JP3916996B2 - 電気音響変換器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、動電型の電気音響変換器に関するものであり、特に、基板への取付けを行い得るように構成された電気音響変換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
小型のスピーカやマイクロホン等の電気音響変換器は、基板への取付けを行い得るように構成されているものが多い。
【0003】
また、動電型の電気音響変換器においては、ボイスコイルが固定された振動板の外周縁部をフレームで支持するように構成されているが、一般にこのフレームには複数の放音孔が形成されており、振動板の背面空間は開放空間となっている(例えば特開2001−292493号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため、上記従来の動電型の電気音響変換器においては、基板への取付状態で収容される外部機器の筐体サイズや筐体形状等によって背面空間の容積や形状が異なったものとなってしまい、このため音圧特性にバラツキが生じやすい、という問題がある。
【0005】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板への取付けを行い得るように構成された動電型の電気音響変換器において、その取付対象によって音圧特性にバラツキを生じてしまうのを防止することができる電気音響変換器を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、フレームによって振動板の背面空間を密閉するように構成することにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0007】
すなわち、本願発明に係る電気音響変換器は、
基板への取付けを行い得るように構成された動電型の電気音響変換器であって、
ボイスコイルが固定された振動板と、この振動板の外周縁部を支持するフレームと、を備えてなる電気音響変換器において、
上記フレームが、該フレームの振動板支持部において上記振動板の外周縁部と接着固定されるとともに、上記振動板支持部における部分的に切り開かれた部分と上記振動板との間にシール剤が充填されることにより、上記振動板の背面空間を密閉するように形成されている、ことを特徴とするものである。
【0008】
上記「電気音響変換器」は、動電型の電気音響変換器であれば、その種類は特に限定されるものではなく、例えば、小型のスピーカ、ブザー、マイクロホン、レシーバ等が採用可能である。
【0009】
また、この「電気音響変換器」は、基板への取付けを行い得るように構成されているが、その具体的な取付構造は特に限定されるものではなく、例えば、表面実装、挿入実装、バネ圧接等による取付構造が採用可能である。
【0010】
上記「振動板」および「ボイスコイル」は、動電型の電気音響変換器の構成要素として使用可能なものであれば、その具体的構成は特に限定されるものではない。
【0011】
上記「フレーム」は、振動板の背面空間を密閉するように形成されたものであれば、その大きさ、形状、材質等の具体的構成は特に限定されるものではない。
【0012】
【発明の作用効果】
上記構成に示すように、本願発明に係る電気音響変換器は、その振動板の外周縁部を支持するフレームが、該フレームの振動板支持部において上記振動板の外周縁部と接着固定されるとともに、上記振動板支持部における部分的に切り開かれた部分と上記振動板との間にシール剤が充填されることにより、振動板の背面空間を密閉するように形成されているので、基板への取付状態で収容される外部機器の筐体サイズや筐体形状等に関わりなく、常に背面空間の容積や形状を一定に維持することができる。
【0013】
したがって本願発明によれば、基板への取付けを行い得るように構成された動電型の電気音響変換器において、その取付対象によって電気音響変換器の音圧特性にバラツキを生じてしまうのを防止することができる。
【0014】
また本願発明のように、フレームが振動板の背面空間を密閉するように形成されていることにより、異物(例えばハンダボールやフラックス等)が背面空間に入り込んでしまうおそれをなくすことができる。
【0015】
