡圧の差圧が所望の値になるように、原料ビーズの内圧を調整することも可能である。
【0065】
更に、発泡倍率の異なる2種類の原料ビーズの内圧をそれぞれ調整したが、1種類の原料ビーズの内圧だけを調整して、加熱融着時における発泡圧が略同じになるように設定してもよい。但し、ポリオレフィン系樹脂からなる原料ビーズは、ポリスチレン系樹脂と比較して発泡力が弱いので、原料ビーズを十分に膨らませ、ビーズ間の密着性や見栄性を向上するため、特性の異なる原料ビーズの内圧をそれぞれ調整することが好ましい。
【0066】
次に、内圧を調整した原料ビーズを対応するビーズ温調槽22に供給し、ビーズ温調槽22内における原料ビーズの温度を測定しながら、加熱手段27によりビーズ温調槽22内を加熱し、原料ビーズの温度を30〜50℃の所定の設定温度に調整した後、保温された原料タンク23に原料ビーズを供給する。但し、前記設定温度は、高くすると原料ビーズ内に圧入した無機ガスが抜けるので、極力低い温度に設定することが好ましい。このように、原料ビーズの温度を調整すると、外気温度の変動等により成形ショット間における成形品の発泡倍率の変動を抑制して、品質のよい成形品を成形することが可能となる。また、原料ビーズの特性に応じて温度を調整すると、圧縮充填時の原料ビーズの圧縮度合いを調整でき、ひいては加熱融着時における原料ビーズの発泡圧を調整できるので、原料ビーズの内圧と温度とで、発泡圧を大きく制御することも可能である。尚、この工程は必ずしも設ける必要はなく省略してもよい。
【0067】
次に、区画成形空間13A,13Bに原料ビーズを充填するため、コア型11とキャビティ型12とを型閉めして仕切部材33,34により成形空間13内を3つの区画成形空間13A,13Bに区画する。このとき、キャビティ型12側の櫛歯31Aの先端部とコア型11側の櫛歯31Bの先端部とがその長さ方向に相互に重なって成形空間13が区画成形空間13A,13Bに区画されることになる。
【0068】
次に、充填器24から区画成形空間13A,13Bに対して、発泡倍率が5倍の原料ビーズと20倍の原料ビーズとを空気の流れに乗せてそれぞれ個別に供給し、成形空間13内に原料ビーズを充填する。このとき、隣接する区画成形空間13A,13Bに充填された原料ビーズは、櫛歯31間の隙間を介して相互に接触した状態となる。尚、原料ビーズの具体的な充填方法としては、クラッキング充填法、加圧充填法、圧縮充填法などの周知の充填方法を採用できるが、原料ビーズを温調して発泡圧を調整する場合には、温調により発泡圧を調整して、発泡圧の制御幅を拡大できることから、圧縮充填法を採用することが好ましい。
【0069】
次に、両チャンバー16,17及び通気孔18を介して成形空間13に蒸気を供給して原料ビーズを加熱した後、蒸気圧を開放することで原料ビーズを発泡させ、原料ビーズを略隙間なく相互に融着させることになる。このとき原料ビーズ間に空気が残存していると原料ビーズ同士の密着性が低下するので、両チャンバー16,17及び成形空間13内の空気を蒸気に置き換える作業を予め行うことになる。また、この蒸気による加熱により、隣接する区画成形空間13A,13Bの原料ビーズ同士も櫛歯31間の隙間を介して相互に融着することになる。しかも、前述のように内圧を原料ビーズの特性に応じて設定しているので、両区画成形空間13A,13B内における原料ビーズの発泡圧が略同じになり、櫛歯31に対して無理な力が作用することが防止され、櫛歯31として小径のものを採用することが可能となる。このため、芯材1における境界面Lがずれたり湾曲したりすることもないし、有底孔7,8や貫通孔をストレート状に且つ小径に構成することが可能となり、寸法精度が高くしかも外観のよい品質の良い芯材1を成形できる。
【0070】
次に、コア型11及びキャビティ型12に向けて図示外のノズルから冷却水を噴霧し、成形空間13内の芯材1を冷却してから、金型11,12を型開きするが、前述のように仕切部材33,34の櫛歯31A,31Bの構成を調整することで、キャビティ型12側の離型抵抗がコア型11側の離型抵抗よりも大きく設定されるので、金型11,12を型開きした状態で、芯材1はキャビティ型12側に残置されることになる。こうして、金型11,12を型開きして、芯材1をキャビティ型12側に残置させた状態とし、図示外のエジェクタピンを用いて芯材1をキャビティ型12から離型する。
【0071】
尚、原料ビーズとして、櫛歯31間を通り抜け不能な直径の第1原料ビーズと、櫛歯31間を通り抜け可能な第2原料ビーズとを用いる場合には、成形空間13への原料ビーズの充填時に、第1原料ビーズを区画成形空間13Bに充填した後、第2原料ビーズを区画成形空間13Aに充填することになる。この場合には、第1原料ビーズの一部が櫛歯31間を通って区画成形空間13A内へ移動するので、第1原料ビーズと第2原料ビーズの密着性をより一層高めることが可能となる。
【0072】
また、前記型内発泡成形装置60を用いて成形を行う場合には、芯材1の外面の目立つ場所を成形する成形部に通気孔18が形成されていないコア型11及びキャビティ型12を用いていることから、原料ビーズの充填時には原料ビーズとともに成形空間13内に供給される充填用エアを、クリアランス61を介して成形空間13外へ排出することになる。また、蒸気により原料ビーズを加熱融着するときには、チャンバー16,17に蒸気を供給するとともに、クリアランス61を介して成形空間13内へ蒸気を供給することになる。
本実施例では、自動車用バンパーの芯材1を成形するための成形方法について説明したが、芯材1以外の型内発泡成形品を成形する場合においても、本発明を同様に適用できる。
【0073】
【発明の効果】
本発明に係る型内発泡成形方法によれば、隣接する区画成形空間内に発泡倍率の異なる原料ビーズを充填できるので、区画成形空間の形成位置やサイズ、充填する原料ビーズの特性などを適正に設定することで、成形品の性能や品質を向上できる。例えば、強度面を重視する部位には、発泡倍率の低い原料ビーズを用いて成形品の強度剛性を高め、そうでない部位には発泡倍率の高い原料ビーズを用いることで成形品重量を軽減し、成形品の強度向上と重量軽減の両立を図ることが可能となる。
