JP2003324794A - 電気音響変換器 - Google Patents

電気音響変換器

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JP2003324794A JP2002127939A JP2002127939A JP2003324794A JP 2003324794 A JP2003324794 A JP 2003324794A JP 2002127939 A JP2002127939 A JP 2002127939A JP 2002127939 A JP2002127939 A JP 2002127939A JP 2003324794 A JP2003324794 A JP 2003324794A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板への取付けを行い得るように構成された
動電型の電気音響変換器において、その取付対象によっ
て音圧特性にバラツキを生じてしまうのを防止する。 【解決手段】 振動板14の外周縁平坦部14aを支持
するフレーム20を、振動板14の背面空間C1を密閉
するように形成する。これにより、基板への取付状態で
電気音響変換器が収容される外部機器の筐体サイズや筐
体形状等に関わりなく、常に背面空間C1の容積や形状
を一定に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、動電型の電気音
響変換器に関するものであり、特に、基板への取付けを
行い得るように構成された電気音響変換器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】小型のスピーカやマイクロホン等の電気
音響変換器は、基板への取付けを行い得るように構成さ
れているものが多い。
【0003】また、動電型の電気音響変換器において
は、ボイスコイルが固定された振動板の外周縁部をフレ
ームで支持するように構成されているが、一般にこのフ
レームには複数の放音孔が形成されており、振動板の背
面空間は開放空間となっている(例えば特開2001−
292493号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、上記従来の
動電型の電気音響変換器においては、基板への取付状態
で収容される外部機器の筐体サイズや筐体形状等によっ
て背面空間の容積や形状が異なったものとなってしま
い、このため音圧特性にバラツキが生じやすい、という
問題がある。
【0005】本願発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、基板への取付けを行い得るように構
成された動電型の電気音響変換器において、その取付対
象によって音圧特性にバラツキを生じてしまうのを防止
することができる電気音響変換器を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、フレームに
よって振動板の背面空間を密閉するように構成すること
により、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0007】すなわち、本願発明に係る電気音響変換器
は、基板への取付けを行い得るように構成された動電型
の電気音響変換器であって、ボイスコイルが固定された
振動板と、この振動板の外周縁部を支持するフレーム
と、を備えてなる電気音響変換器において、上記フレー
ムが、上記振動板の背面空間を密閉するように形成され
ている、ことを特徴とするものである。
【0008】上記「電気音響変換器」は、動電型の電気
音響変換器であれば、その種類は特に限定されるもので
はなく、例えば、小型のスピーカ、ブザー、マイクロホ
ン、レシーバ等が採用可能である。
【0009】また、この「電気音響変換器」は、基板へ
の取付けを行い得るように構成されているが、その具体
的な取付構造は特に限定されるものではなく、例えば、
表面実装、挿入実装、バネ圧接等による取付構造が採用
可能である。
【0010】上記「振動板」および「ボイスコイル」
は、動電型の電気音響変換器の構成要素として使用可能
なものであれば、その具体的構成は特に限定されるもの
ではない。
【0011】上記「フレーム」は、振動板の背面空間を
密閉するように形成されたものであれば、その大きさ、
形状、材質等の具体的構成は特に限定されるものではな
い。
【0012】
【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に
係る電気音響変換器は、その振動板の外周縁部を支持す
るフレームが振動板の背面空間を密閉するように形成さ
れているので、基板への取付状態で収容される外部機器
の筐体サイズや筐体形状等に関わりなく、常に背面空間
の容積や形状を一定に維持することができる。
【0013】したがって本願発明によれば、基板への取
付けを行い得るように構成された動電型の電気音響変換
器において、その取付対象によって電気音響変換器の音
圧特性にバラツキを生じてしまうのを防止することがで
