JP2000045125A - 熱接着性複合繊維およびこれを用いた不織布 - Google Patents

熱接着性複合繊維およびこれを用いた不織布

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不織布加工性に優れた熱接着性複合繊維であ
り、面反発性やクッション性に優れ、折れじわの発生し
ない柔軟性に富む安価な不織布を提供する。 【解決手段】 融解ピーク温度(Tmh )が150℃以上
の繊維形成性樹脂を第1成分とし、エチレン−プロピレ
ン共重合体を第2成分とし、第2成分が繊維表面の少な
くとも一部に露出した複合繊維において、第2成分に2
種類以上のエチレン含有量の異なるエチレン−プロピレ
ン共重合体が混合されており、示差走査熱量測定(DS
C)により得られる融解ピークが、第2成分の第1融解
ピーク(1)、第2成分の第2融解ピーク(2) 、第1成分
の融解ピーク(3) からなる3本以上出現する熱接着性複
合繊維を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、面反発性やクッシ
ョン性に優れ、折れじわの発生しない柔軟性に富む安価
な不織布を提供する不織布加工性に優れた熱接着性複合
繊維に関するものであって、衛生材料、包装材、衣料用
芯地、クッション材等に好適な熱接着性複合繊維および
これを用いた不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、衛生材料、包装材、衣料用芯地等
の様々な用途において、薄くて面反発性(不織布を折り
曲げてそれを解放したときに生じる回復力)およびクッ
ション性に優れた不織布が要望されている。これらの要
求に対して、面反発性やクッション性に優れた不織布と
して、低融点成分の少なくとも一部が繊維表面に露出し
た熱接着性複合繊維を用いた熱接着不織布が使用される
ことが多い。例えばポリプロピレン/ポリエチレン、ポ
リエステル/ポリエチレン等からなる複合繊維、特開平
5−9810号公報記載のポリプロピレン/エチレン−
プロピレン共重合体からなる複合繊維、あるいは特許第
2553272号公報記載の熱可塑性エラストマー/非
弾性ポリエステルを用いたクッション材などが開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記複
合繊維には以下の問題点が挙げられる。ポリプロピレン
/ポリエチレン、ポリエステル/ポリエチレン等からな
る複合繊維、特開平5−9810号公報記載の複合繊維
は、面反発性やクッション性を得ようとした場合、厚み
や目付の小さい不織布、あるいは高密度の不織布である
と折れじわが発生しやすくなるため、非常に嵩高な不織
布とする必要があり、その要求を十分に満足する不織布
は未だに得られていない。また、特許第2553272
号公報記載の熱可塑性エラストマー/非弾性ポリエステ
ルからなる複合繊維を用いた場合、クッション性等は得
られるものの、カード通過性など不織布製造における工
程性に劣り、また熱可塑性エラストマーの樹脂自体が高
価であるため、生産性、コストを重視するディスポーザ
ブル商品には適当であるとはいえない。本発明はかかる
実情を鑑みてなされたものであり、面反発性やクッショ
ン性に優れ、折れじわの発生しない柔軟性に富む安価な
不織布を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の熱接着性複合繊
維は、融解ピーク温度(Tmh )が150℃以上の繊維形
成性樹脂を第1成分とし、エチレン−プロピレン共重合
体を第2成分とし、第2成分が繊維表面の少なくとも一
部に露出した複合繊維において、第2成分に2種類以上
のエチレン含有量の異なるエチレン−プロピレン共重合
体が混合されていることを特徴とする。かかる構成によ
り、適度な熱接着力と弾性反発力を兼ね備えた不織布加
工性に優れた複合繊維が得られ、熱加工処理を施し、熱
接着性複合繊維の少なくとも一部が溶融し、熱接着させ
ることにより、面反発性やクッション性に優れ、折れじ
わの発生しない柔軟性に富む安価な不織布が容易に得ら
れる。
【0005】本発明の熱接着性複合繊維において、示差
走査熱量測定(DSC)により得られる融解ピークは、
3本以上出現することが好ましい。また、第2成分のエ
チレン−プロピレン共重合体において、エチレン含有量
の大きい樹脂をEP1 とし、エチレン含有量の小さい樹
脂をEP2 としたとき、エチレン含有量が7.0重量%
以上のEP1 を20〜50重量%、エチレン含有量3.
