JP2911439B1 - ラジウム吸着剤とその製造方法 - Google Patents

ラジウム吸着剤とその製造方法

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Abstract

【要約】 【課題】 物理的な力に対し安定で、排水中に含まれる
ラジウムイオンが安定かつ高流速で吸着除去できる吸着
剤およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 強酸性陽イオン交換樹脂にチタンが化学
的に結合されているラジウム吸着剤とする。この吸着剤
は強酸性陽イオン交換樹脂をチタン化合物の酸性水溶液
と反応させた後、熱処理およびアルカリ剤による接触処
理を行うことで製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、ラジウム
吸着剤とその製造方法に関するものである。さらに詳し
くは、この出願の発明は、科学研究所から発生する廃水
もしくはウラン鉱山開発にともなって発生する廃水等の
ラジウムを含有する水の脱ラジウム処理に有用なラジウ
ム吸着剤とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】ラジウムは主にウランが崩壊
する過程で生成し、自然界ではウラン鉱石中にウランと
共存している。このようなラジウムを含有する水として
は、たとえば、地下水や、科学研究所から発生する廃
水、ウラン鉱山開発にともなって発生する廃水等があげ
られる。
【0003】ラジウムは半減期が長く、多量に摂取する
と体内に蓄積する性質があり、骨肉腫、白血病の疾病要
因になるとも言われており、水中のラジウム濃度は原子
力規制法等により公衆に対して3.0Bq/l以下に規
制されており、さらに地元との安全協定により0.03
7Bq/l以下に厳しく規制されている事業所もある。
【0004】従来より、このようなラジウムを含有する
水の脱ラジウム処理方法としては、排水に塩化バリウム
等と硫酸またはその塩を添加し、発生した硫酸バリウム
により共沈除去する方法が知られている。しかしなが
ら、この従来の方法では、沈殿池、ろ過設備等に大きな
スペースを必要とするうえ、処理の過程でラジウム含有
固形廃棄物が大量に生成する等の問題があった。
【0005】また、吸着剤を用いてラジウムを選択的に
吸着除去する方法も知られており、吸着剤として、例え
ば、無定型チタン酸を水、無機酸、無機結合体、有機結
合体の少なくとも一つ以上で結合させた吸着剤(特開昭
56−111043号公報参照)やフェノール樹脂に
鉄、チタン等の多価金属の水酸化物を分散・連繋させた
吸着剤(特公平3−56783号公報参照)等が提案さ
れている。
【0006】だが、これらのすでに提案されている吸着
剤は、吸着剤中のチタン水酸化物が分散・連繋した緩や
かな結合であるため、空気攪拌等の物理的な力で脱落し
やすく、脱落したチタン水酸化物は通水時の圧力損失を
増加させるうえ、ラジウムと共に流出するため、処理水
のラジウム濃度を0.037Bq/l以下の厳しい規制
値まで処理できない場合があり、塩酸、硫酸等の酸性水
溶液による脱着処理においてチタン水酸化物の一部が溶
出し、ラジウム吸着性能が低下する場合がある。また、
ラジウムの吸着速度が遅いため、高流速で処理すると破
過までの処理量が大幅に低下し、このため吸着したラジ
ウムの再生を頻繁に行うことが必要となり、再生費用が
高くなる等の問題があった。
【0007】そこでこの出願の発明は物理的な力に対し
安定で、排水中に含まれるラジウムイオンを安定に、か
つ高流速で吸着除去することができ、さらに、塩酸、硫
酸等の酸性水溶液による脱着処理においても安定である
新しい吸着剤とその製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、強酸性陽イオン交換樹脂
にチタンが化学的に結合されていることを特徴とするラ
ジウム吸着剤(請求項1)を提供する。そして、この出
願の発明は、チタンが酸素含有基として強酸性陽イオン
交換樹脂のアニオン性イオン交換基に結合されているラ
ジウム吸着剤(請求項2)、並びに強酸性陽イオン交換
