[実施の形態1]
図1は、モビリティシステム10(図26参照)の計画から運用までの概要を説明する説明図である。モビリティシステム10は、歩行者、自転車、および、運転者が運転する一般車両18(図26参照)と、自動運転車両30(図26参照)とが、公道で共存するシステムである。本実施の形態においては、自動運転車両30は路線バス等またはコミュニティバス等の公共交通機関の役割を担い、所定の経路を所定の時間に自律的に走行する。複数の自動運転車両30が、それぞれ異なる経路を走行してもよい。
以下の説明では、モビリティシステム10の計画から運用までを地方自治体、公共交通機関を運行する運行業者、警察および商工会等の関係者が参加するコンソーシアムにより行なう場合を例にして説明する。
まず、計画段階について説明する。コンソーシアムは、自動運転車両30を使用する運行ルート40(図3参照)を立案する(ステップS101)。運行ルート40の立案は、いわゆるまちづくり計画の一環であり、駅、病院、学校、役所、繁華街および住宅地等の間における人の動きに基づいて立案される。
運行ルート40は、既存の道路を通行するルートに限定しない。たとえば、自動運転車両30が走行する道路の車線数の変更、信号機の整備、安全管理装置の整備、および、道路の新設等を含めた道路整備計画を前提として、運行ルート40が立案されてもよい。安全管理装置は、たとえば道路の状態を監視する道路センサ431(図20参照)を含む。
運行ルート40は、自動運転車両30自体は走行しないが、自動運転車両30の走行に影響を及ぼす可能性のある他の車両が走行する道路を含んでも良い。たとえば、自動運転車両30を使用する予定の地区と、隣接する他の地区とを接続する幹線道路の一部を運行ルート40に含んでもよい。このような幹線道路を走行する車両は、自動運転車両30の走行に直接的または間接的に影響を及ぼす可能性があるためである。
立案された運行ルート40に基づいて、走行経路41(図4参照)が生成される(ステップS102)。走行経路41に基づいて、それぞれの自動運転車両30がいつ、どこを、どのように走行するかに関する走行計画65(図26参照)が立案される(ステップS103)。走行経路41および走行計画65の詳細については、後述する。
立案した走行計画に基づいて、事故リスクシミュレーションが行なわれる(ステップS104)。事故リスクシミュレーションにより、運行ルート40の各場所において、どの程度の交通事故発生リスクが存在するかの予測が行なわれる。事故リスクシミュレーションに加えて、渋滞の発生に関するシミュレーション等が行なわれてもよい。事故リスクシミュレーションの詳細については、後述する。
コンソーシアムは、事故リスクシミュレーションによって予測された事故リスクが許容可能であるか否かを判断する(ステップS105)。許容可能ではないと判断した場合(ステップS105でNO)、コンソーシアムは計画変更を行なう(ステップS106)。
ステップS106で行なわれる計画変更は、ステップS103で立案した走行計画の変更、信号機の整備計画の変更、および、道路センサ431等の安全管理装置の設置計画の変更等である。走行計画の変更は、自動運転車両30の走行速度の変更、自動運転車両30の走行頻度の変更等である。その後、ステップS104に戻り、変更後の走行計画に基づいて事故リスクシミュレーションが行なわれる。
許容可能ではないと判断した場合(ステップS105でNO)、コンソーシアムは、破線で示すように運行ルート40の立案(ステップS101)に戻ってもよい。自動運転車両30が経由する場所の変更、経由する順番の変更および道路整備計画等を含めて再検討することにより、自動運転車両30を安全に活用できるまちづくりに貢献できる。
事故リスクが許容可能であると判断した場合(ステップS105でYES)、コンソーシアムは運行ルート40および走行経路41を地域住民等の関係者に開示して、合意形成を行なう(ステップS107)。合意形成の段階で難航した場合には、再度ステップS101等に戻って運行ルート40の修正が行われてもよい。
合意形成が行なわれた後、整備段階に入る。整備段階では、主に運行ルート40の整備が行なわれる(ステップS111)。運行ルート40の整備により、ステップS104で行なった事故リスクシミュレーション時の運行ルート40が具現化される。近隣住民に対する自動運転車両30の運行計画に関するアナウンス等も行われる。
ルート整備が終了した後、運用段階に入る。自動運転車両30の運用が開始される(ステップS121)。運用中は、自動運転車両30の走行状態の監視、自動運転車両30のメンテナンス、および、交通事故等のトラブルへの対処等の運行管理が行われる(ステップS122)。さらに運用段階においては、自動運転車両30の運用状況等に関するデータの蓄積が随時行われる(ステップS123)。
ステップS123で蓄積したデータは、運行ルート40の改善計画策定、事故リスクシミュレーション(ステップS104)、および、他の地域のモビリティシステム10の計画立案(ステップS131) 等に利用される。
以上によりモビリティシステム10の計画から運用までの一連のプロセスを定型化できる。したがって、それぞれの地域の実情に合わせて安全性を確保したモビリティシステム10を速やかに実現できる。さらに、運用中のモビリティシステム10から収集したデータに基づいて、モビリティシステム10の計画から運用までの一連のプロセスを改善できる。
図2は、情報処理装置20の構成を説明する説明図である。情報処理装置20は、計画段階においてコンソーシアムの担当者が使用する装置である。情報処理装置20は、制御部21、主記憶装置22、補助記憶装置23、通信部24、表示部25、入力部26およびバスを備える。制御部21は、本実施の形態のプログラムを実行する演算制御装置である。制御部21には、一または複数のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)またはマルチコアCPU等が使用される。制御部21は、バスを介して情報処理装置20を構成するハードウェア各部と接続されている。
主記憶装置22は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の記憶装置である。主記憶装置22には、制御部21が行なう処理の途中で必要な情報および制御部21で実行中のプログラムが一時的に保存される。
補助記憶装置23は、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは磁気テープ等の記憶装置である。通信部24は、情報処理装置20とネットワークとの間の通信を行なうインターフェイスである。表示部25は、たとえば液晶表示パネルまたは有機ELパネル等である。入力部26は、たとえばキーボードおよびマウス等である。表示部25に入力部26が積層されてタッチパネルを構成していてもよい。
情報処理装置20は、汎用のパソコン、タブレット、大型計算機、または、大型計算機上で動作する仮想マシンである。情報処理装置20は、分散処理を行なう複数のパソコン、または大型計算機等のハードウェアにより構成されても良い。情報処理装置20は、クラウドコンピューティングシステムまたは量子コンピュータにより構成されても良い。
図3は、自動運転車両30の運行ルート40を説明する説明図である。前述のとおり、運行ルート40は、自動運転車両30を使用するルートである。運行ルート40は、自動運転車両30の走行に影響を及ぼす可能性のある道路を含んでも良い。運行ルート40は、自動運転車両30が、駅、病院、学校、役所、繁華街および住宅地等を経由して走行するように立案される。
自動運転車両30は、運行ルート40上を繰り返し走行する。自動運転車両30は、毎回同じ経路を走行しても、時間帯により異なる経路を走行してもよい。複数の自動運転車両30がそれぞれ異なる経路を走行してもよい。
図3においては、運行ルート40の左側の部分を時計回りに周回する経路No.1と、同じ部分を反時計回りに周回する経路No.2と、右下の部分を時計回りに周回する経路No.3との3通りの経路を例示する。
運行ルート40は、土地の高低差等、地形、道路幅、車線数等に関する情報を含む、いわゆる3次元地図に基づいて立案される。3次元地図は、デジタルの地図データの形式で提供されている。3次元地図からは、任意の場所における道路の3次元形状、道路の勾配等を含む種々の情報を抽出可能である。運行ルート40は、自動運転車両30向けに整備された、いわゆるダイナミックマップに基づいて立案されても良い。ダイナミックマップは、静的情報と動的情報とを組み合わせたデジタル地図である。
静的情報は、路面情報、車線情報、三次元構造物、および、制限速度等の恒久的な交通規制に関する情報等を含む、高精度3次元地図情報である。動的情報は、臨時の交通規制に関する情報、道路工事に関する情報、渋滞情報、事故情報等の、刻刻と変化する情報を含む。運行ルート40の立案時には、ダイナミックマップのうちの静的情報が利用される。
運行ルート40のうち、既存の道路を利用する部分については、これらの既存の3次元地図に含まれている地形等の情報が流用される。新たに整備する部分については、整備後の道路に関する情報が使用される。
なお、制限速度の代わりに、自動運転車両30の仕様および道路の状態に基づいて定められた走行可能速度の上限値が使用されてもよい。たとえば、制限速度が時速120キロメートルの高速道路であっても、自動運転車両30の走行可能速度の上限値を時速80キロメートル等に設定できる。
図4および図5は、走行経路41を説明する説明図である。走行経路41は、運行ルート40に沿って配置された複数の道路ブロック42により構成されている。道路ブロック42は、交差路ブロック421および非交差路ブロック422を含む。以下の説明ではそれぞれの道路ブロック42に含まれる道路の端を端部と記載する。交差路ブロック421は、交差点において交差する道路の数に対応する端部を有する。非交差路ブロック422は、2個の端部を有する。
図4のA部を拡大して、図5に示す。それぞれの道路ブロック42には、固有の道路ブロックID(Identifier)が付与されている。以下の説明では道路ブロックIDが番号である場合を例にして説明する。No.2およびNo.3は、非交差路ブロック422である。それぞれの道路ブロックIDと、道路の長さ、制限速度、車線数および傾斜等の道路情報とが関連づけて記録されている。道路情報は、3次元地図から取得される。傾斜角度は、たとえば「東向きの上り坂が正」のように、正負の向きがあらかじめ定義されている。
それぞれの非交差路ブロック422内では、制限速度、車線数および傾斜等の道路情報は一定である。道路情報に変化がある箇所においては、別の交差路ブロック421または非交差路ブロック422が連結されている。
No.1は、T字路の交差路ブロック421である。道路ブロックIDと、交差部から延びるa、b、cそれぞれの道路の長さ、制限速度、車線数および傾斜等の道路情報とが関連づけて記録されている。図示を省略するが、それぞれの道路ブロック42について、どの道路ブロックIDの道路ブロック42が接続されるかも記録されている。
