JPH10165824A - イオン交換体、その製造方法及びそれを用いた多価陰イオンの除去方法 - Google Patents
イオン交換体、その製造方法及びそれを用いた多価陰イオンの除去方法Info
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- JPH10165824A JPH10165824A JP9177364A JP17736497A JPH10165824A JP H10165824 A JPH10165824 A JP H10165824A JP 9177364 A JP9177364 A JP 9177364A JP 17736497 A JP17736497 A JP 17736497A JP H10165824 A JPH10165824 A JP H10165824A
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Abstract
びイオン交換特性に優れた水酸化ジルコニウムを有する
イオン交換体、その製造方法及びそれを用いた多価陰イ
オンを除去する方法を提供する。 【解決の手段】活性炭に水酸化ジルコニウムが担持され
てなるイオン交換体、その製造方法及びそれを用いた多
価陰イオンを除去する方法を用いる。
Description
オン吸着を利用する各種の用途、例えば水溶液や有機溶
剤中の特定のイオンの分離、除去、回収、精製、濃縮
や、廃液中の有害イオンの除去等の用途に好適な、活性
炭に水酸化ジルコニウムが担持されたイオン交換体、そ
の製造方法及びそれを用いた多価陰イオンの除去方法に
関する。
が広く用いられているが、イオン交換樹脂は耐放射性及
び耐熱性が劣っており、又、共存する塩の多い溶液や濃
厚電解質溶液においてはイオン選択性が乏しいため利用
範囲が限定されるといった欠点を有している。
温域における熱安定性、高イオン選択性などの優れた機
能を有しており、高温下における水処理、物質の濃縮及
び精製などへの応用が期待できる。特に両性のイオン交
換能を有するジルコニウムの水酸化物からなる無機イオ
ン交換体は、水に対する溶解度が低く特異的なイオン選
択性を有しているため、有害物質や不純物等の除去、回
収に適している。
コニウムの水酸化物は、通常ハロゲン化物、オキシハロ
ゲン化物又は鉱酸のジルコニウム塩と、アルカリとを接
触させることによって得られるが、得られた水酸化物が
ゲル状又はその凝集体であるため工業的には取り扱いに
難点があった。
は、スルホン酸官能基を持つカチオン交換樹脂に水酸化
ジルコニウムを担持し充填塔固定床方式により塩水を処
理する方法が開示されている。しかしながら、この方法
では塩水中の硫酸イオンがイオン交換樹脂に担持された
水酸化ジルコニウムにより選択的に吸着除去されるもの
の、脱着時の再生効率が低く、また水酸化ジルコニウム
を担持させる際に多量の高価なカチオン交換樹脂が必要
であり経済的ではないという欠点があった。また特開昭
60−168541号公報では、結合剤として非架橋硬
化性又は架橋硬化性有機フッ素系ポリマーを用いる方法
が、特開平3−131349号公報及び特開平4−45
854号公報では、結合剤として、粘土鉱物と金属アル
コキシドもしくはヒドロゾルを用いる方法が開示されて
いるが、いずれも調製条件に制約があったり操作が煩雑
であったりするという欠点があった。また粒状物の機械
的強度を大きくした場合、無機イオン交換体のイオン交
換容量及びイオン交換速度等のイオン交換特性が粉末状
の場合に比較して低下するといった欠点を有していた。
は、水酸化ジルコニウム乾燥粉体を用いて塩水を処理す
る方法が開示されている。この方法は水酸化ジルコニウ
ム単体の粒子をスラリー状にて取り扱うため撹拌機やポ
ンプ等による粉砕や破砕が起こり、そのため交換体が系
外へ漏出することでの損失が増大したり、濾過機への負
荷が大きくなるという課題を有していた。また、無機イ
オン交換体を充填塔方式で使用する場合、微粉末の無機
イオン交換体を適当な大きさ及び形状に結合剤を用いて
成形する必要があり、また結合剤の種類によっては酸性
又はアルカリ性において結合剤自体が溶出してしまい利
用範囲が限定されてしまうという課題も有していた。
記載の従来技術の問題点を克服し、安価で、かつ耐薬品
性、耐熱性、機械的強度及びイオン交換特性に優れたイ
オン交換体、その製造方法及びそれを用いた多価陰イオ
ンを除去する方法を提供することにある。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、活性炭に水酸化ジ
ルコニウムを担持させた新規なイオン交換体を見出し
た。このイオン交換体は、簡便な操作で、かつ安価に製
造できるものであり、又、水酸化ジルコニウム単体と比
較した場合、イオン交換容量が極めて大きく、又、多価
陰イオンに対する吸着速度においても優れた特性を有す
るものである。さらに、活性炭に水酸化ジルコニウムに
加えてスルホン酸化合物をも担持させることでよりいっ
そうイオン交換容量が大きくなり、吸着速度においても
優れた特性を有することを見出し、本発明を完成するに
至った。
コニウムが担持されてなるイオン交換体、その製造方法
及びそれを用いた多価陰イオンの除去方法に関するもの
である。
ウムとは、例えば、Zr(OH)n、ZrO2・nH
2O、ZrO(OH)2・nH2O等で表されるような化
合物の総称であり、通常、ジルコニウム化合物とアルカ
リとの反応により生成する。
ジルコニウムを担持するための担体として使用されるも
のであり、ジルコニウム化合物やスルホン酸化合物が担
持できるものであれば特に限定されるものではなく、通
