JP3684156B2 - 超音波内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はメカニカルに超音波走査を行う超音波内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例として、特願平11−298726号がある。これは超音波内視鏡の操作性を向上させるため重量のあるモータ等を光源装置に取り付くスコープコネクタ部に設け、体腔内に入る挿入部の先端にある超音波振動子への回転伝達をフレキシブルシャフトで行うと共に、モータや基板類を一つのユニットして予め別に組み立てられるようにしたものである。
【0003】
この中で、特にモータユニット部について示したものが図9(B)である。モータ109の横にスライダ部110を配置し、両者の回転軸をベルト111でつないで動力伝達をする。このスライダ部110はユニバーサルコード112内を挿通されたフレキシブルシャフト113の端部が連結される。
このモータユニット部は、回転軸側(ベルト111側)が、スコープコネクタ114と操作部をつなぐユニバーサルコード112側(光源装置と反対側)に向くように取り付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の場合には、ユニバーサルコード112内を通されたフレキシブルシャフト113をモータユニット部に接続するためには、スライダ部110に空けた穴の中に、ベルト111のある側からフレキシブルシャフト113を通し、スコープコネクタ114の端面に設けたフレーム115の穴(開口)内でフレキシブルシャフト113をスライダ部110に固定しなければならない。ユニバーサルコード112端とスライダ部110端との距離が短い上にフレーム115の穴内で固定しなくてはならないので、その組立作業が困難である。
【0005】
これを改善するにはモータユニット全体をフレーム115内から出して固定できるようにするとともに、ユニバーサルコード112端との距離を離せばよいが、図9(B)から明らかなように、スコープコネクタ114の外形が大きくなってしまう。
このため、使用前のセッティング作業や運搬、洗浄作業が非常にやりづらくなる。既存の内視鏡洗浄器に入らなくなるかもしれない。
【0006】
またこの特願平11−298726号の中には、モータの回転軸側をユニバーサルコードの反対側(光源装置側)に向くように取り付けた実施の形態が図示されている。しかしフレキシブルシャフトを接続するスライダ部の位置について明記されていない上、モータユニット部を基板ユニット部をまとめて一つのユニットとして構成している。
【0007】
モータユニット部と基板ユニット部をまとめた一つのユニットあらかじめ外部で組み立て、これをスコープコネクタに取り付けられてからフレキシブルシャフトを固定しなくてはならないため、基板ユニット部が邪魔して非常に組み立てにくい。
これを解決するには基板ユニット部からフレキシブルシャフトを固定するスライダ部を出せばよいが、このような構成ではスコープコネクタが大きくなり、前述の問題が生じる。
【0008】
また基板同士の配線や超音波コネクタの配線についても、ケーブル配線を多用しているため半田付け等の作業が多く、またケーブルを引き回すスペースが必要で大型化している。
さらに従来例では、超音波観測装置とスコープコネクタに設けた超音波コネクタとの間を接続する超音波ケーブルの構造については説明があまりない。
【0009】
(発明の目的)
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、組立性がよく、小型で使い勝手の良い超音波内視鏡を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による超音波内視鏡は、先端部に超音波を送受信する超音波振動子を内在する挿入部と、前記挿入部の端部に設けられた操作部と、前記操作部から導出される一本の中空管と、前記中空管の端部に設けられたスコープコネクタ部とを有する超音波内視鏡において、
前記中空管内に挿通され、前記超音波振動子を回転させる駆動軸と、
前記駆動軸を嵌め込むスライダ部と前記駆動軸を嵌め込んだ状態で前記スライダ部をカバーするカバー部とを有し、前記駆動軸が接続される駆動軸固定手段と、
前記駆動軸を回転させる回転力を発生させる回転駆動手段と、
前記駆動軸固定手段と前記回転駆動手段が並列に配置され、前記回転駆動手段による回転力を前記駆動軸固定手段に伝達する伝達手段を有する駆動ユニットと、
信号処理部及び超音波コネクタ部からなる基板ユニットと、
前記スコープコネクタ部に設けられ、前記駆動ユニット及び前記基板ユニットを別々に接続可能なフレーム部と、
を有する超音波内視鏡であって、前記回転駆動手段の回転軸は、前記中空管の開口部と反対側に向いていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図9は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は第1の実施の形態の超音波内視鏡の全体構成を示し、図2はスコープコネクタとユニバーサルコードの端部から延出されたケーブル類等を示し、図3はスコープコネクタにモータユニットが取り付られた状態を示し、図4は基板ユニットの構造を分解して示し、図5はモータユニット及び基板ユニットを組み付けたスコープコネクタにスコープコネクタカバー等を組み付ける様子を示し、図6は超音波コネクタが組み付けられたスコープコネクタに超音波ケーブルのスコープ側コネクタが装着可能である様子を示し、図7は超音波コネクタとこれに着脱自在のスコープ側コネクタの構造等を示し、図8は超音波コネクタにスコープ側コネクタを接続した状態等を示し、図9は従来例と比較してスコープコネクタに組み付けた回転動力力伝達系の構造を示す。
【0012】
図1に示すように本発明の第1の実施の形態の超音波内視鏡1は、体腔内等に挿入可能な細長の挿入部2と、この挿入部2の後端に設けられた操作部3と、この操作部3から延出された可撓性を有するユニバーサルコード4と、このユニバーサルコード4の端部に設けられたスコープコネクタ5とを有する。
【0013】