樹脂がポーラス型である請求項1または2のラジウム吸
着剤(請求項3)や、強酸性陽イオン交換樹脂と化学的
に結合しているチタンの一部または全部が結晶性である
こと(請求項4)等の態様をも提供する。
【0009】また、この出願の発明は、強酸性陽イオン
交換樹脂をチタン化合物の酸性水溶液と反応させた後、
アルカリ剤による接触処理を行うことを特徴とする強酸
性陽イオン交換樹脂にチタンが化学的に結合されている
ラジウム吸着剤の製造方法(請求項5)、さらに、前記
のように酸性水溶液と反応させた後に、熱処理およびア
ルカリ剤による接触処理を行うことを特徴とする強酸性
陽イオン交換樹脂にチタンが化学的に結合されているラ
ジウムの吸着剤の製造方法(請求項6)をも提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】この出願の発明における強酸性陽
イオン交換樹脂としては、たとえば、通常の状態で固体
の水不溶性の有機ポリマーから形成されたマトリックス
樹脂を母体とし、水溶液からイオン交換を司るに十分な
アニオン性イオン交換基を持つものが例示される。この
場合の具体例としては、アニオン性イオン交換基として
スルホン酸基を有し、たとえば、フェノール・ホルマリ
ン系、スチレン系、アクリル系等のポリマー中にスルホ
ン酸基を交換基として有するものがあげられる。強酸性
陽イオン交換樹脂以外のカルボン酸系の弱酸性陽イオン
交換樹脂およびイミノ二酢酸系、アミノメチルホスホン
酸系等の交換基を有するキレート樹脂をチタンを結合す
る担体として使用すると、チタンの吸着量が少なく、ま
た、キレート樹脂はチタンと良好に結合するが、結合し
たチタンのラジウム吸着活性が低下し、ラジウム吸着性
能が低下するため、ラジウム吸着性が悪くなる等の問題
が生じる。
【0011】強酸性陽イオン交換樹脂は、製造条件で物
理的、化学的特性が異なるものが市販されている。この
発明においては、これら任意の樹脂を使用することがで
きる。ただ、高分子の母体がポーラス型の樹脂を用いて
チタンを結合させて製造した吸着剤はラジウムに対する
吸着速度が速いことから、高分子の母体がポーラス型で
ある樹脂を用いることがより好ましい。ポーラス型の強
酸性陽イオン交換樹脂とは、高分子の母体が多孔性の物
理構造のものであり、たとえば、ゲル型の樹脂は多孔度
が1%未満に対して、ポーラス型の樹脂は多孔度は5か
ら30%であるとされており、その物理構造において顕
著な特徴を持っている。
【0012】これらのポーラス型の樹脂については、各
種の方法によって製造されたものでよく、その製造方法
については、たとえば重合段階でトリブチルフォスフェ
ート、イソドデカン、メチルイソブチルケトン等の孔形
成剤を添加し、製造する方法が知られている。強酸性陽
イオン交換樹脂にチタンを化学的に結合する際には、水
中に分散させたブロトン型あるいはNa、K等の塩型の
強酸性陽イオン交換樹脂に、チタン化合物の酸性水溶液
(以下チタン液という)を接触して反応させることがで
きる。
【0013】チタン液としては、たとえばハロゲン化チ
タン(TiX3 、TiX4 )、硫酸チタン(Ti(SO
4 2 )、硝酸チタン(Ti(NO3 4 )等の酸性水
溶液を使用することができる。また、吸着剤中の強酸性
陽イオン交換樹脂のアニオン性イオン交換基と化学的に
結合しているチタンの量は、乾燥した吸着剤に対してチ
タンが2wt%未満になるとラジウム吸着量が大幅に低
下することから2wt%以上が好ましく、5〜20wt
%がより好ましいことから、使用するチタン化合物の量
としては、例えば、強酸性陽イオン交換樹脂の総交換容
量に対して、0.3〜30倍当量を使用するのが適当で
ある。さらに、接触させるチタン液の濃度としては、特
に限定されるものではないが、低濃度の水溶液を使用す
ると、チタンイオンが加水分解して不溶性になることか
らチタンの濃度が0.25g/l以上の濃度で使用する
ことが好ましい。
【0014】チタン液の接触方法としては、強酸性陽イ
オン交換樹脂とチタン液を混合し攪拌、もしくは振盪す
るバッチ法、強酸性陽イオン交換樹脂を樹脂塔に充填
し、チタン液を通液するカラム法のいずれの方法でも可
能である。バッチ法で行う場合は2時間以上攪拌もしく
は振盪することが好ましく、カラム法で行う場合はチタ
ン液を循環通液すると、高価なチタン液が有効に活用で
きることから好ましい。チタンを結合させた後は水洗を
行い、余剰のチタン化合物をイオン交換樹脂から分離す
る。余剰のチタン化合物が残存していると、次のアルカ
リ処理する際に、不溶性の水酸化チタンが生成し、樹脂
との分離が必要になる。水洗は、通常、樹脂体積の30
倍量の水を使用して行う。
【0015】以上のようにして、強酸性陽イオン交換樹
脂にチタンを化学的に結合させて水洗した後には、アル
カリ剤と接触させることになる。接触方法はチタンの結
合と同様にバッチ法またはカラム法で可能である。使用
するアルカリ剤としてはたとえば、Li、K、Na等の
アルカリ金属の水酸化物や炭酸塩、Ca、Mg、Sr、
Ba等のアルカリ土類金属の水酸化物や炭酸塩等があ
り、なかでも、経済性、操作性の点からアルカリ金属の
水酸化物が好ましい。このようなアルカリ剤の使用量は
使用した強酸性陽イオン交換樹脂の総交換容量の0.3
当量倍以上が好ましく、0.5から2当量倍がより好ま
しい。
【0016】このようにして、アルカリ剤と接触処理を
することにより、たとえばアニオン性イオン交換基とし
スルホン酸基を持つ樹脂に対しては、一般的には、化学
的に、主として次式
【0017】
【化1】
【0018】のように、チタンが、酸素含有基として結
合しているものと考えられる。また、ラジウムは、次式
【0019】
【化2】
【0020】のように結合すると考えられる。もちろ
ん、この発明では、以上の推察に限定されることなし
に、化学的に強酸性陽イオン交換樹脂に結合しているチ
タンを有するものがラジウム吸着剤とされる。ラジウム
吸着剤は、一般的に、ラジウムを吸着した後、塩酸、硫
酸、硝酸等の水溶液による脱着処理を行い、再使用され
る。このため、ラジウム吸着剤は、この脱着処理に用い
る酸に対して安定であることが望まれることから、この
発明のラジウム吸着剤は、強酸性陽イオン交換樹脂に結
合されているチタンの一部又は全部が結晶化されている
ことが好ましく、結晶化されることにより、化学的な安
定性が極めて向上し、空気逆洗等の物理的な作用に対し
てさらに安定になる。結晶化はチタンを結合させた強酸
性陽イオン交換樹脂を熱処理することにより行うことが
できる。
【0021】熱処理の方法としては、熱風乾燥器等によ
る乾熱処理による方法または熱水中での水熱処理による
方法が可能である。乾熱処理による方法では、温度が1
50℃以上になるとイオン交換樹脂の分解が始まり、交
換基の脱落、共重合体母体の分解が起こりやするなるの
で、温度が80〜150℃で0.5〜8時間処理するこ
とが好ましく、100〜120℃で2〜4時間処理する
ことがさらに好ましい。水中で加熱しながら行う熱処理
による方法では60〜100℃で0.5〜10時間処理
することが好ましく、70〜95℃で2〜6時間処理す
ることがさらに好ましい。
【0022】この吸着剤は、ラジウムに対する吸着量が
大きく、また、吸着速度が速いことから、通常のイオン
交換樹脂と同様にラジウム排水と接触させると容易にラ
ジウムを吸着除去することができる。接触させる方法
は、バッチ法、カラム法のいずれの方法を用いてもよい
が吸着速度が速い特性が生かせるカラム法が好ましい。
この吸着剤をカラムに充填し、ラジウムを5Bq/l含
有する排水を空間速度が40h-1の高流速で処理した場
合、ラジウムの破過濃度を0.037Bq/lとした時
の吸着剤の破過までの処理時間は約125時間と長く、
再生間隔が長くなり再生に要する費用を安価にすること
ができる。
【0023】また、この吸着剤は排水中に一般的に含ま
れる塩化ナトリウム、塩化カルシウム等が数g/lの高
濃度に存在してもラジウム吸着性能は殆ど低下せず、ア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が含まれるラジウム
排水から、ラジウムを選択的に吸着除去できる。そのう
え、吸着剤塔に持ち込まれた浮遊性物質を塔から排出す
るための空気逆洗、水逆洗等の物理的な力に対しても吸
着剤中のチタンは強酸性陽イオン交換樹脂と化学的に結
合していることから安定であり、通液時の圧力損失の増
加、処理水ラジウムの上昇等の恐れがなく安心かつ安定
な処理ができる。 以下、実施例を示し、この例に沿っ
て、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明す
る。
【0024】
【実施例】実施例1〜3 交換基の末端が水素型で、ゲル型の強酸性陽イオン交換
樹脂SK−104(三菱化学製:実施例1)及びポーラ
ス型の強酸性陽イオン交換樹脂PK−208(三菱化学
製:実施例2)、PK−212(三菱化学製:実施例
3)600mlを、水とともにそれぞれ内径が30mm
φのガラス製のカラムに充填し、1000g/lのTi
Cl4 液380mlを400ml/分で20時間循環し
た。次に、イオン交換水18lで水洗した後、160g
/l苛性ソーダ液300mlを400ml/分で2時間
循環した後、イオン交換水18lで水洗することによ
り、この発明の吸着剤を得た。 <A>チタン含有量の測定 この吸着剤を蛍光X線法でチタン含有量を求めたとこ
ろ、ゲル型のイオン交換樹脂SK−104(以下「R−
1」吸着剤とする)を用いた場合(実施例1)、吸着剤
のチタン含量は14wt%、ポーラス型のイオン交換樹
脂PK−208(以下「R−2」吸着剤とする)(実施
例2)、PK−212(以下「R−3」吸着剤とする)
(実施例3)を用いた場合はそれぞれ11wt%、10
wt%であった。 <B>エマネーション法によるラジウム濃度の測定 上記の各々の吸着剤を、その300mlを水とともに内
径が20mmφのガラス製のカラムに充填し、pHが
6.5、 226Ra濃度が5Bq/l、NaCl及びCa
Cl2 を各々150mg/l含有する原水を、流量20
0ml/分で下降流で150時間通液し、処理水を25
時間毎に採取し、ラジウム濃度をエマネーション法で測
定した。その結果を表1、表2および表3に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】このようなNaCl及びCaCl2 が共存
するラジウム排水を、空間速度が40h-1の通液条件下
で処理した時、ラジウムの破過濃度を0.037Bq/
lとすると、R−1吸着剤の破過時間は75時間、R−
2及びR−3吸着剤は125時間であった。このラジウ
ムを吸着したR−3吸着剤に2mol・dm-3の塩酸
1.5lを流量10ml/分で下降流で2.5時間通液
し、処理水を全量採取し、チタンの溶出量及びラジウム
の濃度を測定した。その結果、吸着剤中のチタンは80
%しか保持されておらず、また、吸着したラジウムを9
7%脱着していた。
【0029】次に、調製したR−2吸着剤2mlと、p
Hが6.5、 226Ra濃度が10.2Bq/l、NaC
l及びCaCl2 を各々125mg/l、70mg/l
含有する液に粉末のNaClまたはCaCl2 を添加
し、NaCl濃度が0.2〜100g/lまたはCaC
2 が0.2〜50g/lに調製した原水1lを2lの
ポリエチレン製の容器に添加し、20時間振盪した後、
60メッシュの篩で吸着剤を分離した液のラジウム濃度
をエマネーション法で測定した。その結果を表4と5に
示した。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】このように、排水中にNaClで100g
/l、CaCl2 で5g/l含有してもラジウム吸着率
は90%以上であった。 <C>ICP法によるチタン濃度の測定 上記の3種の吸着剤の各々について、その300mlを
水とともに内径が30mmφのガラス製カラムに充填
し、0.35Nl/minで2h空気逆洗した後、カラ
ムから取り出し60メッシュの篩で吸着剤を分離した液
のチタン濃度をICP法で測定した。その結果、いずれ
の吸着剤も分離した液からチタンは検出されなかった。
【0033】以上の結果から、この発明によって得られ
る吸着剤は、選択的にラジウムを吸着することができ、
吸着剤中のチタンは空気逆洗等の物理的な力に対しても
安定であった。実施例4 交換基の末端が水素型でポーラス型の強酸性陽イオン交
換樹脂PK−212(三菱化学製)600mlを水とと
もに内径が30mmφのガラス製のカラムに充填し、1
000g/lのTiCl4 液380mlを400ml/
分で20時間循環した。次に、イオン交換水18lで水
洗した後、ガラス製の容器に移し、イオン水5lを加え
85℃に加熱し、4時間攪拌を行った。その後、水とと
もに内径が30mmφのガラス製のカラムに再充填し、
160g/l苛性ソーダ液300mlを400ml/分
で2時間循環した後、イオン交換水18lで水洗するこ
とにより吸着剤(以下R−4吸着剤という)を得た。こ
の吸着剤を蛍光X線法でチタン含有量を求めたところ、
12wt%であった。
【0034】得られた吸着剤中のチタンの形態をX線回
折法を用いて評価した結果を図1に示す。実施例3で調
製した熱処理を行っていない吸着剤(R−3吸着剤)に
は認められなかったアナターゼ型酸化チタンのピークが
実施例4で調製した熱処理を行った吸着剤(R−4吸着
剤)に出現し、明らかに非晶性から結晶性のアナターゼ
型酸化チタンに変化していることが確認できた。
【0035】次に、上記吸着剤300mlを水とともに
内径が20mmφのガラス製カラムに充填し、pHが
6.5で226Raを5Bq/l含有する溶液を流量2
00ml/分で下降流で150時間通液し、処理水を2
5時間毎に採取し、ラジウム濃度をエマネーション法で
測定した。その結果を表6に示した。
【0036】
【表6】
【0037】このようにラジウムを5Bq/lで含有す
る溶液を空間速度が40h-1で通液したとき、ラジウム
の破過濃度を0.037Bq/lとしたとき、破過時間
は125時間であった。このラジウムを吸着したR−4
吸着剤に2mol・dm-3の塩酸1.5lを流量10m
l/分で下降流で2.5時間通液し、処理水を全量採取
し、チタンの溶出量及びラジウム濃度を測定した。その
結果、吸着剤中のチタンは90%保持されており、ま
た、吸着したラジウムを98%脱着していた。
【0038】実施例5 交換基の末端が水素型でポーラス型の強酸性陽イオン交
換樹脂PK−212(三菱化学製)600mlを水とと
もに内径が30mmφのガラス製のカラムに充填し、1
000g/lのTiCl4 液380mlを400ml/
分で20時間循環した。次に、イオン交換水18lで水
洗した後、水と樹脂を分離し、ガラス製の容器に移し、
110℃で、3時間熱風乾燥器中で加熱処理を行った。
その後、水とともに内径が30mmφのガラス製のカラ
ムに再充填し、160g/l苛性ソーダ液300mlを
400ml/分で2時間循環した後、イオン交換水18
lで水洗することにより吸着剤(以下R−5吸着剤とい
う)を得た。この吸着剤を蛍光X線法でチタン含有量を
求めたところ、11wt%であった。
【0039】次に、上記吸着剤300mlを水とともに
内径が20mmφのガラス製カラムに充填し、pHが
6.5で226 Raを5Bq/l含有する溶液を流量20
0ml/分で下降流で150時間通液し、処理水を25
時間毎に採取し、ラジウム濃度をエマネーション法で測
定した。その結果を表7に示した。
【0040】
【表7】
【0041】このようにラジウムを5Bq/lで含有す
る溶液を空間速度が40h-1で通液したとき、ラジウム
の破過濃度を0.037Bq/lとしたとき、破過時間
は125時間であった。さらに、実施例4と同様にして
ラジウムの脱離を行ったところ、吸着剤中のチタンは9
0%保持されており、また、吸着したラジウムを98%
脱離していた。
【0042】比較例1 交換基がアミノメチルホスホン酸でその末端が水素型の
キレート樹脂OC−1060(バイエル社製)を用いた
以外は、実施例1と同じ方法で吸着剤を調整した。次
に、調整した吸着剤300mlを水とともに内径が20
mmφのガラス製のカラムに充填し、pHが6.5、
226Ra濃度が5Bq/l、NaCl、CaCl2 を各
々150mg/l含有するモデル液を作液し、流量10
0ml/分で下降流で75時間通液した。処理水を25
時間毎に採取しラジウム濃度を測定した。その結果を表
8に示した。
【0043】
【表8】
【0044】前記の実施例と比較すると、通液時の空間
速度が半分であるにも関わらず、ラジウムを0.037