0〜5.0重量%のEP2 を80〜50重量%混合する
のが好ましい。
【0006】そして、上記熱接着性複合繊維を少なくと
も50重量%含有した繊維ウェブにおいて、熱接着性複
合繊維の少なくとも一部が溶融し、熱接着されている不
織布であることが好ましい。かかる不織布は、面反発性
やクッション性に優れ、折れじわの発生しない柔軟性に
富む安価な不織布となる。このとき、不織布目付が50
g/m2以下でのJIS L 1085における防しわ率
(A法)は、90%以上であることが好ましい。また、
不織布の嵩密度が0.02g/cm3 以上でのJISL 1
096における剛軟度(A法)は、150mm以下である
ことが好ましい。以下、本発明の内容を具体的に説明す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の熱接着性複合繊維におけ
る第1成分は、融解ピーク温度(Tmh )が150℃以上
の繊維形成性樹脂であり、例えばポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル
系樹脂、ナイロン6,ナイロン66等のポリアミド系樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
系樹脂などが挙げられる。中でもポリエチレンテレフタ
レートが、屈曲させてそれを解放したときの回復力に優
れているので好ましい。ここでいう融解ピーク温度と
は、樹脂の示差走査熱量測定(DSC)をおこなうとき
のDSC曲線がピークを示すときの温度をいう。
【0008】本発明の熱接着性複合繊維における第2成
分には、2種類以上のエチレン含有量の異なるエチレン
−プロピレン共重合体が混合されている。エチレン−プ
ロピレン共重合体は、エチレン含有量によって繊維化に
おける配向およびそれに伴う結晶化度が異なり、そのた
め繊維としての融解ピーク温度、弾性反発力等に寄与す
る。これらを混合することにより、適度な熱接着力と弾
性反発力を付与することができる。
【0009】複合繊維において、示差走査熱量測定(D
SC)により得られる融解ピークが3本以上出現するよ
うに、第2成分における2種類以上のエチレン−プロピ
レン共重合体のエチレン含有量を調整することが好まし
い。このとき第1成分に1または2本のピークと第2成
分に2本以上の融解ピークが出現する。図1に本発明の
熱接着性複合繊維における示差走査熱量測定(DSC)
により得られる融解ピークの一例を示す。1は第2成分
の第1融解ピーク、2は第2成分の第2融解ピーク、3
は第1成分の融解ピークを示す。ここでいうピークと
は、図1に示すとおり、1つのピークの融解開始点と融
解終了点(隣り合うピークの融解開始点とが一致する場
合はその一致点)を直線で結んだとき、ピークを形成し
ているDSC曲線と交差点を有しないものをいう。例え
ば、エチレン含有量の大きい樹脂をEP1 としエチレン
含有量の小さい樹脂をEP2 としたとき、EP1 とEP
2 におけるエチレン含有量の差が2.0重量%未満の2
種類のエチレン−プロピレン共重合体を混合すると、紡
糸フィラメントを延伸し、繊維配向させたときに、EP
1 とEP2 の融解ピークが合成されて、1本のブロード
なピークとなるが、EP1 とEP2 におけるエチレン含
有量の差が2.0重量%を超える場合、EP2は、EP
1 に比べてより非晶部分が残存しやすいため、これらを
混合すると、第2成分に非晶部分と結晶部分が混在し、
EP2 が主として低融点側ピーク(以下、第1融解ピー
クという)として出現し、EP1 が主として中間ピーク
(以下、第2融解ピークという)として出現する。融解
ピークが3本未満であると、熱接着力または弾性反発力
のいずれか一方に偏る傾向にあり、十分な不織布性能ま
たは不織布加工性が得られないからである。
【0010】また、第2成分のエチレン−プロピレン共
重合体において、エチレン含有量の大きい樹脂をEP1
としエチレン含有量の小さい樹脂をEP2 としたとき、
エチレン含有量が7.0重量%以上のEP1 を20〜5
0重量%、エチレン含有量3.0〜5.0重量%のEP
2 を80〜50重量%混合するのが好ましい。より好ま
しくは、EP1 を30〜40重量%、EP2 を60〜
70重量%である。かかるエチレン含有量および混合率
とすることにより、第2成分に2本の融解ピークが出現
し、さらにEP1 が主として熱接着力に寄与し、EP2
が主として弾性反発力および低温接着性に寄与する。E
1 の混合率が20重量%未満であると、熱接着後の繊
