JP3916865B2 - 延長管構造および電気掃除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、伸縮自在な延長管およびこの延長管を備えた電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に電気掃除機は、電動送風機および集塵室を内部に有する掃除機本体と、この掃除機本体に接続される可撓性の集塵ホースと、この集塵ホースの先端部に固定された手元操作管に接続される伸縮自在な延長管と、この延長管の先端に接続管を介して接続された吸込口体とを備えたものである。上記延長管は、大径の外パイプと小径の内パイプとを摺動自在に嵌合することにより、伸縮自在に構成されている。
【0003】
そして、近年、掃除機本体から外部へ排気風を排出せずに、集塵ホース、延長管の内部に形成された排気風路を介して吸込口体へと戻し、循環させるようにした排気循環式の電気掃除機が開発されている。
【0004】
このような排気循環式の電気掃除機の延長管1は、図6〜図8に示すような構成を備えている。即ち、小径の内パイプ2の内部を仕切壁3で上下に仕切って上側に排気風路4を形成し、下側に吸気風路5を形成する。そして、吸気風路6となる大径の外パイプ7の内部上方に排気風路8となる断面ほぼ半円形状をした排気パイプ9を所要の間隙10を有して配設する。そして、大径の外パイプ7の内部に小径の内パイプ2を摺動自在に嵌合すると共に、外パイプ7と排気パイプ9との間隙10に内パイプ2の排気風路4が挿入されるようにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような延長管構造では、延長管1の上半部が外パイプ7と内パイプ2と排気パイプ9とが3重に嵌合した構造となるので、幅方向に対して壁が6重にもなり、全体の幅寸法が大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
また、外パイプ7と排気パイプ9との間隙10にゴミが詰まるとゴミを取り出すことが困難なので、内パイプ2の出し入れに支障を生じるおそれがあるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、幅寸法を抑えると共にゴミ詰まりによる問題をなくすことのできる延長管構造および電気掃除機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、外パイプと内パイプとを摺動自在に嵌合して伸縮自在に構成するとともに、掃除機本体に接続される集塵ホースの先端部の手元操作管に後部を接続し、先端部に吸込口体を接続する延長管の延長管構造において、
前記外パイプの内部を仕切壁で仕切って、前記掃除機本体から排出される空気を流す排気風路と、前記吸込口体から吸引される空気を流す吸気風路とを形成し、
前記内パイプを排気パイプと吸気パイプとで形成し、
前記排気パイプと吸気パイプの一端部を互いに固定するとともに、その排気パイプと吸気パイプを前記一端部から他端に向けて二叉に分岐させ、
この排気パイプおよび吸気パイプの他端部を前記外パイプの仕切壁を挟み込むようにして前記排気風路および吸気風路に挿入して伸縮自在に延長管を構成したことを特徴とする。
【0009】
このように構成された請求項1にかかる発明によれば、前記延長管は、幅方向に対して最大で壁が4重に抑えられるため、延長管全体の幅寸法が大きくなるのを防止することができる。また、前記内パイプの後端側を前記排気パイプと前記吸気パイプとの二又に分岐して形成したことにより、前記排気パイプと前記吸気パイプとの付根部分にゴミが詰まってもゴミを容易に取り出すことができるので、内パイプの出し入れに支障を生じることがない。
【0010】
請求項2に記載された発明では、前記排気パイプを金属材料で形成したことを特徴としている。
【0011】
このように構成された請求項2にかかる発明によれば、放熱性を向上することができる。
【0012】
請求項3に記載された発明では、前記排気パイプに、長さ調節機構のロック係止部を軸線方向へ複数形成したことを特徴としている。
【0013】
このように構成された請求項3にかかる発明によれば、排気パイプにはゴミと分離された排気風が流れるので、前記排気パイプの内面にロック係止部による突出物があってもゴミが溜まらない構造とすることができる。
【0014】
請求項4に記載された発明では、請求項1ないし3のいずれかに記載の延長管を備えたことを特徴とする電気掃除機。
【0015】
このように構成された請求項4にかかる発明によれば、請求項1ないし3と同様の作用効果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図示例と共に説明する。
