JPH09215091A - 電磁型発音体 - Google Patents

電磁型発音体

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Publication number
JPH09215091A
JPH09215091A JP1490796A JP1490796A JPH09215091A JP H09215091 A JPH09215091 A JP H09215091A JP 1490796 A JP1490796 A JP 1490796A JP 1490796 A JP1490796 A JP 1490796A JP H09215091 A JPH09215091 A JP H09215091A
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resin
diaphragm
lower case
case
yoke plate
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JP1490796A
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Inventor
Shinichiro Kitanishi
真一路 北西
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂製振動板を安定に保持して、特性のバラ
ツキを抑え、耐機械的衝撃(応力)に対して特性が安定
した電磁型発音体を提供する。 【解決手段】 電磁型発音体1は、容器2内に樹脂製振
動板5と、振動板5を振動せしめるコイル6およびマグ
ネット7を対向配置させている。特に、樹脂製振動板5
は、容器2を構成する上ケース21と下ケース24とで
挾持するとともに、熱硬化性樹脂接着剤で接着固定し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は電話機のハンドセッ
トなどに使用される電磁型発音体に関し、詳しくは振動
板の保持構造の改良した電磁型発音体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電磁型発音体は電話機のハンドセットな
どに小型の音声発生部品として使用されている。従来か
ら電磁型発音体が多用されていた。そして、本発明者は
先に、磁性体金属材料からなる振動板を用いた電磁型発
音体に比較して、特に低周波数域の音響特性を向上させ
るべく、図4に示すような振動板として、ポリイミドや
ポリエーテルイミド等の樹脂製の振動板に磁性体アマチ
ュアを貼着した電磁型発音体を提案した(特願平7−2
24126号)。
【0003】構造には、上部カバーである上ケース21
と、筒状のケース体である下ケース24と、磁束発生手
段(コイル6、マグネット7)を有するヨーク板3と、
磁性体金属アマチュア4が貼着された樹脂製振動板5と
から構成されていた。尚、ここで、上ケース21と下ケ
ース24とで容器2という。
【0004】下ケース24の内壁には、リング状の載置
突出部25が周設されており、該載置突出部25の上部
側の接合面26に樹脂製振動板5が接着され、下部側の
接合面27にヨーク板3が接着され、夫々下ケース24
に保持されていた。また、下ケース24の上側の開口に
は、上ケース21が嵌合されていた。
【0005】ここで、樹脂製振動板5は、厚みが5〜5
0μm、例えば25μm程度の樹脂フィルムからなり、
断面形状が円盆状を呈している。そして、樹脂製振動板
5の中央の平板部には、磁性体金属アマチュア4が貼付
されていた。
【0006】ヨーク板3の内部側主面の中央には、突出
部(センターポール)31が形成され、突出部31の周
囲にコイル6が巻回するように配置され、さらに、コイ
ル6の周囲にリング状のマグネット7が配置されてい
た。
【0007】この構造によって、コイル6およびマグネ
ット7から発生して鉄などの磁性体で作られたヨーク板
3の突出部31から放出される磁束によって、振動板