きる。
【0014】また本願発明のように、フレームが振動板
の背面空間を密閉するように形成されていることによ
り、異物(例えばハンダボールやフラックス等)が背面
空間に入り込んでしまうおそれをなくすことができる。
【0015】なお、上記「振動板の背面空間」は、これ
を完全な密閉空間として構成してよいことはもちろんで
あるが、背面空間と外部空間とを連通させる調圧用の微
小貫通孔や微小隙間が形成された構成としてもよく、こ
のようにした場合においても、電気音響変換器の取付対
象によってその音圧特性にバラツキを生じてしまうのを
防止することができるという効果が減殺されてしまうこ
とはない。
【0016】上記「フレーム」の大きさが特に限定され
ないことは上述したとおりであるが、これを20mm四
方の正方形よりも小さいサイズに設定すれば、例えば携
帯電話機等のように比較的筐体サイズが小さい外部機器
の基板に対しても容易に取り付けることが可能となる。
【0017】また上記構成において、フレームを、その
振動板支持部よりも外周側にコーナ部を有する構成と
し、このコーナ部に背面空間と連通する付加空間を形成
するようにすれば、その分だけ背面空間を拡大すること
ができるので、背面空間の容積を一定に維持したままフ
レームの薄型化を図ることができる。なお、複数のコー
ナ部を有する場合には、すべてのコーナ部に付加空間を
形成してもよいし、一部のコーナ部に付加空間を形成し
てもよい。
【0018】このようにしてコーナ部に付加空間を形成
した場合には、付加空間と外部空間とを仕切る必要があ
るが、その際、振動板の外周縁部を部分的に外周側へ延
長形成し、この延長形成部により付加空間と外部空間と
を仕切るように構成すれば、新たな部材を設けて仕切壁
を形成するようにした場合に比して、より大きな容積の
付加空間を、部品点数を増やすことなく形成することが
できる。
【0019】ところで、上記背面空間(付加空間が形成
されている場合には背面空間+付加空間)の大きさは特
に限定されるものではないが、これを2cc以下の容積
に設定すれば、エアダンパ効果によりfo(最低共振周
波数)を上昇させることができ、これにより背面空間が
開放空間となっている場合に比して音圧を大幅に増大さ
せることができる。なお、この背面空間の容積を1cc
以下に設定すれば、音圧増大効果を一層高めることがで
きる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の
実施の形態について説明する。
【0021】図1は、本願発明の一実施形態に係る電気
音響変換器10を示す平面図(a)および底面図(b)
である。また、図2は、図1のIIa 方向矢視図(a)お
よびIIb 方向矢視図(b)であり、図3は、図1のIII-
III 線断面詳細図である。
【0022】これらの図に示すように、本実施形態に係
る電気音響変換器10は、小型の動電型スピーカであっ
て、外部機器(例えば携帯電話機等)の基板に取り付け
られた状態で使用されるようになっている。その際、本
実施形態に係る電気音響変換器10は、この基板への取
付けを表面実装により行う構成となっている。ただし、
この電気音響変換器10は、コイルバネを用いたバネ圧
接による基板への取付けにも対応し得るように構成され
ている。
【0023】電気音響変換器10は、フレームサブアッ
シ12と、このフレームサブアッシ12に上方から装着
された振動板14およびカバー16と、フレームサブア
ッシ12に下方から装着された磁気回路ユニット18と
からなっている。
【0024】図4は、この電気音響変換器10を、カバ
ー16を外して示す平面図である。
【0025】この図にも示すように、フレームサブアッ
シ12は、フレーム20と、1対の端子プレート22
と、ボイスコイル24と、1対のダミー端子プレート2
6とからなっている。
【0026】フレーム20は、ポリアミド系の合成樹脂
材料からなる射出成形品であって、平面視において15
mm四方程度の略正方形の外形形状を有している。
【0027】このフレーム20は、磁気回路ユニット1
8を装着するための円形開口部20aが中央部に形成さ
れた底壁部20Aと、この底壁部20Aの外周縁から上
方へ延びるように形成された周壁部20Bとを備えてな
っている。そして、このフレーム20における底壁部2
0Aの下面20bが、電気音響変換器10を基板に取り
付ける際に基板と対向する基板対向面を構成している。
この基板対向面20bは、磁気回路ユニット18の下面
よりも僅かに下方に位置するように形成されている。
【0028】フレーム20における周壁部20Bの内周
側には、底壁部20Aから円形開口部20aと略同心状
に立ち上がるようにして振動板支持部20Cが形成され
ている。そして、この振動板支持部20Cの上面に振動
板14が載置された状態で、該振動板14が振動板支持
部20Cに接着固定されることにより、振動板14の背
面側(下面側)に背面空間C1を形成するようになって
いる。
【0029】周壁部20Bの内周側の四隅のコーナ部の
うち、2箇所のコーナ部には上記端子プレート22が埋
