JP3918313B2 - 電磁クラッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は動力伝達を断続する電磁クラッチに関するもので、自動車用空調装置の冷凍サイクルの圧縮機駆動用として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の電磁クラッチにおいては、一般に電磁吸引力を発生する電磁コイルを固定部材側に設置するコイル固定型のものが使用されている。このコイル固定型は、電磁コイルが固定部材側にあるので、電磁コイルへの通電路を特別の通電部材を必要とすることなく簡単に構成できる利点がある。
【0003】
しかし、電磁コイルを固定部材側に設置するため、電磁コイルによる磁束が通過する磁気回路が、固定部材、回転部材および回転部材に磁気吸引されるアーマチャの三者を経由する回路となり、この三者の間にそれぞれ磁気ギャップが存在する。そのため、磁気損失が大となり、磁気効率が低くなるので、電磁コイルの大型化、あるいは電磁コイルの消費電力の増加を招いている。
【0004】
そこで、電磁コイルを回転部材側に設置するコイル回転型が実開平1−131028号公報、実開平2−54928号公報等で提案されている。これらのコイル回転型のものは磁気回路を回転部材と回転部材に磁気吸引されるアーマチャのみで構成できるので、磁気損失が非常に小さくなり、磁気効率をコイル固定型に比して大幅に向上できるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の前者の公報のものでは、回転する電磁コイルに通電するための、スリップリング、ブラシ等の通電部材を、電磁コイル部の軸方向の側方に配置しているので、電磁クラッチの軸方向寸法が増大し、車両エンジンルーム等の狭隘なスペース内への電磁クラッチの搭載を困難にする。また、電磁クラッチの回転中心からの距離(半径)が比較的大きい部位にブラシが位置しているので、ブラシの周速が大きくなり、ブラシの寿命が短くなるという不具合もある。
【0006】
また、上記の後者の公報のものでは、圧縮機等の従動機器の回転軸の先端部からさらに軸方向の外方側にスリップリング、ブラシ等の通電部材を配置しているので、やはり電磁クラッチの軸方向寸法が増大するという不具合がある。
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、コイル回転型の電磁クラッチにおいて、軸方向寸法の短縮およびブラシ寿命の向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1〜11記載の発明では、ハウジング(6)の円筒状ボス部(6a)の中心部に回転軸(13)を配置している回転機械(5)に適用され、回転軸(13)への回転伝達を断続する電磁クラッチであって、
回転部材(1)に、通電により電磁吸引力を発生する電磁コイル(2)を電気絶縁して配置し、
この電磁コイル(2)の発生する電磁吸引力により回転部材(1)に吸着されるアーマチャ(8)を回転部材(1)に対向配置し、
回転部材(1)にアーマチャ(8)が吸着されることにより、回転駆動源から回転部材(1)およびアーマチャ(8)を介して回転軸(13)に回転を伝達するようになっており、
ボス部(6a)の外周上に配置した軸受(7)により回転部材(1)をボス部(6a)の外周上で回転自在に支持するようになっており、
スリップリング(19、20)とこのスリップリング(19、20)に圧接摺動するブラシ(22、23)とを含む摺動通電機構の少なくとも一部が、回転部材(1)および軸受(7)の軸方向範囲とラップするようにして、摺動通電機構を軸受(7)およびボス部(6a)の内周側の部位に配置し、
この摺動通電機構を通して電磁コイル(2)に通電するようにしたことを特徴としている。
【0008】
これによると、ボス部(6a)の内周側に摺動通電機構が位置することにより、コイル回転型のクラッチであっても、軸方向寸法をほとんど増加させることなく、コイル通電路を構成できる。従って、車両エンジンルーム等の狭隘なスペース内でも電磁クラッチを容易に搭載できる。
しかも、電磁クラッチの回転中心からの距離(半径)が小さい部位にブラシを配置できるため、ブラシの周速が小さくなり、ブラシの寿命を向上できる。
【0009】
特に、請求項6記載の発明では、ブラシ(22、23)をボス部(6a)の内周側においてボス部(6a)の円周方向の一部のみを占める形状とし、ボス部(6a)の内周側に電気絶縁材料からなる保持部材(26)を回り止めして配置するとともに、この保持部材(26)に、ブラシ(22、23)の形状に対応した形状の収納空間(26e、26f)を形成し、この収納空間(26e、26f)内にブラシ(22、23)を収納したことを特徴としている。
【0010】
これによると、ブラシ(22、23)を保持部材(26)を介してボス部(6a)に対して円周方向に位置決めして保持できるので、ブラシ(22、23)の回り止めを行うことができる。従って、ブラシ(22、23)がスリップリング(19、20)の回転に伴ってつれ回りするのを確実に防止できる。
さらに、請求項7記載の発明では、回転部材(1)にボス部(6a)の内周側まで延びる内周突出部(1j)を備えるとともに、この内周突出部(1j)にスリップリング(19、20)を保持し
ボス部(6a)の軸方向と直交する方向に延びる略長方形のサークリップ(330)を有し、
このサークリップ(330)をボス部(6a)に設けた溝部(36a、37a)に嵌合係止することにより、軸受(7)を軸方向の位置決めをしてボス部(6a)に固定し、
回転部材(1)には、サークリップ(330)の脱着時に、サークリップ(330)を出入り可能とする挿入穴(34、35)を設けたことを特徴としている。
【0011】
これによると、回転部材(1)単体の状態において、回転部材(1)にスリップリング(19、20)を予め一体化することができ、これにより、電磁コイル(2)とスリップリング(19、20)間の電気結線も予め終了させておくことができる。従って、その後、回転部材(1)をボス部(6a)に組付けるだけでよく、スリップリング(19、20)の電気結線に煩わされることがないので、回転部材(1)の組付性を向上できる。