5、特にその磁性金属アマチュア5が磁化されることに
なる。
【0008】そして外部の駆動回路から一対のリード端
子(図示せず)を介して、コイル6に音声信号に対応す
る交流信号が与えられると、ヨーク板3の突出部31か
ら放出される磁束の強度および磁束の発生方向が変動
し、これに伴って樹脂製振動板5が屈曲振動することに
なり、その結果、容器2内部の空気が振動して所定周波
数の音響信号が上ケース21に複数個形成された放音穴
23から放音されることになる。
【0009】このような樹脂製振動板5は、その外周部
が容器2を構成する下ケース24のの内部に周設された
載置突出部25の上部側の接合面26にエポキシ接着剤
などから成る接着層を介して接着・固定されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】樹脂製振動板5は、上
述したように例えば25μmと非常に薄く、可撓性を有
するものであり、樹脂製振動板5と載置突出部25の接
着状態によっては、振動板5の張り状態にムラが発生し
てしまい、特性が各電磁型発音体間でばらついてしまう
という問題点があった。
【0011】また、特性の安定化において構造的に重要
なこと、ヨーク板3の突出部31と磁性体金属アマチュ
ア4、言い換えれば、樹脂製振動板5との間隔である。
【0012】しかし、上述の電磁型発音体では、樹脂製
振動板5が容器2を構成する下ケース24に単に接着・
固定されているため、接着状態によって、ヨーク板3の
突出部31と振動板5との間隔が所定値から変動してし
まい、これによっても特性が各電磁型発音体間でばらつ
いてしまう。
【0013】また、所定特性の電磁型発音体の単体であ
ったも、容器2の外部から与えられる機械的な応力のに
よって、特性が変動してしまうことがあった。これは、
例えば、電磁型発音体を電話機のハンドセットに組み込
む際には発生するものであり、セットメーカーの組み込
み方次第で、特性が変動してしまうことになる。
【0014】この変動の原因も上述のしたように、振動
板5が下ケース24の載置突出部25に単に接着・固定
されているため、固定状態が安定しないことに起因して
いるものと思われる。
【0015】本発明は上述の問題点に鑑みて案出したも
のであり、その目的は、樹脂製振動板の保持構造を改良
することによって、各発音体間の特性のバラツキを防止
するとともに、外部の機械的な応力が加わって特性が変
動しにくい電磁型発音体を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁型発音体
は、上ケースと下ケースとから成る容器内に、樹脂製振
動板と、該樹脂製振動板を振動せしめるコイルおよびマ
グネットが取着されたヨーク板とを対向するように配置
されて成る電磁型発音体において、前記樹脂製振動板の
外周部を、前記上ケースと下ケースとで挾持するととも
に、熱硬化性樹脂によって容器に接着させた電磁型発音
体である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の電磁型発音体によれば、
樹脂製振動板と容器との配置が、上下に分割された2つ
のケースによって挾持されるとともに、熱硬化性樹脂の
接着剤によって固着されている。
【0018】従って、樹脂製振動板は、上下分割された
2つのケースによって挾持されていることにより、樹脂
製振動板の上下方向の寸法が安定し、しかも、熱硬化性
樹脂の接着剤によって上ケースと下ケースとが機械的に
強固に一体されることになる。
【0019】即ち、樹脂製振動板の上下方向の取着位置
の安定によって、樹脂製振動板とヨーク板との位置関係
が安定することによって、発音体間での特性のばらつき
を抑えることができる。
【0020】また、上ケースと下ケースとから成る容器
に、外部から機械的な応力が加えられても、樹脂製振動
板とヨークとの位置関係が変動することがないため、ハ
ンドセットへの実装状態に係わらず、安定した特性を導
出することができる。
【0021】同時に、樹脂製振動板の外周部が、均一に
