JP3916537B2 - 道路線形設計方法、道路線形設計装置およびコンピュータ読取可能な道路線形設計プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、道路線形設計方法、装置およびプログラムに係り、特に高速道路の道路線形設計において所定の条件を満足させながら建設コストや走行安全性をも最適化するように平面線形および縦断線形を同時に自動設計する道路線形設計方法、装置およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば高速道路を設計する場合には以下のような設計工程を経て作業を行なっている。まず、できるだけ地形に沿って障害物などのコントロールポイントを避けてルートの選定を行なうと共に、道路構造令や設計基準等の法令上の所定の制約条件に違反しないようにして、平面設計を行なう(平面設計工程)。次に、やはり法令上の所定の制約条件に違反しないように注意しながら、コスト低減のために盛土量や切土量などの土工量や橋梁やトンネルなどの構造物をできるだけ少なくするようにして、縦断線形を設計する(縦断設計工程)。
【0003】
次に、地形データや標高データを用いて、一定区間毎に横断面を作成し、道路線形の各区間が盛土を行なうか切土を行なうか、あるいは橋梁やトンネル等の構造物を必要とするかについて決定する(横断予測工程)。各区間について前記横断予測工程の結果に従って横断面から盛土量や切土量のような土工量を算出して土工量のコストの見積りを行なう(土工量コスト見積り工程)。同様に、横断予測の結果に基づいて個々の橋梁やトンネル等の構造物の詳細な構造を決定し、構造物の建設コストの見積りを行なう(建設コスト見積り工程)。
【0004】
上記平面設計工程、縦断設計工程、横断予測工程、土工量コスト見積り工程、建設コスト見積り工程に関して、何回かシミュレーションを行ない、コストが少なく、かつ、滑らかな道路線形が得られるまで上記5つの工程を繰り返し行なうことにより道路の線形設計が行なわれている。
【0005】
平面線形の設計には、通常、片押し法やIP(Intersection Point Method―交点法/折れ点法―)法が用いられている。片押し法は、道路を建設する区間の始点から終点に向かって線形要素を順番に接続していく方法であり、IP法は、まず大まかな折れ線を引いてから、連続する直線に内接する曲線を配置していく方法である。
なお、縦断線形の設計に関する提案としては、本発明者達が提案した非特許文献1のような研究がある。この非特許文献1は、146頁の項目「7.今後の課題」にも記載されているように、「今後の最終目標は平面線形と縦断線形を同時に最適化すること」であると述べている。本願発明はその最終目標としての「平面線形と縦断線形の同時最適化」を提案するものである。とはいえ、本願は従来の平面線形と縦断線形とを単に結合しただけの提案ではなく、本願発明では「仮想空間内の所定の探索範囲の設定」、「三次元座標(X,Y,Z)による3つの位置パラメータと平面線形の接線方向角パラメータと縦断線形の勾配パラメータの5つのパラメータの使用」、「始点と終点と間の制約条件を満たす複数の通過点の設定」、「通過点の全てを含む三次元の仮想線分の設定」という新たな概念を導入することにより平面線形と縦断線形とを概念的に融合し統合することを可能にしている。
【非特許文献1】
山崎外6名、デジタル地形データと遺伝的アルゴリズムによる最適縦断設計の基礎的研究、土木計画額研究・論文集、日本土木学会、2001年9月3日No.18、P.139−148。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の高速道路の設計方法によれば、道路線形の選定は事業費に大きな影響を与えるだけでなく、道路構造令や設計容量のなどの種々の規定や制約条件を満足させながら、経済性や安全性・快適性などの要求にも配慮しなければならない。経験の乏しい道路設計者はもちろんのこと、経験豊富な道路設計者であっても、与えられた地形に対して平面図、縦断図、横断図を作成して、幾つかの道路線形を比較検討するためには、道路設計用CAD(Computer Aided Design)システムを用いたとしても、多大の労力を必要としている。
【0007】
すなわち、従来の設計方法による第1の課題として、平面線形と縦断線形とを別々に設計しているために、三次元的に最適な道路線形を設計することが困難であるという問題があった。すなわち、平面設計工程により、道路の取り付け位置を平面的に設計してから地形や標高等の縦断面を参考にして盛土や切土の必要の有無を判断して横断予測により道路の幅方向の工事の必要量を算定してコストの見積りを行なっているので、何回かシミュレーションを行なってみたとしても、短時間で最適な道路線形を決定することが難しいことになる。
【0008】