常の、粉末状、粒状、繊維状などの活性炭のみならず、
グラファイト等の不活性な炭素物質をも用いることが可
能である。この内、ジルコニウム化合物やスルホン酸化
合物の担持量を考慮すれば、通常の活性炭を用いること
が好ましく、さらに製造の容易さや、実際の使用にあた
っての充填塔への充填、通液操作、価格等の面から、粒
状の活性炭が好ましく用いられる。また、その原料とし
ては、ヤシガラ、石炭、木材、ピート、リグナイト、ピ
ッチなどの多くの種類が例示できる。
度としては、カラム等への充填、撹拌などの操作面等を
考慮して決められ、本発明の目的を達成できる範囲であ
ればいかなる粒径のものも用いることができるが、平均
粒径として、0.1〜30mm、さらに0.3〜10m
m、特に0.5〜5mmのものが好ましく用いられる。
また、必要に応じてふるい等により分級して用いること
もできる。
拌などの操作面等を考慮して決められるが、球状、ペレ
ット状の成形炭と称されるものや破砕炭と称されるもの
などいかなる形状のものも用いることができる。
合物の活性炭への担持量及び担持効率を高める点から、
多孔質の活性炭であることが好ましい。活性炭の表面の
構造としては、水酸化ジルコニウムやスルホン酸化合物
の担持量及び担持効率を高めるために、細孔容積、比表
面積の大きな活性炭を用いることが好ましく、細孔容積
として、0.5〜1.4cm3/g、さらに0.7〜
1.1cm3/gの範囲のものが、比表面積としては、
700〜1600m2/gの範囲のものが好ましく用い
られる。
ニウムを活性炭に担持するための有用な出発原料として
は、アルカリとの接触により水酸化ジルコニウムが生成
するジルコニウム化合物であれば特に限定されない。例
えば、オキシ塩化ジルコニウム,四塩化ジルコニウム等
のハロゲン化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム,硝酸ジ
ルコニウム等の鉱酸のジルコニウム塩や、それらの水和
物等が例示できる。これらの化合物のなかでも経済性の
面からオキシ塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウムが好
ましい。
量を多くするためにスルホン酸化合物を活性炭に担持す
る場合、スルホン酸化合物の原料としては、分子内にス
ルホン酸基を有する化合物であれば良く、例えば、o−
トルエンスルホン酸(以下、トルエンスルホン酸をTS
Aと略す),m−トルエンスルホン酸,p−トルエンス
ルホン酸,o−スチレンスルホン酸,m−スチレンスル
ホン酸,p−スチレンスルホン酸,o−ベンゼンスルホ
ン酸,m−ベンゼンスルホン酸,p−ベンゼンスルホン
酸,o−フェノ−ルスルホン酸,m−フェノ−ルスルホ
ン酸,p−フェノ−ルスルホン酸,o−ドデシルベンゼ
ンスルホン酸,m−ドデシルベンゼンスルホン酸,p−
ドデシルベンゼンスルホン酸,o−ベンゼンジスルホン
酸,m−ベンゼンジスルホン酸,p−ベンゼンジスルホ
ン酸等の芳香族系スルホン酸及びその塩などの芳香族系
スルホン酸化合物、クロロエタンスルホン酸,ペンタン
スルホン酸等の脂肪族系スルホン酸及びその塩などの脂
肪族系スルホン酸化合物などが例示できる。塩として
は、Li,Na,Kなどのアルカリ金属又はMg,Ca
などのアルカリ土類金属の塩が好ましく用いられる。こ
れらの内、水酸化ジルコニウムの活性炭への担持量を多
くする点から、芳香族系スルホン化合物が、さらにo−
TSA、m−TSA、p−TSA、o−ベンゼンスルホ
ン酸、m−ベンゼンスルホン酸、p−ベンゼンスルホン
酸、o−フェノ−ルスルホン酸、m−フェノ−ルスルホ
ン酸、p−フェノ−ルスルホン酸、o−スチレンスルホ
ン酸、m−スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン
酸、及びその塩が、特にp−TSA及びその塩が好まし
く用いられる。
持されることでジルコニウム化合物の活性炭への担持に
おける分散性が向上する。このことにより、最終的に得
られる水酸化ジルコニウムが担持されてなるイオン交換
体の交換能を大きくすることができる。
は、一般に使用される有機溶媒、水のいずれも使用でき
るが、工程を簡略化し、製造をより容易に行なうために
水が好ましい。
ては、活性炭にジルコニウム化合物が担持できる条件で
あれば特に限定されず、例えば、出発原料を含有する溶
液に活性炭を所定時間浸し、活性炭にジルコニウム化合
物溶液を十分含浸させることで良い。含浸の時間につい
ては温度等の条件により一定しないが、通常は1時間程
度で十分であり、これ以上の時間含浸させても良い。含
浸は、撹拌下、振動下又は充填塔への通液等、活性炭が
破砕されない条件であればいかなる方法で行なっても良
い。
含浸後、そのまま直接アルカリと接触させてもよいし、
ジルコニウム化合物溶液が含浸された活性炭を一旦分離
してもよい。分離は、通常の方法、例えば沈降分離、吸
引濾過あるいは遠心濾過等、一般に使用される方法であ
れば特に限定されない。また得られたジルコニウム化合
物が担持された活性炭を一旦乾燥することが好ましい。
その理由としては、アルカリと接触させる際に生成する
水酸化ジルコニウムが活性炭から剥離し、担持量が減少
するのを抑制するためである。活性炭を乾燥する場合の
温度の条件としては、出発原料であるジルコニウム化合
物が分解しない温度で行なうことが好ましい。乾燥方法
としては、通常の乾燥方法、例えば加熱乾燥、減圧乾燥
あるいは通気乾燥等、一般に使用される乾燥方法であれ
ば特に限定されるものではない。活性炭へのジルコニウ
ムの担持量は、担持工程におけるジルコニウム化合物溶