交差路ブロック421内では、交差部から延びるそれぞれの道路の制限速度、車線数および傾斜等の道路情報は一定である。道路情報に変化がある箇所においては、別の交差路ブロック421または非交差路ブロック422が連結されている。
図6から図9は、走行経路生成作業を説明する説明図である。以下の説明では、図1中のステップS102で行なわれる処理について説明する。図6から図9は、ユーザであるコンソーシアムの担当者が、ステップS102の走行経路生成を行なう際に、情報処理装置20の表示部25に表示される画面の例を示す。
図6は、走行生成作成作業を開始した際に表示部25に表示される画面の例を示す。画面は、地図欄56、候補欄57、保存ボタン584および終了ボタン585を含む。地図欄56には、自動運転車両30の走行予定範囲を示す地図が表示されている。自動運転車両30の運行ルート40を破線で示す。候補欄57には、様々な形状の道路ブロック42が表示されている。図6に示す例においては、上から四叉路型、T字路型、Y字路型の3種類の交差路ブロック421、および、屈折路型、カーブ路型、直線路型の3種類の非交差路ブロック422が表示されている。
なお、道路ブロック42の種類は図6に例示するものに限定しない。道路ブロック42は、たとえば五叉路型、六叉路型等の交差路ブロック421を含む。道路ブロック42は、鉛直方向に屈曲する峠状または谷状の交差路ブロック421または非交差路ブロック422等を含んでもよい。
図7に示すように、ユーザは候補欄57から適切な道路ブロック42を選択して、運行ルート40にドラッグアンドドロップする。制御部21は、選択された道路ブロック42の形状を、運行ルート40の道路形状に合わせて変形させるマッチングを行なう。マッチングは、たとえば道路ブロック42に含まれる道路同士の角度を運行ルート40に合わせて変更することにより行なう。
マッチングに成功した場合、制御部21は、図8に示すようにドロップされた道路ブロック42に対応する部分を破線の枠で地図欄56に表示する。制御部21は、運行ルート40のうち道路ブロック42に含まれる部分を実線で表示する。制御部21は、道路ブロック42に含まれる各道路の道路情報を3次元地図から取得して、地図欄56の下側に表示する。
たとえば三叉路の道路ブロック42は、直線路またはカーブ路にはマッチングできない。図9は、マッチングに成功しなかった場合に、制御部21が表示する画面の例を示す。ユーザが、候補欄57の一番上に表示された四叉路型の交差路ブロック421を図7と同様の場所にドラッグアンドドロップした場合を例にして説明する。ドラッグアンドドロップ操作を受け付けた場所の近傍には四叉路が存在しないため、制御部21は適切なマッチングを行なえない。
制御部21は、ドラッグアンドドロップ操作を受け付けた場所の近傍範囲を破線の円で地図欄56に表示する。制御部21は、地図欄56の下部にエラーメッセージを表示する。ユーザは、エラーの発生を認識して、適切な道路ブロック42を選択できる。なお、ドラッグアンドドロップを受け付けた位置からどの程度の範囲をマッチングの探索対象に含めるかは、ユーザが適宜設定できることが望ましい。
図10は、道路ブロック42の近接判定処理を説明する説明図である。4本の道路が互いに直交するタイプの四叉路が2個連続した運行ルート40を例にして説明する。四叉路同士を接続する道路の長さは、xメートルである。四叉路同士の間の直線路では、制限速度、車線数および傾斜等の道路情報は一定である。
ユーザは、四叉路型の交差路ブロック421をそれぞれの四叉路にドラッグアンドドロップする。制御部21は、xが所定の長さdよりも長いか否かを判定する。xがdよりも長いと判定した場合、制御部21は、図10の右上に示すように間隔を空けて2個の交差路ブロック421を配置する。ユーザは、2個の交差路ブロック421の間に非交差路ブロック422をドラッグアンドドロップ操作する。制御部21は、2個の交差路ブロック421の間に非交差路ブロック422を接続する。制御部21は、自動的に適切な非交差路ブロック422を選択して、2個の交差路ブロック421同士の間に接続してもよい。xがd以下の長さであると判定した場合、制御部21は、図10の右下に示すように2個の交差路ブロック421同士を交差路の中央部において互いに接続した状態で配置する。
制御部21は、交差路ブロック421と非交差路ブロック422、および非交差路ブロック422同士についても同様に、所定の閾値よりも近接している場合には接続した状態で配置し、離れている場合には接続しない状態で配置する。
なお、長い区間にわたって制限速度、車線数および傾斜等の道路情報が一定である場合、制御部21は長く伸ばした一つの非交差路ブロック422を配置しても、複数の非交差路ブロック422同士を接続して配置しても良い。長く伸ばした1つの非交差路ブロック422を配置する場合、図1のステップS104で説明した事故リスクシミュレーションの計算量を少なくできる。複数の非交差路ブロック422同士を接続して配置する場合、図1のステップS122で説明した運行管理をきめ細かく行なえる。
ユーザは、図6から図10を使用して説明した操作を繰り返すことにより、図3を使用して説明した運行ルート40に基づいて、複数の道路ブロック42により構成された走行経路41を作成する。なお、以上に説明した処理を、制御部21が自動的に実行して走行経路41を作成してもよい。
図11は、プログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。図11に示すプログラムは、運行ルート40に基づいて走行経路41を作成するプログラムである。
制御部21は、ネットワークを介して運行ルート40を取得する(ステップS501)。運行ルート40はあらかじめ補助記憶装置23に記憶されていてもよい。制御部21は、図6を使用して説明した画面を表示部25に表示する(ステップS502)。
制御部21は、道路ブロック42の選択を受け付ける(ステップS503)。制御部21は、道路ブロック42を配置する場所の指定を受け付ける(ステップS504)。図7を使用して説明したように、ユーザが道路ブロック42を候補欄57から地図欄56にドラッグアンドドロップする操作を受け付けることにより、制御部21はステップS503およびステップS504を実行できる。
なお、制御部21が受け付ける操作はドラッグアンドドロップ操作に限定しない。たとえば制御部21は、道路ブロック42をクリック操作により選択した後に、配置する場所をクリック操作により選択する操作を受け付けてもよい。制御部21は、音声入力、ジェスチャー入力等、任意の入力方式による指示を受け付けてもよい。
制御部21は、ステップS503で受け付けた道路ブロック42と、ステップS504で受け付けた場所近傍の運行ルート40の形状とが対応しているか否かを判定する(ステップS505)。対応していないと判定した場合(ステップS505でNO)、制御部21は図9を使用して説明したエラー表示を行なう(ステップS506)。制御部21はステップS503に戻る。
対応していると判定した場合(ステップS505でYES)、制御部21は処理中の道路ブロック42に固有の道路ブロックIDを付与する(ステップS507)。制御部21は処理中の道路ブロック42に近接する道路ブロック42が配置済であるか否かを判定する(ステップS508)。ここで「近接する」とは、たとえば図10の右下で説明したように道路ブロック42同士が所定の閾値よりも近い状態を意味する。
配置済であると判定した場合(ステップS508でYES)、制御部21は、処理中の道路ブロック42および近接する道路ブロック42の形状および寸法を運行ルート40に合わせて変形する(ステップS511)。制御部21は、近接する道路ブロック42同士が接続していることを、それぞれの道路ブロック42の道路ブロックIDに基づいて記録する(ステップS512)。
制御部21は処理中の道路ブロック42の道路の長さ、制限速度、車線数および傾斜等の道路情報を3次元地図から取得して、道路ブロックIDと関連づけて記録する(ステップS513)。制御部21は、ステップS508で近接していると判定した配置済の道路ブロック42について、道路の長さに関する情報を更新する。
配置済ではないと判定した場合(ステップS508でNO)、制御部21は、処理中の道路ブロック42の形状を運行ルート40に合わせて変形する(ステップS521)。制御部21は、処理中の道路ブロック42の道路の長さ、制限速度、車線数および傾斜等の道路情報を3次元地図から取得して、道路ブロックIDと関連づけて記録する(ステップS522)。
ステップS513またはステップS522の終了後、制御部21は運行ルート40全体の処理を終了したか否かを判定する(ステップS531)。終了していないと判定した場合(ステップS531でNO)、制御部21はステップS503に戻る。終了したと判定した場合(ステップS531でYES)、制御部21は完成した走行経路41、すなわち、それぞれの道路ブロック42の仕様および道路ブロック42同士の接続関係を補助記憶装置23に記録する(ステップS532)。その後、制御部21は処理を終了する。
本実施の形態によると、図1を使用して説明した走行経路生成(ステップS102)の作業を支援する情報処理装置20を提供できる。運行ルート40に基づいて生成された走行経路41は、走行計画立案(ステップS103)以降の処理で利用される。走行経路41は、運行ルート40に沿って配置された複数の道路ブロック42により構成されているため、情報処理装置20を使用した処理をスムーズに行なえる。
ユーザが、一つ一つの道路ブロック42を選択する操作を行なうため、運行ルート40固有の状況に合致した走行経路41を生成できる。走行経路41を生成する操作をしながらユーザが運行ルート40を十分に把握し、その知見を以後の作業で活用できる。
[実施の形態2]
本実施の形態は、運行ルート40に基づいて走行経路41を全自動で生成する情報処理装置20に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図12は、実施の形態2のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。制御部21は、運行ルート40を取得する(ステップS541)。制御部21は運行ルート40から特徴箇所を1つ抽出する(ステップS542)。特徴箇所は、たとえば交差点またはカーブ等である。
制御部21は抽出した特徴箇所に対応する形状の道路ブロック42を選択する(ステップS543)。制御部21は、道路ブロック42に固有の道路ブロックIDを付与する(ステップS544)。制御部21は、付与した道路ブロックIDと関連づけて、道路ブロック42を配置する位置を記録する。