また、自動的に道路線形を作成する場合には、片押し法でもIP法でも最適な道路線形を設計できないという問題があった。具体的には、片押し法の場合、始点付近の線形の微少な変動が終点付近では大きな変化として現れてしまい、最適化に必要な線形要素の微調整を効果的に行なうことができないために、最適解に到達できないという問題があった。また、IP法の場合、折れ点の微調整が道路線形の微調整に直結しているので、区間の各部分での大きな変動はないが、パラメータ数が多いために最適化された道路線形を求めるのに膨大な計算量と時間とを費やしてしまうという問題があった。
【0009】
次に、従来の高速道路の設計方法によれば、第2の課題として、道路線形設計は設計者による人的コストを用いて行なっているため、数多くの道路線形を比較検討するためには、多くの時間と人手とが求められ、多大な時間的コストおよび人的コストを必要としている。このため、充分な時間的コストや人的コストを確保することができない場合には、充分に最適化された道路線形を得ることができないという問題があった。
【0010】
さらに、従来の高速道路の設計方法によれば、第3の課題として、道路線形が設計されていく地理的な範囲が広汎なために、自動的な探索法を用いる場合、準最適解に到達するまでに膨大な範囲を探索しなければならず、非常に長い探索時間を費やしてしまうという問題があった。
【0011】
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、平面線形と縦断線形とを同時に設計できると共に局所的パラメータの微調整が道路線形の微調整に対応して取り扱うパラメータの少ない道路線形モデルを提供でき、自動的に最適化された道路線形を探索することにより時間的および人的な建設コストの低減を図ることができ、法令上の制約条件を満たしつつコントロールポイントの回避や滑らかな道路線形の獲得を可能にして完成後の道路の走行安全性を担保することができ、道路線形の自動的な探索により探索時間の短縮化と地理的な範囲の合理的な限定とを可能にする道路線形設計方法、装置およびプログラムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の第1の基本構成に係る道路線形設計方法は、道路線形を設計しようとする区間の始点と終点とが含まれる仮想空間内の制限された所定の探索範囲内に、前記始点と終点との間の種々の制約条件を満たしながら、道路の中心を表す三次元の座標による3つの位置パラメータと平面線形の接線方向角のパラメータと縦断線形の勾配に関するパラメータの5つのパラメータによりそれぞれが定義される複数の通過点を設定するステップと、所定のアルゴリズムを用いて、前記仮想空間内の前記複数の通過点の全てを通過して前記始点から終点までの間を連結する曲線および直線を含む三次元の仮想線分よりなる道路線形を設定するステップと、を備えることを特徴としている。
【0013】
上記第1の基本構成に係る道路線形設計方法は、前記通過点を設定するステップは、隣接する2つの通過点を連結する平面線形が「直線+曲線」「曲線+直線」「曲線+曲線」の何れかにより生成されると共に各曲線半径が最大となるように隣接する2つの通過点を設定することを特徴とする構成を有していても良い。
【0014】
上記構成において、前記通過点を設定するステップは、前記隣接する2つの通過点を連結する前記平面線形を構成する前記「曲線」を「クロソイド+円弧+クロソイド」に置き換えて前記隣接する2つの通過点を設定することを特徴としても良い。
【0015】
上記第1の基本構成に係る道路線形設計方法において、前記通過点を設定するステップは、隣接する2つの通過点を連結する縦断線形が「直線+放物線」「放物線+直線」「放物線+放物線」の何れかにより生成されると共に各縦断曲線半径が最大となるように隣接する2つの通過点を設定する特徴としても良い。
【0016】
上記第1の基本構成に係る道路線形設計方法において、前記道路線形を設定するステップは、所定数の通過点を実数配列してこれらを連結して1本の道路線形を仮定するサブステップと、この道路線形を1つの個体として地形データから建設コストと走行安全性についての評価値を計算するサブステップと、前記評価値の高い道路線形の個体を掛け合わせて新たな個体を生成させるサブステップと、を含む前記所定のアルゴリズムとしての遺伝的アルゴリズムを用いて道路線形を設定することを特徴としても良い。
【0017】
上記第1の基本構成に係る道路線形設計方法において、前記仮想空間内の前記制限された探索範囲は、計画線形を含む所定の幅方向と所定の高さ方向の範囲内に設定され、この計画線形に沿った平面座標と垂直座標を含む路線沿い座標系により規定される探索範囲内で前記通過点を設定することを特徴としても良い。
【0018】
また、この発明の第2の基本構成に係る道路線形設計装置は、道路線形を設計しようとする区間の始点と終点とが含まれる仮想空間内の制限された所定の探索範囲内に、前記始点と終点との間の種々の制約条件を満たしながら、道路の中心を表す三次元の座標による3つの位置パラメータと平面線形の接線方向角のパラメータと縦断線形の勾配に関するパラメータの5つのパラメータによりそれぞれが定義される複数の通過点を設定する通過点設定手段と、所定のアルゴリズムを用いて前記仮想空間内の前記複数の通過点の全てを通過して前記始点から終点までの間を連結する曲線および直線を含む三次元の仮想線分よりなる道路線形を設定する道路線形設定手段と、を備えることを特徴としている。