設されており、残り2箇所には上記ダミー端子プレート
26が埋設されている。
【0030】端子プレート22が埋設された2箇所のコ
ーナ部には、底壁部20Aから振動板支持部20Cより
もやや低い高さ位置まで立ち上がるようにして端子埋設
部20Dが形成されている。
【0031】一方、ダミー端子プレート26が埋設され
た2箇所のコーナ部には、背面空間C1と連通する付加
空間C2が形成されている。この付加空間C2は、振動
板支持部20Cを略三角形にくり抜くとともにその内周
部にスリット20gを形成することにより構成されてい
る。そして、この付加空間C2は、振動板支持部20C
に振動板14が載置固定されることにより上方側の外部
空間と仕切られるようになっている。
【0032】端子プレート22およびダミー端子プレー
ト26は、金属板のプレスおよび曲げ加工品として構成
されており、フレームサブアッシ12をインサート成形
で製造することによりフレーム20と一体的に形成され
ている。端子プレート22は、その基端部22Aが端子
埋設部20Dの上面に露出しており、その先端部22B
が基板対向面20bに露出している。一方、ダミー端子
プレート26は、その基端部26Aが付加空間C2に露
出しており、その先端部26Bが基板対向面20bに露
出している。
【0033】端子プレート22およびダミー端子プレー
ト26の先端部22B、26Bは、基板対向面20bと
略面一で周壁部20Bよりも外周側まで延びた後、該周
壁部20Bの外側面に略沿って上方へ突起片22b、2
6bとして僅かに延びるように形成されている。なお、
これら突起片22b、26bは、フレームサブアッシ1
2のインサート成形後にフレーム20の周壁部20Bか
らインサートの一部として突出して残る帯状片を所定位
置で切断するとともに該帯状片に曲げ加工を施すことに
より形成されるようになっている。
【0034】フレーム20の底壁部20Aには、上記イ
ンサート成形の際に用いられるインサート保持治具によ
り、フレーム20の基板対向面20bから端子プレート
22およびダミー端子プレート26まで円柱状に延びる
円柱穴20dおよび20fが1対ずつ形成されている。
【0035】振動板14は、同心円状に形成された複数
の凹凸を有するダイヤフラム状の部材であって、ポリイ
ミド(PI)製の合成樹脂フィルムに熱プレス成形を施
すことにより形成されている。そして、この振動板14
は、その外周縁平坦部14a(外周縁部)においてフレ
ーム20の振動板支持部20Cの上面に接着固定される
とともに、その中間平坦部14bにおいてボイスコイル
24の上端に接着固定されている。この振動板14は、
ダミー端子プレート26が埋設された2箇所のコーナ部
においては、その外周縁平坦部14aが外周側へ延長形
成されており、この延長形成部14cによって付加空間
C2と振動板14の上方側の外部空間とを仕切るように
なっている、カバー16は、ポリアミド系の合成樹脂材
料からなる射出成形品であって、平面視においてフレー
ム20と略同じ外形形状(15mm四方程度の略正方形
の外形形状)を有している。
【0036】このカバー16は、天壁部16Aと、この
天壁部16Aの外周縁部から下方へ延びる周壁部16B
とからなり、天壁部16Aの外周縁部には横長矩形状の
放音孔16aが形成されている。この放音孔16aは、
ダミー端子プレート26が埋設された2箇所のコーナ部
の間の位置において周壁部16Bを切り欠くようにして
形成されている。そして、このカバー16は、その周壁
部16Bにおいてフレーム20の周壁部20Bに接着剤
38を介して接着固定されている。なお、天壁部16A
の下面中心部には、振動板14が振動したときに該振動
板14との干渉を回避するための円形凹部16bが形成
されている。
【0037】磁気回路ユニット18は、鋼製のベース2
8と、マグネット30と、鋼製のヨーク32とからなっ
ている。
【0038】ベース28は、有底円筒状に形成されてお
り、その上端外周部には環状凹部28aが形成されてい
る。マグネット30は、ネオジ焼結磁石(Nd−Fe−
B焼結磁石)の表面にニッケルメッキが施されてなる円
板状部材であって、ベース28の底壁部上面にこれと同
心で接着固定されている。ヨーク32は、マグネット3
0よりも僅かに径の大きい円板状部材であって、マグネ
ット30の上面にこれと同心で接着固定されている。こ
れにより磁気回路ユニット18は、ヨーク32の外周面
とベース28の内周面との間に、ボイスコイル24の下
端部を収容する円筒状磁気間隙を全周同一幅で形成する
ようになっている。
【0039】そして、この磁気回路ユニット18は、フ
レーム20の円形開口部20aに下方から嵌め込まれる
ようにしてフレーム20の底壁部20Aに接着固定され
ている。この底壁部20Aにおける円形開口部20aの
周辺部には、ベース28の環状凹部28aと係合するよ
うにして磁気回路ユニット18を受ける位置決め係止片
20eが周方向に等間隔で3箇所に形成されている。
【0040】図5は、図4のV 部詳細図であり、図6
は、図4のVI-VI 線断面図である。
