JP3916776B2 - 熱接着性複合繊維およびこれを用いた不織布 - Google Patents

熱接着性複合繊維およびこれを用いた不織布 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、面反発性やクッション性に優れ、折れじわの発生しない柔軟性に富む安価な不織布を提供する不織布加工性に優れた熱接着性複合繊維に関するものであって、衛生材料、包装材、衣料用芯地、クッション材等に好適な熱接着性複合繊維およびこれを用いた不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、衛生材料、包装材、衣料用芯地等の様々な用途において、薄くて面反発性(不織布を折り曲げてそれを解放したときに生じる回復力)およびクッション性に優れた不織布が要望されている。これらの要求に対して、面反発性やクッション性に優れた不織布として、低融点成分の少なくとも一部が繊維表面に露出した熱接着性複合繊維を用いた熱接着不織布が使用されることが多い。例えばポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエステル/ポリエチレン等からなる複合繊維、特開平5−9810号公報記載のポリプロピレン/エチレン−プロピレン共重合体からなる複合繊維、あるいは特許第2553272号公報記載の熱可塑性エラストマー/非弾性ポリエステルを用いたクッション材などが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記複合繊維には以下の問題点が挙げられる。ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエステル/ポリエチレン等からなる複合繊維、特開平5−9810号公報記載の複合繊維は、面反発性やクッション性を得ようとした場合、厚みや目付の小さい不織布、あるいは高密度の不織布であると折れじわが発生しやすくなるため、非常に嵩高な不織布とする必要があり、その要求を十分に満足する不織布は未だに得られていない。また、特許第2553272号公報記載の熱可塑性エラストマー/非弾性ポリエステルからなる複合繊維を用いた場合、クッション性等は得られるものの、カード通過性など不織布製造における工程性に劣り、また熱可塑性エラストマーの樹脂自体が高価であるため、生産性、コストを重視するディスポーザブル商品には適当であるとはいえない。本発明はかかる実情を鑑みてなされたものであり、面反発性やクッション性に優れ、折れじわの発生しない柔軟性に富む安価な不織布を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱接着性複合繊維は、融解ピーク温度(Tmh )が150℃以上の繊維形成性樹脂を第1成分とし、エチレン−プロピレン二元共重合体を第2成分とし、第2成分が繊維表面の少なくとも一部に露出した複合繊維において、第2成分に2種類以上のエチレン含有量の異なるエチレン−プロピレン二元共重合体が混合されていることを特徴とする。かかる構成により、適度な熱接着力と弾性反発力を兼ね備えた不織布加工性に優れた複合繊維が得られ、熱加工処理を施し、熱接着性複合繊維の少なくとも一部が溶融し、熱接着させることにより、面反発性やクッション性に優れ、折れじわの発生しない柔軟性に富む安価な不織布が容易に得られる。
【0005】
本発明の熱接着性複合繊維において、示差走査熱量測定(DSC)により得られる融解ピークは、3本以上出現することが好ましい。また、第2成分のエチレン−プロピレン二元共重合体において、エチレン含有量の大きい樹脂をEP1 とし、エチレン含有量の小さい樹脂をEP2 としたとき、エチレン含有量が7.0重量%以上のEP1 を20〜50重量%、エチレン含有量3.0〜5.0重量%のEP2 を80〜50重量%混合するのが好ましい。
【0006】