【0019】
上記第2の基本構成に係る道路線形設計装置において、計画線形を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されている前記計画線形に基づいて設計しようとする前記区間の始点と終点とが含まれる前記仮想空間を設定する仮想空間設定手段と、この仮想空間設定手段により設定された仮想空間内をさらに制限する所定の探索範囲を設定する探索範囲設定手段と、をさらに備え、前記通過点設定手段は、前記仮想空間設定手段により設定された前記仮想空間および前記探索範囲設定手段により設定された前記探索範囲内で前記通過点を設定するようにしても良い。
【0020】
また、この発明の第3の基本構成に係るコンピュータ読取可能な道路線形設計プログラムは、コンピュータにより実行可能な道路線形設計プログラムであって、道路線形を設計しようとする区間の始点と終点とが含まれる仮想空間内の制限された所定の探索範囲内に、前記始点と終点との間の種々の制約条件を満たしながら、道路の中心を表す三次元の座標による3つの位置パラメータと平面線形の接線方向角のパラメータと縦断線形の勾配に関するパラメータの5つのパラメータによりそれぞれが定義される複数の通過点を設定する手順、所定のアルゴリズムを用いて、前記仮想空間内の前記複数の通過点の全てを通過して前記始点から終点までの間を連結する曲線および直線を含む三次元の仮想線分よりなる道路線形を設定する手順、をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る道路線形設計方法、装置およびプログラムの実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。まず、図1ないし図9を用いてこの発明の第1の基本構成に対応する第1実施形態に係る道路線形設計方法について説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1実施形態に係る道路線形設計方法における処理ステップを示すフローチャートである。図1において、第1実施形態の道路線形設計方法は、例えば都市計画決定における計画線形のような探索の中心となる道路線形を入力するステップST1と、道路線形を設計しようとする区間の始点と終点とが含まれる仮想空間内を設定するステップST2と、この仮想空間内のさらに制限された所定の探索範囲内を設定するステップST3と、前記始点と終点との間の種々の制約条件を満たしながら三次元の座標と接線方向角と勾配の5つのパラメータによりそれぞれが定義される複数の通過点を前記仮想空間内のさらに探索範囲内に設定するステップST4と、所定のアルゴリズムを用いて、前記仮想空間内の前記複数の通過点の全てを通過して前記始点から終点までの間を連結する、曲線および直線を含む三次元の仮想線分よりなる道路線形を設定するステップST5と、を備える。
【0023】
第1実施形態に係る道路線形設計方法で特に重要な第1の点は、従来の設計方法のように平面線形の設定をまず行ない、次に設定された平面線形に基づいて縦断線形を設定するのではなく、入力された計画線形に基づいて最終決定された道路線形が通過することになる三次元的な仮想空間を予め設定し、さらにこの仮想空間内に計画路線の幅方向と上下垂直方向の誤差を含む程度の三次元的な探索範囲を設定してから、種々の制約条件を満足させつつ、各々が空間的な点であって最終的な道路線形が通過することになる通過点を、X,Y,Z軸により定義される三次元的な3つの位置パラメータと、その点における接線方向角のパラメータと、その点における勾配に関するパラメータと、の5つのパラメータと共に定義している点である。
【0024】
次に、上記第1実施形態の道路線形設計方法で重要な第2の点は、探索範囲内に設定された通過点モデルに基づいて、例えば遺伝アルゴリズムのような所定のアルゴリズムを用いて、隣接する通過点間または特定の幾つかの通過点間における、より好適な仮想線分をシミュレーションすることにより、最適化を図っていることである。通過点を設定するステップST4で設定された通過点もステップST5の仮想線分により道路線形の設定の際に幾つかの通過点で遺伝的アルゴリズムにより修正が加えられて最終的な通過点モデルと仮想線分とが決定されることになる。
【0025】
また、上記第1実施形態に道路線形設計方法で重要な第3の点は、前記探索範囲を設定するステップST3における探索範囲の設定について路線沿いメッシュ座標系を用いて効率よく限定している点である。以下、これらの3つの重要な点を有するこの発明の第1実施形態に係る道路線形設計方法について、さらに詳細に説明する。
【0026】