このスコープコネクタ5における光源コネクタ6は照明光を供給する光源装置7に着脱自在で接続され、電気コネクタ8は信号処理を行うビデオプロセッサ9に着脱自在で接続され、超音波コネクタ11は超音波ケーブル12を介して超音波観測装置13に着脱自在で接続され、吸引口金14には吸引ポンプ15が着脱自在に接続され、送気送水口金16には送水タンク17等が着脱自在に接続される。
【0014】
なお、送気送水口金16は細く、何かにぶつけるとその衝撃で破損するおそれ等があるので、それを防止するためにこの送気送水口金16の付近にこれよりも高く突出した突起18が設けてある。
挿入部2は先端の超音波収納部19内に超音波振動子20を収納し、この超音波収納部19を先端面に設けた先端部21と、この先端部21の後端に形成した湾曲自在の湾曲部22と、この湾曲部22の後端に形成した長尺で可撓性を有する可撓部23とからなる。
【0015】
操作部3には術者が把持する把持部24と、この把持部24の後端側の主操作部3Aに設けられ、湾曲部22の湾曲操作を行う湾曲操作ノブ25と、送気送水及び吸引の操作をそれぞれ行う送気送水・吸引ボタン26とが設けてある。
また、把持部5の前部側には処置具を挿入する処置具挿入口27が設けてある。
【0016】
上記先端部21の斜面部には図示しない照明窓と観察窓とが設けてあり、光源コネクタ6を光源装置7に接続することにより、光源装置7から供給される照明光を図示しないライトガイドにより伝送して、この照明窓から出射し、体腔内の患部等の被写体を照明する。
【0017】
照明された被写体は観察窓に取り付けた対物レンズにより、その結像位置に配置された電荷結合素子(CCDと略記)等の撮像素子に結像する撮像部が形成されている。CCDにより光電変換された信号は、信号線によりビデオプロセッサ9に入力され、このビデオプロセッサ9により標準的な映像信号に変換され、ビデオプロセッサ9に接続される図示しないモニタに被写体像を表示する。
【0018】
超音波を送受信する超音波振動子20は挿入部2内を挿通された動力伝達用のフレキシブルシャフト28の先端に接続され、その後端は把持部24内に設けた回転型信号伝達手段であるスリップリング29に接続されている。このスリップリング29の回転軸には、回転角検出手段であるエンコーダ30が接続されている。
【0019】
また、このエンコーダ30の回転軸には動力伝達用のフレキシブルシャフト31の一端が接続され、このフレキシブルシャフト31は長尺(例えば1〜2m)のユニバーサルコード4内に挿通されて、その他端がスコープコネクタ5内に設けたメカニカル走査を行うための回転駆動手段としてのモータ32に(スライダ部38及びベルト39を介して)接続される。
【0020】
フレキシブルシャフト31は断面が円形或いは角形の金属線をコイル状に巻回して形成され、摩擦及び磨耗防止のためにグリスが塗布されている。
【0021】
また、超音波振動子20に接続され、この超音波振動子20に超音波送信のパルス信号を印加したり、超音波振動子20で受信し(て電気信号に変換され)たエコー信号を伝送する信号伝達用のケーブルはフレキジブルシャフト28内を通り、スリップリング29にてそのロータ側端子と導通するステータ側端子からフレキジブルシャフト28の外部のケーブルと電気的に接続される。
【0022】
このスリップリング29を介して接続された外部のケーブルと、エンコーダ30に接続され、フレキシブルシャフト28の回転角(から超音波振動子20の回転角)を検出するためのケーブルは、操作部3内の基板を介して、ユニバーサルコード4内を挿通され、スコープコネクタ5にまで導出されている。
【0023】
図2(A)に示すようにスコープコネクタ5の枠体を構成するフレーム34には送気送水・吸引チューブ35が接続される。この送気送水・吸引チューブ35は図1の送気送水口金16、吸引口金14に連通し、かつその先端側は操作部3の送気送水・吸引ボタン26を介して先端部21まで延びており、先端部21の開口部から空気、液体を送ったり、液体等を吸引したりするために使われる。
【0024】
また、撮像部と電気コネクタ8とを接続する撮像用ケーブルや、光源装置7からの照明光を先端部21に伝送するファイバ束といった光学画像用ケーブル類36が取り付けられる。この状態から超音波機能に必要な各種部材が組み付けられる。まず、動力伝達系の構成、組立手順を説明する。
【0025】
図2に示すようにユニバーサルコード4の中空の外皮チューブ4aの中空端部から突出する(駆動軸を構成する)フレキシブルシャフト31の端部には円柱状部材37がビス止め等で固定されている。そして、以下に説明する駆動軸固定手段を構成するスライダ部38に連結し、このスライダ部38をモータ32と共にスコープコネクタ5のフレーム34に組み付ける。
【0026】
モータ32と、コ字状にして溝部を形成したスライダ部38とを並列に配置し、モータ32の回転軸とスライダ部38の回転軸とに(回転伝達手段(部材)としての)ベルト39を掛け渡した状態でモータ取付台40に取付けたモータユニット41を予め組立て、このモータユニット41をフレーム34に組み付ける。フレーム34にはモータ取付台40を入れる形状の開口が設けてあり、この開口内にモータユニット41がその回転軸側(ベルト39側)が入るような向きでフレーム34にビス等で組み付けられる。このような向きにすることで、小型にでき、かつ組み付け易くしている。
【0027】
その後、円柱状部材37をスライダ部38の溝部に嵌め込み、円柱状部材37が外れるのを防止する蓋42をスライダ部38に組み付ける。次にスライダ部38を覆うカバー43をフレーム34に組み付ける。この際、フレキシブルシャフト31が挿通されているチューブ44は、その端部がスライダ部38の溝部に入ると共に、カバー43に設けた溝43aに嵌め込まれる。この状態を図2(B)に示す。
【0028】
次にユニバーサルコード4とフレーム34を外皮チューブ4aの端部に設けたジョイント45で接続する。なお、フレキシブルシャフト31が挿通されているチューブ44には細い金属線を編み込んだシールドブレード46がほぼその全長にわたって被せられている。そして、その端部は直接或いはリード線47を介してジョイント45に接続される。この場合、接続先はフレーム34やその他の金属部材、基板上のGNDでも良い。
【0029】
ジョイント45は金属の構造体や基板等を介してGNDに電気的に接続され、よってフレキシブルシャフト31はシールドブレード46によって電気的にシールドされている。このシールドする構造によって、撮像用ケーブル等からの放射ノイズがフレキシブルシャフト31に乗り、ここからさらに超音波系のケーブルに放射されて超音波画像にノイズが出るのを防止する。
【0030】
このようにして組み立てた動力伝達系の構成を図3に示す。ここでは、簡単化のため、蓋42とカバー43を省略している。この図3から分かるように、円柱状部材37をはめ込むスライダ部38の溝部はフレーム34より外側に位置している。
【0031】
次に超音波機能に必要な電気系部品の構成、組立手順を説明する。
前述のスリップリング29、エンコーダ30から導出される(図2に示す)ケーブル48(必要に応じて操作部3内の基板を介して)の端部にはケーブル接続用コネクタ49を取り付けている。
【0032】
なお、ケーブル48は複数の信号線をまとめてシールドを被せた複合シールドケーブルが一般的に使用される。複合ケーブルを使用することで、ユニバーサルコード4内に直接通るケーブル本数が減少し、チューブ類とからまったりすることなく挿通作業がし易い。
【0033】
ケーブル接続用コネクタ49は基板ユニット50に接続される。この基板ユニット50は超音波振動子20で受信した超音波受信信号を増幅するアンプ基板51、モータ32の回転数調整や超音波画像の書き出し位置調整等の機能を有するサーボ基板52、アンプ基板51とサーボ基板52を超音波コネクタ11に接続するための接続基板53とから構成され、予め基板ユニット50を組み立てておく。
【0034】
この組立方法としては図4に示すように、アンプ基板51及びサーボ基板52を既知の基板対基板コネクタを用いて接続基板53に接続し、必要に応じて金属部材で補強する。接続基板53の表面には複数の接点54が形成されている。 接点54はアンプ基板51やサーボ基板52或いは接続基板53上に設けられたケーブル接続用コネクタ55の各端子と電気的に接続されている。さらに、ある高さを有する高さ調整用コネクタ56を取付板57と接続基板53で挟み込み、ビスで取付板57を固定することにより高さ調整用コネクタ56を接続基板53に固定する。
【0035】
高さ調整用コネクタ56は既知のもので、バネ性を有する端子58が接点54と同一ピッチで複数個内蔵されており、接点54上に押しつけることで電気的に接続される。つまり、アンプ基板51、サーボ基板52、ケーブル接続用コネクタ55の各端子は半田付けやケーブル接続をすることなく、高さ調整用コネクタ56の端子58と導通する。
【0036】
アンプ基板51又はサーボ基板52又は接続基板53には、モータ32の回転数調整や超音波画像の書き出し位置調整を行うためのトリマ59が設けられている。同様にディップスイッチ60が設けられている。超音波振動子20の種類によって超音波周波数等が異なるため、これら超音波内視鏡固有の情報を設定する必要があり、これをディップスイッチ60により設定できるようにしている。
【0037】
なお、高さ調整用コネクタ56として、バネ性を有する端子を用いたものでなく、導電性を有するゴム材等を用いても良い。また、カム33が例えば接続基板53(他の構造体でも良い)に固定される。
【0038】
図2(A)に示すように基板ユニット50に設けられたケーブル接続用コネクタ55に、ケーブル48の端部のケーブル接続用コネクタ49を差し込むことにより、着脱自在で接続される。そして、基板ユニット50をフレーム34の開口部にアンプ基板51とサーボ基板52の一部を挿入するようにして、フレーム34に突出するように設けた支柱61にビス等で固定する。
【0039】
このようにして、フレーム34に基板ユニット50を取り付けた状態を図5に示す。なお、図5では取付板57を省略して示している(或いは取付板57を用いないで高さ調整用コネクタ56をビス等で接続基板53に取り付けても良い)。
【0040】
図5に示すように、次の手順としてフレーム34、基板ユニット50等を覆うようにスコープコネクタカバー62を被せる。スコープコネクタカバー62は、基板ユニット60の高さ調整用コネクタ56に面する部分が開口しており、この開口部に超音波コネクタ基板63及びプレート64を組み付ける。
【0041】
図4に示すように超音波コネクタ基板63は、高さ調整用コネクタ56の端子58と同一ピッチの接点が両面に形成されており、基板63内のパターンにより表面の各接点65と裏面の各接点65とがそれぞれ一対一で配線されている。
【0042】
よって超音波コネクタ基板63をプレート64で高さ調整用コネクタ56に押しつけることにより、超音波コネクタ基板63の接点65がアンプ基板51、サーボ基板52、ケーブル接続用コネクタ55の各端子と導通する。
【0043】
図5に示すようにプレート64には接点65に面する部分が開口していて、接点65が外表面に露出するようにしてある。
図6に示すようにこの露出する接点65及びプレート64が超音波コネクタ11となり、ここに超音波ケーブル12のスコープ側コネクタ69が着脱自在に接続される。
【0044】
また、図5に示すようにプレート64はスコープコネクタカバー62をフレーム34に押さえつけると共に、外周面にOリング66がはめられていて、スコープコネクタカバー62の開口部に圧接して水密を確保するようにしている。
さらにユニバーサルコード4の座屈を防止する折れ止め部材67が取り付けられる。この折れ止め部材67はOリング68を介挿してスコープコネクタカバー62に取り付けられることにより、スコープコネクタカバー62の開口部に圧接して水密を確保するようにしている。
【0045】
以上の手順で組み付けられたスコープコネクタ5の超音波コネクタ11には、図6に示すように超音波ケーブル12のスコープ側コネクタ69が着脱自在に接続され、この超音波ケーブル12を介して超音波観測装置13と電気的に接続される。
【0046】
図7(A)は超音波ケーブル12のスコープ側コネクタ69の構造を示す。その説明のため、超音波コネクタ11付近の構造も断面図で示す。なお、図7(B)は図7(A)のA−A断面でシャフト75の形状を示している。
【0047】
スコープ側コネクタ69の内部の基板70に取り付けたコネクタ71は、高さ調整用コネクタ56と同じ構造になっている。つまり、バネ性を有する端子72を複数内蔵しており、端子72のピッチは超音波コネクタ11の接点65と同一となっている。
【0048】
そして、基板70の表面に、端子72と同一ピッチで形成された接点に対し、ガイド73によりコネクタ71が基板70に接続される。この基板70には、ケーブル74が半田付けなどで接続され、基板70内のパターンを介してコネクタ71の端子72と導通している。
【0049】
先端にカムシャフト75aを固定したシャフト75は、ガイド73、基板70、(コイル状)バネ76、スライダプレート77、ドグ(止め輪)78、レバー79に挿通される。バネ76は、その両端がガイド73とスライダプレート77とに当接する。シャフト75の途中に突出するように設けたストッパ部75bはガイド73に当接し、このシャフト75の後端のネジ穴に締め込むビス80により前記ガイド73、基板70、…、レバー79を挟み込むようにしてシャフト75が取り付けられている。
【0050】
シャフト75は、ガイド73、基板70、バネ76、スライダプレート77に足して回転自在になっている。シャフト75とドグ78、レバー79とは、例えば図7(B)に示すように嵌り合う部分の形状が非円形にすることで周方向の位置決め(回転が規制)され、個別では回転しないで、連動して共に回転する。
【0051】
上記シャフト75と平行に突出する位置決めピン81は、ガイド73に固定されると共に、バネ76、スライダプレート77に挿通され、その後端のビス82で固定される。なお、スライダプレート77はバネ76の付勢力に抗して距離xだけ、位置決めピン81の軸方向に移動可能である。このような構造体は、カバー83で覆われている。
【0052】
このカバー83にはケーブル74を収納するケーブル外皮84が固定される。また、このカバー83には接続不良防止突起85が設けられている。この接続不良防止突起85とスライダプレート77との距離yは、カバー83内面と基板70との距離zよりも小さく設定されている。
【0053】
また、シャフト75、位置決めピン81、コネクタ71の端子72の位置関係は、スコープコネクタ5側のプレート64、超音波コネクタ基板63、取付板57、カム33等に設けた穴及び接点65の位置関係と同一となっている。
【0054】
シャフト75の外径dは、取付板57の穴径cより若干小さく(寸法を同一にして、公差で逃がしても良い)、同様に位置決めピン81の外径fは取付板57の穴径eより若干小さい。ガイド73の内径bはプレート64の外径aより若干大きいが、ガタが殆ど無いように寸法が設定されている。
【0055】
次に本実施の形態の作用を説明する。
図8に示すように、まず超音波ケーブル12のスコープ側コネクタ69をスコープコネクタ5に接続する。この場合、シャフト75、位置決めピン81を超音波コネクタ11に設けられた両穴に差し込むと、プレート64の外周面とガイド73の内周面とが嵌合する。
【0056】
これにより、スコープ側コネクタ69は超音波コネクタ11に対して、シャフト75及び位置決めピン81の働きにより回転方向の位置が規制され、ガイド73の働きにより図8のY軸方向の位置が規制される。なお、Y軸はシャフト75の軸方向をX軸とすると、これに垂直な方向で、図8では例えばシャフト75と位置決めピン81とを含む平面内で、シャフト75の軸に垂直な方向となっている。
【0057】
次にレバー79を所定の方向に回転させると、これに周方向の位置決めがされて取り付けられているシャフト75及びドグ78も共に回転する。カム33の内部形状(周方向の展開図)を図8(B)のようにしておけば、カム33に当接するカムシャフト75aはレバー79の回転と共に、X軸方向に移動する。
【0058】
よってシャフト75がX軸方向に移動し、同時にスライダプレート77、ドグ78、レバー79もバネ76の弾性力に抗して移動する。スライダプレート77の移動に伴い、両端が伸びる方向に付勢するバネ76が縮むため、X軸方向への押しつけ力がガイド73に加わる。
【0059】
そのため、コネクタ71が超音波コネクタ基板63に押しつけられる。その結果、超音波コネクタ基板上の接点65と、コネクタ71の端子72とが押しつけられて導通する。
【0060】
この時、ガイド73の端面とプレート64の端面は当接するか、僅かな隙間しか形成されないようになっている。この部分を図8でα部で示す。このように超音波ケーブル12のスコープ側コネクタ69をスコープコネクタ5の超音波コネクタ11に接続して、この超音波ケーブル12の他端のコネクタを超音波観測装置13に接続して、超音波観測が可能な状態に設定する。
【0061】
また、光源コネクタ6を光源装置7に、また電気コネクタ8をビデオプロセッサ9に接続する等して、光学的に観察できる状態にする。
超音波観測装置13からの信号は超音波ケーブル12、基板70、コネクタ71を介して超音波内視鏡側に伝達される。超音波内視鏡側では、超音波コネクタ基板63を介して基板ユニット50に信号が伝達される。
【0062】
これにより、サーボ基板52の働きでモータ32が所定の回転数で回転し、その回転はモータユニット41を構成するスライダ部38にベルト39で伝達される。スライダ部38のコ字状にして形成した溝部には円柱状部材37が図3のように差し込まれているから、スライダ部38の回転と共に、円柱状部材37も回転する。
【0063】
よって、フレキシブルシャフト31が回転し、これに連なるエンコーダ30、スリップリング29の回転軸、フレキシブルシャフト28、その先端に取り付けた超音波振動子20が回転する。
また、超音波観測装置13で発生したパルス信号が超音波振動子20に印加されることにより、超音波振動子20で電気音響変換された超音波が、超音波収納部19が当接された体腔内側に送信される。
【0064】
体腔内の音響インピーダンスの変化部分で反射された反射超音波は超音波振動子20により受信され、音響電気変換されて反射超音波信号(エコー信号)となり、アンプ基板51で増幅されてから、超音波ケーブル12を介して超音波観測装置13に入力され、この超音波観測装置13内の信号処理回路で信号処理されて映像信号に変換され、図示しないモニタに出力して体腔内の超音波断層像を表示する。
【0065】
本実施の形態は以下の効果を有する。
モータユニット41を予め別に組立てておけるので、例えば送気送水・吸引チューブ35に邪魔されることなく組立作業が行え、組立がし易い。
【0066】
また、モータユニット41を回転軸側(ベルト39側)がフレーム34内に入るような向きで取り付けるようにした結果、図9(A)に示すように、スコープコネクタ5の全長を延ばすことなくフレーム34の外側にスライダ部38を配置することができる。そして、スライダ部38の側面から差し込んでフレキシブルシャフト31を固定することができる。
【0067】
このため本実施の形態の構成は、フレキシブルシャフトを無理に曲げて穴に通し、フレーム内でスライダ部に固定するという従来の組立方法に比べてはるかに組立作業性が向上している。しかも作業性向上のためにスコープコネクタ5の全長を伸ばしていないので、小型軽量にでき運搬や洗浄作業がしやすい。
【0068】
基板ユニット50も予め別に組み立てておくことができる。しかも基板同士を直接接続し、高さ調整用コネクタ56やコネクタ71のように基板上に設けた接点に押し付けて導通をとる構造にしたために、ケーブル端部を半田付けで接続する事を大幅に減少できる。このため半田付け作業が無くなり組立作業性が向上し短時間で組立が完了する。しかもケーブルを引き回すスペースが不要のため小型・軽量化することができる。
【0069】
超音波ケーブル12とスコープコネクタ5の接続も、超音波ケーブル12のスコープ側コネクタ69を超音波コネクタ11に差し込んでレバー79を回すだけでよいので簡単である。
また図8のようにコネクタ71の横のシャフト75で超音波コネクタ11との着脱を行う構造であるから、構造が簡単かつ小型である。
【0070】
このような片持ち構造の場合、コネクタ71が超音波コネクタ基板63に対して傾きやすく導通が不安定になりやすいが、コネクタ71を固定するガイド73の内面とプレート64外面とを嵌合させ、さらに取り付けたときの両者の端面をほぼ付き当てにすることで防止している。
【0071】
さらに本実施の形態では、超音波ケーブル12の基板70が押し付け方向と反対に引っ張られることで導通が不安定になることがないようにしている。つまり超音波ケーブル12のスコープ側コネクタ69において、図7のようにカバー83に設けられた接続不良防止突起85とスライダプレート77との距離yは、カバー83内面と基板70との距離zよりも小さく設定される。このため超音波ケーブル12を引っ張ってもカバー83は基板70より先にスライダプレート77に当たる。
【0072】
スライダプレート77は、カム33およびカムシャフト75aによって移動が規制されている。このため基板70が押し付け方向と反対に引っ張られることが無く、コネクタ71と超音波コネクタ基板63との押しつけが不十分になって導通が不安定になることがない。
このように一つの部品にいくつもの役割を与えることで小型・軽量化を実現している。
【0073】
以上の効果をまとめると、本実施の形態の超音波内視鏡1は
組立性がよく安価に製作できる。
また、小型軽量で、診察前のセッティングや運搬、洗浄作業がしやすい。
また、簡単確実に超音波観測装置と着脱できる。
【0074】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態を図10を参照して説明する。本実施の形態は第1の実施の形態を改良してより使い勝ってを向上することを目的とする。
図10は超音波ケーブル12のスコープ側コネクタ69におけるレバー79を正面から見たもので(図8(A)においてD方向から見た図)、説明に必要な構造体のみを示している。ここで、図10(A)は超音波コネクタ11に接続する前の状態で示し、図10(B)はレバー79を回転して超音波コネクタ11に接続した状態で示す。また、図10(C)はカム33を周方向に展開した図である。
【0075】
レバー79は回転角規制ピン86の間で回転可能になっている。また、スライダプレート77にはリミットスイッチ87が固定されており、このリミットスイッチ87からスイッチレバー87aが突出している。
【0076】
リミットスイッチ87はスコープ側コネクタ69を超音波コネクタ11に接続していない状態では非導通(OFF)である。このリミットスイッチ87が非導通になっている場合は、超音波観測装置13からスコープ側コネクタ69に信号が出力されないような回路が、超音波観測装置13内部または超音波ケーブル12内部に設けられている。
【0077】
次に本実施の形態の作用を説明する。
超音波コネクタ11に接続するためにレバー79をθ方向に回すと、レバー79と共にシャフト75に嵌合したドグ78も回転する。
【0078】
そのままレバー79を回転させると、第1の実施の形態で説明した通りカム75aの働きでコネクタ71が超音波コネクタ基板63に押し付けられ、ある量だけ押し付けると接点同士が完全に接触する。このときのレバー79の回転角度は図10(C)のA°の回転位置である。
【0079】
この付近で、ドグ78がリミットスイッチ87のスイッチレバー87aに当たる。このときはまだスイッチレバー87aの移動量が少なく、リミットスイッチ87は非導通の状態になっている。
【0080】
さらにレバー79を回転させる。すでに接点同士が完全に接触しているから、図10(C)ではカムに斜面が形成されていないが、設計の都合で斜面を形成して、さらに強力に押し付けるようにしてもよい。レバー79の回転角度がB°の回転位置になったとき、スイッチレバー87aが十分なだけ移動し、リミットスイッチ87が導通(ON)の状態になる。
【0081】
さらにレバー79を回転させて図10(C)のC°の固定位置にすると超音波コネクタ11との接続が完了する図10(B)の状態になる。
その結果、超音波観測装置13からスコープ側コネクタ69に信号が出力されるようになる。取り外し時は、上記と逆の作用となる。
【0082】
本実施の形態は以下の効果を有する。
超音波振動子20を駆動する送信波形は高電圧であり、超音波観測装置13の電源が入っていて信号を送りだしている状態で、超音波内視鏡1と超音波ケーブル12とを支障なく着脱可能とするためには、超音波コネクタ11から超音波ケーブル12を着脱する時に超音波観測装置13の電源を切る必要がある。超音波内視鏡1は症例間ごとに洗浄するから、そのたびに電源を切る作業をすることは面倒である。
【0083】
そのため本実施の形態のように、リミットスイッチ87の導通・非導通で超音波観測装置13から信号を出力する・しないを選択し、このリミットスイッチ87とレバー79の回転動作を連動させることで、使用者は超音波観測装置13の電源をいちいち切ることなく超音波ケーブル12を超音波コネクタ11から着脱することができる。このため洗浄時における手間を省け、次の検査までの時間を短くすることができる。
【0084】
超音波ケーブル12のスコープ側コネクタ69の着脱検出の機構を設けたメリットは、まずスコープコネクタ5に設ける必要がないため、スコープコネクタ5が小型軽量となり、超音波内視鏡1が安価になる。洗浄時には超音波内視鏡1だけを運び出すから、超音波コネクタ11のところで超音波ケーブル12との着脱をすることができるのが好ましい。以上より使い勝手・洗浄性がよくなる。
【0085】
また超音波ケーブル12を超音波内視鏡1に取り付けていないときは、コネクタ71に手を触れる可能性があるが、リミットスイッチ87が非導通の状態のため、超音波観測装置13からの信号はコネクタ71まできていない。よってコネクタ71に手を触れても支障ない。
以上より、第1の実施の形態より使い勝手や信頼性を向上できる。
【0086】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態を図11を参照して説明する。
例えば超音波振動子の構造が違うと、それを駆動する超音波観測装置を変える必要がある。ところが超音波ケーブル12のスコープ側コネクタ69と超音波コネクタ11の形状が同じであると、本来は使えない超音波観測装置と接続されてしまうおそれがある。
【0087】
本実施の形態では、使えない超音波観測装置には接続されない構造の超音波内視鏡を提供することを目的とする。
以下、その構成を説明する。
超音波内視鏡側の取付板57に設けた2つの穴には、超音波ケーブル12側のシャフト75と位置決めピン81とが各穴に差し込まれることを第1の実施の形態で説明した。
【0088】
これら2つ穴の径と、シャフト75および位置決めピン81の外径は、接続される超音波観測装置の種類によって異なる。その種類が異なる超音波観測装置を13Aと13Bとする。また、超音波観測装置13Aと13Bにそれぞれ接続される超音波ケーブルを12、12′とする。
【0089】
図11(A)に示すように、超音波観測装置13Aに接続して使用可能なスコープコネクタ5の超音波コネクタ11を構成する取付板57における穴径をg、hとし、これに差し込まれる超音波ケーブル12(のスコープ側コネクタの)シャフト75、位置決めピン81の外径i、jとする。この場合、g=i、j=hとなる。
【0090】
一方、図11(B)に示すように超音波観測装置13Bに接続されるスコープコネクタ5′の超音波コネクタ11′を構成する取付板57′における穴径をk、mとし、これに差し込まれる超音波ケーブル12′(のスコープ側コネクタの)シャフト75′と位置決めピン81′の外径をn、rとする。この場合、k=n、m=rとなる。
【0091】
本実施の形態では、穴径で示すと、
i>k h<r
と設定している。或いはシャフト或いはピン径で示すと、
g>n j<m
と設定している。
【0092】
次に本実施の形態の作用を説明する。
超音波観測装置13Aに接続する超音波ケーブル12(図11(A)側)を、超音波観測装置13Bと組み合わせる超音波内視鏡の超音波コネクタ11′(図11(B)側)に接続しようとすると、シャフト75は取付板57′の穴より太いため(i>k)接続できない。
【0093】
同様に超音波観測装置13Bに接続する超音波ケーブル12′(図11(B)側)を、超音波観測装置13Aと組み合わせる超音波内視鏡の超音波コネクタ11(図11(A)側)に接続しようとする、位置決めピン81′は取付板57の穴より太いため(h<r)接続できない。
【0094】
本実施の形態は以下の効果を有する。
まちがった組み合わせでは機械的に接続できないため、使用者が誤って接続することを確実に防止できる。
【0095】
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態を図12を参照して説明する。図12(A)は操作部の内部構成を示し、図12(B)は図12(A)のC−C断面を示す。 本実施の形態では、第1の実施の形態から第3の実施の形態で示した超音波内視鏡の操作部内の構造について述べる。その目的は、超音波画像および内視鏡光学画像に不要なノイズが混ざらない構造とすることである。以下にその構成を説明する。
【0096】
図12(A)に示すように(先端に超音波振動子20を固定した)フレキシブルシャフト28は挿入部2内のガイドチューブ89内を通り、把持部24内に設けた金属製のカップリング90に固定される。
超音波振動子20に接続される信号電圧用の振動子ケーブル91は一般的には同軸線が使用されており、その芯線とシールド先はそれぞれカップリング90上の基板92を介して、スリップリング29に電気的に接続される。
【0097】
カップリング90はスリップリング29の回転軸が接続される。スリップリング29の回転軸にはエンコーダ30の回転軸が接続され、さらにフレキシブルシャフト31が接続される。
【0098】
ガイドチューブ89の外周面には、細い金属線を編み込んだシールドブレード93が被せられている。その端部は金属フレーム94に半田付けやビスで固定される。金属フレーム94は操作部3等を構成する他の金属部材や基板を介してGNDと導通している。つまり、シールドブレード93はGNDと導通し、挿通される振動子ケーブル91を電気的にシールドしている。
【0099】
カップリング90の外周面に当接するフィンガ95が複数個設けられている。図12(B)に示すようにフィンガ95は金属製のベース96にビス等で固定される。
【0100】
上記ベース96もGNDと導通している。その結果、フィンガ95を介してカップリング90及びこれに固定されるフレキシブルシャフト28もGNDと導通している。つまり、フレキシブルシャフト28は内部の振動子ケーブル91を電気的にシールドする。
【0101】
また、先端部21に収納された図示しないCCDと接続されたCCDケーブル97は挿入部2内を挿通され、さらに操作部3からユニバーサルコード4側に延出される。
【0102】
次に本実施の形態の作用を説明する。
超音波観測装置13から送信される信号は、スリップリング29から基板92を介して、回転する振動子ケーブル91に伝達される。このため振動子ケーブル91から、不要な電磁波ノイズが放射される。
【0103】
しかし前述のようにフレキシブルシャフト28、シールドブレード93がシールドとなっているために、この電磁波ノイズは大部分がGNDに流れてしまう。内視鏡光学画像を得るためには、ビデオプロセッサ9から送信される信号は電気コネクタ8からCCDケーブル97を通って、先端に設けられた撮像部内の固体撮像素子としてのCCDを駆動する。
【0104】
このためCCDケーブル97からは、不要な電磁波ノイズが放射される。しかしフレキシブルシャフト28、シールドブレード93がシールドとなっている為に、CCDケーブル97からの電磁波ノイズは振動子ケーブル91まで伝達されない。
【0105】
本実施の形態は以下の効果を有する。
振動子ケーブル90の周りを、フレキシブルシャフト28およびシールドブレード93と二重に電気的にシールドしているため、振動子ケーブル91からCCDケーブル97に電磁波ノイズが伝達されず、その結果内視鏡光学画像上に不要なノイズが出ない。
【0106】
同様に、CCDケーブル97から振動子ケーブル91に電磁波ノイズが伝達されず、その結果超音波画像上に不要なノイズが出ない。
以上より、超音波画像も内視鏡画像も鮮明であり、その画像は見やすく診断し易い画質にできる。
【0107】
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態を図12及び図13を参照して説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態から第4の実施の形態で示した超音波内視鏡の操作部内構造について述べる。その目的は、より組立性のよい構造とすることである。
図12(A)に示すように主操作部3Aには、例えば写真撮影するためのスイッチ98等が設けられたスイッチボックス99が設けられている。
【0108】
このスイッチボックス99内にはスイッチボックス側コネクタ100が設けてあり、その端子はスイッチ98と電気的に接続されている。スコープコネクタ5の電気コネクタ8に接続されるスイッチケーブル101は、ユニバーサルコード4内を通り、主操作部3A内に導出される。そして、スイッチケーブル101の端部にはスイッチケーブル側コネクタ102が設けてあり、スイッチボックス99内でスイッチボックス側コネクタ100と接続される。
【0109】
また、可撓性を有するユニバーサルコード4の端部には、金属製の口金103が設けてある。この口金は別部材で主操作部3Aに固定される。この口金103の端部(図12のE方向から見た図)は図13のようになっていて、その内腔は円形ではなく、出来るだけ開口面積が大きくなるような溝を有する開口部104が形成している。
【0110】
次に本実施の形態の作用を説明する。
スイッチケーブル101とスイッチ98との配線はスイッチボックス99内でコネクタ接続で行われる。
また、口金103の端部からは、さまざまなケーブル類、チューブ44(およびその中を通るフレキシブルシャフト31)、送気送水・吸引チューブ35等が導出している。しかし主操作部3Aは操作性を考えて小型化されていることから、口金103の端部からすぐに前述のケーブル・チューブ類が屈曲するような配置とならざるを得ない。
【0111】
口金103の内腔は図13のように溝が形成されて大きくなっており、この部分にケーブル類を納められるようになっている。
本実施の形態は以下の効果を有する。
【0112】
スイッチケーブル101の配線作業に半田付けが不要で、接続作業が容易である。
また配線部分が主操作部3A内にないので、主操作部3A内のスペースを圧迫することがない。
【0113】
また口金103の内腔が非円形で大きいため、ケーブルやチューブ類を挿通・レイアウトしやすい。
このため組立作業性がよい。
【0114】
(第6の実施の形態)
次に本発明の第6の実施の形態を図14及び図15を参照して説明する。図14は把持部24の内部構成を示し、図15は図14のF−F断面を示す。本実施の形態は第4の実施の形態の変形例に相当する。
図14に示すように把持部24内で、カップリング90を覆うように、ベース96に金属板105を取り付けている。この金属板105は、スリップリング29やエンコーダ30が軸方向に移動するのを規制する。また、この金属板105には、図15に示すようにフィンガ106が固定されており。金属板105をベース96に取り付けたときに、カップリング90の外表面に当接するようになっている。
【0115】
次に本実施の形態の作用を説明する。
第4の実施の形態と同じように、ベース96はGNDと導通しており、そのため金属板105およびフィンガ106もGNDと導通する。その結果、カップリング90およびこれに接続するフレキシブルシャフト28がGNDに接続される。
本実施の形態は以下の効果を有する。
【0116】
第4の実施の形態と同じように超音波画像、内視鏡光学画像にノイズが出ない効果を有する。
また、本実施の形態では、金属板105を取り付けると、スリップリング29やエンコード30の軸方向への移動を規制するのと同時にフィンガ105の働きでフレキシブルシャフト28をGNDに接続できるので、組立が容易である。
【0117】
なお、上述の説明において、駆動ユニット(具体的にはモータユニット41)と基板ユニット50とを別々にフレーム34に組み付け易くした構成は超音波内視鏡における光学的な観察像を得る手段を有しない超音波プローブの場合にも適用できる。
【0118】
[付記]
1.挿入部に超音波を送受信する超音波振動子を内在する挿入部と、
挿入部の端部に設けられた操作部と、
操作部から導出される1本の中空管と、
前記中空管の端部に設けられるスコープコネクタ部と、
を有する超音波内視鏡において、
前記スコープコネクタ部に設けられた超音波コネクタ部と、
一端が超音波観察装置に接続され、他端が前記超音波コネクタ部と着脱自在に接続される接続部を有する超音波ケーブルと、
前記超音波ケーブルの超音波コネクタ部との接続部に設けたレバーと、
前記接続部に配置され、前記レバーの動作に連動して導通・非導通が切り替わるスイッチとを有し、
前記レバーを操作して前記接続部を超音波コネクタ部に接続するとともに、前記接続部および超音波コネクタ部に設けられた接点が完全に接触している状態で、前記スイッチが導通または非導通になることを特徴とする超音波内視鏡。
【0119】
(作用効果)
上記のように接続部および超音波コネクタ部に設けられた接点が完全に接触している状態で、前記スイッチが導通または非導通になるように構成したことで、簡単に超音波内視鏡と超音波観測装置とを接続でき使い勝手がよい。
またスイッチによって超音波観測装置から信号の出力をコントロールでき、機器を破壊することなく接続することができる。
【0120】
2.挿入部に超音波を送受信する超音波振動子を内在する挿入部と、
挿入部の端部に設けられ操作部と、
操作部から導出される1本の中空管と、
前記中空管の端部に設けられるスコープコネクタ部と、
を有する超音波内視鏡において、
前記中空管と操作部とを接続する筒状部材における中空管と連通する穴形状は溝を形成した非円形となっていることを特徴とする超音波内視鏡。
【0121】
(作用効果)
上記のように中空管と連通する穴形状は溝を形成した非円形となっているように構成したことで筒状部材の穴の体積を増し、ケーブルやチューブ類の挿通性をよくすることができ、組立性が向上する。
【0122】
3.挿入部の先端側に配置した超音波振動子を駆動軸の先端に取付け、該駆動軸の後端側を操作部から延出された中空ケーブル内に挿通し、中空ケーブルの端部に設けたコネクタ内に取り付けた駆動軸固定手段に接続して、回転伝達部材を介して回転駆動手段に接続した超音波プローブにおいて、
前記駆動軸固定手段と回転駆動手段とは並列に配置され、両回転軸を前記回転伝達部材を介して連結した駆動ユニットを前記回転伝達部材側を前記中空ケーブルと反対側に形成し、かつ前記駆動ユニットと別体で設けられ、超音波観測装置と接続する超音波コネクタ部を備えた基板ユニットを前記駆動ユニットと別々に前記コネクタに取付可能にした超音波プローブ。
4.付記3において、前記超音波プローブは光学的な観察画像を得る機能を備えた超音波内視鏡を形成する。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、スコープコネクタ部を大きくすることなく駆動軸等の組立作業性が向上し、その結果安価で、運搬や洗浄作業のしやすい使い勝手のよい超音波内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の超音波内視鏡の全体構成図。
【図2】スコープコネクタとユニバーサルコードの端部から延出されたケーブル類等を示す図。
【図3】スコープコネクタにモータユニットが取り付られた状態を示す図。
【図4】基板ユニットの構造を分解して示す図。
【図5】モータユニット及び基板ユニットを組み付けたスコープコネクタにスコープコネクタカバー等を組み付ける様子を示す斜視図。
【図6】超音波コネクタが組み付けられたスコープコネクタに超音波ケーブルのスコープ側コネクタが装着可能である様子を示す斜視図。
【図7】超音波コネクタとこれに着脱自在となるスコープ側コネクタの構造等を示す断面図。
【図8】超音波コネクタにスコープ側コネクタを接続した状態等を示す図。
【図9】従来例と比較してスコープコネクタに組み付けた回転動力力伝達系の構造を示す図。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるスコープ側コネクタにおけるレバー付近等を示す図。
【図11】本発明の第3の実施の形態におけるスコープコネクタと超音波ケーブルにおけるスコープ側コネクタの接続部の構造を示す図。
【図12】本発明の第4の実施の形態における超音波内視鏡における操作部周辺部等の構想を示す図。
【図13】図12のE矢視方向から見た口金の開口形状を示す図。
【図14】本発明の第5の実施の形態における把持部付近の構造を示す図。
【図15】図14におけるF−F断面を示す図。
【符号の説明】
1…超音波内視鏡
2…挿入部
3…操作部
4…ユニバーサルコード
5…スコープコネクタ
6…光源コネクタ
7…光源装置
8…電気コネクタ
9…ビデオプロセッサ
11…超音波コネクタ
12…超音波ケーブル
13…超音波観測装置
20…超音波振動子
21…先端部
28…フレキシブルシャフト
29…スリップリング
30…エンコーダ
31…フレキシブルシャフト
32…モータ
34…フレーム
37…円柱状部材
38…スライダ部
39…ベルト
41…モータユニット
43…カバー
50…基板ユニット
Claims (1)
- 先端部に超音波を送受信する超音波振動子を内在する挿入部と、
前記挿入部の端部に設けられた操作部と、
前記操作部から導出される一本の中空管と、
前記中空管の端部に設けられたスコープコネクタ部と、
を有する超音波内視鏡において、
前記中空管内に挿通され、前記超音波振動子を回転させる駆動軸と、
前記駆動軸を嵌め込むスライダ部と前記駆動軸を嵌め込んだ状態で前記スライダ部をカバーするカバー部とを有し、前記駆動軸が接続される駆動軸固定手段と、
前記駆動軸を回転させる回転力を発生させる回転駆動手段と、
前記駆動軸固定手段と前記回転駆動手段が並列に配置され、前記回転駆動手段による回転力を前記駆動軸固定手段に伝達する伝達手段を有する駆動ユニットと、
信号処理部及び超音波コネクタ部からなる基板ユニットと、
前記スコープコネクタ部に設けられ、前記駆動ユニット及び前記基板ユニットを別々に接続可能なフレーム部と、
を有する超音波内視鏡であって、
前記回転駆動手段の回転軸は、前記中空管の開口部と反対側に向いていることを特徴とする超音波内視鏡。
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