そして、上記熱接着性複合繊維を少なくとも50重量%含有した繊維ウェブにおいて、熱接着性複合繊維の少なくとも一部が溶融し、熱接着されている不織布であることが好ましい。かかる不織布は、面反発性やクッション性に優れ、折れじわの発生しない柔軟性に富む安価な不織布となる。このとき、不織布目付が50g/m2以下でのJIS L 1085における防しわ率(A法)は、90%以上であることが好ましい。また、不織布の嵩密度が0.02g/cm3 以上でのJISL 1096における剛軟度(A法)は、150mm以下であることが好ましい。以下、本発明の内容を具体的に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の熱接着性複合繊維における第1成分は、融解ピーク温度(Tmh )が150℃以上の繊維形成性樹脂であり、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6,ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。中でもポリエチレンテレフタレートが、屈曲させてそれを解放したときの回復力に優れているので好ましい。ここでいう融解ピーク温度とは、樹脂の示差走査熱量測定(DSC)をおこなうときのDSC曲線がピークを示すときの温度をいう。
【0008】
本発明の熱接着性複合繊維における第2成分には、2種類以上のエチレン含有量の異なるエチレン−プロピレン二元共重合体が混合されている。エチレン−プロピレン二元共重合体は、エチレン含有量によって繊維化における配向およびそれに伴う結晶化度が異なり、そのため繊維としての融解ピーク温度、弾性反発力等に寄与する。これらを混合することにより、適度な熱接着力と弾性反発力を付与することができる。
【0009】
複合繊維において、示差走査熱量測定(DSC)により得られる融解ピークが3本以上出現するように、第2成分における2種類以上のエチレン−プロピレン二元共重合体のエチレン含有量を調整することが好ましい。このとき第1成分に1または2本のピークと第2成分に2本以上の融解ピークが出現する。図1に本発明の熱接着性複合繊維における示差走査熱量測定(DSC)により得られる融解ピークの一例を示す。1は第2成分の第1融解ピーク、2は第2成分の第2融解ピーク、3は第1成分の融解ピークを示す。ここでいうピークとは、図1に示すとおり、1つのピークの融解開始点と融解終了点(隣り合うピークの融解開始点とが一致する場合はその一致点)を直線で結んだとき、ピークを形成しているDSC曲線と交差点を有しないものをいう。例えば、エチレン含有量の大きい樹脂をEP1 としエチレン含有量の小さい樹脂をEP2 としたとき、EP1 とEP2 におけるエチレン含有量の差が2.0重量%未満の2種類のエチレン−プロピレン二元共重合体を混合すると、紡糸フィラメントを延伸し、繊維配向させたときに、EP1 とEP2 の融解ピークが合成されて、1本のブロードなピークとなるが、EP1 とEP2 におけるエチレン含有量の差が2.0重量%を超える場合、EP 1 は、EP 2 に比べてより非晶部分が残存しやすいため、これらを混合すると、第2成分に非晶部分と結晶部分が混在し、EP 1 が主として低融点側ピーク(以下、第1融解ピークという)として出現し、EP 2 が主として中間ピーク(以下、第2融解ピークという)として出現する。融解ピークが3本未満であると、熱接着力または弾性反発力のいずれか一方に偏る傾向にあり、十分な不織布性能または不織布加工性が得られないからである。
【0010】
また、第2成分のエチレン−プロピレン二元共重合体において、エチレン含有量の大きい樹脂をEP1 としエチレン含有量の小さい樹脂をEP2 としたとき、エチレン含有量が7.0重量%以上のEP1 を20〜50重量%、エチレン含有量3.0〜5.0重量%のEP2 を80〜50重量%混合するのが好ましい。より好ましくは、EP1 を30〜40重量%、EP2 を60〜70重量%混合する。かかるエチレン含有量および混合率とすることにより、第2成分に2本の融解ピークが出現し、さらにEP 2 が主として熱接着力に寄与し、EP 1 が主として弾性反発力および低温接着性に寄与する。EP1 の混合率が20重量%未満であると、熱接着後の繊維同士の熱接着点における弾性反発力に劣り、50重量%を超えると、弾性反発力がゴム的要素を強く示し、カード通過性等の工程性が悪くなるからである。EP2 の混合率が50重量%未満であると、熱接着後の繊維同士の熱接着点における弾性反発力が増大するが、繊維表面の摩擦も増大し、繊維の生産性やカード通過性等の不織布加工性に劣り、80重量%を超えると、十分な弾性反発力および低温接着性が得られない。
【0011】