まず、第1の点に関する通過点モデルについて、図2ないし図5を参照しながら説明する。まず、図2に示すように、設計しようとする区間の始点と終点の間に適当な数の通過点を設定する。これらの通過点は、X,Y,Z座標に関する3つのパラメータ、接線方向角パラメータ、勾配パラメータの5つのパラメータを有している。各通過点の間は、3つの位置パラメータと、各通過点における接線方向角と勾配との角度パラメータにより定義されるベクトル的な方向性を有する三次元的な仮想線分より順次連結されていくが、便宜的に平面線形と縦断線形とを用いて説明すると、以下のように2つの区間、すなわち、直線区間および/または曲線区間により連結されることになる。
【0027】
まず、平面線形的に説明すると、曲線区間は円弧として表現され、XY座標と接線方向角が与えられた2つの通過点が連結される。平面線形は、図3(a)ないし(c)に示すように、「直線+曲線」、「曲線+直線」、「曲線+曲線(S型曲線)」のいずれかにより生成することができる。まず、曲線半径Rが最大になるような円弧と直線のみで構成する平面線形を生成する。S型曲線の場合には、2つの円弧の曲線半径を同一に設定すると、曲線半径は最大になる。
【0028】
次に、「曲線」を「クロソイド+円弧+クロソイド」で置き換える。クロソイドとは螺旋のことであり、円弧の要に同一の曲率の曲線でなく、曲率が次第に緩やかに変化するか、その逆に次第に急なものに変化するかするものであるが、円弧と直線との間にクロソイドを配置することにより、完成された道路上で車両を走行させる際に直線からカーブにはいる場合と、カーブから直線へと抜ける場合のステアリングの操作性を向上させることができる。曲線をクロソイドを含む円弧形状に置き換える際に、新たな円弧の曲線半径R、緩和区間長Lc、クロソイドパラメータAにはある程度の自由度が残されている。これらのパラメータには「A≦1000(m)」や「70≦Lc≦500」、「R=3≦A≦R」等の法令や設計基準上の制約条件がある。これらの条件を満たしつつ、最も大きな曲線半径Rを選択することになる。
【0029】
円弧のみの曲線を「クロソイド+円弧+クロソイド」の構成へと変換する方法について、補足的に説明する。1つの円弧区間AFが与えられたとき、この円弧を図4に示すように、「クロソイド+円弧+クロソイド」へと変換することは、従来一義的に求めることが困難であった。そこで、この第1実施形態の道路線形設計方法では、比較的容易にクロソイドを含む曲線を求めることができる方法を提供している。それは、道路線形においては、曲率半径が大きいほど良い道路線形であるので、可能な限り最大曲率の曲線半径を求めることができることを目標にしている。ここで、図4は、円弧状の曲線を「クロソイド+円弧+クロソイド」の曲線へと変換する平面線形モデルを示す特性図である。
【0030】
しかしながら、曲線半径R、クロソイドパラメータA、円弧長Lr、クロソイド長Lcには、相互に関連性と制約条件とがあり、独立するパラメータは唯一つである。また、クロソイド曲線は近似式でしか座標を計算することができないため、ある2点間を通過するクロソイド曲線のパラメータを従来のCADでは逆算することができない。したがって、例えば曲線半径Rを与えても、残りのパラメータA,Lr,Lcを直接求めることができない。すなわち、この問題の目標課題は2つである。第1の目標課題は、円弧を「クロソイド−円弧−クロソイド」に置き換える際に、半径RからクロソイドパラメータAを求め、その他のパラメータは半径Rや求められたクロソイドパラメータAから直接計算することができる要にする。第2の目標課題は、各種の制約条件を満たす最大の曲線半径Ropt を求めることである。
【0031】
前提となる関係式は、クロソイド曲線と円弧から求められる。まず、クロソイド曲線の定義から次式が成り立つ。
【0032】
Lc=A2/R (1)
τc=A2/(2R2) (2)
クロソイド曲線の終点C(cx;cy)は次式(3)(4)により近似される。なお、τcは接線方向角である。
【0033】
【数1】
また、円弧区間長および円弧終点における接線方向角は次式(5)(6)により与えられる。
【0034】
【数2】
すなわち、終点Fの接線方向角τf、および曲線半径RおよびクロソイドパラメータAが与えられたならば、クロソイド長さLc、円弧長Lr、点C,D,Fの座標を計算することができる。
【0035】
ここで、クロソイドパラメータAおよびクロソイド長さLc=A2/Rにも制約条件がある。クロソイドパラメータAは、曲線半径Rの1/3以上で、かつ、Rまたは1000mを越えてはならない。また、上記式(5)でLr, 0から、Aに制約が加わる。さらに、クロソイド長Lcは70m以上かつ500m以下である。
【0036】
【数3】
なお、上式(7a)(7b)(8)の3つの条件は、設計基準から定まるものであり絶対条件ではない。一方、式(7c)は式(5)における「Lr≧0」に基づく絶対条件である。したがって、クロソイドパラメータAおよびクロソイド長さLc=A2/Rにも、設計基準からくる制約条件がある。例えば、クロソイドパラメータAは曲線半径Rの1/3以上で、かつ、Rまたは1000mを超えてはならない。
【0037】
