JP2018049445A - 運転支援方法及び運転支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車線変更に伴う運転計画の演算負荷を低減しつつ、円滑な運転を実行させる。【解決手段】自車両V1が第1経路を走行する際に遭遇する複数の事象を取得し、取得された事象と自車両との関係を用いて、第1経路を走行する自車両の第1運転計画を立案し、第1経路において特定された第1車線から別の第2車線に自車両V1を移動させる車線変更をすることの適切性を評価し、車線変更の適切性の評価値が第1閾値以上である場合には、自車両V1を第2車線に車線変更させて第2経路を走行させる第2運転計画を立案する。【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の運転を支援する運転支援方法、運転支援装置に関する。
この種の装置に関し、周囲の他車両の危険度をそれぞれ推定し、道路情報と他車両の危険度を用いて、走行路上の危険度の分布を求め、危険度の分布を用いて自車両の走行計画を生成する技術が知られている(特許文献1)。
特開2009−37561号公報
しかしながら、従来の技術では、周囲の他車両ごとに危険度を算出して走行計画を立案するために、計算が複雑で演算負荷が高いという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、運転計画の演算負荷を低減しつつ、円滑な運転を実行させることである。
本発明は、第1経路を走行する第1運転計画を立案し、車両を車線変更させることの適切性の評価値が第1閾値以上である場合には、第1経路において特定された第1車線から別の第2車線へ自車両を車線変更させる第2経路を走行する第2運転計画を立案することにより、上記課題を解決する。
本発明によれば、車線変更に伴う運転計画の演算負荷を低減しつつ、円滑な運転を実行させることができる。
本実施形態に係る運転支援システムのブロック構成図である。 第1運転計画を説明するための図である。 第2運転計画を説明するための図である。 第1運転計画の表示例である。 第2運転計画の表示例である。 本実施形態の運転支援システムの制御手順を示すフローチャートである。 運転支援処理の一例を説明するための第1図である。 運転支援処理の一例を説明するための第2図である。 第1のサブルーチンの制御手順を示すフローチャートである。 運転支援処理の他の例を説明するための図である。 第2のサブルーチンの制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る運転支援装置を、車両に搭載された車載装置200と協動する運転支援システムに適用した場合を例にして説明する。
図1は、運転支援システム1のブロック構成を示す図である。本実施形態の運転支援システム1は、運転支援装置100と車載装置200を備える。本発明の運転支援装置100の実施の形態は限定されず、車両に搭載してもよいし、車載装置200と情報の授受が可能な可搬の端末装置に適用してもよい。端末装置は、スマートフォン、PDAなどの機器を含む。運転支援システム1、運転支援装置100、車載装置200、及びこれらが備える各装置は、CPUなどの演算処理装置を備え、演算処理を実行するコンピュータである。
まず、車載装置200について説明する。
本実施形態の車載装置200は、車両コントローラ210、ナビゲーション装置220、対象物検出装置230、レーンキープ装置240、及び出力装置250を備える。車載装置200を構成する各装置は、相互に情報の授受を行うためにCAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続されている。車載装置200は、車載LANを介して運転支援装置100と情報の授受を行うことができる。車両コントローラ210は、検出装置260、駆動装置270、及び操舵装置280を動作させる。
本実施形態の車両コントローラ210は、検出装置260を備える。検出装置260は、舵角センサ261、車速センサ262、姿勢センサ263を有する。舵角センサ261は、操舵量、操舵速度、操舵加速度などの情報を検出し、車両コントローラ210へ出力する。車速センサ262は、車両の速度及び/又は加速度を検出し、車両コントローラ210へ出力する。姿勢センサ263は、車両の位置、車両のピッチ角、車両のヨー角車両のロール角を検出し、車両コントローラ210へ出力する。姿勢センサ263は、ジャイロセンサを含む。
本実施形態の車両コントローラ210は、エンジンコントロールユニット(Engine Control Unit, ECU)などの車載コンピュータであり、車両の運転を電子的に制御する。車両としては、電動モータを走行駆動源として備える電気自動車、内燃機関を走行駆動源として備えるエンジン自動車、電動モータ及び内燃機関の両方を走行駆動源として備えるハイブリッド自動車を例示できる。なお、電動モータを走行駆動源とする電気自動車やハイブリッド自動車には、二次電池を電動モータの電源とするタイプや燃料電池を電動モータの電源とするタイプのものも含まれる。
本実施形態の駆動装置270は、自車両の駆動機構を備える。駆動機構には、上述した走行駆動源である電動モータ及び/又は内燃機関、これら走行駆動源からの出力を駆動輪に伝達するドライブシャフトや自動変速機を含む動力伝達装置、及び車輪を制動する制動装置271などが含まれる。駆動装置270は、アクセル操作及びブレーキ操作による入力信号、車両コントローラ210又は運転支援装置100から取得した制御信号に基づいてこれら駆動機構の各制御信号を生成し、車両の加減速を含む走行制御を実行する。駆動装置270に制御情報を送出することにより、車両の加減速を含む走行制御を自動的に行うことができる。なお、ハイブリッド自動車の場合には、車両の走行状態に応じた電動モータと内燃機関とのそれぞれに出力するトルク配分も駆動装置270に送出される。
本実施形態の操舵装置280は、ステアリングアクチュエータを備える。ステアリングアクチュエータは、ステアリングのコラムシャフトに取り付けられるモータ等を含む。操舵装置280は、車両コントローラ210から取得した制御信号、又はステアリング操作により入力信号に基づいて車両の進行方向の変更制御を実行する。車両コントローラ210は、操舵量を含む制御情報を操舵装置280に送出することにより、進行方向の変更制御を実行する。また、運転支援装置100は、車両の各輪の制動量をコントロールすることにより車両の進行方向の変更制御を実行してもよい。この場合、車両コントローラ210は、各輪の制動量を含む制御情報を制動装置271へ送出することにより、車両の進行方向の変更制御を実行する。なお、駆動装置270の制御、操舵装置280の制御は、完全に自動で行われてもよいし、ドライバの駆動操作(進行操作)を支援する態様で行われてもよい。駆動装置270の制御及び操舵装置280の制御は、ドライバの介入操作により中断/中止させることができる。車両コントローラ210は、プロセッサ11の運転計画に従って自車両の運転を制御する。
本実施形態の車載装置200は、ナビゲーション装置220を備える。ナビゲーション装置220は、自車両の現在位置から目的地までの経路を算出する。経路の算出手法は、ダイキストラ法やA*などのグラフ探索理論に基づく出願時に知られた手法を用いることができる。算出した経路は、自車両の運転支援に用いるために、車両コントローラ210へ送出される。算出した経路は、経路案内情報として後述する出力装置250を介して出力される。
ナビゲーション装置220は、位置検出装置221を備える。位置検出装置221は、グローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System, GPS)を備え、走行中の車両の走行位置(緯度・経度)を検出する。
ナビゲーション装置220は、アクセス可能な地図情報222と、道路情報223と、交通規則情報224を備える。地図情報222、道路情報223、交通規則情報224は、ナビゲーション装置220が読み込むことができればよく、ナビゲーション装置220とは物理的に別体として構成してもよいし、通信装置30(又は車載装置200に設けられた通信装置)を介して読み込みが可能なサーバに格納してもよい。
地図情報222は、いわゆる電子地図であり、緯度経度と地図情報が対応づけられた情報である。地図情報222は、各地点に対応づけられた道路情報223を有する。
道路情報223は、ノードと、ノード間を接続するリンクにより定義される。道路情報223は、道路の位置/領域により道路を特定する情報と、道路ごとの道路種別、道路ごとの道路幅、道路の形状情報とを含む。道路情報223は、各道路リンクの識別情報ごとに、交差点の位置、交差点の進入方向、交差点の種別その他の交差点に関する情報を対応づけて記憶する。交差点は、合流点、分岐点を含む。また、道路情報223は、各道路リンクの識別情報ごとに、道路種別、道路幅、道路形状、直進の可否、進行の優先関係、追い越しの可否(隣接レーンへの進入の可否)その他の道路に関する情報を対応づけて記憶する。
ナビゲーション装置220は、位置検出装置221により検出された自車両の現在位置に基づいて、自車両が走行する第1経路を特定する。第1経路はユーザが指定した目的地に至る経路であってもよいし、自車両/ユーザの走行履歴に基づいて推測された目的地に至る経路であってもよい。自車両が走行する第1経路は、道路ごとに特定してもよいし、上り/下りの方向が特定された道路ごとに特定してもよいし、自車両が実際に走行する単一の車線ごとに特定してもよい。ナビゲーション装置220は、後述する道路情報223を参照して、自車両が走行する第1経路の第1車線ごとに道路リンクを特定する。
第1経路は、車両が将来通過する一つ又は複数の地点の特定情報(座標情報)を含む。第1経路は、自車両が走行する、次の走行位置を示唆する一つの点を少なくとも含む。第1経路は、連続した線により構成されてもよいし、離散的な点により構成されてもよい。特に限定されないが、第1経路は、道路識別子、車線識別子、レーン識別子、リンク識別子により特定される。これらの車線識別子、レーン識別子、リンク識別子は、地図情報222、道路情報223において定義される。
交通規則情報224は、経路上における一時停止、駐車/停車禁止、徐行、制限速度などの車両が走行時に遵守すべき交通上の規則である。各規則は、地点(緯度、経度)ごと、リンクごとに定義される。交通規則情報224には、道路側に設けられた装置から取得する交通信号の情報を含めてもよい。
車載装置200は、対象物検出装置230を備える。対象物検出装置230は、自車両の周囲の状況を検出する。自車両の対象物検出装置230は、自車両の周囲に存在する障害物を含む対象物の存在及びその存在位置を検出する。特に限定されないが、対象物検出装置230はカメラ231を含む。カメラ231は、例えばCCD等の撮像素子を備える撮像装置である。カメラ231は、赤外線カメラ、ステレオカメラでもよい。カメラ231は自車両の所定の位置に設置され、自車両の周囲の対象物を撮像する。自車両の周囲は、自車両の前方、後方、前方側方、後方側方を含む。対象物は、路面に表記された停止線などの二次元の標識を含む。対象物は三次元の物体を含む。対象物は、標識などの静止物を含む。対象物は、歩行者、二輪車、四輪車(他車両)などの移動物体を含む。対象物は、ガードレール、中央分離帯、縁石などの道路構造物を含む。
対象物検出装置230は、画像データを解析し、その解析結果に基づいて対象物の種別を識別してもよい。対象物検出装置230は、パターンマッチング技術などを用いて、画像データに含まれる対象物が、車両であるか、歩行者であるか、標識であるか否かを識別する。対象物検出装置230は、取得した画像データを処理し、自車両の周囲に存在する対象物の位置に基づいて、自車両から対象物までの距離を取得する。特に、対象物検出装置230は、対象物と自車両との位置関係を取得する。
なお、対象物検出装置230は、レーダー装置232を用いてもよい。レーダー装置232としては、ミリ波レーダー、レーザーレーダー、超音波レーダー、レーザーレンジファインダーなどの出願時に知られた方式のものを用いることができる。対象物検出装置230は、レーダー装置232の受信信号に基づいて対象物の存否、対象物の位置、対象物までの距離を検出する。対象物検出装置230は、レーザーレーダーで取得した点群情報のクラスタリング結果に基づいて、対象物の存否、対象物の位置、対象物までの距離を検出する。