【0041】これらの図にも示すように、端子プレート
22は、その基端部22Aへ向けて二股に分岐するよう
に形成されており、端子埋設部20Dの上面には2つの
分岐部22A1、22A2が別々に露出している。内周
寄りに位置する分岐部22A1は、ボイスコイル24の
コイル端末24aとの導通固定部として構成されてお
り、外周寄りに位置する分岐部22A2は、小孔22a
が形成されたコイルバネ装着部として構成されている。
【0042】これら導通固定部22A1およびコイルバ
ネ装着部22A2は、端子埋設部20Dの上面と略面一
でランド状に形成されている。その際、端子埋設部20
Dの上面は、導通固定部22A1の露出位置の方がコイ
ルバネ装着部22A2の露出位置よりも僅かに高い位置
に設定されている。
【0043】ボイスコイル24は、その上端がフレーム
20の振動板支持部20Cの上面と略面一となるように
して円形開口部20a内に配置されている。そして、こ
のボイスコイル24の上端部から延出する1対のコイル
端末24aの各々が、その先端部近傍部位において端子
プレート22の導通固定部22A1に熱圧着により導通
固定されている。そして、この導通固定部22A1に
は、コイル端末24aの被熱圧着部24a1とそのボイ
スコイル24側の一般部との境界部分を覆うようにして
オーバコート34が施されている。
【0044】このコイル端末24aの導通固定処理を行
う必要上、端子埋設部20Dは、その上面が振動板支持
部20Cおよび周壁部20Bを部分的に切り開くように
して形成されている。そして、この端子埋設部20Dと
振動板支持部20Cに載置固定された振動板14との間
にはシール剤36が充填されており、これにより背面空
間C1を外部空間と仕切られた密閉空間として構成する
ようになっている。
【0045】ただし、フレーム20の底壁部20Aに
は、背面空間C1と外部空間とを連通させる微小貫通孔
20cが形成されており、この微小貫通孔20cにより
背面空間C1の内圧が変動するのを防止するようになっ
ている。この微小貫通孔20cは、内圧調整機能を発揮
することができれば足りるので、φ1mm以下(好まし
くは、φ0.5mm以下)のできるだけ小さい内径(例
えば、φ0.3mm程度)で形成されている。
【0046】フレーム20の端子埋設部20Dにおける
導通固定部22A1の下方部位に形成された円柱穴20
dは、上述したようにインサート保持治具によって形成
される空間であるが、コイル端末24aを熱圧着する際
には、この円柱穴20dに熱圧着用の受け治具(金属ピ
ン)が挿入されるようになっている。
【0047】一方、端子埋設部20Dにおけるコイルバ
ネ装着部22A2の下方部位(裏側部位)には、フレー
ム20の基板対向面20bから端子プレート22まで延
びる筒状凹部20hが形成されている。この筒状凹部2
0hは、その途中部分は端子プレート22の小孔22a
を中心とする円柱状に形成されているが、その下端部は
基板対向面20bへ向けて円錐状に広がるように形成さ
れており、その上端部は端子プレート22へ向けて円錐
状に狭まるように形成されている。
【0048】本実施形態に係る電気音響変換器10は、
表面実装により基板への取付けを行うように構成されて
いるが、この電気音響変換器10を、コイルバネを用い
たバネ圧接により基板への取付けを行う電気音響変換器
として構成する場合には、図6において2点鎖線で示す
ように、筒状凹部20h内にコイルバネ40に挿入する
とともにその先端部40aを端子プレート22の小孔2
2aに挿入し、この先端部40aにおいて端子プレート
22のコイルバネ装着部22A2に固定するようになっ
ている。この固定は、コイルバネ40の先端部40aを
コイルバネ装着部22A2の上面にハンダ42によりハ
ンダ付けすることにより行われるようになっている。
【0049】なお、コイルバネ40は、そのコイル部の
全長がフレーム20の筒状凹部20hの筒長よりも所定
寸法長い値に設定されており、その巻径が筒状凹部20
hの内径よりも所定寸法小さい値に設定されている。そ
の際、コイルバネ40としては、ステンレス鋼にニッケ
ルメッキおよび金メッキが施されたものが使用されるよ
うになっている。
【0050】本実施形態に係る電気音響変換器10にお
いては、背面空間C1に2つの付加空間C2を加えた背
面空間全体の容積が1cc以下となるようにフレーム2
0の形状が設定されている。このように背面空間の容積
を小さい値に設定するのは、fo(最低共振周波数)を
上昇させて音圧レベルも高くするためである。
【0051】図7および8は、背面空間の容積と周波数
特性との関係を調べるために行った実験の結果を示すグ
ラフである。
【0052】この実験においては、φ15mm、φ17
mmの振動板を有する2種類のスピーカを、背面空間の
容積が異なる密閉型のフレームに装着して正弦波印加に
より鳴動させ、振動板から5cm離れた位置で音圧レベ
ルの測定を行った。
【0053】図7に示すように、φ15mmの振動板を
有するスピーカに対しては、背面空間の容積(振動板の
振幅範囲の空間を差し引いた容積)が1.2cc、3.