なお、上記「振動板の背面空間」は、これを完全な密閉空間として構成してよいことはもちろんであるが、背面空間と外部空間とを連通させる調圧用の微小貫通孔や微小隙間が形成された構成としてもよく、このようにした場合においても、電気音響変換器の取付対象によってその音圧特性にバラツキを生じてしまうのを防止することができるという効果が減殺されてしまうことはない。
【0016】
上記「フレーム」の大きさが特に限定されないことは上述したとおりであるが、これを20mm四方の正方形よりも小さいサイズに設定すれば、例えば携帯電話機等のように比較的筐体サイズが小さい外部機器の基板に対しても容易に取り付けることが可能となる。
【0017】
また上記構成において、フレームを、その振動板支持部よりも外周側にコーナ部を有する構成とし、このコーナ部に背面空間と連通する付加空間を形成するようにすれば、その分だけ背面空間を拡大することができるので、背面空間の容積を一定に維持したままフレームの薄型化を図ることができる。なお、複数のコーナ部を有する場合には、すべてのコーナ部に付加空間を形成してもよいし、一部のコーナ部に付加空間を形成してもよい。
【0018】
このようにしてコーナ部に付加空間を形成した場合には、付加空間と外部空間とを仕切る必要があるが、その際、振動板の外周縁部を部分的に外周側へ延長形成し、この延長形成部により付加空間と外部空間とを仕切るように構成すれば、新たな部材を設けて仕切壁を形成するようにした場合に比して、より大きな容積の付加空間を、部品点数を増やすことなく形成することができる。
【0019】
ところで、上記背面空間(付加空間が形成されている場合には背面空間+付加空間)の大きさは特に限定されるものではないが、これを2cc以下の容積に設定すれば、エアダンパ効果によりfo(最低共振周波数)を上昇させることができ、これにより背面空間が開放空間となっている場合に比して音圧を大幅に増大させることができる。なお、この背面空間の容積を1cc以下に設定すれば、音圧増大効果を一層高めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本願発明の一実施形態に係る電気音響変換器10を示す平面図(a)および底面図(b)である。また、図2は、図1のIIa 方向矢視図(a)およびIIb 方向矢視図(b)であり、図3は、図1のIII-III 線断面詳細図である。
【0022】
これらの図に示すように、本実施形態に係る電気音響変換器10は、小型の動電型スピーカであって、外部機器(例えば携帯電話機等)の基板に取り付けられた状態で使用されるようになっている。その際、本実施形態に係る電気音響変換器10は、この基板への取付けを表面実装により行う構成となっている。ただし、この電気音響変換器10は、コイルバネを用いたバネ圧接による基板への取付けにも対応し得るように構成されている。
【0023】
電気音響変換器10は、フレームサブアッシ12と、このフレームサブアッシ12に上方から装着された振動板14およびカバー16と、フレームサブアッシ12に下方から装着された磁気回路ユニット18とからなっている。
【0024】
図4は、この電気音響変換器10を、カバー16を外して示す平面図である。
【0025】
この図にも示すように、フレームサブアッシ12は、フレーム20と、1対の端子プレート22と、ボイスコイル24と、1対のダミー端子プレート26とからなっている。
【0026】
フレーム20は、ポリアミド系の合成樹脂材料からなる射出成形品であって、平面視において15mm四方程度の略正方形の外形形状を有している。
【0027】
このフレーム20は、磁気回路ユニット18を装着するための円形開口部20aが中央部に形成された底壁部20Aと、この底壁部20Aの外周縁から上方へ延びるように形成された周壁部20Bとを備えてなっている。そして、このフレーム20における底壁部20Aの下面20bが、電気音響変換器10を基板に取り付ける際に基板と対向する基板対向面を構成している。この基板対向面20bは、磁気回路ユニット18の下面よりも僅かに下方に位置するように形成されている。
【0028】
フレーム20における周壁部20Bの内周側には、底壁部20Aから円形開口部20aと略同心状に立ち上がるようにして振動板支持部20Cが形成されている。そして、この振動板支持部20Cの上面に振動板14が載置された状態で、該振動板14が振動板支持部20Cに接着固定されることにより、振動板14の背面側(下面側)に背面空間C1を形成するようになっている。
【0029】