そして、本発明の熱接着性複合繊維は、第2成分が繊維表面の少なくとも一部に露出した構造を採ることが好ましい。例えば同心円状あるいは偏心状に配置された芯鞘型複合繊維、並列型複合繊維、分割型複合繊維、海島型複合繊維などが挙げられ、繊維断面においても円状、異形状などいずれであってもよいが、特に同心円状芯鞘型複合繊維は、熱接着点が多く、その効果を十分に発揮することができるので都合がよい。
【0012】
第1成分/第2成分の複合比(容積比)は、3/7〜7/3であることが好ましい。より好ましくは、4/6〜6/4である。複合比が3/7未満であると、第1成分が屈曲により座屈されてしまい、回復力に劣るだけでなく、折れじわとなる。また繊維強度が弱くなり、カード通過性等の不織布加工性に劣る。複合比が7/3を超えると、不織布加工性には優れているものの、熱接着力が弱くなり不織布強力が得られないばかりか、熱接着点において十分な弾性反発力が得られないからである。
【0013】
本発明の熱接着性複合繊維の繊度は、特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよいが、薄目付不織布に用いる場合は風合いを重視して、2.0〜6.0dtexが好ましい。
【0014】
次に、本発明の熱接着性複合繊維の製造方法について説明する。例えば、薄目付不織布に用いる場合であれば、予め第2成分に使用する2種類以上のエチレン含有量の異なるエチレン−プロピレン二元共重合体を混合しておき、公知の溶融紡糸機を用い、紡糸温度250〜300℃で2成分の樹脂を押し出し、繊度3.0〜20dtexの紡糸フィラメントを作製する。次いで、紡糸フィラメントを延伸温度80〜130℃、延伸倍率2.0倍以上で処理し、延伸フィラメントを得る。得られた延伸フィラメントには、必要に応じて、所定量の繊維処理剤を付着させ、捲縮付与装置で捲縮を与え、所定の長さにカットしてもよい。
【0015】
得られた熱接着性複合繊維は、少なくとも一部が溶融し、熱接着されて不織布となす。2種類以上のエチレン含有量の異なるエチレン−プロピレン二元共重合体が混合された第2成分を溶融させることにより、得られる熱接着点において適度な熱接着力と弾性反発力を付与され、従来の不織布では得られなかった面反発性やクッション性に優れ、折れじわの発生しない柔軟性に富んだ不織布となす。繊維ウェブにおける本発明の熱接着性複合繊維の含有量は、少なくとも50重量%であり、より好ましくは70重量%以上である。含有量が50重量%未満であると、熱接着点に十分な弾性反発力が得られないからである。
【0016】
繊維ウェブの形態は特に限定されず、ステープル繊維からなるパラレルウェブやクロスウェブ、セミランダムウェブ、スパンボンドからなる長繊維ウェブ、短繊維を湿式抄紙した湿式ウェブやエアレイ法による乾式ウェブ、あるいはメルトブロー不織布等をその使用する用途において適宜決定すればよい。特に不織布の柔軟性を考慮するとステープル繊維からなる繊維ウェブが好ましい。また、得られた繊維ウェブは、ニードルパンチや高圧流体流処理などの二次加工を施してもよい。
【0017】
繊維ウェブの目付も特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよいが、例えば、衛生材料、包装材、衣料用芯地などであれば、目付30〜50g/m2が好ましく、クッション材など厚目付であれば、目付100g/m2以上が好ましい。特に、本発明の不織布は、目付が30〜50g/m2のような薄目付の不織布としたときにその柔軟性および面反発性を発揮することができる。
【0018】
得られた繊維ウェブは、熱接着性複合繊維の少なくとも一部が溶融し、熱接着される。繊維ウェブを熱接着させる方法は、熱風吹き付け法、熱ロール法など公知の熱処理法を任意に用いればよい。特に柔軟性を重視するのであれば、熱風吹き付け法が好ましい。熱接着させる温度は、第1成分の融解ピーク温度(Tmh )未満で、第2成分における第1融解ピークの融解ピーク温度をTm1 としたとき、Tm1 −5℃以上が好ましく、より好ましくは、Tm1 以上、Tmh 未満である。上記範囲で熱処理することにより、風合いが柔軟で、かつ面反発性に優れた不織布が得られる。
【0019】