他車両と自車両とが車車間通信をすることが可能であれば、対象物検出装置230は、他車両の車速センサが検出した他車両の車速、加速度を、他車両が存在する旨を対象物情報として取得してもよい。もちろん、対象物検出装置230は、高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems:ITS)の外部装置から他車両の位置、速度、加速度を含む対象物情報を取得することもできる。
本実施形態の車載装置200は、レーンキープ装置240を備える。レーンキープ装置240は、カメラ241、道路情報242を備える。カメラ241は、対象物検出装置のカメラ231を共用してもよい。道路情報242は、ナビゲーション装置の道路情報223を共用してもよい。レーンキープ装置240は、カメラ241の撮像画像から自車両が走行する第1経路のレーンを検出する。レーンキープ装置240は、自車両が走行している第1車線を認識し、車線のレーンマーカの位置と自車両の位置とが所定の関係を維持するように、自車両の動きを制御する車線逸脱防止機能(レーンキープサポート機能)を備える。運転支援装置100は車線の中央を自車両が走行するように、自車両の動きを制御する。運転支援装置100は、車線のレーンマーカから自車両までの路幅方向に沿う距離が所定値域となるように、自車両の動きを制御してもよい。なお、レーンマーカは、レーンを規定する機能を有するものであれば限定されず、路面に描かれた線図であってもよいし、レーンの間に存在する植栽であってもよいし、レーンの路肩側に存在するガードレール、縁石、歩道、二輪車専用道路などの道路構造物であってもよい。また、レーンマーカは、レーンの路肩側に存在する看板、標識、店舗、街路樹などの不動の物体であってもよい。
後述するプロセッサ11は、対象物検出装置230により検出された対象物を、経路に対応づけて記憶する。つまり、プロセッサ11は、どの経路上に対象物が存在するかという情報を有する。
車載装置200は、出力装置250を備える。出力装置250は、ディスプレイ251、スピーカ252を備える。出力装置250は、運転支援に関する各種の情報をユーザ又は周囲の車両の乗員に向けて出力する。出力装置250は、立案された運転行動計画、その運転行動計画に基づく走行制御に関する情報を出力する。第1経路(目標経路)上を自車両に走行させる制御情報に応じた情報として、操舵操作や加減速が実行されることをディスプレイ251、スピーカ252を介して、自車両の乗員に予め知らせる。また、これらの運転支援に関する情報を車室外ランプ、車室内ランプを介して、自車両の乗員又は他車両の乗員に予め知らせてもよい。また、出力装置250は、通信装置を介して、高度道路交通システムなどの外部装置に運転支援に関する各種の情報を出力してもよい。
次に、運転支援装置100について説明する。
運転支援装置100は、制御装置10と、出力装置20と、通信装置30を備える。出力装置20は、先述した車載装置200の出力装置250と同様の機能を有する。ディスプレイ251、スピーカ252を、出力装置20の構成として用いる。制御装置10と、出力装置20とは、有線又は無線の通信回線を介して互いに情報の授受が可能である。通信装置30は、車載装置200との情報授受、運転支援装置100内部の情報授受、運転支援システム1の外部との情報授受を行う。
まず、制御装置10について説明する。
制御装置10は、プロセッサ11を備える。プロセッサ11は、自車両の運転計画の立案を含む運転支援処理を行う演算装置である。具体的に、プロセッサ11は、運転計画の立案を含む運転支援処理を実行させるプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行することで、制御装置10として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)と、を備えるコンピュータである。
本実施形態に係るプロセッサ11は、以下の処理を実行する。
(1)自車両が走行する第1経路を算出し、第1経路を走行する際に遭遇する複数の事象を取得(検出・抽出)し、抽出された各事象と自車両との関係を用いて、第1経路を走行する自車両の第1運転計画を立案する処理(第1運転計画立案処理)、
(2)第1経路において特定された第1車線から別の第2車線に自車両を移動させる車線変更をすることの適切性を評価する処理(車線変更評価処理)、
(3)車線変更の適切性の評価値が第1閾値以上である場合には、自車両を第2車線に車線変更させる第2経路を走行させる第2運転計画を立案する(第2運転計画立案処理)
プロセッサ11は、第1運転計画の立案機能を実現する第1ブロックと、車線変更の評価機能を実現する第2ブロックと、第2運転計画の立案機能を実現する第3ブロックとを有する。プロセッサ11は、上記各機能を実現するため、又は各処理を実行するためのソフトウェアと、上述したハードウェアとの協働により各機能を実行する。
まず、図2Aに基づいて、本実施形態に係るプロセッサ11が実行する第1運転計画の立案処理について説明する。第1運転計画の立案処理は、運転支援システム1が実行する基本的な処理である。第1運転計画の立案処理は、第1経路の算出処理、第1経路を走行する際に遭遇する事象の取得処理、取得した各事象と自車両との関係に基づく第1運転計画の立案処理とを含む。
まず、第1経路の算出処理について説明する。
プロセッサ11は、自車両の走行中又は走行が予定されている第1経路を算出する。プロセッサ11は、第1経路を算出するために、自車情報を取得する。プロセッサ11は、位置検出装置221から自車両の現在位置を取得する。プロセッサ11は、地図情報222を参照し、取得した現在位置、進行方向を用いて第1経路を算出する。プロセッサ11は、ナビゲーション装置220が求めた自車両の走行予定経路を第1経路として取得してもよい。プロセッサ11は、ナビゲーション装置220が求めた、現在位置から目的地に至るまでの案内経路を第1経路として取得してもよい。自車両の経路の算出処理は、本願出願時において知られた手法を適宜に用いることができる。
事象の取得処理について説明する。
プロセッサ11は、第1経路を走行する際に遭遇する事象を取得(検出/抽出)する。本実施形態における事象(イベント)とは、走行制御が実行されることのトリガとなる事物(事柄/物体の存在)である。実行される走行制御とは、車両の加減速、車両の操舵を含む。つまり、事象(イベント)とは、自車両の加減速や操舵を実行せしめる原因となるものである。事象は、第1経路上の交差点、第1経路上の停止線、第1経路上の横断歩道、第1経路を走行する自車両の周囲の対象物である。対象物は、平面/立体の交通標識、歩行者、二輪車、四輪車などの移動物体、ガードレール、中央分離帯、縁石などの道路構造物を含む。
プロセッサ11は、地図情報222を参照し、自車両の走行中又は走行が予定されている第1経路と交点を有する他の経路を抽出する。第1経路と交点を有する経路とは、第1経路と交わる経路、第1経路に流入する経路、第1経路から流入する経路、第1経路と交差する経路を含む。他の経路が検出された場合には、その他の経路との交点が、第1経路の交差点であり、事象として取得される。プロセッサ11は、交通規則情報224を参照して、第1経路上の交通標識の存在及び位置を取得する。交通規則情報224は、一時停止位置、進入禁止、一方通行などの情報がリンク(経路)や位置情報に対応づけられた情報である。プロセッサ11は、停止の交通規則を事象として認識する。プロセッサ11は、停止が定義されている位置を、自車両が事象と遭遇する位置として抽出する。抽出された事象の位置は、経路(リンクを含む)に対応づけられる。同様に、プロセッサ11は、進入禁止の交通規則を事象として認識する。プロセッサ11は、進入禁止が定義されている位置よりも上流側の位置(走行方向の上流側)を、自車両が事象と遭遇する位置として抽出する。抽出された事象の位置は、経路(リンクを含む)に対応づけられる。交通規則情報224は、信号機が示す交通信号を含む。このとき、地図情報222、道路情報223を参照してもよい。
プロセッサ11は、対象物検出装置230の出力結果に基づいて、第1経路を走行する自車両が遭遇する事象を抽出する。遭遇する事象とは、第1経路上の障害物を含む対象物の存在及び位置を含む。プロセッサ11は、対象物検出装置230により検出された対象物(歩行者、他車両、道路構造物などを含む物体)が存在することを、自車両が遭遇する事象として認識する。プロセッサ11は、自車両と検出された対象物との距離が所定値未満であるときに、その対象物の存在を事象として抽出するようにしてもよい。プロセッサ11は、自車両と検出された対象物とが接触するまでの予測時間離が所定値未満であるときに、その対象物の存在を事象として抽出するようにしてもよい。
プロセッサ11は、対象物の位置情報を用いて、第1経路を走行する自車両が遭遇する事象を抽出する。対象物とは、工事現場、故障車、回避領域などの一時的な交通規制に関する対象を含む。物体が存在する位置の情報は、道路情報223に含めてもよい。物体が存在する位置の情報は、ITSなどの路側の情報提供装置から受信できる。
プロセッサ11は、対象物検出装置230の出力結果に基づいて、第1経路上の障害物を含む対象物の存在及び位置を取得する。プロセッサ11は、道路情報223を参照して、第1経路上の道路構造物の存在及び位置を取得する。このとき、地図情報222、道路情報223を参照してもよい。
プロセッサ11は、取得した事象の情報(存在及び位置)と自車両との関係に基づいて第1経路を走行するための第1運転計画を立案する。第1運転計画の立案は、所定周期で行ってもよいし、自車両と交差点との距離が所定距離未満となったタイミングで行ってもよい。
プロセッサ11は、抽出された複数の事象との遭遇位置を、自車両の経路に対応づける。プロセッサ11は、抽出された複数の事象を自車両が遭遇する順序に沿って並べ替える。プロセッサ11は、第1経路を走行する自車両の位置の遷移と事象の位置とから、遭遇する事象の順序を求め、事象を自車両が遭遇する順序に沿って並べ替える。この事象を遭遇する時系列に並べた情報は、後述する出力装置20を介してユーザに提示してもよい。
続いて、プロセッサ11は、経路を走行する自車両の運転行動を計画する。プロセッサ11は、自車両が第1経路を走行する際に経時的に遭遇する複数の事象と自車両との関係(評価結果)を用いて、自車両が第1経路を走行する際の運転計画を立案する。プロセッサ11は、対象物検出装置230により検出された対象物の存在を考慮して運転計画を立案する。
プロセッサ11は、抽出した各事象の種類(交差点、交通規則、対象物)と、事象との位置及び位置の変化(距離、接触に至る時間、接近速度、所定時間後の距離)、事象の内容(交通規則の内容、対象物の属性)、等を評価する。プロセッサ11は、車速センサ262から取得した自車両の車速を用いて、事象との距離及び距離の変化を求める。
事象が交通規則である場合には、プロセッサ11は、交通規則情報224、地図情報222、道路情報223、対象物検出装置230の検出結果の一つ以上を参照し、その交通規則の種類、位置/位置の変化、内容を読み込む。事象が信号機である場合には、プロセッサ11は、対象物検出装置230の信号認識機能の認識結果に基づいて、信号機が示す交通規則が進行/注意/停止のいずれであるかを認識する。プロセッサ11は、通信装置30を介して取得した外部のITSが送信する信号情報に基づいて、信号機が示す交通規則を認識してもよい。事象が停止線、一時停止線、停止禁止エリア、車線変更禁止などの交通標識である場合には、プロセッサ11は、交通規則情報224、道路情報223、地図情報222を参照して、対象物検出装置230が検出した交通標識の位置、内容を認識する。
事象が歩行者、他車両、道路構造物などの対象物である場合には、プロセッサ11は、対象物検出装置230が検出した対象物の位置、移動速度に基づいて、自車両と対象物の種類、位置/位置の変化、内容を求める。