【0074】
また、発泡倍率に応じて原料ビーズの内圧を設定するので、発泡倍率の異なる原料ビーズ毎に加熱融着時における発泡圧を適正に調整することが可能となる。具体的には、原料ビーズの加熱融着時における発泡圧が一様になるように、発泡倍率に応じて原料ビーズの内圧を設定した状態で、各区画成形空間内に対して原料ビーズを充填することで、発泡倍率の異なる原料ビーズの境界面の位置ずれや変形を防止したり、仕切部材として櫛歯を用いる場合には、櫛歯の変形を防止して櫛歯からの成形品の離型性を向上できるとともに、櫛歯として小径のものを採用することが可能となり、櫛歯により成形品に形成される貫通孔や有底孔の孔径を小さく設定して、成形品の強度や外観を向上できる。また、同一圧縮条件で原料ビーズを圧縮充填すると、成形空間内の各部における充填密度のバラツキを極力少なくできるので好ましい。
【0075】
原料ビーズの少なくとも1種を温調した状態で各区画成形空間内に圧縮充填すると、成形ショット間における成形品の発泡倍率のバラツキを少なくして、成形品の重量バラツキを低減できるので好ましい。しかも、温調することで圧縮充填時の原料ビーズの圧縮度合いを調整できるので、原料ビーズの内圧調整と温度調整とで、発泡圧等を大きく制御することが可能となる。
【0076】
原料ビーズを同一温度に温調した状態で各区画成形空間内に圧縮充填すると、成形ショット間における成形品の発泡倍率のバラツキを少なくして、成形品の重量バラツキを低減できるので好ましい。しかも、発泡圧の制御幅は少なくなるものの、原料ビーズの内圧調整のみの制御となるので、制御系を大幅に簡略に構成できる。
【0077】
本発明に係る熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形装置によれば、内圧調整手段により少なくとも1種類の原料ビーズの内圧を調整できるので、内圧を適正に調整した状態で原料ビーズを充填することが可能となり、前記型内発泡成形方法と同様に、発泡倍率の異なる原料ビーズ毎に加熱融着時における発泡圧を適正に調整することが可能となる。
【0078】
仕切部材として複数の櫛歯を有する仕切部材を金型に固定すると、成形装置の製作コストを低減できること、成形品の設計変更等に容易に対応できること、成形品のうちの発泡倍率の異なる原料ビーズで成形された成形部分の接合強度を十分に確保できること、境界部分にバリが形成されるという不具合を確実に防止でき、しかも金型強度の部分的な低下を防止して成形品精度を向上できること、などの効果が得られる。
【0079】
また、隣接する区画成形空間内における原料ビーズの加熱融着時の発泡圧を同じに設定することで、櫛歯の変形を防止して櫛歯からの成形品の離型性を向上できるとともに、櫛歯として小径のものを採用することが可能となり、櫛歯により成形品に形成される貫通孔や有底孔の孔径を小さく設定して、成形品の強度や外観を向上できる。櫛歯として、直径が1〜10mmの棒状部材を用いると、有底孔や貫通孔が形成されることによる成形品の強度低下及び外観低下を極力防止できるとともに、櫛歯の強度を十分に確保して、櫛歯の破損や変形を防止できる。
【0080】
隣接する櫛歯の間隔を、通り抜けできない原料ビーズの直径の30〜90%に設定すると、櫛歯を挟んで隣接する区画成形空間内の原料ビーズ同士における密着性を向上して、境界部分における強度を十分に確保できるとともに、柔らかい原料ビーズを用いた場合でも、原料ビーズが仕切部材の櫛歯間を通って隣接する区画成形空間に移動するという不具合を防止できる。
櫛歯を弾性変形可能な素材で構成すると、櫛歯の塑性変形による成形不良や離型不良を防止しつつ、櫛歯の断面積を極力小さく設定して、成形品の外観低下や強度低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動車用バンパーの芯材の斜視図
【図2】 (a)は図1のII-II線断面図、(b)は(a)のb−b線断面図
【図3】 型内発泡成形装置の縦断面図
【図4】 通気孔付近の金型の縦断面図
【図5】 コアベントの正面図
【図6】 図3のVI-VI線断面図
【図7】 区画手段の側面図
【図8】 区画手段の斜視図
【図9】 他の構成の区画手段の斜視図
【図10】 他の構成の区画手段の斜視図
【図11】 (a)は他の構成の成形品の斜視図、(b)は同成形品を成形するための成形装置の説明図
【図12】 (a)は他の構成の成形品の斜視図、(b)は同成形品を成形するための成形装置の説明図
【図13】 他の構成の成形装置の縦断面図
【符号の説明】
1 芯材 2 前部衝撃吸収部
3 側部衝撃吸収部 4 角部
5 低発泡部 6 高発泡部
7 有底孔 8 有底孔
L 境界面
10 型内発泡成形装置 11 コア型
12 キャビティ型 13 成形空間
13A 区画成形空間 13B 区画成形空間
14A 充填手段 14B 充填手段
15 ハウジング 16 第1チャンバー
17 第2チャンバー 18 通気孔
19 コアベント 19b スリット
19a 丸孔
20 コアベント取付孔
21 コアベントホール
22 ビーズ温調槽 23 原料タンク
24 充填器 25 シャッター
26 温調手段 26a 温度センサ
27 加熱手段 27a 温度センサ
EP 排出管 FP 充填管
IP 吸気管 TP 輸送管
SP 供給管 V1 吸気弁
V2 開閉弁
30 区画手段 31 櫛歯
31A 櫛歯 31B 櫛歯
32 支持部材 33 仕切部材
34 仕切部材
40 区画手段 41 櫛歯
42 仕切部材
43 区画手段 42A 仕切部材
42B 仕切部材
1A 芯材 1B 芯材
50 区画手段 51 固定仕切部材
52 固定仕切部材 55 区画手段
56 固定仕切部材 57 貫通孔
58 溝部 59 貫通孔
60 型内発泡成形装置 61 クリアランス

