JP3915179B2 - イオン交換体、その製造方法及びそれを用いた多価陰イオンの除去方法 - Google Patents

イオン交換体、その製造方法及びそれを用いた多価陰イオンの除去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン交換又はイオン吸着を利用する各種の用途、例えば水溶液や有機溶剤中の特定のイオンの分離、除去、回収、精製、濃縮や、廃液中の有害イオンの除去等の用途に好適な、活性炭に水酸化ジルコニウムが担持されたイオン交換体、その製造方法及びそれを用いた多価陰イオンの除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イオン交換体としては、イオン交換樹脂が広く用いられているが、イオン交換樹脂は耐放射性及び耐熱性が劣っており、又、共存する塩の多い溶液や濃厚電解質溶液においてはイオン選択性が乏しいため利用範囲が限定されるといった欠点を有している。
【0003】
一方、無機イオン交換体は、耐放射性、高温域における熱安定性、高イオン選択性などの優れた機能を有しており、高温下における水処理、物質の濃縮及び精製などへの応用が期待できる。特に両性のイオン交換能を有するジルコニウムの水酸化物からなる無機イオン交換体は、水に対する溶解度が低く特異的なイオン選択性を有しているため、有害物質や不純物等の除去、回収に適している。
【0004】
しかし、両性のイオン交換能を有するジルコニウムの水酸化物は、通常ハロゲン化物、オキシハロゲン化物又は鉱酸のジルコニウム塩と、アルカリとを接触させることによって得られるが、得られた水酸化物がゲル状又はその凝集体であるため工業的には取り扱いに難点があった。
【0005】
例えば、特開昭60−44056号公報では、スルホン酸官能基を持つカチオン交換樹脂に水酸化ジルコニウムを担持し充填塔固定床方式により塩水を処理する方法が開示されている。しかしながら、この方法では塩水中の硫酸イオンがイオン交換樹脂に担持された水酸化ジルコニウムにより選択的に吸着除去されるものの、脱着時の再生効率が低く、また水酸化ジルコニウムを担持させる際に多量の高価なカチオン交換樹脂が必要であり経済的ではないという欠点があった。また特開昭60−168541号公報では、結合剤として非架橋硬化性又は架橋硬化性有機フッ素系ポリマーを用いる方法が、特開平3−131349号公報及び特開平4−45854号公報では、結合剤として、粘土鉱物と金属アルコキシドもしくはヒドロゾルを用いる方法が開示されているが、いずれも調製条件に制約があったり操作が煩雑であったりするという欠点があった。また粒状物の機械的強度を大きくした場合、無機イオン交換体のイオン交換容量及びイオン交換速度等のイオン交換特性が粉末状の場合に比較して低下するといった欠点を有していた。
【0006】
更に、特開平3−153522号公報では、水酸化ジルコニウム乾燥粉体を用いて塩水を処理する方法が開示されている。この方法は水酸化ジルコニウム単体の粒子をスラリー状にて取り扱うため撹拌機やポンプ等による粉砕や破砕が起こり、そのため交換体が系外へ漏出することでの損失が増大したり、濾過機への負荷が大きくなるという課題を有していた。また、無機イオン交換体を充填塔方式で使用する場合、微粉末の無機イオン交換体を適当な大きさ及び形状に結合剤を用いて成形する必要があり、また結合剤の種類によっては酸性又はアルカリ性において結合剤自体が溶出してしまい利用範囲が限定されてしまうという課題も有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記記載の従来技術の問題点を克服し、安価で、かつ耐薬品性、耐熱性、機械的強度及びイオン交換特性に優れたイオン交換体、その製造方法及びそれを用いた多価陰イオンを除去する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、活性炭に水酸化ジルコニウムを担持させた新規なイオン交換体を見出した。このイオン交換体は、簡便な操作で、かつ安価に製造できるものであり、又、水酸化ジルコニウム単体と比較した場合、イオン交換容量が極めて大きく、又、多価陰イオンに対する吸着速度においても優れた特性を有するものである。さらに、活性炭に水酸化ジルコニウムに加えてスルホン酸化合物をも担持させることでよりいっそうイオン交換容量が大きくなり、吸着速度においても優れた特性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、活性炭に水酸化ジルコニウムが担持されてなるイオン交換体、その製造方法及びそれを用いた多価陰イオンの除去方法に関するものである。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明において用いられる水酸化ジルコニウムとは、例えば、Zr(OH)n、ZrO2・nH2O、ZrO(OH)2・nH2O等で表されるような化合物の総称であり、通常、ジルコニウム化合物とアルカリとの反応により生成する。
【0012】
本発明において用いられる活性炭は水酸化ジルコニウムを担持するための担体として使用されるものであり、ジルコニウム化合物やスルホン酸化合物が担持できるものであれば特に限定されるものではなく、通常の、粉末状、粒状、繊維状などの活性炭のみならず、グラファイト等の不活性な炭素物質をも用いることが可能である。この内、ジルコニウム化合物やスルホン酸化合物の担持量を考慮すれば、通常の活性炭を用いることが好ましく、さらに製造の容易さや、実際の使用にあたっての充填塔への充填、通液操作、価格等の面から、粒状の活性炭が好ましく用いられる。また、その原料としては、ヤシガラ、石炭、木材、ピート、リグナイト、ピッチなどの多くの種類が例示できる。
【0013】
殊に、粒状の活性炭を用いる場合、その粒度としては、カラム等への充填、撹拌などの操作面等を考慮して決められ、本発明の目的を達成できる範囲であればいかなる粒径のものも用いることができるが、平均粒径として、0.1〜30mm、さらに0.3〜10mm、特に0.5〜5mmのものが好ましく用いられる。また、必要に応じてふるい等により分級して用いることもできる。
【0014】
その形状としては、カラム等への充填、撹拌などの操作面等を考慮して決められるが、球状、ペレット状の成形炭と称されるものや破砕炭と称されるものなどいかなる形状のものも用いることができる。
【0015】
また、水酸化ジルコニウムやスルホン酸化合物の活性炭への担持量及び担持効率を高める点から、多孔質の活性炭であることが好ましい。活性炭の表面の構造としては、水酸化ジルコニウムやスルホン酸化合物の担持量及び担持効率を高めるために、細孔容積、比表面積の大きな活性炭を用いることが好ましく、細孔容積として、0.5〜1.4cm3/g、さらに0.7〜1.1cm3/gの範囲のものが、比表面積としては、700〜1600m2/gの範囲のものが好ましく用いられる。
【0016】
本発明において用いられる、水酸化ジルコニウムを活性炭に担持するための有用な出発原料としては、アルカリとの接触により水酸化ジルコニウムが生成するジルコニウム化合物であれば特に限定されない。例えば、オキシ塩化ジルコニウム,四塩化ジルコニウム等のハロゲン化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム,硝酸ジルコニウム等の鉱酸のジルコニウム塩や、それらの水和物等が例示できる。これらの化合物のなかでも経済性の面からオキシ塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウムが好ましい。
【0017】
又、水酸化ジルコニウムの活性炭への担持量を多くするためにスルホン酸化合物を活性炭に担持する場合、スルホン酸化合物の原料としては、分子内にスルホン酸基を有する化合物であれば良く、例えば、o−トルエンスルホン酸(以下、トルエンスルホン酸をTSAと略す),m−トルエンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸,o−スチレンスルホン酸,m−スチレンスルホン酸,p−スチレンスルホン酸,o−ベンゼンスルホン酸,m−ベンゼンスルホン酸,p−ベンゼンスルホン酸,o−フェノ−ルスルホン酸,m−フェノ−ルスルホン酸,p−フェノ−ルスルホン酸,o−ドデシルベンゼンスルホン酸,m−ドデシルベンゼンスルホン酸,p−ドデシルベンゼンスルホン酸,o−ベンゼンジスルホン酸,m−ベンゼンジスルホン酸,p−ベンゼンジスルホン酸等の芳香族系スルホン酸及びその塩などの芳香族系スルホン酸化合物、クロロエタンスルホン酸,ペンタンスルホン酸等の脂肪族系スルホン酸及びその塩などの脂肪族系スルホン酸化合物などが例示できる。塩としては、Li,Na,Kなどのアルカリ金属又はMg,Caなどのアルカリ土類金属の塩が好ましく用いられる。これらの内、水酸化ジルコニウムの活性炭への担持量を多くする点から、芳香族系スルホン化合物が、さらにo−TSA、m−TSA、p−TSA、o−ベンゼンスルホン酸、m−ベンゼンスルホン酸、p−ベンゼンスルホン酸、o−フェノ−ルスルホン酸、m−フェノ−ルスルホン酸、p−フェノ−ルスルホン酸、o−スチレンスルホン酸、m−スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、及びその塩が、特にp−TSA及びその塩が好ましく用いられる。
【0018】
これらのスルホン酸化合物は、活性炭に担持されることでジルコニウム化合物の活性炭への担持における分散性が向上する。このことにより、最終的に得られる水酸化ジルコニウムが担持されてなるイオン交換体の交換能を大きくすることができる。
【0019】
また、担持する際に用いられる溶媒としては、一般に使用される有機溶媒、水のいずれも使用できるが、工程を簡略化し、製造をより容易に行なうために水が好ましい。
【0020】
本発明のイオン交換体を製造する方法としては、活性炭にジルコニウム化合物が担持できる条件であれば特に限定されず、例えば、出発原料を含有する溶液に活性炭を所定時間浸し、活性炭にジルコニウム化合物溶液を十分含浸させることで良い。含浸の時間については温度等の条件により一定しないが、通常は1時間程度で十分であり、これ以上の時間含浸させても良い。含浸は、撹拌下、振動下又は充填塔への通液等、活性炭が破砕されない条件であればいかなる方法で行なっても良い。
【0021】
また、ジルコニウム化合物溶液を活性炭へ含浸後、そのまま直接アルカリと接触させてもよいし、ジルコニウム化合物溶液が含浸された活性炭を一旦分離してもよい。分離は、通常の方法、例えば沈降分離、吸引濾過あるいは遠心濾過等、一般に使用される方法であれば特に限定されない。また得られたジルコニウム化合物が担持された活性炭を一旦乾燥することが好ましい。その理由としては、アルカリと接触させる際に生成する水酸化ジルコニウムが活性炭から剥離し、担持量が減少するのを抑制するためである。活性炭を乾燥する場合の温度の条件としては、出発原料であるジルコニウム化合物が分解しない温度で行なうことが好ましい。乾燥方法としては、通常の乾燥方法、例えば加熱乾燥、減圧乾燥あるいは通気乾燥等、一般に使用される乾燥方法であれば特に限定されるものではない。活性炭へのジルコニウムの担持量は、担持工程におけるジルコニウム化合物溶液中のジルコニウム濃度を調整したり、この担持操作を繰り返し行うことで適宣調整される。
【0022】
このようにしてジルコニウム化合物が担持された活性炭とアルカリとを接触させるわけであるが、用いられるアルカリとしては、ジルコニウム化合物から水酸化ジルコニウムを生成させることができるものであれば良く、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアなどが例示できる。これらは固体のままでも、又、溶液の状態でも使用できる。固体のアルカリを用いる場合、活性炭にアルカリを含まない液を予め加え、これに固体のアルカリを添加することで良い。又、活性炭とアルカリとの接触に際しては、アルカリの全量を一度に加えても少量ずつ分割して加えても良い。アルカリの量としては水酸化ジルコニウムが生成しうる量であれば良い。この操作により、担持されていたジルコニウム化合物が水酸化ジルコニウムとなり、水酸化ジルコニウムが担持されたイオン交換体を得ることができる。アルカリとの接触は、撹拌下、振動下において実施したり、充填塔への通液等、活性炭が破砕されなければいかなる方法でも良い。アルカリ水溶液との接触後は、そのままイオン交換体として使用することができる。またアルカリとの接触後、沈降分離、吸引濾過あるいは遠心濾過等による固液分離を行い、液を除去してイオン交換体として用いても良い。又、固液分離後、乾燥し、イオン交換体として使用しても良い。乾燥は、通常の加熱乾燥、減圧乾燥、通気乾燥等、一般の乾燥方法により実施することができる。
【0023】
尚、乾燥については、活性炭へジルコニウム化合物溶液を含浸した後、又はアルカリと接触した後のいずれにおいてもでき、又、重複して実施することもできる。
【0024】
また、アルカリと接触させる際のpHとしては特に限定されないが、活性炭にジルコニウム化合物のみを担持させる場合には、通常pH8.0以上にて行なわれるが、pH12.0以上、さらにpH12.0〜14.0に保つ条件にて行なうことでジルコニウム化合物の担持量が多くなり好ましい。この理由としては、ジルコニウム化合物が活性炭に担持された後にアルカリ処理を行なう場合、活性炭に担持されているジルコニウム化合物が、溶解性の低い水酸化ジルコニウムとなって担持される前に活性炭から溶出するのを抑制するためである。そのため、加えられるアルカリの濃度を調節し、一定のpH以上に保つことが重要となる。
【0025】
さらに、前記したように、活性炭にスルホン酸化合物を担持させることでそのイオン交換容量が大きくなり、吸着速度も優れたものとなる。具体的な担持方法としては、例えば、活性炭にスルホン酸化合物溶液を含浸させた後にジルコニウム化合物溶液を含浸させる方法、スルホン酸化合物溶液及びジルコニウム化合物溶液の混合液を含浸させる方法等が挙げられる。ここで重要な点としては、スルホン酸化合物を活性炭へ担持させることでジルコニウム化合物の活性炭への担持に際し、ジルコニウム化合物単独を活性炭に担持させるよりも分散性がいっそう良くなり、得られるイオン交換体の交換能が向上する点である。すなわち、スルホン酸化合物はジルコニウム化合物の活性炭への分散性を向上させる効果を有する。
【0026】
このスルホン酸化合物とジルコニウム化合物を活性炭に担持させる方法をさらに具体的にいえば、まずスルホン酸化合物を含有する溶液に活性炭を所定時間含浸させ、活性炭にスルホン酸化合物を担持させる。含浸の時間については温度、撹拌等の条件により異なるが、通常は1時間程度で十分である。しかし、これ以上の時間含浸させても良い。含浸は、撹拌下、振動下において実施したり、充填塔への通液等、活性炭が破砕されない条件であればいかなる方法で行っても良い。
【0027】
ここで、スルホン酸化合物を活性炭へ含浸後、分離すること無くそのままジルコニウム化合物を含む溶液を加えて含浸させても良いし、スルホン酸化合物が担持された活性炭を一旦分離してもよい。分離する場合は、通常の方法、例えば沈降分離、吸引濾過あるいは遠心濾過等、一般に使用される固液分離方法を用いることができる。更に、スルホン酸化合物が担持された活性炭を一旦乾燥しても良い。
【0028】
次に、スルホン酸化合物が担持された活性炭にジルコニウム化合物を含む溶液を十分含浸させる。含浸の時間については温度、撹拌等の条件により異なるが、通常は1時間程度で十分である。しかし、これ以上の時間含浸させても良い。含浸は、撹拌下、振動下において実施したり、充填塔への通液等、活性炭が破砕されない条件であればいかなる方法で行なっても良い。
【0029】
次に、スルホン酸化合物とジルコニウム化合物が担持された活性炭をアルカリと接触させる。上記含浸させた活性炭をアルカリと接触させるにあたっては、そのままアルカリと接触させてもよいし、アルカリと接触させる前に、活性炭を一旦分離してもよい。分離は、通常の方法、例えば沈降分離、吸引濾過あるいは遠心濾過等、一般に使用される固液分離方法を用いることができる。更に、スルホン酸化合物とジルコニウム化合物の活性炭への担持効率を高めるために、活性炭を一旦乾燥させても良い。この理由としては、湿潤状態でアルカリと接触して、生成する水酸化ジルコニウムの一部が活性炭から剥離し、担持量が幾分減少するのを避けるためである。
【0030】
ここで、スルホン酸化合物とジルコニウム化合物が担持された活性炭の乾燥温度としては、出発原料であるジルコニウム化合物又はスルホン酸化合物が変質又は分解しない温度範囲で行なうことが好ましい。通常は、20℃〜300℃で実施される。乾燥方法としては、加熱乾燥、減圧乾燥あるいは通気乾燥等、一般の乾燥方法により実施することができる。
【0031】
ジルコニウム化合物やジルコニウム化合物の活性炭への分散性を向上させるためのスルホン酸化合物の活性炭への担持量としては、使用にあたってその目的により適宣決定すれば良く、特に制限はない。その調節方法としては、用いるジルコニウム化合物やスルホン酸化合物の濃度や担持操作の繰り返し回数などにより制御できる。
【0032】
尚、乾燥については、活性炭へジルコニウム化合物溶液を含浸した後やスルホン酸化合物溶液を含浸した後、又はジルコニウム化合物溶液とスルホン酸化合物溶液の混合液を含浸した後、更にはアルカリと接触した後のいずれにおいてもでき、又、重複して実施することもできる。
【0033】
次に、本発明において用いられる活性炭を改質する方法として、粒状の活性炭を用いる場合について説明する。
【0034】
活性炭として多孔質で粒状の活性炭を用いる場合、活性炭の内部を親水化して活性炭内部までジルコニウム化合物の溶液が十分浸透するように、前処理として表面酸化改質、例えば加熱空気酸化や、各種の酸化剤による処理などを行い、その後脱気処理を行なうことが好ましい。脱気処理としては、例えば、煮沸処理、減圧加熱処理等の公知の方法を用いることができ、特に限定されない。得られた湿粒状の活性炭をオキシ塩化ジルコニウム水溶液等のジルコニウム化合物の溶液に所定時間含浸させ、活性炭にジルコニウム化合物を含む溶液を十分含浸させる。含浸の時間については温度等の条件により一定しないが、通常は1時間程度で十分であり、これ以上の時間含浸させても良い。
【0035】
含浸終了後、吸引濾過等の通常用いられる方法により活性炭を濾別し、その後、担持されたジルコニウム化合物がアルカリ接触後にその担持量が低下するのを抑制するために、得られた活性炭を40℃〜180℃で数時間程加熱乾燥することが好ましく、40℃〜110℃がさらに好ましい。
【0036】
アルカリ処理の方法としては、ジルコニウム化合物のみが担持された活性炭と水酸化ナトリウム水溶液のようなアルカリとで撹拌する。撹拌の時間としては、温度等の条件により一定しないが、通常は1〜数時間程度で十分であり、これ以上の時間かけても良い。アルカリ処理の際のpHの条件としては、担持されたジルコニウム化合物中のジルコニウムが溶出等により活性炭から出てしまうのを防ぐために通常pH8.0以上にて行なわれるが、pH12.0以上、さらにpH12.0〜14.0に保つ条件にて行なうことでジルコニウム化合物の担持量が多くなり好ましい。
【0037】
アルカリ処理終了後、担持体を吸引濾過等の通常用いられる方法により分離して水酸化ジルコニウムが担持されたイオン交換体を得る。
【0038】
本発明のイオン交換体に担持される水酸化ジルコニウムの量は、活性炭の種類や処理量、被処理液量等の処理条件に応じて適宣選択することができる。また水酸化ジルコニウムの担持量は、担持処理の際に用いられるジルコニウム化合物の溶液の濃度、担持処理の回数等により制御することができる。担持処理の際に用いられるジルコニウム化合物の溶液の濃度が高い程、又、担持処理の回数が多い程、活性炭へのジルコニウム化合物の担持量は増大し、そのためアルカリ処理後のイオン交換体のイオン交換容量、すなわち、活性炭重量当たりの吸着されるイオンの量も増大する。
【0039】
また、本発明に用いられる活性炭を改質する方法として、予めスルホン酸化合物を活性炭へ担持させた場合を例として以下に説明する。活性炭へのジルコニウム化合物の担持量を増加させる操作として、活性炭の表面を酸化させる改質、例えば加熱空気酸化や、各種の酸化剤による処理が効果的であり、更に、その後脱気処理を行うと効果が増大し好ましい。脱気処理としては、例えば、煮沸処理、減圧加熱処理等の方法を用いることができる。
【0040】
得られた湿粒状の活性炭をp−TSA水溶液等のスルホン酸化合物の溶液に所定時間含浸させ、活性炭にスルホン酸化合物を含む溶液を十分含浸させる。含浸の時間については、温度、撹拌、活性炭の種類等の条件により異なるが、通常は1時間程度で十分であり、これ以上の時間含浸させても良い。含浸終了後、吸引濾過等の通常用いられる固液分離方法により、スルホン酸化合物が担持された活性炭を濾別する。ここで、活性炭を40℃〜110℃で数時間程加熱乾燥してもよい。
【0041】
次にスルホン酸化合物が担持された活性炭をオキシ塩化ジルコニウム水溶液等のジルコニウム化合物の溶液に所定時間含浸させ、活性炭にジルコニウム化合物を含む溶液を十分含浸させる。含浸の時間については、温度、撹拌、活性炭の種類等の条件により異なるが、通常は1時間程度で十分であり、これ以上の時間含浸させても良い。
【0042】
ジルコニウム化合物の含浸終了後、吸引濾過等の通常用いられる固液分離方法により活性炭を濾別する。ここで、得られた湿潤活性炭を40℃〜180℃で数時間程加熱乾燥することが好ましく、40℃〜110℃がさらに好ましい。
【0043】
次にこの活性炭とアルカリとを接触させるアルカリ処理を実施する。アルカリ処理の方法としては、活性炭を撹拌下、又は、振動下にて、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリと接触させる。撹拌又は振動の時間としては、温度、撹拌等の条件により異なるが、通常は1〜数時間程度で十分である。アルカリ処理は、担持されたジルコニウム化合物及びスルホン酸化合物が溶出等により活性炭から出てしまうのを防ぐためにpH3.0〜11.0の範囲に保つことが好ましく、特にpH6.0〜10.0の範囲に保つことが好ましい。
【0044】
アルカリ処理後、この活性炭を吸引濾過等の通常用いられる固液分離方法により濾別し、スルホン酸化合物及び水酸化ジルコニウムが担持されたイオン交換体を得る。
【0045】
活性炭に担持されるスルホン酸化合物又は水酸化ジルコニウムの量としては、活性炭の種類や処理量、被処理液量等の処理条件に応じて適宣選択することができる。又、水酸化ジルコニウム及びスルホン酸化合物の担持量は、担持処理の際に用いられるスルホン酸化合物又は水酸化ジルコニウムの溶液の濃度、担持処理の回数等により制御することができる。例えば、担持処理の際に用いられるジルコニウム化合物の溶液の濃度が高い程、又、担持処理の回数が多い程、活性炭への水酸化ジルコニウムの担持量が増大し、イオン交換体のイオン交換容量、すなわち、活性炭重量当たりのイオン交換容量が増大する。
【0046】
このように活性炭にスルホン酸化合物及び水酸化ジルコニウムを担持させることで、水酸化ジルコニウム単体のものと比較して、水酸化ジルコニウム当たりのイオン交換容量が極めて大きくなる。ここで、スルホン酸化合物の担持量があまり多くなると水酸化ジルコニウムの担持量が減少することを考慮して、活性炭重量当たりの吸着されるイオンの量を好ましくするためにスルホン酸化合物の担持量は、水酸化ジルコニウムの担持量に対して0.1〜3倍のモル量が好ましく、更に0.2〜2倍のモル量が好ましい。
【0047】
このようにして得られる本発明のイオン交換体は、水溶液や有機溶剤中の特定の多価陰イオンの分離、除去、回収、精製、濃縮等に用いることができる。例えば、アルカリ金属塩化物水溶液中の多価陰イオンの分離、除去、回収等への適用が挙げられる。多価陰イオンとしては、2価以上の荷電を有する陰イオンであれば特に限定されない。例えば、硫酸イオン、炭酸イオン、リン酸イオン等が例示できる。更に具体的には、イオン交換膜を用いる食塩の電解方法において電解槽から排出される淡塩水を循環使用するに当たり、原料食塩に由来し、この淡塩水に残存している不純物である硫酸イオンの除去に好適に使用することができる。多価陰イオンの分離、除去、回収、精製、濃縮等の用途における実施の形態としては、本発明のイオン交換体の特性が実現できればいかなる形態においても使用することができ、例えば、充填塔などを用いての通液処理、開放又は密閉の容器中で、撹拌又は撹拌無しでのバッチ処理などが挙げられる。これらの処理方法の内、本発明のイオン交換体が機械的強度に優れていることから、イオン交換体を充填塔に詰め、処理対象液をこれに通液する方法が好ましく用いられる。又、通液にあたっても処理対象液を充填塔に一度通液するのみならず、何度も循環して実施することもできる。
【0048】
さらに具体的な処理条件として、例えば、本発明のイオン交換体を使用して、塩水中の硫酸イオンを吸着除去する場合には、所用量のイオン交換体を塩水に添加し、塩酸、硝酸等の酸を添加して、pHを1.5〜5.0、好ましくは1.5〜4.0の範囲に調整し、30〜180分間、好ましくは30〜60分間接触させたのちイオン交換体を分別又は濾過分離する。又は、所用量のイオン交換体をカラムに充填し、酸の添加によりpH値1.5〜5.0、好ましくは1.5〜4.0の範囲に調整された塩水をカラムに通水し硫酸イオンを吸着除去するか、カラムを用いた液循環方式により塩水のpH値を1.5〜5.0、好ましくは1.5〜4.0の範囲に維持しながら行なうこともできる。吸着した硫酸イオンの脱着については、所定時間、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を接触させる。通常pH5.0〜12.0、好ましくはpH9.0〜11.0で脱着操作することで達成される。
【0049】
本発明のイオン交換体が、水酸化ジルコニウム単体のものと比較した場合に、イオン交換容量が極めて大きく、また、吸着速度においても優れた特性を有するのは、活性炭へ担持されたジルコニウム化合物の活性炭における分布が分散しており、そのためにイオン交換の効率を上げることができ、さらに、アルカリとの接触によりジルコニウム化合物を水酸化ジルコニウムへと変換する際にも、イオン交換能の低い重合化物や凝集体などの生成を抑えてイオン交換容量を高くできるからと考えられる。さらに活性炭へスルホン酸化合物を担持させることにより、活性炭へ担持されたジルコニウム化合物の活性炭における分布が、より分散し、そのためにイオン交換の効率をさらに上げることができるからと考えられる。従って、本発明の水酸化ジルコニウムが活性に担持されたイオン交換体のイオン交換特性は優れたものとなると思われる。
【0050】
しかしながら、このような推測はなんら本発明を拘束するものではない。
【0051】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
<活性炭中のジルコニウムの分布>
本発明の方法により得られた水酸化ジルコニウムが担持された粒状活性炭及び水酸化ジルコニウム及びp−TSAが担持された粒状活性炭の中のジルコニウム及びp−TSAの分布を測定するために、活性炭を破断し、その破断面をFE−SEM及びEPMA(S−4500)加速電圧15kV、照射電流2×10-10Aにて観察したところ、水酸化ジルコニウム、p−TSA共活性炭の内部まで均一に分散担持されていることが分かった。
【0053】
<機械的強度の測定>
機械的強度の測定においては、JIS−R−1608に記載のファインセラミックスの圧縮強さ試験方法を参考とし、木屋式デジタル硬度計(KHT−20型)を用い、常温、常圧の雰囲気において、試験片であるペレット状のイオン交換体(0.8mmφ×5mm)を横置きにした状態により、一定速度で加圧板を押し付けて圧縮負荷を加えたとき、試験片が耐えることができる最大荷重を測定することで実施した。
【0054】
実施例1
ジルコニウム化合物を担持させる担体として、市販の粒状活性炭(コール炭:ノリット社製、商品名:GCL)のヨウ素吸着量1025mg/g、細孔容積0.8cm3/g、かさ比重0.47g/ml、比表面積1025m2/g、平均粒径1.0mmのものを用い、空気中400℃で2時間賦活を行なった。その後、水中で煮沸脱気を1時間行い、濾過分離後、湿粒状活性炭を得た。次に、オキシ塩化ジルコニウム(関東化学社製)を純水にて溶解し、ZrO2換算で8〜28重量%の6種類の濃度のオキシ塩化ジルコニウム水溶液を調製した。これらに上記の湿粒状活性炭を添加し、3時間含侵させた。このオキシ塩化ジルコニウムを含侵させた粒状活性炭を濾過分離後、110℃で2時間乾燥した。このように処理した粒状活性炭を1Nの水酸化ナトリウム水溶液に添加し、pHを8.0〜9.0に調整して、1時間接触させ、粒状活性炭中に水酸化ジルコニウムを生成させた。このように調製したイオン交換体の硫酸イオン吸着容量を各々測定した。測定にあたっては、塩化ナトリウム16.2重量%、硫酸ナトリウム0.67重量%を含有する塩水に、得られたイオン交換体を添加し、1Nの塩酸水溶液でpHを4.0に維持しながら1時間処理した後、濾過分離し、濾液中の硫酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィー法(東ソー株式会社製、カラム:TSK−GEL IC−Anion−PW)を用いて測定した。又、活性炭に担持された水酸化ジルコニウム担持量はICP法(セイコー電子工業社製、型式:SPS7000A)により測定した。表1には得られた結果として、水酸化ジルコニウム担持量、硫酸イオン吸着容量の結果を示す。
【0055】
【表1】
Figure 0003915179
【0056】
この結果より、活性炭への水酸化ジルコニウムの担持量は、出発原料であるオキシ塩化ジルコニウムの濃度が高い程増加し、更に硫酸イオン吸着容量も増加した。
【0057】
実施例2
市販の粒状活性炭(ピート炭:ノリット社製、商品名:Row−0.8S)でヨウ素吸着量1100mg/g、細孔容積1.0cm3/g、かさ比重0.38g/ml、比表面積>1000m2/g、平均粒径0.8mmのものを用い、オキシ塩化ジルコニウムを純水にて溶解し、ZrO2換算で19重量%の濃度のオキシ塩化ジルコニウム水溶液を調製した。これを1回又は同じ含浸処理を再度繰り返して2回担持した以外は、実施例1と同様な操作を行い水酸化ジルコニウムを担持した粒状活性炭を得た。得られたイオン交換体の水酸化ジルコニウム担持量及び硫酸イオン吸着容量を実施例1と同様な操作で測定し、その結果を表2に示した。
【0058】
【表2】
Figure 0003915179
【0059】
この結果より、活性炭への水酸化ジルコニウムの担持量は、担持の処理を繰り返すことで増加し、更に硫酸イオン吸着容量も増加した。
【0060】
実施例3
実施例2と同じ活性炭を用い、活性炭の前処理及びオキシ塩化ジルコニウム水溶液(ZrO2換算で9重量%)を担持させた後の乾燥の影響を検討した以外は実施例1と同様な操作を行い水酸化ジルコニウムを担持させた粒状活性炭であるイオン交換体を得た。これを実施例1と同様な操作で測定し、その結果を表3に示した。
【0061】
【表3】
Figure 0003915179
【0062】
実施例4
実施例2と同様に調製したオキシ塩化ジルコニウム担持活性炭を40℃、110℃、180℃の各温度で乾燥した以外は実施例1と同様な操作を行い水酸化ジルコニウムを担持した粒状活性炭であるイオン交換体を得た。これを実施例1と同様な操作で測定し、その結果を表4に示した。
【0063】
【表4】
Figure 0003915179
【0064】
実施例5
実施例2と同じ活性炭を用い、硫酸ジルコニウム(キシダ化学社製)水溶液 (ZrO2換算で8.6重量%)を担持し、硫酸ジルコニウムを担持させた活性炭を110℃、180℃の各温度で乾燥した以外は実施例1と同様な操作を行い水酸化ジルコニウムを担持させた粒状活性炭を得た。これを実施例1と同様な操作で測定し、その結果を表5に示した。
【0065】
【表5】
Figure 0003915179
【0066】
実施例6
実施例2で調製した水酸化ジルコニウムを担持させた粒状活性炭52ml(17.6mmol−Zr含有)を内径40mmのジャケット付きガラスカラムに充填し、70〜75℃の温水をジャケットに通水した。塩化ナトリウム16.2重量%、硫酸ナトリウム0.67重量%を含有する塩水を70〜75℃に加温し、1N−塩酸水溶液を添加することにより塩水のpHを一定に維持しながらカラムに供給し、塩水を循環させて硫酸イオンの吸着を行った。塩水は、SV(空塔速度)335/時間、LV(空塔線速度)13.8メートル/時間でカラムへ供給した。塩水のpHを4.0に維持した場合には3時間で、pHを3.0に維持した場合には1時間で吸着を終了した。実施例1と同様の方法で硫酸イオン吸着容量を測定したところ、pH4.0の場合の硫酸イオン吸着容量は0.20mol−SO4 2-/mol−Zrであり、pH3.0の場合は0.27mol−SO4 2-/mol−Zrであった。
【0067】
実施例7
担体として、市販の粒状活性炭(コール炭:ノリット社製、商品名:Row−0.8S)のヨウ素吸着量1100mg/g、細孔容積1.0cm3/g、かさ比重0.38g/ml、比表面積>1000m2/g、平均粒径0.8mmのものを用い、空気中400℃で2時間賦活を行った。その後、水中で煮沸脱気を1時間行い、濾過分離後、湿粒状活性炭を得た。次に、p−TSA(関東化学社製)、m−ベンゼンジスルホン酸2Na塩(和光純薬社製)、フェノ−ルスルホン酸Na塩(和光純薬社製)及びスチレンスルホン酸Na塩(東ソ−社製)をそれぞれ純水にて溶解し、表6に示されるように、0.5〜0.6モル/kgの水溶液を調製した。これらに上記の湿粒状活性炭を添加し、各々3時間含浸させた。濾過分離後、80℃で3時間乾燥した。得られたスルホン酸化合物が担持された粒状活性炭をオキシ塩化ジルコニウム(関東化学社製)水溶液に添加し、3時間含浸させた。濾過分離後、80℃で3時間乾燥した。このようにして得られた担持粒状活性炭を1Nの水酸化ナトリウム水溶液に添加し、pHを8.0〜9.0に調整して、1時間接触させ、粒状活性炭中に水酸化ジルコニウムを生成させた。得られたイオン交換体のスルホン酸化合物の担持量をHPLC法(東ソー株式会社製、カラム:TSK−GEL ODS−80Ts)により測定し、その結果を表6に示した。
【0068】
【表6】
Figure 0003915179
【0069】
実施例8
担体として、市販の粒状活性炭(コール炭:ノリット社製、商品名:Row−0.8S)のヨウ素吸着量1100mg/g、細孔容積1.0cm3/g、かさ比重0.38g/ml、比表面積>1000m2/g、平均粒径0.8mmのものを用い、空気中400℃で2時間賦活を行った。その後、水中で煮沸脱気を1時間行い、濾過分離後、湿粒状活性炭を得た。次に、p−TSA(関東化学社製)を純水にて溶解し、10重量%のp−TSA水溶液を調製した。この溶液に上記の湿粒状活性炭を添加し、3時間含浸させた。このp−TSAを含浸吸着させた粒状活性炭を濾過分離後、80℃で3時間乾燥した。得られたp−TSA含浸吸着粒状活性炭をオキシ塩化ジルコニウム(関東化学社製)を純水にて溶解し調製したZrO2換算で20重量%の濃度のオキシ塩化ジルコニウム水溶液に添加し、3時間含浸させた。このオキシ塩化ジルコニウムを含浸させたp−TSAが担持された粒状活性炭を濾過分離後、80℃で3時間乾燥した。このように処理した粒状活性炭を1Nの水酸化ナトリウム水溶液に添加し、pHを8.0〜9.0に調整して、1時間接触させ、粒状活性炭中に水酸化ジルコニウムを生成させた。このように調製したイオン交換体と、p−TSAを含浸させない以外は同様の処理を行ったイオン交換体につき、硫酸イオン吸着容量を測定した。測定にあたっては、塩化ナトリウム16.2重量%、硫酸ナトリウム0.67重量%を含有する塩水に、得られたイオン交換体を添加し、1Nの塩酸水溶液でpHを4.0に維持しながら1時間処理した後、濾過分離し、濾液中の硫酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィー法(東ソー株式会社製、カラム:TSK−GEL IC−Anion−PW)を用いて測定した。又、担体に担持されたp−TSA量は、HPLC法(東ソー株式会社製、カラム:TSK−GEL ODS−80Ts)により、水酸化ジルコニウム担持量はICP法(セイコー電子工業社製、型式:SPS7000A)により測定した。表7には得られた結果として、p−TSA担持量、水酸化ジルコニウム担持量及び硫酸イオン吸着容量の結果を示した。
【0070】
【表7】
Figure 0003915179
【0071】
この結果より、p−TSAを担持させることにより、得られたイオン交換体の硫酸イオン吸着容量が増加したことが分かる。
【0072】
実施例9
担体として、実施例8と同じ活性炭を用い、p−TSA(関東化学社製)を純水にて溶解し、15重量%のp−TSA水溶液を調製した。次にオキシ塩化ジルコニウム(関東化学社製)を純水にて溶解し、ZrO2換算で12〜24重量%の濃度のオキシ塩化ジルコニウム水溶液を調製し、実施例8と同様な操作を行い水酸化ジルコニウム及びp−TSAが担持されたイオン交換体を得た。これらの硫酸イオン吸着反応をpH3.0で行なった以外は硫酸イオン吸着容量を実施例2と同様な操作で測定し、その結果を表8に示した。
【0073】
【表8】
Figure 0003915179
【0074】
この結果より、イオン交換体への水酸化ジルコニウムの担持量は、出発原料であるオキシ塩化ジルコニウムの濃度が高い程増加し、更に単位活性炭量あたりの硫酸イオン吸着容量も増加し、又、担体中のジルコニウムあたりの硫酸イオン吸着容量についても充分に高いことが分かる。
【0075】
実施例10
実施例8と同じ活性炭を用い、ZrO2換算で20重量%の濃度のオキシ塩化ジルコニウム水溶液を調製し、p−TSA溶液濃度を変えて検討した以外は実施例8と同様な操作を行い水酸化ジルコニウム及びp−TSAを担持させた粒状活性炭であるイオン交換体を得た。これを実施例8と同様な操作で測定し、その結果を表9に示した。
【0076】
【表9】
Figure 0003915179
【0077】
この結果より、p−TSAの活性炭への担持量が増加すると、イオン交換体中の水酸化ジルコニウムの担持量は減少した。
【0078】
実施例11
オキシ塩化ジルコニウム及びp−TSAの混合液を活性炭に含浸させた。オキシ塩化ジルコニウム及びp−TSAを純水にて溶解し、ZrO2換算で13重量%のオキシ塩化ジルコニウム及び18重量%のp−TSAを含む混合液を調製した。この溶液に、担体として実施例8と同じ活性炭を添加し、3時間含浸させた。このオキシ塩化ジルコニウム及びp−TSA混合液を含浸させた粒状活性炭を濾過分離後、80℃で3時間乾燥した。このように処理した粒状活性炭を1Nの水酸化ナトリウム水溶液に添加し、pHを8.0〜9.0に調整して、1時間接触させ、粒状活性炭中に水酸化ジルコニウムを生成させた。このように調製したイオン交換体の水酸化ジルコニウムの担持量は、0.51mol/kg−活性炭、p−TSAの担持量は、0.94mol/kg−活性炭であり、硫酸イオン吸着容量を実施例8と同様な操作で測定した結果、0.29mol−SO4 2-/mol−Zrであった。
【0079】
実施例12
実施例8と同様な操作で調製した水酸化ジルコニウム及びp−TSAを担持させた粒状活性炭80ml(22.6mmol−Zr含有)を内径40mmのジャケット付きガラスカラムに充填し、70〜75℃の温水をジャケットに通水した。塩化ナトリウム16.2重量%、硫酸ナトリウム0.67重量%を含有する塩水を70〜75℃に加温し、1N−塩酸水溶液を添加することにより塩水のpHを一定に維持しながらカラムに供給し、塩水を循環させて硫酸イオンの吸着を行った。塩水は、SV(空塔速度)218/時間、LV(空塔線速度)13.8メートル/時間でカラムへ供給した。塩水のpHを4.0に維持し、1.5時間で吸着を終了した。別にp−TSAを担持させない活性炭を用いて同様に吸着を3時間行った。実施例8と同様の方法で硫酸イオン吸着容量を測定し、その結果を表10に示した。
【0080】
【表10】
Figure 0003915179
【0081】
この結果より、担体にp−TSAを担持することで、p−TSAを担持しない場合と比較して、硫酸イオン吸着速度が大きくなり、吸着反応時間が短縮されると共に、硫酸イオン吸着量も増加した。
【0082】
実施例13
実施例2と同じ市販の粒状活性炭を用い、水酸化ナトリウムによるpH調整の条件を12.0、13.0、14.0にしたことと、オキシ塩化ジルコニウムの量としてZrO2換算で19重量%の濃度のオキシ塩化ジルコニウム水溶液を用いた以外は実施例2と同様の操作を行ない水酸化ジルコニウムを担持した粒状活性炭を得た。得られたイオン交換体の水酸化ジルコニウム担持量を実施例2と同様な操作で測定し、その結果を表11に示した。
【0083】
【表11】
Figure 0003915179
【0084】
この結果より、活性炭への水酸化ジルコニウムの担持量はpH12.0〜14.0でアルカリ処理することでより多く担持されることが分かった。
【0085】
実施例14
担体として、実施例8で用いた粒状活性炭を用いた。水酸化ナトリウムによるpH調整の条件を14.0にしたこと以外は実施例8と同様な操作で調製した水酸化ジルコニウム及びp−TSAを担持させた粒状活性炭を用い、その30gをフラスコに入れた。ついで、電解処理モデル液としての塩水(NaCl=16重量%、Na2SO4=0.67重量%、他は水)600gを加え、70℃、さらにpHをモニターしながらpH2.0又はpH3.0にて3時間撹拌した。その後、硫酸イオン吸着容量を実施例2と同様な操作で測定し、その結果を表12に示した。
【0086】
【表12】
Figure 0003915179
【0087】
この結果より、活性炭中のジルコニウムあたりの硫酸イオン吸着容量については充分に高くなったことが分かった。
【0088】
比較例1
オキシ塩化ジルコニウムを純水に溶解してオキシ塩化ジルコニウム水溶液(ZrO2換算で7重量%)を調製した。これにZrO2に対して2倍モル量の20%水酸化ナトリウム水溶液を30分かけ滴下し、撹拌速度300rpmの条件で室温下、1時間撹拌した。得られたゲル状スラリーを濾別し、湿水酸化ジルコニウム凝集物を得た。このものの平均粒径(D50)を、マイクロトラック(Leed& Northrup社製、型式:MKII−SPA)を用いて測定したところ、9μmであった。上記湿水酸化ジルコニウム凝集物を40℃で20時間乾燥後、粉砕して粉末の水酸化ジルコニウムを得た。このものの平均粒径(D50)は、11μmであった。得られた湿式及び粉末の水酸化ジルコニウムの硫酸イオン吸着容量を実施例2と同様な操作で測定し、表13に示した。
【0089】
【表13】
Figure 0003915179
【0090】
この結果と実施例の結果とを比較すると、水酸化ジルコニウム単体に比較し、水酸化ジルコニウムを活性炭に担持することで、水酸化ジルコニウム当たりのイオン交換容量が極めて大きくなることが分かる。
【0091】
比較例2
担体として、活性炭の代わりに市販の3種の吸着性合成樹脂(三菱化学社製のセパビーズ SP−825及びSP−850、オルガノ社製のアンバーライト
XAD−7)を用い、オキシ塩化ジルコニウム水溶液(表15に示すZrO2換算の重量%)を担持させた以外は実施例1と同様な操作を行ない水酸化ジルコニウムを担持させたイオン交換体を得た。表14には使用した樹脂の性状を示す。これを実施例1と同様な操作で測定し、その結果を表15に示した。
【0092】
【表14】
Figure 0003915179
【0093】
【表15】
Figure 0003915179
【0094】
この結果と実施例の結果とを比較すると、同濃度のジルコニウム化合物を含浸させた場合には、担体として樹脂を用いるよりも活性炭を用いた方が担体へのジルコニウム担持量は多くなることが分かる。
【0095】
実施例15
担体として、実施例2で用いた粒状活性炭を用いた。これに実施例1と同様な操作で調製した水酸化ジルコニウムを担持させた粒状活性炭(「イオン交換体1」とする)、実施例8と同様な操作で調製した水酸化ジルコニウム及びp−TSAを担持させた粒状活性炭(「イオン交換体2」とする)、及び担持処理をしていない粒状活性炭(「未処理活性炭」とする)を用い、これらを別々に30gずつ1Lの三口フラスコに入れた。ついで、電解処理モデル液としての塩水(NaCl=16重量%、Na2SO4=0.68重量%、NaClO3=0.5重量%、他は水)600gを加え、70℃、pH2.0にて撹拌した。処理の期間は、イオン交換体1では27日、イオン交換体2では37日、未処理活性炭では26日であった。これを濾過、洗浄、乾燥して、上記記載の機械的強度の測定を塩水による処理を行なわなかったものと比較した。その結果、イオン交換体1、イオン交換体2では処理前後の機械的強度には変化はなく、一方、未処理活性炭では強度が若干低下して脆くなっていることが分かった。
【0096】
このことより、水酸化ジルコニウムを担持させたイオン交換体は、その基材である活性炭よりもNaClO3等の薬品に対する耐久性が優れたものとなっており、そのために塩水処理後も機械的強度についても優れていることが分かった。
【0097】
実施例16
水酸化ナトリウムによるpH調整の条件をpH14.0とした以外は実施例8と同様な操作で調製した水酸化ジルコニウム及びp−TSAを担持させた粒状活性炭72.3ml(46.2mmol−Zr含有)を内径20mmのジャケット付きガラスカラムに充填し、70〜75℃の温水をジャケットに通水した。塩化ナトリウム16.2重量%、硫酸ナトリウム0.67重量%を含有する塩水を70〜75℃に加温し、1N−塩酸水溶液を添加することにより塩水のpHを2.0に維持しながらカラムに供給し、塩水を、一度の通液(「ワンパス法」という)又は循環(「循環法」という)させ、60分間硫酸イオンの吸着を行なった。塩水は、SV(空塔速度)60/時間でカラムへ供給した。これを実施例1と同様の方法で硫酸イオン吸着容量を測定したところ、ワンパス法では0.63mol−SO4 2-/Kg−活性炭であり、循環法では0.40mol−SO4 2-/Kg−活性炭であった。
【0098】
【発明の効果】
本発明のイオン交換体は、活性炭に水酸化ジルコニウムが担持されているため、その製造における各処理工程での取扱いの容易さが著しく向上するとともに、イオン交換容量が大きく、かつイオン交換速度の大きいイオン交換体を市販の多孔質活性炭を用いて極めて簡単に、かつ経済的に製造することができる。更に、耐薬品性、耐熱性、機械的強度及びイオン交換特性に優れているため、イオン交換又はイオン吸着を利用する各種の用途にも有用である。

Claims (9)

  1. 活性炭に水酸化ジルコニウムの他にスルホン酸化合物が担持されてなることを特徴とするイオン交換体。
  2. 活性炭の細孔容積が0.5〜1.4cm/g、かつ比表面積が700〜1600m/gであることを特徴とする請求項1に記載のイオン交換体。
  3. 活性炭が粒状であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイオン交換体。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のイオン交換体の製造方法において、スルホン酸化合物及びジルコニウム化合物を活性炭に担持されてなるイオン交換体を製造する場合に、活性炭にスルホン酸化合物溶液を含浸させた後ジルコニウム化合物溶液を含浸する工程あるいは活性炭にスルホン酸化合物溶液及びジルコニウム化合物溶液を同時に含浸する工程の後に当該活性炭をアルカリと接触させ、必要に応じてこのアルカリ接触の前又は後で乾燥させることを特徴とするイオン交換体の製造方法。
  5. 請求項に記載のイオン交換体の製造方法において、活性炭へのジルコニウム化合物溶液及び/又はスルホン酸化合物溶液の含浸にその水溶液を使用することを特徴とするイオン交換体の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のイオン交換体に多価陰イオンを含有する溶液を接触して多価陰イオンを除去することを特徴とする多価陰イオンの除去方法。
  7. 請求項に記載の多価陰イオンの除去方法において、多価陰イオンを含有する溶液が硫酸イオンを含有する塩水であることを特徴とする多価陰イオンの除去方法。
  8. 請求項又は請求項に記載の多価陰イオンの除去方法において、イオン交換体を充填塔に詰め、溶液を通液することを特徴とする多価陰イオンの除去方法。
  9. 請求項に記載の多価陰イオンの除去方法において、除去をpH1.5〜5.0にて行なうことを特徴とする多価陰イオンの除去方法。
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