液中のジルコニウム濃度を調整したり、この担持操作を
繰り返し行うことで適宣調整される。
された活性炭とアルカリとを接触させるわけであるが、
用いられるアルカリとしては、ジルコニウム化合物から
水酸化ジルコニウムを生成させることができるものであ
れば良く、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、アンモニアなどが例示できる。
これらは固体のままでも、又、溶液の状態でも使用でき
る。固体のアルカリを用いる場合、活性炭にアルカリを
含まない液を予め加え、これに固体のアルカリを添加す
ることで良い。又、活性炭とアルカリとの接触に際して
は、アルカリの全量を一度に加えても少量ずつ分割して
加えても良い。アルカリの量としては水酸化ジルコニウ
ムが生成しうる量であれば良い。この操作により、担持
されていたジルコニウム化合物が水酸化ジルコニウムと
なり、水酸化ジルコニウムが担持されたイオン交換体を
得ることができる。アルカリとの接触は、撹拌下、振動
下において実施したり、充填塔への通液等、活性炭が破
砕されなければいかなる方法でも良い。アルカリ水溶液
との接触後は、そのままイオン交換体として使用するこ
とができる。またアルカリとの接触後、沈降分離、吸引
濾過あるいは遠心濾過等による固液分離を行い、液を除
去してイオン交換体として用いても良い。又、固液分離
後、乾燥し、イオン交換体として使用しても良い。乾燥
は、通常の加熱乾燥、減圧乾燥、通気乾燥等、一般の乾
燥方法により実施することができる。
ム化合物溶液を含浸した後、又はアルカリと接触した後
のいずれにおいてもでき、又、重複して実施することも
できる。
ては特に限定されないが、活性炭にジルコニウム化合物
のみを担持させる場合には、通常pH8.0以上にて行
なわれるが、pH12.0以上、さらにpH12.0〜
14.0に保つ条件にて行なうことでジルコニウム化合
物の担持量が多くなり好ましい。この理由としては、ジ
ルコニウム化合物が活性炭に担持された後にアルカリ処
理を行なう場合、活性炭に担持されているジルコニウム
化合物が、溶解性の低い水酸化ジルコニウムとなって担
持される前に活性炭から溶出するのを抑制するためであ
る。そのため、加えられるアルカリの濃度を調節し、一
定のpH以上に保つことが重要となる。
ン酸化合物を担持させることでそのイオン交換容量が大
きくなり、吸着速度も優れたものとなる。具体的な担持
方法としては、例えば、活性炭にスルホン酸化合物溶液
を含浸させた後にジルコニウム化合物溶液を含浸させる
方法、スルホン酸化合物溶液及びジルコニウム化合物溶
液の混合液を含浸させる方法等が挙げられる。ここで重
要な点としては、スルホン酸化合物を活性炭へ担持させ
ることでジルコニウム化合物の活性炭への担持に際し、
ジルコニウム化合物単独を活性炭に担持させるよりも分
散性がいっそう良くなり、得られるイオン交換体の交換
能が向上する点である。すなわち、スルホン酸化合物は
ジルコニウム化合物の活性炭への分散性を向上させる効
果を有する。
物を活性炭に担持させる方法をさらに具体的にいえば、
まずスルホン酸化合物を含有する溶液に活性炭を所定時
間含浸させ、活性炭にスルホン酸化合物を担持させる。
含浸の時間については温度、撹拌等の条件により異なる
が、通常は1時間程度で十分である。しかし、これ以上
の時間含浸させても良い。含浸は、撹拌下、振動下にお
いて実施したり、充填塔への通液等、活性炭が破砕され
ない条件であればいかなる方法で行っても良い。
後、分離すること無くそのままジルコニウム化合物を含
む溶液を加えて含浸させても良いし、スルホン酸化合物
が担持された活性炭を一旦分離してもよい。分離する場
合は、通常の方法、例えば沈降分離、吸引濾過あるいは
遠心濾過等、一般に使用される固液分離方法を用いるこ
とができる。更に、スルホン酸化合物が担持された活性
炭を一旦乾燥しても良い。
炭にジルコニウム化合物を含む溶液を十分含浸させる。
含浸の時間については温度、撹拌等の条件により異なる
が、通常は1時間程度で十分である。しかし、これ以上
の時間含浸させても良い。含浸は、撹拌下、振動下にお
いて実施したり、充填塔への通液等、活性炭が破砕され
ない条件であればいかなる方法で行なっても良い。
合物が担持された活性炭をアルカリと接触させる。上記
含浸させた活性炭をアルカリと接触させるにあたって
は、そのままアルカリと接触させてもよいし、アルカリ
と接触させる前に、活性炭を一旦分離してもよい。分離
は、通常の方法、例えば沈降分離、吸引濾過あるいは遠
心濾過等、一般に使用される固液分離方法を用いること
ができる。更に、スルホン酸化合物とジルコニウム化合
物の活性炭への担持効率を高めるために、活性炭を一旦
乾燥させても良い。この理由としては、湿潤状態でアル
カリと接触して、生成する水酸化ジルコニウムの一部が
活性炭から剥離し、担持量が幾分減少するのを避けるた
めである。
化合物が担持された活性炭の乾燥温度としては、出発原
料であるジルコニウム化合物又はスルホン酸化合物が変
質又は分解しない温度範囲で行なうことが好ましい。通
常は、20℃〜300℃で実施される。乾燥方法として
は、加熱乾燥、減圧乾燥あるいは通気乾燥等、一般の乾
燥方法により実施することができる。
の活性炭への分散性を向上させるためのスルホン酸化合
物の活性炭への担持量としては、使用にあたってその目
的により適宣決定すれば良く、特に制限はない。その調
節方法としては、用いるジルコニウム化合物やスルホン
酸化合物の濃度や担持操作の繰り返し回数などにより制
御できる。
ム化合物溶液を含浸した後やスルホン酸化合物溶液を含
