JP3915693B2 - 乗員保護装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、助手席の前方側に配置されて、助手席に着座した乗員の膝を保護することができる乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の衝突時に、助手席に着座した乗員の膝を保護する装置としては、エアバッグを膨張させて、乗員の膝を保護するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−80797号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、助手席の前方には、従来、車検証や地図等を収納するための収納ボックス(グラブボックス)が配設されていた。
【0005】
そのため、助手席の前方側に、膝保護用エアバッグ装置と収納ボックスとを搭載する場合、助手席の前方側には、膝保護用エアバッグ装置のエアバッグカバー、収納ボックスのリッド、及び、収納ボックスの周囲の内装部材が、目視されることとなり、これらの車内側に表れる部材が、意匠性よく、搭載されることが望ましい。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するもので、助手席前方に収納ボックスを設け、かつ、助手席に着座した乗員の膝を保護可能としても、助手席の前方側の意匠性を良好にすることができる乗員保護装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る乗員保護装置は、助手席に着座した乗員の前方側に配設されて、車両の衝突時に乗員の膝を保護可能な膝保護用エアバッグ装置と、該膝保護用エアバッグ装置の上方に配設されて、収納物を収納可能な収納ボックスと、前記収納ボックスの後面側の周囲を囲む内装部材と、を備えて構成され、
前記膝保護用エアバッグ装置が、乗員の膝を保護可能に膨張するエアバッグと、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、折り畳まれた前記エアバッグと前記インフレーターとを収納して、車両後方側を開口させるとともに車両のボディ側に連結固定されるケースと、前記エアバッグの膨張時に開き可能に前記ケースの開口を覆うエアバッグカバーと、を備えて構成され、
前記ケースが、折り畳まれた前記エアバッグと前記インフレーターとを収納する箱形状の本体部を備え、
該本体部が、車両前方側を塞ぐ底壁部と、車両後方側を開口させた略四角筒形状の周壁部と、を備え、
前記エアバッグカバーが、
周囲に薄肉の破断予定部とインテグラルヒンジからなるヒンジ部とを設けて、膨張時の前記エアバッグに押されて前記破断予定部を破断させ、かつ、上部に配置された前記ヒンジ部を回転中心として上方側に開き可能に、前記ケースの開口を覆う扉部、を備えるとともに、
該扉部の周縁近傍で車両前方側に突出するように配置され、前記ケースの周壁部における上下で対向する壁部の外表面側にそれぞれ係止されて、前記ケースに前記エアバッグカバーを連結保持させる部位となる上連結壁部と下連結壁部と、を備え、
前記収納ボックスが、車両後方側を開口させたボックス本体と、開閉可能に前記ボックス本体の開口を覆うリッドと、を備えて構成され、
前記内装部材が、ロアパネルと該ロアパネルの上方のアッパパネルとから構成されるインストルメントパネルの前記ロアパネルとして構成され、
該ロアパネルと前記エアバッグカバーとが、一体成形された成形品から、形成され、
該成形品が、前記収納ボックスのリッドの周囲を囲むように、略長方形の開口を備えるとともに、前記開口の下縁側から下方に延びるように、前記エアバッグカバーにおける折り畳んだ前記エアバッグを覆う前記扉部の部位を配置させて、該エアバッグカバーの部位の上方側で、前記開口を囲むように、前記ロアパネルの部位を配置させて、構成され、
さらに、前記リッドが、上縁側を後方側に回転させるように操作して開き可能に、下縁側を、前記ロアパネルにおける前記開口の下縁側近傍の左右の周縁の二箇所に形成された軸支部に、回動可能に支持される構成とするとともに、
車両への搭載時に、予め、前記ロアパネルの軸支部に回動可能に支持されるように、前記リッドが前記成形品に組み付けられて組付体が形成され、該組付体が車両に搭載されることにより、前記リッドが、車両に搭載される構成としていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る乗員保護装置では、収納ボックスの使用時に開閉するリッドを除いて、収納ボックスの周囲に配置される内装部材としてのロアパネルとアッパパネルとからなるインストルメントパネルのロアパネルと、膝保護用エアバッグ装置のエアバッグカバーとが、一体成形された一つの成形品から形成されており、両者の境界部位に、両者を別体としたような分割線が表れず、助手席の前方側の意匠性を良好にすることができる。勿論、リッドは、収納ボックスの周囲のロアパネルやエアバッグカバーと別体に形成されているため、収納ボックスにおけるボックス本体の開口の開閉操作時、周囲のロアパネルやエアバッグカバーから離れるように、容易に揺動でき、開閉操作に支障は生じない。