維同士の熱接着点における弾性反発力に劣り、50重量
%を超えると、弾性反発力がゴム的要素を強く示し、カ
ード通過性等の工程性が悪くなるからである。EP2
混合率が50重量%未満であると、熱接着後の繊維同士
の熱接着点における弾性反発力が増大するが、繊維表面
の摩擦も増大し、繊維の生産性やカード通過性等の不織
布加工性に劣り、80重量%を超えると、十分な弾性反
発力および低温接着性が得られない。
【0011】そして、本発明の熱接着性複合繊維は、第
2成分が繊維表面の少なくとも一部に露出した構造を採
ることが好ましい。例えば同心円状あるいは偏心状に配
置された芯鞘型複合繊維、並列型複合繊維、分割型複合
繊維、海島型複合繊維などが挙げられ、繊維断面におい
ても円状、異形状などいずれであってもよいが、特に同
心円状芯鞘型複合繊維は、熱接着点が多く、その効果を
十分に発揮することができるので都合がよい。
【0012】第1成分/第2成分の複合比(容積比)
は、3/7〜7/3であることが好ましい。より好まし
くは、4/6〜6/4である。複合比が3/7未満であ
ると、第1成分が屈曲により座屈されてしまい、回復力
に劣るだけでなく、折れじわとなる。また繊維強度が弱
くなり、カード通過性等の不織布加工性に劣る。複合比
が7/3を超えると、不織布加工性には優れているもの
の、熱接着力が弱くなり不織布強力が得られないばかり
か、熱接着点に十分な弾性反発力が得られないからであ
る。
【0013】本発明の熱接着性複合繊維の繊度は、特に
限定されず、用途に応じて適宜設定すればよいが、薄目
付不織布に用いる場合は風合いを重視して、2.0〜
6.0dtexが好ましい。
【0014】次に、本発明の熱接着性複合繊維の製造方
法について説明する。例えば、薄目付不織布に用いる場
合であれば、予め第2成分に使用する2種類以上のエチ
レン含有量の異なるエチレン−プロピレン共重合体を混
合しておき、公知の溶融紡糸機を用い、紡糸温度250
〜300℃で2成分の樹脂を押し出し、繊度3.0〜2
0dtexの紡糸フィラメントを作製する。次いで、紡糸フ
ィラメントを延伸温度80〜130℃、延伸倍率2.0
倍以上で処理し、延伸フィラメントを得る。得られた延
伸フィラメントには、必要に応じて、所定量の繊維処理
剤を付着させ、捲縮付与装置で捲縮を与え、所定の長さ
にカットしてもよい。
【0015】得られた熱接着性複合繊維は、少なくとも
一部が溶融し、熱接着されて不織布となす。2種類以上
のエチレン含有量の異なるエチレン−プロピレン共重合
体が混合された第2成分を溶融させることにより、得ら
れる熱接着点において適度な熱接着力と弾性反発力を付
与され、従来の不織布では得られなかった面反発性やク
ッション性に優れ、折れじわの発生しない柔軟性に富ん
だ不織布となす。繊維ウェブにおける本発明の熱接着性
複合繊維の含有量は、少なくとも50重量%であり、よ
り好ましくは70重量%以上である。含有量が50重量
%未満であると、熱接着点に十分な弾性反発力が得られ
ないからである。
【0016】繊維ウェブの形態は特に限定されず、ステ
ープル繊維からなるパラレルウェブやクロスウェブ、セ
ミランダムウェブ、スパンボンドからなる長繊維ウェ
ブ、短繊維を湿式抄紙した湿式ウェブやエアレイ法によ
る乾式ウェブ、あるいはメルトブロー不織布等をその使
用する用途において適宜決定すればよい。特に不織布の
柔軟性を考慮するとステープル繊維からなる繊維ウェブ
が好ましい。また、得られた繊維ウェブは、ニードルパ
ンチや高圧流体流処理などの二次加工を施してもよい。
【0017】繊維ウェブの目付も特に限定されず、用途
に応じて適宜設定すればよいが、例えば、衛生材料、包
装材、衣料用芯地などであれば、目付30〜50g/m2
好ましく、クッション材など厚目付であれば、目付10
0g/m2以上が好ましい。特に、本発明の不織布は、目付
が30〜50g/m2のような薄目付の不織布としたときに
その柔軟性および面反発性を発揮することができる。
【0018】得られた繊維ウェブは、熱接着性複合繊維
の少なくとも一部が溶融し、熱接着される。繊維ウェブ
を熱接着させる方法は、熱風吹き付け法、熱ロール法な
ど公知の熱処理法を任意に用いればよい。特に柔軟性を
重視するのであれば、熱風吹き付け法が好ましい。熱接
着させる温度は、第1成分の融解ピーク温度(Tmh )未
満で、第2成分における第1融解ピークの融解ピーク温
度をTm1 としたとき、Tm1 −5℃以上が好ましく、より