熱硬化性樹脂によって固定されており、且つ熱硬化性樹
脂の硬化前においては、上ケースと下ケースとで挾持さ
れていることになるため、樹脂製振動板の外周部の固定
状態が画一化させることが容易となる。
【0022】従って、各発音体間で樹脂製振動板の固着
状態が安定・画一化するため、樹脂製振動板の張り状態
が均一化して、各発音体間で音圧特性のばらつきを抑え
ることができる。
【0023】以下、本発明の電磁型発音体を図面に基づ
いて詳説する。
【0024】図1は本発明の電磁型発音体の構成例を示
す断面図である。尚、図4に示す従来の電磁型発音体と
同一部分は同一符号を付して説明する。
【0025】図1に示すように本発明の電磁型発音体1
は、上ケース21と下ケース24とから成る容器20
と、ヨーク板3と、磁性体金属アマチュア4が貼付され
た樹脂製振動板5と、コイル6及びマグネット7の磁束
発生手段とから構成されている。
【0026】容器20は樹脂製の上ケース21、下ケー
ス24から構成され、この容器20の形状は、下面が開
口した円筒状形状を有するものである、尚、下面開口に
は、ヨーク板3が取着される。
【0027】上ケース21は、下ケース24に内部に嵌
合して、且つ樹脂製振動板5を挾持する挾持部22が周
設されている。また、上ケース21の上面には、複数の
放音穴23が形成されている。
【0028】下ケース24は、その内壁に、載置突出部
25が周設されており、その載置突出部25の上面が、
樹脂製振動板5が載置・接合する面(上部側接合面2
6)となり、その下面が、ヨーク板3が配置・接合され
る面(下部側接合面27)となっている。
【0029】ヨーク板3は、Niメッキを施した鉄ある
いはSUS430 などの磁性体金属材料から成る板状部と
なっており、この板状部の中央には容器20の内部側に
突出した突出部31が形成されいる。突出部31は、直
径2〜5mm・高さ 0.5〜1.5 mm程度の大きさで形成
されていて、この突出部31がヨークセンターポール部
となる。突出部31の周囲には、コイル巻線が巻回して
コイル6が配置されることになる。尚、コイル巻線を容
易にするために、突出部31の上端部に鍔部を連続また
は断続して形成し、この板状部と鍔部との空間をコイル
ボビンとしてもよい。尚、このコイル巻線の両端は、図
示していないが、ヨーク板3の端部に突出した端子に接
続している。また、ヨーク板3の板状部上、例えばコイ
ル6の周囲には、リング状のマグネットが配置されてい
る。
【0030】これによって、ヨーク板3は、コイル6及
びリング状マグネット7の磁束発生手段を具備すること
になり、このコイル6及びリング状マグネット7の磁束
が、突出部31によって集中されることになる。
【0031】このようなヨーク板3は、板状部の外周部
で下ケース24の載置突出部25の下部側接合面27に
熱硬化性接着剤を介して嵌合され、容器20と一体化さ
れる。 コイル6を突出部31に直接巻回する場合に
は、アルコールおよび熱によって溶け固まる接着剤を塗
布した状態で巻回処理し、溶着処理することで、機械的
な衝撃に強いコイル6を形成されることになる。
【0032】また、突出部31を別部材で構成して、コ
イル6を巻回処理した後に、ヨーク板3の板状部に接合
することもでき、さらに、コイル6をコイルボビンに巻
回処理し、このコイルボビンを突出部31に取着するこ
ともできる。この場合、突出部31の鍔部は不要であ
る。
【0033】リング状マグネット7は、例えばゴム成分
とFe−Al−Ni−Co系、Cu−Ni−Fe系など
の磁石鋼成分とを混合して固化したもので、コイル6の
周囲に配置されるようにリング状を成しており、ヨーク
板3にエポキシ接着剤などで固定されて取着されてい
る。
【0034】樹脂製振動板5は、ポリイミド、ポリエー
テルイミド等の耐熱製樹脂からなり、その厚みが5〜5
0μm、例えば25μmであり、直径は、下ケース24
の開口径と実質的に同一の例えば18mm程度となって
おり、この樹脂製振動板5の何れかの主面の中心部分に
は、Ni、42Ni−Feなどの磁性体金属から成る磁