プロセッサ11は、抽出された複数の事象に対してそれぞれ一つの運転行動を決定する。決定される行動は、運転に関する進行行動と停止行動とを含む。プロセッサ11は、各事象に対して、進行行動又は停止行動の何れか一方を決定する。事象が交通規則であり、その交通規則が停止を求めるものである場合には、プロセッサ11は、その事象に対する運転行動を「停止」と決定する。他方、その交通規則が通過を許可するものである場合には、プロセッサ11は、その事象に対する運転行動を「進行」と決定する。事象が対象物であり、その対象物との距離が所定値未満、距離の変化が所定値以上、接触までの時間が所定値未満の何れかである場合には、プロセッサ11は、その事象に対する運転行動を「停止」と決定する。他方、対象物との距離が所定値以上、距離の変化が所定値未満、接触までの時間が所定値以上の何れかである場合には、プロセッサ11は、その事象に対する運転行動を「進行」と決定する。プロセッサ11は、これら複数の事象に対して決定された各行動の内容に基づいて、一連の運転計画を立案する。
図2Aに基づいて、プロセッサ11の運転行動の決定手法の一例を説明する。プロセッサ11は、自車両V1が第1経路R1を走行する際に遭遇する事象に対してとるべき運転行動を判断する。プロセッサ11は、自車両V1の目的地を考慮して、自車両が走行する経路を算出する。算出された経路は、本実施形態における第1経路R1である。図2Aに示す第1経路R1を例に、第1経路R1を走行する際の運転計画の立案について説明する。第1経路R1において、自車両V1は矢印Fで示す方向に走行し、停止線ST1、信号SG1、横断歩道CR1を通過し、交差点P内で右折する。この第1経路R1を走行する際に自車両V1が遭遇する事象は、停止線ST1、信号SG1、横断歩道CR1、右折車線に進入する際に接近する他車両V2、横断歩道CR4である。プロセッサ11は、一のタイミングにおける事象を抽出する。自車両V1が遭遇する事象は、刻々に変化するため、タイミングが異なると、対象物の位置も変化する。プロセッサ11は、所定周期で刻々に変化する事象に応じて、刻々の運転計画を算出する。プロセッサ11は、自車両V1が第1経路上の交差点(他の経路との交点)に所定距離以内に接近したときに運転計画を算出してもよい。
プロセッサ11は、抽出された各事象の種類(交差点、交通規則、対象物)と、事象との位置及び位置の変化(距離、接触に至る時間、接近速度、所定時間後の距離)、事象の内容(交通規則の内容、対象物の属性)を判断する。
プロセッサ11は、自車両V1から最も近い事象(停止線ST1)を認識する。プロセッサ11は、停止線ST1が交通規則であり、自車両V1からの距離がD1/到達時間がS1であり、一時停止を求める事象であると判断する。
プロセッサ11は、停止線ST1に対応し、自車両V1から二番目に近い事象(信号SG1)を認識する。プロセッサ11は、号SG1が交通規則であり、自車両V1からの距離がD2/到達時間がS2であり、進行を禁止する(赤色/黄色信号)事象であると判断する。停止線ST1は、自車両V1が交差点に進入するときに、信号SG1が停止を指示したときに、車両を信号SG1の上流側で停止させる位置を示す事象である。別々の事象として認識される信号SG1と停止線ST1は交通規則情報224において対応づけられている。停止線ST1の内容は、信号SG1が停止を示す信号(赤色/黄色信号)であるときに「停止」となるが、信号SG1が進行を示す信号(青/緑)であるときに「進行」となる。プロセッサ11は、事象(信号SG1)において進行禁止が指示されていることに基づいて、事象(信号SG1)に対応づけられた事象(停止線ST1)についての運転行動は「停止」となる。
プロセッサ11は、自車両V1から三番目に近い事象(横断歩道CR1)を認識する。プロセッサ11は、横断歩道CR1が交通規則であり、自車両V1からの距離がD2/到達時間がS2であり、進行が許可された(青/緑信号)事象であると判断する。横断歩道の交通規則は、信号が進入禁止を示す場合には「停止」であり、信号が進入許可を示す場合には「進行」である。また横断歩道の交通規則は、横断歩道に歩行者が存在する場合には「停止」であり、横断歩道に歩行者が不在である場合には「進行」である。プロセッサ11は、事象(信号SG1)において進行禁止が指示されているので、事象(横断歩道CR1)は「停止」となる。また、横断歩道CR1を歩行中の歩行者H1が存在する。対象物検出装置230は歩行者H1を検出する。プロセッサ11は、対象物検出装置230の検出結果(歩行者H1の存在)に基づいて、事象(横断歩道CR1)についての運転行動は「停止」となる。
プロセッサ11は、交差点P内で右折する際に、第1経路が別の道路と交差する地点(交差点)を事象として抽出する。プロセッサは、自車両V1から三番目に近い事象(交差点MX12)を認識する。プロセッサは、交差点MX12が交差点であり、自車両V1からの距離がD3/到達時間がS3であると判断する。また、交差点MX12に接近する他車両V2が存在する。対象物検出装置230は交差点MX12に接近する他車両V2を検出する。対象物検出装置230は自車両V1を基準とするTTC(time to collision)が所定時間以内である物体を対象物として認識する。プロセッサ11は、対象物検出装置230の検出結果(他車両V2の存在)に基づいて、事象(交差点MX12)についての運転行動は「停止」となる。
プロセッサ11は、交差点P内で右折後に進入する横断歩道CR4を事象として抽出する。プロセッサ11は、自車両V1から四番目に近い事象(横断歩道CR4)を認識する。プロセッサ11は、横断歩道CR4が交通規則であり、自車両V1からの距離がD4/到達時間がS4であると判断する。交差点領域から退出する場合には、横断歩道への進入前に停止は求められない。ただし、周囲の対象物の存在については常に配慮する必要がある。プロセッサ11は、対象物検出装置230の検出結果を常時(所定周期で)取得し、周囲に対象物が存在しないことを確認する。事象(横断歩道CR4)進入前のタイミングで対象物検出装置230が対象物を検出しない場合には、プロセッサ11は、事象(横断歩道CR4)についての運転行動は「進行」となる。
プロセッサ11は、自車両V1が経時的に遭遇する複数の事象と自車両V1との関係に基づいて、各事象に対して進行行動又は停止行動いずれかの行動をそれぞれ決定し、各事象に対して決定された行動の内容を用いて、一連の第1運転計画を立案する。後述する第2運転計画の立案についても同様である。プロセッサ11は、自車両V1が第1経路を走行する際に経時的に遭遇する複数の事象と自車両V1との関係を用いて、各事象に関する一連の運転計画を立案する。これにより、最終的な運転計画を立案するまでのプロセスを簡素化できる。必要な事象を考慮した精度の高い運転計画を立案しつつ、演算負荷の低減を図ることができる。
プロセッサ11は、取得された事象の少なくとも一つ以上の事象に対して停止行動の決定又は判断不能の決定がされた場合には、自車両V1を停止させる運転計画を立案する。プロセッサ11は、抽出された事象の少なくとも一つ以上の事象に対して停止行動の決定又は判断不能の決定がされた場合には、自車両V1の現在位置に最も近い事象において自車両V1を停止させる運転計画を立案する。直ちに、自車両V1を停止させるので、リスクを回避できる。ちなみに、プロセッサ11が判断不能の決定をする場合とは、カメラ231の画像に含まれる死角領域の割合が所定値以上である場合、対象物検出装置230による対象物の検出確度が所定値未満である場合、レーンキープ装置240による処理が中止された場合、ドライバからの介入操作があった場合などである。判定不能である場合には、速やかに自車両V1を停止させることにより、不正確な情報に基づく運転計画の実行を抑制できる。
上述したとおり、事象の状態の変化に伴い、事象と自車両V1との関係は刻々に変化する。事象の状態が変化すれば、運転行動も変化する。プロセッサ11は、常時(所定周期で)各事象と自車両V1との関係を用いて、第1経路を走行する自車両V1の第1運転計画を立案する。
運転支援装置100は、立案した運転計画をユーザに提示する。
ここで、出力装置20を用いた運転計画の提示方法について説明する。
出力装置20は、出力制御プロセッサ21を備える。出力制御プロセッサ21は、出力装置20としてのディスプレイ251を用いて、運転計画に関する情報を表示する。出力制御プロセッサ21は、プロセッサ11により抽出され、遭遇する順序に沿って並べられた事象を表示する。出力制御プロセッサ21は、並び替えられた複数の事象を、スピーカ252を用いて音声出力してもよい。
図3Aは、事象を経時的に示す情報VWの表示例である。矢印Tは、第1経路における自車両V1の進行方向を示す。出力制御プロセッサ21は、抽出された事象、つまり、停止線ST1及び信号SG1、横断歩道CR1、交差点MX12、及び横断歩道CR4を、自車両V1が遭遇する順に、矢印Tに沿って表示する。事象を示す情報は、記号であってもよいし、テキスト情報であってもよいし、抽象的なマークであってもよい。彩色、大きさ等は任意に決定できる。
出力制御プロセッサ21は、プロセッサ11により決定された各事象の運転行動を、各事象に対応づけて表示する。図3Aに示す情報VWにおいては、矢印Tに沿う位置が各事象と共通するように、各事象の下にその事象の運転行動を表示する。運転行動を示す情報は、記号であってもよいし、テキスト情報であってもよいし、抽象的なマークであってもよい。彩色、大きさ等は任意に決定できる。
出力制御プロセッサ21は、自車両V1から各事象までの実際の距離の比に応じた位置に、抽出された事象を示す記号、マーク等の情報で表示してもよい。出力制御プロセッサ21は、第1経路を示す矢印Tの長さを所定距離とし、自車両V1と各事象との実際の距離との比が表示情報VWにおいて表現されるように、矢印Tの全長に対する各事象のマーク位置を決定する。出力制御プロセッサ21は、自車両V1の速度を考慮し、第1経路を示す矢印Tの長さを所定距離とし、自車両V1が各事象に到達する時間の比が表示情報VWにおいて表現されるように、矢印Tの全長に対する各事象のマークの矢印の位置を決定してもよい。
出力制御プロセッサ21は、事象が、経路の交点、交通規則上の停止位置、道路構造物などの静止物、歩行者、他車両などの移動体を含む場合であっても、抽出された複数の事象に含まれる静止物と移動体を、自車両V1が遭遇する順序という共通の時間軸に沿って並べ替える。他車両には、後方から接近する他車両も含まれる。
このように、第1経路を走行する自車両V1が遭遇する事象を、自車両V1が遭遇する順序に沿って並べて表示することにより、自車両V1のドライバは、どのような事象に、どのような順序で遭遇し、どのような運転行動をとるのかを、視覚的に認識できる。
次に、車線変更についての適切性の評価手法について説明する。
プロセッサ11は、第1経路において特定された第1車線から別の第2車線に自車両V1を移動させる車線変更をすることの適切性を評価する処理(車線変更評価処理)を実行する。「車線変更の適切性」は、車線変更をすることのリスク、アドバンテージ(メリット)、重要性(優先性)の度合、車線変更の可否、及び車線変更の必要性のうち、いずれか一つ以上の意味を含む概念である。車線変更をすることの適切性とは、車線変更をするという運転行動が現在の状況において、相応しいか否かの観点から評価される。プロセッサ11は、車線変更をすることの適切性を、車線変更をすることのリスク、アドバンテージ、又は重要性のいずれか一つ以上の観点から判断する。また、プロセッサ11は、車線変更をすることの適切性を、車線変更の可能性及び/又は車線変更の必要性に基づいて評価する。これにより、自車両V1の状態(速度、姿勢)、自車両が走行している経路の状態、及びその周囲の状況(対象物の存在、対象物の移動速度、対象物の速度の微分成分の時間軸上における変化量)、車線変更の重要性/必要性(目的地へ至るの経路の確保)、車線変更の重要性(目的地に到達するために必須の車線変更であるか否か、他車両を追い越すための車線変更であるか否か、目的地近傍での車線変更であるか否か)を考慮して「車線変更の適切性」を多面的に判断することができる。
プロセッサ11は、地図情報222、道路情報223、交通規則情報224、対象物検出装置230の検出結果、検出装置260の検出結果、ナビゲーション装置220の出力情報、レーンキープ装置240の出力情報の何れか一つ以上を用いて車線変更の適切性を評価する。
プロセッサ11は、車線変更のリスクの度合に基づいて車線変更の適切性を評価する。プロセッサ11は、車線変更の適切性の評価値を、車線変更をする際のリスクに基づいて算出する。プロセッサ11は、第1経路において特定された第1車線から別の第2車線へ車両を移動させるときのリスクを算出し、そのリスクの程度に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。これにより、乗員が感じるリスクを低減させた運転支援を実行できる。