制御部21は、運行ルート40に沿った任意の方向に隣接する特徴箇所を抽出する(ステップS545)。制御部21は、隣接する特徴箇所同士の運行ルート40に沿った距離を算出する(ステップS546)。制御部21は、隣接する特徴箇所同士が近接しているか否か、すなわちステップS546で算出した距離が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS547)。
近接していると判定した場合(ステップS547でYES)、制御部21はステップS545で抽出した特徴箇所に対応する形状の道路ブロック42を選択して、道路ブロックIDを付与する(ステップS548)。制御部21は、隣接する道路ブロック42同士が接続していることを、それぞれの道路ブロック42の道路ブロックIDに基づいて記録する(ステップS549)。
近接していないと判定した場合(ステップS547でNO)、制御部21は隣接する特徴箇所の間に配置する1個または複数個の非交差路ブロック422を選択する(ステップS551)。制御部21は、ステップS545で抽出した特徴箇所に対応する形状の道路ブロック42を選択する。制御部21は、特徴箇所に対応する形状の道路ブロック42およびステップS551で選択した道路ブロック42にそれぞれ道路ブロックIDを付与する(ステップS552)。
なお、ステップS545で抽出した特徴点に対応する道路ブロック42に既に特徴ブロックIDが付与されている場合、ステップS548およびステップS552において制御部21は新たな特徴ブロックIDを付与しない。
制御部21は、隣接する特徴箇所に対応する道路ブロック42同士がステップS551で選択した非交差路ブロック422を挟んで接続していることを、それぞれの道路ブロック42の道路ブロックIDに基づいて記録する(ステップS553)。
ステップS549またはステップS553の終了後、制御部21はステップS545で抽出した特徴箇所に対応する道路ブロック42に未接続の端部があるか否かを判定する(ステップS561)。未接続の端部があると判定した場合(ステップS561でYES)、制御部21はステップS545に戻る。
未接続の端部がないと判定した場合(ステップS561でNO)、制御部21は運行ルート40全体の処理を終了したか否かを判定する(ステップS562)。終了していないと判定した場合(ステップS562でNO)、制御部21は未接続の端部を有する道路ブロック42を選択する(ステップS565)。制御部21はステップS545に戻る。
終了したと判定した場合(ステップS562でYES)、制御部21はそれぞれの道路ブロック42について、道路の長さ、制限速度、車線数および傾斜等の道路情報を3次元地図から取得して、道路ブロックIDと関連づけて記録する(ステップS563)。制御部21は、完成した走行経路41を補助記憶装置23に記録する(ステップS564)。その後、制御部21は処理を終了する。
本実施の形態によると、運行ルート40に基づいて自動的に走行経路41を生成する情報処理装置20を提供できる。
[実施の形態3]
本実施の形態は、図1を使用して説明した走行計画立案(ステップS103)の作業を支援する情報処理装置20に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図13および図14は、走行計画65を説明する説明図である。図13の横軸は、運行ルート40に沿った走行距離である。図13の縦軸は、制限速度である。横軸のL0、L1、L2、およびL3のメモリは、道路ブロック42の境界の位置を示す。L0からL1までの道路ブロック42の制限速度はV1である。L1からL2までの道路ブロック42の制限速度はV3である。L2からL3までの道路ブロック42の制限速度はV2である。
自動運転車両30は、それぞれの道路ブロック42における制限速度で走行した場合に最も短時間で所定の経路を走行できる。しかしながら、道路ブロック42の境界で急激に速度が変化するため、乗客にとっては乗り心地が悪く、転倒等の危険もある。
図14は、急激な速度変化という問題点を解消した走行計画65の一例である。図14の横軸は、運行ルート40に沿った走行距離である。図14の縦軸は、自動運転車両30の走行速度である。太線により、自動運転車両30の走行計画65を示す。
自動運転車両30は、L0の位置からしばらくは速度V1で走行する。自動運転車両30は、L1よりも距離d1手前で減速を開始して、L1では次のブロックの制限速度である速度V2で走行する。自動運転車両30は、L2から加速して距離d2後に制限速度である速度V3に到達する。
以上のように、制限速度が低い道路ブロック42に入る場合には境界よりも手前から減速を開始し、制限速度が高い道路ブロック42に入る場合には境界を通過後に加速する。境界の両側の速度は同一であるため、境界通過時に速度変化は生じない。以上により、制限速度を守りながら、道路ブロック42の境界における急激な速度変化を避けて走行する自動運転車両30を実現できる。
複数の自動運転車両30を同時に使用する場合には、それぞれの自動運転車両30について図14を使用して説明した走行計画65を作成する。作成した走行計画65に基づいて、自動運転車両30の運行ダイヤおよび運行時刻表を作成できる。運行ダイヤは、たとえば横軸に時刻、縦軸に経由地を用いた折れ線グラフにより表現される。運行時刻表は、自動運転車両30が所定の場所を通過する時刻を示す表により表現される。走行位置と走行速度との関係を定めた走行計画65に基づいて運行ダイヤおよび運行時刻表を作成する方法は公知であるため、説明を省略する。
図14では道路ブロック42の境界の前後で走行速度を等しくする例を説明したが、走行速度に加えて加速度を等しくしてもよい。乗客が速度の変化を感じにくく、快適に乗車できる自動運転車両30を提供できる。
図15は、実施の形態3のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。図15のプログラムは、自動運転車両30が走行する経路全体の走行計画65を算出するプログラムである。図15のプログラムは、たとえば丸一日の自動運転車両30の走行計画65の立案に使用される。図15のプログラムは、出発地から目的地まで、または所定の周回ルート一周分の走行計画65の立案に使用されてもよい。
以下の説明では、図2を使用して説明した実施の形態1と同一の情報処理装置20を使用する場合を例にして説明する。本実施の形態のプログラムは実施の形態1とは異なる情報処理装置20で実行されてもよい。
制御部21は、補助記憶装置23に記録された走行経路41を取得する(ステップS601)。制御部21は、ネットワークを介して走行経路41を取得してもよい。制御部21は、走行経路41に含まれるそれぞれの道路ブロック42における自動運転車両30の走行条件を初期値に設定する(ステップS602)。
走行条件は、たとえば経路上の各走行位置における自動運転車両30の速度である。走行条件は、各走行位置を自動運転車両30が通過する時刻であってもよい。走行条件は、たとえば経路上の各走行位置における自動運転車両30の加速度であってもよい。
走行条件の初期値は、たとえばそれぞれの道路ブロック42に関連づけて記録された制限速度である。走行条件の初期値は、たとえば時速30キロメートル等の、すべての道路ブロック42に対して一律の条件であってもよい。
制御部21は、走行条件に基づいて自動運転車両30が走行した場合に、滑らかに走行できるか否かを判定する(ステップS603)。たとえば、自動運転車両30の最大加速度が所定の閾値を超えない場合に、制御部21は自動運転車両30が滑らかに走行できると判断する。
滑らかに走行できると判定した場合(ステップS603でYES)、制御部21は走行条件に基づいて自動運転車両30が走行した場合に、制限速度内の速度で走行するか否かを判定する(ステップS604)。制御部21は、自動運転車両30の運行ルートに沿って、それぞれの道路ブロック42および道路ブロック42同士の境界に対するステップS603およびステップS604の判定を順次行なっても良い。制御部21は、自動運転車両30が走行する経路全体にわたる走行シミュレーションを行ない、ステップS603およびステップS604の判定をそれぞれ行なっても良い。
滑らかに走行できないと判定した場合(ステップS603でNO)、または、制限速度を超えると判定した場合(ステップS604でNO)、制御部21は走行条件を修正する(ステップS605)。
具体的には、制御部21はたとえば図14を使用して説明したように自動運転車両30の速度が大きく変化する場所の前後で加速または減速を行なうように走行条件を修正する。制御部21は、図14を使用して説明した距離d1および距離d2の一方または双方を変更することにより、走行条件を修正してもよい。図14においては、速度を変化させる際の加速度が一定である例を示すが、制御部21は加速度を緩やかに変化させてもよい。
さらに制御部21は、自動運転車両30の走行速度が制限速度を超える場所で減速を行なうように走行条件を修正する。その後、制御部21はステップS603に戻る。
自動運転車両30が制限速度内の速度で走行すると判定した場合(ステップS604でYES)、制御部21は完成した走行計画65を補助記憶装置23に記録する(ステップS606)。その後、制御部21は処理を終了する。
ステップS606で補助記憶装置23に記録された走行計画65は、必要に応じて自動運転車両30に送信されて、補助記憶装置33(図26参照)に記録される。制御部31は、走行計画65と、車載センサ362(図26参照)がリアルタイムで取得した情報とに基づいて、自律的に走行する。
本実施の形態によると、図1を使用して説明した走行計画立案(ステップS103)の作業を実行する情報処理装置20を提供できる。
本実施の形態によると、ステップS603からステップS605の繰り返し処理を行なうことにより自動運転車両30を滑らかに、かつ制限速度内で走行させる走行計画65を算出する情報処理装置20を提供できる。
たとえば、所要時間が所定の閾値以下であるか、カーブを走行中のいわゆる横Gが所定の値以下であるか等、任意の制約条件が、ステップS603からステップS605の繰り返し処理の中に追加されても良い。
[実施の形態4]
本実施の形態は、図1を使用して説明した事故リスクシミュレーション(ステップS104)を実行する情報処理装置20に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図16および図17は、第1点数の例を説明する表である。第1点数は、道路ブロック42の種類ごとに定められた、事故リスク、すなわち事故が発生するリスクの大きさを示す点数である。第1点数が大きいほど、事故リスクが高いことを意味する。道路ブロック42の種類は、道路を平面視した形状に基づいて分類する。
図16は、各種の非交差路ブロック422に対して定められた第1点数の例を示す。No.1に示す直線路型の非交差路ブロック422の第1点数は1点であり、No.2に示すカーブ型およびNo.3に示す屈折路型の非交差路ブロック422の第1点数は2点である。