性体金属アマチュア4が、熱硬化性樹脂接着剤を介して
貼付されている。
【0035】これによって、樹脂製振動板5自身は、非
磁性体てあるものの、ヨーク板3の突出部31から放出
される磁束は、磁性体金属アマチュア4で有効に捕らえ
ることができ、樹脂製振動板5を安定して振動させるこ
とが可能となる。
【0036】磁性体金属アマチュア4の構成は厚みが薄
く、直径の大きい第1のアマチュア41、厚みが厚く、
直径の小さい第2のアマチュア42とから構成すること
ができる。例えば、第1アマチュアの厚みは、例えば
0.05mm、直径が13mmであり、第2のアマチュ
アの厚みは、例えば0.127mm、直径が6mmであ
る。
【0037】例えば、第1のアマチュア41は、ヨーク
板3の突出部31から放出される磁束を広い範囲で捕ら
えるために直径が広く、同時に、振動板5の軽量化を考
慮して、厚みが薄くなっている。また、第2のアマチュ
ア42は、ヨーク板3の突出部31、振動板5の中央部
分に相当する位置に対応するように直径が小さくなって
おり、保磁力を高めるために厚みが厚くなっている。
【0038】このような樹脂製振動板5は、その外周部
で容器20に固定されている。具体的には、容器20を
構成する下ケース24の載置突出部25の上部側接合面
26に一液性エポキシ樹脂などの熱硬化樹脂接着剤を介
して載置・固定され、さらに、上ケース21の挾持部2
2に一液性エポキシ樹脂などの熱硬化樹脂接着剤を介し
て抑えされているようにして固定されている。この熱硬
化樹脂接着剤が熱硬化処理によって硬化して接着層9を
構成する。
【0039】尚、樹脂製振動板5の形状として円盆状と
することが望ましい。
【0040】樹脂製振動板5の外周部(熱硬化性樹脂接
着剤を介して、上ケース21と下ケース24とによって
挾持される部分)と、樹脂製振動板5の中央部(熱硬化
性樹脂接着剤によって、磁性体金属アマチュア4が貼着
される部分)とが平板部となっており、両平板部の境界
領域部分が傾斜面、円弧面となっている。
【0041】また、傾斜面、円弧面に、タンジェンシャ
ル凹状しぼりの溝や溝あるいは隆起を金型に形成しても
よい。このような形状の樹脂製振動板5は、樹脂のしぼ
り加工によって形成することができる。この円盆状の樹
脂製振動板5によって、振動板自身にスプリング効果を
持たせることによって、振動板5の振動を容易にし、音
圧特性の向上を図るものである。また、樹脂製振動板5
であるために、振動板自身の軽量化、さらに、加工の自
由度によって、金属振動板では奏することのもいスプリ
ング効果を持たせることができ、樹脂製振動板5の中央
部に貼着した磁性体金属アマチュア4とともに作用し
て、振動板の共振点を引き下げることができ、低周波数
域(1kHz以下)の音響特性、特に音圧特性を向上さ
せ、感度も高めた電磁型発音体を提供することが可能と
なる。
【0042】このような構成により、外部の駆動回路か
ら一対のリード端子(図示せず)を介して、コイル6に
音声信号に対応する交流信号が与えられると、ヨーク板
3の突出部31から放出される磁束の強度および磁束の
発生方向が変動し、これに伴って樹脂製振動板5に貼着
した磁性体金属アマチュア4に作用し、樹脂製振動板5
が屈曲振動することになり、その結果、容器20内部の
空気が振動して所定周波数の音響信号が容器20(上ケ
ース21)のに複数個形成された放音穴23から放音さ
れることになる。また、ヨーク板3側の外部には音声信
号に対応する磁束が漏れることになり、この漏れ磁束を
ピックアップコイルなどで捕捉すれば、難聴者が音声信
号を得ることができる。
【0043】このように、優れた特性を得ることができ
る樹脂製振動板5の保持構造である。即ち、樹脂製振動
板5の厚みは、5〜50μmの樹脂製であるため、樹脂
製振動板5の保持状態によって、樹脂製振動板5とヨー
ク板3の突出部31との間隔が変動したり、振動板の張
り状態が変動したり、また、容器20の外部からの機械
的な応力によって、振動板が変形してしまい、樹脂製振
動板5とヨーク板3の突出部31との間隔が変動したり