好ましくは、Tm1 以上、Tmh 未満である。上記範囲で熱
処理することにより、風合いが柔軟で、かつ面反発性に
優れた不織布が得られる。
【0019】得られた不織布の目付が50g/m2以下での
JIS L 1085における防しわ率(A法)は90
%以上であることが好ましい。ここで防しわ率は、不織
布の面反発性を示す指標であり、防しわ率が高いほど、
不織布を折り曲げてそれを解放したときに生じる回復力
が大きく、面反発性に優れているといえる。不織布は一
般に目付が大きくなると構成繊維数が多く、不織布厚み
が大きくなるので、防しわ率は高くなる傾向にあるが、
本発明の不織布は目付が50g/m2以下の薄目付、低厚み
で実現するものである。防しわ率が90%未満である
と、従来の薄目付不織布と同様に面反発性が不十分であ
る。
【0020】また、不織布の嵩密度が0.02g/cm3
上でのJIS L 1096における剛軟度(A法)
は、150mm以下であることが好ましい。剛軟度は不織
布の嵩密度が低いほど小さくなる(不織布が柔軟であ
る)傾向にあるが、本発明の不織布は不織布の嵩密度が
0.02g/cm3 以上の高密度、低厚みで実現するもので
ある。剛軟度が150mmを超えると、不織布の風合いが
硬く、柔軟性を要求する分野に対応できない。また、本
発明の不織布の嵩密度は、0.02〜0.05g/cm3
調整すると、衛生材料、包装材、衣料用芯地などに適し
た不織布が得られ、好ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明の内容について実施例を挙げて
具体的に説明する。なお、得られた繊維のDSC測定、
不織布の防しわ率、剛軟度、カード通過性は以下のとお
り測定した。
【0022】[DSC測定]セイコー電子工業(株)製
SSC−5000を用いて、6mgの繊維を昇温速度10
℃/min 、窒素ガスの条件下で測定した。 [防しわ率]JIS L 1085 防しわ率A法(針
金法)に準じ測定した。
【0023】[剛軟度]JIS L1096 剛軟性A
法(45°カンチレバー法)に準じ測定した。
【0024】[カード通過性] ○:目付斑もなく、良好である。 △:目付斑が発生する。 ×:開繊不良で、ネップが発生する。
【0025】[実施例1]同心円状芯鞘型複合ノズルを
用いて、芯成分(第1成分)として融解ピーク温度(Tm
h )が267℃のポリエチレンテレフタレート樹脂を、
鞘成分(第2成分)として融解ピーク温度が138℃、
エチレン含有量7.5重量%のエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体EP1 (日本ポリオレフィン(株)製、
PM940M)と、融解ピーク温度138℃、エチレン
含有量3.5重量%のエチレン−プロピレンランダム共
重合体EP2 (出光石油化学(株)製、Y−2045G
P)をEP1 :EP2 =30:70で混合した樹脂を用
い、第1成分/第2成分の複合比(容積比)=4/6と
して芯成分の紡糸温度を290℃、鞘成分の紡糸温度を
250℃で溶融押出し、5.6dtexの紡糸フィラメント
を得た。これを80℃の温水中で2.5倍に延伸し、
2.2dtexの延伸フィラメントとし、スタッフィングボ
ックス型クリンパーにて機械的捲縮を施した後、51mm
の繊維長に切断してステープル繊維を得た。上記繊維を
パラレルカードにて目付40g/m2の繊維ウェブとし、熱
風貫通型加工機を用い、140℃で10秒間熱処理し、
不織布となした。
【0026】[実施例2]第1成分/第2成分の複合比
(容積比)=5/5とした以外は、実施例1と同様の方
法で不織布を得た。
【0027】[実施例3] EP1 : EP2=50:50とした以外は、実施例1と
同様の方法で不織布を得た。
【0028】[実施例4]実施例1の熱接着性複合繊維
と芯成分がポリエチレンテレフタレート樹脂、鞘成分が
高密度ポリエチレン樹脂の同心円状芯鞘型複合繊維を8
0:20で混合した繊維ウェブを用いた以外は、実施例
1と同様の方法で不織布を得た。
【0029】[実施例5]鞘成分として、融解ピーク温
度138℃、エチレン含有量5.0重量%のエチレン−
プロピレンランダム共重合体EP1 (日本ポリオレフィ
ン(株)製、TG−710)と、実施例1のエチレン含
有量3.5重量%のエチレン−プロピレンランダム共重
合体EP2 とした以外は、実施例1と同様の方法で不織
布を得た。
【0030】[比較例1]鞘成分(第2成分)のEP1
を100%とした以外は、実施例1と同様の方法で不織
布を得た。