【0012】
しかも、回転部材(1)の軸受(7)の軸方向位置決めを行うサークリップ(330)を略長方形の形状に形成し、このサークリップ(330)の出入り可能な挿入穴(34、35)を回転部材(1)に設けているから、サークリップ(330)の脱着を挿入穴(34、35)を通して容易に行うことができる。従って、スリップリング(19、20)と回転部材(1)との一体化構造でありながら、サークリップ(330)の脱着を容易に行うことができる。
【0013】
よって、サークリップ(330)の脱着により回転部材(1)を脱着して、ブラシ(22、23)の交換等が可能となり、サービス性を確保できる。
また、請求項8記載の発明では、スリップリング(19、20)とブラシ(22、23)とを曲面形状で接触させることを特徴としている。
これによると、ブラシ(22、23)が傾いても接触部が曲面形状であるため、接触部の面接触状態を維持することができ、ブラシの部分的な異常磨耗を防止できる。
【0014】
また、請求項9記載の発明では、スリップリング(19、20)とブラシ(22、23)との接触部周辺の空気を排出する通風口(39)と、この通風口(39)を通過する空気流を発生する羽根部(41)とを回転部材(1)に備えることを特徴としている。
これによると、ブラシ磨耗粉を上記空気流とともに回転部材外部へ排出できるので、ブラシ磨耗粉に起因する正負のスリップリング間の短絡を防止できる。
【0015】
また、請求項10記載の発明では、ブラシは正極側および負極側の一対のブラシ(22、23)からなり、この一対のブラシ(22、23)がボス部(6a)の内周側において略水平方向に配置されていることを特徴としている。
これによると、電磁クラッチに水、オイル類等が付着した場合でも、これらの水、オイル類等がボス部(6a)の内周形状に沿って一対のブラシ(22、23)の下側へ移動するので、一対のブラシ(22、23)の配置場所に水、オイル類等が滞留することがない。そのため、水、オイル類等の滞留によりブラシ磨耗粉が固まって、ブラシの滑動不良が生じることを防止できる。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図6は本発明の第1実施形態を示すもので、1は駆動側ロータで、その外周部に多重Vベルトが係合される多重V溝を持ったプーリ部1aが一体に設けられている。駆動側ロータ1は、図示しないベルトを介して自動車エンジンから回転力を受けて回転する駆動側回転部材であって、低炭素鋼のような鉄系金属(強磁性体)で断面コの字形状の2重リング形状に成形されている。この駆動側ロータ1の内周円筒部1bと外周円筒部1cの間には環状の凹部1dが形成されており、また、ロータ1の半径方向の側面には摩擦面1eが形成されている。
【0018】
2は電磁吸引力を発生する電磁コイルで、駆動側ロータ1の凹部1d内に設置されている。この電磁コイル2は樹脂製の巻枠2a上に巻線された状態で、凹部1dに成形された樹脂部材3により上記凹部1dに対して絶縁固定されている。従って、電磁コイル2は駆動側ロータ1と一体に回転するようになっている。
4は低炭素鋼のような鉄系金属(強磁性体)からなる摩擦板で、図6に示すようにリング状の本体部4aの外周側および内周側にそれぞれ複数の突起部4b、4cを一体成形している。この複数の外周側の突起部4bをロータ1の外周円筒部1cの環状溝部1f(図3参照)に挿入、支持させる。また、複数の内周側の突起部4cをロータ1の内周円筒部1cの環状溝部1g(図3参照)に挿入、支持させる。さらに、内周側の突起部4cは溶接等の手段にてロータ1の内周円筒部1bに固着してある。図3は摩擦板4のロータ1への組付状態を示している。
【0019】
5は従動側機器(回転機械)である圧縮機で、6は圧縮機5のうち、電磁クラッチ側に位置するフロントハウジングである。このフロントハウジング6はアルミニウム系金属からなり、その軸方向外方に円筒状に突出するボス部6aを中心部に一体成形している。ここで、圧縮機5は自動車用空調装置の冷凍サイクルの冷媒圧縮用のものであって、公知の斜板型、ベーン型、スクロール型等のいずれのタイプでもよい。
【0020】
7は駆動側ロータ1をフロントハウジング6のボス部6a上に回転自在に支持する軸受であり、この軸受7は本例では駆動側ロータ1の内周面に固定された外輪7aと、ボス部6aの外周面に固定された内輪7bと、この両者7a、7bの間に転動自在に保持されたボール7cとを有する転がり軸受から構成されている。
【0021】
8はロータ1の摩擦面1eおよび摩擦板4に対向配設されたアーマチャで、リング状の平板形状に鉄系金属(強磁性体)で形成されている。このアーマチャ8は電磁コイル2の非通電時にはロータ1の摩擦面1eから所定の微小距離離れた位置(図1に示す位置)に板バネ(弾性連結部材)9のバネ力で保持されるようになっている。この板バネ9は細長の薄板状のものであり、アーマチャ8の円周方向に複数個配置され、各板バネ9の一端部は図示しないリベットによりアーマチャ8に連結され、各板バネ9の他端部はリベット10によりハブ11に連結されている。
【0022】
ハブ11は鉄系金属にて半径方向に延びる円板部11aと中心円筒部11bとを有する形状に成形されており、円板部11aの外周側にはゴム等の弾性体からなるストッパー部材12が装着され、このストッパー部材12にてアーマチャ8の軸方向位置(コイル非通電時の位置)を規定する。
ハブ11の中心円筒部11bは、圧縮機5の回転軸13にスプライン結合等により回り止めして嵌合している。そして、回転軸13の先端部のネジ穴にボルト14をネジ込むことによりハブ11の内周鍔部11cを回転軸13の段部との間に挟み込んで、ハブ11を回転軸13に一体に連結している。
【0023】
次に、ロータ1とともに回転する電磁コイル2への通電路の構成を説明すると、この通電路構成において、軸受7を支持する圧縮機ボス部6aの内周側に、スリップリング19、20とブラシ22、23とを持つ摺動通電機構を配置している点が本発明の最大の特徴である。
この摺動通電機構の配置レイアウトは、具体的には次のごとく構成されている。ロータ1の内周円筒部1bのうち、電磁コイル2の内周側で、アーマチャ8側の部位には溝部1h、1iを形成して、電磁コイル2の両端部に電気接続された正極側、負極側の2本のリード線16、17を所定間隔開けて、相互間の電気絶縁を確保しつつ溝部1h、1i内を内周方向へ配線する。なお、この2本のリード線16、17は、図1、2では図示簡略化のために1本のみ示している。このリード線16、17は本例では銅、アルミニウム等の導体金属をそのまま露出させている裸線からなる。
【0024】
そして、摩擦板4およびアーマチャ8の内周側には樹脂等の電気絶縁材にて成形されたリング状の保持板18が配置され、この保持板18の外周部には複数の突起18aを形成し、この突起18aをロータ1の内周円筒部1bの内周突出部1jに設けた凹部1k内に嵌合係止することにより、保持板18がロータ1の内周部に一体に保持され、ロータ1と一端に回転するようにしてある。
【0025】
この保持板18の内周側で、ボス部6a側の面には同心状に正極側、負極側の2つのスリップリング19、20が固着されている。図4に示すように、リード線16、17の内周側の部位は保持板18の板厚内部に埋設するように成形してあり、リード線16、17の内周側端部はそれぞれ正極側、負極側のスリップリング19、20に溶着等の手段で電気接続されている。
【0026】
一方、圧縮機5の回転軸13に固定されたハブ11の中心円筒部11bと、ボス部6aの内周面との間には円筒状の空間21が確保してあり、この空間21には正極側、負極側のブラシ22、23が配置してある。このブラシ22、23は円筒状の形状であり、その軸方向の両端には樹脂等の電気絶縁材で形成されたリング状の保持部材24、25が配置され、この両保持部材24、25により円筒状のブラシ22、23が径方向に所定の間隔を保持する。
【0027】
この両保持部材24、25により円筒状のブラシ22、23相互の間に径方向の所定の間隔を保持し、電気絶縁を図る。また、保持部材25の外周延長部により外側のブラシ22とボス部6aの内周面との間の電気絶縁を図っている。一方の保持部材24は保持板18に一体成形することができるが、別体部品を保持板18に固着してもよい。
【0028】
さらに、内側のブラシ23の内周部から圧縮機5側へ延びる円筒状の保持部材26が空間21内に配置されており、この保持部材26も樹脂等の電気絶縁材で形成され、この保持部材26の鍔部26aの外周部には図5に示すように複数の突起26bを形成し、この突起26bをボス部6aの内周面に設けた凹部6b内に嵌合係止することにより、保持部材26はボス部6aの内周部に保持されている。
【0029】
なお、上記保持部材26の内周面とハブ11の中心円筒部11bの外周面との間には所定の間隔を保持して、保持部材26がボス部6a側に固定されたままとする。この保持部材26の外周面とボス部6aの内周面との間に上述した保持部材25が保持される。
そして、この保持部材25と保持部材26の鍔部26aとの間にブラシ22、23の弾性押圧部材としてコイルスプリング27が配置され、このコイルスプリング27のバネ力でブラシ22、23をスリップリング19、20に弾性的に押圧接触させている。正極側、負極側の2本のリード線28、29の一端は保持部材25を貫通してブラシ22、23に電気接続されている。この2本のリード線28、29も図示の簡略化のために1本のみ図示している。
【0030】
この2本のリード線28、29は導体の周囲を絶縁被覆で覆ったものであり、その他端部は保持部材26の鍔部26aを貫通して鍔部26aの外部に露出している。2本のリード線28、29のうち、この露出端部にはスプリング作用を持つ曲げ部28a、29aが形成してある。
30は樹脂製のコネクタ本体であり、フロントハウジング6の外表面上に成形されて固定されるものであって、コネクタ本体30の内部には導電金属からなる細い平板状の2枚の接続端子31、32が所定間隔を開けてフロントハウジング6の半径方向外方に向かうように配設されている。この接続端子31、32も図示の簡略化のために1枚のみ図示している。
【0031】
この接続端子31、32には、保持部材26の鍔部26aと対向する面に平板部31a、32aを配置して、この平板部31a、32aにリード線28、29の曲げ部28a、29aが弾性的に圧接することにより、リード線28、29と接続端子31、32との電気接続を得るようにしてある。
上記したリード線16、17、スリップリング19、20、ブラシ22、23、リード線28、29および接続端子31、32により、電磁コイル2の通電路を構成している。コネクタ本体30の接続端子31、32は電磁クラッチの断続(すなわち圧縮機5の作動の断続)を制御する外部制御回路(図示せず)に電気接続される。
【0032】
次に、上記構成において作動を説明する。ロータ1は、軸受7によってフロントハウジング6のボス部6aの外周面上で回転自在に支持されているので、図示しない自動車エンジンが運転されると、エンジンのクランクプーリの回転がベルト(図示せず)を介してプーリ1aに伝達され、ロータ1および電磁コイル2は常時回転する。
【0033】
ロータ1および電磁コイル2の回転に伴って、リード線16、17、保持板18、保持部材24およびスリップリング19、20も一緒に回転する。これに対し、ブラシ22、23、保持部材25、26、コイルスプリング27、およびリード線28、29はすべてボス部6a側に保持されて、固定されている。従って、回転するスリップリング19、20に対してブラシ22、23の軸方向の一端面がコイルスプリング27のバネ力で圧接し、摺動することになる。
【0034】
上記の状態において、圧縮機5を作動させるため、外部制御回路からコネクタ本体30の接続端子31、32に車載電源の電圧が印加されると、上記した部材(16、17、19、20、22、23、28、29)から構成される通電路を介して電磁コイル2に通電される。すると、ロータ1とアーマチャ8との間に構成される磁気回路B(図1参照)に磁束が流れ、これにより、ロータ1の摩擦面1eおよび摩擦板4とアーマチャ8との間に電磁吸引力が発生するので、アーマチャ8は板バネ9の軸方向弾性力(図1の左方向への力)に抗してロータ1の摩擦面1eおよび摩擦板4に吸引、吸着される。
【0035】
この結果、ロータ1とアーマチャ8が一体となって回転し、さらにアーマチャ8は板バネ9およびリベット10を介してハブ11と一体に回転する。従って、ハブ11を介して圧縮機5の回転軸13にロータ1の回転が伝達され、圧縮機5が作動する。
一方、圧縮機5を停止するときは、電磁コイル2への通電を遮断する。これにより、前記電磁吸引力が消滅するので、アーマチャ8は板バネ9の軸方向弾性力によりロータ1の摩擦面1eおよび摩擦板4から離れ、圧縮機5の回転軸13への回転伝達が遮断されるため、圧縮機5が停止する。
【0036】
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、スリップリング19、20に対して摺動するブラシ22、23を円筒状に形成して、ブラシ22、23の円周方向の位置決め(回り止め)をしていないので、スリップリング19、20の回転に伴って、ブラシ22、23のつれ回りが発生する場合がある。
【0037】
そこで、第2実施形態では、ブラシ22、23の円周方向の位置決めを確実に行って、ブラシ22、23のつれ回りを阻止するようにしている。図7、8は第2実施形態を示しており、正極、負極側ブラシ22、23を円筒形の一部の形状、すなわち、ボス部6aの円周方向の一部のみを占める形状(断面円弧状の形状)に成形している。
【0038】
一方、本実施形態では、樹脂製の保持部材26に、第1実施形態の保持部材25に相当するブラシ保持部26c、26dが一体成形されており、このブラシ保持部26c、26dに、ブラシ22、23の形状に対応した形状の収納穴(収納空間)26e、26fを形成し、この収納穴26e、26f内に正極、負極側ブラシ22、23を円周方向の位置決めし、かつ、軸方向には摺動可能に収納し、保持する。
【0039】
そして、ボス部6aの内周面に、凹部6c、6dを180°対称位置に2箇所設けて、この2箇所の凹部6c、6d内にブラシ保持部26c、26dの外周突出部26g、26hを嵌合係止し、保持部材26の回り止めを行うようになっている。
ここで、正極、負極側のブラシ22、23は、円周方向で180°対称位置にずらして配置してあり、かつ、正極側ブラシ22は正極側(外周側)のスリップリング19に当接し、負極側ブラシ23は負極側(内周側)のスリップリング20に当接するため、両ブラシ22、23は同一円周上に位置せず、正極側ブラシ22は外周側の位置に、負極側ブラシ23はこれより内周側の位置にそれぞれ配置される。
【0040】
以上の構成により、ブラシ22、23は樹脂製の保持部材26を介して凹部6c、6dにて円周方向に対して確実に位置決めされるので、スリップリング19、20の回転に伴って、ブラシ22、23がつれ回りするのを確実に防止できる。
なお、第2実施形態では、ロータ1の内周円筒部1bの内周突出部1jをスリップリング19、20の設置部位まで内周側へ延長させ、この内周突出部1jにポッテイング樹脂材からなる保持部材18を設け、この保持部材18にてスリップリング19、20を固着し保持している。電磁コイル2の両端部に電気接続された2本のリード線16、17は絶縁被覆された導線から構成されており、このリード線16、17は保持部材18内部を貫通し、リード線16、17の先端部をスリップリング19、20に溶着等の手段で電気的に接続している。
【0041】
このように、ロータ1の内周円筒部1bにボス部6aよりも内周側に突出する内周突出部1jを形成して、この内周突出部1jに保持部材18を介してスリップリング19、20を固着し保持することにより、第2実施形態では、ロータ1とスリップリング19、20とが予め一体化されている。そして、このロータ1とスリップリング19、20との一体組付体を軸受7を介してボス部6aに組付けるようになっている。33は軸受7の内輪7bを位置決めして固定するサークリップで、ボス部6aに固定される。他の点は第1実施形態と同じである。
【0042】
第2実施形態によると、ロータ1とスリップリング19、20とを予め一体化することができ、これに伴って、電磁コイル2の両端部とスリップリング19、20との間をリード線16、17により予め電気接続しておくことができる。そして、この電気接続を完了した状態で、ロータ1とスリップリング19、20との一体組付体を軸受7を介してボス部6aに組付けることができる。
【0043】
(第3実施形態)
図9は第3実施形態であり、正極、負極側ブラシ22、23を平板状の形状に成形したもので、他の点は第2実施形態と同じである。
(第4実施形態)
図10は第4実施形態であり、第3実施形態による平板状のブラシ形状に対して、平板状の外周側の面を円弧状に盛り上げた形状に正極、負極側ブラシ22、23を成形したものであり、他の点は第3実施形態と同じである。
【0044】
(第5実施形態)
前述した第2実施形態では、図8に示すように、ロータ1の内周円筒部1bにボス部6aよりも内周側に突出する内周突出部1jを形成して、この内周突出部1jに保持部材18を介してスリップリング19、20を固着し保持している。従って、第2実施形態によると、ロータ1とスリップリング19、20とを予め一体化することができ、これにより、組付の容易化を図ることができる。
【0045】
しかし、その反面、内周突出部1j、保持部材18、スリップリング19、20等の部分がボス部6aの先端部側方を覆うようになるので、サークリップ33の脱着が困難となり、ブラシ22、23等の交換が困難となる。
そこで、第5実施形態では、ロータ1にスリップリング19、20部を予め一体化する構造であっても、サークリップ33の着脱を容易に行うことができるようにするものである。
【0046】
図11〜図14は第5実施形態を示しており、図12は図11に対してロータ1の内周突出部1jの部分を破断して、サークリップ33の全体形状を図示しており、また、ロータ1の外周側は内周円筒部1bの部分で破断している。図12のDは内周突出部1jの破断線を示す。図13は図12のK矢視図であり、図14は図11のL−L断面を示す。
【0047】
第5実施形態では、サークリップ330を回転軸13の軸方向と直交する方向に平行に延びる2つの脚部331、332と、この脚部331、332の一端部間を連結する円弧状の連結部333とを有する略長方形の形状に形成してある。そして、脚部331、332の他端部には工具挿入穴334、335を開けた操作部336、337が間隔を狭めて形成してある。サークリップ330は弾性を有する適宜の金属材料(例えば、ばね鋼)で形成する。
【0048】
また、サークリップ330は、後述するようにブラシ22、23の保持部材26を保持、固定する役割を兼ねているため、2つの脚部331、332が保持部材26の外径の範囲内に位置して保持部材26の端面と当接するように、2つの脚部331、332の外側縁部間の幅寸法E(図12)が設定してある。
一方、ロータ1の内周円筒部1bの内周側には、180°対称位置の2箇所に挿入穴34、35が開けてある。この挿入穴34、35は略円弧状の形状に形成され、この挿入穴34、35の幅F(図12)はサークリップ330の連結部333の幅寸法Eより若干量大きくして、この穴34または穴35のいずれ一方から、ロータ1の内周突出部1j(図11、図14)の内側へサークリップ330を挿入できるようにしてある。
【0049】
この2箇所の挿入穴34、35相互の間の部分は図11に示すように内周突出部1jの外周側がロータ1の内周円筒部1bに連続的に接続されているので、この連続的な接続部G、Hの内側部分に、電磁コイル2の両端部とスリップリング19、20との間を電気接続するリード線16、17(第2実施形態の図8参照)を配置することができる。
【0050】
また、圧縮機ハウジング6の円筒状ボス部6aの先端部には、この先端部の端面6a′(図12)からさらに軸方向外方へ突出する円弧状突起部36、37が一体に形成してある。この突起部36、37は上記した挿入穴34、35と円周方向において同一位置に、180°対称に2箇所に設けてある。そして、この突起部36、37の円周方向の両側端面にサークリップ330の脚部331、332の内側縁部が嵌合係止される溝部36a、37a(図12、13)が形成してある。
【0051】
第5実施形態では、上述した事項以外の点は、第2〜第4実施形態と同じであるので、同一もしくは均等部分に同一符号を付して説明を省略する。
次に、第5実施形態におけるロータ1部分の組付方法を説明すると、ロータ1の内周突出部1jに保持部材18を介してスリップリング19、20を保持固定するとともに電磁コイル2の両端部とスリップリング19、20との間をリード線16、17(図8参照)により電気結線しておく。次に、ロータ1の内周円筒部1bに軸受7の外輪7aを固定する。ここで、ロータ1の内周円筒部1bと軸受7の外輪7aとの間はしまりばめで固定しておく。
【0052】
その後、ボス部6aの内周側にブラシ22、23を保持部材26、コイルスプリング27等とともに配置してから、軸受7の内輪7bを、ボス部6aの先端側からボス部6aの外周上に嵌合する。この嵌合は、軸受7とボス部6aとの間を脱着可能とするために、すきまばめとしてある。
次に、サークリップ330の脚部331、332を2つの挿入穴34、35のうち、例えば、上側の挿入穴34からロータ1の内周突出部1jの内側へ挿入する。すると、サークリップ330先端の工具挿入穴334、335が下側の挿入穴35を通して外部へ露出するので、この下側の挿入穴35から工具挿入穴334、335に操作工具(サークリップペンチ)を挿入して、この操作工具によりサークリップ330の脚部331、332を弾性的に押し広げながら、サークリップ330の脚部331、332の内側縁部をボス部6a先端部の突起部36、37に形成した溝部36a、37aに嵌合係止させる。
【0053】
このサークリップ330の溝部36a、37aへの嵌合係止により軸受7を軸方向に位置決めして固定できる。これと同時に、サークリップ330の脚部331、332がブラシ22、23の保持部材26の先端面に当接(図14参照)して、保持部材26を軸方向に位置決めして固定できる。
ブラシ22、23の交換等に際しては、上記組付作業とは逆に、最初に、サークリップ330先端の工具挿入穴334、335に操作工具を挿入し、この操作工具によりサークリップ330の脚部331、332を広げて、サークリップ330の脚部331、332の内側縁部をボス部6a先端部の突起部36、37の溝部36a、37aから取り外す。
【0054】
次に、サークリップ330を2つの挿入穴34、35のいずれか一方からロータ1外部へ取り出して、軸受7の内輪7bをボス部6aから取り外すことにより、ブラシ22、23の交換等を行うことができる。
以上の説明から理解されるように、第5実施形態によると、ロータ1にスリップリング19、20部を予め一体化して、組付の容易化(スリップリング19、20の電気結線の容易化)を図った構造であっても、サークリップ33の着脱を容易に行うことができ、ブラシ22、23の交換等を容易に行うことができる。
【0055】
(第6実施形態)
上記した各実施形態において、スリップリング19、20とブラシ22、23とが互いに平面同志で接触させると、図15に示すように、ブラシ22、23が摩擦等の外乱により角度θだけ傾斜すると、スリップリング19、20とブラシ22、23との接触部分が点接触となり、電磁コイル2への通電不良、ブラシ22、23の異常磨耗等の不具合が生じることがある。
上記点に鑑みて、第6実施形態では図16(a)、(b)に示すように、スリップリング19、20とブラシ22、23とを互いに平面以外の曲面形状で接触させている。具体的には、ブラシ22、23の傾斜方向に沿った円弧面を持つ形状に、スリップリング19、20とブラシ22、23との接触部分を形成している。このため、図16(a)の状態から図16(b)に示すようにブラシ22、23が角度θ傾斜しても、スリップリング19、20とブラシ22、23との接触部分を面接触状態に維持できる。
【0056】
なお、図16の例では、スリップリング19、20側を円弧状の凹面とし、ブラシ22、23側を円弧状の凸面としているが、これとは逆に、図17に示すように、スリップリング19、20側を円弧状の凸面とし、ブラシ22、23側を円弧状の凹面としてもよいことはもちろんである。
図18は、図16のスリップリング19、20とブラシ22、23とを用いた電磁クラッチの全体構造を示す。
【0057】
(第7実施形態)
第1実施形態では図4に示すように、2つのスリップリング19、20間に電気絶縁材料からなる保持部材24(図1、4参照)を配置しているが、この保持部材24の配置だけでは、ブラシ22、23の磨耗による磨耗粉(導電物質)の介在によってスリップリング19、20間の電気的短絡が発生することがある。
【0058】
そこで、第7実施形態はブラシ磨耗粉によるスリップリングの電気的短絡をより確実に防止するものである。図19は図20(a)のA−O−A断面図であり、図20に示すようにロータ1の内周円筒部1bと内周突出部1jとの間に位置するリング状の接続部38に、通風口39と、この通風口39に臨むように形成されたテーパ面40と送風用の羽根部41とを形成している。
【0059】
通風口39は、本例では、円周方向に12個等間隔で開口しており、この通風口39に対して、ロータ1の回転方向R(図20)の後方側にそれぞれテーパ面40と送風用の羽根部41を配置している。羽根部41は、図19、図20(b)に示すように接続部38の内側面から内側へ突出するものであって、かつ、図20(a)に示すようにロータ1の半径方向に沿って延びる細長の突出形状になっている。
【0060】
第7実施形態によると、ロータ1が矢印R方向に回転することにより、送風用の羽根部41も同方向に回転するので、羽根部41の突出形状により羽根部41の回転方向前方部(図20(b)の左側部)の空気が加圧される。その結果、羽根部41の回転方向前方部の空気が圧力の低い通風口39内に矢印Nのごとく流入し、さらに、テーパ面40に沿ってスムースにロータ1の外部に流出する。
【0061】
このようにロータ1内部から外部への空気流が発生することにより、スリップリング19、20とブラシ22、23との接触部周辺にも空気流が発生して、ブラシ磨耗粉をこの空気流とともにロータ1の外部へ排出することができる。その結果、ブラシ磨耗粉によるスリップリング19、20の電気的短絡を確実に防止できる。
【0062】
(第8実施形態)
第8実施形態は、上記第7実施形態と同様にブラシ磨耗粉によるスリップリング19、20の電気的短絡を防止することを目的としたもので、図21に示すように、ロータ1の内周円筒部1bの内周側とスリップリング19、20の外周側との間に空隙部42を設け、スリップリング19、20部で発生したブラシ磨耗粉を遠心力にて空隙部42内に集め、保持するようにしたものである。
【0063】
これによると、スリップリング19、20部にブラシ磨耗粉が堆積しにくくなるので、ブラシ磨耗粉によるスリップリング19、20の電気的短絡を良好に防止できる。
(第9実施形態)
第9実施形態も、上記第7、第8実施形態と同様にブラシ磨耗粉によるスリップリング19、20の電気的短絡を防止することを目的としたもので、図22に示すように、スリップリング19、20とブラシ22、23との接触部の位置を軸方向の前後にずらすようにしている。
【0064】
すなわち、図22では、外周側のスリップリング19とブラシ22との接触部を図示の左側(軸方向の前方側)に設定し、内周側のスリップリング20とブラシ23との接触部を図示の右側(軸方向の後方側)に設定している。
これによると、外周、内周の両接触部が軸方向の前後にずれるので、両接触部をより確実に分離することができる。その結果、ブラシ磨耗粉によるスリップリング19、20の電気的短絡を確実に防止できる。
【0065】
なお、上記とは逆に、外周側のスリップリング19とブラシ22との接触部を図示の右側(軸方向の後方側)に設定し、内周側のスリップリング20とブラシ23との接触部を図示の左側(軸方向の前方側)に設定してもよいことはもちろんである。
(第10実施形態)
第10実施形態は、正極側、負極側の一対のブラシ22、23の配置方向に関するもので、図23、図24に示す。本発明者らは試作品について被水試験の評価を実施したところ、ボス部6aの内周側において、一対のブラシ22、23を図24の天地方向(直線H−O−Lの方向)に配置した場合は、一対のブラシ22、23のうち下側に位置するブラシの部分に水が滞留して、この下側ブラシの表面にブラシ磨耗粉が水の介在により固まって付着し、下側ブラシの滑動不良が起きることが分かった。この下側ブラシの滑動不良は、被水のみに限らず、圧縮機オイル、エンジンオイル、バッテリ液等が付着しても同様に起きる。
【0066】
そこで、第10実施形態においては、図23、図24に示すように、正極側、負極側の一対のブラシ22、23をボス部6aの内周側において、水平方向に配置している。ここで、ボス部6aの軸方向(図24の紙面垂直方向)も水平方向に延びているが、一対のブラシ22、23はボス部6aの軸方向と直交する方向の水平方向に配置してある。
【0067】
上記のような水平方向の配置により、一対のブラシ22、23がいずれも天地方向(図24の直線H−O−L)上に位置しないので、天地方向の下側Lにブラシ22、23が位置することがない。
その結果、電磁クラッチが万一被水しても、保持部材26のうち、ブラシ22、23の配置場所より下側Lへ水が移動して、ブラシ22、23の部分に水が滞留することがない。同様に、上記オイル類、バッテリ液等の滞留も発生しない。従って、ブラシ22、23の表面にブラシ磨耗粉が固まって付着することを防止でき、このブラシ磨耗粉の固まりに起因するブラシ22、23の滑動不良を防止できる。
【0068】
なお、図23、図24は、第2実施形態を示す図8、図7に対してブラシ配置方向を示す矢印、文字を付加しているだけで、図示構造は図8、図7と同じである。
上記の第10実施形態では、正極側、負極側の一対のブラシ22、23を水平方向に配置しているが、一対のブラシ22、23を水平方向から多少ずらして配置しても、ブラシ22、23の配置部分への水、オイル等の滞留を防止できることはもちろんである。また、正極側、負極側の一対のブラシ22、23を図24のごとく中心Oに対する対称位置に配置せず、一対のブラシ22、23を非対称の位置関係で配置することも可能である。要は、天地方向の下側Lに位置しないように一対のブラシ22、23を配置すればよい。
【0069】
(他の実施形態)
なお、第2〜第4実施形態において、ブラシ22、23の形状はさらに他の形状にも変形可能であり、例えば、丸棒形状にすることも可能である。また、ブラシ22、23の位置を円周方向において180°対称の位置に限らず、自由に設定できる。
【0070】
また、上記各実施形態では、いずれも、ブラシ22、23をボス部6a側に保持し、スリップリング19、20をロータ1側に保持する構成としているが、これとは逆に、ブラシ22、23をロータ1側に保持し、スリップリング19、20をボス部6a側に保持する構成とすることも可能である。
また、上記各実施形態では、いずれも、プーリ部1aと一体の駆動側ロータ(駆動側回転部材)1に電磁コイル2を配設するタイプのコイル回転型電磁クラッチに本発明を適用しているが、別のタイプのコイル回転型電磁クラッチとして、圧縮機(回転機械)5の回転軸13に連結されたハブ(従動側回転部材)11側に電磁コイル2を配設するとともに、アーマチャ8を板バネ(弾性連結部材)9を介して駆動側ロータ1に連結し、電磁コイル2の電磁吸引力にてアーマチャ8をハブ11に吸着することにより、駆動側ロータ1の回転をアーマチャ8、ハブ11を介して回転軸13に伝達するタイプのものも知られており、このようなタイプの電磁クラッチにも本発明は適用できる。
【0071】
また、上記各実施形態における、電磁コイル2への通電路おいて図示した正極(+)側、負極(−)側の部材の位置を正極、負極入れ替えてもよいことはいうまでもない。
また、電磁コイル2への通電路の具体的構成を図示のものに限らず、電磁クラッチの仕様に応じて種々変形可能であることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す電磁クラッチの半断面図で、図3のA−A断面を示す。
【図2】図1の電磁クラッチの全体形状を示す半断面側面図である。
【図3】図1の電磁クラッチのロータ部の正面図である。
【図4】図3のJ−J断面図である。
【図5】図1の電磁クラッチにおけるボス部と円筒状保持部材との配置形態を示す断面図である。
【図6】(a)は図1の電磁クラッチのロータ部に装着される摩擦板の正面図、(b)は同摩擦板の断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示す要部断面図で、図8のC−C線に沿う断面図であって、ハブ11および回転軸13の図示は省略している。
【図8】第2実施形態を示す電磁クラッチの半断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態を示す要部断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態を示す要部断面図である。
【図11】本発明の第5実施形態を示すロータ部の正面図である。
【図12】図11のロータ部の一部破断正面図である。
【図13】図12のK矢視部の一部破断断面図である。
【図14】図13のL−L断面図である。
【図15】本発明の第6実施形態の課題を説明するための、スリップリングとブラシとの接触部の断面図である。
【図16】本発明の第6実施形態を示す、スリップリングとブラシとの接触部の断面図である。
【図17】第6実施形態による、スリップリングとブラシとの接触部の他の例を示す断面図である。
【図18】第6実施形態を示す電磁クラッチの縦断面図である。
【図19】本発明の第7実施形態を示す電磁クラッチの縦断面図で、図20(a)のA−O−A断面図である。
【図20】(a)は本発明の第7実施形態を示すロータ部の正面図、(b)は(a)のZ−Z断面図である。
【図21】本発明の第8実施形態を示すロータ部の縦断面図である。
【図22】本発明の第9実施形態を示すロータ部の縦断面図である。
【図23】本発明の第10実施形態を示す電磁クラッチの半断面図である。
【図24】第10実施形態を示す要部断面図で、図23のC−C線に沿う断面図であって、ハブ11および回転軸13の図示は省略している。
【符号の説明】
1…ロータ(駆動側回転部材)、2…電磁コイル、5…圧縮機(回転機械)、
6…フロントハウジング、6a…ボス部、7…軸受、8…アーマチャ、
9…板バネ(弾性連結部材)11…ハブ(従動側回転部材)、13…回転軸、
16、17…リード線、18…保持板、19、20…スリップリング、
22、23…ブラシ、26…保持部材、26e、26f…収納穴(収納空間)、
27…コイルスプリング(弾性押圧手段)、28、29…リード線、
30…コネクタ本体、31、32…接続端子。

Claims (11)

  1. ハウジング(6)に備えられた円筒状のボス部(6a)の中心部に回転軸(13)を配置している回転機械(5)に適用され、前記回転軸(13)への回転伝達を断続する電磁クラッチであって、
    回転部材(1)と、
    この回転部材(1)に電気絶縁して配置され、通電により電磁吸引力を発生する電磁コイル(2)と、
    前記回転部材(1)に対向配置され、前記電磁コイル(2)の発生する電磁吸引力により前記回転部材(1)に吸着されるアーマチャ(8)と、
    前記ボス部(6a)の外周上に配置され、前記回転部材(1)を前記ボス部(6a)の外周上に回転自在に支持する軸受(7)とを備え、
    前記回転部材(1)に前記アーマチャ(8)が吸着されることにより、回転駆動源から前記回転部材(1)および前記アーマチャ(8)を介して前記回転軸(13)に回転を伝達するようになっており、
    さらにスリップリング(19、20)とこのスリップリング(19、20)に圧接摺動するブラシ(22、23)とを含む摺動通電機構の少なくとも一部が、前記回転部材(1)および前記軸受(7)の軸方向範囲とラップするようにして、前記摺動通電機構を前記軸受(7)および前記ボス部(6a)の内周側の部位に配置し、
    前記摺動通電機構を通して前記電磁コイル(2)に通電するようにしたことを特徴とする電磁クラッチ。
  2. ハウジング(6)に備えられた円筒状のボス部(6a)の中心部に回転軸(13)を配置している回転機械(5)に適用され、前記回転軸(13)への回転伝達を断続する電磁クラッチであって、
    前記ボス部(6a)の外周上に回転自在に支持され、回転駆動源からの回転力を受けて回転する駆動側回転部材(1)と、
    この駆動側回転部材(1)に電気絶縁して設けられ、通電により電磁吸引力を発生する電磁コイル(2)と、
    前記回転軸(13)に連結される従動側回転部材(11)と、
    前記駆動側回転部材(1)に対向配設され、前記電磁コイル(2)の発生する電磁吸引力により前記駆動側回転部材(1)に吸着されるアーマチャ(8)と、
    前記従動側回転部材(11)と前記アーマチャ(8)との間を連結するように配設され、かつ弾性変形可能な弾性連結部材(9)と、
    前記ボス部(6a)の外周上に配置され、前記駆動側回転部材(1)を前記ボス部(6a)の外周上に回転自在に支持する軸受(7)とを備え、
    スリップリング(19、20)とこのスリップリング(19、20)に圧接摺動するブラシ(22、23)とを含む摺動通電機構の少なくとも一部が、前記駆動側回転部材(1)および前記軸受(7)の軸方向範囲とラップするようにして、前記摺動通電機構を前記軸受(7)および前記ボス部(6a)の内周側の部位に配置し、
    前記摺動通電機構を通して前記電磁コイル(2)に通電するようにしたことを特徴とする電磁クラッチ。
  3. 前記駆動側回転部材(1)の内周側に電気絶縁材料からなる保持板(18)を配置し、この保持板(18)に前記スリップリング(19、20)を設けるとともに、
    前記電磁コイル(2)と前記スリップリング(19、20)との間を電気的に接続するリード線(16、17)を前記保持板(18)に保持させたことを特徴とする請求項2に記載の電磁クラッチ。
  4. 前記ボス部(6a)の内周側に、前記スリップリング(19、20)に前記ブラシ(22、23)を弾性的に押圧接触させる弾性押圧手段(27)、および前記ブラシ(22、23)に電気接続されたリード線(28、29)を配置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電磁クラッチ。
  5. 前記ハウジング(6)に保持される電気絶縁材料からなるコネクタ本体(30)を有し、このコネクタ本体(30)に前記リード線(28、29)と電気接続される接続端子(31、32)を備えたことを特徴とする請求項4に記載の電磁クラッチ。
  6. 前記ブラシ(22、23)を前記ボス部(6a)の内周側において前記ボス部(6a)の円周方向の一部のみを占める形状とし、
    前記ボス部(6a)の内周側に電気絶縁材料からなる保持部材(26)を回り止めして配置するとともに、
    この保持部材(26)に、前記ブラシ(22、23)の形状に対応した形状の収納空間(26e、26f)を形成し、この収納空間(26e、26f)内に前記ブラシ(22、23)を収納したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電磁クラッチ。
  7. 前記回転部材(1)に前記ボス部(6a)の内周側まで延びる内周突出部(1j)を備えるとともに、
    この内周突出部(1j)に前記スリップリング(19、20)を保持し
    前記ボス部(6a)の軸方向と直交する方向に延びる略長方形のサークリップ(330)を有し、
    このサークリップ(330)を前記ボス部(6a)に設けた溝部(36a、37a)に嵌合係止することにより、前記軸受(7)を軸方向の位置決めをして前記ボス部(6a)に固定し、
    前記回転部材(1)には、前記サークリップ(330)の脱着時に、前記サークリップ(330)を出入り可能とする挿入穴(34、35)を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の電磁クラッチ。
  8. 前記スリップリング(19、20)と前記ブラシ(22、23)とを曲面形状で接触させることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の電磁クラッチ。
  9. 前記スリップリング(19、20)と前記ブラシ(22、23)との接触部周辺の空気を排出する通風口(39)と、この通風口(39)を通過する空気流を発生する羽根部(41)とを前記回転部材(1)に備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の電磁クラッチ。
  10. 前記ブラシは正極側および負極側の一対のブラシ(22、23)からなり、この一対のブラシ(22、23)が前記ボス部(6a)の内周側において略水平方向に配置されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の電磁クラッチ。
  11. 回転駆動源からの回転力を受けて回転する駆動側回転部材(1)と、この駆動側回転部材(1)の内周側に位置する円筒状のボス部(6a)を有するハウジング(6)と、
    前記ボス部(6a)の外周上に配置され、前記駆動側回転部材(1)を前記ボス部(6a)の外周上に回転自在に支持する軸受(7)と、
    前記駆動側回転部材(1)に電気絶縁して設けられ、通電により電磁吸引力を発生する電磁コイル(2)と、
    前記ボス部(6a)の中心部に配置された回転軸(13)と、
    この回転軸(13)に連結された従動側回転部材(11)と、
    前記駆動側回転部材(1)に対向配設され、前記電磁コイル(2)の発生する電磁吸引力により前記駆動側回転部材(1)に吸着されるアーマチャ(8)と、
    前記従動側回転部材(11)と前記アーマチャ(8)との間を連結するように配設され、かつ弾性変形可能な弾性連結部材(9)とを備え、
    スリップリング(19、20)とこのスリップリング(19、20)に圧接摺動するブラシ(22、23)とを含む摺動通電機構の少なくとも一部が、前記駆動側回転部材(1)および前記軸受(7)の軸方向範囲とラップするようにして、前記摺動通電機構を前記軸受(7)および前記ボス部(6a)の内周側の部位に配置し、
    前記摺動通電機構を通して前記電磁コイル(2)に通電するようにしたことを特徴とする電磁クラッチを備えた回転機械。
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