プロセッサ11は、車両とその周囲の他車両との相対距離及び/又は相対速度に基づいて、車線変更に係るリスクを算出し、そのリスクの程度に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。周囲の他車両には、車両前方の先行他車両を含む。周囲の他車両には、車両の後方を走行する後続他車両を含む。この処理において、相対距離が短いほど、車線変更に係るリスクは高く算出される。この処理において、相対速度が高いほど、車線変更に係るリスクは高く算出される。
プロセッサ11は、車線変更時における自車両V1と対象物との接近度を考慮して車線変更の適切性を評価する。自車両V1と対象物の距離が所定値未満、自車両V1と対象物の接近速度が所定値未満、自車両V1と対象物のTTCが所定値未満、他車両の接近速度が所定値以上である場合には、リスクを考慮して車線変更をしないという判断をすることができる。このような場合の車線変更の「適切性」は、低いと判断される。
これにより、車間距離の短さにより乗員が感じるリスクを低減させた運転支援を実行できる。また、他車両との接近度により乗員が感じるリスクを低減させた運転支援を実行できる。
プロセッサ11は、現在地から任意の目的地に至るまでに必要な車線変更の回数に基づいて、車線変更に係るリスクを算出し、そのリスクの程度に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。本実施形態において、任意の目的地は、最終目的地に限定されず、現在位置から目的地に至る間に存在する中継地点も含む。任意の目的地は、車線変更をする交差点を含み、交差点は、合流点、分岐地点などのサブゴールを含む(以下、同じ)。サブゴールとは、最終的な目的地(ゴール)に至るために通過すべき中継地点である。この処理において、車線変更の回数が多いほど、車線変更に係るリスクは高く算出される。これにより、車線変更の回数の多さにより乗員が感じるリスクを低減させた運転支援を実行できる。
プロセッサ11は、現在地から任意の目的地に至るまでに通過する交差点の数及び/又は分岐点・合流点の数に基づいて、車線変更に係るリスクを算出し、そのリスクの程度に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。この処理において、交差点の数及び/又は分岐点・合流点の数が多いほど、車線変更に係るリスクは高く算出される。これにより、目的地に至るまでの経路上の交差点の数及び/又は分岐点・合流点の数の多さにより乗員が感じるリスクを低減させた運転支援を実行できる。
プロセッサ11は、車線変更の運転行動によるアドバンテージの度合に基づいて車線変更の適切性を評価する。プロセッサ11は、車線変更の適切性の評価値を、車線変更によって得られるアドバンテージに基づいて算出する。プロセッサ11は、車線変更により生じるアドバンテージを算出し、そのアドバンテージの程度に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。これにより、乗員にとって利益がある車線変更を実行し、利益のある運転支援を実行できる。
プロセッサ11は、車両が走行する道路リンクの制限速度と、車両の前方を走行する他車両の速度との差に基づいて、車線変更によるアドバンテージの度合を算出し、そのアドバンテージの度合に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。この処理において、車両が走行する道路リンクの制限速度と、車両の前方を走行する他車両の速度との差が大きいほど、車線変更に係るアドバンテージは高く算出される。車両が走行する道路リンクの制限速度と、車両の前方を走行する他車両の速度との差が大きいときには、先行他車両が制限速度よりも遅い速度で走行している可能性が高い。このような場合においては、車線変更を行うことにより、目的地に至る到着時間を短縮できる利益を得られる可能性が高い。また、このような場合においては、車線変更を行うことにより、渋滞した車線以外の車線を走行できるという利益を得られる可能性が高い。これにより、車線変更を実行することによる利益を考慮した運転支援を実行できる。
プロセッサ11は、車両の周囲を走行する他車両の速度、及び/又は速度の微分成分の時間軸上における変化量に基づいてアドバンテージの度合を算出し、そのアドバンテージの度合に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。この処理において他車両の速度の変化量の逆数を、先行車を追い越すアドバンテージとして定義すると、他車両を追い越すタイミングを決定できる。先行車の減速が継続的に観察できたときに、車線変更をするアドバンテージが高いと判断する。他車両の速度の微分成分の時間軸上における変化量に基づいて、先行車を追い越すアドバンテージとして定義すると、車両挙動が不安定とならない状態で他車両を追い越すタイミングを決定できる。これにより、車線変更を実行するのに適したタイミングで車線変更をする運転支援を実行できる。
プロセッサ11は、車線変更の重要性(優先度合)に基づいて車線変更の適切性を評価する。プロセッサ11は、車線変更の適切性の評価値を、車線変更の重要性(優先される度合)に基づいて算出する。プロセッサ11は、車線変更の重要性の度合を算出し、その重要度の程度に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。これにより、必要性の高い車線変更を確実に実行する運転支援を実行できる。
プロセッサ11は、任意の目的地に至る経路において、車線変更の必要性に基づいて、車線変更に係る重要性の度合(以下、「重要度」とも表現する)を算出し、その重要性の度合に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。この処理において、目的地に至る経路において、右左折のために必要な車線変更の重要性の度合は高く算出される。これにより、目的地に至るために必要な車線変更を確実に実行できる。
プロセッサ11は、前方を走行する他車両を追い越すために行われる車線変更の重要性の度合は低く算出し、その重要性の度合に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。他車両を追い越すための車線変更は、目的地に至るために必須の車線変更よりも重要度を低く評価する。これにより、目的地に至るために必要な車線変更を優先して実行できる。また、頻繁に追い越しをするような運転計画が立案されることを抑制できる。
プロセッサ11は、任意の目的地に至るまでの距離が所定値未満である場合の車線変更の重要性の度合を低く算出し、その重要性の度合に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。本処理において、目的地に近い場所での車線変更は、その重要度を低く評価する。これにより、目的地に近い場所で車線変更をすることを抑制できる。
プロセッサ11は、車線変更の可否に基づいて車線変更の適切性を評価する。プロセッサ11は、車線変更の適切性の評価値を、車線変更が実行できる可能性に基づいて算出する。この処理において、車線変更の可能性が低い場合には、車線変更の適切性の評価値は低く算出される。車線変更の可能性が高い場合には、車線変更の適切性の評価値は高く算出される。プロセッサ11は、車線変更の可能性を算出し、その可能性の程度に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。これにより、実行の可能性が高い車線変更を組み込んだ運転計画を立案できる。
プロセッサ11は、第1経路において特定された第1車線に隣接する車線の有無、第1経路と交差する経路との関係、第1経路と交差する経路上の事象との関係、第1経路の交通規則、車線変更時における自車両V1と対象物との接近度、及び車線変更時における自車両V1の走行スペースの存在の何れか一つ以上を考慮して、車線変更の可否を判断する。プロセッサ11は、自車両V1の周囲の状況に基づいて、車線変更の可否を判断し、車線変更が可能である(不可能である)可能性の程度に基づいて、車線変更の適切性を評価することにより、客観的な自車両V1の車線変更の適切性を的確に判断できる。
プロセッサ11は、自車両V1の周囲(特に車線変更をする区間)の状況が車線変更をできる状況でない場合には、車線変更は不可能であり、その「適切性」の評価値は低いと判断する。 プロセッサ11は、第1経路において特定された第1車線に隣接する車線の有無に基づいて車線変更の適切性の評価値を評価する。自車両V1の走行車線(第1車線)に隣接車線が存在しない場合には、そもそも車線変更が不可能であるため、その「適切性」の評価値は低いと判断する。
プロセッサ11は、第1経路と交差する経路上の事象との関係を考慮して車線変更の適切性を評価する。自車両V1の車線変更先に横断歩道、交差点、進入禁止エリア、工事領域などの事象が存在するような場合には、リスクを考慮して車線変更をしないという判断をすることができる。このような場合の車線変更の「適切性」は、低いと判断される。
プロセッサ11は、第1経路の交通規則を考慮して車線変更の適切性を評価する。第1経路が車線変更禁止である場合には、そもそも車線変更が不可能であるため、その「適切性」は低いと判断する。
プロセッサ11は、車線変更時における自車両V1の走行スペースの存在を考慮して車線変更の適切性を評価する。車線変更後に自車両V1の走行スペースが存在しない場合には、そもそも車線変更が不可能であるため、その「適切性」は低いと判断する。例えば、自車両V1の車線変更後に位置するスペースに他車両が存在する場合である。
プロセッサ11は、対象物検出装置230の検出結果、地図情報222、道路情報223、交通規則情報224を用いて、自車両V1の周囲に車線変更をするスペースが存在するか否かを判断する。自車両V1の周囲(特に車線変更をするスペース)が車線変更をできる状況である場合には、車線変更が可能であり、その「適切性」は高いと判断する。例えば、自車両V1の車線変更後に位置する十分なスペースが確保されている場合である。
プロセッサ11は、自車両V1の現在位置及び自車両V1の自車情報に基づいて、車線変更の適切性を評価する。自車両V1の自車情報は、自車両V1の車速、姿勢、操舵角である。自車両V1の現在位置は、位置検出装置221により検出され、自車両V1の自車情報は検出装置260(舵角センサ261、車速センサ262、姿勢センサ263)により検出される。
プロセッサ11は、自車両V1の自車情報が車線変更に適した閾値域外である場合は、車線変更の「適切性」は低いと判断する。例えば、自車両V1の速度が所定値以上である場合、自車両V1の操舵方向が車線変更の方向に対して所定値以上である場合、自車両V1の姿勢が車線変更に適した閾値域外である場合には、自車両V1に車線変更をさせることができないため、その「適切性」は低いと判断する。他方、自車両V1の速度が所定値未満である場合、自車両V1の操舵方向が車線変更の方向に対して所定値未満である場合、自車両V1の姿勢が車線変更に適した閾値域内である場合には、自車両V1に車線変更をさせることができるため、その「適切性」は高いと判断する。
周囲の環境のみに着目して車線変更が可能であると判断しても、自車両V1の自車情報や現在位置を考慮すると車線変更ができない場合もある。このような場合は車線変更の判断を取消/訂正する必要が生じてしまい、判断の即時性が損なわれる。自車両V1の現在位置及び自車両V1の自車情報に基づいて車線変更の適切性を評価することにより、車線変更の可否(適切性)を正確かつ即時に判断できる。
プロセッサ11は、車線変更の適切性の評価値を評価結果として算出する。上述した車線変更の適切性は、可算な数値として出力される。車線変更が不可能である場合には、車線変更の適切性は最低値である、車線変更が可能である場合には、車線変更の適切性は最大値と定義できる。判断の要因(隣接車線の存在、対象物の存在など)ごとに、車線変更の適切性に重みづけをして各評価値を求め、これらに基づいて総合的な評価値を算出してもよい。適切性の数値化に関する手法は特に限定されず、最低値、最高値、重みづけの係数は適宜に定義する。
最後に、第2運転計画立案処理について説明する。