2cc、7.2cc、15.2cc、31.2ccの5
種類について測定を行った。同図から明らかなように、
背面空間の容積が3.2ccまで小さくなると、foが
上昇して音圧レベルも高くなり、背面空間の容積が1.
2ccまで小さくなると、さらにfoが上昇して音圧レ
ベルも高くなった。
【0054】図8に示すように、φ17mmの振動板を
有するスピーカに対しては、背面空間の容積(振動板の
振幅範囲の空間を差し引いた容積)が0.15cc、
0.38cc、7.20ccの3種類について測定を行
った。同図から明らかなように、背面空間の容積が7.
20cc→0.38cc→0.15ccと小さくなるに
従って、foが上昇して音圧レベルも高くなった。
【0055】これら実験結果より、背面空間の容積を2
cc以下に設定すれば、fo上昇により音圧レベルがあ
る程度満足できるレベルまで高くなり、1cc以下に設
定すれば、より満足できるレベルまで高くなることが確
認できた。
【0056】以上詳述したように、本実施形態に係る電
気音響変換器10は、その振動板14の外周縁平坦部1
4aを支持するフレーム20が振動板14の背面空間を
密閉するように形成されているので、基板への取付状態
で収容される外部機器の筐体サイズや筐体形状等に関わ
りなく、常に背面空間C1の容積や形状を一定に維持す
ることができる。
【0057】したがって本実施形態によれば、基板への
取付けを行い得るように構成された動電型の電気音響変
換器において、その取付対象によって電気音響変換器の
音圧特性にバラツキを生じてしまうのを防止することが
できる。
【0058】また本実施形態のように、フレーム20が
振動板14の背面空間C1を密閉するように形成されて
いることにより、異物(例えばハンダボールやフラック
ス等)が背面空間C1に入り込んでしまうおそれをなく
すことができる。
【0059】ところで本実施形態においては、背面空間
C1が完全な密閉空間としては形成されておらず、フレ
ーム20の底壁部20Aに背面空間C1と外部空間とを
連通させる微小貫通孔20cが形成されているので、こ
の微小貫通孔20cにより背面空間C1の内圧が変動す
るのを防止することができる。この微小貫通孔20cの
内径はφ1mm以下の小さい値に設定されているので、
該微小貫通孔20cが形成されたことによって、電気音
響変換器10の取付対象によってその音圧特性にバラツ
キを生じてしまうのを防止することができるという効果
が減殺されてしまうことはない。なお、本実施形態のよ
うにフレーム20の底壁部20Aに微小貫通孔20cを
形成する代わりに、フレーム20の他の部位あるいは振
動板14に微小貫通孔を形成することも可能であり、ま
た、このように微小貫通孔を形成する代わりに、フレー
ム20と振動板14との間に微小隙間を形成することも
可能であり、このようにした場合においても背面空間C
1の内圧調整機能を確保することが可能である。
【0060】本実施形態においては、フレーム20が、
平面視において15mm四方程度の略正方形の外形形状
を有しており、20mm四方の正方形よりも小さいサイ
ズに設定されているので、例えば携帯電話機等のように
比較的筐体サイズが小さい外部機器の基板に対しても容
易に取り付けることが可能となる。
【0061】また本実施形態においては、フレーム20
におけるダミー端子プレート26が埋設された2箇所の
コーナ部に、背面空間C1と連通する付加空間C2が形
成されているので、その分だけ背面空間C1を拡大する
ことができ、これにより背面空間(背面空間C1+付加
空間C2)の容積を一定に維持したままフレーム20の
薄型化を図ることができる。
【0062】その際、本実施形態においては、振動板1
4の外周縁平坦部14aが部分的に外周側へ延長形成さ
れており、この延長形成部14cにより付加空間C2と
外部空間(振動板14の上方側の空間)とが仕切られる
ように構成されているので、新たな部材を設けて仕切壁
を形成するようにした場合に比して、より大きな容積の
付加空間C2を、部品点数を増やすことなく形成するこ
とができる。
【0063】さらに本実施形態においては、背面空間C