【0031】[比較例2]鞘成分(第2成分)のEP2
を100%とした以外は、実施例1と同様の方法で不織
布を得た。
【0032】[比較例3]鞘成分(第2成分)に融解ピ
ーク温度128℃の高密度ポリエチレン樹脂を用いた以
外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。実施例1
〜5および比較例1〜3の物性を表1および表2に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】実施例1〜5は、いずれも防しわ率および
剛軟度に優れた不織布が得られ、特に実施例1はカード
通過性などの工程性にも優れたものであった。一方、エ
チレン−プロピレン共重合体が単独で使用された場合、
比較例1は、カード通過性など工程性には優れているも
のの、面反発性が不十分で風合いの硬い不織布となっ
た。比較例2は、ゴム的要素が強く、カード通過時にお
いてネップが多発した。さらに、比較例3の従来の不織
布は、面反発性が著しく劣っていた。
【0036】
【発明の効果】本発明の熱接着性複合繊維は、複合繊維
の表面の少なくとも一部に露出した第2成分において、
2種類以上のエチレン含有量の異なるエチレン−プロピ
レン共重合体を混合することにより、適度な熱接着力と
弾性反発力を兼ね備えた不織布加工性に優れた複合繊維
が得られる。そして、本発明の熱接着性複合繊維は、示
差走査熱量測定(DSC)により得られる融解ピークが
3本以上出現するように第2成分のエチレン含有量を調
整することにより、その効果がより顕著となる。
【0037】本発明の熱接着性複合繊維を繊維ウェブと
して熱加工処理を施し、熱接着性複合繊維少なくとも一
部が溶融し、熱接着させることにより、従来では存在し
なかった面反発性やクッション性に優れ、折れじわの発
生しない柔軟性に富む安価な不織布が容易に得られる。
特に、衛生材料、包装材、衣料用芯地のような薄目付不
織布に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱接着性複合繊維における示差走査熱
量測定(DSC)により得られる融解ピークの一例を示
す。
【符号の説明】
1.第2成分の第1融解ピーク 2.第2成分の第2融解ピーク 3.第1成分の融解ピーク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融解ピーク温度(Tmh )が150℃以上
    の繊維形成性樹脂を第1成分とし、エチレン−プロピレ
    ン共重合体を第2成分とし、第2成分が繊維表面の少な
    くとも一部に露出した複合繊維において、第2成分に2
    種類以上のエチレン含有量の異なるエチレン−プロピレ
    ン共重合体が混合されていることを特徴とする熱接着性
    複合繊維。
  2. 【請求項2】 複合繊維において、示差走査熱量測定
    (DSC)により得られる融解ピークが3本以上出現す
    ることを特徴とする請求項1記載の熱接着性複合繊維。
  3. 【請求項3】 第2成分のエチレン−プロピレン共重合
    体において、エチレン含有量の大きい樹脂をEP1
    し、エチレン含有量の小さい樹脂をEP2 としたとき、
    エチレン含有量が7.0重量%以上のEP1 を20〜5
    0重量%、エチレン含有量3.0〜5.0重量%のEP
    2 を80〜50重量%混合していることを特徴とする請
    求項1または2記載の熱接着性複合繊維。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の熱接着
    性複合繊維を少なくとも50重量%含有した繊維ウェブ
    において、熱接着性複合繊維の少なくとも一部が溶融
    し、熱接着されていることを特徴とする不織布。
  5. 【請求項5】 不織布目付が50g/m2以下でのJIS
    L 1085における防しわ率(A法)が90%以上で
    あることを特徴とする請求項4記載の不織布。
  6. 【請求項6】 不織布の嵩密度が0.02g/cm3 以上で
    のJIS L 1096における剛軟度(A法)が15
    0mm以下であることを特徴とする請求項4または5記載
    の不織布。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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