次に、プロセッサ11は、車線変更の適切性の評価結果に基づいて、第2運転計画立案処理を実行する。
プロセッサ11は、車線変更の適切性の評価値が第1閾値以上である場合には、自車両V1を第2車線に車線変更させる第2経路を走行させる第2運転計画を立案する(第2運転計画立案処理)
プロセッサ11は、車線変更の適切性の評価値が第1閾値以上となった場合には、車線変更をする利益があると判断する。プロセッサ11は、自車両V1を第2車線に車線変更させる第2経路を走行させる第2運転計画を立案する。プロセッサ11は、車線変更の適切性が大きいと評価できる場合に限って車線変更を含む第2運転計画を立案する。
一般に、車載カメラ等の検知装置によって得られた情報を処理し、新たな経路を逐次探索するという処理の演算負荷は大きい。演算負荷の大きさは、演算処理の遅延を引き起こす。演算処理の遅延は、リアルタイム性が求められる自動運転/半自動運転を含む運転支援の信頼性を損ねる。
本実施形態では、車線変更が、現在の状況において、運転行動として相応しいか否か(適切性)の観点から、「現在走行中の車線を継続して走行するか」又は「車線変更をするか」という二者択一の判断に基づいて、最終的に第1運転計画と第2運転計画のいずれに従うかを判断する。無限に存在する行動候補の中から、走行シーンにふさわしい行動を生成するのではなく、車線変更の評価値からレーンキープ走行(現行の第1運転計画)と車線変更走行(別の第2運転計画)の2つの運転計画のうち適切なものを選択するだけで済むので、演算負荷を低減し、迅速な処理を実行できる。これにより、ヒューマンドライバーにとって違和感のない運転行動を実現できる。特に、自動的な運転を支援する場合においては、本手法は、信頼性の高い円滑な運転の実現に貢献する。
先述したように、プロセッサ11は、車線変更の適切性の評価値が第1閾値以上となった場合には、自車両V1を第2車線に車線変更させる第2経路を走行させる第2運転計画を立案する。第2運転計画が立案された場合には、プロセッサ11は、第2運転計画に従うように自車両V1の運転を支援する。
一方において、プロセッサ11は、車線変更の適切性の評価値が第2閾値未満であると評価された場合には、第1運転計画に従うように自車両V1の運転を支援する。言い換えると、プロセッサ11は、車線変更の適切性が低いと評価した場合には、車線変更することなく、先に立案された第1運転計画を採用する。
このように、車線変更の適切性が低いと評価した場合には、すでに立案されている第1運転計画を採用するので、演算処理に無駄が生じない。プロセッサ11の処理能力を有効に活用できる。なお、第1閾値と第2閾値とは同値であってもよいし、異なる値であってもよい。
図2Bには、プロセッサ11が、車線変更の適切性の評価値が所定値以上であると判断した場合に算出される第2経路R2を示す。プロセッサ11は、自車両V1の車線変更の適切性を評価する。車線変更の適切性の評価タイミングは特に限定されないが、交差点からの距離が所定値未満となったタイミングとする。特定された目的地に至るために車線変更が必要である場合には、車線変更可能な場面ごとに車線変更の適切性を評価してもよい。
プロセッサ11が、自車両V1の車線変更の適切性を評価するタイミングにおいては、第1経路R1を走行している。プロセッサ11は、第1経路R1の走行中に車線変更の適切性を評価する。プロセッサ11は、第1経路R1において特定された第1車線L1から別の第2車線L2に自車両V1を移動させる車線変更をすることを含めた第2経路R2を算出する。車線変更の適切性の評価値が所定値以上であると判断された場合には、プロセッサ11は、自車両V1を車線変更させる第2経路R2を算出し、第2経路R2を走行する際に自車両V1が遭遇する事象を抽出し、各事象に対する運転行動を決定する。車線変更の適切性を評価した後に行われる、経路の算出、事象の検出・抽出、運転行動の決定を含む運転計画立案の手法は、図2Aを用いて説明した第1運転計画の立案手法と共通する。
図2Bに示す例において、プロセッサ11は、自車両V1が第2経路R2を走行する際に遭遇する事象に対してとるべき運転行動を判断する。自車両V1は矢印F0の方向から矢印F1の方向へ操舵し、車線L1から車線L2に車線変更する。第2経路R2において、停止線ST1、信号SG1、横断歩道CR1を通過し、交差点P内で右折する。第2経路R2の進行方向は、第1経路R1の進行方向と基本的に共通する。この第2経路R2を走行する際に自車両V1が遭遇する事象は、停止線ST1、信号SG1、横断歩道CR1、交差点MX12、横断歩道CR4である。
プロセッサ11は、自車両V1から最も近い事象(停止線ST1)について、自車両V1からの距離D1/到達時間S1と、これが一時停止を求める事象であると判断する。プロセッサ11は、自車両V1から二番目に近い事象(信号SG1)について、自車両V1からの距離D2/到達時間S2であり、進行を許可する(青/緑信号)事象であると判断する。プロセッサ11は、事象(信号SG1)において進行許可が指示されていることに基づいて、事象(信号SG1)に対応づけられた事象(停止線ST1)についての運転行動は「進行」と判断する。
プロセッサ11は、自車両V1から三番目に近い事象(横断歩道CR1)について、自車両V1からの距離D2/到達時間S2であり、進行を許可する(青/緑信号)事象であると判断する。プロセッサ11は、事象(信号SG1)において進行許可が指示されているので、事象(横断歩道CR1)は「進行」となる。また、横断歩道CR1を歩行中の歩行者H1は第2経路R2からの距離が所定値以上である。プロセッサ11は、対象物検出装置230の検出結果(歩行者H1の存在)に基づいて、事象(横断歩道CR1)についての運転行動は「進行」となる。
プロセッサ11は、交差点P内で右折する際に、第2経路が別の道路と交差する地点(交差点)を事象として抽出する。プロセッサは、自車両V1から三番目に近い事象(交差点MX12)について、自車両V1からの距離D3/到達時間S3を取得する。また、対象物検出装置230は、交差点MX12に接近する他車両は存在しないという検出結果を出力する。プロセッサ11は、対象物検出装置230の検出結果(対象物の存在無し)に基づいて、事象(交差点MX12)についての運転行動は「進行」となる。
プロセッサ11は、自車両V1から四番目に近い事象(横断歩道CR4)について、自車両V1からの距離D4/到達時間S4であると判断する。事象(横断歩道CR4)進入前のタイミングで対象物検出装置230が対象物を検出しない場合には、プロセッサ11は、事象(横断歩道CR4)についての運転行動は「進行」となる。
プロセッサ11は、自車両V1が経時的に遭遇する複数の事象と自車両V1との関係に基づいて、各事象に対して進行行動又は停止行動いずれかの行動をそれぞれ決定し、各事象に対して決定された行動の内容を用いて、一連の第2運転計画を立案する。
運転支援装置100は、立案した第2転計画をユーザに提示する。
図3Bは、事象を経時的に示す情報VWの表示例である。矢印Tは、第2経路における自車両V1の進行方向を示す。出力制御プロセッサ21は、抽出された事象、つまり、停止線ST1及び信号SG1、横断歩道CR1、交差点MX12、及び横断歩道CR4を、自車両V1が遭遇する順に、矢印Tに沿って表示する。図3Bに示す情報VWにおいては、矢各事象の下にその事象の運転行動を表示する。
このように、第1経路から第2経路に変更された場合であっても、車線変更を含む第2経路を走行する自車両V1が遭遇する事象を、自車両V1が遭遇する順序に沿って並べて表示することにより、自車両V1のドライバは、車線変更後の第2経路において、どのような事象に、どのような順序で遭遇し、どのような運転行動をとるのかを、視覚的に認識できる。
また、本例において、出力制御プロセッサ21は、各事象に対して決定された行動を、自車両V1が遭遇する順序に沿って並べた運転行動情報を表示するとともに、予測された区間の位置と各事象の位置とに基づいて、区間を運転行動情報に重畳表示する。これにより、ドライバは、事象と遭遇するタイミングを基準として、車線変更のタイミングを認識することができる。ドライバは、操舵(車線変更)のタイミングを認識できるので、自車両V1の挙動に対して違和感を覚えないようにできる。
運転計画の立案処理に相前後して、プロセッサ11は、運転計画を生成する際に、「停止」の事象についての停止位置を決定する。「停止位置」は、第1運転計画又は第2運転計画の一部を構成する。
以下、運転計画における停止位置を決めるにあたりプロセッサ11は、運転計画において、停止行動が決定された場合又は行動の決定判断が不能であった場合には、その事象よりも上流側であって停止可能な位置において自車両V1を停止させる。プロセッサ11は、自車両V1の停止が要求される事象よりも所定距離だけ上流側の位置に、停止位置を設定する。停止位置の設定手法は特に限定されない。
続いて、運転支援システム1の基本的な処理手順を、図4のフローチャートに基づいて説明する。運転支援装置100は、設定された経路(第1経路/第2経路)に沿って自車両V1を走行させる。経路は、道路の車線(レーン)に基づいて設定してもよいし、車線に限定されずに設定してもよい。運転支援装置100は、常時、車線(レーン)を維持する走行支援であってもよいし、操舵量が所定値未満の場合には車線(レーン)を維持する走行とし、操舵量が所定値以上の場合(例えば交差点内の右左折時)には仮想車線を維持する走行としてもよい。
ステップS101−S109は第1運転計画の立案・実行に関する処理であり、ステップS110−S113は第2運転計画の立案・実行に関する処理である。第1運転計画は、レーンキープ装置240により実行される。レーンキープ装置240は、カメラ241を用いて走行中の車線を検出し、自車両V1が車線内を走行するように操舵装置280を制御し、自車両V1を走行させる(レーンキープ走行)。レーンキープ装置240は、レーンを検出することができない交差点などにおいては、走行経路に沿った仮想レーンを作成し、仮想レーン内を走行するように、操舵装置280を制御し、自車両V1を走行させる。第2運転計画についても、レーンキープ装置240により実行させてもよい。ただし、車線変更時の操作は、レーンを逸脱することが前提であるので、車線変更経路に沿った仮想レーンを作成し、その仮想レーン内を走行するように、操舵装置280を制御し、自車両V1を走行させる。
まず、ステップS101において、プロセッサ11は、検出装置260、レーンキープ装置240を介して自車両V1の自車情報を取得する。自車情報は、自車両V1の位置、自車両V1の速度・加速度、自車両V1の進行方向、自車両V1と車線との位置関係を含む。
ステップS102において、プロセッサ11は、ナビゲーション装置220を介して、自車両V1が走行する第1経路を算出する。第1経路は、自車両V1が走行する第1車線が特定された走行経路である。具体的な計算方法は特に限定されず、ダイキストラ法やA*などのグラフ探索理論に基づく手法を用いることができる。たとえば、地図情報222において、各車線に、リンクとリンク同士の接続点であるノードとを設定し、目的地に向かう際に走行すべき車線に対応する推奨リンクか否かによって、リンクに付与する重みを変更する。そして、現在位置から目的地までの重みの総和が小さくなる車線を走行予定経路として採用する。
ステップS103において、プロセッサ11は、地図情報222、道路情報223、交通規則情報224、対象物検出装置230の検出結果を参照し、第1経路を走行する際に遭遇する事象を検出する。事象は、交差点、対象物、交通標識、道路構造物などを含む。プロセッサ11は、第1経路をレーンキープ走行することを想定した場合に、自車両V1が遭遇する全ての信号機、停止線、駐停車禁止領域などの交通標識を検出する。
対象物検出装置230は、自車両V1が第1経路の第1車線をレーンキープ走行することを想定した場合に、自車両V1が監視すべき周囲の対象物を検出する。レーダー(レーダー装置232)による対象物の検出範囲は、前方100〜200メートル先の対象物を検出できるものの、検出角度は狭角(数十度)となる傾向がある。レーザーレンジファインダー(レーダー装置232)の場合には、前方100メートル以下と比較的近傍の対象物を検出するが、検出角度が広角であり、測距性能が優れている。また、カメラ231の場合には、画像処理プログラム、画像処理プロセッサの特性に依存する傾向がある。対象物検出の精度を向上させる観点から、各センサの特徴を考慮しつつ複数の検出結果を用いることが好ましい。また、演算処理負荷の低減の観点から、対象物の同一性が位置や挙動から確認できた場合には重複する検出結果を削除してもよい。