Claims (11)

  1. 仕切部材により成形空間内を複数の区画成形空間に区画し、少なくとも隣接する区画成形空間に対して、発泡倍率の異なる原料ビーズが充填されるように、各区画成形空間に対して個別に原料ビーズを充填するに際し、原料ビーズの加熱融着時における発泡圧が一様になるように、原料ビーズの発泡倍率に応じた設定圧力の無機ガス雰囲気中に原料ビーズを保持し、前記発泡倍率に応じて原料ビーズの内圧を異なるように設定した状態で、各区画成形空間内に対して原料ビーズを充填することを特徴とする熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法。
  2. 各区画成形空間内に対して同一圧縮条件で原料ビーズを圧縮充填する請求項1記載の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法。
  3. 前記複数の区画成形空間に対して同時に原料ビーズを充填する請求項1又は2記載の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法。
  4. 前記複数の区画成形空間に対して時間差を設けて原料ビーズを充填する請求項1又は2記載の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法。
  5. 前記原料ビーズの少なくとも1種を温調した状態で各区画成形空間内に圧縮充填する請求項1〜のいずれか1項記載の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法。
  6. 前記原料ビーズを同一温度に温調した状態で各区画成形空間内に圧縮充填する請求項1〜のいずれか1項記載の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法。
  7. 成形空間内を複数の区画成形空間に区画する仕切部材を有する金型と、少なくとも隣接する区画成形空間に、発泡倍率の異なる原料ビーズが充填されるように、各区画成形空間に対して個別に原料ビーズを充填する充填手段とを備え、充填手段に、原料ビーズの加熱融着時における発泡圧が一様になるように、原料ビーズの発泡倍率に応じた設定圧力の無機ガス雰囲気中に原料ビーズを保持し、前記発泡倍率に応じて原料ビーズの内圧を異なるように調整する内圧調整手段を設けたことを特徴とする熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形装置。
  8. 前記仕切部材として、隣接する区画成形空間に充填する原料ビーズの少なくとも一方が通り抜け不能な間隔をあけて型開閉方向に片持ち状に延びる複数の櫛歯を有する仕切部材を金型に固定した請求項記載の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形装置。
  9. 前記櫛歯として直径が1〜10mmの棒状部材を用いた請求項記載の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形装置。
  10. 隣接する櫛歯の間隔を、通り抜けできない原料ビーズの直径の30〜90%に設定した請求項又は記載の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形装置。
  11. 前記櫛歯を弾性変形可能な素材で構成した請求項10のいずれか1項記載の熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形装置。
JP2000152474A 2000-05-24 2000-05-24 熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置 Expired - Fee Related JP4902825B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000152474A JP4902825B2 (ja) 2000-05-24 2000-05-24 熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000152474A JP4902825B2 (ja) 2000-05-24 2000-05-24 熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001328133A JP2001328133A (ja) 2001-11-27
JP4902825B2 true JP4902825B2 (ja) 2012-03-21