【0017】
図1〜図5は、この発明の実施の形態を示すものである。
【0018】
まず、構成を説明すると、この実施の形態の電気掃除機21は、図1に示すように、電動送風機および集塵室を内部に有する掃除機本体22と、この掃除機本体22に接続される可撓性の集塵ホース23と、この集塵ホース23の先端部に固定された手元操作管24に接続される伸縮自在な延長管25と、この延長管25の先端に接続管26を介して接続された吸込口体27とを備えている。この吸込口体27は、接続管26に対し上下方向へ回動自在に接続されている。また、吸込口体27には、図示しない電動回転ブラシが内蔵されている。
【0019】
上記延長管25は、図2〜図5に示すように、外パイプ28と内パイプ29とを摺動自在に嵌合することにより、伸縮自在となるように構成されている。
【0020】
このうち、外パイプ28は、内部を仕切壁30で例えば上下に仕切って、仕切壁30の上側に排気風路31を形成し、仕切壁30の下側に吸気風路32を形成した構成を有している。
【0021】
また、内パイプ29は、後端側の外パイプ28との嵌合部分を排気風路33となる排気パイプ34と、吸気風路35となる吸気パイプ36とに分岐して形成した二又構造を備えている。
【0022】
そして、内パイプ29の排気パイプ34を外パイプ28の排気風路31に挿入し、内パイプ29の吸気パイプ36を外パイプ28の吸気風路32に挿入し得るように構成されている。
【0023】
内パイプ29後端側の排気パイプ34は、金属材料で形成されている。
【0024】
更に、内パイプ29における排気パイプ34の上面には、長さ調節機構41のロック係止部42が内パイプ29の軸線方向へ所要の間隔を置いて多数形成されている。このロック係止部42は、排気パイプ34の内面側へ突出している。一方、外パイプ28先端部の上面には、長さ調節機構41の操作部43が取付けられている。この操作部43は、ロック係止部42に挿入係止可能なロックピン44と、このロックピン44の挿脱を行うロックボタン45と、このロックボタン45をロックピン44がロック係止部42へ挿入される方向へ付勢する弾性部材46とで構成されている。
【0025】
そして、延長管25には、掃除機本体22から吸込口体27の図示しない電動回転ブラシへと電力を供給する電力供給系統51が設けられている。この電力供給系統51は、外パイプ28の後端部から突設されて手元操作管24先端部の図示しない雌コネクタへ装着可能な接続ピン52と、この接続ピン52に接続され外パイプ28の仕切壁30に沿って軸線方向へ延びる摺接板53と、排気パイプ34の後端部から突設されて摺接板53に沿って摺動される接点部材54と、この接点部材54にリード線を介して接続された内パイプ29先端部の雌コネクタ55とで構成されている。
【0026】
次に、この実施の形態の作用について説明する。
【0027】
手元操作管24を操作して掃除機本体22の電動送風機を駆動すると、吸込口体27に吸引力が発生し、吸込口体27で吸引したゴミは、接続管26、延長管25、集塵ホース23の内部に形成された吸気風路(吸気風路35、32など)を介して掃除機本体22の集塵室へと送られる。集塵室へ送られたゴミは、集塵室に捕集され、ゴミと分離された排気風は、掃除機本体22から外部へ排出されずに、集塵ホース23、延長管25、接続管26の内部に形成された排気風路(排気風路31、33など)を介して吸込口体27へと戻され、循環される。
【0028】
この際、手元操作管24を操作することにより、電力供給系統51などを介し電力が送給されて吸込口体27に内蔵された電動回転ブラシを駆動することができる。
【0029】
延長管25を伸縮する場合には、ロックボタン45を弾性部材46に抗して押すことによりロックピン44をロック係止部42から離脱させ、この状態で、外パイプ28に対する内パイプ29の嵌合量を変化させる。その後、ロックボタン45を離すことにより、弾性部材46の弾性力でロックピン44をロック係止部42へ挿入させるようにする。
【0030】
この実施の形態では、延長管25の外パイプ28の内部を仕切壁30で例えば上下に仕切って、排気風路31と吸気風路32とを形成し、内パイプ29の後端側を排気パイプ34と吸気パイプ36との二又に分岐して形成したことにより、延長管25は、幅方向に対して最大で壁が4重に抑えられるため、延長管25全体の幅寸法が大きくなるのを防止することができる。また、内パイプ29の後端側を排気パイプ34と吸気パイプ36との二又に分岐して形成したことにより、排気パイプ34と吸気パイプ36との付根部分にゴミが詰まってもゴミを容易に取り出すことができるので、内パイプ29の出し入れに支障を生じることがない。
【0031】