周壁部20Bの内周側の四隅のコーナ部のうち、2箇所のコーナ部には上記端子プレート22が埋設されており、残り2箇所には上記ダミー端子プレート26が埋設されている。
【0030】
端子プレート22が埋設された2箇所のコーナ部には、底壁部20Aから振動板支持部20Cよりもやや低い高さ位置まで立ち上がるようにして端子埋設部20Dが形成されている。
【0031】
一方、ダミー端子プレート26が埋設された2箇所のコーナ部には、背面空間C1と連通する付加空間C2が形成されている。この付加空間C2は、振動板支持部20Cを略三角形にくり抜くとともにその内周部にスリット20gを形成することにより構成されている。そして、この付加空間C2は、振動板支持部20Cに振動板14が載置固定されることにより上方側の外部空間と仕切られるようになっている。
【0032】
端子プレート22およびダミー端子プレート26は、金属板のプレスおよび曲げ加工品として構成されており、フレームサブアッシ12をインサート成形で製造することによりフレーム20と一体的に形成されている。端子プレート22は、その基端部22Aが端子埋設部20Dの上面に露出しており、その先端部22Bが基板対向面20bに露出している。一方、ダミー端子プレート26は、その基端部26Aが付加空間C2に露出しており、その先端部26Bが基板対向面20bに露出している。
【0033】
端子プレート22およびダミー端子プレート26の先端部22B、26Bは、基板対向面20bと略面一で周壁部20Bよりも外周側まで延びた後、該周壁部20Bの外側面に略沿って上方へ突起片22b、26bとして僅かに延びるように形成されている。なお、これら突起片22b、26bは、フレームサブアッシ12のインサート成形後にフレーム20の周壁部20Bからインサートの一部として突出して残る帯状片を所定位置で切断するとともに該帯状片に曲げ加工を施すことにより形成されるようになっている。
【0034】
フレーム20の底壁部20Aには、上記インサート成形の際に用いられるインサート保持治具により、フレーム20の基板対向面20bから端子プレート22およびダミー端子プレート26まで円柱状に延びる円柱穴20dおよび20fが1対ずつ形成されている。
【0035】
振動板14は、同心円状に形成された複数の凹凸を有するダイヤフラム状の部材であって、ポリイミド(PI)製の合成樹脂フィルムに熱プレス成形を施すことにより形成されている。そして、この振動板14は、その外周縁平坦部14a(外周縁部)においてフレーム20の振動板支持部20Cの上面に接着固定されるとともに、その中間平坦部14bにおいてボイスコイル24の上端に接着固定されている。この振動板14は、ダミー端子プレート26が埋設された2箇所のコーナ部においては、その外周縁平坦部14aが外周側へ延長形成されており、この延長形成部14cによって付加空間C2と振動板14の上方側の外部空間とを仕切るようになっている、
カバー16は、ポリアミド系の合成樹脂材料からなる射出成形品であって、平面視においてフレーム20と略同じ外形形状(15mm四方程度の略正方形の外形形状)を有している。
【0036】
このカバー16は、天壁部16Aと、この天壁部16Aの外周縁部から下方へ延びる周壁部16Bとからなり、天壁部16Aの外周縁部には横長矩形状の放音孔16aが形成されている。この放音孔16aは、ダミー端子プレート26が埋設された2箇所のコーナ部の間の位置において周壁部16Bを切り欠くようにして形成されている。そして、このカバー16は、その周壁部16Bにおいてフレーム20の周壁部20Bに接着剤38を介して接着固定されている。なお、天壁部16Aの下面中心部には、振動板14が振動したときに該振動板14との干渉を回避するための円形凹部16bが形成されている。
【0037】
磁気回路ユニット18は、鋼製のベース28と、マグネット30と、鋼製のヨーク32とからなっている。
【0038】
ベース28は、有底円筒状に形成されており、その上端外周部には環状凹部28aが形成されている。マグネット30は、ネオジ焼結磁石(Nd−Fe−B焼結磁石)の表面にニッケルメッキが施されてなる円板状部材であって、ベース28の底壁部上面にこれと同心で接着固定されている。ヨーク32は、マグネット30よりも僅かに径の大きい円板状部材であって、マグネット30の上面にこれと同心で接着固定されている。これにより磁気回路ユニット18は、ヨーク32の外周面とベース28の内周面との間に、ボイスコイル24の下端部を収容する円筒状磁気間隙を全周同一幅で形成するようになっている。
【0039】