ステップS104において、プロセッサ11は、検出された事象についての情報を取得する。プロセッサ11は、地図情報222、道路情報223、交通規則情報224を参照し、事象についての交通規則(停止・通過許可)などの情報を取得する。事象が信号である場合に、プロセッサ11は、カメラ231を用いて信号色(信号内容)、を識別してもよいし、通信装置30を介してITSから送出される信号内容を取得してもよい。
プロセッサ11は、対象物検出装置230の検出結果から対象物情報を取得する。対象物情報は、自車両V1の周囲の物体の存在の有無、物体の属性(静止物又は移動物)、物体の位置、物体の速度・加速度、物体の進行方向を含む。対象物情報は、対象物検出装置230、ナビゲーション装置220から取得する。
ステップS105において、プロセッサ11は、ステップS104で取得した各事象に関する情報とステップS101で取得した自車情報とを用いて、各事象について停止又は進行の運転行動を決定する。例えば、プロセッサ11は、事象が信号である場合には、信号の示す内容が「停止/注意」であれば、停止線で自車両V1を停止させる。自車両V1が交差点に遭遇する際には、プロセッサ11は、交錯する経路上において検出された対象物を事象として認識することにより、交差点の上流側で自車両V1を停止させる。図2Aに示す状態において、プロセッサ11は、信号機SG1が赤信号で、かつ、横断歩道上CR1を歩行者H1が横断している場合には、事象:停止線と事象:横断歩道について運転行動「停止」を決定する。
ステップS106において、プロセッサ11は、運転行動が停止と判断された事象について、停止位置を決定する。事象に対して運転行動「停止」が決定された場合には、停止位置を決定する。停止位置は、事象に対応づけて地図情報222、道路情報223、又は交通規則情報224に記憶しておいてもよい。たとえば、事象が赤信号である場合には、信号よりも上流側の位置に存在する停止線が停止位置となる。交通規則情報224において、駐停車が禁止されている領域は停止位置とすることはできない。他車両が存在する領域は停止位置とすることはできない。プロセッサ11は、自車両V1を停止できない領域以外の場所に停止位置を設定する。プロセッサ11は、位置の事象について停止行動が決定された場合は、その事象の上流側に停止位置を設定する。停止位置の設定手法は上述した各手法を適用できる。例えば、図2Aに示すように、信号機SG1が赤信号である場合には、交通規則情報224を参照し、停止線を停止位置とする。
ステップS107において、プロセッサ11は、運転計画を立案する。運転計画は、経路と、経路走行中に遭遇する事象を時系列に並べ、事象ごとに運転行動が決定された一連の指令である。生成された運転計画(運転制御命令)は、車両コントローラ210に送出され、車載装置200において実行される。
ステップS108において、プロセッサ11は、運転計画をディスプレイ251に表示する(図3A、3B参照)。ステップS101乃至ステップS108の一連の処理は、第1経路を走行するための第1運転計画の実行処理である。プロセッサ11は、所定周期、または所定のトリガに呼応して、車線変更の実行の要否を判断する。
ステップS110において、プロセッサ11は、第1経路において特定された第1車線から別の第2車線に車両を移動させる車線変更の適切性を評価する。車線変更の適切性の評価は、上述したように、車線変更のリスク、車線変更のアドバンテージ、車線変更の重要性、車線変更の可否に基づいて行われる。ステップS110が実行されるタイミングは、処理能力や、処理の場面によって適宜に設定できるが、第1経路を算出した後に実行してもよい。第1経路上の事象を抽出し、各事象の情報を取得した後(ステップS104)に実行してもよい。
ステップS110において、評価値が所定の閾値未満であると判断した場合には、ステップS109に進み、レーンキープの運転支援を行い、第1車線の走行を継続する。他方、評価値が所定の閾値以上であると判断した場合には、ステップS112に進み、車線変更が可能であることを確認する。隣接車線がそもそも無く、車線変更が不可能である場合もあるからである。プロセッサ11は、車線変更が可能である状況であれば、ステップS113において、プロセッサ11は、自車両V1を第1車線から第2車線に車線変更させて第2経路を走行させる第2運転計画を立案する。
以下、図5A、図5B、及び図6に基づいて、運転支援装置100の第1の処理例を説明する。図5Aは、自車両V1の経路R1を示す図である。経路R1の暫定的な目的地をA1とする。暫定的な目的地A1とは、図示しない最終目的地に至るまでに通過する中継地点である。自車両V1は矢印Fで示す方向に走行する。経路R1は、四差路の交差点CR1において、右折する経路である。自車両V1が、図5Aに示す経路R1上を走行する場合には、自車両V1は、次に遭遇する交差点CR1を右折する必要がある。交差点CR1を右折する場合には、自車両V1は、現在走行中の車線LL(第1走行帯)から、の交差点で右折可能な右側の車線LR(第2走行帯)に車線を変更する必要がある。
このような状況において、本実施形態の運転支援装置100は、車線変更の重要度に応じて、車線変更を行うことが相応しいか否かを、車線変更の適切性に基づいて判断する。図6は、車線変更の適切性の判断処理手順を示すフローチャートである。図4に示す、ステップのうち、ステップS101:自車情報取得、ステップS102:第1経路を算出、及びステップS103:障害物を含む各事象の情報を検出は、少なくとも実行される。これらS101からS103の処理により、車線変更の重要性(必要性)を判断するために必要な情報を取得する。続く、S201からS203の処理は、車線変更の重要性、つまり車線変更が優先される程度を判断する処理に対応する。
ステップS101〜ステップS103の処理内容は、上述したとおりである。
ステップS201において、プロセッサ11は、目的地(暫定的な目的地を含む)に移動するために車線変更を行う必要があるかを判断する。先述した図5Aに示す経路R1のように、自車両V1が目的地A1に向かうためには、前方の交差点CR1で右折する必要がある。このような場合には、プロセッサ11は、車線変更を行う必要があるものを判断する。
目的地に向かうために車線変更を行う必要があると判断された場合には、ステップS204に進み、車線変更が可能な状況か否かを判断する。例えば、自車の周囲を走行する他車両、歩行者などの障害物の不存在を確認し、障害物が存在せず、車線変更が可能なスペースが確保できるなどの車線変更の実行条件を充足するか否かを判断する。車線変更の実行条件を充足する場合には、ステップS113に進み、車線変更をする第2経路を算出する。他方、車線変更の実行条件を充足しない場合には、ステップS109に進み、車線変更が不可能な状況であると判断し、レーンキープ(車線変更をしない)を行う。
ステップS201に戻り、目的地に向かうために車線変更を行う必要がないと判断された場合には、ステップS202に進む。ステップS202において、プロセッサ11は、現在の走行状況において、先行車の追い越しが必要か否かを判断する。プロセッサ11は、自車両が走行する道路リンクの制限速度と、自車両の前方を走行する他車両の速度との差に基づいて先行車の追い越しが必要か否かを判断する。先行する他車両が、現在走行中の道路の制限速度に対して所定値以上低速で走行している場合は、自車両V1の目的地への到着予定時間が予定よりも遅延することが予測される。予定よりも遅延することは自車両にとって不利益であると考えられるので、この場合には、自車両は先行する他車両を追い越す必要があると判断する。なお、道路の制限速度は、地図情報222、道路情報223、交通規則情報224に、リンクに対応づけて記憶される。
ステップS203において、プロセッサ11は、先行車の追い越しが必要だと判断された場合に、目的地までの距離が所定値以上であるか否かを判断する。自車両V1の現在位置から目的地までの距離が短い場合には、先行車を追い越すことは必要ではない。目的地近傍で先行車を追い越す運転行動は、乗員に違和感を覚えさせる。本処理例では、ステップS202において先行車の追い越しが必要であると判断された場合でも、目的地までの距離が所定値未満である場合には、ステップS109に進み、車線変更をすることなくレーンキープ走行をする。先行車が低速走行をしていても、それを追い越さないことに乗員が違和感を覚えることがないという観点から目的地までの所定値(距離)を、予め設定する。例えば、一般道(制限速度40−60Km/h)であれば数百メートル程度、高速道路(制限速度80−100Km/h)であれば2キロメートル程度を所定値(距離)の目安とする。プロセッサ11は、目的地までの距離が所定値よりも長いか短いかによって、先行車を追い越すか否かを判断する。
ステップS203において、プロセッサ11が、目的地までの距離が所定値未満ではないと判断した場合には、ステップS204に進み、車線変更の可否を判断し、車線変更の実行条件を充足する場合には、ステップS113に進んで、第2車線への車線変更のルートを含む第2経路を算出する。
先述したステップS202において、先行車の追い越しが必要ではないと判断された場合、ステップS203において、目的地までの距離が所定値未満であると判断された場合には、ステップS109に進み、車線変更を行うことなく、レーンキープ走行を行う。レーンキープを継続し続けると、目的地に到着できないので、所定周期において図4のステップS101以降の処理が実行される。
図5Aに示す経路R1を走行する際に、交差点CR1において算出された適切性の評価値が閾値未満となり、交差点CR1において右折ができなかった場合には、経路の再度の算出処理が実行される。そして、図5Bに示すように、目的地A1に至る経路R2が算出される。この経路R2においては、交差点CR2で右折する必要があるため、その手前の地点Kにおいて車線変更が行われる。
本処理例において、自車両が交差点で右折する際に、自車両が現在走行中の第1車線(第1走行帯)から、次の交差点で右折するために右側の第2車線(第2走行帯)に車線変更する場合に、プロセッサ11は、車線変更の重要性の度合に基づいて車線変更の実行の是非を判断するので、目的地に向かうために重要ではない車線変更を回避できる。無限に存在する行動中から走行シーンにふさわしい行動を決定するのではなく、「レーンキープ走行」と「車線変更」の2つの選択肢から運転行動を決定するので、演算負荷を低減させた迅速な走行支援処理を実行できる。また、現在の走行状況における、相応しさの観点から「レーンキープ走行」又は「車線変更」を選択するので、乗員に違和感を覚えさせない運転を自車両に実行させることができる。
以下、図7、図8に基づいて、運転支援装置100の第2の処理例を説明する。
図7は、自車両V1の経路R1を示す図である。経路R1の暫定的な目的地をA1とする。図8は、車線変更の適切性の判断処理手順を示すフローチャートである。図4に示す、ステップのうち、ステップS101:自車情報取得、ステップS102:第1経路を算出、及びステップS103:障害物を含む各事象の情報を検出は、少なくとも実行される。これらS101からS103の処理により、車線変更の重要性(必要性)を判断するために必要な情報を取得する。続く、S301からS312の処理は、車線変更の適切性を、リスク、アドバンテージ及び重要性から判断する処理に対応する。
図7に示すように、自車両V1は、目的地A1に移動するために経路R1を走行する。図7においては、以下の状況を示す。自車両V1は、低速で走行中の先行車を追い越すために、現在走行中の第1車線LRから、第2車線LLに車線変更する。そして、自車両V1は、車両V1が次の交差点CR1を右折するために、第2車線LLから次の交差点で右折可能な右側の第1車線LRに車線変更する。
このような状況下において、車線変更のリスクとアドバンテージを考慮して、車線変更を行うことが相応しいか否か判断する。本処理例では、車線変更のリスクとアドバンテージに加えて重要性の度合の観点も含めて、車線変更を行うことが相応しいか否か判断する。