図17は、各種の交差路ブロック421に対して定められた第1点数の例を示す。No.1に示すY字路型およびNo.2に示すT字路型の交差路ブロック421の第1点数は3点であり、No.3に示す四叉路型の交差路ブロック421の第1点数は4点である。
第1点数は、道路ブロック42の種類と、事故の発生頻度との関係に関する統計値に基づいて決定される。図16および図17は第1点数が整数である例を示すが、第1点数は小数点以下の数字を含んだ点数であってもよい。
図18は、第2点数の採点項目の例を説明する表である。第2点数は、道路ブロック42に含まれる道路の構造に基づいて定められた、事故リスクに関する点数である。第2点数が大きいほど、事故リスクが高いことを意味する。
第2点数の採点項目は、道路ブロック42の形状ごとに定められている。図18は、Y字路型の交差路ブロック421に対する採点項目の例を示す。図18の右上に示すように、Y字路を構成する3本の道路をa、b、cで示す。図18の道路列に示すように、それぞれの道路について、採点を行なう。図18の評価項目列は、第2点数の評価項目を示す。図18の選択肢列は、評価項目ごとの選択肢を示す。図18の点数列は、選択肢ごとの点数を示す。
図18の上側の項目から具体的に説明する。道路aから交差路ブロック421に侵入する場合に、交差部に信号機が存在する場合には「-1」点、信号機が存在しない場合には「+1」点である。道路aが幹線道路である場合には「-1」点、幹線道路ではない場合には「+1」点である。
走行経路41を構成するそれぞれの道路ブロック42について、第2点数の採点が行なわれる。採点は、たとえば高精度3次元地図情報に基づいて行われる。担当者が実際に現地に赴いて採点を行なっても良い。自動運転車両30の運行を開始するまでに道路整備を実施する予定がある場合には、当該道路整備を行なった後の状態に基づいて第2点数の採点が行なわれる。
なお、図18に示す評価項目、選択肢および点数はいずれも例示である。表1に、その他の評価項目の例を示す。表1においては、それぞれの評価項目に対応する選択肢および第2点数の記載は省略する。評価項目は、図18および表1に列挙する項目に限定されない。評価項目は、図18および表1に列挙する全項目を含む必要もない。
第2点数は、道路ブロック42の構造、すなわち各評価項目の状態と、事故の発生頻度との関係に関する統計値に基づいて決定される。図18は第2点数が整数である例を示すが、第2点数は小数点以下の数字を含んだ点数であってもよい。
図19は、第2点数の使用方法を説明する説明図である。図19はY字路型の交差路ブロック421を示す。a、b、cそれぞれの道路の評価を表形式で示す。それぞれの表の一番下の行の「合計」の点数が、それぞれの道路の点数である。
図19においては、自動運転車両30はaの道路から交差路ブロック421に侵入し、cの道路から退出する。入口側の道路であるaの道路の点数と、出口側の道路であるcの道路の点数とを加算した6点を、当該交差路ブロック421を自動運転車両30が通過する際の第2点数に使用する。
非交差路ブロック422については、道路が1本だけであるため、当該道路に関する評価項目に基づいて第2点数が算出される。すなわちユーザは、図19を使用して説明したa、b、cの道路のうちの一本に対する評価と同様の手順を用いて、非交差路ブロック422の第2点数を算定する。
図20は、道路センサ431の配置例を説明する説明図である。図20においては、道路脇に設置されて、車両、歩行者および自転車等を非接触で検出するLiDAR(Light Detection and Ranging)センサ、レーダーセンサ、ミリ波センサまたはカメラ等の道路センサ431を例に説明する。
図20の例では、四叉路型の交差路ブロック421の道路脇に、左右方向に対向して2個の道路センサ431が配置された例を示す。左側の道路センサ431のセンシング範囲を右下がりのハッチングで、右側の道路センサ431のセンシング範囲を左下がりのハッチングでそれぞれ模式的に示す。
道路センサ431は、センシング結果を示すセンサ情報を送信する。センサ情報を解析することにより、道路上を走行する車両の有無、道路上の障害物の有無、道路に侵入した歩行者、自転車、動物等の有無等を判定できる。これらの判定結果を使用することにより、交差路ブロック421の事故リスクを低減できる。
道路センサ431は、前述の非接触のセンサに限定しない。道路センサ431は、道路に埋設されており、通行する車両を検出するセンサであってもよい。道路センサ431は、道路の凍結状況、積雪状況、気温等を検出するセンサであってもよい。道路センサ431は自動運転車両30および一般車両18を安全に走行させる安全管理装置の例示である。安全管理装置は、センサに限定しない。たとえばカーブミラーおよび情報表示板も、安全管理装置の例示である。
図21は、インフラ点の例を説明する表である。No.1は、四叉路型の交差路ブロック421にX型の安全管理装置が2個配置された場合のインフラ点が「-0.5点」であることを示す。NO.2は四叉路型の交差路ブロック421にY型の安全管理装置が1個配置された場合のインフラ点が「-1」点であることを示す。No.3は、四叉路型の交差路ブロック421にX型の安全管理装置が4個配置された場合のインフラ点が「-1.5」であることを示す。
インフラ点は、道路ブロック42の種類および安全管理装置の種類と配置ごとに定められた、事故リスク、すなわち事故が発生するリスクを低減する効果を示す点数である。インフラ点が小さいほど、事故リスクを低減する効果が高いことを意味する。X型、Y型は、それぞれ安全管理装置の種類および仕様を示す。
安全管理装置が設置された道路ブロック42においては、前述の第1点数をインフラ点に基づいて修正する。図21のNo.1を例にして説明する。図17のNo.3に示すように、四叉路型の道路ブロック42に関する第1点数は4点である。No.1の安全管理装置を設置することにより、道路ブロック42の事故リスクは4点から3.5点に低下する。
図22は、安全管理装置の配置変更を受け付ける画面例である。以下の説明では、図2を使用して説明した実施の形態1と同一の情報処理装置20を使用する場合を例にして説明する。本実施の形態のプログラムは実施の形態1とは異なる情報処理装置20で実行されてもよい。
図22は、ユーザであるコンソーシアムの担当者が、ステップS104の事故リスクシミュレーションを行なう際に、情報処理装置20の表示部25に表示される画面の例を示す。
画面は、走行経路欄51、現ブロック欄52、複数の候補ブロック欄53、凡例欄54、選択ブロック枠55、決定ボタン581、新規ブロックボタン582および再計算ボタン583を含む。走行経路欄51には走行経路41が表示されている。
図22は、No.001の道路ブロック42が選択された状態を示す。選択中の道路ブロック42が選択ブロック枠55で囲まれている。現ブロック欄52に、No.001の道路ブロック42には安全管理装置が配置されていないことが示されている。候補ブロック欄53に、同一形状で安全管理装置を配置した道路ブロック42の候補が表示されている。現ブロック欄52および候補ブロック欄53の下部に、インフラ点が表示されている。安全管理装置の種類は、A、B等の記号により表示されている。それぞれの記号の意味は、凡例欄54に表示されている。
ユーザは、入力部26を操作して走行経路41から道路ブロック42を選択する。制御部21は、選択を受け付けた道路ブロック42の略図とインフラ点とを現ブロック欄52に表示する。制御部21は、選択を受け付けた道路ブロック42との互換性を有し、安全管理装置の異なる道路ブロック42の略図とインフラ点とを候補ブロック欄53に表示する。
ユーザは、現ブロック欄52に表示される現在の安全管理装置およびインフラ点と、候補ブロック欄53に表示される候補とを見比べて、適切な候補を選択する。候補ブロック欄53に所望の候補ブロックが表示されない場合、ユーザは新規ブロックボタン582を選択する。制御部21は、ユーザが望む安全管理装置を配置した新たな道路ブロック42を作成する画面を表示する。新たな道路ブロック42を作成する画面は、たとえば汎用のCAD(Computer Aided Design)ソフトと同様の画面を使用できるため、説明を省略する。
ユーザは、走行経路41を構成する道路ブロック42のうち、所望の道路ブロック42の安全管理装置を変更した後に、決定ボタン581を選択する。制御部21は、変更後の走行経路41を補助記憶装置23に記録する。
事故リスクシミュレーションを行なう場合には、ユーザは再計算ボタン583を選択する。制御部21は、後述するプログラムを起動して事故リスクシミュレーションを実行する。
なお、図22を使用して説明した画面には、インフラ点に加えて安全管理装置の整備コストが表示されても良い。ユーザは、コスト対効果の観点からも、安全管理装置の整備計画を検討できる。
図23は、事故リスクシミュレーション結果の例を説明する説明図である。制御部21は、走行経路41を構成するすべての道路ブロック42について事故リスクシミュレーションを実行して、リスク地図61を生成する。図23においては、走行経路41の左上部に対応するリスク地図61を拡大して表示する。
図23に示すリスク地図61においては、自動運転車両30の走行方向と、走行時の事故リスクとを矢印で表示する。太線の矢印は、事故リスクが非常に高いことを示す。中程度の太さの線の矢印は、事故リスクが高いことを示す。細線の矢印は、事故リスクが中程度であることを示す。細い破線の矢印は、事故リスクが低いことを示す。
図23によると図の下側からT字路に入って右折する経路、および図の左側からT字路に入って右折する経路で、事故リスクが非常に高いことがわかる。ユーザは、計画変更を行なう(図1のステップS106)。
ユーザは、たとえば図22を使用して説明した画面を使用して、当該T字路を含む道路ブロック42の安全管理装置を変更することにより、計画変更を実施する。ユーザは、図14を使用して説明した走行計画65を変更してもよい。ユーザは、図18を使用して説明した評価項目の選択肢を変更してもよい。その後ユーザは、再度事故リスクシミュレーションを行なう(図1のステップS104)。ユーザは、運行ルート40の立案からやりなおしても良い(図1のステップS101)。
ユーザは、時間帯および気象条件を含む種々の条件を変更して事故リスクシミュレーションを行ない、モビリティシステム10の整備計画を作成する。
図24は、実施の形態4のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。図24のプログラムは、事故リスクシミュレーションを行なうプログラムである。
以下の説明では、図2を使用して説明した実施の形態1と同一の情報処理装置20を使用する場合を例にして説明する。本実施の形態のプログラムは実施の形態1とは異なる情報処理装置20で実行されてもよい。
制御部21は、計算条件を取得する(ステップS621)。計算条件は、走行経路41、計算対象の時間帯、当該時間帯における自動運転車両30の走行計画65、および、気象条件を含む。