して、その結果、潜在的に優れた特性が得られるもの
が、充分な特性を得られないということが考えられる。
【0044】このため、本発明では、樹脂製振動板5の
保持構造の改良を行った。具体的には、特に樹脂振動板
5の外周を、上ケース21の一部(挾持部22)と下ケ
ース24の一部(載置突出部25)で挾持するととも
に、熱硬化樹脂接着剤から成る接着層9で接着・固定し
たものである。尚、熱硬化樹脂接着剤とは、例えば、一
液性エポキシ樹脂であり、硬化後の硬度が70〜90
(ショーアDスケール)という比較的硬いものが例示で
きる。
【0045】このように、樹脂製振動板5を、上ケース
21と下ケース24で挾持したことによって、熱硬化樹
脂接着剤の接着状態の若干変動しても、容器20内にお
ける樹脂製振動板5の高さ方向の位置が安定する。これ
によって、ヨーク板3の突出部31と樹脂製振動板5、
特に磁性体金属アマチュア4との間隔を、各発音体1間
でのばらつきを防止でき、画一的な特性を導出する発音
体1が得られる。
【0046】同時に、樹脂製振動板5の機械的な挾持及
び接着固定によって、樹脂製振動板5の張り状態を各発
音体1間でのばらつきを防止でき、画一的な特性を導出
する発音体1が得られる。
【0047】さらに、上ケース21と下ケース24とが
樹脂製振動板5を挟んで、硬度の高い熱硬化性樹脂接着
剤によって、機械的に一体化しているため、容器20の
外部から加えられる機械的な応力、例えば、ハンドセッ
トに装着する際の、また装着状態で与えられる機械的な
応力や、ハンドセットに組み込まれてからの応力、さら
に、ハンドセットに装着される前に与えられる機械的衝
撃が、上ケース21、下ケース24、さらに、樹脂製振
動板5にも分散して加わるため、特に、樹脂製振動板5
とヨーク板3の突出部31との間隔の変動を有効に抑え
られることになる。従って、外部の機械的な応力によっ
て、特性が変動することがない。
【0048】次に簡単に以上の構造の電磁型発音体の組
み立て方法を説明する。
【0049】まず、大きくは、4つの部品を別々で形成
する。即ち、上ケース21、下ケース24、磁性体金属
アマチュア4を含む樹脂製振動板5、磁束発生手段を有
するヨーク板3である。
【0050】磁性体金属アマチュア4を含む樹脂製振動
板5は、上述したように、所定加工によって形成された
樹脂製振動板5に、熱硬化性樹脂接着剤を用いて、1
層、または2層構造の磁性体金属アマチュア4を貼着し
ておく。
【0051】ヨーク板3は、上述したように、突出部3
1の周囲に直接、またと間接的にコイル巻線を巻回した
コイル6を配置し、コイル巻線をヨーク板3の一部に形
成した端子(図示ぜす)に接続しておく。さらに、マグ
ネット7を接着剤を介して、ヨーク板3に配置してお
く。
【0052】このような状態で、例えば上ケース21の
挾持部22の先端部分に、接着層9となる熱硬化性樹脂
接着剤を塗布しておき、また、下ケース24の載置突出
部25の上側の接合面26に接着層9となる熱硬化性樹
脂接着剤を塗布しておキさらに、下ケース24の載置突
出部25の下側の接合面27に熱硬化性樹脂接着剤を塗
布しておく。。
【0053】そして、下ケース24の載置突出部25の
上部側の接合面26に、樹脂製振動板5を載置し、続い
て、上ケース21を、特に、挾持部22で樹脂製振動板
5の周囲に当接するようにして、下ケース24の上部側
開口に嵌合する。
【0054】さらに、下ケース24の載置突出部25の
下部側の接合面27に、ヨーク板3を載置して、下ケー
ス24の下部側開口に嵌合する。
【0055】次にこの組立構造体を上下から一定の圧力
で保持した状態で、キュア処理(熱処理温度150〜2
00℃)を行い、上ケース21と樹脂製振動板5との間
の熱硬化性樹脂接着剤、下ケース24と樹脂製振動板5
との間の熱硬化性樹脂接着剤、下ケース24とヨーク板
との間の熱硬化性樹脂接着剤を夫々熱硬化して、キュア
処理の終了によって、電磁型発音体が達成される。
【0056】次に、本発明の別の実施例を図2に示す。
【0057】図1には、組立に必要な部品点数として、