浸した後、又はジルコニウム化合物溶液とスルホン酸化
合物溶液の混合液を含浸した後、更にはアルカリと接触
した後のいずれにおいてもでき、又、重複して実施する
こともできる。
改質する方法として、粒状の活性炭を用いる場合につい
て説明する。
る場合、活性炭の内部を親水化して活性炭内部までジル
コニウム化合物の溶液が十分浸透するように、前処理と
して表面酸化改質、例えば加熱空気酸化や、各種の酸化
剤による処理などを行い、その後脱気処理を行なうこと
が好ましい。脱気処理としては、例えば、煮沸処理、減
圧加熱処理等の公知の方法を用いることができ、特に限
定されない。得られた湿粒状の活性炭をオキシ塩化ジル
コニウム水溶液等のジルコニウム化合物の溶液に所定時
間含浸させ、活性炭にジルコニウム化合物を含む溶液を
十分含浸させる。含浸の時間については温度等の条件に
より一定しないが、通常は1時間程度で十分であり、こ
れ以上の時間含浸させても良い。
方法により活性炭を濾別し、その後、担持されたジルコ
ニウム化合物がアルカリ接触後にその担持量が低下する
のを抑制するために、得られた活性炭を40℃〜180
℃で数時間程加熱乾燥することが好ましく、40℃〜1
10℃がさらに好ましい。
ム化合物のみが担持された活性炭と水酸化ナトリウム水
溶液のようなアルカリとで撹拌する。撹拌の時間として
は、温度等の条件により一定しないが、通常は1〜数時
間程度で十分であり、これ以上の時間かけても良い。ア
ルカリ処理の際のpHの条件としては、担持されたジル
コニウム化合物中のジルコニウムが溶出等により活性炭
から出てしまうのを防ぐために通常pH8.0以上にて
行なわれるが、pH12.0以上、さらにpH12.0
〜14.0に保つ条件にて行なうことでジルコニウム化
合物の担持量が多くなり好ましい。
の通常用いられる方法により分離して水酸化ジルコニウ
ムが担持されたイオン交換体を得る。
ジルコニウムの量は、活性炭の種類や処理量、被処理液
量等の処理条件に応じて適宣選択することができる。ま
た水酸化ジルコニウムの担持量は、担持処理の際に用い
られるジルコニウム化合物の溶液の濃度、担持処理の回
数等により制御することができる。担持処理の際に用い
られるジルコニウム化合物の溶液の濃度が高い程、又、
担持処理の回数が多い程、活性炭へのジルコニウム化合
物の担持量は増大し、そのためアルカリ処理後のイオン
交換体のイオン交換容量、すなわち、活性炭重量当たり
の吸着されるイオンの量も増大する。
る方法として、予めスルホン酸化合物を活性炭へ担持さ
せた場合を例として以下に説明する。活性炭へのジルコ
ニウム化合物の担持量を増加させる操作として、活性炭
の表面を酸化させる改質、例えば加熱空気酸化や、各種
の酸化剤による処理が効果的であり、更に、その後脱気
処理を行うと効果が増大し好ましい。脱気処理として
は、例えば、煮沸処理、減圧加熱処理等の方法を用いる
ことができる。
液等のスルホン酸化合物の溶液に所定時間含浸させ、活
性炭にスルホン酸化合物を含む溶液を十分含浸させる。
含浸の時間については、温度、撹拌、活性炭の種類等の
条件により異なるが、通常は1時間程度で十分であり、
これ以上の時間含浸させても良い。含浸終了後、吸引濾
過等の通常用いられる固液分離方法により、スルホン酸
化合物が担持された活性炭を濾別する。ここで、活性炭
を40℃〜110℃で数時間程加熱乾燥してもよい。
をオキシ塩化ジルコニウム水溶液等のジルコニウム化合
物の溶液に所定時間含浸させ、活性炭にジルコニウム化
合物を含む溶液を十分含浸させる。含浸の時間について
は、温度、撹拌、活性炭の種類等の条件により異なる
が、通常は1時間程度で十分であり、これ以上の時間含
浸させても良い。
過等の通常用いられる固液分離方法により活性炭を濾別
する。ここで、得られた湿潤活性炭を40℃〜180℃
で数時間程加熱乾燥することが好ましく、40℃〜11
0℃がさらに好ましい。
アルカリ処理を実施する。アルカリ処理の方法として
は、活性炭を撹拌下、又は、振動下にて、水酸化ナトリ
ウム水溶液等のアルカリと接触させる。撹拌又は振動の
時間としては、温度、撹拌等の条件により異なるが、通
常は1〜数時間程度で十分である。アルカリ処理は、担
持されたジルコニウム化合物及びスルホン酸化合物が溶
出等により活性炭から出てしまうのを防ぐためにpH
3.0〜11.0の範囲に保つことが好ましく、特にp
H6.0〜10.0の範囲に保つことが好ましい。
の通常用いられる固液分離方法により濾別し、スルホン
酸化合物及び水酸化ジルコニウムが担持されたイオン交
換体を得る。
水酸化ジルコニウムの量としては、活性炭の種類や処理
量、被処理液量等の処理条件に応じて適宣選択すること
ができる。又、水酸化ジルコニウム及びスルホン酸化合
物の担持量は、担持処理の際に用いられるスルホン酸化
合物又は水酸化ジルコニウムの溶液の濃度、担持処理の
回数等により制御することができる。例えば、担持処理
の際に用いられるジルコニウム化合物の溶液の濃度が高
い程、又、担持処理の回数が多い程、活性炭への水酸化
ジルコニウムの担持量が増大し、イオン交換体のイオン
交換容量、すなわち、活性炭重量当たりのイオン交換容
量が増大する。
水酸化ジルコニウムを担持させることで、水酸化ジルコ
ニウム単体のものと比較して、水酸化ジルコニウム当た
りのイオン交換容量が極めて大きくなる。ここで、スル
ホン酸化合物の担持量があまり多くなると水酸化ジルコ
ニウムの担持量が減少することを考慮して、活性炭重量
当たりの吸着されるイオンの量を好ましくするためにス
ルホン酸化合物の担持量は、水酸化ジルコニウムの担持
量に対して0.1〜3倍のモル量が好ましく、更に0.
2〜2倍のモル量が好ましい。
換体は、水溶液や有機溶剤中の特定の多価陰イオンの分
離、除去、回収、精製、濃縮等に用いることができる。
例えば、アルカリ金属塩化物水溶液中の多価陰イオンの
分離、除去、回収等への適用が挙げられる。多価陰イオ
ンとしては、2価以上の荷電を有する陰イオンであれば
特に限定されない。例えば、硫酸イオン、炭酸イオン、
リン酸イオン等が例示できる。更に具体的には、イオン
交換膜を用いる食塩の電解方法において電解槽から排出
される淡塩水を循環使用するに当たり、原料食塩に由来
し、この淡塩水に残存している不純物である硫酸イオン
の除去に好適に使用することができる。多価陰イオンの
分離、除去、回収、精製、濃縮等の用途における実施の
形態としては、本発明のイオン交換体の特性が実現でき
ればいかなる形態においても使用することができ、例え
ば、充填塔などを用いての通液処理、開放又は密閉の容
器中で、撹拌又は撹拌無しでのバッチ処理などが挙げら
れる。これらの処理方法の内、本発明のイオン交換体が
機械的強度に優れていることから、イオン交換体を充填
塔に詰め、処理対象液をこれに通液する方法が好ましく
用いられる。又、通液にあたっても処理対象液を充填塔
に一度通液するのみならず、何度も循環して実施するこ
ともできる。
本発明のイオン交換体を使用して、塩水中の硫酸イオン
を吸着除去する場合には、所用量のイオン交換体を塩水
に添加し、塩酸、硝酸等の酸を添加して、pHを1.5
〜5.0、好ましくは1.5〜4.0の範囲に調整し、
30〜180分間、好ましくは30〜60分間接触させ
たのちイオン交換体を分別又は濾過分離する。又は、所
用量のイオン交換体をカラムに充填し、酸の添加により
pH値1.5〜5.0、好ましくは1.5〜4.0の範
囲に調整された塩水をカラムに通水し硫酸イオンを吸着
除去するか、カラムを用いた液循環方式により塩水のp
H値を1.5〜5.0、好ましくは1.5〜4.0の範
囲に維持しながら行なうこともできる。吸着した硫酸イ
オンの脱着については、所定時間、水酸化ナトリウム水
溶液等のアルカリ水溶液を接触させる。通常pH5.0
〜12.0、好ましくはpH9.0〜11.0で脱着操
作することで達成される。
ウム単体のものと比較した場合に、イオン交換容量が極
めて大きく、また、吸着速度においても優れた特性を有
するのは、活性炭へ担持されたジルコニウム化合物の活
性炭における分布が分散しており、そのためにイオン交
換の効率を上げることができ、さらに、アルカリとの接
触によりジルコニウム化合物を水酸化ジルコニウムへと
変換する際にも、イオン交換能の低い重合化物や凝集体
などの生成を抑えてイオン交換容量を高くできるからと
考えられる。さらに活性炭へスルホン酸化合物を担持さ
せることにより、活性炭へ担持されたジルコニウム化合
物の活性炭における分布が、より分散し、そのためにイ
オン交換の効率をさらに上げることができるからと考え
られる。従って、本発明の水酸化ジルコニウムが活性に
担持されたイオン交換体のイオン交換特性は優れたもの
となると思われる。
発明を拘束するものではない。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
の方法により得られた水酸化ジルコニウムが担持された
粒状活性炭及び水酸化ジルコニウム及びp−TSAが担
持された粒状活性炭の中のジルコニウム及びp−TSA
の分布を測定するために、活性炭を破断し、その破断面
をFE−SEM及びEPMA(S−4500)加速電圧
15kV、照射電流2×10-10Aにて観察したとこ
ろ、水酸化ジルコニウム、p−TSA共活性炭の内部ま
で均一に分散担持されていることが分かった。
おいては、JIS−R−1608に記載のファインセラ
ミックスの圧縮強さ試験方法を参考とし、木屋式デジタ
ル硬度計(KHT−20型)を用い、常温、常圧の雰囲
気において、試験片であるペレット状のイオン交換体
(0.8mmφ×5mm)を横置きにした状態により、
一定速度で加圧板を押し付けて圧縮負荷を加えたとき、
試験片が耐えることができる最大荷重を測定することで
実施した。
状活性炭(コール炭:ノリット社製、商品名:GCL)
のヨウ素吸着量1025mg/g、細孔容積0.8cm
3/g、かさ比重0.47g/ml、比表面積1025
m2/g、平均粒径1.0mmのものを用い、空気中4
00℃で2時間賦活を行なった。その後、水中で煮沸脱
気を1時間行い、濾過分離後、湿粒状活性炭を得た。次
に、オキシ塩化ジルコニウム(関東化学社製)を純水に
て溶解し、ZrO2換算で8〜28重量%の6種類の濃
度のオキシ塩化ジルコニウム水溶液を調製した。これら
に上記の湿粒状活性炭を添加し、3時間含侵させた。こ
のオキシ塩化ジルコニウムを含侵させた粒状活性炭を濾
過分離後、110℃で2時間乾燥した。このように処理
した粒状活性炭を1Nの水酸化ナトリウム水溶液に添加
し、pHを8.0〜9.0に調整して、1時間接触さ
せ、粒状活性炭中に水酸化ジルコニウムを生成させた。
このように調製したイオン交換体の硫酸イオン吸着容量
を各々測定した。測定にあたっては、塩化ナトリウム1
6.2重量%、硫酸ナトリウム0.67重量%を含有す
る塩水に、得られたイオン交換体を添加し、1Nの塩酸
水溶液でpHを4.0に維持しながら1時間処理した
後、濾過分離し、濾液中の硫酸イオン濃度をイオンクロ
マトグラフィー法(東ソー株式会社製、カラム:TSK
−GEL IC−Anion−PW)を用いて測定し
た。又、活性炭に担持された水酸化ジルコニウム担持量
はICP法(セイコー電子工業社製、型式:SPS70
00A)により測定した。表1には得られた結果とし
て、水酸化ジルコニウム担持量、硫酸イオン吸着容量の
結果を示す。
ウムの担持量は、出発原料であるオキシ塩化ジルコニウ
ムの濃度が高い程増加し、更に硫酸イオン吸着容量も増
加した。
Row−0.8S)でヨウ素吸着量1100mg/g、
細孔容積1.0cm3/g、かさ比重0.38g/m
l、比表面積>1000m2/g、平均粒径0.8mm
のものを用い、オキシ塩化ジルコニウムを純水にて溶解
し、ZrO2換算で19重量%の濃度のオキシ塩化ジル
コニウム水溶液を調製した。これを1回又は同じ含浸処
理を再度繰り返して2回担持した以外は、実施例1と同
様な操作を行い水酸化ジルコニウムを担持した粒状活性
炭を得た。得られたイオン交換体の水酸化ジルコニウム
担持量及び硫酸イオン吸着容量を実施例1と同様な操作
で測定し、その結果を表2に示した。
ウムの担持量は、担持の処理を繰り返すことで増加し、
更に硫酸イオン吸着容量も増加した。
シ塩化ジルコニウム水溶液(ZrO2換算で9重量%)
を担持させた後の乾燥の影響を検討した以外は実施例1
と同様な操作を行い水酸化ジルコニウムを担持させた粒
状活性炭であるイオン交換体を得た。これを実施例1と
同様な操作で測定し、その結果を表3に示した。
活性炭を40℃、110℃、180℃の各温度で乾燥し
た以外は実施例1と同様な操作を行い水酸化ジルコニウ
ムを担持した粒状活性炭であるイオン交換体を得た。こ
れを実施例1と同様な操作で測定し、その結果を表4に
示した。
ダ化学社製)水溶液(ZrO2換算で8.6重量%)を
担持し、硫酸ジルコニウムを担持させた活性炭を110
℃、180℃の各温度で乾燥した以外は実施例1と同様
な操作を行い水酸化ジルコニウムを担持させた粒状活性
炭を得た。これを実施例1と同様な操作で測定し、その
結果を表5に示した。
状活性炭52ml(17.6mmol−Zr含有)を内
径40mmのジャケット付きガラスカラムに充填し、7
0〜75℃の温水をジャケットに通水した。塩化ナトリ
ウム16.2重量%、硫酸ナトリウム0.67重量%を
含有する塩水を70〜75℃に加温し、1N−塩酸水溶
液を添加することにより塩水のpHを一定に維持しなが
らカラムに供給し、塩水を循環させて硫酸イオンの吸着
を行った。塩水は、SV(空塔速度)335/時間、L
V(空塔線速度)13.8メートル/時間でカラムへ供
給した。塩水のpHを4.0に維持した場合には3時間
で、pHを3.0に維持した場合には1時間で吸着を終
了した。実施例1と同様の方法で硫酸イオン吸着容量を
測定したところ、pH4.0の場合の硫酸イオン吸着容
量は0.20mol−SO4 2-/mol−Zrであり、
pH3.0の場合は0.27mol−SO4 2-/mol
−Zrであった。
製、商品名:Row−0.8S)のヨウ素吸着量110
0mg/g、細孔容積1.0cm3/g、かさ比重0.
38g/ml、比表面積>1000m2/g、平均粒径
0.8mmのものを用い、空気中400℃で2時間賦活
を行った。その後、水中で煮沸脱気を1時間行い、濾過
分離後、湿粒状活性炭を得た。次に、p−TSA(関東
化学社製)、m−ベンゼンジスルホン酸2Na塩(和光
純薬社製)、フェノ−ルスルホン酸Na塩(和光純薬社
製)及びスチレンスルホン酸Na塩(東ソ−社製)をそ
れぞれ純水にて溶解し、表6に示されるように、0.5
〜0.6モル/kgの水溶液を調製した。これらに上記
の湿粒状活性炭を添加し、各々3時間含浸させた。濾過
分離後、80℃で3時間乾燥した。得られたスルホン酸
化合物が担持された粒状活性炭をオキシ塩化ジルコニウ
ム(関東化学社製)水溶液に添加し、3時間含浸させ
た。濾過分離後、80℃で3時間乾燥した。このように
して得られた担持粒状活性炭を1Nの水酸化ナトリウム
水溶液に添加し、pHを8.0〜9.0に調整して、1
時間接触させ、粒状活性炭中に水酸化ジルコニウムを生
成させた。得られたイオン交換体のスルホン酸化合物の
担持量をHPLC法(東ソー株式会社製、カラム:TS
K−GEL ODS−80Ts)により測定し、その結
果を表6に示した。
製、商品名:Row−0.8S)のヨウ素吸着量110
0mg/g、細孔容積1.0cm3/g、かさ比重0.
38g/ml、比表面積>1000m2/g、平均粒径
0.8mmのものを用い、空気中400℃で2時間賦活
を行った。その後、水中で煮沸脱気を1時間行い、濾過
分離後、湿粒状活性炭を得た。次に、p−TSA(関東
化学社製)を純水にて溶解し、10重量%のp−TSA
水溶液を調製した。この溶液に上記の湿粒状活性炭を添
加し、3時間含浸させた。このp−TSAを含浸吸着さ
せた粒状活性炭を濾過分離後、80℃で3時間乾燥し
た。得られたp−TSA含浸吸着粒状活性炭をオキシ塩
化ジルコニウム(関東化学社製)を純水にて溶解し調製
したZrO2換算で20重量%の濃度のオキシ塩化ジル
コニウム水溶液に添加し、3時間含浸させた。このオキ
シ塩化ジルコニウムを含浸させたp−TSAが担持され
た粒状活性炭を濾過分離後、80℃で3時間乾燥した。
このように処理した粒状活性炭を1Nの水酸化ナトリウ
ム水溶液に添加し、pHを8.0〜9.0に調整して、
1時間接触させ、粒状活性炭中に水酸化ジルコニウムを
生成させた。このように調製したイオン交換体と、p−
TSAを含浸させない以外は同様の処理を行ったイオン
交換体につき、硫酸イオン吸着容量を測定した。測定に
あたっては、塩化ナトリウム16.2重量%、硫酸ナト
リウム0.67重量%を含有する塩水に、得られたイオ
ン交換体を添加し、1Nの塩酸水溶液でpHを4.0に
維持しながら1時間処理した後、濾過分離し、濾液中の
硫酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィー法(東ソー
株式会社製、カラム:TSK−GEL IC−Anio
n−PW)を用いて測定した。又、担体に担持されたp
−TSA量は、HPLC法(東ソー株式会社製、カラ
ム:TSK−GEL ODS−80Ts)により、水酸