曲線半径Rの最大値と最小値は以下のようにして求められる。まず、曲線半径の最大について説明する。曲線半径Rが最大になるのは図5(a)に示すようにクロソイド区間長Lcがゼロの場合である。点Fの接線の垂線とY軸の交点が円弧中心Gとなる。これは、角∠AHFの二等分線とY軸の交点でもある。したがって、曲線半径Rの最大値は、下式(9)のように、クロソイド無しの元の曲線半径Rorg に等しい。
【0038】
Rmax =hx|tanτh|=Rorg (9)
一方、曲線半径Rが最小になるのは、図5(b)に示すように円弧区間長Lrがゼロの場合である。このとき、円弧中心Gは点FからY軸に垂直に下ろした直線と、角度∠AHFの二等分線との交点となる。したがって、曲線半径Rの最小値は、下式(10)のように、点FのY座標値fyに等しい。
【0039】
Rmin =fy (10)
このクロソイドを迅速に決定するために、曲線半径RからクロソイドパラメータAを求める計算方法について説明する。曲線半径Rが与えられたとき、クロソイドパラメータAは、以下のような収束計算により求められる。簡単に言えば、ある曲線半径Rに対して、まず、クロソイドパラメータの取りうる最小値Amin および最大値Amax を求める。ここで、終点Fの接線方向角τf、曲線半径RとクロソイドパラメータAを与えると、終点Fの座標を計算することができることを利用する。つまり、最小値Amin から最大値Amax までの範囲で、曲線半径Rと仮のクロソイドパラメータA’から計算された仮の終点F’が真の終点Fと等しくなるようなパラメータAについて二分法を用いて探索するのである。
【0040】
▲1▼Amin =1,Amax =R√τfとする。
▲2▼A,Rが決定されると、クロソイド長「Lc=A2/R」と同時に、円弧長「Lr=τfR−A2/R」が決定されるので、仮の終点F’を計算することができる。
▲3▼R,Amin から計算した仮の終点座標をF’min とし、R,Amax から計算した終点座標をF’max とする。このとき、「距離AF’min <距離AF<距離AF’max 」となる。
▲4▼Anew =(Amin +Amax )=2とする。距離AF’new <距離AFならばAmin =Anew となり、そうでなければ、Amax =Anew とする。
▲5▼「Amax −Amin 」は1/2ずつ小さくなるので、十分に小さくなるまで、上記▲2▼ないし▲4▼の処理を繰り返して、この最終結果をクロソイドパラメータAとする。
【0041】
次に、制約条件を満たしつつ最大となる最適な曲線半径Ropt の計算方法について説明する。各種の制約条件を満たしながら最大となる最適な曲線半径Ropt を以下のようにして求める。簡単に説明すると、取り得る最大の曲線半径Rmax から始めて、全ての制約条件を満たすか、最小の曲線半径Rmin を下回るまで、徐々に曲線半径を小さくして最適な曲線半径Ropt を求める。
【0042】
▲1▼上記の式(9)(10)により最大・最小の曲線半径Rmax,Rmin を計算する。仮の曲線半径R’=Rmax とする。
▲2▼仮の曲線半径R’について、仮のクロソイドパラメータA’を上述の計算方法にしたがって計算する。
▲3▼仮のクロソイドパラメータA’、仮のクロソイド区間長Lc’が上述した式(7a)ないし(8)の制約条件を満たすか否かをチェックする。制約条件を満たせば終了する。
▲4▼仮の曲線半径R’から一定の値を減じて、R’とする。R’>Rmin であれば、▲2▼に戻る。R’≦Rmin であれば、線形を生成することができずに計算が終了する。
【0043】
次に、仮想空間内の探索範囲内に設定された連続点を連結する仮想線分について縦断線形を当てはめて検証した場合を以下に説明する。縦断線形の検証の場合には、曲線区間は放物線として表現される。標高と勾配が与えられた2地点を結ぶ縦断線形は、図6(a)(b)(c)に示すように、「直線+放物線」、「放物線+直線」、「放物線+放物線」のいずれかにより生成することができる。縦断曲線半径が最も大きな放物線を採用する。
【0044】
上述したような通過点モデルを用いることによって、通過点を与えるだけで、平面線形と縦断線形を一意に決定することができ、通過点を連結した仮想線図に基づいて平面線形と縦断線形を同時に表現することができる。また、通過点モデルを用いることによって、平面線形および縦断線形が1つの通過点につき5つのパラメータ、すなわち、X軸座標位置パラメータ、Y軸座標位置パラメータ、Z軸座標位置パラメータ、接線方向角パラメータ、勾配パラメータにより表現することができ、少ない数のパラメータにより三次元的に道路線形を表現することが可能となる。
【0045】
次に、この発明の第2の課題としての、道路線形設計における設計者による人的コストと、数多くの道路線形を比較検討するために要していた多大な時間的コストと、をそれぞれ削減する必要性を満足させるために、遺伝的アルゴリズムによる最適道路線形の自動的探索について、図7のフローチャートを用いて詳細に説明する。図中、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)による自動探索のことを必要に応じてGA探索と略記する。
【0046】