この処理手順を、図8のフローチャートに基づいて説明する。なお、ステップS302からS305は、車線変更を行う適切性の評価値をリスクに基づいて算出する処理である。ステップS306〜ステップS308は、車線変更を行う適切性の評価値をアドバンテージに基づいて算出する処理である。ステップS309〜ステップS312は、車線変更を行う適切性の評価値を重要性の度合(重要度)に基づいて算出する処理である。そして、ステップS313は、総合的なリスク・アドバンテージ・重要度から、車線変更を行うことの適切性の評価値を算出する動作に対応する。
ステップS110に至る処理は、図4に基づく説明を援用する。
ステップS301において、目的地に向かうための車線変更を行う必要があるか否かを判断する。目的地は、自車両の走行予定経路上に存在する、交差点、分岐、合流などの通経地点(サブゴール)を含む。右左折をする交差点、本線から離脱する分岐地点、本線に進入する合流地点などの中継地点(サブゴール)においては、自車両は、目的地に至るために所定の車線を走行している必要がある。目的地に至る経路を走行するという目的以外の目的、例えば、先行車両の追い越し、走行車線の変更などを行い、交差点、分岐、合流などの通経地点(サブゴール)で所定の車線を走行していないと、必要な右左折ができずに、最終目的地にたどり着けなくなることがある。
プロセッサ11は、ステップS302において、第1経路上の交差点、分岐、合流などの中継地点(サブゴール)に至るまでに必要となる車線変更の回数を算出し、この回数に基づいてリスクの度合を評価する。
例えば、図7に示すように、次の交差点CR1を右折するものの、自車両V1の前方を低速で走行する先行他車両V2を追い越す必要がある場合には、まず、右車線LRから左車線LLに車線変更を行い、その後、再び、右車線LRに車線変更することが必要となる。この場合、車線変更を合計2回行う必要がある。車線変更はリスクを伴うと考えられる。プロセッサ11は、リスクの度合の因子として車線変更の回数を算出する。
ステップS303において、プロセッサ11は、自車両V1と、自車両V1の前方を走行する他車両V2との相対距離及び/又は相対速度を算出する。図7に示すように、同一車線を走行する他車両V2が存在すること、自車両V1のリスクの一因となる。例えば、自車両V1と先行する他車両V2との相対距離が短い場合には、自車両V1は減速し、他車両V2との車間距離を開ける運転行動をとる。また、自車両V1が先行他車両V2に接近しつつある場合であって、かつ、自車両と先行車両との相対速度差が所定値以上である場合も同様である。そこで、自車両V1と先行他車両V2との相対距離と相対速度を算出し、先行他車両V2によって生じる自車両V1のリスクを算出する。
一例ではあるが、具体的には、自車両V1の速度をVm、先行他車両V2の速度をVp、相対距離をDとした場合に、THW(Time Head-Way)とTTC(Time to collision)を以下のように定義する。

また、これらの定義を用いて、自車両V1の車線変更により生じるリスクの度合を以下のように定義する。ただし、αとβは定数である。
ステップS304において、プロセッサ11は、自車両V1と、自車両V1の周囲を走行する他車両V3との相対距離及び/又は相対速度を算出する。図7に示すように、左車線LRには他車両V2が走行している。自車両が他車両V2を追い越すために右車線LRから左車線LLに車線変更した場合には、その直後に、自車両V1の乗員が、右車線LRを走行する他車両V2と接近している感覚を覚える可能性がある。また、左車線LLに車線変更した後に、右車線LRに車線変更をする直前に、左車線LLを走行する他車両V3と接近している感覚を覚える可能性がある。そこで、ステップS303の処理と同様に、自車両V1と周囲の他車両V3との相対距離と相対速度を算出し、周囲の他車両V3が存在することによって生じる自車両V1のリスクを算出する。左車線LLを走行する他車両V3に対する自車両V1のTHW(2)とTTC(2)、および、リスクの度合を以下のように定義する。

ただし、D(2)は自車両V1と左車線LLを走行する他車両V3との相対距離、Voは左車線LLを走行する他車両V3の速度である。α(2)とβ(2)は定数であるが、自車両V1と左車線LLを走行する他車両V3との位置関係によって、ステップS303で示したαとβの値と同じ場合や異なる場合もある。
次に、ステップS305において、プロセッサ11は、総合的なリスクの度合を算出する。ステップS302からS404の説明で述べたように、ここで取り扱うリスクの要因は複数存在する。これらは、全部の要因を考慮してもよいし、一つの要因を考慮してもよいし、複数の要因を組み合わせて考慮してもよい。
プロセッサ11は、各要因に起因するリスクの総合評価をする。手法は特に限定されないが、プロセッサ11は、総合的なリスクの最大値を計算しやすくするために、各リスクの2乗和を計算する手法を用いてもよい。任意の目的地となるサブゴールに至るまでの車線変更回数をRn、自車と先行車との間のリスク感をRp、自車と周囲車両との間のリスク感をRoとすると、総合的なリスクを以下のように定義することができる。
ただし、A、B、Cは、各リスクの大きさの正規化やリスクの優先度を付ける際に変更される可能性がある定数である。
ステップS306〜ステップS308では、自車両が車線変更をすることによるアドバンテージに基づいて、適切性の評価値を算出する。
ステップS306において、プロセッサ11は、自車両V1が走行する道路リンクの制限速度を取得し、自車両V1の前方を走行する他車両V2の速度との差を取得する。制限速度と他車両V2の速度の差に基づいて、自車両V1が他車両V2を追い越すための車線変更を実行するアドバンテージを算出する。図7に基づいて説明すると、現在、先行する他車両V2が走行している道路の制限速度を40km/hとする。また、他車両V2の前方所定距離以内には、車両が存在していない。他車両V2が渋滞以外の何らかの事情により、低い車速(20km/h)で走行している状況であるとする。制限速度と他車両V2の速度差は20km/hである。このような場合に、円滑な交通流を確保し、目的地への到着予定時間を確保するためには、自車両V1は先行する他車両V2を追い越すことが適切である。追い越す対象となる他車両V2と走行路の制限速度との速度差が、自車両V1が他車両V2を追い越すこと、つまり自車両V1が車線変更をすることのアドバンテージ(メリット)の大きさとして評価できる。本処理例では、他車両V2と走行路の制限速度との速度差に基づいて、自車両V1が車線変更をすることの適切性の評価値を算出する。なお、道路の制限速度は、ナビゲーション装置220の地図情報222、道路情報223、交通規則情報224から取得可能である。
ステップS307において、プロセッサ11は、自車両V1の周囲を走行する他車両V2,V3の速度、及び/又は速度の微分成分の時間軸上における変化量に基づいて、車線変更に起因するアドバンテージの度合を算出する。自車両V1、他車両V2、V3の各車両は一定の速度で走行しているわけではなく、時々刻々、速度が変化しながら走行している。そのため、あるタイミングで先行他車両の速度が低下していることをトリガとして、先行車を追い越すために車線変更をすることは適切ではない。それよりも、ある長さの時間において経時的に観察し、先行他車両の速度が継続して低下していることをトリガとして、先行車を追い越すために車線変更をすることは適切である。例えば、先行他車両V2の速度の変化量の逆数を、他車両を追い越すための車線変更を実行することにより得られるアドバンテージとして定義することにより、先行他車両を追い越すタイミングを適切に決定できる。さらに、先行他車両の速度の微分成分の時間軸上における変化量に基づいて、他車両の車両挙動の安定性/不安定性を評価できる。プロセッサ11は、先行他車両の速度の微分成分の時間軸上における変化量に基づいて車線変更によって得られるアドバンテージを算出し、この車線変更によるアドバンテージの度合に基づいて車線変更の適切性の評価値を算出する。この評価手法は、先行する他車両について説明したが、並走する他車両、後続する他車両を含めた周囲の他車両についても同様に適用できる。
ステップS308において、プロセッサ11は、総合的なアドバンテージを判断する。ステップS305の総合的なリスクの算出手法と同様に、本処理においても、各アドバンテージの2乗和に基づいて総合的なアドバンテージを算出する。制限速度と先行他車両との速度差によるアドバンテージをMr、先行車および周囲車両の速度、および、その微分成分の時間軸上での変化量によるアドバンテージをMvとする。車線変更によって自車両V1が得る総合的なアドバンテージは以下のように定義できる。

ただし、D、Eは、各アドバンテージの大きさの正規化やアドバンテージの優先度を付ける際に変更される可能性がある定数である。
ステップS313において、プロセッサ11は、総合的なアドバンテージとリスクから構成される評価値を計算する。ステップS305およびステップS308で算出した総合的なリスクと総合的なアドバンテージの定義を用いて、車線変更の適切性の評価値Fを以下の式を用いて算出する。
算出された評価値Fが大きい値である場合には、自車両V1は車線変更をすること好ましく、適切な運転行動であると評価される傾向が高い。
ステップS313の後は、図4に示すステップS111に進む。ステップS111において、ステップS313で算出された評価値Fが、所定の閾値よりも大きいか否かを判断する。評価値Fが所定の閾値よりも大きい場合には、車線変更をする運転行動が相応しいと判断できる。図3のステップS112において、車線変更の可否を判断し、車線変更が可能であれば、ステップS113において車線変更を含む第2経路を算出する。車線変更できない場合にはステップS109に進み、同一車線を走行するレーンキープ処理を実行する。車線変更の適切性の評価値Fが所定の閾値よりも小さい場合には、車線変更をしないことが現在の状況下における運転行動として相応しいと判断し、走行車線を維持するレーンキープ支援を行う。ただし、レーンキープを継続する場合には、目的地に到着できない場合があるので、所定周期で自車両V1が走行すべき第1車線を算出し、第2車線への車線変更を繰り返し検討するため、再度、S101以降の動作が行われる。
本例において説明した、本実施形態の運転支援装置100、運転支援方法は、自車両が次の交差点を右折する際に、現在走行中の右車線から、低速走行中の他車両を追い越すために、左車線に車線変更し、再び、次の交差点で右折可能な右車線に車線変更する場合に、車線変更のリスクとアドバンテージを考慮して、現在の状況の下において車線変更を行うことが相応しい運転行動であるか否かを判断する。車線変更をすることによって、右左折すべき交差点で右左折できないといったリスクを最小限に抑えつつ、到着時間の遅延を防ぐアドバンテージを得ることができる。
以上、リスクとアドバンテージを考慮した適切性の評価手法を説明したが、これに加えて車線変更の重要性の度合を考慮してもよい。
具体的に、ステップS309において、プロセッサ11は、任意の目的地に至る経路において車線変更が必要である場合には、その車線変更の重要性の度合を高く算出する。続く、ステップS310において、プロセッサ11は、車両の前方を走行する他車両を追い越すために行われる車線変更の重要性の度合を低く算出する。ステップS311において、プロセッサ11は、最終目的地、中継地点を含む任意の目的地に至るまでの距離が所定値未満である場合の車線変更の重要性の度合を低く算出する。各処理の内容は、上述した第1の処理例において詳述してあるので、その説明を援用する。
ステップS312において、プロセッサ11は、総合的な重要度を算出する。総合的な重要度の算出手法は特に限定されない。アドバンテージの総合評価の手法を用いてもよい。また、ステップS305、ステップS308及びステップS312で算出した総合的なリスクと総合的なアドバンテージと総合的な重要度の評価を用いて、車線変更の適切性の評価値Fを以下の式を用いて算出する。
本発明の実施形態の運転支援装置100は、以上のように構成され動作するので、以下の効果を奏する。
[1]本実施形態の運転支援方法は、第1経路において特定された第1車線から別の第2車線に自車両V1を移動させる車線変更をすることの適切性を評価し、適切性の評価値が第1閾値以上である場合には、自車両V1を第2車線に車線変更させて第2経路を走行させる第2運転計画を立案する。
一般に、車載カメラ等の検知装置によって得られた情報を処理し、新たな経路を逐次探索するという処理の演算負荷は非常に高い。演算負荷の高さは、演算処理の遅延の原因となる。演算処理の遅延は、リアルタイム性が求められる自動運転/半自動運転を含む運転支援の信頼性を損ねる。