上ケース21、下ケース24、磁性体金属アマチュア4
を含む樹脂製振動板5、磁束発生手段を有するヨーク板
3とから構成されているが、図2に示す電磁型発音体
は、図1の下ケース24とヨーク板3の平板部とが一体
的に形成されており、上部が開口した円形筺体状下ケー
ス28を構成している。
【0058】下ケース28は、樹脂のインサートモード
によって、ヨーク板3を埋設するとともに、その内壁に
上面側の接合面26のみを有する載置突出部25が形成
されている。
【0059】このように、ヨーク板3が埋設されて、上
部のみが開口している下ケース28においては、コイル
巻線を突出部31に直接巻回処理することが困難であ
る。従って、コイル6は、ヨーク板3と別に形成してお
き、突出部31に嵌合させるように配置する。尚、図に
示していないが、下ケース28の外部に突出する端子部
を、下ケース28の内部に突出するコイル接続部を、夫
々ヨーク板3の一体的な埋設加工時に形成しておき、突
出部31に嵌合したコイル6の両端を該コイル接続部に
接続するようにする。
【0060】このような構造の電磁型発音体の組み立て
方法を説明する。
【0061】まず、大きくは、3つの部品を別々で形成
する。即ち、上ケース21、下ケース28、磁性体金属
アマチュア4を含む樹脂製振動板5である。
【0062】下ケース28は、上述したように、樹脂の
インサートモールドによって、その底面にヨーク板3を
埋設して形成する。そして、下ケース28の底面に突出
する突出部31にコイル6を装着するとともに、下ケー
ス28の底面にマグネット7を接着剤を介して接合して
おく。
【0063】磁性体金属アマチュア4を含む樹脂製振動
板5は、上述したように樹脂製振動板5に、熱硬化性樹
脂接着剤を用いて、1層、または2層構造の磁性体金属
アマチュア4を貼着しておく。
【0064】このような状態で、例えば上ケース21の
挾持部22の先端部分に、接着層9となる熱硬化性樹脂
接着剤を塗布しておき、また、下ケース28の載置突出
部25の上部側の接合面26に接着層9となる熱硬化性
樹脂接着剤を塗布しておく。
【0065】そして、下ケース28の載置突出部25の
上部側の接合面26に、樹脂製振動板5を載置し、続い
て、上ケース21を、特に挾持部22で樹脂製振動板5
の周囲に当接するようにして、下ケース28の上部側開
口に嵌合する。
【0066】次にこの組立構造体を少なくとも上側から
一定の圧力で保持した状態で、キュア処理(熱処理温度
150〜200℃)を行い、上ケース21と樹脂製振動
板5との間の熱硬化性樹脂接着剤、下ケース28と樹脂
製振動板5との間の熱硬化性樹脂接着剤を熱硬化して、
キュア処理の終了によって、電磁型発音体が達成され
る。
【0067】以上の構成では、ヨーク板3の突出部31
は下ケース28と一体的に形成されており、また、樹脂
製振動板5も下ケース28の載置突出部25の上部側の
接合面26に接合されてることになるため、突出部31
と樹脂製振動板5(磁性体金属アマチュア4)との間隔
が変動する要素、即ち、図1のヨーク板3の接着状態の
変動がないため、発音体間の特性のばらつきが一層緩和
されることになる。
【0068】尚、円盆状の樹脂製振動体5において、そ
の突出方向は、図のように上向きに凸形状であっても、
下向きに凸形状であっても構わない。また、磁性体金属
アマチュア4を取着する主面も、凸面側であってあって
も、凹面側であってもよく、突出部31と磁性体基板ア
マチュア4との適正な間隔で決定すればよい。
【0069】また、上述の例では、上ケース21側が放
音側として用いているが、下ケース24、28またはヨ
ーク板3側に放音穴を形成して、放音側としてもよい。
さらに、放音側と反対側のケース21、24、28やヨ
ーク板3に外部と連通する空気漏洩穴を設けてもよく、
この空気漏洩穴に音響抵抗布を貼着しても構わない。
【0070】
【実施例】本発明者は、図1に示す電磁型発音体(本発
明品)と、樹脂製振動板が例えば下ケースに接着しただ
けの保持構造の電磁型発音体(比較品)とにおいて、外