1に2つの付加空間C2を加えた背面空間全体の容積が
1cc以下になるようにフレーム20の形状が設定され
ているので、エアダンパ効果によりfoを大幅に上昇さ
せることができ、これにより背面空間が開放空間となっ
ている場合に比して音圧を大幅に増大させることができ
る。特に、このようにfoを上昇させることにより、高
音域の音圧特性を向上させることができるので、電気音
響変換器10を携帯電話機等に搭載した場合には、これ
を着信音の発生用として適したものとすることができ
る。なお、背面空間全体の容積が1ccを超える場合で
あっても、2cc以下であれば、音圧を十分に増大させ
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係る電気音響変換器を
示す平面図(a)および底面図(b)
【図2】図1のIIa方向矢視図(a)およびIIb方向矢視
図(b)
【図3】図1の III-III 線断面詳細図
【図4】上記電気音響変換器を、カバーを外して示す平
面図
【図5】図4のV 部詳細図
【図6】図5のVI-VI 線断面図
【図7】背面空間の容積と周波数特性との関係を調べる
ために行った実験の結果を示すグラフ(その1)
【図8】上記実験の結果を示すグラフ(その2)
【符号の説明】
10 電気音響変換器 12 フレームサブアッシ 14 振動板 14a 外周縁平坦部(外周縁部) 14b 中間平坦部 14c 延長形成部 16 カバー 16A 天壁部 16B 周壁部 16a 放音孔 16b 円形凹部 18 磁気回路ユニット 20 フレーム 20A 底壁部 20B 周壁部 20C 振動板支持部 20D 端子埋設部 20a 円形開口部 20b 基板対向面(下面) 20c 微小貫通孔 20d、20f 円柱穴 20e 位置決め係止片 20g スリット 20h 筒状凹部 22 端子プレート 22A 基端部 22A1 導通固定部(分岐部) 22A2 コイルバネ装着部(分岐部) 22B、26B 先端部 22a 小孔 22b、26b 突起片 24 ボイスコイル 24a コイル端末 26 ダミー端子プレート 28 ベース 28a 環状凹部 30 マグネット 32 ヨーク 34 オーバコート 36 シール剤 38 接着剤 40 コイルバネ 40a 先端部 42 ハンダ C1 背面空間 C2 付加空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 貴春 静岡県静岡市中吉田20番10号 スター精密 株式会社内 Fターム(参考) 5D012 CA01 FA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板への取付けを行い得るように構成さ
    れた動電型の電気音響変換器であって、 ボイスコイルが固定された振動板と、この振動板の外周
    縁部を支持するフレームと、を備えてなる電気音響変換
    器において、 上記フレームが、上記振動板の背面空間を密閉するよう
    に形成されている、ことを特徴とする電気音響変換器。
  2. 【請求項2】 上記フレームが、20mm四方の正方形
    よりも小さいサイズに設定されている、ことを特徴とす
    る請求項1記載の電気音響変換器。
  3. 【請求項3】 上記フレームが、該フレームにおける振
    動板支持部よりも外周側にコーナ部を有しており、この
    コーナ部に上記背面空間と連通する付加空間が形成され
    ている、ことを特徴とする請求項1または2記載の電気
    音響変換器。
  4. 【請求項4】 上記振動板の外周縁部が部分的に外周側
    へ延長形成されており、この延長形成部により上記付加
    空間と外部空間とを仕切るように構成されている、こと
    を特徴とする請求項3記載の電気音響変換器。
  5. 【請求項5】 上記背面空間が、2cc以下の容積に設
    定されている、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか
    記載の電気音響変換器。
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