化ジルコニウム担持量はICP法(セイコー電子工業社
製、型式:SPS7000A)により測定した。表7に
は得られた結果として、p−TSA担持量、水酸化ジル
コニウム担持量及び硫酸イオン吸着容量の結果を示し
た。
とにより、得られたイオン交換体の硫酸イオン吸着容量
が増加したことが分かる。
(関東化学社製)を純水にて溶解し、15重量%のp−
TSA水溶液を調製した。次にオキシ塩化ジルコニウム
(関東化学社製)を純水にて溶解し、ZrO2換算で1
2〜24重量%の濃度のオキシ塩化ジルコニウム水溶液
を調製し、実施例8と同様な操作を行い水酸化ジルコニ
ウム及びp−TSAが担持されたイオン交換体を得た。
これらの硫酸イオン吸着反応をpH3.0で行なった以
外は硫酸イオン吸着容量を実施例2と同様な操作で測定
し、その結果を表8に示した。
ルコニウムの担持量は、出発原料であるオキシ塩化ジル
コニウムの濃度が高い程増加し、更に単位活性炭量あた
りの硫酸イオン吸着容量も増加し、又、担体中のジルコ
ニウムあたりの硫酸イオン吸着容量についても充分に高
いことが分かる。
%の濃度のオキシ塩化ジルコニウム水溶液を調製し、p
−TSA溶液濃度を変えて検討した以外は実施例8と同
様な操作を行い水酸化ジルコニウム及びp−TSAを担
持させた粒状活性炭であるイオン交換体を得た。これを
実施例8と同様な操作で測定し、その結果を表9に示し
た。
持量が増加すると、イオン交換体中の水酸化ジルコニウ
ムの担持量は減少した。
炭に含浸させた。オキシ塩化ジルコニウム及びp−TS
Aを純水にて溶解し、ZrO2換算で13重量%のオキ
シ塩化ジルコニウム及び18重量%のp−TSAを含む
混合液を調製した。この溶液に、担体として実施例8と
同じ活性炭を添加し、3時間含浸させた。このオキシ塩
化ジルコニウム及びp−TSA混合液を含浸させた粒状
活性炭を濾過分離後、80℃で3時間乾燥した。このよ
うに処理した粒状活性炭を1Nの水酸化ナトリウム水溶
液に添加し、pHを8.0〜9.0に調整して、1時間
接触させ、粒状活性炭中に水酸化ジルコニウムを生成さ
せた。このように調製したイオン交換体の水酸化ジルコ
ニウムの担持量は、0.51mol/kg−活性炭、p
−TSAの担持量は、0.94mol/kg−活性炭で
あり、硫酸イオン吸着容量を実施例8と同様な操作で測
定した結果、0.29mol−SO4 2-/mol−Zr
であった。
びp−TSAを担持させた粒状活性炭80ml(22.
6mmol−Zr含有)を内径40mmのジャケット付
きガラスカラムに充填し、70〜75℃の温水をジャケ
ットに通水した。塩化ナトリウム16.2重量%、硫酸
ナトリウム0.67重量%を含有する塩水を70〜75
℃に加温し、1N−塩酸水溶液を添加することにより塩
水のpHを一定に維持しながらカラムに供給し、塩水を
循環させて硫酸イオンの吸着を行った。塩水は、SV
(空塔速度)218/時間、LV(空塔線速度)13.
8メートル/時間でカラムへ供給した。塩水のpHを
4.0に維持し、1.5時間で吸着を終了した。別にp
−TSAを担持させない活性炭を用いて同様に吸着を3
時間行った。実施例8と同様の方法で硫酸イオン吸着容
量を測定し、その結果を表10に示した。
ることで、p−TSAを担持しない場合と比較して、硫
酸イオン吸着速度が大きくなり、吸着反応時間が短縮さ
れると共に、硫酸イオン吸着量も増加した。
ウムによるpH調整の条件を12.0、13.0、1
4.0にしたことと、オキシ塩化ジルコニウムの量とし
てZrO2換算で19重量%の濃度のオキシ塩化ジルコ
ニウム水溶液を用いた以外は実施例2と同様の操作を行
ない水酸化ジルコニウムを担持した粒状活性炭を得た。
得られたイオン交換体の水酸化ジルコニウム担持量を実
施例2と同様な操作で測定し、その結果を表11に示し
た。
ウムの担持量はpH12.0〜14.0でアルカリ処理
することでより多く担持されることが分かった。
酸化ナトリウムによるpH調整の条件を14.0にした
こと以外は実施例8と同様な操作で調製した水酸化ジル
コニウム及びp−TSAを担持させた粒状活性炭を用
い、その30gをフラスコに入れた。ついで、電解処理
モデル液としての塩水(NaCl=16重量%、Na2
SO4=0.67重量%、他は水)600gを加え、7
0℃、さらにpHをモニターしながらpH2.0又はp
H3.0にて3時間撹拌した。その後、硫酸イオン吸着
容量を実施例2と同様な操作で測定し、その結果を表1
2に示した。
たりの硫酸イオン吸着容量については充分に高くなった
ことが分かった。
ルコニウム水溶液(ZrO2換算で7重量%)を調製し
た。これにZrO2に対して2倍モル量の20%水酸化
ナトリウム水溶液を30分かけ滴下し、撹拌速度300
rpmの条件で室温下、1時間撹拌した。得られたゲル
状スラリーを濾別し、湿水酸化ジルコニウム凝集物を得
た。このものの平均粒径(D50)を、マイクロトラック
(Leed& Northrup社製、型式:MKII
−SPA)を用いて測定したところ、9μmであった。
上記湿水酸化ジルコニウム凝集物を40℃で20時間乾
燥後、粉砕して粉末の水酸化ジルコニウムを得た。この
ものの平均粒径(D50)は、11μmであった。得られ
た湿式及び粉末の水酸化ジルコニウムの硫酸イオン吸着
容量を実施例2と同様な操作で測定し、表13に示し
た。
水酸化ジルコニウム単体に比較し、水酸化ジルコニウム
を活性炭に担持することで、水酸化ジルコニウム当たり
のイオン交換容量が極めて大きくなることが分かる。
樹脂(三菱化学社製のセパビーズ SP−825及びS
P−850、オルガノ社製のアンバーライトXAD−
7)を用い、オキシ塩化ジルコニウム水溶液(表15に
示すZrO2換算の重量%)を担持させた以外は実施例
1と同様な操作を行ない水酸化ジルコニウムを担持させ