得られた不織布の目付が50g/m2以下でのJIS L 1085における防しわ率(A法)は90%以上であることが好ましい。ここで防しわ率は、不織布の面反発性を示す指標であり、防しわ率が高いほど、不織布を折り曲げてそれを解放したときに生じる回復力が大きく、面反発性に優れているといえる。不織布は一般に目付が大きくなると構成繊維数が多く、不織布厚みが大きくなるので、防しわ率は高くなる傾向にあるが、本発明の不織布は目付が50g/m2以下の薄目付、低厚みで実現するものである。防しわ率が90%未満であると、従来の薄目付不織布と同様に面反発性が不十分である。
【0020】
また、不織布の嵩密度が0.02g/cm3 以上でのJIS L 1096における剛軟度(A法)は、150mm以下であることが好ましい。剛軟度は不織布の嵩密度が低いほど小さくなる(不織布が柔軟である)傾向にあるが、本発明の不織布は不織布の嵩密度が0.02g/cm3 以上の高密度、低厚みで実現するものである。剛軟度が150mmを超えると、不織布の風合いが硬く、柔軟性を要求する分野に対応できない。また、本発明の不織布の嵩密度は、0.02〜0.05g/cm3 に調整すると、衛生材料、包装材、衣料用芯地などに適した不織布が得られ、好ましい。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の内容について実施例を挙げて具体的に説明する。なお、得られた繊維のDSC測定、不織布の防しわ率、剛軟度、カード通過性は以下のとおり測定した。
【0022】
[DSC測定]
セイコー電子工業(株)製SSC−5000を用いて、6mgの繊維を昇温速度10℃/min 、窒素ガスの条件下で測定した。
[防しわ率]JIS L 1085 防しわ率A法(針金法)に準じ測定した。
【0023】
[剛軟度]
JIS L1096 剛軟性A法(45°カンチレバー法)に準じ測定した。
【0024】
[カード通過性]
○:目付斑もなく、良好である。
△:目付斑が発生する。
×:開繊不良で、ネップが発生する。
【0025】
[実施例1]
同心円状芯鞘型複合ノズルを用いて、芯成分(第1成分)として融解ピーク温度(Tmh )が267℃のポリエチレンテレフタレート樹脂を、鞘成分(第2成分)として融解ピーク温度が138℃、エチレン含有量7.5重量%のエチレン−プロピレンランダム二元共重合体EP1 (日本ポリオレフィン(株)製、PM940M)と、融解ピーク温度138℃、エチレン含有量3.5重量%のエチレン−プロピレンランダム二元共重合体EP2 (出光石油化学(株)製、Y−2045GP)をEP1 :EP2 =30:70で混合した樹脂を用い、第1成分/第2成分の複合比(容積比)=4/6として芯成分の紡糸温度を290℃、鞘成分の紡糸温度を250℃で溶融押出し、5.6dtexの紡糸フィラメントを得た。これを80℃の温水中で2.5倍に延伸し、2.2dtexの延伸フィラメントとし、スタッフィングボックス型クリンパーにて機械的捲縮を施した後、51mmの繊維長に切断してステープル繊維を得た。上記繊維をパラレルカードにて目付40g/m2の繊維ウェブとし、熱風貫通型加工機を用い、140℃で10秒間熱処理し、不織布となした。
【0026】
[実施例2]
第1成分/第2成分の複合比(容積比)=5/5とした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。
【0027】
[実施例3]
EP1 : EP2=50:50とした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。
【0028】
[実施例4]
実施例1の熱接着性複合繊維と芯成分がポリエチレンテレフタレート樹脂、鞘成分が高密度ポリエチレン樹脂の同心円状芯鞘型複合繊維を80:20で混合した繊維ウェブを用いた以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。
【0029】
[実施例5]
鞘成分として、融解ピーク温度138℃、エチレン含有量5.0重量%のエチレン−プロピレンランダム二元共重合体EP1 (日本ポリオレフィン(株)製、TG−710)と、実施例1のエチレン含有量3.5重量%のエチレン−プロピレンランダム二元共重合体EP2 とした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。
【0030】
[比較例1]
鞘成分(第2成分)のEP 2 を100%とした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。
【0031】