Family

ID=18657895

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000152474A Expired - Fee Related JP4902825B2 (ja) 2000-05-24 2000-05-24 熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4902825B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4576708B2 (ja) * 2000-12-08 2010-11-10 株式会社カネカ 型内発泡成形装置
JP4837356B2 (ja) * 2005-02-01 2011-12-14 株式会社カネカ 熱可塑性樹脂型内発泡成形体および製造方法
JP2007320275A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Kaneka Corp ポリプロピレン系予備発泡粒子を用いた型内発泡成形体の製造方法
JP4817244B2 (ja) * 2006-06-08 2011-11-16 林テレンプ株式会社 バンパー用アブソーバ

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4157197B2 (ja) * 1998-07-06 2008-09-24 株式会社ジェイエスピー 自動車用バンパー芯材の製造方法
JP2000129028A (ja) * 1998-10-29 2000-05-09 Jsp Corp ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001328133A (ja) 2001-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20140110491A1 (en) Recyclable plastic structural articles and method of manufacture
CN102239040B (zh) 利用局部反压的容器成形的方法和装置及利用局部反压的容器制造机器
US6619943B1 (en) In-mold foam molding apparatus with movable partitioning members
JP4902825B2 (ja) 熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置
JP2004345103A (ja) 型内発泡成形装置及び成形方法
JP2001328134A (ja) 熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形方法及び装置並びに型内発泡成形品
JP4576708B2 (ja) 型内発泡成形装置
JP3928318B2 (ja) ポリオレフィン系合成樹脂の型内発泡成形方法
JP4103274B2 (ja) 型内発泡成形装置及び方法並びに型内発泡成形品
JP4719956B2 (ja) 型内発泡成形装置及び方法
CN102239039A (zh) 利用局部冷却的容器成形的方法和装置
JP4539721B2 (ja) 型内発泡成形装置及び方法並びに型内発泡成形品
JP2001096559A (ja) ポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法
US6733272B1 (en) Molding unit comprising improved compensating means and extrusion-blow molding machine equipped therewith
KR101965548B1 (ko) 액체 용기, 자동차용 액체 용기, 및 슬로싱 사운드를 감소시키기 위한 구조체의 제조 방법
JP4233269B2 (ja) 熱可塑性合成樹脂の型内発泡成形装置及び方法並びに型内発泡成形品
JP2001145930A (ja) 型内発泡成形装置及び方法並びに型内発泡成形品
JP3888005B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法及び型内発泡成形装置
JP3918376B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法
JP3888006B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂の型内発泡成形方法
JP2001145931A (ja) 型内発泡成形装置及び方法並びに型内発泡成形品
KR101278133B1 (ko) 이종배율 발포 성형장치 및 방법
JP4168565B2 (ja) 型内発泡成形品及びその成形方法
JP2001212841A (ja) ポリオレフィン系合成樹脂の型内発泡成形方法及び型内発泡成形装置
JPH0365322A (ja) フレーム部材のブロー成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090722

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090811

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091105

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20091118

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20100702

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111229

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4902825

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees