JP3917800B2 - 超音波観測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波振動子を機械的に走査させ、このとき得られたエコー信号を受信して検波し、超音波観測する超音波観測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、超音波振動子を機械的に走査させる機構を持つ超音波内視鏡や、超音波プローブと、超音波振動子を機械的に走査させながら任意のタイミング毎に駆動して、超音波振動子より超音波を送信し、このとき得られたエコー信号を受信して検波し、アナログ信号の受信データとして出力する送受信ユニットと、送受信ユニットから出力されるアナログ信号の受信データを信号処理するコンピュータ部とを備えた超音波観測装置が知られている。
【0003】
また、本出願人は、この種の超音波観測装置の小型化、低コスト化、機能追加の容易化等の為に、特願平11−093212号や、特願平11−307346号に示したように従来の専用の座標変換回路、補間回路、コントローラー等の機能を装置本体内に組み込んだコンピュータボードで行わせる、いわゆるパーソナルコンピュータ・ベース(以下、PCべースと略記する。)の超音波観測装置を出願した。なお、PCベースとする事は、いわば規格品で安価な市販汎用PCボードのハード更新と、アプリケーションソフトの可変性、バージョンアップなどで拡張性に富んだ超音波観測装置を供給出来ると云った長所から、今後の超音波観測装置の主流になると考えられている。
【0004】
また、図8および図9はPCべースの超音波観測装置aの概略構成を示すものである。ここで、超音波観測装置aの筐体bの内部には電源ユニットcや、PCボード部dなどの各種の電気回路構成部品が内蔵されている。さらに、筐体bのフロントパネルeには患者回路部となる丸型超音波機器接続コネクタfや、角型超音波機器接続コネクタgなどが配設されている。そして、コネクタfには、患者の体腔内に挿入して診断する超音波内視鏡などの機器が接続され、コネクタgには、患者の体表面に接触して診断する超音波プローブなどの機器が接続されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成のものにあっては市販汎用PCボードが主体の構成なのでEMC(電磁環境適合性)上のノイズ対策が困難であった。例えば、電気的に有効なノイズ対策として一般的に採られているパスコン(バイパスコンデンサ)や、フェライトビーズをPCボードに実装したりする技術は、PCボードの改造により購入時のPCボードのメーカー保証を受けられなくなる場合が有る。
【0006】
また、上記に加えて医療用のPCべースの超音波観測装置では、他の一般的なPCべース機器と比較して、ノイズ対策上で大きく不利な点が有る。すなわち、医療用のPCべースの超音波観測装置では、医用手技において、患者の不慮の感電を回避する為に医用電気機器安全通則の国際規格であるIEC Publication 60601−1に規定されている沿面距離及び空間距離を超音波観測装置の筐体に採る必要が有る。そのため、PCボード部より発生する不要輻射が上記IEC規格の規定距離の確保の為の筐体開口部から筐体外へ放射されるおそれがある。
【0007】
例えば、超音波観測装置aの筐体bの内部に基準電圧250VACで基礎絶縁、又は補強絶縁した電源ユニットcを組み込んだ場合には、上記IEC規格を適用すれば、超音波観測装置aの筐体bの外装と患者回路部となる丸型超音波機器接続コネクタfや、角型超音波機器接続コネクタgなどの金属部間に、空間距離で2.5mm、沿面距離で4mmのスペースを確保する必要が有る。さらに、基準電圧250VACで二重絶縁、又は強化絶縁した電源ユニットcを用いた場合には超音波観測装置aの筐体bの外装が2次回路に相当し、筐体bの外装と超音波機器接続コネクタf、gの金属部間に、空間距離で5mm、沿面距離で8mmのスペースを確保する必要が有る。そして、これらのスペースが図9に示すように電気的な開口部hとなり、PCボード部dから発生する不要輻射がこの電気的な開口部hから筐体bの外への放射される原因になっている。
【0008】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、一般的に多量に出回っている市販の汎用PCボードを適正に用いることができ、PCボード部から発生する不要輻射が、従来、医用電気安全通則の国際規格の確保上で不可避であった筐体開口部(電気的な)から筐体外へ放射されることを防ぐことができ、医用上安全で、コストが低く、拡張性の高い超音波観測装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、超音波振動子を機械的に走査させ、任意のタイミング毎に前記超音波振動子を駆動して超音波を送信するとともに、このとき得られたエコー信号を受信して検波し、アナログ信号の受信データとして出力する送受信ユニットと、前記送受信ユニットから出力される前記アナログ信号の受信データを信号処理するコンピュータ部とが内蔵されるケースを備え、超音波機器が接続されるコネクタ部が前記ケースに配設された超音波観測用の超音波観測装置において、前記コンピュータ部と、他の電気回路部との間を分離して前記コンピュータ部からの不要輻射が前記他の電気回路部側に回り込むことを抑制する不要輻射抑制部材を前記ケース内に設け、前記コネクタ部は、前記ケース内で前記不要輻射抑制部材によって前記コンピュータ部と分離される空間側の前記ケースの壁面に配置し、前記不要輻射抑制部材は、前記コンピュータ部と、他の電気回路部との間を仕切る状態に分離する導通性を有する隔壁であり、前記ケースは、筐体の各構成板金部材であるフロントシャーシと、シャーシと、リアパネルと、トップカバーとを有し、前記隔壁は、その前端部と前記フロントシャーシとの接合部にガスケットが取付けられ、前記隔壁の下端部と前記シャーシとの接合部には溶接部、前記隔壁の後端部と前記リアパネルとの接合部にはネジ止め部、前記隔壁の上端部と前記トップカバーとの接合部には弾性を有するフィンガー部がそれぞれ設けられ、これらの接合部によって前記隔壁と、前記筐体の各構成板金部材との導通を取る取り付け構造であることを特徴とする超音波観測装置である。
そして、本請求項1の発明では、ケース内の不要輻射抑制部材によってコンピュータ部と、他の電気回路部との間を分離してコンピュータ部からの不要輻射が他の電気回路部側に回り込むことを抑制する。ここで、前記ケース内で前記不要輻射抑制部材によって前記コンピュータ部と分離される空間側の前記ケースの壁面に超音波機器が接続されるコネクタ部を配置することにより、コンピュータ部で発生した不要輻射が他の電気回路部に周り込むことを抑制し、医用電気安全確保上で不可避のコネクタ部によるケースの電気的な開口部から不要輻射がケース外へ放射されることを防ぐようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図6を参照して説明する。図1は本実施の形態のPCべースの超音波観測装置1を備えた医療装置2のシステム全体の概略構成を示すものである。
【0011】
本実施の形態のPCべースの超音波観測装置1を備えた医療装置2のシステムは、機械走査式超音波内視鏡(以下、超音波内視鏡と略記する)3と、この超音波内視鏡3の照明光学系に観察部位を照明するための照明光を供給する光源装置4と、本実施の形態のPCべースの超音波観測装置1と、この超音波観測装置1に接続され、超音波診断画像を表示する表示装置5とで主に構成されている。
【0012】
また、図1中で、6は本実施の形態の超音波観測装置1を備えた医療装置2のシステムを搭載して搬送するトロリー、7はこのトロリー6のキャスターである。ここで、トロリー6には複数段の載置棚7が配設されている。そして、トロリー6の各載置棚7上には本実施の形態の超音波観測装置1や、光源装置4などの医療器具が載置されている。
【0013】
さらに、トロリー6の上部には作業テーブル8が配設されている。この作業テーブル8には入力装置であるキーボード9が配設されているとともに、支持台10を介して表示装置5が装着されている。なお、キーボード9は超音波観測装置1に接続され、患者IDの入力や、画質調整等が出来るようになっている。
【0014】
また、作業テーブル8の端縁部には処置具を保持する複数の保持溝部11が形成されている。そして、患者の体表面に接触して診断する超音波プローブ12,13などの処置具が各保持溝部11に保持されている。
【0015】
また、超音波内視鏡3は、体腔内に挿入される細長な挿入部14と、この挿入部14の基端部に連結された操作部15と、この操作部15の基端部に設けられた接眼部16とで主に構成されている。さらに、操作部15の側部にはユニバーサルコード17に一端部が連結されている。このユニバーサルコード17の他端部にはコネクタ18が連結されている。また、コネクタ18の側部には超音波ケーブル19の一端部が連結されている。この超音波ケーブル19の他端部には超音波コネクタ20が連結されている。
【0016】
さらに、超音波内視鏡3の挿入部14は、細径かつ長尺で可撓性を有する可撓管部21と、この可撓管部21の先端部に基端部が連結された湾曲自在な湾曲部22と、この湾曲部22の先端部に連結された先端硬質部23とが連設されて構成されている。ここで、可撓管部21の基端部は操作部15の先端部に連結されている。
【0017】
また、先端硬質部23の先端部には機械走査式の超音波振動子部(超音波送受信部)24が配設されている。なお、先端硬質部23の材質としては、耐薬品性や生体適合性の良好なポリスルフォン等の樹脂部材が用いられる。
【0018】
さらに、操作部15には送気及び送水操作を行なうための送気・送水ボタン25と、吸引操作を行なうための吸引ボタン26とが設けられているとともに、湾曲部22を所望の方向に湾曲制御するための図示しないアングルノブが設けられている。
【0019】
また、光源装置4には内視鏡用接続コネクタ27が設けられている。この内視鏡用接続コネクタ27には超音波内視鏡3のユニバーサルコード17のコネクタ18が着脱可能に連結されている。そして、超音波内視鏡3と光源装置4とはユニバーサルコード17のコネクタ18を介して着脱自在な構成になっている。
【0020】
さらに、超音波観測装置1には丸型超音波機器接続コネクタ28および角型超音波機器接続コネクタ29が配設されている。そして、丸型超音波機器接続コネクタ28には超音波内視鏡3の超音波コネクタ20が着脱可能に接続される構成になっている。また、角型超音波機器接続コネクタ29には患者の体表面に接触して診断する超音波プローブ12,13などの機器が着脱可能に接続されるようになっている。
【0021】
なお、これらの超音波プローブ12,13は光源装置4との接続を必要とせず、いわゆる体外式と呼ばれる処置具であり、内視鏡3とは異なり経口的に用いるものではない。また、各超音波プローブ12,13の先端処置部12a,13aは各々、適用部位の診断に適するように相異なる形状に形成されている。さらに、各超音波プローブ12,13の基端部には角型の接続コネクタ12b,13bがそれぞれ連結されている。そして、各超音波プローブ12,13の接続コネクタ12b,13bのいずれか一方が選択的に超音波観測装置1の角型超音波機器接続コネクタ29に着脱可能に接続されるようになっている。
【0022】
また、超音波観測装置1には図2に示すように箱状の筐体(ケース)30が設けられている。この筐体30には図3に示すように板金製のシャーシ31の前側に板金製のフロントシャーシ32が取付けられている。同様に、シャーシ31の後ろ側には板金製のリアパネル33が取付けられている。そして、フロントシャーシ32には図示しないタッピングビスで樹脂製のフロントパネル34が取付けられている。さらに、筐体30の上面には板金製のトップカバー35が取外し可能に取付けられている。
【0023】
また、筐体30内には電源ユニット36と、超音波を発生させる駆動信号を生成するとともに、受信した超音波信号に対する信号処理を行う送受信回路ユニット(送受信ユニット)37と、送受信回路ユニット37から出力されるアナログ信号の受信データを信号処理するPC部(コンピュータ部)38とが内蔵されている。ここで、電源ユニット36はシャーシ31に取付けられている。さらに、電源ユニット36の天面には送信受信回路ユニット37や各種出力コネクタを備えた背面基板39が取付けられている。
【0024】
また、PC部38は電源ユニット36の横に対向配置されている。このPC部38には、図3に示すようにシャーシ31に取付けたバックプレーン40上のPCI規格のコネクタに接続された複数の拡張ボード、例えばCPUボード41と、ビデオボード42と、A/D変換ボード43とが設けられているとともに、ISA規格のコネクタに接続された複数の拡張ボード、例えばシリアル拡張ボード44と、エンコーダボード45とが設けられている。
【0025】
さらに、フロントシャーシ32には、PC部38を空冷するファン46が取付けられている。そして、フロントパネル34の裏面に設けた図示しないダクト部からの空気をこのファン46によって吸引するようになっている。
【0026】
また、フロントパネル34には上部側に丸型超音波機器接続コネクタ28、この丸型超音波機器接続コネクタ28の下方に角型超音波機器接続コネクタ29がそれぞれ配置されている。ここで、シャーシ31にはコネクタ保持用の保持板47が取付けられている。そして、この保持板47に上方側の丸型超音波機器接続コネクタ28が取付けられている。さらに、角型超音波機器接続コネクタ29はフロントシャーシ32に図示しないネジで固定されている。
【0027】
また、超音波観測装置1の筐体30の内部には、PC部38と、他の電気回路部(電源ユニット36や送信受信回路ユニット37等)との間に導通性を有する隔壁(不要輻射抑制部材)50が取付けられている。そして、この隔壁50によってPC部38と、他の電気回路部との間を仕切る状態に分離してPC部38からの不要輻射が他の電気回路部側に回り込むことを抑制するようになっている。
【0028】
また、図6に示すように隔壁50の前端部とフロントシャーシ32との接合部にはスポンジ状のガスケット51が取付けられている。さらに、隔壁50の下端部とシャーシ31との接合部にはスポット溶接されたスポット溶接部52、隔壁50の後端部とリアパネル33との接合部にはネジ止め部53、隔壁50の上端部とトップカバー35との接合部には弾性を有するフィンガー部54がそれぞれ設けられている。そして、これらの接合部によって隔壁50と、筐体30の各構成板金部材であるフロントシャーシ32、シャーシ31、リアパネル33、トップカバー35との導通を取るようになっている。なお、隔壁50には電源ユニット36からバックプレーン40に給電するケーブル55が通過する必要最小限の大きさの穴56が形成されている。
【0029】
さらに、超音波観測装置1のフロントパネル34には図4に示すようにメインスイッチ57と、メンブレンシート58と、パイロットランプ59と、ハードディスクアクセスランプ60と、丸型/角型接続コネクタ供電スイッチ61とがそれぞれ配設されている。
【0030】
また、筐体30の内部には、PC部38側にハードディスク62や、メモリーボード63などが組み込まれている。さらに、筐体30のリアパネル33には図5に示すようにインレット64、ブレーカー65、電源ファン66、PCボードブラケット67などが配設されているとともに、複数の通気穴68が形成されている。
【0031】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態のPCベース超音波診断装置1で超音波診断を行う場合、まず、メインスイッチ57をONにして超音波診断装置1の装置本体を立ち上げ、超音波内視鏡3の超音波コネクタ20を超音波診断装置1の丸型超音波機器接続コネクタ28に連結する。このとき、丸型超音波機器接続コネクタ28の端子が超音波内視鏡3の超音波コネクタ20の端子と接触して、超音波内視鏡3は超音波診断装置1に電気的に接続される。
【0032】
同様に、超音波診断装置1の角型超音波機器接続コネクタ29には患者の体表面に接触して診断する超音波プローブ12,13などの機器の角型の接続コネクタ12b,13bが着脱可能に接続される。このとき、複数の超音波プローブ12,13の接続コネクタ12b,13bのいずれか一つが選択的に超音波観測装置1の角型超音波機器接続コネクタ29に着脱可能に接続される。
【0033】
その後、丸型/角型接続コネクタ供電スイッチ61を押して電源ユニット36から丸型超音波機器接続コネクタ28および角型超音波機器接続コネクタ29への電源供給をONする。
そして、送受信回路ユニット37からの送信パルスは図示しない信号ラインを通り丸型超音波機器接続コネクタ28から超音波内視鏡3の振動子へ送られる。このとき、振動子からの反射信号は丸型超音波機器接続コネクタ28から信号ラインを通り、PC部38ヘ送られ、このPC部38で信号処理することにより超音波診断画像を表示する表示装置5上に超音波画像が構築される。
【0034】
また、PC部38の周囲はトップカバー35、シャーシ31、フロントシャーシ32、リアパネル33と隔壁50とで覆われたシールド構造になっている為に、超音波診断装置1の動作中にPC部38で発生するノイズ、特にCPUボード41のべースクロックに起因するノイズはこのシールド内に封止される。従って、図4に示すように筐体30のフロントシャーシ32と丸型超音波機器接続コネクタ28および角型超音波機器接続コネクタ29の金属部間のスペースによって形成される電気的な開口部67から不要輻射が筐体30の外に放射されることを防ぐことができる。
【0035】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では、超音波観測装置1の筐体30の内部のPC部38と、他の電気回路部(電源ユニット36や送信受信回路ユニット37等)との間に導通性を有する隔壁50を取付け、この隔壁50によってPC部38と、他の電気回路部との間を仕切る状態に分離してPC部38からの不要輻射が他の電気回路部側に回り込むことを抑制するようにしている。ここで、隔壁50自体とその筐体30への接触部や組付部には導通性をもたせ、この隔壁50によるシールドにより、PC部38で発生した不要輻射が他の電気回路部に周り込みことを抑制し、医用電気安全確保上で不可避の筐体30の電気的な開口部67から不要輻射が筐体30の外へ放射されることを防ぐことができる。そのため、本実施の形態では筐体30の内部に略板状の隔壁50を配設するだけで筐体30の外装部材にシールド機能を兼ねさせることができるので、PC部38を覆う他の箱状のシールド部材を設ける必要がない。その結果、超音波観測装置1の部品形状単純化による、低コスト化や、軽量化が実現できる。
【0036】
また、図7は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の超音波観測装置1の筐体30の内部に隔壁50を装着する構成のPC部隔壁シールドタイプに代えて超音波観測装置1の筐体30のシャーシ31に板金製で枠状のカードケージ71を取付けたPC部カードケージ状シールドタイプに変更したものである。なお、これ以外の部分は第1の実施の形態の超音波観測装置1と同一構成になっており、第1の実施の形態の超音波観測装置1と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0037】
すなわち、本実施の形態のカードケージ71の天面側には複数のフランジ部72が有り、図示しない板状の蓋体がネジ固定可能になっている。さらに、PCボードブラケット67は第1の実施の形態のように筐体30の外に露出しておらず、一旦、中継基板73で受けた後、中継基板73上に実装したコネクタ74が筐体30の外に露出している。なお、中継基板73上には図示しないパスコンやフェライトビーズ等のEMC対策部品が実装されている。
【0038】
また、カードケージ71の壁面にはケーブル55が通る切り欠きが設けてあり、また、円柱状のフェライトコア75やフラットなフェライトコア76が取付可能になっている。これらのフェライトコア75、76にはノイズが伝播し易い映像系の同軸若しくはフラットなハーネスが通るようになっている。
【0039】
また、CPUボード41のように長めのPCボードの端面77にはカードケージ71の壁面かシャーシ31に取付けたレール78によってガタツキが規制されている。(目的:輸送時の振動防止)
なお、ファン46はカードケージ71の前側側面にネジ止めされており、その通気穴には風量を確保しつつ、シールド性を兼ね備えた金網が共締めしてある。
【0040】
そこで、上記構成の本実施の形態にあっては超音波診断装置1のPC部38の周囲はカードケージ71やこれに取付く図示しない蓋体、シャーシ31で覆われたシールド構造になっている為に、超音波診断装置1の動作中にPC部38で発生するノイズ(特にCPUボード41のべースクロックに起因するノイズ。)はこのシールド内に封止される。従って、筐体30のフロントシャーシ32の開口部67から不要輻射が筐体30の外に放射されることを防ぐことができる。
【0041】
また、本実施の形態のカードケージ71では第1の実施の形態の隔壁50のように電源ユニット36からバックプレーン40に給電するケーブル55が通過する穴56が無いので、より一層シールド効果を高める事が出来る。なお、隔壁50の穴56はケーブル55端のコネクタが通る大きさの穴である必要があり、ケーブル55の太さ分の大きさのみでは不可である。
【0042】