そして、この磁気回路ユニット18は、フレーム20の円形開口部20aに下方から嵌め込まれるようにしてフレーム20の底壁部20Aに接着固定されている。この底壁部20Aにおける円形開口部20aの周辺部には、ベース28の環状凹部28aと係合するようにして磁気回路ユニット18を受ける位置決め係止片20eが周方向に等間隔で3箇所に形成されている。
【0040】
図5は、図4のV 部詳細図であり、図6は、図4のVI-VI 線断面図である。
【0041】
これらの図にも示すように、端子プレート22は、その基端部22Aへ向けて二股に分岐するように形成されており、端子埋設部20Dの上面には2つの分岐部22A1、22A2が別々に露出している。内周寄りに位置する分岐部22A1は、ボイスコイル24のコイル端末24aとの導通固定部として構成されており、外周寄りに位置する分岐部22A2は、小孔22aが形成されたコイルバネ装着部として構成されている。
【0042】
これら導通固定部22A1およびコイルバネ装着部22A2は、端子埋設部20Dの上面と略面一でランド状に形成されている。その際、端子埋設部20Dの上面は、導通固定部22A1の露出位置の方がコイルバネ装着部22A2の露出位置よりも僅かに高い位置に設定されている。
【0043】
ボイスコイル24は、その上端がフレーム20の振動板支持部20Cの上面と略面一となるようにして円形開口部20a内に配置されている。そして、このボイスコイル24の上端部から延出する1対のコイル端末24aの各々が、その先端部近傍部位において端子プレート22の導通固定部22A1に熱圧着により導通固定されている。そして、この導通固定部22A1には、コイル端末24aの被熱圧着部24a1とそのボイスコイル24側の一般部との境界部分を覆うようにしてオーバコート34が施されている。
【0044】
このコイル端末24aの導通固定処理を行う必要上、端子埋設部20Dは、その上面が振動板支持部20Cおよび周壁部20Bを部分的に切り開くようにして形成されている。そして、この端子埋設部20Dと振動板支持部20Cに載置固定された振動板14との間にはシール剤36が充填されており、これにより背面空間C1を外部空間と仕切られた密閉空間として構成するようになっている。
【0045】
ただし、フレーム20の底壁部20Aには、背面空間C1と外部空間とを連通させる微小貫通孔20cが形成されており、この微小貫通孔20cにより背面空間C1の内圧が変動するのを防止するようになっている。この微小貫通孔20cは、内圧調整機能を発揮することができれば足りるので、φ1mm以下(好ましくは、φ0.5mm以下)のできるだけ小さい内径(例えば、φ0.3mm程度)で形成されている。
【0046】
フレーム20の端子埋設部20Dにおける導通固定部22A1の下方部位に形成された円柱穴20dは、上述したようにインサート保持治具によって形成される空間であるが、コイル端末24aを熱圧着する際には、この円柱穴20dに熱圧着用の受け治具(金属ピン)が挿入されるようになっている。
【0047】
一方、端子埋設部20Dにおけるコイルバネ装着部22A2の下方部位(裏側部位)には、フレーム20の基板対向面20bから端子プレート22まで延びる筒状凹部20hが形成されている。この筒状凹部20hは、その途中部分は端子プレート22の小孔22aを中心とする円柱状に形成されているが、その下端部は基板対向面20bへ向けて円錐状に広がるように形成されており、その上端部は端子プレート22へ向けて円錐状に狭まるように形成されている。
【0048】
本実施形態に係る電気音響変換器10は、表面実装により基板への取付けを行うように構成されているが、この電気音響変換器10を、コイルバネを用いたバネ圧接により基板への取付けを行う電気音響変換器として構成する場合には、図6において2点鎖線で示すように、筒状凹部20h内にコイルバネ40に挿入するとともにその先端部40aを端子プレート22の小孔22aに挿入し、この先端部40aにおいて端子プレート22のコイルバネ装着部22A2に固定するようになっている。この固定は、コイルバネ40の先端部40aをコイルバネ装着部22A2の上面にハンダ42によりハンダ付けすることにより行われるようになっている。
【0049】
なお、コイルバネ40は、そのコイル部の全長がフレーム20の筒状凹部20hの筒長よりも所定寸法長い値に設定されており、その巻径が筒状凹部20hの内径よりも所定寸法小さい値に設定されている。その際、コイルバネ40としては、ステンレス鋼にニッケルメッキおよび金メッキが施されたものが使用されるようになっている。