まず、道路線形パラメータ(=N個の通過点)を実数配列に格納する。すなわち、ある1つの実数配列は、1本の仮想線分として捉えられる道路線形(平面線形+縦断線形)に対応している。この三次元的な道路線形と地形データから、従来手法と同様に建設コスト(土工量コスト、構造物建設コスト)と、走行安全性(道路構造令、設計基準、コントロールポイント条件の違反数、線形の滑らかさ)とを、従来手法と同様に計算する。この両者を重み付け加算したものを、道路線形の評価値とする。
【0047】
次に、道路線形の評価値が最小となるような、道路線形パラメータ値を探索することになるが、この最小評価値に基づくパラメータの自動探索が道路線形の最適化である。道路線形の最適化手法としては、種々のアルゴリズムを用いることができるが、その1つとしてこの実施形態においては遺伝的アルゴリズムを用いている。
【0048】
遺伝的アルゴリズムでは、上述したような通過点を100〜1000組ほど生成して、それぞれの評価値を計算する。仮想空間内の探索範囲内の複数個の通過点よりなる1つの組を「個体」と呼び、この個体が1つの線形に対応している。評価の良い通過点の組だけを「選択」し、評価の悪い個体は削除する。次に、評価の良い個体同士を掛け合わせ、新しい個体、すなわち、新たな通過点の組を発生させる。この操作は、図8(a)に示すように、「交叉」と呼ばれている。また評価の良い個体の一部だけを変えて、新たな個体を発生させる。この操作は、図8(b)に示すように、「突然変異」と呼ばれている。
【0049】
以上が遺伝的アルゴリズムによる1世代分の探索プロセスである。このような探索プロセスを何世代も行なって、より評価の良い個体(=道路線形)を徐々に探索していく。図8(a)に示す交叉処理や、図8(b)に示すような突然変異処理等を組み合わせながら、道路線形パラメータ値を探索する。このような最適道路線形を自動的に探索することによって、人手を介さず自動的に多数の道路線形を生成し、建設コストおよび走行安全性を最適化できるような道路線形を自動的に探索できる。
【0050】
次に、この発明の第3の課題として、道路線形が設計されていく地理的な範囲や三次元的な仮想空間があまりに広汎なために、自動的な探索法を用いる場合、準最適解に到達するまでに膨大な範囲を探索しなければならず、非常に長い探索時間を費やしてしまうという問題があった。この課題を解決するためには、連続点を仮想空間よりもより狭い計画路線に沿った座標系により定義された探索範囲内に制限するようにすればよい。この路線沿いメッシュ座標系による探索範囲の制限は、図9(a)(b)に示すように、平面座標および垂直座標のそれぞれにおける計画線形の測点に基づいて行なわれる。
【0051】
図9(a)に示す平面座標系においては、まず、既存の計画線形が与えられ、それを修正したい場合には、平面座標系を計画線形に沿って設定し、計画線形方向をW軸とし、計画線形からの水平方向のずれ(幅方向)をV軸としている。また図9(b)に示す垂直座標においては、計画線形の測点からの標高のずれをZ軸としている。このように、図9(a)(b)の平面座標および垂直座標を用いることにより、接線方向角および勾配の何れについても、計画線形からの差分として再定義している。
【0052】
図9(a)(b)に定義される探索範囲は、平面座標においては、図9(a)に示すように、計画線形を中心として±100mの範囲であり、垂直座標においては、図9(b)に示すように、計画線形を中心として±30mの範囲である。平面座標および垂直座標におけるこれらの範囲で意義される3次元の領域が探索範囲となる。このように、図9(a)(b)に示される探索範囲を仮想空間内にさらに設定する効果は、パラメータ探索範囲を効率よく限定して、XYZ座標や、接線方向角および勾配について、それぞれ一定の範囲に限定するだけで計画線形を中心とする狭い範囲のみ探索できることである。なお、探索範囲の幅方向の許容範囲±100mと、垂直方向の許容範囲±30mはあくまでも探索範囲の許容範囲の一例であって、この発明はこれに限定されるものではない。
【0053】
例えば、高速道路等の建設に際しては、計画線形は社会的または政治的な必要性に応じて予め決定されている場合が多いため、計画線形を中心に三次元の探索範囲が決められていれば、この発明の特徴である通過点を設定する場合でも予め制限された探索範囲を用いて通過点の修正を行なうことにより、通過点の設定をより迅速に行なうことが可能となる。
【0054】
上述した第1実施形態は、道路線形設計方法に関する発明であったが、本発明は方法のカテゴリーに限定されず、道路線形についての設計装置や設計プログラムのカテゴリーによっても実現可能である。以下、この発明の第2実施形態として道路線形設計装置について図10を用いて説明し、この発明の第3実施形態としての道路線形設計プログラムについて図11を用いて説明する。
【0055】
なお、図10は第2実施形態の機能構成を示すためのブロック図であり、図11は第3実施形態のプログラムの手順を示すフローチャートであるが、上述した第1実施形態に係る道路線形設計方法を説明する際に用いた図1にそれぞれ対応しており、図1を補足的に説明した図2ないし図9も第2および第3実施形態の構成の説明を補足しているものとする。