また、本実施の形態ではPCボードブラケット67が筐体30の外に露出していないので、中継基板73に実装したパスコンやフェライトビーズ等のEMC対策部品が機能する為にシールド効果が高い。なお、この対策は市販の汎用PCボードに手を加える必要がないので、PCボードメーカーの部品保証が切れて受けられなくなるおそれも無い。
【0043】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 超音波振動子を機械的に走査させる機構を持つ超音波内視鏡や超音波プローブと、前記超音波振動子より超音波を機械的に走査させながら任意のタイミング毎に駆動して、前記超音波振動子より超音波を送信し、得られたエコー信号を受信して検波し、アナログ信号の受信データとして出力する送受信ユニットと、前記送受信ユニットから出力される前記アナログ信号の受信データを信号処理するコンピュータ部とを備えた超音波観測装置に於いて、
前記コンピュータ部と他の電気回路部を分離する導通部材を超音波観測装置筐体内に設けた事を特徴とする超音波観測装置。
【0044】
(付記項2) 超音波振動子はアレイ状に配列された複数の圧電体エレメントからなる電子走査用トランスデューサを電子的に走査して、超音波受波信号を出力する電子走査用受波ユニットと、前記超音波振動子より超音波を送信し、得られたエコー信号を受信して検波し、アナログ信号の受信データとして出力する送受信ユニットと、前記送受信ユニットから出力される前記アナログ信号の受信データを信号処理するコンピュータ部とを備えた超音波観測装置に於いて、
前記コンピュータ部と他の電気回路部を分離する導通部材を超音波観測装置筐体内に設けた事を特徴とする超音波観測装置。
【0045】
(付記項3) 超音波内視鏡や超音波プローブを接続するコネクタの金属部近傍と、その周囲の筐体金属部との間に医用電気安全確保上の空隙を有する事を特徴とする付記項1、若しくは付記項2に記載の超音波観測装置。
【0046】
(付記項1〜3の従来技術) 特願平11−093212号や特願平11−307346号に示すように近年、装置の小型化、低コスト化、機能追加の容易化等の為に、従来の専用の座標変換回路、補間回路、コントローラー等の機能をコンピュータボードで行わせる、いわゆるPCベース(パーソナルコンピュータ・ベース、以下はPCべースと略記する。)の超音波観測装置が開発されている。PCベースとする事は、いわば規格品で安価な市販汎用PCボードのハード更新とアプリケーションソフトの可変性・Ver,upで拡張性に富んだ観測装置を供給出来ると云った長所から、今後の超音波観測装置の主流になると考えられている。
【0047】
(付記項1〜3が解決しようとする課題) しかしながら、従来の技術では下記の問題点が有る。
・市販汎用PCボードが主体の構成なのでEMC上のノイズ対策が困難であった。例えば、極、一般的に採られる電気的な有効ノイズ対策であるパスコンやフェライトビーズを実装したりする事は、改造により購入時のPCボードのメーカー保証を受けられなくなる場合が有る。
【0048】
・また、上記に加えて医療用のPCべースの超音波観測装置は一般的なPCべース機器と比較して、ノイズ上で大きく不利な点が有る。それは医用手技に於いて、患者の不慮の感電を回避する為に医用電気機器安全通則の国際規格であるIEC Publication 60601−1に規定されている沿面距離及び空間距離を超音波観測装置筐体に採る必要が有り、前記距離確保の為の筐体開口部からPCボード部より発生する不要輻射が不可避であると云う欠点が有った。
【0049】
・この欠点を具体的に図8および図9で説明する。前記IEC規格を適用すれば、基準電圧250VACで基礎絶縁、又は補強絶縁した電源ユニットcを用いた場合は超音波観測装置a筐体外装と患者回路部となる丸型超音波機器接続コネクタfや角型超音波機器接続コネクタgの金属部の間に於いて、空間距離で2.5mm、沿面距離で4mmのスペースを確保する必要が有る。基準電圧250VACで二重絶縁、又は強化絶縁した電源ユニットを用いた場合は超音波観測装置1筐体外装が2次回路に相当し、前記筐体外装と超音波機器接続コネクタf、gの金属部の間に於いて、空間距離で5mm、沿面距離で8mmのスペースを確保する必要が有る。これらのスペースが開口部hとなり、PCボード部dより発生する不要輻射の筐体外への放射原因になっていた。
【0050】