Bq/l以下に処理できる時間は半分以下であった。比較例2 以下のようにして特公平3−56783号公報の実施例
1に記載のフェノール樹脂にチタンを分散・連繋させた
吸着剤を調製した。すなわち、p−ヒドロキシフエニル
アラニン16.7部、フエノール18.8部、37%ホ
ルマリン37.5部、35%塩酸41.5部の混合液
を、50℃で1時間加熱攪拌を続けた後、室温に冷却し
た。この液に30%硫酸チタン溶液37.5部を加え、
室温で30分間攪拌し、硫酸チタンを含有する樹脂液を
得た。続いて、四塩化炭素、モノクロルベンゼン混合媒
体と上記の樹脂液を容量1lの容器に入れ回転攪拌しな
がら、120℃で水を溜去しつつ3時間懸濁重縮合を続
けて樹脂を得た。この樹脂を濾別、風乾燥、5%NaO
H溶液に、室温で1時間浸漬処理を行い、続いて、水洗
し、20〜50メッシュの球状のイオン交換体を得た。
この吸着剤を用い、前記のこの発明の実施例1と同様の
方法で空気逆洗でのチタンの溶出量とラジウム吸着性能
を測定した。その結果、60メッシュの篩で吸着剤を分
離した液のチタン濃度は3.5mg/lであり、ラジウ
ム吸着性能測定結果を表9に示した。
【0045】
【表9】
【0046】前記のこの発明の実施例と比較すると空気
逆洗等の物理的な力でチタンの一部に脱落が起こった。
また、ラジウムを0.037Bq/ml以下に処理でき
る時間は半分以下であった。
【0047】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この出願の
発明の吸着剤では、ラジウムに対して選択吸着力が高
く、空気逆洗等の物理的な作用に対しても安定であり、
化学的な安定性も高く、さらに排水中のラジウムは地元
との安全協定で規制されている0.037Bq/ml以
下の厳しい規制値まで吸着除去することができる。
【0048】
【図面の簡単な証明】
【0049】
【図1】吸着剤中のチタンについて示したX線回折スペ
クトル図である。図中のR−3およびR−4は、各々、
実施例3および実施例4の吸着剤を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二宮 一朗 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ 株式会社 中央研究所内 (72)発明者 滝 富弘 岡山県苫田郡上斎原村1550 動力炉・核 燃料開発事業団人形峠事業所内 (56)参考文献 特開 昭56−111043(JP,A) 特開 昭52−29480(JP,A) 特開 昭52−114588(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01J 20/00 - 20/34 G21F 9/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強酸性陽イオン交換樹脂にチタンが化学
    的に結合されていることを特徴とするラジウム吸着剤。
  2. 【請求項2】 チタンが酸素含有基として強酸性陽イオ
    ン交換樹脂のアニオン性イオン交換基に結合されている
    請求項1のラジウム吸着剤。
  3. 【請求項3】 強酸性陽イオン交換樹脂がポーラス型で
    ある請求項1または2のラジウム吸着剤。
  4. 【請求項4】 チタンの一部または全部が結晶性である
    請求項1ないし3のいずれかのラジウム吸着剤。
  5. 【請求項5】 強酸性陽イオン交換樹脂をチタン化合物
    の酸性水溶液と反応させた後、アルカリ剤による接触処
    理を行うことを特徴とする強酸性陽イオン交換樹脂にチ
    タンが化学的に結合されているラジウム吸着剤の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 強酸性陽イオン交換樹脂をチタン化合物
    の酸性水溶液と反応させた後、熱処理およびアルカリ剤
    による接触処理を行うことを特徴とする強酸性陽イオン
    交換樹脂にチタンが化学的に結合されているラジウム吸
    着剤の製造方法。
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