制御部21は、走行経路41から1個の道路ブロック42を選択する(ステップS622)。制御部21は、選択した道路ブロック42を自動運転車両30が通過する経路を選択する(ステップS623)。たとえば非交差路ブロック422である場合、通過経路は一方から他方に向かう経路と、その反対向きの経路の合計2本である。図19に示すY字路型の交差路ブロック421である場合、通過経路はaからb、aからc、bからa、bからc、cからa、cからbの合計6本である。ステップS623において、制御部21はこれらの通過経路のうちの1本を選択する。
制御部21は、自動運転車両30が所定の時間内に選択した通過経路を何回通過するかを、ステップS621で取得した走行計画65から取得する(ステップS624)。制御部21は、ステップS622で取得した道路ブロック42の形状に基づいて、図16および図17を使用して説明した第1点数を取得する(ステップS625)。
制御部21は、道路ブロック42の構造に基づいて、図18および図19を使用して説明した第2点数を取得する(ステップS626)。制御部21は、道路ブロック42の形状および安全管理設備の配置に基づいて図21を使用して説明したインフラ点を取得する(ステップS627)。
制御部21は、時間点を取得する(ステップS628)。時間点は、自動運転車両30が道路ブロック42を走行する走行時刻によって変動する事故リスクを示す点数である。時間点は、自動運転車両30が走行する道路の向き、傾斜、時間帯、および気象条件等と、事故の発生頻度との関係に関する統計値に基づいて決定される。
具体例を挙げて説明する。たとえば、晴れた日の夕方を例にして説明する。自動運転車両30が東向きに走行する場合、対向車の運転席には西日が当たった状態である。西日の眩しさにより対向車の運転ミスが発生しやすくなり、事故リスクが上昇する。また、日没前後のいわゆる薄暮時にも交通事故が発生しやすいため、事故リスクが上昇する。
制御部21は、気象点を取得する(ステップS629)。気象点は、たとえば大雨、強風、雷等の気象条件によって変動する事故リスクを示す点数である。気象点は、自動運転車両30が走行する道路の形状、周辺の地形、および気象条件等と、事故の発生頻度との関係に関する統計値に基づいて決定される。
具体例を挙げて説明する。たとえば集中豪雨が生じた場合には、アンダーパス構造になっている道路が冠水して、走行中の車両が動けなくなるリスクが存在することが知られている。気温が氷点下に低下した場合には、スリップ事故が発生するリスクが生じることが知られている。
制御部21は、ステップS624からステップS629で取得した各点数に基づいてステップS623で選択した通過経路の総合点を算出する(ステップS630)。総合点は、たとえば(1)式により定義できる。
P=P1+P2×N+Pi+Pt+Pw ‥‥‥ (1)
Pは、総合点である。
P1は、第1点数である。
P2は、第2点数である。
Nは、自動運転車両の通過回数である。
Piは、インフラ点である。
Ptは、時間点である。
Pwは、気象点である。
(1)式においては、道路ブロック42の種類ごとに定められた第1点数を、インフラ点、時間点および気象点により修正した値に、道路ブロック42を自動運転車両30が通過する通過回数と第2点数との積を加算することにより、総合点を算出する。
総合点は、(2)式により定義してもよい。
P=(P1+P2+Pi+Pt+Pw)×N ‥‥‥ (2)
(2)式においては、道路ブロック42の種類ごとに定められた第1点数を、インフラ点、時間点および気象点により修正した値に、第2点数を加算した後に、道路ブロック42を自動運転車両30が通過する通過回数を積算することにより、総合点を算出する。
総合点は、その他任意の計算式を用いて定義できる。
制御部21は、ステップS622で選択した道路ブロック42を通過する経路の処理を終了したか否かを判定する(ステップS631)。終了していないと判定した場合(ステップS631でNO)、制御部21はステップS623に戻る。終了したと判定した場合(ステップS631でYES)、制御部21はすべての道路ブロック42の処理を終了したか否かを判定する(ステップS632)。
終了していないと判定した場合(ステップS632でNO)、制御部21はステップS622に戻る。終了したと判定した場合(ステップS632でYES)、制御部21は図23を使用して説明したリスク地図61を出力する(ステップS633)。リスク地図61中の矢印の線種は、それぞれの道路ブロック42および通過経路についてステップS630で算出した総合点の大小を表現する。
本実施の形態によると、事故リスクシミュレーションを実行する情報処理装置20を提供できる。ユーザは、種々の条件を変更して事故リスクシミュレーションを行なうことにより、実用的なモビリティシステム10に関する計画を策定できる。
第1点数、第2点数、インフラ点、時間点および気象点のうちの一部を省略して事故リスクシミュレーションを行なっても良い。これら以外の任意の評価項目を加えて、事故リスクシミュレーションを行なっても良い。それぞれの点数は統計的に定める代わりに、有識者の過去の経験等に基づいて主観的に定めてもよい。
[実施の形態5]
本実施の形態は、図1を使用して説明したルート整備(ステップS111)の作業を支援する情報処理装置20に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図25は、整備計画地図62の例を説明する説明図である。整備計画地図62は、計画段階で決定した安全管理装置の配置を示す。A、B、C等の記号は、設置する安全管理装置の種類を示す。安全管理装置の配置場所を示す記号のうち、二重丸は設置済であることを、黒丸は設置の準備中であることを、黒四角は未設置であることをそれぞれ意味する。
整備計画地図62の下側に、安全管理装置の設置状況が表示されている。たとえば、設置する安全管理装置の発注が完了した等、具体的な設置準備が始まった場合、ユーザは該当する配置場所をクリックする。配置場所を示す記号が黒四角から黒丸に変化する。「未設置」の数が1個減少し、「準備中」の数が1個増加する。
同様に安全管理装置の設置が完了した場合、ユーザは該当する配置場所をクリックする。配置場所を示す記号が黒丸から二重丸に変化する。「準備中」の数が1個減少し、「設置済」の数が1個増加する。
なお、整備計画の進捗状況は、たとえば設置工事管理用のデータベースから自動的に取得されてもよい。設置場所および設置状況が既知である安全管理装置を地図上に表示する方法は公知であるため、詳細な処理については説明を省略する。
本実施の形態によると、モビリティシステム10のルート整備状況をユーザが容易に把握できる情報処理装置20を提供できる。本実施の形態によると。モビリティシステム10の実現に必要なインフラの整備を効率よく実行できる、道路インフラ整備方法を提供できる。
[実施の形態6]
本実施の形態は、図1を使用して説明したモビリティシステム10の運用段階(ステップS121からステップS123)に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図26は、モビリティシステム10の構成を説明する説明図である。モビリティシステム10は、図1を使用して説明した運用段階(ステップS121からステップS123)で運用されるシステムである。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
モビリティシステム10は、前述の道路センサ431に加えて、複数の自動運転車両30と、複数の一般車両18と、情報処理装置20と、外部情報サーバ71とを含む。外部情報サーバ71は、気象情報サーバ711および交通情報サーバ712を含む。
情報処理装置20は、図2を使用して説明した実施の形態1の情報処理装置20と同一である場合を例にして説明する。モビリティシステム10の情報処理装置20は、実施の形態1とは異なる情報処理装置20とは異なる装置であってもよい。
自動運転車両30は、公道上で自律走行可能な車両である。自動運転車両30は、いわゆるレベル3の「条件付き自動運転車両」、レベル4の「高度自動運転車両」、またはレベル5の「完全自動運転車両」のいずれであってもよい。
自動運転車両30は、制御部31、主記憶装置32、補助記憶装置33、通信部34、車両制御I/F(Interface)351、車載センサI/F361およびバスを備える。制御部31は、本実施の形態のプログラムを実行する車載型の演算制御装置である。制御部31には、一または複数のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)またはマルチコアCPU等が使用される。
制御部31は、バスを介して自動運転車両30を構成するハードウェア各部と接続されている。制御部31は、自動車の電子制御装置であるECU(Electric Control Unit)を兼ねても良い。制御部31は、車両制御I/F351を介してECUに接続されていてもよい。
主記憶装置32は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の記憶装置である。主記憶装置32には、制御部31が行なう処理の途中で必要な情報および制御部31で実行中のプログラムが一時的に保存される。
補助記憶装置33は、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは磁気テープ等の記憶装置である。補助記憶装置33には、ネットワークを介して取得した走行計画65が記録されている。走行計画65は、自動運転車両30の走行を制御する制御信号の例示である。通信部34は、自動運転車両30とネットワークとの間の通信を行なうインターフェイスである。
車両制御I/F351は、タイヤ353、ブレーキ354に加え、図示を省略する方向指示器、バッテリーおよびエンジン等と接続されている。車載センサI/F361は、カメラ363およびLiDARセンサ364等の車載センサ362と接続されている。
自動運転車両30は、所定の走行計画65に基づいて所定の経路を走行するが、車間距離の維持、信号機への対応および停留所への停車等に関しては、車載センサ362等から取得した情報に基づいて自律的に動作する。
一般車両18は、運転者が運転中の車両である。情報処理装置20は、一般車両18に搭載されたナビゲーションシステムまたはスマートフォン等の情報機器を介して、運転者に対して情報を伝達する。
道路センサ431は、情報処理装置20に検出結果であるセンサ情報を送信する。道路センサ431は、近傍を走行中の自動運転車両30および一般車両18に対してセンサ情報を送信してもよい。自動運転車両30および一般車両18は、搭載している車載センサ362により取得した情報に加えて道路センサ431から受信した情報を利用できる。それぞれの自動運転車両30および一般車両18に取り付けられた車載センサ362が、道路センサ431の機能を兼ねてもよい。