・なお、丸型超音波機器接続コネクタfへの接続機器としては患者の体腔内に挿入して診断する超音波内視鏡が、角型超音波機器接続コネクタgへの接続機器としては患者の体表面に接触して診断する超音波プローブ等がある。
【0051】
(付記項1〜3の課題を解決するための手段および作用) PCボード部と他部分(送信回路/受信回路・電源ユニット・丸型/角型コネクタ等)を分離する隔壁を筐体内に設け、隔壁自体とその筐体への接触部や組付部には導通性をもたせる。この隔壁シールドにより、PCボード部で発生した不要輻射の上記他部分への周り込みを抑制し、医用電気安全確保上で不可避の筐体開口部(電気的な)からの不要輻射の筐体外への放射を防ぐ。
【0052】
(付記項1〜3の効果) PCベースの超音波観測装置に於いて、従来、医用電気安全確保上で不可避であった筐体開口部(電気的な)からのPC部不要輻射の筐体外への放射を防ぐ事が可能になり、医用上安全で、大量に出回っている市販の汎用PCボードを用いた為にコストが低く、拡張性の高い超音波観測装置を本願により提供する事が可能になる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、コンピュータ部と、他の電気回路部との間を分離してコンピュータ部からの不要輻射が他の電気回路部側に回り込むことを抑制する不要輻射抑制部材をケース内に設けたので、一般的に多量に出回っている市販の汎用PCボードを適正に用いることができ、PCボード部から発生する不要輻射が、従来、医用電気安全通則の国際規格の確保上で不可避であった筐体開口部(電気的な)から筐体外へ放射されることを防ぐことができ、医用上安全で、コストが低く、かつ装置の拡張性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の超音波観測装置を備えた医療装置のシステム全体の概略構成を示す斜視図。
【図2】 第1の実施の形態の超音波観測装置の概略構成を示す斜視図。
【図3】 第1の実施の形態の超音波観測装置の横断面図。
【図4】 第1の実施の形態の超音波観測装置のフロントパネルを示す正面図。
【図5】 第1の実施の形態の超音波観測装置の背面板を示す正面図。
【図6】 第1の実施の形態の超音波観測装置における筐体内の隔壁を示す斜視図。
【図7】 本発明の第2の実施の形態の超音波観測装置の内部構成を示す横断面図。
【図8】 従来の超音波観測装置の内部構成を示す斜視図。
【図9】 従来の超音波観測装置のフロントパネルを示す正面図。
【符号の説明】
24 超音波振動子部(超音波送受信部)
30 筐体(ケース)
37 送受信回路ユニット(送受信ユニット)
38 PC部(コンピュータ部)
50 隔壁(不要輻射抑制部材)
Claims (1)
- 超音波振動子を機械的に走査させ、任意のタイミング毎に前記超音波振動子を駆動して超音波を送信するとともに、このとき得られたエコー信号を受信して検波し、アナログ信号の受信データとして出力する送受信ユニットと、
前記送受信ユニットから出力される前記アナログ信号の受信データを信号処理するコンピュータ部とが内蔵されるケースを備え、
超音波機器が接続されるコネクタ部が前記ケースに配設された超音波観測用の超音波観測装置において、
前記コンピュータ部と、他の電気回路部との間を分離して前記コンピュータ部からの不要輻射が前記他の電気回路部側に回り込むことを抑制する不要輻射抑制部材を前記ケース内に設け、
前記コネクタ部は、前記ケース内で前記不要輻射抑制部材によって前記コンピュータ部と分離される空間側の前記ケースの壁面に配置し、
前記不要輻射抑制部材は、前記コンピュータ部と、他の電気回路部との間を仕切る状態に分離する導通性を有する隔壁であり、
前記ケースは、筐体の各構成板金部材であるフロントシャーシと、シャーシと、リアパネルと、トップカバーとを有し、
前記隔壁は、その前端部と前記フロントシャーシとの接合部にガスケットが取付けられ、前記隔壁の下端部と前記シャーシとの接合部には溶接部、前記隔壁の後端部と前記リアパネルとの接合部にはネジ止め部、前記隔壁の上端部と前記トップカバーとの接合部には弾性を有するフィンガー部がそれぞれ設けられ、これらの接合部によって前記隔壁と、前記筐体の各構成板金部材との導通を取る取り付け構造であることを特徴とする超音波観測装置。
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