【0050】
本実施形態に係る電気音響変換器10においては、背面空間C1に2つの付加空間C2を加えた背面空間全体の容積が1cc以下となるようにフレーム20の形状が設定されている。このように背面空間の容積を小さい値に設定するのは、fo(最低共振周波数)を上昇させて音圧レベルも高くするためである。
【0051】
図7および8は、背面空間の容積と周波数特性との関係を調べるために行った実験の結果を示すグラフである。
【0052】
この実験においては、φ15mm、φ17mmの振動板を有する2種類のスピーカを、背面空間の容積が異なる密閉型のフレームに装着して正弦波印加により鳴動させ、振動板から5cm離れた位置で音圧レベルの測定を行った。
【0053】
図7に示すように、φ15mmの振動板を有するスピーカに対しては、背面空間の容積(振動板の振幅範囲の空間を差し引いた容積)が1.2cc、3.2cc、7.2cc、15.2cc、31.2ccの5種類について測定を行った。同図から明らかなように、背面空間の容積が3.2ccまで小さくなると、foが上昇して音圧レベルも高くなり、背面空間の容積が1.2ccまで小さくなると、さらにfoが上昇して音圧レベルも高くなった。
【0054】
図8に示すように、φ17mmの振動板を有するスピーカに対しては、背面空間の容積(振動板の振幅範囲の空間を差し引いた容積)が0.15cc、0.38cc、7.20ccの3種類について測定を行った。同図から明らかなように、背面空間の容積が7.20cc→0.38cc→0.15ccと小さくなるに従って、foが上昇して音圧レベルも高くなった。
【0055】
これら実験結果より、背面空間の容積を2cc以下に設定すれば、fo上昇により音圧レベルがある程度満足できるレベルまで高くなり、1cc以下に設定すれば、より満足できるレベルまで高くなることが確認できた。
【0056】
以上詳述したように、本実施形態に係る電気音響変換器10は、その振動板14の外周縁平坦部14aを支持するフレーム20が振動板14の背面空間を密閉するように形成されているので、基板への取付状態で収容される外部機器の筐体サイズや筐体形状等に関わりなく、常に背面空間C1の容積や形状を一定に維持することができる。
【0057】
したがって本実施形態によれば、基板への取付けを行い得るように構成された動電型の電気音響変換器において、その取付対象によって電気音響変換器の音圧特性にバラツキを生じてしまうのを防止することができる。
【0058】
また本実施形態のように、フレーム20が振動板14の背面空間C1を密閉するように形成されていることにより、異物(例えばハンダボールやフラックス等)が背面空間C1に入り込んでしまうおそれをなくすことができる。
【0059】
ところで本実施形態においては、背面空間C1が完全な密閉空間としては形成されておらず、フレーム20の底壁部20Aに背面空間C1と外部空間とを連通させる微小貫通孔20cが形成されているので、この微小貫通孔20cにより背面空間C1の内圧が変動するのを防止することができる。この微小貫通孔20cの内径はφ1mm以下の小さい値に設定されているので、該微小貫通孔20cが形成されたことによって、電気音響変換器10の取付対象によってその音圧特性にバラツキを生じてしまうのを防止することができるという効果が減殺されてしまうことはない。なお、本実施形態のようにフレーム20の底壁部20Aに微小貫通孔20cを形成する代わりに、フレーム20の他の部位あるいは振動板14に微小貫通孔を形成することも可能であり、また、このように微小貫通孔を形成する代わりに、フレーム20と振動板14との間に微小隙間を形成することも可能であり、このようにした場合においても背面空間C1の内圧調整機能を確保することが可能である。
【0060】
本実施形態においては、フレーム20が、平面視において15mm四方程度の略正方形の外形形状を有しており、20mm四方の正方形よりも小さいサイズに設定されているので、例えば携帯電話機等のように比較的筐体サイズが小さい外部機器の基板に対しても容易に取り付けることが可能となる。
【0061】
また本実施形態においては、フレーム20におけるダミー端子プレート26が埋設された2箇所のコーナ部に、背面空間C1と連通する付加空間C2が形成されているので、その分だけ背面空間C1を拡大することができ、これにより背面空間(背面空間C1+付加空間C2)の容積を一定に維持したままフレーム20の薄型化を図ることができる。