気象情報サーバ711は、気象情報を提供するサーバである。気象情報サーバ711が提供する気象情報には、気温、降水量および風速等の実測値と、気象警報および気象注意報等の発令状況と、天気予報等、気象に関する種々の情報が含まれる。交通情報サーバ712は、交通規制情報、渋滞情報、事故情報等の交通情報を提供するサーバである。
図27は、実施の形態6のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。制御部21は、計算条件を取得する(ステップS651)。計算条件は、走行経路41を走行中のそれぞれの自動運転車両30の走行計画65、それぞれの道路センサ431から送信されたセンサ情報、気象情報および交通情報を含む。制御部21は、走行開始前に自動運転車両30に対して送信された走行計画65を取得しても、自動運転車両30から走行計画65を受信してもよい。
なお、ステップS651から後述するステップS663までのループの所要時間がそれぞれの計算条件の更新頻度よりも短い場合には、制御部21は更新された項目のみをステップS651で取得してもよい。
制御部21は、走行経路41から1個の道路ブロック42を選択する(ステップS652)。制御部21は、ステップS652で選択した道路ブロック42を自動運転車両30が通過する通過経路を1本選択する(ステップS653)。
制御部21は、図16および図17を使用して説明したように、道路ブロック42の形状に基づいて第1点数を取得する(ステップS654)。制御部21は、図18および図19を使用して説明したように道路ブロック42の構造と通過経路とに基づいて第2点数を取得する(ステップS655)。
制御部21は、図21を使用して説明したように、道路ブロック42の形状と、安全管理設備の配置とに基づいてインフラ点を取得する(ステップS656)。制御部21は、現在時刻に基づいて時間点を取得する(ステップS657)。制御部21は、気象情報サーバ711から取得した気象情報に基づいて、気象点を取得する(ステップS658)。
制御部21は、交通情報サーバ712から取得した交通情報に基づいて交通状況点を取得する(ステップS659)。交通状況点は、道路の混雑状況、渋滞の有無、交通規制の有無、自動運転車両30と一般車両18との比率等の交通状況によって変動する事故リスクを示す点数である。たとえば、渋滞の末尾付近では、追突事故が発生しやすいため事故リスクが増大する。交通状況点は、交通状況と事故の発生頻度との関係に関する統計値に基づいて決定される。
制御部21は、ステップS654からステップS659で取得した各点数に基づいてステップS653で選択した通過経路の総合点を算出する(ステップS660)。総合点は、たとえば(3)式により定義できる。
Q=P1+P2+Pi+Pt+Pw+Pr ‥‥‥ (3)
Qは、総合点である。
P1は、第1点数である。
P2は、第2点数である。
Piは、インフラ点である。
Ptは、時間点である。
Pwは、気象点である。
Prは、交通状況点である。
総合点は、その他任意の計算式を用いて定義できる。
制御部21は、ステップS652で選択した道路ブロック42を通過する経路の処理を終了したか否かを判定する(ステップS661)。終了していないと判定した場合(ステップS661でNO)、制御部21はステップS653に戻る。終了したと判定した場合(ステップS661でYES)、処理中の道路ブロック42の事故リスクに関する情報を更新する(ステップS662)。
制御部21は、すべての道路ブロック42の処理を終了したか否かを判定する(ステップS663)。終了していないと判定した場合(ステップS663でNO)、制御部21はステップS652に戻る。終了したと判定した場合(ステップS663でYES)、制御部21は処理を終了するか否かを判定する(ステップS664)。たとえば、サービス提供時間が終了した場合、制御部21は処理を終了すると判定する。
処理を終了しないと判定した場合(ステップS664でNO)、制御部21はステップS651に戻る。処理を終了すると判定した場合(ステップS664でYES)、制御部21は処理を終了する。
制御部31は、走行中の道路ブロック42および所定時間内に走行する予定の道路ブロック42の事故リスクに関する情報を情報処理装置20から随時取得する(ステップS701)。所定時間は、たとえば数分以内である。制御部31は、現在走行中、または今後走行する予定の道路ブロック42の事故リスクが高いか否かを判定する(ステップS702)。
事故リスクが高いと判定した場合(ステップS702でYES)、制御部31は事故リスクを低減するように自動運転車両30の設定状態を変更する(ステップS703)。具体的には、たとえば制御部31は走行速度を下げることにより、事故リスクを低減する。制御部31は、ライトの点灯、または車載センサ362の感度変更等の処理を行なっても良い。事故リスクが高くないと判定した場合(ステップS702でNO)、制御部31は走行計画65に沿った自律走行を維持する。
一般車両18に搭載されたカーナビゲーションシステムまたはスマートフォン等は、事故リスクに関する情報を情報処理装置20から随時取得する(ステップS711)。カーナビゲーションシステムまたはスマートフォン等は、カーナビゲーション用の地図に重畳させて事故リスクに関する情報を表示する(ステップS712)。運転者は、表示を見て適切に対処する。カーナビゲーションシステムまたはスマートフォン等は、音声により事故リスクの高い場所にちかづいていることを運転者に通知してもよい。
第1点数、第2点数、インフラ点、時間点、気象点および交通状況点のうちの一部を省略して事故リスクシミュレーションを行なっても良い。これら以外の任意の評価項目を加えて、事故リスクシミュレーションを行なっても良い。それぞれの点数は統計的に定める代わりに、有識者の過去の経験等に基づいて主観的に定めてもよい。
ステップS701およびステップS711の情報取得は、能動的に情報処理装置20にアクセスするいわゆるプル型で行なわれても、受動的に事故リスク情報を受信するいわゆるプッシュ型で行なわれてもよい。制御部21は、事故リスクが所定の閾値を超えた場合に、当該道路ブロック42を通過する可能性のある一般車両18および自動運転車両30に対してプッシュ型で通知を行なっても良い。
本実施の形態によると、各種の情報を統合してリアルタイムで事故リスクを算出して、走行中の一般車両18および自動運転車両30に通知するモビリティシステム10を提供できる。
なお、事故リスク情報は、一般車両18と自動運転車両30のいずれか一方のみに提供されてもよい。たとえば制御部21は、自動運転車両30に対しては事故リスク情報の代わりに減速命令等の事故リスクを低下させる指示を送信してもよい。
ステップS652において、制御部21は自動運転車両30が所定時間内に走行する予定の道路ブロック42を優先的に選択してもよい。少ない計算量で、自動運転車両30に対する適切な情報提供を行なうモビリティシステム10を提供できる。
制御部21は、ステップS662の都度、たとえば直近の数分間の走行計画65を自動運転車両30に送信してもよい。制御部31は、受信した最新の走行計画65に基づいて自律的に走行する。たとえば、道路状況や自動運転車両30の混雑状況に基づいて動的に走行計画65を修正できる場合、直近の走行計画65のみを自動運転車両30に送信することにより、制御部21は自動運転車両30の走行状態を動的に制御できる。
[実施の形態7]
本実施の形態は、通過予定の道路ブロック42に異常がある場合、自動運転車両30を停止させるモビリティシステム10に関する。実施の形態6と共通する部分については、説明を省略する。
本実施の形態のモビリティシステム10の動作の概要を説明する。制御部21は、自動運転車両30との通信および道路センサ431から取得した情報に基づいて、自動運転車両30が走行中の道路ブロック42を判定する。制御部21は、道路センサ431から取得した情報および交通情報サーバ712から取得した情報等に基づいて、自動運転車両30が所定時間以内に走行予定の道路ブロック42の異常の有無を判定する。
道路ブロック42の異常は、たとえば、事故、落下物、および歩行者、自転車、動物等の車道への侵入である。このような異常が発生している道路ブロック42においては不測の事態が発生するリスクがあるため、自動運転車両30の走行に適さない。
走行予定の道路ブロック42に異常がある場合、制御部21は自動運転車両30が当該道路ブロック42に侵入する前に停止信号を送信する。自動運転車両30は、停止信号にしたがい停止する。異常が解除された場合、制御部21は自動運転車両30に走行再開許可を送信する。停止信号および走行再開許可は、制御部21が制御部31に送信する制御信号の例示である。
図28は、実施の形態7のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。制御部21は、1台の自動運転車両30の走行位置を判定する(ステップS671)。制御部21は、走行計画65に基づいて自動運転車両30が走行する予定の道路ブロック42を判定する(ステップS672)。制御部21は、制御部31と通信を行ない走行する予定の道路ブロック42に関する情報を取得してもよい。
制御部21は、道路センサ431から取得した情報および交通情報サーバ712から取得した情報に基づいて、ステップS672で判定した道路ブロック42に異常が発生しているか否かを判定する(ステップS673)。異常が発生していると判定した場合(ステップS673でYES)、制御部21は自動運転車両30に対して停止信号を送信する。
停止信号は、自動運転車両30を速やかに停止させることを要求する信号であっても、当該異常が発生している道路ブロック42に侵入する前に停止することを要求する信号であってもよい。停止信号を受信した制御部31は、ハザードランプの点灯、路肩に寄る等の安全対策を自律的に行なって停止する。
制御部21は、道路センサ431から取得した情報および交通情報サーバ712から取得した情報に基づいて、異常が解除したか否かを判定する(ステップS675)。異常が解除していないと判定した場合(ステップS675でNO)、制御部31はステップS675に戻る。
異常が解除したと判定した場合(ステップS675でYES)、制御部21は走行再開許可を自動運転車両30に送信する(ステップS676)。走行再開許可を受信した制御部31は、方向指示器の点灯等の処理を自律的に行なって、走行計画65に基づく自律走行を再開する。
異常が発生していないと判定した場合(ステップS673でNO)、またはステップS676の終了後、制御部21は処理を終了するか否かを判定する(ステップS677)。たとえば、自動運転車両30が走行を終了した場合、制御部21は処理を終了すると判定する。
処理を終了しないと判定した場合(ステップS677でNO)、制御部21はステップS671に戻る。処理を終了すると判定した場合(ステップS677でYES)、制御部21は処理を終了する。
制御部21は、図28を使用して説明したプログラムを、走行中のそれぞれの自動運転車両30について実行する。
本実施の形態によると、たとえば曲がり角の直後での交通事故等、自動運転車両30が備える車載センサ362では検知できない異常が発生した場合、自動運転車両30を安全に停止させるモビリティシステム10を提供できる。
車載センサ362が異常を検知する前に停止信号を受信することにより、急ブレーキを回避して安全に自動運転車両30を停車させるモビリティシステム10を提供できる。
自動運転車両30の自律走行システムの信頼性が十分に高い場合、制御部21はステップS674で停止信号の代わりに徐行信号を送信してもよい。自動運転車両30は徐行しながら異常が発生している道路ブロック42に近づき、安全に通過可能な場所が存在する場合には、自律走行により通過する。
軽微な異常である場合には、自動運転車両30の停車による渋滞発生の回避と、自動運転車両30の安全な走行とを両立可能なモビリティシステム10を提供できる。
制御部21は、異常が発生していると判定した道路ブロック42を経由せずに、所定の目的地に到達可能な新たな経路を探索してもよい。このようないわゆるリルート処理は、従来からカーナビゲーションシステム等で使用されているため、詳細については説明を省略する。
新たな経路の探索に成功した場合、制御部21は、自動運転車両30に新たな経路を送信する。自動運転車両30は、制御部21から受信した新たな経路に基づいて自律的に走行する。
[実施の形態8]
本実施の形態は、通過予定の交差路ブロック421に同時に他の車両が侵入する可能性がある場合、自動運転車両30に通知するモビリティシステム10に関する。実施の形態6と共通する部分については、説明を省略する。
本実施の形態のモビリティシステム10の動作の概要を説明する。制御部21は、自動運転車両30との通信および道路センサ431から取得した情報に基づいて、自動運転車両30が所定時間以内に走行予定の交差路ブロック421を判定し、走行予定時刻を算出する。制御部21は、他の自動運転車両30または一般車両18が当該交差路ブロック421を走行する予定時刻を算出する。
複数の車両が同一の交差路ブロック421を近接する時刻に走行する予定である場合、制御部21は自動運転車両30に対して他の車両の走行予定を送信する。自動運転車両30は、速度変更またはセンサ感度の変更等を行ない、交差路ブロック421での事故発生を防止する。
複数の自動運転車両30が近接した時刻に同一の交差路ブロック421に侵入する予定である場合、制御部21は一方の自動運転車両30に減速命令を、他方の自動運転車両30に加速命令を送信し、交差路ブロック421の通過予定時刻をずらしてもよい。
図29は、実施の形態8のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。制御部31は自社の走行位置、走行速度等の走行状態を情報処理装置20に随時送信する(ステップS721)。制御部21はそれぞれの自動運転車両30から走行状態を受信する(ステップS681)。以下の説明では、1台の自動運転車両30から受信した情報に基づく処理について説明する。
制御部21は、自動運転車両30が次に走行する予定の交差路ブロック421を判定する(ステップS682)。制御部21は、ステップS682で判定した交差路ブロック421の周辺の道路ブロック42を抽出する(ステップS683)。ここで周辺の道路ブロック42は、ステップS682で判定した交差路ブロック421に対して所定距離内の道路に沿って連結している道路ブロック42を意味する。
制御部21は、道路センサ431から取得した情報等に基づいて、ステップS683で抽出した道路ブロック42を走行中の他の自動運転車両30または一般車両18が存在するか否かを判定する(ステップS684)。存在すると判定した場合(ステップS684でYES)、走行中のそれぞれの車両の走行速度等に基づいて、それぞれの車両がステップS682で判定した交差路ブロック421を走行する予定時刻を算出する(ステップS685)。
制御部21は、処理中の自動運転車両30と近接した時刻にステップS682で判定した交差路ブロック421を通過する他の車両が存在するか否かを判定する(ステップS686)。存在すると判定した場合(ステップS686でYES)、制御部21は自動運転車両30に対して通知を送信する(ステップS687)。
制御部31は、通知を受信する(ステップS722)。制御部31は事故リスクを低減するように自動運転車両30の設定状態を変更する(ステップS723)。具体的には、たとえば制御部31は走行速度を変更することにより、交差路ブロック421で他の車両と近接するリスクを低減する。制御部31は、前照灯の点灯等を行ない、他の車両からの視認性を高めてもよい。制御部31は、車載センサ362の感度変更等の処理を行なっても良い。
他の車両が存在しないと判定した場合(ステップS684でNO)、近接する時刻に他の車両が交差路ブロック421を通過しないと判定した場合(ステップS686でNO)、またはステップS687の終了後、制御部21は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS688)。たとえば、サービス提供時間が終了した場合、制御部21は処理を終了すると判定する。
終了しないと判定した場合(ステップS688でNO)、制御部21はステップS681に戻る。終了すると判定した場合(ステップS688でYES)、制御部21は処理を終了する。
制御部21は、図29を使用して説明したプログラムを、走行中のそれぞれの自動運転車両30について実行する。
本実施の形態によると、直接的または間接的に連結する他の道路ブロック42を走行する車両の状態に基づいて、自動運転車両30が走行予定の道路ブロック42の事故リスクを予測するモビリティシステム10を提供できる。
本実施の形態によると、交差路ブロック421における自動運転車両30と他の車両との衝突リスクを低減するモビリティシステム10を提供できる。たとえば交通量が少ない地域において、信号機がない交差点であっても安全に自動運転車両30を使用できるモビリティシステム10を提供できる。
ステップS686において2台の自動運転車両30が近接した時刻に同一の交差路ブロック421を通過すると判定した場合、制御部21は一方の自動運転車両30に減速命令を、他方の自動運転車両30に加速命令を送信し、交差路ブロック421の通過予定時刻をずらしてもよい。
なお制御部21は、道路センサ431から取得した情報等に基づいて、自動運転車両30の後ろを高速で走行中の他の車両を検出し、追いつかれる時刻を算出して、自動運転車両30に通知してもよい。制御部31は、たとえば低速車線に移動する、または、路肩に停止する等の危険回避を自律的に行なう。以上により、制限速度を大幅に超えて走行する危険な車両との間での事故を防止するモビリティシステム10を提供できる。
[実施の形態9]
図30は、実施の形態9のモビリティシステム10の構成を説明する説明図である。本実施の形態は、汎用のコンピュータ90と、プログラム97とを組み合わせて動作させることにより、モビリティシステム10を実現する形態に関する。実施の形態6と共通する部分については、説明を省略する。
コンピュータ90は、制御部21、主記憶装置22、補助記憶装置23、通信部24、表示部25、入力部26、読取部29およびバスを備える。コンピュータ90は、汎用のパソコン、タブレット、大型計算機、または、大型計算機上で動作する仮想マシンである。コンピュータ90は、分散処理を行なう複数のパソコン、または大型計算機等のハードウェアにより構成されても良い。コンピュータ90は、クラウドコンピューティングシステムまたは量子コンピュータにより構成されても良い。
プログラム97は、可搬型記録媒体96に記録されている。制御部21は、読取部29を介してプログラム97を読み込み、補助記憶装置23に保存する。また制御部21は、コンピュータ90内に実装されたフラッシュメモリ等の半導体メモリ98に記憶されたプログラム97を読出してもよい。さらに、制御部21は、通信部24および図示しないネットワークを介して接続される図示しない他のサーバコンピュータからプログラム97をダウンロードして補助記憶装置23に保存してもよい。
プログラム97のうち、コンピュータ90で実行される部分は、コンピュータ90の制御プログラムとしてインストールされ、主記憶装置22にロードして実行される。これにより、コンピュータ90は上述した情報処理装置20として機能する。プログラム97のうち自動運転車両30で実行される部分は、ネットワークを介して送信されて自動運転車両30の制御プログラムとしてインストールされる。これにより、自動運転車両30はコンピュータ90と協働して上述した機能を果たす。
コンピュータ90は、図1を使用して説明した計画段階または整備段階で使用される情報処理装置20を実現してもよい。
[実施の形態10]
図31は、実施の形態10の情報処理装置20の機能ブロック図である。情報処理装置20は、走行経路取得部81、安全管理装置取得部82および出力部83とを備える。走行経路取得部81は、所定の道路ブロック42により構成された自動運転車両30の走行経路41を取得する。安全管理装置取得部82は、それぞれの道路ブロック42の種類ごとに定められた安全管理装置に関する情報を取得する。出力部83は、安全管理装置の配置を示す地図を出力する。
さらに情報処理装置20は、地図データ取得部75、抽出部76、選択部77および連結部78を備える。地図データ取得部75は、自動運転車両30の運行ルート40に関する情報を含む地図データを取得する。抽出部76は、地図データに基づいて運行ルート40に含まれる交差路を抽出する。選択部77は、それぞれの交差路の構造に対応する道路ブロック42を選択する。連結部78は、1本の道路411でつながった2つの交差路が所定の閾値よりも近接している場合、選択した道路ブロック42を2つの前記交差路の中央部で連結する。
情報処理装置20は、走行経路取得部81、安全管理装置取得部82および出力部83と、地図データ取得部75、抽出部76、選択部77および連結部78とのいずれか一方のみを備えてもよい。
(付記A1)
所定の道路ブロックにより構成された自動運転車両の走行経路を取得し、
それぞれの道路ブロックごとに定められた安全管理装置に関する情報を取得し、
前記安全管理装置の配置を示す地図を出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(付記A2)
前記地図は、設置済の前記安全管理装置と、未設置の前記安全管理装置とを異なる態様で示す
付記A1に記載のプログラム。
(付記A3)
前記安全管理装置の種類をさらに出力する
付記A1または付記A2に記載のプログラム。
(付記A4)
自動運転車両の運行ルートに関する情報を含む地図データを取得し、
前記地図データに基づいて前記運行ルートに含まれる交差路を抽出し、
それぞれの前記交差路の構造に対応する道路ブロックを選択し、