部から加えられる機械的な応力による特性の変動の状態
及び発明品、比較品の各々10個における組立工程後の
樹脂振動板とヨーク板の突出部との間隔のバラツキを調
べた。
【0071】本発明品の電磁型発音体の具体例について
説明すると、ABSプラスチックから成る外径20m
m、高さ2mmであり、その内部に、幅1mm、高さ
0.8mmの載置突出部25を有する下ケース24をイ
ンジェクションモールドにより形成した。また、外径1
9mm、高さ1mmで、放音穴22を有する下ケース2
1をインジェクションモールドにより形成した。
【0072】次に、樹脂製振動板として、外径18m
m、厚み25μmのPEI(ポリエーテルイミド)フィ
ルムを用いて、中央部の平板部の直径を14mm、外周
の平板部の幅を1.5mm、両平板部の段差、即ち傾斜
面部分の高さを0.1mmとして、しぼり加工により2
2.5度ピッチで16本のタンジェンシャル凹状しぼりを
形成して円盆状樹脂振動板5を作製した。
【0073】また、42アロイから成る外径13mm、厚
み0.05mmの第1のアマチュア41、42アロイから
成る外径6mm、厚み0.127mmの第2のアマチュ
ア42を用意して、上記の円盆状樹脂製振動板5の主面
にエポキシ樹脂接着剤により、第1のアマチュア41、
第2のアマチュア42の順に重畳貼付した。即ち、樹脂
製振動板5に対して、磁性体金属アマチュア4の貼付面
積は、80%となった。
【0074】次いで、磁性体金属材料から成る板から、
中央に突出部31を有するヨーク板3をプレスフォーミ
ングにより打ち抜いて形成した。
【0075】なお、ヨーク板3の端部には外部回路と接
続するための一対のリード端子を樹脂により固着させて
一体化してもよく、それによれば電磁型発音体をよりコ
ンパクトにできて好適である。
【0076】このヨーク板3の突出部31の周囲に前述
のようにコイル巻線を巻回してコイル6を取着した。そ
してコイル6からの巻線はそれぞれリード端子の巻線か
らげ部にからげ、さらに半田付けして接続した。また、
コイル6の外側には、フェライトから成る外径13m
m、内径5mm、厚み0.5mmのリング状のマグネッ
ト7を接着剤で接着した。
【0077】そして、下ケース24の載置突出部25の
上部側の接合面26に、一液性のエポキシ樹脂からなる
熱硬化性樹脂接着剤を塗布し、磁性体金属アマチュア4
を一体化した円盆状樹脂製振動板5を載置し、下部側の
接合面27に、熱硬化性樹脂接着剤を塗布し、コイル
6、マグネット7を一体化したヨーク板3を載置した。
【0078】次に、上ケース21の挾持部22の先端部
に、一液性のエポキシ樹脂からなる熱硬化性樹脂接着剤
を塗布し、下ケース24の上部側開口を閉塞するように
嵌合するとともに、磁性体金属アマチュア4を一体化し
た円盆状樹脂製振動板5の外周部を挾持部22で挾持し
た。
【0079】次にこの状態で各段差部に塗布した熱硬化
性樹脂接着剤を、組立体の上下方向から一定圧力で抑え
て、キュア処理によって、硬化して夫々の部品の一体化
を行ない、本発明の電磁型発音体11を作製した。
【0080】比較品は、上述の上ケース2において、挾
持部22が存在せずに、実質的に、樹脂製振動板5は、
下ケース24の載置突出部25の上部側の接合面26上
にシリコーン樹脂のゴム状接着剤によって接着している
ものである。
【0081】まず、外部から与えられる機械的な応力に
よる特性の変動は、図3に示す通りである。図3中、実
線は本発明品であり、点線は比較品の音圧特性の変動を
示すものである。
【0082】本発明品は、外部からの機械的な応力(押
しつけ圧力)が、0.1〜1.5kgで、音圧レベルが
107〜108dBと変動が非常に小さいものである。
これに対して、比較品は、音圧レベルが106.5〜1
18dBと変動が非常に大きく、特に、1.0Kg〜
1.5kgでの変動が極端に大きくなる。
【0083】また、組立工程後の樹脂振動板とヨーク板
の突出部との間隔のバラツキは、表1の通りである。
【0084】
【表1】
【0085】即ち、本発明品は、その間隔が平均で1.