本実施形態では、車線変更という運転行動が現在の状況下で相応しいか否かの(適切性の評価値)の観点から、「現在走行中の車線を継続して走行するか」又は「車線変更をするか」という二者択一の判断に基づいて、第1運転計画と第2運転計画のいずれに従うかを判断する。無限に存在する行動候補の中から適切な位置の運転行動を決定するのではなく、二者択一の判断により運転行動を決定できるので、判断処理に係る演算負荷を低減できる。演算負荷の低減により処理を迅速に行うことができる。この結果、リアルタイム性が高い円滑な運転を実行させることである。車線変更に伴う運転計画の演算負荷を低減しつつ、円滑な運転を実行させることができる。乗員に、違和感を覚えさせないように、車線変更を含む運転行動を実行させることができる。
[2]本実施形態の運転支援方法は、車線変更の適切性の評価値を、車線変更のリスクの度合に基づいて算出するので、乗員が感じるリスクを低減させた運転支援を実行できる。
[3]本実施形態の運転支援方法は、車両とその周囲の他車両との相対距離及び/又は相対速度に基づいて、車線変更に係るリスクを算出し、そのリスクの程度に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。これにより、車間距離の短さにより乗員が感じるリスクを低減させた運転支援を実行できる。また、他車両との接近度により乗員が感じるリスクを低減させた運転支援を実行できる。
[4]本実施形態の運転支援方法は、任意の目的地に至るまでに必要な車線変更の回数に基づいて、車線変更の適切性の評価値を算出する。これにより、車線変更の回数の多さにより乗員が感じるリスクを低減させた運転支援を実行できる。
[5]本実施形態の運転支援方法では、プロセッサ11は、任意の目的地に至るまでに通過する交差点の数及び/又は分岐点・合流点の数に基づいて、車線変更の適切性の評価値を算出する。これにより、目的地に至るまでの経路上の交差点の数及び/又は分岐点・合流点の数の多さにより乗員が感じるリスクを低減させた運転支援を実行できる。
[6]本実施形態の運転支援方法では、車線変更の適切性の評価値を、車線変更によって得られるアドバンテージに基づいて算出する。これにより、乗員にとって利益がある場合に車線変更を実行するので、有益な運転行動を支援できる。
[7]本実施形態の運転支援方法では、車両が走行する道路リンクの制限速度と、車両の前方を走行する他車両の速度との差に基づいて、車線変更によるアドバンテージの度合を算出し、そのアドバンテージの度合に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。車両が走行する道路リンクの制限速度と、車両の前方を走行する他車両の速度との差が大きいときには、先行他車両が制限速度よりも遅い速度で走行している可能性が高い。このような場合においては、車線変更を行うことにより、目的地に至る到着時間を短縮できる利益を得られる可能性が高い。また、このような場合においては、車線変更を行うことにより、渋滞した車線以外の車線を走行できるという利益を得られる可能性が高い。これにより、車線変更を実行することによる利益を考慮した運転支援を実行できる。
[8]本実施形態の運転支援方法では、車両の周囲を走行する他車両の速度、及び/又は速度の微分成分の時間軸上における変化量に基づいてアドバンテージの度合を算出し、そのアドバンテージの度合に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。この処理において他車両の速度の変化量の逆数を、先行車を追い越すアドバンテージとして定義すると、他車両を追い越すタイミングを決定できる。先行車の減速が継続的に観察できたときに、車線変更をするアドバンテージが高いと判断する。他車両の速度の微分成分の時間軸上における変化量に基づいて、先行車を追い越すアドバンテージとして定義すると、車両挙動が不安定とならない状態で他車両を追い越すタイミングを決定できる。これにより、車線変更を実行するのに適したタイミングで車線変更をする運転支援を実行できる。
[9]本実施形態の運転支援方法では、車線変更の重要性(優先度合)に基づいて車線変更の適切性を評価する。これにより、必要性の高い車線変更を確実に実行する運転支援を実行できる。
[10]本実施形態の運転支援方法では、任意の目的地に至る経路において、車線変更の必要性に基づいて、車線変更に係る重要性の度合を算出し、その重要性の度合に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。この処理において、目的地に至る経路において、右左折のために必要な車線変更の重要性の度合は高く算出される。これにより、目的地に至るために必要な車線変更を確実に実行できる。
[11]本実施形態の運転支援方法では、前方を走行する他車両を追い越すために行われる車線変更の重要性の度合は低く算出し、その重要性の度合に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。他車両を追い越すための車線変更は、目的地に至るために必須の車線変更よりも重要性の度合を低く評価する。これにより、目的地に至るために必要な車線変更を優先して実行できる。また、頻繁に追い越しをするような運転計画が立案されることを抑制できる。
[12]本実施形態の運転支援方法では、任意の目的地に至るまでの距離が所定値未満である場合の車線変更の重要性の度合を低く算出し、その重要性の度合に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。本処理において、目的地に近い場所での車線変更は、目的地に至るために必須の車線変更よりも重要性の度合を低く評価する。目的地近傍で先行車を追い越す運転行動は、乗員に違和感を覚えさせる。これにより、目的地に近い場所で、車線変更をすることを抑制できる。
[13]本実施形態の運転支援方法では、車線変更の可否に基づいて車線変更の適切性を評価する。プロセッサ11は、車線変更の適切性の評価値を、車線変更が実行できる可能性に基づいて算出する。プロセッサ11は、車線変更の可能性を算出し、その可能性の程度に応じて車線変更の適切性の評価値を算出する。これにより、実行の可能性が高い車線変更を組み込んだ運転計画を立案できる。
[14]本実施形態の運転支援方法は、車線変更の適切性の評価値が第2閾値未満であると評価された場合には、第1運転計画に従うように自車両V1の運転を支援する。また、第2運転計画が立案された場合には、第2運転計画に従うように自車両V1の運転を支援する。プロセッサ11は、車線変更の適切性の評価値が第2閾値未満であると評価された場合には、第1運転計画に従うように自車両V1の運転を支援する。言い換えると、プロセッサ11は、車線変更の利益が低いと評価した場合には、車線変更することなく、先に立案された第1運転計画の実行を継続する。
このように、車線変更の利益が低いと評価した場合には、すでに立案されている第1運転計画を採用するので、演算処理に無駄が生じない。プロセッサ11の処理能力を有効に活用できる。負荷の高い車線変更を実行することにより、ドライバに違和感を与えることがない。また、車線変更の利益が低い場合には、現在の第1運転計画が継続して実行されるので、ドライバに違和感を与えることがなく、円滑な運転を実行させることができる。
[15]本実施形態の運転支援装置100は、上述した運転支援方法と同様の作用及び効果を奏する。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…運転支援システム
100…運転支援装置
10…制御装置
11…プロセッサ
20…出力装置
21…出力制御プロセッサ
30…通信装置
200…車載装置
210…車両コントローラ
220…ナビゲーション装置
221…位置検出装置
222…地図情報
223…道路情報
224…交通規則情報
230…対象物検出装置
231…カメラ
232…レーダー装置
240…レーンキープ装置
241…カメラ
242…道路情報
250…出力装置
251…ディスプレイ
252…スピーカ
260…検出装置
261…舵角センサ
262…車速センサ
263…姿勢センサ
270…駆動装置
271…制動装置
280…操舵装置

Claims (15)

  1. 車両の運転計画の立案を含む運転支援処理を実行するプロセッサを用いて、
    前記車両が第1経路を走行する際に遭遇する複数の事象を取得し、
    前記事象と前記車両との関係を用いて、前記第1経路を走行する前記車両の第1運転計画を立案し、
    前記第1経路において特定された第1車線から別の第2車線に前記車両を移動させる車線変更の適切性を評価し、
    前記車線変更の適切性の評価値が第1閾値以上である場合には、前記車両を前記第2車線に車線変更させて第2経路を走行させる第2運転計画を立案する運転支援方法。
  2. 前記車線変更の適切性の評価値は、前記車線変更によるリスクの度合に基づいて算出する請求項1に記載の運転支援方法。
  3. 前記リスクの度合は、前記車両と当該車両の周囲の他車両との相対距離及び/又は相対速度に基づいて算出する請求項2に記載の運転支援方法。
  4. 前記リスクの度合は、現在から任意の目的地に至るまでに必要な前記車線変更の回数に基づいて算出する請求項2又は3に記載の運転支援方法。
  5. 前記リスクの度合は、現在から任意の目的地に至るまでに通過する交差点の数及び/又は分岐点・合流点の数に基づいて算出する請求項2〜4の何れか一項に記載の運転支援方法。
  6. 前記車線変更の適切性の評価値は、前記車線変更によるアドバンテージの度合に基づいて算出する請求項1に記載の運転支援方法。
  7. 前記アドバンテージの度合は、前記車両が走行する道路リンクの制限速度と、前記車両の前方を走行する他車両の速度との差に基づいて算出する請求項6に記載の運転支援方法。
  8. 前記アドバンテージの度合は、前記車両の周囲を走行する他車両の速度、及び/又は他車両の速度の微分成分の時間軸上における変化量に基づいて算出する請求項6又は7に記載の運転支援方法。
  9. 前記車線変更の適切性の評価値は、前記車線変更の重要性の度合に基づいて算出する請求項1に記載の運転支援方法。
  10. 前記車線変更の重要性の度合を算出する際に、任意の目的地に至る経路において車線変更が必要である場合には、前記車線変更の重要性の度合を高く算出する請求項9に記載の運転支援方法。
  11. 前記車線変更の重要性の度合を算出する際に、前記車両の前方を走行する他車両を追い越すために行われる車線変更の重要性の度合を低く算出する請求項9又は10に記載の運転支援方法。
  12. 前記車線変更の重要性の度合を算出する際に、任意の目的地に至るまでの距離が所定値未満である場合の車線変更の重要性の度合を低く算出する請求項9〜11の何れか一項に記載の運転支援方法。
  13. 前記車線変更の適切性の評価値は、前記車線変更の実行の可能性に基づいて算出する請求項1に記載の運転支援方法。
  14. 前記車線変更の適切性の評価値が第2閾値未満であると評価された場合には、前記第1運転計画に従うように前記車両の運転を支援し、
    前記第2運転計画が立案された場合には、前記第2運転計画に従うように前記車両の運転を支援する、請求項1〜13の何れか一項に記載の運転支援方法。
  15. 運転支援処理を実行するプロセッサと、
    自車両の自車情報、前記自車両が走行する際に遭遇する複数の事象の情報、及び前記自車両の周囲の対象物の情報を取得する通信装置と、を備え、
    前記プロセッサは、
    前記自車両が第1経路を走行する際に遭遇する複数の事象を取得する処理、
    前記取得された事象と前記自車両との関係を用いて、前記第1経路を走行する前記自車両の第1運転計画を立案する処理、
    前記第1運転計画の第1経路として特定された第1車線から別の第2車線に前記自車両を移動させる車線変更の適切性を評価する処理、
    前記車線変更の適切性の評価値が第1閾値以上である場合には、前記自車両を前記第2車線に車線変更させる第2経路を走行する第2運転計画を立案する処理を実行する運転支援装置。
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