【0062】
その際、本実施形態においては、振動板14の外周縁平坦部14aが部分的に外周側へ延長形成されており、この延長形成部14cにより付加空間C2と外部空間(振動板14の上方側の空間)とが仕切られるように構成されているので、新たな部材を設けて仕切壁を形成するようにした場合に比して、より大きな容積の付加空間C2を、部品点数を増やすことなく形成することができる。
【0063】
さらに本実施形態においては、背面空間C1に2つの付加空間C2を加えた背面空間全体の容積が1cc以下になるようにフレーム20の形状が設定されているので、エアダンパ効果によりfoを大幅に上昇させることができ、これにより背面空間が開放空間となっている場合に比して音圧を大幅に増大させることができる。特に、このようにfoを上昇させることにより、高音域の音圧特性を向上させることができるので、電気音響変換器10を携帯電話機等に搭載した場合には、これを着信音の発生用として適したものとすることができる。なお、背面空間全体の容積が1ccを超える場合であっても、2cc以下であれば、音圧を十分に増大させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係る電気音響変換器を示す平面図(a)および底面図(b)
【図2】図1のIIa方向矢視図(a)およびIIb方向矢視図(b)
【図3】図1の III-III 線断面詳細図
【図4】上記電気音響変換器を、カバーを外して示す平面図
【図5】図4のV 部詳細図
【図6】図5のVI-VI 線断面図
【図7】背面空間の容積と周波数特性との関係を調べるために行った実験の結果を示すグラフ(その1)
【図8】上記実験の結果を示すグラフ(その2)
【符号の説明】
10 電気音響変換器
12 フレームサブアッシ
14 振動板
14a 外周縁平坦部(外周縁部)
14b 中間平坦部
14c 延長形成部
16 カバー
16A 天壁部
16B 周壁部
16a 放音孔
16b 円形凹部
18 磁気回路ユニット
20 フレーム
20A 底壁部
20B 周壁部
20C 振動板支持部
20D 端子埋設部
20a 円形開口部
20b 基板対向面(下面)
20c 微小貫通孔
20d、20f 円柱穴
20e 位置決め係止片
20g スリット
20h 筒状凹部
22 端子プレート
22A 基端部
22A1 導通固定部(分岐部)
22A2 コイルバネ装着部(分岐部)
22B、26B 先端部
22a 小孔
22b、26b 突起片
24 ボイスコイル
24a コイル端末
26 ダミー端子プレート
28 ベース
28a 環状凹部
30 マグネット
32 ヨーク
34 オーバコート
36 シール剤
38 接着剤
40 コイルバネ
40a 先端部
42 ハンダ
C1 背面空間
C2 付加空間

Claims (5)

  1. 基板への取付けを行い得るように構成された動電型の電気音響変換器であって、
    ボイスコイルが固定された振動板と、この振動板の外周縁部を支持するフレームと、を備えてなる電気音響変換器において、
    上記フレームが、該フレームの振動板支持部において上記振動板の外周縁部と接着固定されるとともに、上記振動板支持部における部分的に切り開かれた部分と上記振動板との間にシール剤が充填されることにより、上記振動板の背面空間を密閉するように形成されている、ことを特徴とする電気音響変換器。
  2. 上記フレームが、20mm四方の正方形よりも小さいサイズに設定されている、ことを特徴とする請求項1記載の電気音響変換器。
  3. 上記フレームが、該フレームにおける振動板支持部よりも外周側にコーナ部を有しており、このコーナ部に上記背面空間と連通する付加空間が形成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の電気音響変換器。
  4. 上記振動板の外周縁部が部分的に外周側へ延長形成されており、この延長形成部により上記付加空間と外部空間とを仕切るように構成されている、ことを特徴とする請求項3記載の電気音響変換器。
  5. 上記背面空間が、2cc以下の容積に設定されている、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の電気音響変換器。
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