527mmであり、標準偏差が0.015であるのに対
して、比較品は、その間隔が平均で1.511mmであ
り、標準偏差が0.025であった。即ち、本発明は、
その間隔のバラツキ分布が非常に狭いものであり、組立
工程における樹脂製振動板5とヨーク板の突出部31と
の位置関係が安定する。これに対して、比較品は、その
間隔のバラツキ分布が広い物であり、組立工程における
樹脂製振動樹脂製振動板5とヨーク板の突出部31との
位置関係がばらついてしまうことが判る。
【0086】従って、このような間隔は、突出部31か
ら樹脂製振動板5を振動させる磁性体金属アマチュア4
の保磁力を大きく関係するもので、各発音体間の特性の
バラツキに大きく起因するものであり、本発明品では、
そのばらつきを有効に抑えられることになる。
【0087】
【発明の効果】以上のように本発明の電磁型発音体によ
れば、樹脂製振動板が、容器を構成する上ケースの一部
と下ケースの一部とで挾持されるとともに、熱硬化性接
着剤によって接着されている。
【0088】これにより、下ケースと樹脂製振動板との
上下方向の位置の安定化し、樹脂製振動板とヨークとの
位置関係が安定することによって、発音体間での特性の
ばらつきを抑えることができる。
【0089】また、樹脂製振動板の保持状態が、接着状
態のみによって保持したものに比較して、樹脂製振動板
の張り状態が均一化し、保持状態が安定・画一化するた
めに、各発音体間で音圧特性のばらつきを抑えることが
できる。
【0090】同時に、外部からの機械的な応力が加えら
れても、樹脂製振動板とヨークとの位置関係が変動する
ことがないため、ハンドセットへの実装状態に係わら
ず、安定した特性を導出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁型発音体の構成の例を示す断面図
である。
【図2】本発明の電磁型発音体の構成の他の例を示す断
面図である。
【図3】電磁型発音体の外部の機械的な応力と音圧レベ
ルの関係を示す特性図である。
【図4】従来の電磁型発音体の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・電磁型発音体 2、20・・容器 21、28・・・下ケース 22・・・挾持部 23・・・放音穴 24・・・上ケース 25・・・載置突出部 26・・・上部側の接合面 27・・・下部側の接合面 3・・・・ヨーク板 31・・・突出部 4・・・・・磁性体金属アマチュア 41・・・第1のアマチュア 42・・・第2のアマチュア 5・・・・樹脂製振動板 6・・・・コイル 7・・・・マグネット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上ケースと下ケースとから成る容器内
    に、樹脂製振動板と、該樹脂製振動板を振動せしめるコ
    イルおよびマグネットが取着されたヨーク板とを対向す
    るように配置されて成る電磁型発音体において、 前記樹脂製振動板の外周部を、前記上ケースと下ケース
    とで挾持するとともに、熱硬化性樹脂によって容器に接
    着させたことを特徴とする電磁型発音体。
JP1490796A 1996-01-31 1996-01-31 電磁型発音体 Pending JPH09215091A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000059889A (ja) * 1998-08-07 2000-02-25 Sony Corp 電気音響変換装置
WO2001046943A1 (fr) * 1999-12-20 2001-06-28 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Transducteur électroacoustique et procédé de fabrication
JP2010206743A (ja) * 2009-03-06 2010-09-16 Panasonic Corp スピーカ
JP2014022876A (ja) * 2012-07-17 2014-02-03 Yashima Denki Kk イヤホン用電磁型音響変換装置

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