【0056】
まず、図10の機能ブロック図に示すように、この発明の第2実施形態に係る道路線形設計装置は、都市計画決定における計画線形を記憶する記憶手段1と、記憶手段道路1から計画線形を読み出して設計しようとする区間の始点と終点とが含まれる仮想空間内を設定する空間設定手段2と、この空間設定手段2により設定された仮想空間内のさらに制限された空間に所定の探索範囲を設定する範囲設定手段3と、前記始点と終点との間の種々の制約条件を満たしながら三次元の座標と接線方向角と勾配の5つのパラメータによりそれぞれが定義される複数の通過点を前記仮想空間内のさらに探索範囲内に設定する通過点設定手段4と、所定のアルゴリズムを用いて、前記仮想空間内の前記複数の通過点の全てを通過して前記始点から終点までの間を連結する、曲線および直線を含む三次元の仮想線分よりなる道路線形を設定する道路線形設定手段5と、を備える。
【0057】
この第2実施形態に係る道路線形設計装置は、CAD機能を備えると共に中央処理装置(CPU ―Central Processing Unit―)が搭載されたコンピュータにより実現することができ、記憶手段1は、例えば都市計画決定された計画線形をデータとして記憶する記憶媒体により構成しても良い。また、以下に説明するこの発明の第3の基本構成としての第3実施形態に係る道路線形設計プログラムをコンピュータのCPUに読み込ませることにより実施することも可能である。
【0058】
次に、この発明の第3実施形態に係る道路線形設計プログラムは、図11に示すように、コンピュータにより実行可能な道路線形設計プログラムであって、都市計画決定における計画線形を入力する手順11と、道路線形を設計しようとする区間の始点と終点とが含まれる仮想空間内を設定する手順12と、この仮想空間内のさらに制限された所定の探索範囲内を設定する手順13と、前記始点と終点との間の種々の制約条件を満たしながら三次元の座標と接線方向角と勾配の5つのパラメータによりそれぞれが定義される複数の通過点を前記仮想空間内のさらに探索範囲内に設定する手順14と、所定のアルゴリズムを用いて、前記仮想空間内の前記複数の通過点の全てを通過して前記始点から終点までの間を連結する曲線および直線を含む三次元の仮想線分よりなる道路線形を設定する手順15と、を備えている。
【0059】
第3実施形態におけるこれらの手順11ないし15は、第1実施形態におけるステップST1ないしST5に対応しており、また、CPUを搭載したコンピュータ上で実行される場合には、第2実施形態における記憶手段1およびCPUにおける各種の演算処理ステップとしての設定手段2ないし5に相当している。したがって、第1ないし第3実施形態は、それぞれ異なるカテゴリーを定義しているが、同一の技術思想を開示しているものである。
【0060】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、平面線形と縦断線形とを同時に設計でき、局所的パラメータの微調整が道路線形の微調整に対応して取り扱うパラメータの少ない道路線形モデルを提供でき、自動的に最適化された道路線形を探索することにより時間的および人的な建設コストの低減を図ることができ、法令上の制約条件を満たしつつコントロールポイントの回避や滑らかな道路線形を得ることができ、完成後の道路の走行安全性を担保することができるので、道路線形の自動的な探索により探索時間の短縮化と地理的な範囲の合理的な限定とを可能にする道路線形設計方法、装置およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る道路線形設計方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図2】道路線形の通過点モデルを示す説明図である。
【図3】通過点モデルの平面線形要素の基本型を説明する(a)直線+曲線、(b)曲線+直線、(c)S型曲線をそれぞれ示す説明図である。
【図4】クロソイド+円弧+クロソイドの平面線形モデルを示す説明図である。
【図5】曲線半径の設定の仕方を説明する(a)曲線半径が最大の円弧区間のみの場合と、(b)曲線半径が最小のクロソイド区間のみの場合とを示す説明図である。
【図6】通過点モデルの縦断線形要素の基本型を説明する(a)直線+放物線、(b)放物線+直線、(c)放物線+放物線をそれぞれ示す説明図である。
【図7】遺伝的アルゴリズムにおける最適線形探索ステップの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】エデン的アルゴリズムにおける新たな個体を発生させる(a)交叉と、(b)突然変異とをそれぞれ示す説明図である。
【図9】路線沿いメッシュ座標系における(a)平面座標と(b)垂直座標とを示す説明図である。
【図10】この発明の第2実施形態に係る道路線形設計装置の機能構成を示すブロック図である。