【0009】
そして勿論、膝保護用エアバッグ装置が作動すれば、インフレーターからの膨張用ガスによって、エアバッグが膨張し、さらに、エアバッグが、エアバッグカバーを押し開いて、ケースから突出し、乗員の膝を保護可能に膨張を完了させることとなる。
【0010】
したがって、本発明に係る乗員保護装置では、助手席前方に収納ボックスを設け、かつ、助手席に着座した乗員の膝を保護可能としても、助手席の前方側の意匠性を良好にすることができる。
【0011】
さらに、収納ボックスの周囲に配置されるロアパネルと膝保護用エアバッグ装置のエアバッグカバーとの二部材を一体化させていることから、乗員保護装置の構成部品点数を低減できて、乗員保護装置の車両への搭載作業工数とコストとを低減することが可能となる。
【0012】
そして、収納ボックスのリッドは、収納ボックスの周囲のロアパネルとエアバッグカバーとを構成する成形品に組み付けて組付体を形成し、この組付体を車両に搭載させることにより、車両に搭載されることが望ましい。
【0013】
このような構成では、車両搭載前に、リッドが、その周囲のロアパネルとエアバッグカバーとを構成する成形品に、予め、組み付けられて、リッドと、その周囲のロアパネルやエアバッグカバーと、の見切りを、容易に良好にできることから、一層、助手席の前方側の意匠性を良好にすることができる。特に、組付体は、助手席前方の意匠面の大部分を占める部材を構成することとなり、このような大きな意匠面が、車両搭載前に、予め、一体的に組み付けられているため、助手席の前方側に、良好な意匠面を得やすい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の乗員保護装置Sは、図1・2に示すように、助手席に着座した乗員Mの前方側に配設されて、車両の衝突時に乗員Mの膝K(KL・KR)を保護可能な膝保護用エアバッグ装置11と、膝保護用エアバッグ装置11の上方に配設されて、収納物を収納可能な収納ボックス60と、収納ボックス60の後面側の周囲を囲む内装部材としてのロアパネル8と、を備えて構成されている。
【0015】
なお、本明細書での前後左右は、乗員保護装置Sが車両に搭載された状態を基準とするもので、搭載時の車両の前後左右と一致するものである。
【0016】
ロアパネル8は、その上方に配置されるアッパパネル7とともに、インストルメントパネル6を構成するものである。そして、ロアパネル8は、車両後方側に略長方形の開口8aを備え、その開口8a内に、収納ボックス60のリッド73を配設させている。さらに、このロアパネル8は、開口8aの下縁側から下方に延びるエアバッグカバー44とともに、一体成形される二色成形品56から、構成されている。エアバッグカバー44は、膝保護用エアバッグ装置11における折り畳まれたエアバッグ39を覆うもので、開口8aの開口幅より左右方向に広がって、配設されている。すなわち、この二色成形品56は、収納ボックス60のリッド73を囲むように、略長方形状の開口8aを備え、略長方形状の開口8aの下縁側に、エアバッグカバー44における折り畳んだエアバッグ39を覆う扉部52の部位を配置させ、そのエアバッグカバー44の上方側で、開口8aを囲むように、ロアパネル8の部位を配置させている。
【0017】
また、ロアパネル8は、図5〜7・10に示すように、収納ボックス60のリッド73の開閉操作時に、リッド73を回動可能に支持するための軸支部8bが、開口8aの下縁側近傍の左右の周縁の二箇所に、形成されている。各軸支部8bは、リッド73の下縁73b側の左右両側付近に配置されたヒンジアーム74・74を、ピン9を利用して、揺動可能に支持することとなる。各軸支部8bには、ピン9を嵌め込む支持孔8cが、形成されている。
【0018】
さらに、ロアパネル8の上縁側の前面には、アッパパネル7と連結させるための複数の取付部8dが形成されている。実施形態の取付部は、パネル7の周縁に係止される係止脚8dから形成されている。
【0019】
なお、実施形態の場合、インパネ6の上部におけるアッパパネル7の部位には、車両の前面衝突時に、乗員Mの上半身側の胸部等を保護できるように、助手席用エアバッグ装置80が配設されている。助手席用エアバッグ装置80は、乗員Mの上半身側の胸部等を保護するように膨張するエアバッグ81と、エアバッグ81に膨張用ガスを供給するインフレーター82と、膨張時のエアバッグ81を突出可能として折り畳まれたエアバッグ81を覆うエアバッグカバー83と、折り畳まれたエアバッグ81とインフレーター82とを収納するとともにエアバッグカバー83を保持するケース84と、を備えて構成されている。エアバッグカバー83は、アッパパネル7の開口7aを塞ぐように、配置されている。このエアバッグ装置80は、ボディ1側のインパネリインフォースメント2に設けられたブラケット2aに、ボルト85止めされている。ボルト85は、ブラケット2aに固着されたナット2bに螺合している。
【0020】
そして、実施形態の乗員保護装置Sにおける膝保護用エアバッグ装置11は、図3・4に示すように、折り畳まれたエアバッグ39、エアバッグ39に膨張用ガスを供給するインフレーター31、折り畳まれたエアバッグ39とインフレーター31とを収納するとともに車両後方側を開口させたケース12、及び、ケース12の車両後方側を覆うエアバッグカバー44、を備えて構成されている。
【0021】
インフレーター31は、軸方向を車両の左右方向に沿って配設させるシリンダタイプとして構成され、略円柱状の本体32とディフューザー33とを備えて構成されている。本体32は、略円柱状の一般部32aと、一般部32aの端面から突出する小径の小径部32bと、を備え、小径部32bの外周面に複数のガス吐出口32cを配設させて、構成されている。そして、一般部32aにおける小径部32bから離れた端面に、作動信号入力用のリード線37を結線させたコネクタ36が、接続されている。ディフューザー33は、本体32を覆い可能な略円筒状として、膨張用ガスを流出可能な複数のガス流出口33aを、車両搭載状態の後方側の面に配設させている。また、ディフューザー33は、車両前方側へ突出する複数(実施形態では二本)のボルト33dを備えて構成されている。さらに、ディフューザー33は、本体32を保持するための複数の挟持部33cを備えている。そして、本体32のディフューザー33への固定は、ディフューザー33内に、小径部32bを先頭にして、挿通孔33bから本体32を挿入させ、各挟持部33cを一般部32aの外周面側にさらに押圧すれば、本体32をディフューザー33に固定することができ、各ボルト33dをケース12の底壁部17の挿通孔17aに挿通させて、ナット34を締め付ければ、インフレーター31をケース12に固定することができる。
【0022】
なお、このインフレーター31は、車両に搭載されたエアバッグ作動回路が、車両の前面衝突を検知した際、リード線37を介して、作動信号が入力されることとなる。また、車両に搭載されたエアバッグ作動回路が、車両の前面衝突を検知した際には、助手席用エアバッグ装置80のインフレーター82にも、同時に作動信号が入力されることとなる。
【0023】
エアバッグ39は、可撓性を有したポリエステルやポリアミド糸等からなる織布から形成されて、展開膨張完了時の形状を、図1・2の二点鎖線に示すように、乗員Mの両膝KL・KRを保護可能な左右方向の幅寸法を備えた略長方形板状としている。そして、エアバッグ39は、展開膨張完了時に、乗員M側に乗員側壁部40を配置させ、収納ボックス60側に車体側壁部41を配置させるように、構成されている。壁部40・41は、相互に略同形状に形成されている。また、展開膨張完了時のエアバッグ39の下端側となる車体側壁部41の部位42には、図4に示すように、二つの挿通孔42a・42aと一つの挿通孔42bとが形成されている。挿通孔42a・42aは、インフレーター31の各ボルト33dを挿通させるものであり、挿通孔42bは、インフレーター31の本体32を挿通させるものである。そして、エアバッグ39は、挿通孔42bからインフレーター31の本体32を突出させて、各挿通孔42aの周縁42を、ディフューザー33とケース12の底壁部17とに挟持させて、ケース12に取り付けられている。すなわち、このエアバッグ39は、挿通孔42aの周縁を取付部42として、この取付部42が、ケース12の底壁部17に対して、取付固定されている。
【0024】
ケース12は、図3・4・10に示すように、板金製として、折り畳まれたエアバッグ39とインフレーター31とを収納する箱形状の本体部13と、本体部13の後端から外方に延びるパネル部18と、から構成されている。本体部13は、略四角筒形状の周壁部14と、周壁部14の車両前方側を塞ぐ底壁部17と、を備えるとともに、車両後方側に略長方形形状の開口13aを備えて、構成されている。そして、周壁部14における上下で対向する壁部14a・14bの外表面側には、それぞれ、エアバッグカバー44の上下の連結壁部47・48をケース12に組み付けるための複数の係止部15(15U・15D)が、配設されている。
【0025】
上方側の壁部14aの外表面側に配設される各係止部15Uは、断面略Z字形状として、エアバッグカバー44の上連結壁部47の係止孔47aに挿入されて係止孔47aの周縁を係止可能な係止フックとして構成され、これらの係止フック15Uは、車両の左右方向に沿って壁部14aに複数(実施形態では四個)配設されている(図10参照)。
【0026】
下方側の壁部14bの外表面に配設される係止部15Dは、断面略U字状に形成されて、エアバッグカバー44の下連結壁部48の係止孔48aに挿入可能な係止突起として構成され、係止突起15Dは、車両の左右方向に沿って壁部14bに複数(実施形態では四個)配設されている(図10参照)。そして、複数の係止突起15Dには、各係止孔48aへの挿入後における係止孔48aからの抜け止めを図る閂材16が、挿入されている。閂材16は、下連結壁部48の外表面と各係止突起15Dの内周面との間に挿入される四本の挿入部16aを備えて、車両前方側で一体化され、ケース12に固定されている。なお、閂材16のケース12への固定は、インフレーター31をケース12に固定するためのボルト33dのナット34止め時、共締めされて、ケース12の底壁部17に固定されている。
【0027】
さらに、周壁部14における側方側の壁部14cには、インフレーター31の本体32の端部を挿通可能な挿通孔14dが、形成されている(図4参照)。また、底壁部17には、インフレーター31のボルト33dを挿通させるための二つの挿通孔17aが、形成されている。
【0028】
パネル部18は、ケース12の開口13aの周囲を囲むように、左右方向に長く延びた略平板状に形成されている。なお、実施形態では、図10に示すように、ケース12は、箱部12aと板状部12bとの二部材を溶接させて、構成されており、板状部12bは、パネル部18を構成するとともに、本体部13の周壁部14の外周面側に配置させる各係止部15U・15Dを備えて構成されている。このように、ケース12が、箱部12aと板状部12bとの二部材から構成されている理由は、板状部12bとエアバッグカバー44(成形品56)とを搭載部位に対応させるように形成し、かつ、ケース12の箱部12aやインフレーター31を、運転者側の膝保護用エアバッグ装置と共用できるように構成して、車両に搭載する助手席側と運転者側との膝保護用エアバッグ装置相互の構成部品の種類を、低減させるためである。
【0029】
また、このケース12は、パネル部18の上縁側に形成された支持部20と、本体部13の底壁部17における前面側に固着された支持部21と、を備えている。支持部20・21は、収納ボックス60のボックス本体61における下壁部64の下面64aに当接して、ボックス本体61の下壁部64を支持するものである。支持部20は、下壁部64の下面64aの後端側における左右方向の両縁付近を除く略全域を支持し、支持部21は、下壁部下面64aの前端側における左右方向の両縁付近を除く略全域を支持している。なお、支持部20は、パネル部18の上縁の左右方向の中央付近が、上方に延設されて、形成され、支持部21は、車両前後方向の断面を上下逆J字形状として、底壁部17に溶接された板金製のブラケット22から、構成されている。
【0030】
さらに、ケース12には、収納ボックス60のボックス本体61を固定するための二つの固定部24が、配設されている。固定部24・24は、図3・10に示すように、ボックス本体61の下壁部64における前端側の左右両側付近から下方へ突出した固定片68を、それぞれ、タッピングボルト25を利用して、固定するものであり、ボルト25を螺合させる固定孔24aが形成されている。これらの固定部24は、ブラケット22に形成されている。
【0031】
さらに、ケース12には、図6・8・10に示すように、エアバッグ装置11をボディ1側に連結固定するための連結部26が、三箇所に、形成されている。これらの連結部26は、パネル部18の本体部13から離れた部位に配置され、上縁側における左右両側付近の連結部26A・26Bと、下縁側の右縁側付近の連結部26Cと、から構成され、それぞれ、ボルト27を挿通させる連結孔26aを開口させている。これらの連結部26は、ボディ1側のセンタ−ブレースやサイドメンバ等から延びるブラケット3に、ボルト27止めされて、車両に取付固定されることとなる。なお、各ブラケット3には、ボルト27を螺合させるナット3aが固着されている。
【0032】
また、ケース12のパネル部18には、図3・6・10に示すように、エアバッグカバー44の上連結壁部47を挿通させる挿通孔18aが、開口13aの上側周縁の四箇所に形成されるとともに、エアバッグカバー44の各係止脚部46を周縁で係止する係止孔18bが、左右両縁付近の二箇所に形成されている(図9参照)。なお、図6・10に示す符号18cの孔は、アンダーカバー4の図示しない係止脚部を周縁で係止する係止孔である。また、図4・6に示す挿通孔18dは、エアバッグカバー44の左右の側壁部49を挿通させる孔である。
【0033】
エアバッグカバー44は、折り畳まれたエアバッグ39とケース12との車両後方側を覆い可能なように、構成されて、ケース12に連結保持されている。このエアバッグカバー44は、ロアパネル8と一体成形された二色成形品56としており、ケース12の開口13aを車両後方側で覆っている二つの扉部52(52U・52D)付近が、軟質部57とし、他の部位、すなわち、軟質部57の左右両側部位の一般部45やロアパネル8が、硬質部58を構成している。
【0034】
実施形態の場合、二色成形品56の軟質部57は、オレフィン系熱可塑性エラストマーから形成され、硬質部58は、軟質部57と相溶性を有して、形状保持性を有した硬質のポリプロピレンから形成されている。
【0035】
そして、上下二つの扉部52(52U・52D)は、略長方形板状に形成されて、図1に示すように、周囲に、車両後方側から見て、略H字形状となる薄肉の破断予定部51を配設させて、構成されている。破断予定部51は、扉部52U・52Dが膨張するエアバッグ39に押された際に容易に破断するように、エアバッグカバー44の車両前方側の面に連続的若しくは断続的な凹溝を設けて形成されている。そして、扉部52U・52Dは、膨張するエアバッグ39に押されて破断予定部51が破断すれば、破断予定部51におけるH字の左右の縦線における上端相互と下端相互とをそれぞれ連結するように、上部と下部との位置に配置されたインテグラルヒンジからなるヒンジ部53を回転中心として、上下両側に離れて開くように構成されている。
【0036】
また、扉部52U・52Dの周縁近傍の軟質部57の部位には、図3・4・10に示すように、ケース12の周壁部14の外周側において、周壁部14と隣接するように車両前方側に突出する4つの壁部47・48・49・49が、形成されている。ケース周壁部14の上部側に配置される上連結壁部47と周壁部14の下部側に配置される下連結壁部48とは、エアバッグカバー44をケース12に連結保持させる部位となり、これらの各壁部47・48には、周壁部14に配設された各係止部15(15U・15D)を挿入させて、各係止部15に周縁を係止させる係止孔47a・48aが、それぞれ、形成されている。各係止孔47a・48aは、長方形形状に開口している。
【0037】
一般部45は、ケース12のパネル部18の車両後方側を覆う部位であり、左右両側付近の下縁付近には、それぞれ、パネル部18の係止孔18bに挿入されて(図9・10参照)、パネル部18に係止される係止脚部46が、車両前方側に突設されている。
【0038】
収納ボックス60は、車両後方側を開口させたボックス本体61と、開閉可能にボックス本体61の開口61aを覆うリッド73と、を備えて構成されている。
【0039】
ボックス本体61は、図2・5・7・10に示すように、開口61aから最も離れて車両前方側に位置する底壁部66と、その周縁から車両後方側に略四角筒形状に延びる周壁部62と、を備えて構成されている。周壁部62は、上方に位置する上壁部63と、下方に位置する下壁部64と、上・下壁部63・64とを連結する左右の側壁部65・65と、から構成されている。
【0040】
そして、下壁部64の前縁付近の左右には、ケース12の固定部24・24に固定される固定片68・68が、下方に突設され、各固定片68には、ボルト25を挿通させる固定孔68aが、形成されている。また、上壁部63の前縁付近には、固定孔67aを備えた複数(実施形態では、三個)の固定片67が、上方に突設されている。これらの固定片67は、インパネリインフォースメント2のブラケット2cにボルト71止めされている。ブラケット2cには、ボルト71を螺合させるナット2dが固着されている。
【0041】
さらに、ボックス本体61の下壁部64には、ケース12の連結部26A・26Bをボディ1側のブラケット3にボルト27止めする際におけるボルト27や締付け治具を挿入させるために、開閉可能な蓋64bを配設させている(図8参照)。また、左右の側壁部65には、図5〜7・10に示すように、ロアパネル8の軸支部8bを収納する凹部69が、配設されている。
【0042】
リッド73は、図5〜7・10に示すように、車両前方側となる面の下縁73b付近の左右両側に、ヒンジアーム74が車両前方側へ突設されている。これらのヒンジアーム74は、リッド73の上縁73aを前後方向に回転させるように、ロアパネル8の軸支部8b・8bに対し、揺動可能に連結支持されている。なお、ヒンジアーム74には、リッド73の開閉動作が、急激に行なわれないように、図示しないダンパ機構が、配設されている。また、リッド73は、閉じた際の位置規制を、ボックス本体61の周壁部62の後端面に当接させて行い、開いた際の位置規制を、図示しないダンパ機構によって、行なっている。
【0043】
そして、このリッド73は、車両へ搭載する際には、ロアパネル8とエアバッグカバー44とを備えて一体成形された成形品56に対して、組み付けられて、組付体10を形成した状態で、車両に搭載されることとなる。リッド73の成形品56への組み付けは、予め、リッド73がロアパネル8の軸支部8bに回動可能に支持されるように、各ヒンジアーム74の孔74aを、対応する軸支部8bの支持孔8cに一致させ、孔8c・74a内にピン9を嵌めて、リッド73をロアパネル8に対して、揺動可能に連結させ、図示しないダンパ装置を配設すれば、組み付け完了となる。
【0044】
つぎに、乗員保護装置Sの車両への搭載について説明すると、まず、膝保護用エアバッグ装置11のケース12内に、エアバッグ39とインフレーター31とを収納する。その際、まず、各挿通孔42aからボルト33dを突出させ、挿通孔42bから本体32の端部を突出させるように、エアバッグ39内に、ディフューザー33を本体32に組み付け済みのインフレーター31を、収納させ、ついで、エアバッグ39を折り畳む。そして、折り崩れ防止用の破断可能な図示しないラッピングフィルムにより、エアバッグ39をくるむ。この時、挿通孔42a・42bから突出したインフレーター31のボルト33dや本体32の端部は、ラッピングフィルムから突出させておく。なお、ラッピングフィルムとしては、樹脂製のシート材の他、エアバッグ39を形成した織布等の布材・テープ材・紐材を利用してもよい。
【0045】
その後、インフレーター31の各ボルト33dを挿通孔17aから突出させるとともに、インフレーター本体32の端部を挿通孔14dから突出させるようにして、インフレーター31を、折り畳まれたエアバッグ39とともに、ケース12内に収納させ、各ボルト33dに対し、底壁部17の前方側から、図示しないスプリングナットを締結すれば、インフレーター31とエアバッグ39とを、ケース12に収納させるとともに、ケース12に取り付けることができる。なお、インフレーター31の本体32には、リード線37を結線させたコネクタ36を接続させておく。
【0046】
ついで、各固定片68を対応する固定部24に配置させて、タッピングボルト25を、固定孔68aを経て、固定孔24aに螺合させ、ケース12に収納ボックス60のボックス本体61を組み付ける。この時、ケース12の各支持部20・21が、ボックス本体61の下壁部64の下面64aを当接支持することとなる。
【0047】
その後、ボルト27を、各連結孔26aを経て、ナット3aに螺合させることにより、ケース12の各連結部26を、ボディ1側に固定するとともに、ボルト71を、各固定孔67aを経て、ナット2dに螺合させることにより、ボックス本体61の各固定片67を、ボディ1側に固定して、エアバッグ39とインフレーター31とを収納したケース12と、ボックス本体61と、を車両に搭載する。なお、リード線37の端末は、車両の所定のエアバッグ作動回路に接続させておく。また、このケース12等の車両搭載前までには、予め、車両に、インパネ6のアッパパネル7や助手席用エアバッグ装置80を搭載させておく。さらに、ボルト27止め時、連結部26A・26Bでは、蓋64bを開けて、行ない、そして、ボルト27の締結後には、蓋64bを閉めておくこととなる。ちなみに、連結部26Cでは、この時点では、アンダーカバー4が配設されておらず、支障なく、ボルト27止め作業を行なうことができる。
【0048】
そして、エアバッグ39とインフレーター31とを収納したケース12と、ボックス本体61と、を車両に搭載したならば、組付体10を車両に搭載する。その際、ロアパネル8と一体的なエアバッグカバー44を、ケース12に組み付ける。このエアバッグカバー44のケース12への組み付けは、エアバッグカバー44の各壁部47・48・49・49を、開口13a側のケース周壁部14に外装させ、図11のA・Bに示すように、各係止フック15Uを、上連結壁部47の係止孔47aに挿入させて、上連結壁部47の上面側における係止孔47aの周縁に係止させ、また、各係止突起15Dを、下連結壁部48の各係止孔48aに挿入させ、さらに、各係止脚部46を、係止孔18bに挿入させて、係止孔18b周縁に係止させる。なお、この時、左右の各軸支部8bは、ボックス本体61の凹部69に収納されることとなる。さらに、この時、ロアパネル8の各係止脚8dが、アッパパネル7の下縁周縁に係止される。
【0049】
ついで、図11のCに示すように、下連結壁部48の外表面と各係止突起15Dの内周面との間に、閂材16の挿入部16aを挿入させて、閂材16に各ボルト33dを挿通させ、各ボルト33dにナット34を螺合させれば、ロアパネル8を一体化させたエアバッグカバー44を、ケース12に連結保持させることができて、組付体10を車両に搭載することができ、また、膝保護用エアバッグ装置11の組み立ても完了することとなる。その後、アンダーカバー4を、ケース12の係止孔18cを利用して、ケース12に取り付ければ、膝保護用エアバッグ装置11と収納ボックス60との車両への搭載作業を、完了させることができる。
【0050】
そして、膝保護用エアバッグ装置11と収納ボックス60との車両への搭載完了後、リード線37を経て、インフレーター31の本体32に作動信号が入力されれば、インフレーター31のガス吐出口32cから膨張用ガスが吐出され、膨張用ガスが、ディフューザー33のガス流出口33aを経て、エアバッグ39内に流入することとなる。すると、エアバッグ39は、膨張して、図示しないラッピングフィルムを破断するとともに、エアバッグカバー44の扉部52(52U・52D)を押し、破断予定部51を破断させ、ヒンジ部53を回転中心として、扉部52Uを上方へ、扉部52Dを下方へ、それぞれ回転させて開かせる。そして、エアバッグ39は、図1・2の二点鎖線に示すように、扉部52U・52Dの開いた開口54から車両後方側へ突出し、さらに、リッド73の後面に沿いつつ上方へ向かって大きく突出するように、展開膨張する。そのため、助手席に着座した乗員Mが前進してきても、膨張したエアバッグ39が、膝Kを的確に保護できる。なお、実施形態では、この時、助手席用エアバッグ装置80も作動するため、図2の二点鎖線に示すように、エアバッグ81が、インパネ6から突出し、乗員Mの上半身側を保護可能に、膨張を完了させることとなる。
【0051】
そして、実施形態の乗員保護装置Sでは、収納ボックス60の使用時に開閉するリッド73を除いて、収納ボックス60の周囲に配置される内装部材としてのロアパネル8と膝保護用エアバッグ装置11のエアバッグカバー44とが、一体成形された一つの成形品56から形成されており、両者の境界部位に、両者を別体としたような分割線が表れず、助手席の前方側の意匠性を良好にすることができる。勿論、リッド73は、収納ボックス60の周囲のロアパネル8やエアバッグカバー44と別体に形成されているため、収納ボックス60におけるボックス本体61の開口61aの開閉操作時、図5の二点鎖線に示すように、周囲のロアパネル8やエアバッグカバー44から離れるように、容易に揺動でき、開閉操作に支障は生じない。
【0052】
したがって、実施形態の乗員保護装置Sでは、助手席前方に収納ボックス60を設け、かつ、助手席に着座した乗員Mの膝Kを保護可能としても、助手席の前方側の意匠性を良好にすることができる。
【0053】
さらに、収納ボックス60の周囲に配置されるロアパネル8と膝保護用エアバッグ装置11のエアバッグカバー44との二部材を一体化させていることから、乗員保護装置Sの構成部品点数を低減できて、乗員保護装置Sの車両への搭載作業工数とコストとを低減することが可能となる。
【0054】
そして、実施形態では、収納ボックス60のリッド73が、収納ボックス60の周囲の内装部材としてのロアパネル8とエアバッグカバー44とを構成する成形品56に組み付けて組付体10を形成し、この組付体10を車両に搭載させることにより、リッド73が車両に搭載されている。
【0055】
このような構成では、車両搭載前に、リッド73が、その周囲のロアパネル8とエアバッグカバー44とを構成する成形品56に、予め、組み付けられていることから、リッド73と、その周囲のロアパネル8やエアバッグカバー44と、の見切りを、容易に良好にできることから、一層、助手席の前方側の意匠性を良好にすることができる。特に、組付体10は、助手席前方の意匠面の大部分を占める部材を構成することとなり、このような大きな意匠面が、車両搭載前に、予め、一体的に組み付けられているため、助手席の前方側に、良好な意匠面を得やすい。
【0056】
なお、このような作用効果を考慮しなければ、リッド73のヒンジアーム74を、ケース12等に軸支させるように構成してもよい。
【0057】
さらに、実施形態の乗員保護装置Sでは、ケース12が、開口13aの周囲に配置されて折り畳まれたエアバッグ39を覆う周壁部14を備えるとともに、この周壁部14が、エアバッグカバー44を取り付けるために、外方へ突出させた係止部15(15U・15D)を備えている。また、エアバッグカバー44は、膨張時のエアバッグ39に押されて開き可能な扉部52U・52Dと、扉部52U・52Dの周囲に配置されて、膨張時のエアバッグ39に押されて扉部52U・52Dを開き可能に破断する薄肉の破断予定部51と、扉部52U・52Dの周囲に配置されて、扉部52U・52Dの開き時に撓むヒンジ部53と、係止部15(15U・15D)を挿入させて係止部15(15U・15D)に係止され、ケース12の周壁部14に取り付けられる連結壁部47・48と、を備えている。
【0058】
そして、ロアパネル8とエアバッグカバー44とを一体的に形成した成形品56が、相互に相溶性を有する軟質材料と硬質材料とを使用した二色成形品として、エアバッグカバー44の扉部52、ヒンジ部53、破断予定部51、及び、連結壁部47・48の部位を、軟質材料から形成される軟質部57とし、他の部位を、硬質材料から形成される硬質部58として、構成されている。
【0059】
このような成形品56では、エアバッグカバー44における軟質部57の扉部52が、膨張時のエアバッグ39に押されて、周囲の破断予定部51を破断させて開く際、扉部52が、軟質部57であることから、押されて変形しても、破損することなく、弾性変形して円滑に開き、さらに、軟質部57のヒンジ部53も容易に撓む。その結果、扉部52が、円滑に開いて、エアバッグ39を円滑に展開膨張させることができる。また、エアバッグカバー44におけるケース12の周壁部14への取付部位となる連結壁部47・48も、軟質部57で構成されており、扉部52の開く際に、強い引張力が連結壁部47・48に作用しても、弾性変形して、周壁部14の係止部15U・15Dを係止させている係止孔47a・48aの周縁の破損を、防止することができる。勿論、この二色成形品56は、他の部位であるエアバッグカバー44の扉部52から離れた一般部45やロアパネル8を硬質部58として、剛性を有しているため、所定の形状を容易に確保することができる。ちなみに、高い剛性を考慮しなければ、一般部45を含めてエアバッグカバー44の全体を軟質部57から構成したり、さらには、ロアパネル8も含めて、成形品56の全体を、熱可塑性エラストマー等の軟質合成樹脂材料から形成してもよい。
【0060】
さらにまた、実施形態では、ボックス本体61における下壁部64の下面64aが、ケース12から上方に突出するように設けられた支持部20・21に当接されて、支持されている。そして、ケース12は、膨張時のエアバッグ39を開口13aから円滑に突出させることができるように、剛性を有した板金製とし、かつ、ボディ1側に強固に取付固定されていることから、支持部20・21を使用して、強固に、ボックス本体61の下壁部下面64aを支持することができる。そのため、ボックス本体61に重量物を収納しても、ボックス本体61の落ち込むような変形を防止できて、収納ボックス60は、見栄えよく、収納物を収納することができる。特に、実施形態の場合には、支持部20・21が、ボックス本体61の下壁部64の下面64aにおける前縁64c側と後縁64d側とで、左右方向に幅広く、支持しており、安定して、ボックス本体61を支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の乗員保護装置における車両搭載状態の車両後方側から見た正面図である。
【図2】実施形態の乗員保護装置における車両搭載状態の車両前後方向の概略縦断面図である。
【図3】実施形態の膝保護用エアバッグ装置の概略拡大縦断面図である。
【図4】実施形態の膝保護用エアバッグ装置の概略拡大横断面図である。
【図5】実施形態の収納ボックスにおけるリッドの開閉操作を示す部分断面側面図である。
【図6】実施形態の乗員保護装置を示す概略正面図である。
【図7】実施形態の収納ボックスの概略横断面図であり、図6のVII−VII部位を示す。
【図8】実施形態の膝保護用エアバッグ装置におけるボディ側との連結状態を示す概略縦断面図であり、図6のVIII−VIII部位に対応する。
【図9】実施形態のエアバッグカバーとロアパネルとの連続状態を示す概略部分断面図であり、図6のIX−IX部位に対応する。
【図10】実施形態の収納ボックスと膝保護用エアバッグ装置のケースとの分解斜視図である。
【図11】実施形態のエアバッグカバーのケースへの組付作業を示す説明図である。
【符号の説明】
8…(内装部材)ロアパネル、
10…組付体、
11…膝保護用エアバッグ装置、
12…ケース、
13a…開口、
31…インフレーター、
39…エアバッグ、
44…エアバッグカバー、
56…成形品、
60…収納ボックス、
61…ボックス本体、
61a…開口、
73…リッド、
M…乗員、
K(KL・KR)…膝、
S…乗員保護装置。
Claims (1)
- 助手席に着座した乗員の前方側に配設されて、車両の衝突時に乗員の膝を保護可能な膝保護用エアバッグ装置と、該膝保護用エアバッグ装置の上方に配設されて、収納物を収納可能な収納ボックスと、前記収納ボックスの後面側の周囲を囲む内装部材と、を備えて構成され、
前記膝保護用エアバッグ装置が、乗員の膝を保護可能に膨張するエアバッグと、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、折り畳まれた前記エアバッグと前記インフレーターとを収納して、車両後方側を開口させるとともに車両のボディ側に連結固定されるケースと、前記エアバッグの膨張時に開き可能に前記ケースの開口を覆うエアバッグカバーと、を備えて構成され、
前記ケースが、折り畳まれた前記エアバッグと前記インフレーターとを収納する箱形状の本体部を備え、
該本体部が、車両前方側を塞ぐ底壁部と、車両後方側を開口させた略四角筒形状の周壁部と、を備え、
前記エアバッグカバーが、
周囲に薄肉の破断予定部とインテグラルヒンジからなるヒンジ部とを設けて、膨張時の前記エアバッグに押されて前記破断予定部を破断させ、かつ、上部に配置された前記ヒンジ部を回転中心として上方側に開き可能に、前記ケースの開口を覆う扉部、を備えるとともに、
該扉部の周縁近傍で車両前方側に突出するように配置され、前記ケースの周壁部における上下で対向する壁部の外表面側にそれぞれ係止されて、前記ケースに前記エアバッグカバーを連結保持させる部位となる上連結壁部と下連結壁部と、を備え、
前記収納ボックスが、車両後方側を開口させたボックス本体と、開閉可能に前記ボックス本体の開口を覆うリッドと、を備えて構成され、
前記内装部材が、ロアパネルと該ロアパネルの上方のアッパパネルとから構成されるインストルメントパネルの前記ロアパネルとして構成され、
該ロアパネルと前記エアバッグカバーとが、一体成形された成形品から、形成され、
該成形品が、前記収納ボックスのリッドの周囲を囲むように、略長方形の開口を備えるとともに、前記開口の下縁側から下方に延びるように、前記エアバッグカバーにおける折り畳んだ前記エアバッグを覆う前記扉部の部位を配置させて、該エアバッグカバーの部位の上方側で、前記開口を囲むように、前記ロアパネルの部位を配置させて、構成され、
さらに、前記リッドが、上縁側を後方側に回転させるように操作して開き可能に、下縁側を、前記ロアパネルにおける前記開口の下縁側近傍の左右の周縁の二箇所に形成された軸支部に、回動可能に支持される構成とするとともに、
車両への搭載時に、予め、前記ロアパネルの軸支部に回動可能に支持されるように、前記リッドが前記成形品に組み付けられて組付体が形成され、該組付体が車両に搭載されることにより、前記リッドが、車両に搭載される構成としていることを特徴とする乗員保護装置。
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