1本の道路でつながった2つの前記交差路が所定の閾値よりも近接している場合、選択した前記道路ブロックを2つの前記交差路の中央部で連結する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(付記A5)
前記地図データは、道路の3次元構造に関する情報を含む3次元地図データである
付記A4に記載のプログラム。
(付記A6)
前記道路ブロックは交差路ブロックであり、
1本の道路でつながった2つの前記交差路が所定の閾値以上離れている場合、前記道路ブロックの間を非交差路ブロックで連結する
付記A4または付記A5に記載のプログラム。
(付記A7)
前記道路の構造が途中で変化する場合、前記交差路ブロックの間をそれぞれの構造に対応する非交差路ブロックの組み合わせにより連結する
付記A6に記載のプログラム。
(付記A8)
前記構造は、前記道路の幅、車線の数または歩道の有無を含む
付記A4から付記A7のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記A9)
前記道路ブロックは、安全管理装置の配置に関する情報を含み、
前記道路ブロックを、前記道路の構造が同一で前記安全管理装置の配置が異なる他の道路ブロックに変更する指示を受け付ける
付記A4から付記A8のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記A10)
所定の道路ブロックにより構成された自動運転車両の走行経路を取得し、
それぞれの道路ブロックごとに定められた安全管理装置に関する情報を取得し、
前記安全管理装置の配置を示す地図を出力する
処理をコンピュータに実行させる情報処理方法。
(付記A11)
自動運転車両の走行経路を、交差路ブロックおよび非交差路ブロックを含む道路ブロックの組み合わせにより構成し、
それぞれの道路ブロックごとに定められた安全管理装置を設置する
道路インフラ整備方法。
(付記A12)
所定の道路ブロックにより構成された自動運転車両の走行経路を取得する走行経路取得部と、
それぞれの道路ブロックの種類ごとに定められた安全管理装置に関する情報を取得する安全管理装置取得部と、
前記安全管理装置の配置を示す地図を出力する出力部と
を備える情報処理装置。
(付記B1)
所定の道路ブロックにより構成された自動運転車両の走行経路を取得し、
取得した前記走行経路に含まれる道路ブロックに基づいて走行計画を算出する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(付記B2)
前記走行計画は、それぞれの前記道路ブロックにおける自動運転車両の速度または加速度を含む
付記B1に記載のプログラム。
(付記B3)
前記走行計画は、それぞれの前記道路ブロックの境界の両側で自動運転車両の走行速度が同一である
付記B1または付記B2に記載のプログラム。
(付記B4)
所定の道路ブロックにより構成された自動運転車両の走行経路と、それぞれの前記道路ブロックに対応する走行計画とを取得し、
前記走行計画に基づいて走行中の前記自動運転車両に、走行を予定している前記道路ブロックの状態に関連する情報を送信する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(付記B5)
それぞれの前記道路ブロックに配置された道路センサからセンサデータを取得し、
前記センサデータに基づいて前記道路ブロックの状態を判定する
付記B4に記載のプログラム。
(付記B6)
前記道路ブロックの状態が自動運転車両の走行に適さない場合、前記道路ブロックに進入する予定の自動運転車両に対して停止信号を送信する
付記B5に記載のプログラム。
(付記B7)
前記道路ブロックの状態が自動運転車両の走行に適さない場合、前記道路ブロックに進入する予定の自動運転車両に対して前記道路ブロックを経由しない新たな走行経路を送信する
付記B5に記載のプログラム。
(付記B8)
前記道路ブロックに直接的または間接的に連結する他の道路ブロックの状態に基づいて、前記道路ブロックの状態を予測する
付記B4から付記B7のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記B9)
所定の道路ブロックにより構成された自動運転車両の走行経路を取得し、
取得した前記走行経路に含まれる道路ブロックに基づいて走行計画を算出する
処理をコンピュータに実行させる情報処理方法。
(付記B10)
所定の道路ブロックにより構成された自動運転車両の走行経路と、それぞれの前記道路ブロックに対応する走行計画とを取得し、
前記走行計画に基づいて走行中の前記自動運転車両に、走行を予定している前記道路ブロックの状態に関連する情報を送信する
処理をコンピュータに実行させる情報処理方法。
(付記B11)
所定の道路ブロックにより構成された自動運転車両の走行経路を取得する走行経路取得部と、
取得した前記走行経路に含まれる道路ブロックに基づいて走行計画を算出する走行計画算出部と
を備える情報処理装置。
(付記B12)
所定の道路ブロックにより構成された自動運転車両の走行経路と、それぞれの前記道路ブロックに対応する走行計画とを取得する走行計画取得部と、
前記走行計画に基づいて走行中の前記自動運転車両に、走行を予定している前記道路ブロックの状態に関連する情報を送信する送信部と
を備える情報処理装置。
(付記C1)
所定の道路ブロックにより構成された自動運転車両の走行経路を取得し、
それぞれの前記道路ブロックの範囲ごとに前記走行経路の事故リスクを算出し、
前記走行経路を示す地図に前記事故リスクの程度を表示する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(付記C2)
前記道路ブロックは、交差路ブロックおよび非交差路ブロックを含む
付記C1に記載のプログラム。
(付記C3)
前記道路ブロックの種類ごとに事故リスクに関する第1点数が定められている
付記C1または付記C2に記載のプログラム。
(付記C4)
前記道路ブロックが交差路ブロックである場合、自動運転車両が前記交差路ブロックに侵入する入口側の道路の構造に基づいて定められる入口側点数と、前記交差路ブロックから退出する出口側の道路の構造に基づいて定められる出口側点数と基づいて前記道路ブロックの事故リスクに関する第2点数が算出され、
前記第1点数および前記第2点数に基づいて前記道路ブロックの範囲における事故リスクを算出する
付記C3に記載のプログラム。
(付記C5)
前記構造は、信号機の有無、停止線の有無、車線の数または歩道の有無を含む
付記C4に記載のプログラム。
(付記C6)
前記道路ブロックに含まれる、安全管理装置の種類および配置に基づいて、前記第1点数を変更する
付記C3から付記C5のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記C7)
自動運転車両が走行する道路の傾斜に基づいて前記第1点数を修正する
付記C6に記載のプログラム。
(付記C8)
自動運転車両が走行する道路の向きおよび走行時刻に基づいて前記第1点数を修正する
付記C6または付記C7に記載のプログラム。
(付記C9)
前記走行経路は、
地図データに基づいて自動運転車両の運行ルートに含まれる交差路を抽出し、
それぞれの前記交差路の形状に対応する交差路ブロックを選択し、
1本の道路でつながった2つの前記交差路が所定の閾値よりも近接している場合、選択した前記交差路ブロックを2つの前記交差路の中央部で連結する
処理により構成される
付記C1から付記C8のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記C10)
前記地図データは、道路の3次元構造に関する情報を含む3次元地図データである
付記C9に記載のプログラム。
(付記C11)
所定の道路ブロックにより構成された自動運転車両の走行経路を取得し、
それぞれの前記道路ブロックの範囲ごとに前記走行経路の事故リスクを算出し、
前記走行経路を示す地図に前記事故リスクの程度を表示する
処理をコンピュータに実行させる情報処理方法。
(付記C12)
所定の道路ブロックにより構成された自動運転車両の走行経路を取得する走行経路取得部と、
それぞれの前記道路ブロックの範囲ごとに前記走行経路の事故リスクを算出する事故リスク算出部と、
前記走行経路を示す地図に前記事故リスクの程度を表示する事故リスク表示部と
を備える情報処理装置。
(付記D1)
所定の道路ブロックを組み合わせることにより自動運転車両の走行経路を生成する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(付記D2)
複数種類の道路ブロックから選択された選択道路ブロックを受け付け、
前記選択道路ブロックを配置する配置場所の指定を受け付け、
前記配置場所の道路形状を取得し、
前記選択道路ブロックと前記道路形状とが対応する場合に、前記選択道路ブロックと前記配置場所とを関連づけて記録する
付記D1に記載のプログラム。
(付記D3)
前記自動運転車両の走行予定範囲を示す地図を出力し、
前記地図に基づいて前記配置場所の指定を受け付ける
付記D2に記載のプログラム。
(付記D4)
複数種類の道路ブロックを出力し、
1個の前記道路ブロックを前記地図にドラッグアンドドロップする操作に基づいて、前記選択道路ブロックの選択および前記配置場所の指定を受け付ける
付記D3に記載のプログラム。
(付記D5)
前記選択道路ブロックが関連づけて記録された領域と、他の領域とを異なる態様で、前記地図を表示させる
付記D3または付記D4に記載のプログラム。
(付記D6)
前記配置場所における走行条件を取得し、
前記道路ブロックと、前記配置場所と、前記走行条件とを関連づけて記録する
付記D2から付記D5のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記D7)
前記走行条件は、走行可能速度の上限値を含む
付記D6に記載のプログラム。
(付記D8)
複数の前記選択道路ブロックをそれぞれの前記配置場所に基づいて接続することにより前記走行経路を生成する
付記D2から付記D7のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記D9)
それぞれの前記選択道路ブロックの寸法を、地形に基づいて決定する
付記D8に記載のプログラム。
(付記D10)
それぞれの前記選択道路ブロックの寸法および走行条件と、前記選択道路ブロックの接続関係とを含む走行経路データを記録する
付記D9に記載のプログラム。
(付記D11)
所定の道路ブロックを組み合わせることにより自動運転車両の走行経路を生成する
処理をコンピュータに実行させる情報処理方法。
(付記D12)
所定の道路ブロックを組み合わせることにより自動運転車両の走行経路を生成する走行経路生成部を備える
情報処理装置。
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。