たイオン交換体を得た。表14には使用した樹脂の性状
を示す。これを実施例1と同様な操作で測定し、その結
果を表15に示した。
同濃度のジルコニウム化合物を含浸させた場合には、担
体として樹脂を用いるよりも活性炭を用いた方が担体へ
のジルコニウム担持量は多くなることが分かる。
れに実施例1と同様な操作で調製した水酸化ジルコニウ
ムを担持させた粒状活性炭(「イオン交換体1」とす
る)、実施例8と同様な操作で調製した水酸化ジルコニ
ウム及びp−TSAを担持させた粒状活性炭(「イオン
交換体2」とする)、及び担持処理をしていない粒状活
性炭(「未処理活性炭」とする)を用い、これらを別々
に30gずつ1Lの三口フラスコに入れた。ついで、電
解処理モデル液としての塩水(NaCl=16重量%、
Na2SO4=0.68重量%、NaClO3=0.5重
量%、他は水)600gを加え、70℃、pH2.0に
て撹拌した。処理の期間は、イオン交換体1では27
日、イオン交換体2では37日、未処理活性炭では26
日であった。これを濾過、洗浄、乾燥して、上記記載の
機械的強度の測定を塩水による処理を行なわなかったも
のと比較した。その結果、イオン交換体1、イオン交換
体2では処理前後の機械的強度には変化はなく、一方、
未処理活性炭では強度が若干低下して脆くなっているこ
とが分かった。
させたイオン交換体は、その基材である活性炭よりもN
aClO3等の薬品に対する耐久性が優れたものとなっ
ており、そのために塩水処理後も機械的強度についても
優れていることが分かった。
とした以外は実施例8と同様な操作で調製した水酸化ジ
ルコニウム及びp−TSAを担持させた粒状活性炭7
2.3ml(46.2mmol−Zr含有)を内径20
mmのジャケット付きガラスカラムに充填し、70〜7
5℃の温水をジャケットに通水した。塩化ナトリウム1
6.2重量%、硫酸ナトリウム0.67重量%を含有す
る塩水を70〜75℃に加温し、1N−塩酸水溶液を添
加することにより塩水のpHを2.0に維持しながらカ
ラムに供給し、塩水を、一度の通液(「ワンパス法」と
いう)又は循環(「循環法」という)させ、60分間硫
酸イオンの吸着を行なった。塩水は、SV(空塔速度)
60/時間でカラムへ供給した。これを実施例1と同様
の方法で硫酸イオン吸着容量を測定したところ、ワンパ
ス法では0.63mol−SO4 2-/Kg−活性炭であ
り、循環法では0.40mol−SO4 2-/Kg−活性
炭であった。
化ジルコニウムが担持されているため、その製造におけ
る各処理工程での取扱いの容易さが著しく向上するとと
もに、イオン交換容量が大きく、かつイオン交換速度の
大きいイオン交換体を市販の多孔質活性炭を用いて極め
て簡単に、かつ経済的に製造することができる。更に、
耐薬品性、耐熱性、機械的強度及びイオン交換特性に優
れているため、イオン交換又はイオン吸着を利用する各
種の用途にも有用である。
Claims (11)
- 【請求項1】活性炭に水酸化ジルコニウムが担持されて
なることを特徴とするイオン交換体。 - 【請求項2】請求項1に記載のイオン交換体において、
活性炭に水酸化ジルコニウムの他にスルホン酸化合物が
担持されてなることを特徴とするイオン交換体。 - 【請求項3】活性炭の細孔容積が0.5〜1.4cm3
/g、かつ比表面積が700〜1600m2/gである
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイオン
交換体。 - 【請求項4】活性炭が粒状であることを特徴とする請求
項1〜3のいずれかに記載のイオン交換体。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のイオン交
換体の製造方法において、ジルコニウム化合物のみを活
性炭に担持されてなるイオン交換体を製造する場合に、
工程1(活性炭にジルコニウム化合物溶液を含浸させる
工程)の後に当該活性炭をアルカリと接触させ、必要に
応じてこのアルカリ接触の前又は後で乾燥させる、又は
スルホン酸化合物及びジルコニウム化合物を活性炭に担
持されてなるイオン交換体を製造する場合に、工程2
(活性炭にスルホン酸化合物溶液を含浸させた後ジルコ
ニウム化合物溶液を含浸する工程)あるいは工程3(活
性炭にスルホン酸化合物溶液及びジルコニウム化合物溶
液を同時に含浸する工程)の後に当該活性炭をアルカリ
と接触させ、必要に応じてこのアルカリ接触の前又は後
で乾燥させることを特徴とするイオン交換体の製造方
法。 - 【請求項6】請求項5に記載のイオン交換体の製造工程
中の工程1の後にアルカリと接触させる際に、pH1
2.0以上に保つことを特徴とするイオン交換体の製造
方法。 - 【請求項7】請求項5又は請求項6に記載のイオン交換
体の製造方法において、活性炭へのジルコニウム化合物
溶液及び/又はスルホン酸化合物溶液の含浸にその水溶
液を使用することを特徴とするイオン交換体の製造方
法。 - 【請求項8】請求項1〜4のいずれかに記載のイオン交
換体に多価陰イオンを含有する溶液を接触して多価陰イ
オンを除去することを特徴とする多価陰イオンの除去方
法。 - 【請求項9】請求項8に記載の多価陰イオンの除去方法
において、多価陰イオンを含有する溶液が硫酸イオンを
含有する塩水であることを特徴とする多価陰イオンの除
去方法。 - 【請求項10】請求項8又は請求項9に記載の多価陰イ
オンの除去方法において、イオン交換体を充填塔に詰
め、溶液を通液することを特徴とする多価陰イオンの除
去方法。 - 【請求項11】請求項10に記載の多価陰イオンの除去
方法において、除去をpH1.5〜5.0にて行なうこ
とを特徴とする多価陰イオンの除去方法。
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