また、内パイプ29後端側の排気パイプ34を、金属材料で形成したことにより、掃除機本体22の電動送風機や吸込口体27の電動回転ブラシで発生した熱に対する放熱性を向上することができる。
【0032】
更に、内パイプ29における排気パイプ34に、長さ調節機構41のロック係止部42を形成したことにより、排気パイプ34には集塵室でゴミと分離された排気風が流れるので、排気パイプ34の内面にロック係止部42による突出物があってもゴミが溜まらない構造とすることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、外パイプと内パイプとを摺動自在に嵌合して伸縮自在に構成するとともに、掃除機本体に接続される集塵ホースの先端部の手元操作管に後部を接続し、先端部に吸込口体を接続する延長管の延長管構造において、前記外パイプの内部を仕切壁で仕切って、前記掃除機本体から排出される空気を流す排気風路と、前記吸込口体から吸引される空気を流す吸気風路とを形成し、前記内パイプを排気パイプと吸気パイプとで形成し、前記排気パイプと吸気パイプの一端部を互いに固定するとともに、その排気パイプと吸気パイプを前記一端部から他端に向けて二叉に分岐させ、この排気パイプおよび吸気パイプの他端部を前記外パイプの仕切壁を挟み込むようにして前記排気風路および吸気風路に挿入して伸縮自在に延長管を構成したことにより、延長管は、幅方向に対して最大で壁が4重に抑えられるため、延長管全体の幅寸法が大きくなるのを防止することができる。また、内パイプの後端側を排気パイプと吸気パイプとの二又に分岐して形成したことにより、排気パイプと吸気パイプとの付根部分にゴミが詰まってもゴミを容易に取り出すことができるので、内パイプの出し入れに支障を生じることがない。
【0034】
請求項2の発明によれば、排気パイプを金属材料で形成したことにより、放熱性を向上することができる。
【0035】
請求項3の発明によれば、内パイプにおける排気パイプに、長さ調節機構のロック係止部を軸線方向へ複数形成したことにより、排気パイプにはゴミと分離された排気風が流れるので、排気パイプの内面にロック係止部による突出物があってもゴミが溜まらない構造とすることができる。
【0036】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の延長管を電気掃除機に備えたことにより、請求項1ないし3と同様の作用効果を得ることができる、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の全体斜視図である。
【図2】(a)は図1の延長管の一部破断した平面図、(b)は図1の延長管の側面図である。
【図3】図1の延長管の側方断面図であり、(a)は縮めた状態を示す図、(b)は伸ばした状態を示す図である。
【図4】(a)は図3の内パイプの側面図、(b)は図3の内パイプの側方断面図である。
【図5】(a)は図1の延長管の縦断面図、(b)は外パイプの縦断面図、(c)は内パイプの縦断面図である。
【図6】(a)は従来例の延長管の平面図、(b)は従来例の延長管の側面図である。
【図7】図6(b)の部分拡大側方断面図である。
【図8】(a)は図6の延長管の縦断面図、(b)は外パイプの縦断面図、(c)は内パイプの縦断面図である。
【符号の説明】
25 延長管
28 外パイプ
29 内パイプ
30 仕切壁
31 排気風路
32 吸気風路
34 排気パイプ
36 吸気パイプ
41 長さ調節機構
42 ロック係止部
Claims (4)
- 外パイプと内パイプとを摺動自在に嵌合して伸縮自在に構成するとともに、掃除機本体に接続される集塵ホースの先端部の手元操作管に後部を接続し、先端部に吸込口体を接続する延長管の延長管構造において、
前記外パイプの内部を仕切壁で仕切って、前記掃除機本体から排出される空気を流す排気風路と、前記吸込口体から吸引される空気を流す吸気風路とを形成し、
前記内パイプを排気パイプと吸気パイプとで形成し、
前記排気パイプと吸気パイプの一端部を互いに固定するとともに、その排気パイプと吸気パイプを前記一端部から他端に向けて二叉に分岐させ、
この排気パイプおよび吸気パイプの他端部を前記外パイプの仕切壁を挟み込むようにして前記排気風路および吸気風路に挿入して伸縮自在に延長管を構成したことを特徴とする延長管構造。 - 前記排気パイプを金属材料で形成したことを特徴とする請求項1記載の延長管構造。
- 前記排気パイプに、長さ調節機構のロック係止部を軸線方向へ複数形成したことを特徴とする請求項1または2記載の延長管構造。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の延長管を備えたことを特徴とする電気掃除機。
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