【図11】この発明の第3実施形態に係る道路線形設計プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
ST4 通過点設定ステップ
ST5 道路線形設定ステップ
1 記憶手段
4 通過点設定手段
5 道路線形設定手段
11 計画線形入力手順
12 仮想空間設定手順
13 三次元探索範囲設定手順
14 通過点設定手順
15 三次元道路手順設定手順
Claims (9)
- 道路線形を設計しようとする区間の始点と終点とが含まれる仮想空間内の制限された所定の探索範囲内に、前記始点と終点との間の種々の制約条件を満たしながら、道路の中心を表す三次元の座標による3つの位置パラメータと平面線形の接線方向角のパラメータと縦断線形の勾配に関するパラメータの5つのパラメータによりそれぞれが定義される複数の通過点を設定するステップと、
所定のアルゴリズムを用いて、前記仮想空間内の前記複数の通過点の全てを通過して前記始点から終点までの間を連結する曲線および直線を含む三次元の仮想線分よりなる道路線形を設定するステップと、
を備えることを特徴とする道路線形設計方法。 - 前記通過点を設定するステップは、隣接する2つの通過点を連結する平面線形が「直線+曲線」「曲線+直線」「曲線+曲線」の何れかにより生成されると共に各曲線半径が最大となるように隣接する2つの通過点を設定することを特徴とする請求項1に記載の道路線形設計方法。
- 前記通過点を設定するステップは、前記隣接する2つの通過点を連結する前記平面線形を構成する前記「曲線」を「クロソイド+円弧+クロソイド」に置き換えて前記隣接する2つの通過点を設定することを特徴とする請求項2に記載の道路線形設計方法。
- 前記通過点を設定するステップは、隣接する2つの通過点を連結する縦断線形が「直線+放物線」「放物線+直線」「放物線+放物線」の何れかにより生成されると共に各縦断曲線半径が最大となるように隣接する2つの通過点を設定することを特徴とする請求項1に記載の道路線形設計方法。
- 前記道路線形を設定するステップは、所定数の通過点を実数配列してこれらを連結して1本の道路線形を仮定するサブステップと、この道路線形を1つの個体として線形要素の種々のパラメータや制約条件および地形データから建設コストと走行安全性についての評価値を計算するサブステップと、前記評価値の高い道路線形の個体を掛け合わせて新たな個体を生成させるサブステップと、を含む前記所定のアルゴリズムとしての遺伝的アルゴリズムを用いて道路線形を設定することを特徴とする請求項1に記載の道路線形設計方法。
- 前記仮想空間内の前記制限された探索範囲は、計画線形を含む所定の幅方向と所定の高さ方向の範囲内に設定され、この計画線形に沿った平面座標と垂直座標を含む路線沿い座標系により規定される探索範囲内で前記通過点を設定することを特徴とする請求項1に記載の道路線形設計方法。
- 道路線形を設計しようとする区間の始点と終点とが含まれる仮想空間内の制限された所定の探索範囲内に、前記始点と終点との間の種々の制約条件を満たしながら、道路の中心を表す三次元の座標による3つの位置パラメータと平面線形の接線方向角のパラメータと縦断線形の勾配に関するパラメータの5つのパラメータによりそれぞれが定義される複数の通過点を設定する通過点設定手段と、
所定のアルゴリズムを用いて、前記仮想空間内の前記複数の通過点の全てを通過して前記始点から終点までの間を連結する、曲線および直線を含む三次元の仮想線分よりなる道路線形を設定する道路線形設定手段と、
を備えることを特徴とする道路線形設計装置。 - 計画線形を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されている前記計画線形に基づいて設計しようとする前記区間の始点と終点とが含まれる前記仮想空間を設定する仮想空間設定手段と、この仮想空間設定手段により設定された仮想空間内をさらに制限する所定の探索範囲を設定する探索範囲設定手段と、をさらに備え、前記通過点設定手段は、前記仮想空間設定手段により設定された前記仮想空間および前記探索範囲設定手段により設定された前記探索範囲内で前記通過点を設定することを特徴とする請求項7に記載の道路線形設計装置。
- コンピュータにより実行可能な道路線形設計プログラムであって、
道路線形を設計しようとする区間の始点と終点とが含まれる仮想空間内の制限された所定の探索範囲内に、前記始点と終点との間の種々の制約条件を満たしながら、道路の中心を表す三次元の座標による3つの位置パラメータと平面線形の接線方向角のパラメータと縦断線形の勾配に関するパラメータの5つのパラメータによりそれぞれが定義される複数の通過点を設定する手順、
所定のアルゴリズムを用いて、前記仮想空間内の前記複数の通過点の全てを通過して前記始点から終点までの間を連結する、曲線および直線を含む三次元の仮想線分よりなる道路線形を設定する手順、
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータ読取可能な道路線形設計プログラム。
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