[比較例2]
鞘成分(第2成分)のEP 1 を100%とした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。
【0032】
[比較例3]
鞘成分(第2成分)に融解ピーク温度128℃の高密度ポリエチレン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。実施例1〜5および比較例1〜3の物性を表1および表2に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003916776
【0034】
【表2】
Figure 0003916776
【0035】
実施例1〜5は、いずれも防しわ率および剛軟度に優れた不織布が得られ、特に実施例1はカード通過性などの工程性にも優れたものであった。一方、エチレン−プロピレン二元共重合体が単独で使用された場合、比較例1は、カード通過性など工程性には優れているものの、面反発性が不十分で風合いの硬い不織布となった。比較例2は、ゴム的要素が強く、カード通過時においてネップが多発した。さらに、比較例3の従来の不織布は、面反発性が著しく劣っていた。
【0036】
【発明の効果】
本発明の熱接着性複合繊維は、複合繊維の表面の少なくとも一部に露出した第2成分において、2種類以上のエチレン含有量の異なるエチレン−プロピレン二元共重合体を混合することにより、適度な熱接着力と弾性反発力を兼ね備えた不織布加工性に優れた複合繊維が得られる。そして、本発明の熱接着性複合繊維は、示差走査熱量測定(DSC)により得られる融解ピークが3本以上出現するように第2成分のエチレン含有量を調整することにより、その効果がより顕著となる。
【0037】
本発明の熱接着性複合繊維を繊維ウェブとして熱加工処理を施し、熱接着性複合繊維少なくとも一部が溶融し、熱接着させることにより、従来では存在しなかった面反発性やクッション性に優れ、折れじわの発生しない柔軟性に富む安価な不織布が容易に得られる。特に、衛生材料、包装材、衣料用芯地のような薄目付不織布に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱接着性複合繊維における示差走査熱量測定(DSC)により得られる融解ピークの一例を示す。
【符号の説明】
1.第2成分の第1融解ピーク
2.第2成分の第2融解ピーク
3.第1成分の融解ピーク

Claims (6)

  1. 融解ピーク温度(Tmh )が150℃以上の繊維形成性樹脂を第1成分とし、エチレン−プロピレン二元共重合体(但し、密度0.935g/cm以下の低密度ポリエチレンおよび線状低密度ポリエチレンを除く)を第2成分とし、第2成分が繊維表面の少なくとも一部に露出した複合繊維において、第2成分に2種類以上のエチレン含有量の異なるエチレン−プロピレン二元共重合体が混合されており、かつエチレン−プロピレン二元共重合体が、エチレン含有量7.5重量%以下のエチレン−プロピレン二元共重合体であることを特徴とする熱接着性複合繊維。
  2. 複合繊維において、示差走査熱量測定(DSC)により得られる融解ピークが3本以上出現することを特徴とする請求項1記載の熱接着性複合繊維。
  3. 第2成分のエチレン−プロピレン二元共重合体において、エチレン含有量の大きい樹脂をEP1 とし、エチレン含有量の小さい樹脂をEP2 としたとき、エチレン含有量が7.0重量%以上のEP1 を20〜50重量%、エチレン含有量3.0〜5.0重量%のEP2 を80〜50重量%混合していることを特徴とする請求項1または2記載の熱接着性複合繊維。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の熱接着性複合繊維を少なくとも50重量%含有した繊維ウェブにおいて、熱接着性複合繊維の少なくとも一部が溶融し、熱接着されていることを特徴とする不織布。
  5. 不織布目付が50g/m2以下でのJIS L 1085における防しわ率(A法)が90%以上であることを特徴とする請求項4記載の不織布。
  6. 不織布の嵩密度が0.02g/cm3 以上でのJIS L 1096における剛軟度(A法)が150mm以下であることを特徴とする請求項4または5記載の不織布。
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